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発明の名称 乗員保護装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30811(P2007−30811A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−220607(P2005−220607)
出願日 平成17年7月29日(2005.7.29)
代理人 【識別番号】100107478
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 薫
発明者 小牧 弘之
要約 課題
配置の自由度を確保しながらも、大容量のコンデンサを設けなくとも乗員保護具を安定して作動させることのできる乗員保護装置を提供する。

解決手段
衝撃センサ10〜16による検出値に基づいて乗員保護具17〜24を作動させる制御手段8と、制御手段に電源を供給するバッテリ9とを備え、バッテリ9を車体1のエンジンルーム2より後方空間であるトランクルーム4に設置して、前記制御手段を、衝撃センサによる検出信号に基づいて乗員保護具の作動判定を行なう衝撃判定部と、その判定結果に基づいて乗員保護具を作動させる作動信号出力部と、作動信号出力部にバッテリ9から給電される電力を供給する電源部を備え、前記電源部に前記バッテリからの入力電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路の出力電圧を平滑化する平滑コンデンサを備え、バックアップコンデンサを無くす。
特許請求の範囲
【請求項1】
衝撃センサによる検出値に基づいて乗員保護具を作動させる制御手段と、前記制御手段に電源を供給するバッテリとを備えてなる車両の乗員保護装置であって、
前記バッテリを車体のエンジンルームより後方空間に設置してある乗員保護装置。
【請求項2】
衝撃センサによる検出値に基づいて乗員保護具を作動させる制御手段と、前記制御手段に電源を供給するバッテリとを備えてなる車両の乗員保護装置であって、
前記バッテリを前記制御手段の設置位置より車体の後方空間に設置してある乗員保護装置。
【請求項3】
前記バッテリを車体の左右に設定される潰れ代よりも内側に設置してある請求項1または2記載の乗員保護装置。
【請求項4】
前記バッテリを後輪の設置位置より車体の後方空間に設置してある請求項1から3の何れかに記載の乗員保護装置。
【請求項5】
前記バッテリから前記制御手段への給電ラインを車体の幅方向中央側に配線してある請求項1から4の何れかに記載の乗員保護装置。
【請求項6】
前記制御手段に、前記衝撃センサによる検出信号に基づいて前記乗員保護具を作動させるか否かを判定する衝撃判定部と、前記衝撃判定部による判定結果に基づいて前記乗員保護具を作動させる作動信号を出力する作動信号出力部と、前記作動信号出力部に前記バッテリから給電される電力を供給する電源部を備え、前記電源部に前記バッテリからの入力電圧の瞬停を補償する平滑コンデンサを備えている請求項1から5の何れかに記載の乗員保護装置。
【請求項7】
前記制御手段に、前記衝撃センサによる検出信号に基づいて前記乗員保護具を作動させるか否かを判定する衝撃判定部と、前記衝撃判定部による判定結果に基づいて前記乗員保護具を作動させる作動信号を出力する作動信号出力部と、前記作動信号出力部に前記バッテリから給電される電力を供給する電源部を備え、前記電源部に前記バッテリからの入力電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路の出力電圧を平滑化する平滑コンデンサを備え、前記作動信号出力部が前記昇圧回路の出力電圧を作動信号として出力する請求項1から5の何れかに記載の乗員保護装置。
【請求項8】
前記平滑コンデンサの容量が百μF以上千μF以下である請求項6または7記載の乗員保護装置。
【請求項9】
