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発明の名称 車両の荷室構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−99186(P2007−99186A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−294687(P2005−294687)
出願日 平成17年10月7日(2005.10.7)
代理人 【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
発明者 中垣 輝之
要約 課題
冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の取り出し作業を簡単に行うこと。

解決手段
車両には荷物を載置する荷室40と、荷室40を開閉できるドアが備えられており、荷室40として、常温で配送する荷物が載置される常温容積荷室50、冷蔵で配送する荷物が載置される冷蔵容積荷室60、及び冷凍で配送する荷物が載置される冷凍容積荷室70を有する車両の荷室構造10において、ドアは、複数個設けられており、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70は、複数個のドアのうち1つのドアの開閉によって車両の外側から荷物を直接取り出すことのできる直接開放状態又は閉鎖状態のいずれかの状態とされる構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両には荷物を載置する荷室と、該荷室を開閉できるドアが備えられており、前記荷室として、常温で配送する荷物が載置される常温容積荷室、冷蔵で配送する荷物が載置される冷蔵容積荷室、及び冷凍で配送する荷物が載置される冷凍容積荷室を有する車両の荷室構造であって、
前記ドアは、複数個設けられており、
前記冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室は、前記複数個のドアのうち1つのドアの開閉によって車両の外側から荷物を直接取り出すことのできる直接開放状態又は閉鎖状態のいずれかの状態とされることを特徴とする車両の荷室構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車両の荷室構造であって、
前記冷蔵容積荷室と前記冷凍容積荷室は、上下方向に配置されており、
前記冷凍容積荷室には、該冷凍容積荷室を冷却するための冷却装置が設けられており、前記冷却装置で冷却された冷気は、該冷凍容積荷室から前記冷蔵容積荷室に送風する送風装置によって送られる構成となっており、
前記冷蔵容積荷室と前記冷凍容積荷室とを仕切る隔壁とドアとの間には隙間が形成されていることを特徴とする車両の荷室構造。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、常温容積荷室、冷蔵容積荷室、及び冷凍容積荷室の3つの容積荷室を有する車両の荷室構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トラックやワンボックスカーなどで荷物の配送を目的とする配送車は、常温で配送する荷物が載置される常温容積荷室、冷蔵で配送する荷物が載置される冷蔵容積荷室、及び冷凍で配送する荷物が載置される冷凍容積荷室のいずれかの容積荷室を備えた1室式配送車が一般的であった。しかし、近年、顧客からは時間帯指定配送などのサービスが要求されるようになってきており、1室式配送車ではこのようなサービスに対応しにくい状況にあった。このため、2つの容積荷室を備えた2室式配送車又は3つの容積荷室を備えた3室式配送車の需要が高まってきている。現在知られている3室式配送車としては、冷蔵容積荷室と冷凍容積荷室を有する冷蔵庫を配送車に搭載したタイプのもので、冷蔵庫搭載式配送車と言われている。冷蔵庫搭載式配送車に関連する文献として、例えば、特許文献1には脱着式冷蔵ボックスを並設した車両の荷室構造が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−166914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した2室式配送車と冷蔵庫搭載式配送車には下記のような問題が指摘されていた。すなわち、2室式配送車は、常温容積荷室、冷蔵容積荷室、及び冷凍容積荷室のうちいずれか2つの容積荷室しかないため、1台の配送車で2つの温度帯の荷物しかを配送することができない、という問題が指摘されていた。
一方、冷蔵庫搭載式配送車によれば、常温容積荷室、冷蔵容積荷室、及び冷凍容積荷室の3つの容積荷室を有するので、1台の配送車で3つの温度帯で荷物を配送することができる。ただ、冷蔵庫搭載式配送車は、荷物の取り出し作業をするとき、非常に手間がかかるという問題が指摘されていた。すなわち、配送担当者は、車両のドアを開けて荷室に乗り込み、さらに冷蔵庫のドアを開けて荷物を取り出さなければならないという問題が指摘されていた。
