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発明の名称 乗用型田植機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1456(P2007−1456A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−184539(P2005−184539)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫
発明者 井上 誠 / 市川 祐介
要約 課題
作業者がフロントボンネットの側方のデッキ部を歩行するときに、操作レバーに当たらないようにする。

解決手段
ハンドル24を上端に備えた上コラム46と下コラム45とをチルト機構47を介して前後に屈曲動可能とし、上コラム46を走行機体のフロントボンネット19の頂部から上向きに突出させる。フロントボンネット19の一側に、その外周面から走行機体の幅方向外向きに基端部が突出し、且つ自由端側が走行機体の前後方向に回動操作するように複合レバー49を配置し、上面視において、複合レバー49の自由端側を、走行機体の前部方向に回動操作するとき、前記ステアリング上軸に対して走行機体の幅方向の中心寄りに近づくように構成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
走行機体前部にエンジン等の動力部を配置し、走行機体後部に苗植付け装置を昇降可能に連結した乗用型田植機において、
前記エンジンを覆うフロントボンネットの略頂部には、ステアリング上軸を突出し、該ステアリング上軸の上端には、走行機体に設けた座席に座る作業者が操向操作できるステアリングハンドルを設け、
前記ステアリング上軸は前記走行機体の前後方向に屈曲可能に構成され、
前記フロントボンネットの一側には、当該フロントボンネットの外周面から走行機体の幅方向外向きに操作レバーの基端部が突出され、且つ操作レバーの自由端側が走行機体の前後方向に回動操作するように構成されており、
前記ステアリング上軸が走行機体の前方向に屈曲動するとき、
前記操作レバーの自由端側が走行機体の前方向に突出する連動機構を備えたことを特徴とする乗用型田植機。
【請求項2】
前記操作レバーの自由端側が前記フロントボンネットの前方向に突出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗用型田植機。
【請求項3】
前記操作レバーは前記ステアリング上軸の屈曲動につれて前後移動する前記フロントボンネットのカバー体の一側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の乗用型田植機。
【請求項4】
前記走行機体に乗車する作業者がハンドル操作する方向に前記ステアリング上軸が向いている状態で、前記操作レバーの自由端側が下向きになるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乗用型田植機。
【請求項5】
前記操作レバーは、前記エンジンからの動力伝達の入切操作と、走行機体の制動操作とを同時に実行するものであり、
前記操作レバーを前記走行機体の前部方向に回動操作するとき、前記エンジンからの動力伝達が入り、及び走行機体の制動解除動作が実行され、
前記操作レバーを前記走行機体の後部方向に回動操作するとき、前記エンジンからの動力伝達が切り、及び走行機体の制動動作が実行されるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の乗用型田植機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体上からと走行機体の前方の地上からの両方の位置で操作の容易な乗用型の田植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、通常の田植え作業時には、作業者が走行機体に搭乗したまま前進方向を向いて操向操作できる一方、畦越えやトラック等の運搬機に対して載せたり降ろしたりする場合には、作業者が走行機体から降りた状態で走行機体を操作できるよう構成した乗用型田植機として、特許文献1では、前後4輪駆動に構成されている走行機体の後部側にエンジン及びミッションケースを搭載し、走行機体の前部のフレームに立設した下操作軸と、前輪のステアリングのための丸ハンドルが上端に取付けられた上操作軸とがチルト支点を有する自在軸継手を介して連結されて、前後傾斜角度を変更できる構成が開示されている。
【0003】
そして、特許文献1では、走行機体の前部のフロントボンネットの一側部位に、主クラッチペダルが設けられている。この主クラッチペダルは、走行機体の丸ハンドルより後部位の座席に座る作業者が足で下向きに踏み込むとき、エンジンからミッションケースへの動力伝達が切れるように構成されている。さらに、前記主クラッチペダルのアームに、補助レバーの基部を固定し、補助レバーの先端側をフロントボンネットの前面に貫通させて走行機体より前方に延びるように配置することが開示されている(第1図参照)。
【0004】
この構成により、作業者は、走行機体に搭乗した状態でも、走行機体の前方に降りて地上からでも、丸ハンドルによる操向操作と、主クラッチの入切操作が可能となっている。また、フロントボンネットの他側面(進行方向にむいて右側面)には、エンジンからミッションケースへの動力伝達を入切するための主クラッチレバーと、植付部昇降レバーとが配置されていて、それらの操作方向は走行機体の前後方向に沿うようにしている。
