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発明の名称 作業車両の前後進切換制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−245861(P2007−245861A)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
出願番号 特願2006−70641(P2006−70641)
出願日 平成18年3月15日(2006.3.15)
代理人 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
発明者 黒田 晃史 / 久保田 幸雄 / 石橋 文雄 / 小山 智弘
要約 課題
前後進切換レバーを装備する作業車両において、クラッチを操作して前後進切換レバーを中立位置に操作した時に、傾斜地では自然下降走してしまうことがあった。

解決手段
HST21の出力回転数を変更するアクチュエータ86と、該HSTの出力軸68と車軸との間の動力伝達経路に設ける正逆転切換機構23と、運転操作部に設けた前記正逆転切換機構23を切り換える前後進切換操作具となる正逆転切換レバー7を備える作業車両において、前記前後進切換操作具の操作位置を検出する手段87と、正逆転切換機構を切り換えるクラッチ61と、これらを制御するコントローラ81を備え、前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間ΔTが設定時間T0よりも短い場合、一方の進行方向から減速して速度0に至ると同時に正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御した。
特許請求の範囲
【請求項1】
車速を変速する油圧式無段変速と、該油圧式無段変速装置の出力回転数を変更するアクチュエータと、該油圧式無段変速装置の出力軸と車軸との間の動力伝達経路に設ける正逆転切換機構と、運転操作部に設けた前記正逆転切換機構を切り換える前後進切換操作具を備える作業車両において、前記前後進切換操作具の操作位置を検出する手段と、正逆転切換機構を切り換えるクラッチと、これらを制御するコントローラを備え、前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間が設定時間よりも短い場合、一方の進行方向から減速して速度0に至ると同時に正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御したことを特徴とする作業車両の前後進切換制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車両の前後進切換制御装置において、前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間が設定時間よりも長い場合、中立位置に位置してから設定時間経過後に前記クラッチを切り、前後進切換操作具を逆方向に切換と、正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御したことを特徴とする作業車両の前後進切換制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の作業車において、前後進切換レバー等の操作具を用いて前後進を切り換える時に、坂道や傾斜圃場等において自然下降走することなく前後進切換できるようにするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トラクタ等の作業車両において、傾斜地の走行時に変速する場合に、オペレーターは一旦クラッチペダルを踏み込むと同時にブレーキペダルを踏んで機体を停止させた状態から変速操作して、機体が傾斜に沿って下降しないように、所謂ずり下がりを防止するために、クラッチペダルを外すと同時にブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替えて走行を再開する構成としていた。しかし、この操作は難しく煩わしいので、機体の傾斜角度を傾斜センサーで検知して、一定の傾斜角度以上であって、クラッチペダルを踏み込んだときには、そのクラッチペダルの踏込み量に応じてブレーキを制動させ、機体が傾斜に沿って下降しないように制御した技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−157591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のような構成では、路面の状態により、例えば軟弱な圃場では所定傾斜角度でも機体は下降しないため、変速操作が多くなるとブレーキパッド等の摩耗が増加する。また、傾斜地での作業において、変速操作が多くなるほどプレートパッド等の摩耗が増加することになる。更に、傾斜角とクラッチペダルの踏込みを検出してブレーキを作動させる構成のため、副変速装置の操作やPTO変速操作の時もブレーキが作動し、ブレーキパッド等の摩耗が促進されることになる。
