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車輪用軸受装置およびこの製造方法 - NTN株式会社
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発明の名称 車輪用軸受装置およびこの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−153247(P2007−153247A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−354346(P2005−354346)
出願日 平成17年12月8日(2005.12.8)
代理人 【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
発明者 河村 浩志 / 福島 茂明 / 山内 清茂 / 小澤 仁博 / 梅木田 光
要約 課題
軽量・コンパクト化と共に、結合部のガタ詰めを行い、長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置およびこの製造方法を提供する。

解決手段
外側継手部材14の軸部20の端部を径方向外方に塑性変形させてハブ輪1の端面28に加締め、この加締部21によってハブ輪1に対して外側継手部材14が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、ハブ輪1のセレーション1cが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層11が形成されると共に、軸部20のセレーション20bが未焼入れの生のままとされ、軸部20が円筒状に形成され、この内径に拡径治具を押し込むことにより軸部20のセレーション20bを拡径させ、セレーション1cとの係合部がガタ詰めされているので、係合部全域に亙って均一にガタ詰めができ、フレッティングを効果的に防止することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、
前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、
この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて前記ハブ輪の端面に加締め、この加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、
前記軸部が円筒状に形成されると共に、前記軸部のセレーションを拡径させ、前記ハブ輪のセレーションとの係合部がガタ詰めされていることを特徴とする車輪用軸受装置。
【請求項2】
前記ハブ輪のセレーションが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されると共に、前記軸部のセレーションが未焼入れの生のままとされている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
【請求項3】
ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とをユニット化する車輪用軸受装置の製造方法であって、
前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、
この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて前記ハブ輪の端面に加締め、この加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定される車輪用軸受装置の製造方法において、
前記軸部が円筒状に形成され、当該軸部の端部を径方向外方に塑性変形させて前記ハブ輪の端面に加締治具で揺動加締めする工程と、この加締工程の前に、前記軸部の内径に拡径治具を押し込むことにより当該軸部のセレーションを拡径する工程を備えていることを特徴とする車輪用軸受装置の製造方法。
【請求項4】
前記軸部の端部における加締前の形状が、先端部の肉厚が根元部の肉厚よりも大きくなるよう先端に向って漸増する形状に形成されている請求項3に記載の車輪用軸受装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、軽量・コンパクト化と共に、結合部の耐久性の向上を図った第4世代構造の車輪用軸受装置およびこの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、所望の軸受剛性を有し、ミスアライメントに対しても耐久性を発揮すると共に、燃費向上の観点から回転トルクが小さい複列アンギュラ玉軸受が多用されている。
【0003】
また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造までが量産化されると共に、さらにハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成されて軽量・コンパクト化された第4世代構造が開発され、一部市場に投入されようとしている。
【0004】
この第4世代構造の車輪用軸受装置として、図3に示すものが知られている。この車輪用軸受装置は、ハブ輪50、複列の転がり軸受51および等速自在継手52がユニット化されている。複列の転がり軸受51は、外周にナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ53bを一体に有し、内周に複列の外側転走面53a、53aが形成された外方部材53と、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ54を一体に有し、外周に複列の外側転走面53a、53aに対向する一方の内側転走面50aと、この内側転走面50aから軸方向に延びる小径段部50bが形成されたハブ輪50、およびこのハブ輪50の小径段部50bに内嵌され、複列の外側転走面53a、53aに対向する他方の内側転走面55aが形成された外側継手部材55からなる内方部材56と、これら両転走面間に収容された複列のボール57、57と、これら複列のボール57、57を転動自在に保持する保持器58、58とを備えた複列アンギュラ玉軸受で構成されている。ハブ輪50の外周には、アウター側のシール65が摺接するシールランド部から内側転走面50aおよび小径段部50bの端面に亙って高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されている。
【0005】