【特許文献1】特許公報第2574680号公報(第1図、第4図及び第5図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成によれば、主クラッチ用の補助レバーの握り部などがフロントボンネットの前端側に常時突出しているため、実質的に乗用形田植機の全長が長くなってしまうという問題があった。例えば、乗用形田植機を納屋などに格納するとき、走行機体の前方と壁などの間に補助レバーの握り部などが突出し、無駄な空間を必要とするのであった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決すべくなされたものであって、乗用形田植機の全長を実質的に長くすることなく、且つ作業者が地上に降りて走行機体の前方において、地上操作の確実性を確保できる乗用型田植機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の乗用型田植機は、走行機体前部にエンジン等の動力部を配置し、走行機体後部に苗植付け装置を昇降可能に連結した乗用型田植機において、前記エンジンを覆うフロントボンネットの略頂部には、ステアリング上軸を突出し、該ステアリング上軸の上端には、走行機体に設けた座席に座る作業者が操向操作できるステアリングハンドルを設け、前記ステアリング上軸は前記走行機体の前後方向に屈曲可能に構成され、前記フロントボンネットの一側には、当該フロントボンネットの外周面から走行機体の幅方向外向きに操作レバーの基端部が突出され、且つ操作レバーの自由端側が走行機体の前後方向に回動操作するように構成されており、前記ステアリング上軸が走行機体の前方向に屈曲動するとき、前記操作レバーの自由端側が走行機体の前方向に突出する連動機構を備えているものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乗用型田植機において、前記操作レバーの自由端側が前記フロントボンネットの前方向に突出するように構成されているものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の乗用型田植機において、前記操作レバーは前記ステアリング上軸の屈曲動につれて前後移動する前記フロントボンネットのカバー体の一側に配置されているものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の乗用型田植機において、前記走行機体に乗車する作業者がハンドル操作する方向に前記ステアリング上軸が向いている状態で、前記操作レバーの自由端側が下向きになるように配置されているものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の乗用型田植機において、前記操作レバーは、前記エンジンからの動力伝達の入切操作と、走行機体の制動操作とを同時に実行するものであり、前記操作レバーを前記走行機体の前部方向に回動操作するとき、前記エンジンからの動力伝達が入り、及び走行機体の制動解除動作が実行され、前記操作レバーを前記走行機体の後部方向に回動操作するとき、前記エンジンからの動力伝達が切り、及び走行機体の制動動作が実行されるように設定されているものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、走行機体の前部方向からの操作時のみ、操作レバーの自由端側が走行機体の前端より前方に突出するのであって、通常の作業時には操作レバーの自由端側が前方に突出していないので、乗用型田植機の全長が実質的に長くならない。そして、地上に降りた作業者が走行機体の前方にて前方に倒したステアリング上軸上のステアリングハンドルを持って、田植機を畦越えさせる作業やトラックへの載せかえ等の作業が容易に行え、且つエンジンからの動力の入切作業やブレーキ操作も操作レバー1つで同時にできるという効果を奏する。
【0013】
そして、請求項2に記載の発明によれば、ステアリング上軸を前方に倒したとき、操作レバーの自由端側が前記フロントボンネットの前方向に突出するように構成されているものであるから、地上に降りた作業者が走行機体の前方から操作レバーの握り部に手が届き易くなる一方、通常の状態(ステアリング上軸が後傾している状態)のときには、操作レバーがフロントボンネットから前方に突出しないから、他のものに引っかからない。。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、前記操作レバーは前記ステアリング上軸の屈曲動につれて前後移動する前記フロントボンネットのカバー体の一側に配置されているものであるから、ステアリング上軸を前方に倒したとき、操作レバーが走行機体の前方へ突出する距離を大きくすることができ、操作レバーの自由端(握り部)に地上に降りた作業者の手が一層届き易くなり、操作し易くなる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、作業者が走行機体に搭乗した状態のとき、操作レバーに手が届き難いので、誤操作することがないという効果を奏する。