一方、傾斜地における前後進切換操作時には、クラッチペダルを踏んでクラッチを「断」としてブレーキを踏みながら切換操作して、クラッチを「接」に合わせながらアクセルペダルを踏んで下降しないように操作するが、前記同様に面倒な操作なる。このような操作を不要とした技術は公知となっていない。
そこで本発明は、傾斜地において前後進切換操作をする時に、クラッチペダルの操作することなく、容易に変速できる技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、車速を変速する油圧式無段変速と、該油圧式無段変速装置の出力回転数を変更するアクチュエータと、該油圧式無段変速装置の出力軸と車軸との間の動力伝達経路に設ける正逆転切換機構と、運転操作部に設けた前記正逆転切換機構を切り換える前後進切換操作具を備える作業車両において、前記前後進切換操作具の操作位置を検出する手段と、正逆転切換機構を切り換えるクラッチと、これらを制御するコントローラを備え、前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間が設定時間よりも短い場合、一方の進行方向から減速して速度0に至ると同時に正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御したものである。
請求項2においては、前記前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間が設定時間よりも長い場合、中立位置に位置してから設定時間経過後に前記クラッチを切り、前後進切換操作具を逆方向に切換と、正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御したものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、傾斜地における前後進切換操作を頻繁に行うような作業時において、クラッチペダルの操作が不要で、前後進切換操作具を前後に回動操作するだけで、機体が傾斜に沿って自然下降走することなく、前後進走行が可能となり、操作性を向上することができ、作業効率も向上できる。
請求項2においては、前後進操作を頻繁に繰り返さない通常の作業の場合には、前後進切換操作具を中立位置で止めると、クラッチも「断」となり、従来と変わらない操作性を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の制御装置を備える作業車両の全体側面図、図2は作業車両の変速機構を示す模式図、図3は作業車両の駆動構成を示すスケルトン図、図4はHMTの構成を示すスケルトン図、図5は変速機構の制御構成を示す図、図6は傾斜地での前後進切換の変速状態を示す図、図7は通常の前後進切換の変速状態を示す図である。
【0007】
図1において、作業車両をトラクタとした実施例について全体構成から説明する。
本機の前後に前輪1及び後輪2を支承し、前部のボンネット6内部にはエンジン5を配置し、該ボンネット6の後方にはステアリングハンドル10を設けており、該ステアリングハンドル10の後方にはシート11を配設している。また、シート11の側部には主変速レバー3、副変速レバー4、昇降レバー、PTO変速レバー等が突設され、ステアリングハンドル10のハンドルコラム側部に前後進切換操作具として前後進切換レバー7が配置されている。これらステアリングハンドル10やシート11やレバー類等はキャビン12内の運転部に配置されている。
【0008】
また、エンジン5の後部に伝動ハウジングが配置され、該伝動ハウジングの後部にミッションケース9を配設し、エンジン5からの動力を後輪2に伝達して駆動し、4輪駆動切換機構を介して前輪1にも同時に駆動力を伝達することを可能としている。
【0009】
また、エンジン5の駆動力はミッションケース9後端から突出したPTO軸15に伝達されて、該PTO軸15から図示しないユニバーサルジョイント等を介して機体後端に作業機装着装置を介して装着した作業機を駆動するように構成している。そして、前記シート11前下方のステップ上にはブレーキペダルや主クラッチペダルやデフロックペダル等が配設されている。
【0010】