【0005】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の取り出し作業を簡単に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、次の手段をとる。
まず、第1の発明は、車両には荷物を載置する荷室と、該荷室を開閉できるドアが備えられており、前記荷室として、常温で配送する荷物が載置される常温容積荷室、冷蔵で配送する荷物が載置される冷蔵容積荷室、及び冷凍で配送する荷物が載置される冷凍容積荷室を有する車両の荷室構造であって、前記ドアは、複数個設けられており、前記冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室は、前記複数個のドアのうち1つのドアの開閉によって車両の外側から荷物を直接取り出すことのできる直接開放状態又は閉鎖状態のいずれかの状態とされることを特徴とする。
この第1の発明では、冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の取り出し作業は、1回のドアの開閉操作で行われる。すなわち、冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室を開放するドアの開放操作で配送担当者が荷物を直接取り出すことのできる直接開放状態とし、冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室を閉鎖するドアの閉鎖操作で両荷室が閉じた状態となる閉鎖状態とする。これにより、配送担当者は冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の取り出し作業を極めて簡単に行うことができる。一方、常温で配送する荷物の取り出し作業は、冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室の開閉操作で使用するドア以外のドアの開閉操作によって行うことができる。
【0007】
次に、第2の発明は、上記した第1の発明に係る車両の荷室構造において、前記冷蔵容積荷室と前記冷凍容積荷室は、該冷凍容積荷室が下方として上下方向に配置されており、前記冷凍容積荷室には、該冷凍容積荷室を冷却するための冷却装置が設けられており、前記冷却装置で冷却された冷気は、該冷凍容積荷室から前記冷蔵容積荷室に送風する送風装置によって送られる構成となっており、前記冷蔵容積荷室と前記冷凍容積荷室とを仕切る隔壁とドアとの間には隙間が形成されていることを特徴とする。
この第2の発明では、冷凍容積荷室の冷却装置で冷却された冷気が送風装置によって冷蔵容積荷室に送られる。そして、冷蔵容積荷室の冷気は隙間を通って冷凍容積荷室と流れ込む。このように、冷蔵容積荷室の冷気の流路が確保されることで冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室内を効率的に冷却することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
まず、第1の発明によると、配送担当者は1回のドアの開閉操作により冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の取り出しが可能となるので、これらの荷物の取り出し作業を極めて簡単に行うことができる。
次に、第2の発明によると、冷蔵容積荷室の冷気の流路を確保することで冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室内を効率的に冷却することができる。また、冷蔵容積荷室内の冷気を隙間から冷凍容積荷室内へと流れる構成としたので、別途冷気の流路を確保するためのダクトを設ける必要がない。このため、その分車両の荷室内の荷室容量を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る車両の荷室構造10が適用される自動車1を示す斜視図である。図1に示す自動車1は、その前方右側が運転席20、前方左側が助手席30となっている右側ハンドルの自動車である。運転席20の右側には運転席ドア12が設けられ、助手席30の左側には助手席ドア13が設けられている。運転席ドア12の後側にはスライド式の右側サイドドア14が設けられており、助手席ドア13の後側にはスライド式の左側サイドドア15が設けられている。さらに、自動車1の後部には、ハッチバック式のバックドア16が設けられている。つまり、図1に示した自動車1は、いわゆるハッチバック式のワンボックスカータイプの普通自動車である。なお、本発明は、ワンボックスカータイプの自動車以外にも適用可能である。例えば、軽自動車やトラックに対しても、本発明に係る車両の荷室構造を適用することが可能である。
【0010】