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、操作レバーを走行機体の前方向に回動すると、主クラッチ機構が動力伝達入り状態で、且つ前記ブレーキ手段は制動解除状態に保持され、操作レバーを走行機体の後方向に回動したとき、主クラッチ機構が動力伝達切り状態で、且つ前記ブレーキ手段は制動状態となるように構成すれば、地上に降りた作業者が畦越え作業やトラックへの載せかえ等の作業時に、この作業者が腕を延ばしたまま操作レバーの握り部を持った状態で、走行機体が作業者側に接近したとき、作業者の腕を延ばしたまま保持するだけで、自然にブレーキがかかり、エンジンの動力も遮断できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は乗用型田植機の側面図、図2は平面図、図3は走行機体の斜視図、図4は走行機体前部の側面図、図5はチルト状態を示す側面図、図6は前輪デフロック装置及びその作動連動機構の上方から見た斜視図、図7は同じく前輪デフロック装置及びその作動連動機構の下方から見た斜視図、図8はチルト部及び前輪デフロックの作動連動状態を示す正面図、図9は同じく側面図、図10はチルト機構及び姿勢保持手段を示す斜視図、図11はミッションケースの内部機構を示す平面図、図12は複合レバー及び主クラッチ機構を示す斜視図、図13は複合レバーが上コラムのチルト動作に連動して姿勢変更するための機構の側面図、図14は複合レバーと主クラッチ機構等との間の連動機構を示すミッションケースの右側から見た斜視図、図15はミッションケースの右側下面から見た連動機構の斜視図、図16は連動機構の要部拡大斜視図である。
【0018】
図1〜図3に示すように、本実施形態の4条植え式の乗用型田植機における走行機体は、メインフレーム1aとサブフレーム1bとを有する。メインフレーム1aは、上面にエンジン21を固定し、且つフロントアクスルケース4が左右両側面に取付けられるミッションケース2と、リヤアクスルケース5とを前後長手の金属製の走行フレーム3にて連結して構成されている。サブフレーム1bは、矩形筒または丸筒状のフレーム部材が前記メインフレーム1aの左右両側に配置連結されてなる構成である(図2及び図3参照)。
【0019】
アルミ合金製等の前後方向に長い一体型ケース体からなるミッションケース2は走行機体の左右に分割された分割ケースを内部機構の収容にボルト締めして一体化したものである。ミッションケース2の前後方向中途部の左右両側面にはフロントアクスルケース4が突設され、走行フレーム3の後端部にはリヤアクスルケース5が取り付けられている。そして、フロントアクスルケース4の左右両端には前輪4aが、リヤアクスルケース5の左右両端には後輪5aがそれぞれ取付けられている(図1及び図2参照)。走行フレーム3の断面は開放状の下向きコ字型に形成されている。
【0020】
メインフレーム1aの後端には、上下リンクからなる平行リンク機構6を介して苗植付け装置7が昇降可能に連結されている。なお、苗植付け装置7は、従来から公知の構造、即ち、ミッションケース2から後向きに突出するPTO軸9から自在継手軸を介して動力伝達される左右一対の植付け伝動ケース11と、上端が走行機体の後部に接近するように前傾配置された苗載台12と、各植付け伝動ケース11の下面に配置されたフロート13と、各植付け伝動ケース11の左右両側に取り付けられ、圃場面と苗載台12の下端との間を上下昇降しながら苗載台12上の苗マットから1株ずつに分割して植付けする植付爪付き植付機構14とからなる。そして、メインフレーム1aの後端に設けられた昇降用油圧シリンダ15は平行リンク機構6に関連して取付けられ、苗植付け装置7を大きく昇降動させることができる。
【0021】
また、メインフレーム1a及びサブフレーム1bを上から覆うよう配置されている合成樹脂製の車体カバー16は主としてサブフレーム1bに取付けられている。このサブフレーム1bの上には、サブフレーム1bから立設する座席支軸に座席体17が装着されている。その前方には、フロントボンネット(エンジンフード)19のうちの下側固定カバー体19aが車体カバー16の上面に固定されて立設されている。フロントボンネット19は、下側固定カバー体19aと、可動カバー体25及び補助カバー体26とからなり、これらは合成樹脂製、若しくはガラス繊維強化プラスチック製である。そして、下側固定カバー体19aの左右中央部には、その上面側から前端までの間、切欠き形成された平面視略U字状の開口部61が形成されている(図5参照)。この開口部61は、上コラム46と一体的に前後動するように取付けられた可動カバー体25とこれに上向き回動可能に連結された補助カバー体26とにより覆われている。
【0022】
そして、開口部61を可動カバー体25と補助カバー体26とで覆った状態のフロントボンネット19は、その下端縁側の走行機体の前後方向に沿う寸法が走行機体の幅方向に沿う寸法より長く、且つ、フロントボンネット19の走行機体の幅方向に沿う寸法は、当該フロントボンネット19の下端縁の寸法に対して上方に行くに従って順次小さくなるように形成されている(図1、図2、及び図4参照)。
【0023】
車体カバー16のうち、下側固定カバー体19aの下端縁の左右両側にて走行機体の進行方向に沿って延びる前部側デッキ部16aよりも左右両外側には、予備の苗マットを複数載せるための予備苗台18が配置されている(図1及び図2参照)。各予備苗台18の支柱はサブフレーム1bから立設している。
【0024】
