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発明の名称 電動パワーステアリング装置用制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8447(P2007−8447A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−52799(P2006−52799)
出願日 平成18年2月28日(2006.2.28)
代理人 【識別番号】100095429
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 進
発明者 長瀬 茂樹 / 行松 規光
要約 課題
操舵補助力発生用ブラシレスモータの制御に必要な高速で類型的でない複雑な演算を低コストで行う制御装置を提供する。

解決手段
モータ1の駆動用電流の目標値を、操舵トルクの検出値に基づき演算する目標値演算要素20Aは、チップ20における第1の集積回路により構成される。モータ1の駆動用信号値を、目標値演算要素20Aにより演算された目標値、モータ1の駆動用電流の検出値、およびモータ1におけるロータの回転位置の検出値に基づき演算する駆動用信号値演算要素30Aは、そのチップ20とは別のチップ30に設けられた第2の集積回路により構成される。駆動用信号値に応じて駆動要素10Aはモータ1を駆動する。第1の集積回路は第2の集積回路に通信可能に接続される。駆動用信号値の演算周期は目標値の演算周期よりも短くされている。
特許請求の範囲
【請求項1】
操舵補助力発生用ブラシレスモータの駆動用電流の目標値を、少なくとも操舵トルクの検出値に基づき演算する目標値演算要素と、
前記モータの駆動用信号値を、前記目標値演算要素により演算された目標値、前記モータの駆動用電流の検出値、および前記モータにおけるロータの回転位置の検出値に基づき演算する駆動用信号値演算要素と、
前記駆動用信号値に応じて前記モータを駆動する駆動要素とを備え、
前記目標値演算要素はチップに設けられた第1の集積回路により構成され、
前記駆動用信号値演算要素は別のチップに設けられた第2の集積回路により構成され、
前記第1の集積回路は第2の集積回路に通信可能に接続され、
前記駆動用信号値の演算周期は前記目標値の演算周期よりも短くされている電動パワーステアリング装置用制御装置。
【請求項2】
前記第1の集積回路は、前記目標値演算要素により演算された目標値と駆動用電流の検出値とを比較することで異常の有無を判断する出力監視要素を有し、
前記第2の集積回路は、前記目標値演算要素により演算された目標値と操舵トルクの検出値とを比較することで異常の有無を判断する入力監視要素を有する請求項1に記載の電動パワーステアリング装置用制御装置。
【請求項3】
前記目標値演算要素は、前記モータの負荷に応じた変量に基づき前記目標値を過負荷保護のため低減させるディレーティング演算部を有する請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置用制御装置。
【請求項4】
前記目標値演算要素は、操舵トルクに影響する変量の検出値に基づき前記目標値を補正する補償演算部を有する請求項1〜3の中の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置用制御装置。
【請求項5】
前記第1の集積回路は、前記目標値と前記駆動用信号値の演算に必要な検出値の異常の有無を判断する検出状態監視要素を有する請求項1〜4の中の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置用制御装置。
【請求項6】
前記第2の集積回路の作動異常の有無を判断する第1の監視部と、
前記モータの補助駆動用信号値を演算する第1の補助演算要素とを備え、
前記第1の補助演算要素は前記第1の集積回路により構成され、
前記第2の集積回路の作動異常時に、前記駆動用信号値に代えて前記補助駆動用信号値に応じて前記モータが駆動されるように、前記駆動要素を前記駆動用信号値演算要素と前記第1の補助演算要素とに択一的に接続する信号選択要素が設けられている請求項1〜5の中の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置用制御装置。
【請求項7】
前記第1の集積回路の作動異常の有無を判断する第2の監視部と、
前記モータの駆動用電流の目標値を、少なくとも操舵トルクの検出値に基づき演算する第2の補助演算要素とを備え、
前記第2の補助演算要素は前記第2の集積回路により構成され、