図2を参照して、HMT式トランスミッションの構成について説明する。このトランスミッションは作業車両、本実施例では農用トラクタに適用されており、HST(電子制御油圧式無段変速装置)21、及び、遊星歯車機構22を含むトランスミッションを備えて構成されている。HST21は可変容量型の油圧ポンプ31及び固定容量型の油圧モータ32を備えており、油圧ポンプ31の斜板31aはモータまたはシリンダ等のアクチュエータ86と接続され、該斜板31aの角度を変更することにより吐出量及び吐出方向を変更可能としている。なお、本実施例のHST21では油圧ポンプのみを可変容量型とし、油圧モータは固定容量型としているが、その構成のHSTに限るものでもない。例えば、油圧ポンプと油圧モータの双方を可変容積型とする構成でも、本発明を適用することができる。
【0011】
HST21の油圧ポンプ31の回転軸心を出力軸25が貫通しており、該入力軸25は駆動源であるエンジン5からの動力を該油圧ポンプ31に伝達するとともに、遊星歯車機構22に伝達させ、さらにはPTOクラッチ33、PTO変速機構34を介してPTO軸15へも動力を伝達させている。
【0012】
また、前記出力軸25からの動力と油圧モータ32の駆動軸68からの動力が遊星歯車機構22により合成されて、正逆転切換機構23に伝えられ、正転のまま、または、逆転されて、副変速機構24で変速されて、デフ機構36を介して後輪2が駆動される。また、副変速機構24から四輪駆動切換機構37等を介して前輪1が駆動される。
【0013】
次に、作業車両の駆動機構について、図3を用いてより詳しく説明する。
エンジン5の後方には、HST21および遊星歯車機構22、正逆転切換機構23が配設されている。HST21の油圧ポンプ31は出力軸25により駆動される。
出力軸25の後部にはPTOクラッチ(もしくはダンパー)33を介して伝動軸41に接続されている。該伝動軸41の後部にはPTO変速機構34が配置され、出力軸25より伝達された駆動力が、PTO変速機構34を介してPTO軸15に伝達されて、後部に走した作業機等を駆動できるようにしている。
【0014】
HST21は油圧ポンプ31および油圧モータ32により構成される。HST21により変速された駆動力は、油圧モータ32の出力軸となる駆動軸68上に固定された歯車から遊星歯車機構22に伝達される。
遊星歯車機構22より合成された出力は、正逆転切換機構23を介して、伝動軸52に伝達される。該伝動軸42から副変速機構24に動力が伝達され、該副変速機構24により前輪1および後輪2に高低変速された動力が伝達される。
副変速機構24の出力軸には、デフ機構36を介して後輪2が駆動され、四輪駆動切換機構37を介して前輪1が駆動される。
【0015】
次に、図4を用いて、HMTの構成について説明する。
作業車両に搭載されるHMT機構は、HST21および遊星歯車機構22により構成される。
HST21の油圧ポンプ31のポンプ軸は一端が前記出力軸25と連結され、他端が伝動軸51に連結されている。該伝動軸51の前部には、歯車54が挿嵌固定されており、歯車54を介して遊星歯車機構22に駆動力が伝達される。
歯車54は歯車55に歯合しており、歯車55は伝動軸52に回動自在に挿嵌されている。さらに、歯車55はプラネタリギヤ58・58を回動自在に枢支する保持体(キャリア)を固設している。そして、歯車55および保持体が一体的に伝動軸52に対して回動する。
プラネタリギヤ58・58は伝動軸52側において、サンギヤ60に歯合している。サンギヤ60は伝動軸52に回動自在に挿嵌されており、歯車57と一体的に回動し、該歯車57は油圧モータ32の駆動軸68上に固設した歯車56と噛合させている。
また、プラネタリギヤ58・58はリング歯車59の内側歯に歯合している。リング歯車59は伝動軸52に回動自在に挿嵌されており、同様に伝動軸52に挿嵌された歯車62と一体的に回動する構成となっている。
【0016】
伝動軸51の前後中央部には、正逆転切換機構23の歯車63・64が伝動軸51に対して相対回動自在に挿嵌されている。なお、歯車63と歯車64は一体的に回動するものである。歯車63は歯車62に歯合しており、歯車63より駆動力が歯車64、歯車65を介して、伝動軸52に回動自在に挿嵌された歯車66に歯合するものである。なお、歯車65は支軸53に回動自在に枢支されている。こうして、遊星歯車機構22の出力回転を歯車66に逆転した回転を伝えるようにしている。