下側固定カバー体19aの内部には、後述するミッションケース2の上面前端側から立設するステアリング下軸20、エンジン21及び燃料タンク22等が配置されている。そして、ステアリング下軸20に対して自在軸継手27を介してステアリング上軸23が連結されており、上端に丸ハンドル24が取付けられているステアリング上軸(ハンドル軸)23が走行機体の前後方向に屈曲可能(チルト可能)に構成されている。ミッションケース2の上面の前部に立設し、且つステアリング下軸20の外周を囲む下コラム45の上端と、ステアリング上軸23の外周を囲む上コラム46との間にはチルト機構47及びその傾斜角度を複数段階において姿勢保持するための姿勢保持手段48が設けられている(図3〜図6参照)。
【0025】
ミッションケース2には、その前部内にステアリングのためのステアリング駆動機構28が内蔵され、中途部から後部内には、走行駆動系29とPTO駆動系30への動力伝達機構31とが内蔵されている(図11参照)。ミッションケース2は側面視において、その上面側の前部の高さが低く、中途部より後部にわたって高さが高くなるように、中途部に段部が形成されている。この段部には、ミッションケース2の上面にて左右に跨いだ平坦なエンジン支持部材32の足部をボルト固着する。エンジン支持部材32には、エンジン21の基部(クランクケース部)を固定し、このエンジン21のピストンシリンダケースを後上向きになるように傾斜させて配置する。なお、エンジン21を直立状にして固定しても良い。エンジン21の出力軸33とミッションケース2の前後方向の中途部一側面に突出した入力軸34とに、従来から公知のテンション式主クラッチ機構35a付きのベルト伝動機構であるプーリ33a,34a,ベルト35を設けて動力伝達し、入力軸34からミッションケース2内の動力伝達機構31に動力伝達する。
【0026】
動力伝達機構31には、入力軸34からの回転数を変速させる歯車式変速機構38を備える。歯車式変速機構38から走行ブレーキ37aを有する伝動軸37を介して前輪デフ装置(差動機構)39a付きのフロントアクスル軸39に動力伝達される一方、傘歯車37bを介して後輪への出力軸40に動力伝達される(図11)。従って、走行ブレーキ手段37aを作動させると、前輪4a及び後輪5aに制動がかかる。そして、フロントアクスルケース4の横長筒部4bの基部がミッションケース2の側面にボルト固着され、この横長筒部4b内に配置されたフロントアクスル軸39から、前輪4aの車軸に動力伝達される。歯車式変速機構38からPTOクラッチを介してミッションケース2の後端から後向きに突出するPTO軸9を備えている(図1及び図4参照)。他方、出力軸40はミッションケース2の右側面に後向きに突出され、出力軸40から自在継手を介して伝動軸41に伝達し、後部車輪への走行駆動系としてのリヤアクスル5に動力伝達される(図1及び図11参照)。
【0027】
走行フレーム3は上面板の左右両側から側板が下向き屈曲された断面下向き開放のコ字型である(図3参照)。そして、ミッションケース2の左右両側面のうち後部側に走行フレーム3の前部を外側から被せ、連結ボルト(図示せず)にて左右両外側から水平方向にて走行フレーム3の両側板をミッションケース2の側面に締着連結する。また、走行フレーム3の上面板の後部側は、リヤアクスルケース5における中央ケース部5bの上部から上向きに突出する一対のブラケット部(図示せず)に連結ボルト(図示せず)にて締着連結されている。さらに、走行フレーム3における左右両側のヒレ片は、中央ケース部5bの前部から前向きに突出する一対のブラケット部(図示せず)に連結ボルトにて締着連結されている(図3参照)。
【0028】
PTO軸9は上述した走行フレーム3の内部に配置され、走行フレーム3の後端であって中央ケース部5bより上方に取付けられた軸受部(図示せず)に軸支されている。伝動軸41は走行フレーム3の右側面の外側に沿って延び、リヤアクスル5の中央ケース部5bの前面の軸に連結されている。
【0029】
左右前輪4aの操向方向を変更するピットマンアーム、コンロッド、タイロッドなどの舵取りリンク機構44はミッションケース2の前部のステアリング駆動機構28の下方に配置されている(図3、図4参照)。
【0030】
次に、上コラム46上端のステアリングハンドル(丸ハンドル)24が操縦の座席体17に近づくように向かう後位置と、走行機体の前方側に屈曲する位置とに、選択的に上コラム46を前後方向に屈曲可能とするチルト機構について説明する。合成樹脂製(若しくはガラス繊維強化プラスチック製)の下側固定カバー体19aの内部のうち、後部寄りにはメインフレーム1から立設するフレーム上に燃料タンク22が固定されている。
【0031】
下側固定カバー体19a内の前部に位置するミッションケース2の上面前端側に固着されて立設する筒状の下コラム45内には、同じくミッションケースから立設するステアリング下軸20が配置されている。そして、ステアリング下軸20の上端と、上端にステアリングハンドル24が取付けられているステアリング上軸23の下端とは自在軸継手27を介して屈曲可能に連結されている。ステアリング上軸23は回転自在に上コラム46内に装着されている。可動カバー体25の略頂部に上コラム46(ステアリング上軸23)が上向きに貫通するように取付けられている。
【0032】
このフック形自在軸継手27は、従来から公知の構造、例えば、十字形の連結金具27aの対向する一方の一対の部分とステアリング下軸20の上端の二股状のヨーク部20aとをピンを介して回動可能に連結する一方、ステアリング上軸23の下端の二股状のヨーク部23aと連結金具27aの対向する他方の一対の部分とをピンを介して回動可能に連結した構成である。この構成によれば、ステアリング下軸20の軸線とステアリング上軸23の軸線との夾角θ1(図9参照)が一定角度以下(例えば、略110度程度以下)になると両ヨーク部20a、23aとが干渉する(当たる)ため、ステアリング上軸23の回転力をステアリング下軸20に伝達できず、いわゆるハンドルロック状態となる。