等速自在継手52は、外側継手部材55と継手内輪59とケージ60とトルク伝達ボール61とからなり、外側継手部材55は、カップ状のマウス部62と、このマウス部62の底部をなす肩部63と、この肩部63から軸方向に延びる軸部64とを一体に有している。軸部64の外周にはセレーション64aが形成され、ハブ輪50の内周に形成されたセレーション50cに係合してトルク伝達可能としている。また、外側継手部材55の外周には、インナー側のシール65が摺接するシールランド部から内側転走面55aおよび軸部64に亙って高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されている。
【0006】
外方部材53と内方部材56との間に形成される環状空間の開口部にはシール65、65が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
【0007】
また、外側継手部材55の軸部64の端部を径方向外方に塑性変形させてハブ輪50のパイロット部66内に位置する端面67に加締め(揺動加締)、この加締部68により外側継手部材55がハブ輪50に軸方向に固定されると共に、ハブ輪50の小径段部50bの端面と外側継手部材55の肩部63を突き合わせ、軸受予圧量の管理を行っている。
【0008】
ここで、ハブ輪50の端面67の少なくとも加締部68と接触する部位を径方向外方に向けてアウター側に傾斜させて形成することにより、加締部68の接触面積を増大させ、加締部68の強度を向上させている。
【特許文献1】特開2002−356101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
こうした従来の車輪用軸受装置において、加締部68の強度を図るために、ハブ輪50の端面67の少なくとも加締部68と接触する部位を径方向外方に向けてアウター側に傾斜させて形成し、加締部68の接触面積を増大させることは有効な手段である。然しながら、トルクを伝達するセレーション50c、64aの係合部に回転方向のガタがあれば、車両の走行安定性やフィーリングに悪影響を及ぼすだけでなく、係合部にフレッティングが進行すると共に、モーメント荷重等が負荷された時、このガタが増幅され、加締部68の強度が低下する恐れがあった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化と共に、結合部のガタ詰めを行い、長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置およびこの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて前記ハブ輪の端面に加締め、この加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記軸部が円筒状に形成されると共に、当該軸部のセレーションを拡径させ、前記ハブ輪のセレーションとの係合部がガタ詰めされている。
【0012】
このように、ハブ輪と外側継手部材とが揺動加締によって形成された加締部によりユニット化された第4世代構造の車輪用軸受装置において、軸部が円筒状に形成されると共に、軸部のセレーションを拡径させ、ハブ輪のセレーションとの係合部がガタ詰めされているので、軽量・コンパクト化と共に、車両の走行安定性とフィーリングを向上させると共に、長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
【0013】
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ハブ輪のセレーションが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されると共に、前記軸部のセレーションが未焼入れの生のままとされていれば、当該セレーションを拡径してハブ輪のセレーションとの係合部のガタ詰めを容易に、かつ均一にすることができる。
【0014】
また、本発明のうち請求項3に記載の方法発明は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とをユニット化する車輪用軸受装置の製造方法であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて前記ハブ輪の端面に加締め、この加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定される車輪用軸受装置の製造方法において、前記軸部が円筒状に形成され、当該軸部の端部を径方向外方に塑性変形させて前記ハブ輪の端面に加締治具で揺動加締めする工程と、この加締工程の前に、前記軸部の内径に拡径治具を押し込むことにより当該軸部のセレーションを拡径する工程を備えている。
【0015】
このように、外側継手部材の軸部の端部を径方向外方に塑性変形させてハブ輪の端面に加締め、この加締部によってハブ輪に対して外側継手部材が軸方向に固定される車輪用軸受装置の製造方法において、軸部が円筒状に形成され、軸部の端部を径方向外方に塑性変形させてハブ輪の端面に加締治具で揺動加締めする工程と、この加締工程の前に、軸部の内径に拡径治具を押し込むことにより軸部のセレーションを拡径する工程を備えているので、セレーションの係合部のガタを詰め、車両の走行安定性とフィーリングを向上させると共に、長期間に亘って加締部の強度・耐久性を確保し、かつ長期間その予圧量を維持することができる。
【0016】
また、請求項4記載に記載の発明のように、前記軸部の端部における加締前の形状が、先端部の肉厚が根元部の肉厚よりも大きくなるよう先端に向って漸増する形状に形成されていれば、加締加工の初期にポンチ等の加締治具によって押し広げられる肉量が多くなるため、ハブ輪の円筒部を塑性変形させる軸方向寸法が短くて済むと共に、加締治具形状に早期に充足し易く、外側継手部材を強固に固定することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて前記ハブ輪の端面に加締め、この加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記軸部が円筒状に形成され、当該軸部のセレーションを拡径させ、前記ハブ輪のセレーションとの係合部がガタ詰めされているので、軽量・コンパクト化と共に、車両の走行安定性とフィーリングを向上させると共に、長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
【0018】