歯車62および歯車66のそれぞれのボス部と伝動軸52の間には前後進を切り換えるためのクラッチ61が配設されている。クラッチ61は前進クラッチ61aと後進クラッチ61bからなり、該前進クラッチ61a及び後進クラッチ61bは前後進切換レバー7を回動することにより「入」「切」される。前進クラッチ61aを「接」とすると、歯車62から伝動軸52に動力が伝達され、伝動軸52を正転側に駆動するものである。また、後進クラッチ61bを「接」とすることにより、歯車66から伝動軸52に動力が伝えられ、伝動軸52を逆転側に駆動するものである。
また、クラッチ61は走行系の主クラッチを兼ねており、前進クラッチ61a及び後進クラッチ61bを「切」とすることによりエンジンからの動力が走行輪(前輪1、後輪2)に伝達されず、走行輪側はフリーに回転できる。
【0017】
このような変速機構をとることにより、HST21を介した駆動力と、出力軸25からの駆動力を遊星歯車機構22において合成することができるものである。
このため、前進もしくは後進においては、HST21側の出力制御を行うことにより、円滑に速度制御を行うことができるものである。すなわち、油圧ポンプ31の斜板制御を行うことにより、作業車両の速度調整を行うことができるものである。
さらに、HST21が故障した場合においても、油圧モータ32側駆動軸68を固定することにより、非常時の走行が可能となる。
【0018】
次に、変速装置の制御構成について、図5を用いて説明する。
変速機構の制御は、図5に示すごとく、コントローラ81により行われるものである。
コントローラ81には、エンジン5に配設された回転数を制御する電子ガバナ(ラックアクチュエータ)84、エンジン5の出力軸25の回転数を検出する回転数検出手段85、主変速レバー3の回動位置(変速位置)を検出するポテンションメータ等より構成される角度検出手段88、前後進切換レバー7の回動位置を検出するスイッチまたはポテンションメータ等より構成される位置検出手段87、副変速レバー4の変速位置を検知するポテンションメータ等より構成される角度検出手段90、前後進切換後の伝動軸52の回転数を検出する回転数検出手段89、油圧ポンプ31の斜板の角度を変更するモータまたはシリンダ等よりなるアクチュエータ86、該斜板31aの角度を検知する角度検出手段92、前後進切換を行うクラッチ61の接断を行う電磁弁82・83、前進から後進または後進から前進に切り換えて作業する場合の前後進切換レバー7が中立位置に位置する時間を設定する設定機93が接続されている。
【0019】
このような構成において、前進して作業する場合には、アクセルレバーにより回転数を設定して、主変速レバー3を回動して所望の変速段に設定すると、アクチュエータ86が同時に駆動されて、斜板31aが設定した傾斜角まで回動される。また、副変速レバー4を回動して所望の変速段とすると、副変速機構24の摺動体が摺動されて高低変速が行われる。この状態で前後進切換レバー7を前進に回動すると、電磁弁82が作動されて前進クラッチ61aが「接」とされ、前進走行が可能となる。また、前後進切換レバー7を後進側に回動すると、電磁弁83が作動されて後進クラッチ61bが「接」とされ、後進走行が可能となる。なお、図示しない主クラッチペダルにはその操作を検出手段が配置されてコントローラ81と接続され、主クラッチペダルを踏むと、前進クラッチ61及び後進クラッチ61b及びPTOクラッチ33がOFFとなり、PTO変速及び副変速操作が可能となる。
【0020】
また、ローダ作業等においては、主変速レバー3及び副変速レバー4は変速状態に維持したまま、前後進切換レバー7を前進位置から後進位置へ、または逆に、後進位置から前進位置に連続的に切り換えて走行操作する場合がある。しかも、傾斜地での作業の場合には、ずり下がりが生じないように前後の切換は素早く行われるが、従来では、クラッチペダルを踏んでクラッチを切って前進位置または後進位置から中立位置に切り換えて、走行を止めてから逆方向に切り換える必要があり、そのときブレーキを作動させていないとずり下がりが生じていた。そこで、本発明はこのずり下がりが生じないように、クラッチペダルをふむことなく前後進切換レバー7の操作速さを検知して、その操作速さに応じて、設定速さよりも速い場合には、動力を殆ど切らずに前後進を切り換えられるようにしている。
【0021】
即ち、前後進切換レバー7は位置検出手段87により切換位置が検出されているとともに、中立位置を通過する時間、言い換えれば、前進(または後進)位置から後進(または前進)位置に切り換えられる時に中立位置に位置している時間Δtが検出(演算)される。そして、中立位置通過時間Δtが設定時間T0よりも短い場合には、クラッチを切らずに、車速を速やかに0に近づけ、その後、逆方向に進むように加速して、設定速度で進行させる。なお、前記設定時間は設定器93により任意に変更可能に構成している。
【0022】