【0033】
さらに、下コラム45の上端と筒状の上コラム46の下端とはチルト機構47を介して前後傾動可能に連結されており、チルト機構47の外周には上コラム46を前方向へ屈曲した時の前記夾角を複数段階において姿勢保持するための姿勢保持手段48が設けられている(図6〜図10参照)。
【0034】
チルト機構47は、下コラム45の上端に固着された左右一対のブラケット47aと、同じく上コラム46の外周の下端部に固着された左右一対のブラケット47bとを横枢軸47cを介して走行機体の進行方向の前後方向にのみ回動可能であり、換言すると、下コラム45に対して上コラム46がチルト(屈曲動)可能に連結された構成である(図6〜図10参照)。
【0035】
図6〜図10に示すように、姿勢保持手段48は、前記ブラケット47aの一側片の偏心円弧状の上端面に前後適宜隔てた位置に凹み形成された複数位置(実施形態では3箇所)の係止溝60(個別には、符号60a,60b,60cで示す)と、前記上ブラケット47bの後端片47dに回動可能に軸支された横軸48aと、この横軸48aの一端に固着された係合フック48bと、横軸48aに巻回されて係合フック48bを下向き(係止溝60の係合方向)に付勢する付勢バネ(図示せず)とからなり、上コラム46が所定の後傾または前傾の角度に変更されたとき、係合フック48bが複数位置の係止溝60のうちの任意の一つに選択的に係合することにより、当該上コラム46の傾動姿勢を調節し且つ保持することができる。
【0036】
実施形態では、上コラム46が走行機体の後方に傾斜(鉛直線に対して時計方向に略30度傾斜)し、下コラム45の軸線の延長方向より後方向に上コラム46の軸線が略30度屈曲している第1姿勢Iと、それから反時計方向に略60度走行機体の前方に上コラム46が前傾した第2姿勢IIと、前記第1姿勢Iから反時計方向に略88度走行機体の前方に上コラム46が大きく前傾した第3姿勢III とに選択できる。上コラム46が第1姿勢Iの場合には、係合フック48bが下ブラケット47aの上面のうち最も後側の係止溝60aに嵌合する。上コラム46が第2姿勢IIの場合には、前後中央位置の係止溝60bに係合フック48bが係合し、第3姿勢III の場合には、前側の係止溝60cに係合フック48bが嵌合する。
【0037】
そして、補助カバー体26は可動カバー体25の前端側を中心にして上下回動可能に設けられている。即ち、図5及び図13に示すように、上コラム46の下部から上向きに突出する支持ブラケット部材の先端に横向きに支持パイプ62が固設されている。一方、補助カバー体26の裏面に固定され、コ字型に屈曲形成された補強兼用の操作部材63の左右一対の軸部を前記支持パイプ62の両端に回動可能に挿入したものである。
【0038】
そして、上記操作部材63は姿勢保持手段48の操作部として関連付けされている。即ち、図9、図10、図12及び図13に示すように、操作部材63の軸部から偏心位置に突設されたピンに回動可能にリンク64が連結されている。そして、リンク64の他端が、係合フック48bと一体的に回動する横軸48aの他端に固着されたアーム65の先端に回動可能に連結されている。そして、前記付勢バネの付勢力により、補助カバー体26ひいては操作部材63の下端側が下側固定カバー体19aの表面に接近するように付勢されている。
【0039】
従って、補助カバー体26ひいては操作部材63の下端側を下側固定カバー体19aの表面から離間するように上向きに所定の角度だけ回動すると、付勢バネの付勢力に抗してリンク64、アーム65を介して係合フック48bの先端部が、第1の係止溝60aから外れるように回動する(ロック解除する)ので、その後は補助カバー体26から手を離した状態(補助カバー体26の下端側内面が下側固定カバー体19aの開口部61の外側縁に摺接した状態)で、作業者は、ハンドル24を持って、前記第1姿勢Iから第2姿勢IIに移行できる。第2姿勢IIでは、係合フック48bの先端部が、第2の係止溝60bに係合している。さらに、第3姿勢III へ移動させるには、再度、補助カバー体26(操作部材63)を所定角度だけ上向き回動させてロック解除して後、ハンドル24を前方に傾けると、係合フック48bの先端部が第3の係止溝60cに係合する。このように、上コラム46を段階的に、走行機体の前方に大きく前傾させることができる。
【0040】
本実施形態では、チルト(屈曲動)の中心となる横枢軸47cから下ブラケット47aの外周面に凹み形成された複数位置(実施形態では3箇所)の係止溝60a、60b、60cの底面までの距離は、順次大きくなるように設定されているので、第1の係止溝60aに係合フック48bの先端部が係合している場合の補助カバー体26(操作部材63)の下向き角度よりも、第2の係止溝60bに係合している場合には補助カバー体26(操作部材63)は、その下端が走行機体の前方に突出する姿勢(下側固定カバー体19aの開口部61から離間している姿勢)になり、第3の係止溝60cに係合している場合には補助カバー体26(操作部材63)は、その下端が走行機体の前方に大きく突出する姿勢(下側固定カバー体19aの開口部61から大きく離間している姿勢)になる。
【0041】