前記第1の集積回路の作動異常時に、駆動用信号値演算要素により、前記モータの駆動用信号値が前記第2の補助演算要素により演算された目標値に基づき演算される請求項1〜6の中の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置用制御装置。
【請求項8】
前記モータの制御用データと、この制御用データのサムチェック用データとを記憶する第1の不揮発性記憶装置と、
前記第1の不揮発性記憶装置に記憶されたものと同一の制御用データおよびサムチェック用データを記憶する第2の不揮発性記憶装置と、
前記第1の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データのサムチェックの結果と前記第2の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データのサムチェックの結果とから、両不揮発性記憶装置の中の何れか一方におけるデータ異常の有無を判定する判定要素とを備え、
前記第1の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データが前記第1の集積回路における演算に用いられるように、前記第1の不揮発性記憶装置とデータ通信可能な第1の記憶データ用通信処理部が前記第1の集積回路により構成され、
前記第2の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データが前記第2の集積回路における演算に用いられるように、前記第2の不揮発性記憶装置とデータ通信可能な第2の記憶データ用通信処理部が前記第2の集積回路により構成され、
前記第1の不揮発性記憶装置におけるデータ異常時は、前記第2の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データが前記第2の記憶データ用通信処理部を介して前記第1の集積回路における演算に用いられ、
前記第2の不揮発性記憶装置におけるデータ異常時は、前記第1の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データが前記第1の記憶データ用通信処理部を介して前記第2の集積回路における演算に用いられる請求項1〜7の中の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置用制御装置。
【請求項9】
前記目標値演算要素により、操舵トルクの検出値と車両状態データとに応じて前記目標値が演算できるように、車両状態データの第1の入力部と通信可能な第1の入力データ用通信処理部が前記第1の集積回路に設けられ、
前記入力監視要素により、前記目標値演算要素により演算された目標値を操舵トルクの検出値および車両状態データと比較することで異常の有無を判断できるように、車両状態データの第2の入力部と通信可能な第2の入力データ用通信処理部が前記第2の集積回路に設けられている請求項2に記載の電動パワーステアリング装置用制御装置。
【請求項10】
操舵補助力発生用モータの駆動用電流の目標値を、少なくとも操舵トルクの検出値に基づき演算する目標値演算要素を備えた第1制御部と、
前記モータの駆動用信号値を、前記目標値演算要素により演算された目標値、前記モータの駆動用電流の検出値、および前記モータにおけるロータの回転位置の検出値に基づき演算する駆動用信号値演算要素を備えた第2制御部と、
前記駆動用信号値に応じて前記モータを駆動する駆動部とを備え、
前記第2制御部は前記第1制御部が備えられたチップとは別のチップに備えられ、
前記第1制御部と第2制御部は通信可能に接続され、
前記駆動用信号値の演算周期は前記目標値の演算周期よりも短くされている電動パワーステアリング装置用制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動パワーステアリングにおける操舵補助力発生用モータを制御するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動パワーステアリング装置用制御装置においては、操舵補助力発生用ブラシレスモータの駆動用電流の目標値を操舵トルクに基づき演算し、この演算した目標値と駆動用電流の検出値とロータの回転位置の検出値とに基づきモータの駆動用信号値を演算し、この演算した駆動用信号値に応じてモータをモータドライバにより駆動することが行われている。
【0003】