また、本発明に係る車輪用軸受装置の製造方法は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とをユニット化する車輪用軸受装置の製造方法であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて前記ハブ輪の端面に加締め、この加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定される車輪用軸受装置の製造方法において、前記軸部が円筒状に形成され、当該軸部の端部を径方向外方に塑性変形させて前記ハブ輪の端面に加締治具で揺動加締めする工程と、この加締工程の前に、前記軸部の内径に拡径治具を押し込むことにより当該軸部のセレーションを拡径する工程を備えているので、セレーションの係合部全域に亙って均一にガタ詰めを行うことができ、フレッティングを効果的に防止することができ、車両の走行安定性とフィーリングを向上させると共に、長期間に亘って加締部の強度・耐久性を確保し、かつ長期間その予圧量を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列のボールとを備え、前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて前記ハブ輪の端面に加締め、この加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記ハブ輪のセレーションが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されると共に、前記軸部のセレーションが未焼入れの生のままとされ、当該軸部が円筒状に形成され、この内径に拡径治具を押し込むことにより前記軸部のセレーションを拡径させ、前記ハブ輪のセレーションとの係合部がガタ詰めされている。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の車輪用軸受装置の組立工程を示す説明図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
【0021】
この車輪用軸受装置は第4世代と称され、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手3とがユニット化して構成されている。複列の転がり軸受2は、外方部材4と内方部材5と複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。内方部材5は、ハブ輪1と、このハブ輪1にトルク伝達可能に内嵌された後述する外側継手部材14とからなる。
【0022】
外方部材4は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ4bを一体に有し、内周に円弧状の複列の外側転走面4a、4aが形成されている。この複列の外側転走面4a、4aは、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
【0023】
一方、ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、アウター側の端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ7を有し、この車輪取付フランジ7の周方向等配に複数のハブボルト8が植設されている。また、ハブ輪1の外周には、前記複列の外側転走面4a、4aに対向する一方(アウター側)の円弧状の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にはトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。そして、内周のセレーション1cの部位と、アウター側のシール10が摺接するシールランド部7aから内側転走面1aおよび小径段部1bの端面に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層11、12が形成されている。これにより、セレーション1cと車輪取付フランジ7の基部となるシールランド部7aの耐摩耗性が向上するばかりでなく、車輪取付フランジ7に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性が向上する。
【0024】
等速自在継手3は、外側継手部材14と継手内輪15、ケージ16、およびトルク伝達ボール17とからなる。外側継手部材14はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、カップ状のマウス部18と、このマウス部18の底部をなす肩部19と、この肩部19から軸方向に延びる円筒状の軸部20とが一体に形成されている。この軸部20には、ハブ輪1の小径段部1bに所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するインロウ部20aと、外周にハブ輪1のセレーション1cに係合するセレーション(またはスプライン)20bがそれぞれ形成されている。そして、軸部20の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部21によって、小径段部1bの端面が肩部19に衝合し、突き合わせ状態で、ハブ輪1と外側継手部材14とが一体に塑性結合されている。
【0025】
また、マウス部18の内周には軸方向に延びる曲線状のトラック溝18aが形成されると共に、継手内輪15の外周にこのトラック溝18aに対応するトラック溝15aが形成され、これら両トラック溝18a、15a間にケージ16を介してトルク伝達ボール17が収容されている。また、肩部19の外周には、前記複列の外側転走面4a、4aに対向する他方(インナー側)の円弧状の内側転走面14aが形成されている。そして、トラック溝18aと、インナー側のシール10が摺接するシールランド部19aから内側転走面14aおよび軸部20のインロウ部20aに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層22、23が形成されている。これにより、トラック溝18aとシールランド部19aの耐摩耗性が向上するばかりでなく、負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、外側継手部材14の耐久性が向上する。
【0026】
外方部材4の複列の外側転走面4a、4aと、これらに対向する複列の内側転走面1a、14a間には複列の転動体6、6が収容され、保持器9、9によって転動自在に保持されている。また、外方部材4の端部にはシール10、10が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。これらの複列の転がり軸受2は、両転走面4a、1aおよび4a、14aに加わる力の作用方向の作用線が軸心に向うほど軸方向に離反する、所謂背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成している。なお、ここでは、転動体6にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置は、これに限らず、転動体6に円錐ころを用いた複列円錐ころ軸受であっても良い。
【0027】