前記乗員保護具を作動させるための電源経路に、容量が千μF以上のコンデンサを設けない請求項1または2記載の乗員保護装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃センサによる検出値に基づいて乗員保護具を作動させる制御手段と、前記制御手段に電源を供給するバッテリとを備えてなる車両の乗員保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体に備えた複数の衝撃センサによる検出値に基づいて、エアバッグやシートベルトプリテンショナでなる乗員保護具を作動させるインフレータに点火する制御手段として、前記衝撃センサによる検出信号に基づいて前記乗員保護具を作動させるか否かを判定する衝撃判定部と、前記衝撃判定部による判定結果に基づいて前記乗員保護具を作動させる作動信号を出力する作動信号出力部と、前記作動信号出力部に前記バッテリからの入力電圧を昇圧する昇圧回路と昇圧回路の出力電力を蓄積する大容量のバックアップコンデンサを備えた電源部などを備えたものが提案されている。
【0003】
当該バックアップコンデンサは、発生した衝突事故によりエンジンルームに設置されたバッテリからの給電ラインが断線した場合や、事故の衝撃でイグニッションスイッチにチャタリングが生じた場合であってもインフレータに確実に点火電流が供給できるように、事前に必要な電流容量を蓄積するために設けられている。
【特許文献1】特開平8−310337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来技術によれば、バックアップ用のコンデンサとしてその容量が数千μFと大きな値のものを用いる必要があったため、制御手段の占有体積が大きくなり、その設置位置の自由度が制限されるという問題があった。
【0005】
さらに近年注目されている電動モータとエンジンを併用して省エネルギー走行可能なハイブリッド車では、エンジンルームに電動モータや動力分割機構などの多くの機器が追加配置されるため、エンジンルームにおけるバッテリの収容空間も大きく制限されるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、配置の自由度を確保しながらも、大容量のコンデンサを設けなくとも乗員保護具を安定して作動させることのできる乗員保護装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明による乗員保護装置の第一の特徴構成は、衝撃センサによる検出値に基づいて乗員保護具を作動させる制御手段と、前記制御手段に電源を供給するバッテリとを備えてなる車両の乗員保護装置であって、前記バッテリを車体のエンジンルームより後方空間に設置してある点にある。
【0008】
上述の構成によれば、衝突事故など乗員保護具を作動させる必要のある衝突事故が発生してエンジンルームが大きく破損したときであっても、バッテリが車体のエンジンルームより後方空間に設置されているので、バッテリ及びバッテリから制御手段への給電ラインが断線する虞が極めて低くなり、従って、制御手段に大容量のバックアップコンデンサを設けなくとも乗員保護具を安定して作動させることができるようになるのであり、これにより制御手段の占有体積が大幅に小さくなるので設置の自由度も確保することができるようになるのである。
【0009】
同第二の特徴構成は、衝撃センサによる検出値に基づいて乗員保護具を作動させる制御手段と、前記制御手段に電源を供給するバッテリとを備えてなる車両の乗員保護装置であって、前記バッテリを前記制御手段の設置位置より車体の後方空間に設置してある点にある。
【0010】
通常、制御手段は、エアバッグなどの乗員保護具の設置位置つまりキャビン内でステアリングホイールやダッシュボードの近傍やフロアトンネルに設けられている。従って、そのような制御手段よりも車体の後方位置にバッテリを設けることにより、衝突事故が発生してもバッテリ及びバッテリから制御手段への給電ラインが断線する虞がより一層低下するのである。
【0011】
同第三の特徴構成は、上述の第一特徴構成に加えて、前記バッテリを車体の左右に設定される潰れ代よりも内側に設置してある点にある。
【0012】
上述の構成によれば、側方からの衝突事故が発生したときであっても、衝撃により想定される潰れ代より内側に設置されたバッテリが損傷することなく給電状態を確保することができるようになる。
【0013】
同第四の特徴構成は、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記バッテリを後輪の設置位置より車体の後方空間に設置してある点にある。
【0014】
乗員保護具の作動が要求される衝撃の発生は、前方衝突や側方衝突によるものに限られ、後方衝突では作動しない。従って、少なくとも後輪の設置位置より車体の後方空間にバッテリを設置することにより前方衝突や側方衝突によるバッテリの損傷や給電ラインの切断を回避することができるようになる。