上記のような駆動用電流の目標値を1チップマイコンにより演算し、駆動用信号値を別の1チップマイコンにより演算し、両マイコンをワイヤハーネスにより構成される通信線により接続することが行われている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−331946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操舵補助力発生用ブラシレスモータの駆動用電流を精度良く制御するためには、ロータの回転位置に応じた駆動用信号値の演算を高速に行うことが必要とされる。また、車両の運転者の操舵フィーリングの向上のためには、ロータの回転速度等に応じて目標電流値を補正するといった類型的でなく複雑な演算が必要とされる。しかし、そのような高速かつ類型的でなく複雑な演算を行うには高性能なマイコンを必要とするためマイコンコストが増大する。
さらに、フェイルセーフ処理を行うため、演算値の異常の有無を監視するための専用のサブマイコンや監視回路用ハードウェアが必要とされる。しかし、フェイルセーフ処理のために専用のサブマイコンや監視回路用ハードウェアを設けるとコストがさらに増大する。
本発明は、上記課題を解決することのできる電動パワーステアリング装置用制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電動パワーステアリング装置用制御装置は、操舵補助力発生用ブラシレスモータの駆動用電流の目標値を、少なくとも操舵トルクの検出値に基づき演算する目標値演算要素と、前記モータの駆動用信号値を、前記目標値演算要素により演算された目標値、前記モータの駆動用電流の検出値、および前記モータにおけるロータの回転位置の検出値に基づき演算する駆動用信号値演算要素と、前記駆動用信号値に応じて前記モータを駆動する駆動要素とを備え、前記目標値演算要素はチップに設けられた第1の集積回路により構成され、前記駆動用信号値演算要素は別のチップに設けられた第2の集積回路により構成され、前記第1の集積回路は第2の集積回路に通信可能に接続され、前記駆動用信号値の演算周期は前記目標値の演算周期よりも短くされている。
本発明によれば、第1の集積回路において駆動用電流の目標値が演算され、第2の集積回路において目標値、前記モータの駆動用電流の検出値、およびロータの回転位置に応じた駆動用信号値が演算され、その駆動用信号値の演算周期は目標値の演算周期よりも短くされている。すなわち、比較的低速な演算を行う第1の集積回路において、駆動用信号値の演算に比較して類型的でなく複雑な駆動用電流の目標値の演算が行われ、比較的高速な演算を行う第2の集積回路において、類型的で比較的単純な駆動用信号値の演算が行われる。これにより、制御装置を構成する集積回路チップとして高速かつ類型的でない複雑な演算を行う高性能のものを必要とせず、類型的でなく比較的複雑ではあるが比較的低速な演算を行えば足りる第1の集積回路が設けられたチップと、比較的高速ではあるが類型的で比較的単純な演算を行えば足りる第2の集積回路が設けられたチップとで制御装置を構成できる。よって、制御装置を低コストの集積回路チップにより構成することができる。第1の集積回路が設けられたチップとしてマイコンチップを用いることができ、第2の集積回路が設けられるチップとしてマイコンチップ、DSP(Digital Signal Processor)チップ、ゲートアレイ等から組み上げられたロジックICチップ等を用いることができる。
本発明の電動パワーステアリング装置用制御装置の別の特徴は、操舵補助力発生用モータの駆動用電流の目標値を、少なくとも操舵トルクの検出値に基づき演算する目標値演算要素を備えた第1制御部と、前記モータの駆動用信号値を、前記目標値演算要素により演算された目標値、前記モータの駆動用電流の検出値、および前記モータにおけるロータの回転位置の検出値に基づき演算する駆動用信号値演算要素を備えた第2制御部と、前記駆動用信号値に応じて前記モータを駆動する駆動部とを備え、前記第2制御部は前記第1制御部が備えられたチップとは別のチップに備えられ、前記第1制御部と第2制御部は通信可能に接続され、前記駆動用信号値の演算周期は前記目標値の演算周期よりも短くされている点にある。
【0006】
前記第1の集積回路は、前記目標値演算要素により演算された目標値と駆動用電流の検出値とを比較することで異常の有無を判断する出力監視要素を有し、前記第2の集積回路は、前記目標値演算要素により演算された目標値と操舵トルクの検出値とを比較することで異常の有無を判断する入力監視要素を有するのが好ましい。これにより、第1の集積回路と第2の集積回路による演算値の異常の有無を監視するための専用のハードウェアが不要になる。