また、ハブ輪1の開口端部と軸部20の内周にはエンドキャップ24、25が装着され、塑性結合部に雨水等が浸入してその部位が発錆するのを防止すると共に、継手内部に封入されたグリースが外部に流出するのを防止している。
【0028】
次に、図2(a)、(b)を用いてハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手3のユニット化の方法について詳細に説明する。
まず、図2(a)に示すように、外方部材4の複列の外側転走面4a、4aに保持器9、9を介して複列の転動体6、6が仮組みされると共に、外方部材4の両端部にシール10、10が装着される。次に、外方部材4の両側からハブ輪1と外側継手部材14が内挿され、ハブ輪1の小径段部1bの端面に外側継手部材14の肩部19が衝合され、突き合わせ状態になるまでハブ輪1に外側継手部材14の軸部20がセレーション1c、20bを介して内嵌される。そして、軸部20の内径にマンドレル等の拡径治具26を押し込んでセレーション20b部を拡径し、ハブ輪1のセレーション1cとこのセレーション20bとの係合部のガタ詰めが行われる。これにより、係合部全域に亙って均一にガタ詰めを行うことができ、フレッティングを効果的に防止することができる。
【0029】
その後、図2(b)に示すように、軸部20の端部を径方向外方に塑性変形させてハブ輪1のパイロット部27内に位置する端面28に加締治具29で揺動加締めし、この加締部21により外側継手部材14がハブ輪1に軸方向に固定される。また、この揺動加締によりハブ輪1の小径段部1bの端面と外側継手部材14の肩部19が突き合わされ、軸受部が所定の予圧量に管理される。こうした製造方法を採用することにより、セレーション1c、20bの係合部のガタを詰め、車両の走行安定性とフィーリングを向上させると共に、長期間に亘って加締部21の強度・耐久性を確保し、かつ長期間その予圧量を維持することができる。
【0030】
ここで、軸部20の端部における加締前の形状が、先端部の肉厚が根元部の肉厚よりも大きくなるよう先端に向って漸増する形状に形成されていれば、加締加工の初期にポンチ等の加締治具29によって押し広げられる肉量が多くなるため、塑性変形させる軸方向寸法が短くて済むと共に、加締治具形状に早期に充足し易く、ハブ輪1と外側継手部材14とを強固に固定することができる(図2(a)参照)。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】(a)は、図1の車輪用軸受装置の拡径工程を示す説明図である。 (b)は、同上揺動加締工程を示す説明図である。
【図3】従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14a・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、20b・・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
4a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
4b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
6・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
7a、19a・・・・・・・・・・・シールランド部
8・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
9・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・シール
11、12、22、23・・・・・・硬化層
14・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
15a、18a・・・・・・・・・・トラック溝
16・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
17・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
18・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
19・・・・・・・・・・・・・・・肩部
20・・・・・・・・・・・・・・・軸部
20a・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
24、25・・・・・・・・・・・・エンドキャップ
26・・・・・・・・・・・・・・・拡径治具
27・・・・・・・・・・・・・・・パイロット部
28・・・・・・・・・・・・・・・端面
29・・・・・・・・・・・・・・・加締治具
50・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
50a、55a・・・・・・・・・・内側転走面
51・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
52・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
53・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
53a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
54・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
55・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
56・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
57・・・・・・・・・・・・・・・ボール
58・・・・・・・・・・・・・・・保持器
59・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
60・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
61・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
62・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
63・・・・・・・・・・・・・・・肩部
64・・・・・・・・・・・・・・・軸部
65・・・・・・・・・・・・・・・シール
66・・・・・・・・・・・・・・・パイロット部
67・・・・・・・・・・・・・・・端面
68・・・・・・・・・・・・・・・加締部




 

 


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