【0015】
同第五の特徴構成は、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記バッテリから前記制御手段への給電ラインを車体の幅方向中央側に配線してある点にある。
【0016】
このように構成することにより、前方衝突や側方衝突による車体の損傷による給電ラインの切断をより確実に回避することができるようになる。
【0017】
同第六の特徴構成は、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記制御手段に、前記衝撃センサによる検出信号に基づいて前記乗員保護具を作動させるか否かを判定する衝撃判定部と、前記衝撃判定部による判定結果に基づいて前記乗員保護具を作動させる作動信号を出力する作動信号出力部と、前記作動信号出力部に前記バッテリから給電される電力を供給する電源部を備え、前記電源部に前記バッテリからの入力電圧の瞬停を補償する平滑コンデンサを備えている点にある。
【0018】
上述の構成によれば、例えば、バッテリから制御手段への給電ラインに設けられるイグニッションスイッチの接点が事故の衝撃でチャタリングを起こしても、平滑コンデンサにより入力電圧の瞬停が吸収されるので、乗員保護具の作動が要求される衝撃が発生しても、確実に作動信号を出力することができるようになるのである。従って、従来必要とされた大容量のバックアップコンデンサを設ける必要が無くなるのである。
【0019】
同第七の特徴構成は、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記制御手段に、前記衝撃センサによる検出信号に基づいて前記乗員保護具を作動させるか否かを判定する衝撃判定部と、前記衝撃判定部による判定結果に基づいて前記乗員保護具を作動させる作動信号を出力する作動信号出力部と、前記作動信号出力部に前記バッテリから給電される電力を供給する電源部を備え、前記電源部に前記バッテリからの入力電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路の出力電圧を平滑化する平滑コンデンサを備え、前記作動信号出力部が前記昇圧回路の出力電圧を作動信号として出力する点にある。
【0020】
上述の構成によれば、例えば、バッテリから制御手段への給電ラインに設けられるイグニッションスイッチの接点が事故の衝撃でチャタリングを起こしても、従来必要とされた大容量のバックアップコンデンサを設けることなく平滑コンデンサに蓄電された昇圧電圧下で入力電圧の瞬停が吸収されるので、乗員保護具の作動が要求される衝撃が発生しても、確実に作動信号を出力することができるようになるのである。
【0021】
同第八の特徴構成は、上述の第六または第七の特徴構成に加えて、前記平滑コンデンサの容量が百μF以上千μF以下である点にある。
【0022】
このような容量の範囲のコンデンサであれば、従来の数千μFのバックアップコンデンサに比較してそれが占める空間体積を著しく減少させることができるようになるのである。
【0023】
同第九の特徴構成は、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記乗員保護具を作動させるための電源経路に、容量が千μF以上のコンデンサを設けない点にあり、その結果、従来の数千μFのバックアップコンデンサに比較してそれが占める空間体積を著しく減少させることができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明した通り、本発明によれば、配置の自由度を確保しながらも、大容量のコンデンサを設けなくとも乗員保護具を安定して作動させることのできる乗員保護装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明による乗員保護装置が車両に搭載された実施形態について説明する。図1に示すように、乗員保護装置は、車体1に搭載された乗員保護具17〜24と、Gセンサなどの衝撃センサ10〜16による検出値に基づいて前記乗員保護具17〜24を選択的に作動させる制御手段8と、前記制御手段8に電源を供給するバッテリ9などを備えて構成してある。
【0026】