図1に示すように、運転席20と助手席30の背後には車内空間を仕切る仕切り壁42が配置され、仕切り壁42の後方が配送する荷物を載置する荷室40となっている。荷室40は、常温で配送する荷物が載置される常温容積荷室50、冷蔵で配送する荷物が載置される冷蔵容積荷室60、及び冷凍で配送する荷物が載置される冷凍容積荷室70から構成されている。ここで言う、常温とは、おおよそ5℃〜30℃の温度のことを意味している。一般的には、気温と略同程度の温度であることを指している。また、冷蔵とは、おおよそ5℃〜−5℃で食品などを貯蔵しておくことができる状態を意味している。また、冷凍とは、おおよそ−5℃〜−20℃で食品などを貯蔵しておくことができる状態を意味している。
【0011】
図1に示すように、自動車1には、荷室40を開閉できる右側サイドドア14、左側サイドドア15、及びバックドア16が備えられている。この自動車1では、右側サイドドア14の開閉操作により冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の取り出し作業を行い、左側サイドドア15又はバックドア16の開閉操作により常温で配送する荷物の取り出し作業を行うものである。
なお、右側サイドドア14と左側サイドドア15は、いわゆる半ドアの状態まで閉めれば、強制的にドアを全閉位置まで閉じるイージークローザー装置を備えた構成となっている。これにより、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の気密性が高いことによるドアの閉まり具合の不良を防止することができる。
【0012】
図1に示すように、荷室40のフロア44上には、後部タイヤBTを覆うホイールハウスカバー46が形成されている。ホイールハウスカバー46は、断面が略正方形で自動車1の前後方向縦長に形成されている。これにより、ホイールハウスカバー46の上面にも荷物を載置することが可能となり、それだけ多くの荷物を載置することができる。つまり、本実施の形態におけるホイールハウスカバー46は、従来のホイールハウスカバーが円弧形状に形成されていたためにその円弧形状の上面部位に荷物を載置することができなかったという問題を解決しようとするものである。
なお、図1に示すように荷室40の下側には、電気を蓄えるコンデンサ48が備えられ、荷室40の天井には荷室内を照らす切換え式の室内灯49が備えられている。
【0013】
続いて、常温容積荷室50、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の各容積荷室の構成について説明する。
図1に示すように、常温容積荷室50は、荷室40のうち冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70以外の空間領域であり、他の容積荷室60、70の空間領域よりも大きい領域を占めている。より具体的には、常温容積荷室50は、図1で見て冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の左側と後方の領域を占めている。
なお、荷物の種類による配送頻度を考慮すると、常温容積荷室50、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の荷室40における容積割合は、9:1.25:1にすることが好ましい。
【0014】
次に、冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70の構成について説明する。
図1に示すように、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70は、車両の前進進行方向で見て車両の荷室の幅方向中央位置よりも右側前方に配置されている。このため、常温で配送する荷物の取り出し作業は車両の左側から行われる。これにより、配送担当者は車両右側での車の通行などをさほど気にすることなく荷物の取り出し作業が行うことができる。また、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の左側にスペースを確保することで、荷室内に長尺状の荷物を載置しやすくなる。
【0015】
図2は、図1に示した自動車1から右側サイドドア14、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70を抜き出した状態を示す斜視図である。図3は、図2のA−A線断面を示す断面図である。図2及び図3に示すように、冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70は、冷凍容積荷室70が下方として上下方向に配置されている。図3で見て冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70の右側には、右側サイドドア14が配置されている。右側サイドドア14を閉める場合、右側サイドドア14の上部と下部の車内側に設けられたウェザーストリップ17及びフロア44の先端に設けられたシール44aが右側サイドドア14と当接する。これにより、右側サイドドア14を閉めたとき、冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70の気密性が確保される。図2及び図3は、上記のように説明した右側サイドドア14を閉めて冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70が閉鎖された閉鎖状態を示している。