例えば、前後進切換レバー7を前進から後進に、設定時間T0よりも短い中立位置通過時間Δtで切り換え操作した時には、図6に示すように、中立位置から後進位置に切り換えた時に、アクチュエータ86を作動させて可動斜板31aを減速側に回動して減速され、速度0(停止)となると、前進クラッチ61aをOFFとして略同時に後進クラッチ61bをONに切り換えて、クラッチ61がOFF(断)となる時間が殆どないようにしている。そして、アクチュエータ86を逆進行方向増速側に回動して、設定速度まで増速するのである。
このように、前後切換を素早く行うと動力の切断が殆どないので、傾斜地での前後進切換を行っても、ずり下がることがなく、スムースに作業を行うことができる。図6において、aは目標変速比の変化が示され、斜板31aが目標変速比となるようにアクチュエータ86が駆動される。bは実変速比が示され、目標変速比aに追随するように変速されていることが判る。
【0023】
また、前後進切換レバー7を前進(または後進)位置から後進(または前進)位置に切り換える動作がゆっくり行われると、つまり、通常の切り返し等の前後進切換操作では、中立位置でクラッチ61を切って、機体の進行を止めてから、逆方向に増速するようにしている。
例えば、前後進切換レバー7を前進から後進に設定時間T0よりも長い中立位置通過時間Δtで切り換え操作した時には、図7に示すように、中立位置に切り換えて設定時間T0を経過すると前進クラッチ61aをOFFとし、クラッチ61を切った状態とし、ブレーキの制動、または、走行面等の抵抗により停止させる。そして、前後進切換レバー7を中立位置から後進位置に切り換えた時に、後進クラッチ61bをONに切り換えて、アクチュエータ86を逆方向増速側に回動して、設定速度まで増速するのである。
具体的には、図7に示すように、前後進切換レバー7を中立位置に切り換えて設定時間T0を経過すると、目標変速比は0とされ、前進クラッチ61aをOFFとする。この時実変速比b、つまり、斜板31aは速やかに0まで回動される。そして、後進側に前後進切換レバー7を後進側に切り換えると、斜板31aが目標変速位置まで傾斜されて増速されるのである。
【0024】
以上のように、車速を変速する油圧式無段変速(HST)21と、該油圧式無段変速装置の出力回転数を変更するアクチュエータ86と、該油圧式無段変速装置の出力軸68と車軸との間の動力伝達経路に設ける正逆転切換機構23と、運転操作部に設けた前記正逆転切換機構23を切り換える前後進切換操作具となる正逆転切換レバー7を備える作業車両において、前記前後進切換操作具の操作位置を検出する手段87と、正逆転切換機構を切り換えるクラッチ61と、これらを制御するコントローラ81を備え、前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間ΔTが設定時間T0よりも短い場合、一方の進行方向から減速して速度0に至ると同時に正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御したものである。
このように制御することで、傾斜地における前後進切換操作を頻繁に行うような作業時において、クラッチペダルの操作が不要で、前後進切換操作具を前後に回動操作するだけで、機体が傾斜に沿って自然下降走することなく、前後進走行が可能となり、操作性を向上することができ、作業効率も向上できる。
【0025】
また、前記前後進切換操作具が前進位置または後進位置から逆進行方向に切り換える時に、中立位置に位置する時間ΔTが設定時間T0よりも長い場合、中立位置に位置してから設定時間経過後に前記クラッチを切り、前後進切換操作具を逆方向に切換と、正逆転切換機構を切り換えて逆方向に増速するように制御したものである。
このように制御することにより、前後進操作を頻繁に繰り返さない通常の作業の場合には、前後進切換操作具を中立位置で止めると、クラッチも「断」となり、従来と変わらない操作性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の制御装置を備える作業車両の全体側面図。
【図2】作業車両の変速機構を示す模式図。
【図3】作業車両の駆動構成を示すスケルトン図。
【図4】HMTの構成を示すスケルトン図。
【図5】変速機構の制御構成を示す図。
【図6】傾斜地での前後進切換の変速状態を示す図。
【図7】通常の前後進切換の変速状態を示す図。
【符号の説明】
【0027】
5 エンジン
7 前後進切換レバー
21 HST
22 遊星歯車機構
23 正逆転切換機構
61 クラッチ




 

 


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