前記乗員保護具は、運転席5及び助手席6の前部に設けられた前方衝突用エアバッグ17,18と、運転席5及び助手席6並びに後部座席7のドア側部に設けられた側方衝突用エアバッグ19〜22と、シートベルトプリテンショナ23,24で構成される。前方衝突用エアバッグ17,18は、前方衝突事故の発生時に乗員がステアリングやフロントガラスなどへ衝突して重大な損傷を受けることを回避するため、側方衝突用エアバッグ19〜22は、側方衝突時に乗員を保護するために、また、シートベルトプリテンショナ23,24は事故発生時に乗員の姿勢を規制してエアバッグによる保護効果を高めるため、シートベルトを強制的に巻き上げる装置である。
【0027】
詳述すると、図2に示すように、エアバッグ17〜22の夫々はその開口部が点火剤101とガス発生剤102とが封入されたインフレータ100に接続され、後述の作動信号出力部から選択的に出力される作動信号Sdによって前記点火剤101が点火され、それに伴なって前記ガス発生剤102から発生した窒素ガスにより膨張展開されるように構成され、展開され後乗員を保護するのに必要な時間に経過後に収縮するように構成されている。
【0028】
前記シートベルトプリテンショナ23,24も同様に、インフレータ100で発生した窒素ガスの圧力により作動するピストンに取り付けられた巻上げワイヤによりシートベルトを巻き上げるように構成されている。
【0029】
前記衝撃センサ10〜16は、前記制御手段8を構成する制御基板にマウントされたフロアセンサ10と、オフセット衝突を検出するべくエンジンルーム2の左右両側に配置されたフロントセンサ11,12と、左右の窓枠に配置されたピラーセンサ13〜16で構成され、何れも車両の慣性力を検出するGセンサが用いられている。
【0030】
図3に示すように、前記制御手段8は、マイクロコンピュータを備えた電子制御手段で、バッテリ9からイグニッションスイッチIGSWを介して供給されるDC12Vの電圧を前記インフレータ100への作動信号電圧であるDC23Vに昇圧する昇圧回路80と、前記昇圧回路80を作動させるとともに、昇圧された電圧を降圧してマイクロコンピュータなどの制御回路に供給するDC5Vの制御電圧を生成する電源制御部87と、前記マイクロコンピュータで構成される衝撃判定部86などを備えて構成されている。
【0031】
前記昇圧回路80は、逆流防止用のダイオード81と、昇圧コイル82と、前記昇圧コイル82をスイッチングするスイッチ回路83(例えば、FETなどのトランジスタで構成される)と、整流用ダイオード84と、平滑コンデンサ85を備えて構成され、前記電源制御部87により前記スイッチ回路83がスイッチング制御されることにより所定レベルの電圧に昇圧される。
【0032】
前記衝撃判定部86は、上述した複数の衝撃センサ10〜16による検出信号が入力され、各検出信号レベルに基づいて所定のアルゴリズムで設定レベル以上の衝撃が検出されたときに前方衝突或いは何れかの側方衝突が発生したと判定し、衝突発生と判定されたときに対応するエアバッグ及び/またはシートベルトプリテンショナを作動するべく、前記電源制御部87に対して作動命令を発する。図3には、前記衝撃判定部86から前記電源制御部87に一系統の信号ラインしか記載されていないが、実際には、前方衝突用エアバッグ17,18に対する信号ライン、側方衝突用エアバッグ19〜22の左右各別の信号ライン、シートベルトプリテンショナ23,24に対応する信号ラインが夫々設けられている。
【0033】
前記電源制御部87は、前記衝撃判定部86から信号ラインを介して作動命令が入力されると対応する乗員保護具17〜24の何れかを作動させるために作動スイッチ88(例えば、FETなどのトランジスタで構成される)をオンして、前記昇圧回路80からの出力電圧を信号ライン89を介して前記インフレータ100に印加する。即ち、前記電源制御部87と前記作動スイッチ88と信号ライン89により前記乗員保護具17〜24を作動させる作動信号Sdを出力する作動信号出力部が構成されている。
【0034】
図1に示すように、前記バッテリ9は車体1のエンジンルーム2より後方空間であるトランクルーム4の底部に収容設置してされ、前記バッテリ9から前記制御手段8への給電ライン25が車体1の幅方向中央側に配線されている。このような構成により、衝突事故など乗員保護具を作動させる必要のある衝突事故が発生してエンジンルーム2が大きく破損したときであっても、前記バッテリ9及びバッテリ9から前記制御手段8への給電ライン25が断線する虞が極めて低くなり、従って、前記制御手段8に大容量のバックアップコンデンサを設けなくとも乗員保護具を安定して作動させることができるようになるのであり、これにより前記制御手段8の占有体積が大幅に小さくなるので設置の自由度も確保することができるようになるのである。