また、図3に示すように、右側サイドドア14は、アウターパネルとインナーパネルを接合したドアパネル本体14cの上部にガラス窓Gが設けられている。このガラス窓Gの車外側(図3で見て右側)には白フィルム14aが貼り付けられ、車内側(図3で見て左側)にはウレタンUが貼り付けられ、さらにこのウレタンUの車内側にはABS樹脂14bが貼り付けられている。また、この右側サイドドア14のその他の部分についても車内側の側面にはウレタンUが貼り付けられ、このウレタンUの車内側にはABS樹脂14bが貼り付けられている。このように、ウレタンUが貼り付けられることにより、右側サイドドア14の断熱性が確保されている。
【0016】
図2及び図3に示すように、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70は、右側サイドドア14、天井部18、仕切り壁42、フロア44、中央側壁84、後方側壁86及び隔壁88で仕切られた略直方体形状の容積荷室となっている。このとき、仕切り壁42は運転席20及び助手席30と荷室40を仕切る役割と、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70を構成する役割、の2つの役割を果たしている。これにより、構成部品点数を極力低減することが可能となる。そして、冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70は、中央側壁84の高さ方向の略中央位置に設けられた隔壁88により仕切られて各容積荷室を構成している。
また、右側サイドドア14を開放すると、自動車1の開口部位が形成されると共に冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の開口部位が形成される構成となっている。一方、右側サイドドア14が閉鎖すると、自動車1の開口部位が閉じていくと共に冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の開口部位も閉じられる構成となっている。この右側サイドドア14が閉鎖する作用によって冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の気密性が確保される。
【0017】
また、冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70の設置方法としては、例えば、運転席20及び助手席30の後方が常温容積荷室50又は客室として用いられ、主に乗降のために両サイドドア14、15が設けられた自動車(仕切り壁42、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70を有しない自動車)を改良して、下記のような方法で実現できる。
まず、運転席20及び助手席と荷室40を仕切る仕切り壁42を自動車1のフロア上に立設する。次に、仕切り壁42の後方で自動車1の幅方向の略中央位置でフロア44を設置する。次に、後方側壁86をフロア44の後方側の端部と接合すると共に立設する。次に、仕切り壁42の高さ方向の略中央位置に隔壁88を設置する。次に、自動車1の幅方向の略中央位置で仕切り壁42に対して直角方向に中央側壁84を立設する。このような設置方法により、荷室40を、常温容積荷室50、冷蔵容積荷室60、及び冷凍容積荷室70の各容積荷室とすることができる。このとき、仕切り壁42、中央側壁84、及び隔壁88を薄型軽量のパネル形状に形成すれば、自動車1の全体重量を軽減させることが可能になる。これにより、燃費のよい配送車を提供することができる。
【0018】
図2及び図3に示すように、冷蔵容積荷室60は、右側サイドドア14、天井部18、仕切り壁42、中央側壁84、後方側壁86及び隔壁88で仕切られた容積荷室となっている。また、仕切り壁42、中央側壁84、及び後方側壁86と隔壁88と天井部18とは、右側サイドドア14が閉鎖されたときに、冷蔵容積荷室60内の気密性が確保されるようにそれぞれ接合されている。同じように、仕切り壁42、中央側壁84及び後方側壁86と隔壁88とフロア44とは右側サイドドア14が閉鎖されたときに、冷蔵容積荷室60内の気密性が確保されるようにそれぞれ接合されている。なお、隔壁88の上面には、樹脂製スノコ67aが載せられおり、この上に冷蔵で配送する荷物が載置される。これにより、冷蔵容積荷室60内の通気性が確保されやすくなる。