なお、上コラム46が第1姿勢Iにあるときは、補助カバー体26は図1の実線で示すように下側固定カバー体19aの開口部61の前端側を密着して覆う状態でほぼ垂直状の姿勢であり、乗用型田植機の側面視において、上コラム46の軸線と補助カバー体26の裏面とは略平行であり、且つステアリングの丸ハンドル24に対して補助カバー体26下端が大きく離間している。
【0042】
第2姿勢IIの状態では、上コラム46の軸線と補助カバー体26の裏面とのなす夾角は略160度程度に狭くなり、且つステアリングハンドル24に対して補助カバー体26の下端が第1姿勢Iの状態よりも接近した状態である。換言すれば、補助カバー体26(操作部材63)の裏面が鉛直との夾角が略48度程度で、且つ、補助カバー体26(操作部材63)の下端が走行機体の前方に位置する作業者に近づく状態となる。
【0043】
そして、ステアリングハンドル24が走行機体の前端よりも大きく前方に位置するように傾いた第3姿勢III では、上コラム46の軸線と補助カバー体26の裏面とのなす夾角は略110度程度に狭くなり、且つステアリングハンドル24に対して補助カバー体26の下端が第2姿勢IIの状態よりもさらに接近した状態となる。換言すれば、補助カバー体26(操作部材63)の裏面が鉛直との夾角が略90度程度で、且つ補助カバー体26(操作部材63)の下端が走行機体の前方に略水平状で突出し、作業者により一層近づく状態となる。
【0044】
従って、作業者が走行機体の前方の地上に位置して降車作業を実行するときに、上コラム46を前傾動させる作業に際して補助カバー体26に作業者の手がより一層届き易くなるという効果を奏する。
【0045】
なお、この上コラム46を前傾させる操作は、作業者が走行機体の前方の地上に位置するときのみ可能となっているので、換言すれば、作業者が走行機体に搭乗している状態ではチルト(屈曲動)させることが不能であるので、誤操作による不都合が発生せず、地上操作の確実性を確保できるのである。
【0046】
そして、走行機体に搭乗しながら作業者が乗用型田植機を操向操作可能であり、また、走行機体から地上に下りた作業者が、走行機体の前方に位置しながらステアリングの丸ハンドル24を持って乗用型田植機を圃場から畦越えさせたり、トラックに載せ変えする操作が可能となる。
【0047】
さらに、補助カバー体26は可動カバー体25の前端部に設けられているから、地上に下りた作業者が、走行機体の前方に位置しながらチルト調節することがより一層簡単にできる。そして、上コラム46が走行機体上の操縦座席17方向に向かう第1姿勢Iのとき、可動カバー体25と補助カバー体26とにより、下側固定カバー体19aの開口部61を完全に覆うように形成されているものであるから、走行時の空気抵抗も少なくでき、雨や埃もフロントボンネット19内に入らない。
【0048】
次に、ステアリングハンドル24ひいては上コラム46を走行機体の前方に傾動させることに連動して、前輪デフ装置39aをデフロック(差動制限)作動させるためのデフロック装置66と、このデフロック装置66を、上記のハンドル24の前傾動に連動させて作動(デフロック操作)させるための連動機構(装置)67について説明する。デフロック装置66は、前輪デフ装置39aにおける歯車箱70内の差動用小歯車71の背面に係合カム72を設け、一方のフロントアクスル軸39に摺動のみ自在に被嵌した駆動カム73を、ミッションケース2の内外に貫通させて軸線まわりに回動する作用ピン74にて摺動させる。そして、駆動カム73が係合カム72に係合すると、左右のフロントアクスル軸39、39が同じトルクで駆動できる(つまりデフロック作動)できる。反対に、駆動カム73と係合カム72との係合解除により、前輪デフ装置39aの差動作用が発揮できるようになっている(図7及び図11参照)。
【0049】
他方、下コラム45の上端の一方のブラケット47aの外面には、リンク式の連動機構67における回動アーム75が横軸76にて前後回動可能に軸支されている。この回動アーム75の一側片75aには、前記一方のブラケット47aの前端面より前側で、自在軸継手27の前方向に突出する作動ピン77が突設されている(図6〜図9参照)。そして、回動アーム75の下端と、上記作用ピン74の上端に取付けられた作用アーム78とをリンク杆79にて連結する。上コラム46を前向きに回動させた時の下コラム45の軸線と上コラム46の軸線との夾角θ1が所定値以下になると、この上コラム46の一側面下端に固定した下ブラケット47bの前面にて作動ピン77を押し(図9の二点鎖線参照)、これにより、回動アーム75はその下端側が走行機体の後側に回動して、リンク杆79を後向きに移動させる。これにより、作用アーム78を介して作用ピン74を軸線廻りに回動させ、駆動カム73が係合カム72に係合するように構成されている。このようにしてリンク式の連動機構67が構成されている。
【0050】
上記の構成によれば、乗用形田植機を畦越えさせたり、路上から傾斜踏み板を登ってトラックに載せるとき、走行機体から降りた作業者(作業者)は走行機体の前方に廻り、次いで、ステアリングハンドル24を、走行機体の前方に近づくように上コラム46を前傾させる。図5に示すように左端側に大きく前傾動した姿勢(第3姿勢III )まで上コラム46を前傾(屈曲)させると、前記デフロック装置66が作動し、左右両前輪4a,4aは一体的に回転して片方の前輪のみのスリップ現象が発生しないから、畦越え作業やトラックへの載せかえ作業が確実に実行できる。このとき、上述のように、自在軸継手27の箇所でハンドルロック作用を発揮できるので、ステアリングハンドル24を手で握って回そうとしても、ロックされ、左右両前輪4a,4aは直進方向に固定(ロック)される。従って、田植機の直進性能をより一層向上させて、作業を一層確実に行える。なお、前記第2姿勢IIや第1姿勢I の状態では、上記のデフロック作用もハンドルロック作用も実現されない。