【0035】
つまり、従来は、図9に示すように、バッテリ9がエンジンルーム2に設置されていたため、前方衝突によりエンジンルームが破損するとバッテリ9が破損し或いは給電ラインが断線する虞があり、そのような場合であっても衝突から100msec.程度の間は、前記制御手段8が正常に作動し、且つ、前記乗員保護具17〜24が確実に作動するように、図10に示すように、前記制御手段8に前記昇圧回路80の出力を数千μFの大容量アルミコンデンサ801を配したバックアップ回路800が設けられていた。
【0036】
このようなバックアップ用のコンデンサは、その径φが十数ミリで長さが二十数ミリから三十ミリに及ぶ大きさを有しており、そのようなコンデンサが搭載された基板を収容するためには十分な体積を備えた空間が必要とされるため、極めて限られた場所にしか設置できなかったのである。
【0037】
さらに、衝突の衝撃でイグニッションスイッチIGSWの機械接点にチャタリングが生じて瞬時的な停電状態が発生する虞があり、そのような場合でも前記バックアップ用のコンデンサ801を設けることにより、前記制御手段8が正常に作動し、且つ、前記乗員保護具17〜24が確実に作動するように補償されていたのであるが、前記バッテリ9を車体1のエンジンルーム2より後方空間に設置することにより給電ラインの断線などの虞が極めて低くなるので、大容量のバックアップコンデンサ801を設けなくとも、前記平滑コンデンサ85により前記イグニッションスイッチIGSWのチャタリングに十分対応できるようになるのである。このような平滑コンデンサは百μF以上千μF以下の容量で十分に対処できるものであり、その大きさも径φが数ミリで長さが十数ミリ程度であるために部品の占有空間も大きく低減できるとともに安価な部品コストで実現できるのである。
【0038】
ここで、前記バッテリ9が収容設置される場所は、トランクルーム4の底部に限られるものではなく、車体1のエンジンルーム2より後方空間であればよく、前記制御手段8の設置位置より車体1の後方空間に設置されていれば尚よい。例えば、図4に示すように、車室3内の後部座席の中央下部や、乗員保護具を作動させる必要のある側方衝突の検知範囲である後部ピラーより後方の位置、後部車輪の設置位置より後方側に設置されるものであってもよい。
【0039】
車室内やトランクルーム、特に後輪よりも後方空間にバッテリを設けると、従来から前記制御手段8を車室内の前方中央(フロントパネル内)に設けているように、衝突によって破壊される可能性が格段に減少する。バッテリを前記制御手段8より後方空間に設けると、前記制御手段が破壊されていないのにバッテリからの給電が途絶えてエアバッグの展開制御などができなくなるという事態は発生しなくなる。バッテリが破壊されるような衝突であれば、前記制御手段も当然破壊されるためである。尚、この場合、衝突などの衝撃によりバッテリや制御手段が破壊される可能性の低い耐衝撃性を備えたエンジンルーム構造であれば、それらをエンジンルーム内に設けてもよい。
【0040】
さらには、前方衝突や側方衝突による車体の潰れ代よりも内側に配置されていると一層好ましい。この場合、左座席と右座席の間の中央部分に配置するのが特に好ましいが、各座席の下部(座席の車外側より車内側)に配置してもよい。また、そのようなバッテリ9から前記制御手段8への給電ライン25は車体の幅方向中央側に配線されていると、衝突による断線の危険性が大きく低減されるので好ましい。この給電ライン25の場合もバッテリ9の場合と同様に、前方衝突や側方衝突による車体の潰れ代よりも内側に配置されていると一層好ましく、左座席と右座席の間の中央部分に配置するのが特に好ましいが、各座席の下部(座席の車外側より車内側)に配置してもよい。
【0041】
上述のようにバッテリを設置した場合には、図6に示すように、バッテリ9からの電源入力ラインに平滑コンデンサ85´´を設けることにより、前記イグニッションスイッチIGSWのチャタリングに対応することも可能である。
【0042】