【0019】
図2及び図3に示すように、冷凍容積荷室70は、右側サイドドア14、フロア44、仕切り壁42、中央側壁84、後方側壁86及び隔壁88で仕切られた容積荷室となっている。また、仕切り壁42、中央側壁84、及び後方側壁86と隔壁88とフロア44とは、右側サイドドア14が閉鎖されたときに、冷蔵容積荷室60内の気密性が確保されるようにそれぞれ接合されている。同じように、仕切り壁42、中央側壁84及び後方側壁86とフロア44と隔壁88とは右側サイドドア14が閉鎖されたときに、冷蔵容積荷室60内の気密性が確保されるようにそれぞれ接合されている。なお、フロア44の上面には、樹脂製スノコ67bが載せられており、。この上に冷凍で配送する荷物が載置される。これにより、冷凍容積荷室70内の通気性が確保されやすくなる。
【0020】
また、図2及び図3に示されるように、冷凍容積荷室70には、この冷凍容積荷室70を冷却するための冷却装置72が設けられている。冷却装置72には、冷気を出す開口72aが形成され、開口72aから冷気が放出されて冷凍容積荷室70内が冷却される。そして、図3に示すように、図3で見て冷凍容積荷室70の左上の位置から図3で見て冷蔵容積荷室60の左下の位置にかけて隔壁88を貫通した状態で送風装置74が設けられている。送風装置74は、冷凍容積荷室70内で冷却された冷気を冷蔵容積荷室60に送風するものである。送風装置74には、冷凍容積荷室70内の冷気を吸い込む下口74aと、下口74aから吸い込んだ冷気を冷蔵容積荷室60内に放出する上口74bが形成されている。そして、下口74aから吸い込まれた冷気は送風装置74の内部に設けられた送風ファンによって上口74bに送られる。
以上のような構成により、冷凍容積荷室70は、冷却装置72によって冷却されておおよそ−5℃〜−20℃に保たれる。冷凍容積荷室70の冷却された冷気は送風装置74によって冷蔵容積荷室60内に送られる。この送られた冷気を利用して冷蔵容積荷室60内はおおよそ5℃〜−5℃に保たれる。そして、冷蔵容積荷室60の冷気は、冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70とを仕切る隔壁88とドアとの間に形成された隙間Kを通って冷凍容積荷室70に流れ込む。図3においては図示した矢印方向に冷気が流れ込む態様となる。このような構成で冷蔵容積荷室60での冷気の流路を確保しておくと、別途ダクトを用意する必要がない。また、冷気の流れがスムーズとなり、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70を効率良く冷却することができる。
【0021】
図4は、自動車1の後方から見た仕切り壁42の背面図である。図5は、図4のB−B線で切断した断面を自動車1の上方から見た断面図である。
図5に示すように、仕切り壁42は、カラー鋼板Cとパネル状のアルミAlがウレタンUを挟んだサンドウィッチ構造となっており、仕切り壁42の荷室40側の表面は、アルミAlの部分を切り出してウレタンUを底とする溝部42a、42bが細幅状に形成されている。溝部42aは、図4で見て仕切り壁42の幅方向の略中央位置で上下方向に形成され、溝部42bは、前記上下方向に形成された溝部42aの途中位置から右方向に形成されている。また、溝部42aには中央側壁84が嵌め込まれて接合され、溝部42bには隔壁88が嵌め込まれて接合される構成となっている。なお、仕切り壁42は、軽量化のため2つのパネル状のアルミAlの間にウレタンUを挟んだサンドウィッチ構造としてもよい。
そして、図4に示すように、仕切り壁42は、中央側壁84と隔壁88が嵌め込まれて接合されたとき、常温容積荷室50を仕切る壁として対応する区画P、冷蔵容積荷室60を仕切る壁として対応する区画Q、及び冷凍容積荷室70を仕切る壁として対応する区画Rに分割される。これにより、各区画間での温度が伝わりにくくなるので、各容積荷室内の温度が良好に保たれる。また、仕切り壁42を構成する素材としてアルミAlを使用することで冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70をいち早く冷却することが可能となる。
なお、区画Pの上方位置には運転席20の位置から左後方を確認するためののぞき窓Wが形成されている。これにより、自動車1の左側の巻き込みが防止される、駐車しやすくなり、バックモニタが不要となる、といった効果が得られる。
【0022】
図6は、図1のフロントタイヤFTよりもやや上方にある矢印方向Dから見た助手席30を部分的に示す斜視図である。図6に示すように、助手席30には、シート32の座部32aの先端側に折り畳まれた状態で台車90が格納されている。詳細には、台車90は、その裏側の略中央部位で助手席フロア34から伸びたホールドベルト36によって保持されている。ここで、一般的には荷物の配送の際に使用される台車は、荷室40内に置かれることが多い。しかし、上記のような構成にすれば、台車90は助手席30にしっかりとおさまるので、台車90を荷室40に置く必要がない。すなわち、台車90が荷室40に置かなくても済むので、その分荷室40の容量を確保することができる。