【0051】
このように、上コラム46の前傾姿勢の程度により、デフロック作動状態(且つハンドルロック作動状態)と、非デフロック作動状態(且つ非ハンドルロック作動状態)とに選択できるので、圃場の状態(ぬかるんでいるか否か)や、走行機体(田植機)の作業条件に応じて作業者が上コラム46の前傾姿勢を選択して、田植機の操作性を向上させることができる。
【0052】
なお、上コラム46の一側方(実施形態では座席体17に座る作業者から見て機体の左側)に、走行系の主クラッチ機構35aを入切することと左右の前輪4a(後輪5a)にブレーキをかけることを同時に実行するための地上操作レバーとしての複合レバー49と、ミッションケース2の歯車式変速機構38を前進2段、中立段及び後進1段に切替操作するための主変速レバー50が配置され、上コラム46の他側方(実施形態では、同じく機体の右側)に、苗植付け装置7を昇降するための油圧シリンダ15を駆動する昇降操作レバー51(図3に示す)が配置されている。
【0053】
これらのレバー49、50、51は上コラム46の前後屈曲動と一体的に前後方向に姿勢が変更可能なように、関連させて設けられている。即ち、レバー49〜51の基端部は、側面視において上コラム46の外周近傍に設けられたブラケット等に取付けられ、各操作レバー49〜51の自由端側が可動カバー体25の外面に突出している。そして、それぞれ可撓性を有するアウタ案内管とインナワイヤとからなるワイヤ操作手段80、81、82に、対応するレバー49〜51が連結されている(図6、図8、図9及び図12参照)。
【0054】
主変速レバー50と昇降操作レバー51とは、走行機体の座席体17に座る作業者が操作できるものである。他方、地上操作レバーとしての複合レバー49は、地上に降りた作業者が、走行機体の前方から操作するときのみ使用するものである。なお、図2及び図3に示すように、フロントボンネット19の右方の前部側デッキ部16aに配置されたペダル43を座席体17に座る作業者が操作することにより、図示しない連動機構を介して走行系の主クラッチ機構35aを入切することと伝動軸37にブレーキをかけることを同時に実行することができるように構成されている。
【0055】
次に連動機構100について説明すると、複合レバー49の基端部の軸線廻りの回動に連動するアームの下端に、ワイヤ操作手段81におけるワイヤ81aの一端が連結されている。ワイヤ操作手段81は図13〜図16に示すようにミッションケースの右側面後部側に引き回されている。ミッションケース2の上面に前記走行機体の幅方向と平行状に延びる回動軸84の一端に固定したブラケットアーム85に、ワイヤ81aの他端が連結されている。回動軸84の他端には主クラッチ機構35aにおける回動アーム86が取付けられ、その先端にベルト35に接離可能な押圧輪87が設けられ、前記回動アーム86はねじりコイルばね88の付勢力にて、押圧輪87がベルト35の外周に押圧(クラッチ入り)状態になるように構成されている。また、前記ブラケットアーム85に長さ調節ボルト89及びコイルバネ90を介してブレーキ操作アーム91の先端側が連結されている。このように連動機構100が構成されている。
【0056】
上記の構成によれば、後述するように、複合レバー49を走行機体の前方向(図5のF位置の姿勢)に回動すると、ワイヤ81aが引っ張られ、ねじりコイルばね88の付勢力に抗して回動軸84、回動アーム86が回動して押圧輪87がベルト35の外周から離間して主クラッチ機構35aが切り状態となると共に、回動軸84の回動にて前記ブラケットアーム85、長さ調節ボルト89及びコイルバネ90を介してブレーキ操作アーム91が作動し、ブレーキ手段37aは制動状態に保持される。逆に複合レバー49を走行機体の後方向(図5のE位置の姿勢)に回動すると、ワイヤ81aが緩み、ねじりコイルばね88の付勢力にて回動アーム86が回動して押圧輪87がベルト35の外周に押圧し、エンジン21の出力軸プーリ33aからミッションケース入力軸プーリ34aに動力伝達状態が保持されると共に、前記ブレーキ手段37aは制動解除状態に保持されるのである。
【0057】
上記の場合に、地上に降りた作業者が走行機体の前方向から複合レバー49を操作し易いように、上コラム46の前方向への屈曲動に応じて、複合レバー49の自由端側(握り部側)が走行機体の前方向に突出する連動機構92を備える。連動機構92の実施形態は、図4、図5、図6及び図12に示すように、一方のブラケット47aの外面であって、チルト機構47の回動中心となる横枢軸47cよりも適宜寸法L1だけ下方に偏心した位置に設けられた第1支軸93に下端が枢支された連杆94と、上コラム46の側面から走行機体の幅方向に突出する第2支軸95に上下回動可能に設けられた回動アーム96とを備える。回動アーム96は、第2支軸95を挟んで走行機体の後側の1枚の後側片96aと、前側の2枚の前側片96bとからなり、後側片96aの後部に、連杆94の上端を枢支する。2枚の前側片96bの前端部に複合レバー49の基端部が溶接などにより固定されている。また、走行機体の側面視において、第2支軸95の軸線が、上コラム46の軸線と重なるように配置されている。しかも、複合レバー49の基端部が前側片96bの前端部から後向きに屈曲され、可動カバー体25の側面を貫通する穴箇所は、前記第2支軸95の軸線と側面視で一致するように設定されている。