この場合、前記目標値演算要素により、操舵トルクの検出値と車両状態データとに応じて前記目標値が演算できるように、車両状態データの第1の入力部と通信可能な第1の入力データ用通信処理部が前記第1の集積回路に設けられ、前記入力監視要素により、前記目標値演算要素により演算された目標値を操舵トルクの検出値および車両状態データと比較することで異常の有無を判断できるように、車両状態データの第2の入力部と通信可能な第2の入力データ用通信処理部が前記第2の集積回路に設けられているのが好ましい。これにより、モータを操舵トルクの検出値だけでなく、車速や制動力等の車両状態データに応じても制御する場合に、操舵トルクと車両状態データとに応じて演算された目標値を、操舵トルクの検出値および車両状態データと比較することで、異常の有無を適正に判断することができる。よって、モータを操舵系情報だけでなく車両全体の情報に応じて統合的に制御する場合におけるフェイルセーフのための異常判定の過誤をなくすことができる。さらに、何れか一方の集積回路や何れか一方の入力部に異常が生じた時は、その異常を外部システムに送信し、制御装置の故障告知を行うことも可能になる。
【0007】
前記目標値演算要素は、前記モータの負荷に応じた変量に基づき前記目標値を過負荷保護のため低減させるディレーティング演算部を有するのが好ましい。これにより、過負荷保護のために専用のハードウェアが不要になる。
【0008】
前記目標値演算要素は、操舵トルクに影響する変量の検出値に基づき前記目標値を補正する補償演算部を有するのが好ましい。これにより、演算速度が比較的低速であるため演算処理能力に余裕がある第1の集積回路により、操舵フィーリング向上等のために目標値を補正するための演算を行うことができる。
【0009】
前記第1の集積回路は、前記目標値と前記駆動用信号値の演算に必要な検出値の異常の有無を判断する検出状態監視要素を有するのが好ましい。これにより、演算速度が比較的低速であるため演算処理能力に余裕がある第1の集積回路により、第1の集積回路による目標値の演算と第2の集積回路による駆動用信号値の演算に必要な検出値の異常の有無を判断する検出状態監視要素を構成できる。
【0010】
前記第2の集積回路の作動異常の有無を判断する第1の監視部と、前記モータの補助駆動用信号値を演算する第1の補助演算要素とを備え、前記第1の補助演算要素は前記第1の集積回路により構成され、前記第2の集積回路の作動異常時に、前記駆動用信号値に代えて前記補助駆動用信号値に応じて前記モータが駆動されるように、前記駆動要素を前記駆動用信号値演算要素と前記第1の補助演算要素とに択一的に接続する信号選択要素が設けられているのが好ましい。これにより、第2の集積回路に異常が生じた時は、駆動要素を第1の集積回路に設けた第1の補助演算要素により演算された補助駆動用信号値に応じてモータを駆動することができる。よって、第2の集積回路に異常が生じても、モータを急激に停止させることなく、操舵補助力を緩やかに低減したり、簡易な制御により操舵補助力を付与することで、運転者に過大な衝撃が作用するのを防止できる。
【0011】
前記第1の集積回路の作動異常の有無を判断する第2の監視部と、前記モータの駆動用電流の目標値を、少なくとも操舵トルクの検出値に基づき演算する第2の補助演算要素とを備え、前記第2の補助演算要素は前記第2の集積回路により構成され、前記第1の集積回路の作動異常時に、駆動用信号値演算要素により、前記モータの駆動用信号値が前記第2の補助演算要素により演算された目標値に基づき演算されるのが好ましい。これにより、第1の集積回路に異常が生じた時は、第2の集積回路に設けた第2の補助演算要素により演算された目標値に基づき、モータの駆動用信号値を演算することができる。よって、第1の集積回路に異常が生じても、モータを急激に停止させることなく、操舵補助力を緩やかに低減したり、簡易な制御により操舵補助力を付与することで、運転者に過大な衝撃が作用するのを防止できる。
【0012】
前記モータの制御用データと、この制御用データのサムチェック用データとを記憶する第1の不揮発性記憶装置と、前記第1の不揮発性記憶装置に記憶されたものと同一の制御用データおよびサムチェック用データを記憶する第2の不揮発性記憶装置と、前記第1の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データのサムチェックの結果と前記第2の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データのサムチェックの結果とから、両不揮発性記憶装置の中の何れか一方におけるデータ異常の有無を判定する判定要素とを備え、前記第1の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データが前記第1の集積回路における演算に用いられるように、前記第1の不揮発性記憶装置とデータ通信可能な第1の記憶データ用通信処理部が前記第1の集積回路により構成され、前記第2の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