バッテリを車体のエンジンルームより後方空間に設置する場合には、断線などに備えてバックアップ用の電荷を蓄える必要が無く、図7に示すように、バッテリからDC12Vの直流電圧が給電される場合であっても、極端に大きな容量のコンデンサで無くとも十分に電化を蓄積するために必要とされた昇圧回路を設けることなく、単に平滑コンデンサ85´を設けることにより十分に対応可能となる。さらに、図8に示すように、従来の昇圧回路から昇圧コイルなどの削除した場合には、昇圧回路のダイオード84と平滑コンデンサ85をそのまま利用した回路部80´を設けることにより対応することも可能である。
【0043】
つまり、前記制手段が、前記衝撃センサによる検出信号に基づいて前記乗員保護具を作動させるか否かを判定する衝撃判定部と、前記衝撃判定部による判定結果に基づいて前記乗員保護具を作動させる作動信号を出力する作動信号出力部と、前記作動信号出力部に前記バッテリから給電される電力を供給する電源部を備え、前記電源部に前記バッテリからの入力電圧の瞬停を補償する平滑コンデンサを備えて構成されるものである。尚、上述の場合にもメインバッテリ及び補機バッテリ9は車体1のエンジンルーム2より後方空間に設置されるものであることはいうまでもない。
【0044】
尚、上述した各実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成、バッテリの出力電圧、平滑コンデンサの容量、バッテリの設置位置等は適宜変更設計できることはいうまでもない。例えば、昇圧回路や平滑用コンデンサを、前記制御手段(エアバッグ制御用のECU)の外部、好ましくはその近傍に設けるものであってもよい。
【0045】
さらに近年、注目されている電動モータとエンジンを併用して省エネルギー走行可能なハイブリッド車では、エンジンルームに電動モータや動力分割機構などの多くの機器が追加配置されるため、エンジンルームにおけるバッテリの収容空間も大きく制限される。そのようなハイブリッド車では、通常、主にモータを駆動する動力用バッテリであるDC200Vを出力するニッケル水素電池がメインバッテリとして設置され、そのメインバッテリから前記制御手段8やエンジンなどを制御する他の電子制御ユニット(ECU)に給電するための補機バッテリ9に電力が供給されるDC/DCコンバータが設けられている。そのような場合に補記バッテリの出力電圧をDC12Vより高く、例えばDC40Vに設定し、その電圧を前記制御手段8や他の電子制御ユニット(ECU)に給電するように構成するものであってもよい。この場合には、前記制御手段8に昇圧回路80を設けなくとも十分にインフレータを点火する電流値が確保できる。また、ECUに給電される電圧Vを従来よりも高くすることができるので、必要な電荷Qを確保するための静電容量Cを小さくできるため(Q=CVの関係から)、図5に示すように、電源入力側に低容量のコンデンサ85´を設けるだけで対応可能となる。この場合のコンデンサの容量は従来の半分程度の容量で(電圧が23Vから40Vになったため)十分に対処できる(電圧値を高くするほど容量は小さくできる)ものである。尚、このような場合であっても、各電子制御ユニット(ECU)は供給された電源電圧を制御電圧に降圧するレギュレータ回路を備える必要がある点は変わりない。さらに、この場合にはバッテリの設置位置は従来から変える必要は無く、エンジンルーム内であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明による乗員保護装置の配置説明図
【図2】本発明による乗員保護装置に用いられる制御手段の回路ブロック構成図
【図3】減速度の出力状態の説明図
【図4】別実施形態を示す乗員保護装置の配置説明図
【図5】別実施形態を示す乗員保護装置に用いられる制御手段の回路ブロック構成図
【図6】別実施形態を示す乗員保護装置の配置説明図
【図7】別実施形態を示す乗員保護装置の配置説明図
【図8】別実施形態を示す乗員保護装置の配置説明図
【図9】従来例を示す乗員保護装置の配置説明図
【図10】従来例を示す乗員保護装置に用いられる制御手段の回路ブロック構成図
【符号の説明】
【0047】
1:車体
2:エンジンルーム
3:車室
4:トランクルーム
8:制御手段
9:バッテリ
10〜16:衝撃センサ
17〜22:乗員保護具(エアバッグ)
23,24:乗員保護具(シートベルトプリテンショナ)
25:給電ライン




 

 


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