【0058】
そして、上コラム46の上端(ステアリングハンドル24)が座席体17に接近する側に配置された姿勢(第1姿勢I)のとき、複合レバー49の自由端側(握り部側)は走行機体の下方向に延び、且つ上コラム46の軸線よりも若干前側に位置するように設定されている。
【0059】
図13〜図16に示す実施形態では、複合レバー49の自由端側が下向き(図5のE位置の姿勢)のときには、主クラッチ機構35aは入り状態で、ブレーキ手段37aは制動解除状態とする。
【0060】
上記の構成によれば、作業者が地上に降りて、ステアリングハンドル24を走行機体の前方に倒すことに連動して、複合レバー49の自由端側は走行機体の前方に回動し、上コラム46と下コラム45との夾角が所定の値θ1になると、複合レバー49の自由端側(握り部)は、可動カバー体25よりも前方(補助カバー体26よりも前方にあるように突出する(図5の二点鎖線参照)。この状態では、複合レバー49が図5のE位置の姿勢をとる。従って、地上に降りた作業者が走行機体の前方から、複合レバー49の握り部に手が届き易くなる。そして、畦越え作業やトラックへの載せかえ等の作業時に、走行機体を緊急停止させたいときには、複合レバー49の握り部をさらに手前(作業者に近づく方向)に引くことで、主クラッチ機構35aの切り、ブレーキ手段37aの制動操作が迅速且つ確実に行えるという効果を奏する。走行機体の前部方向に操作レバーを回動操作するとき、主クラッチ機構が切り、ブレーキ手段が制動状態を保持することができるので、その状態で発進するということがない。
【0061】
上述のような複合レバー49の操作態様の場合において、この複合レバー49を上コラム46の前屈に連れて、走行機体の前方に移動するように可動カバー体25の外面に設けておけば、畦越え作業やトラックへの載せかえ等の作業時に、作業者が地上に降りて走行機体の前方からステアリングハンドル24を操作するとき、主クラッチ機構35aの切り、ブレーキ手段37aの制動操作が迅速且つ確実に行えるという効果を奏する。
【0062】
なお、前記ワイヤ操作手段81と連動機構100との取付け方向などを逆にして、複合レバー49を走行機体の前方向に回動する(図5のF位置の姿勢をとる)と、主クラッチ機構35aが動力伝達入り状態で、且つ前記ブレーキ手段37aは制動解除状態に保持され、複合レバー49を走行機体の後方向に回動した(図5のE位置の姿勢をとる)とき、主クラッチ機構35aが動力伝達切り状態で、且つ前記ブレーキ手段37aは制動状態となるように構成しても良い。この構成の場合、地上に降りた作業者が畦越え作業やトラックへの載せかえ等の作業時に、この作業者が腕を延ばしたまま複合レバーの握り部を持った状態で、走行機体が作業者側に接近したとき、作業者の腕を延ばしたまま保持するだけで、自然にブレーキがかかり、エンジンの動力も遮断できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る乗用型田植機の側面図である。
【図2】乗用型田植機の平面図である。
【図3】車体カバー等を外した状態の走行機体の斜視図である。
【図4】ミッションケース、エンジン、フロントアクスルケース、及びステアリング等の走行機体前部の左側面図である。
【図5】上コラムの傾動状態と、これに連動する複合レバーの姿勢を示す側面図である。
【図6】デフロックの連動機構を示す斜視図である。
【図7】ミッションケースの一部の内部を切欠きして示すデフロック装置及びその連動機構を示す斜視図である。
【図8】チルト機構、姿勢保持手段、及びデフロックの連動機構を示す正面図である。
【図9】チルト機構の左側面図である。
【図10】チルト機構及び姿勢保持手段の斜視図である。
【図11】ミッションケースの内部機構を示す一部切欠き平面図である。
【図12】上コラムの前方への屈曲で複合レバーの前方へ突出動する連動機構を説明する斜視図である。
【図13】同じく連動機構の側面図である。
【図14】ミッションケースの右側から見た複合レバーと主クラッチとの間の連動機構の斜視図である。
【図15】ミッションケースの右側下面から見た連動機構の斜視図である。
【図16】連動機構の要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
1a メインフレーム
1b サブフレーム
2 ミッションケース
3 走行フレーム
4 フロントアクスルケース
5 リヤアクスルケース
7 苗植付け装置
9 PTO軸
19 フロントボンネット
19a 下側固定カバー体
20 ステアリング下軸
21 エンジン
23 ステアリング上軸
24 ステアリングハンドル
25 可動カバー体
26 補助カバー体
29 走行駆動系
30 PTO駆動系
31 動力伝達機構
35a 主クラッチ機構
37a ブレーキ手段
38 歯車式変速機構
40 出力軸
41 伝動軸
45 下コラム
46 上コラム
47 チルト機構
48 姿勢保持機構
49 操作レバーとしての複合レバー
81 ワイヤ操作手段
81a ワイヤ
84 回動軸
85 ブラケットアーム
86 回動アーム
87 押圧輪
88 ねじりコイルばね
89 長さ調節ボルト
90 コイルバネ
92 連動機構
93 第1支軸
94 連杆
95 第2支軸
96 回動アーム
100 連動機構




 

 


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