【0023】
続いて、本実施の形態にかかる車両の荷室構造10の作用について説明する。
図7は、右側サイドドア14を開いた状態を示す斜視図である。図7に示すように、本実施の形態では、冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物を配送する場合、配送担当者は運転席20から降りて右側サイドドア14を開放し、荷物を直接取り出すことのできる直接開放状態とする。そして、荷物の取り出し作業を行い、右側サイドドア14を閉鎖して冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70を閉鎖状態とする。このとき、配送担当者は、荷室40の中にいちいち乗り込む必要がないので、荷物の取り出し作業を手早く行うことができる。また、1回のドアの開閉操作で荷物の取り出しが可能となるので、荷物の取り出し作業を極めて簡単に行うことができる。
また、自動車の外から右側サイドドア14をスライド操作することによって冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70を開閉することが可能であるため、荷室40内のデッドスペースを低減することができる。すなわち、従来の荷室40内でドアを開閉する冷蔵庫搭載式配送車では、荷室40内にドアを開閉するだけのスペースを確保する必要があるが、本実施の形態は、荷室40内にドアの開閉のために別途スペースを確保しなくても済むものである。
一方、配送担当者が常温で配送する荷物を配送する場合、配送担当者は運転席20から降りて左側サイドドア15又はバックドア16から荷物の取り出し作業を行う。配送車を一般道路の左側に寄せてに駐停車したとき、配送担当者は常温で配送する荷物の取り出し作業を効率よく行うことができる。
【0024】
本発明は上記実施の形態の構成に限定されることはなく、その他種々の形態で実施ができるものである。
例えば、上記実施の形態では冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の開閉は、右側サイドドア14によって行ったが、冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の量や大きさによっては左側サイドドア15またはバックドア16によって開閉操作を行う構成としてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70は、冷凍容積荷室70が下方として上下方向に配置されている構成を示したが、この構成に限定されるものではない。すなわち、冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70は、上下方向逆の配置としてもよいし、並列して左右方向に配置されている構成としてもよい。
さらに、例えば、図8に示した構成とすることも可能である。すなわち、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の右側サイドドア14側の上部位置で自動車1の前後方向にカーテンレール92を形成し、このカーテンレール92にカーテン94を沿わせて開閉可能とした構成としてもよい。このとき、冷蔵容積荷室60又は冷凍容積荷室70のいずれか一方の容積荷室から荷物を取り出すときには他方の容積荷室からの冷気モレを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施の形態に係る車両の荷室構造が適用される自動車を示す斜視図である。
【図2】自動車から右側サイドドア、冷蔵容積荷室、及び冷凍容積荷室を抜き出した状態を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A線断面を示す断面図である。
【図4】自動車の後方から見た仕切り壁の背面図である。
【図5】図4のB−B線で切断した断面を自動車の上方から見た断面図である。
【図6】助手席を部分的に示す斜視図である。
【図7】右側サイドドアを開いた状態を示す斜視図である。
【図8】他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 自動車
10 荷室構造
14 右側サイドドア
15 左側サイドドア
16 バックドア
36 ホールドベルト
40 荷室
42 仕切り壁
46 ホイールハウスカバー
50 常温容積荷室
60 冷蔵容積荷室
67a、67b 樹脂製スノコ
70 冷凍容積荷室
72 冷却装置
74 送風装置
84 中央側壁
86 後方側壁
88 隔壁
Al アルミ
G ガラス窓
K 隙間
U ウレタン
W のぞき窓





 

 


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