データが前記第2の集積回路における演算に用いられるように、前記第2の不揮発性記憶装置とデータ通信可能な第2の記憶データ用通信処理部が前記第2の集積回路により構成され、前記第1の不揮発性記憶装置におけるデータ異常時は、前記第2の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データが前記第2の記憶データ用通信処理部を介して前記第1の集積回路における演算に用いられ、前記第2の不揮発性記憶装置におけるデータ異常時は、前記第1の不揮発性記憶装置に記憶された制御用データが前記第1の記憶データ用通信処理部を介して前記第2の集積回路における演算に用いられるのが好ましい。これにより、何れか一方の不揮発性記憶装置においてデータ異常が生じた時は、他方の不揮発性記憶装置に記憶されたデータに応じて演算を行うことができる。また、各不揮発性記憶装置におけるデータ異常の有無は、制御用データ以外にサムチェック用データを記憶するだけで判定できるので、データ異常を判定するためのデータ量を少なくでき、不揮発性記憶装置の総容量を少なくできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電動パワーステアリング装置用制御装置によれば、操舵補助力発生用ブラシレスモータの駆動用電流を精度良く制御し、運転者の操舵フィーリングを向上し、フェイルセーフ処理を行うために必要な高速で類型的でない複雑な演算を低コストで行うことができ、さらに、フェイルセーフ時に運転者に過大な衝撃が作用するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1に示す車両のラックピニオン式電動パワーステアリング装置101は、操舵により回転するステアリングシャフト103と、ステアリングシャフト103に設けられるピニオン103aと、ピニオン103aに噛み合うラック104と、操舵補助力発生用の三相ブラシレスモータ1を備える。ラック104の両端が操舵用車輪(図示省略)に連結される。ピニオン103aが操舵により回転することで、ラック104が車両幅方向に沿う長手方向に移動し、このラック104の移動により舵角が変化する。
【0015】
モータ1は、ラック104を覆うハウジング108に固定されるU、V、W各相のコイルを含むステータ1aと、ハウジング108にベアリング108a、108bを介して回転可能に支持される筒状ロータ1bと、ロータ1bに取り付けられるマグネット1cと、ロータ1bの回転位置を検出する回転位置検出部を構成するレゾルバ2とを有し、ロータ1bによってラック104を囲む。ネジ機構110は、ラック104の外周に一体的に形成されたボールスクリューシャフト110aと、ボールスクリューシャフト110aにボールを介してねじ合わされるボールナット110bとを有し、ボールナット110bがモータ1のロータ1bに連結されている。これにより、ボールナット110bがモータ1により回転駆動され、ボールナット110bの回転によりラック104の長手方向に沿う操舵補助力が付与される。モータ1とレゾルバ2はECUと呼ばれる制御装置10に接続される。制御装置10に、ステアリングシャフト103により伝達される操舵トルクτを検出するトルクセンサ11、車速νを検出する車速センサ12、図外バッテリーが接続される。
【0016】
図2は、制御装置10に形成される回路を機能ブロックで示す。制御装置10はマイコンチップ20とDSPチップ30を有する。さらに制御装置10は、バッテリーの電圧を一定に調整するレギュレータを含む回路電源10a、トルクセンサ11からの信号が入力されるI/Oインターフェース10b、車速センサ12からの信号がCAN(Control Area Network) を介して入力されるCANドライバ10c(車両状態データの第1の入力部)、制御装置10内の雰囲気温度検出用サーミスタ10d、増幅器10e、リレードライバ10f、電源リレー10g、モータドライバ10h、プレドライバ10i、レゾレルバ駆動部10j、レゾルバアンプ10k、電流センサアンプ10m′、EEPROM10nを有する。制御装置10の起動により、EEPROM10nに記憶されたプログラムに従いマイコンチップ20とDSPチップ30の初期設定がなされ、また、EEPROM10nに記憶されたモータ1の制御用データが第1の集積回路における演算に用いられるように、EEPROM10nとの通信処理部20′、30′がマイコンチップ20とDSPチップ30に設けられている。例えば、EEPROM10nに記憶されたプログラムによる初期設定により第1の集積回路および第2の集積回路における演算に必要な初期値が設定される。また、EEPROM10nにモータ1の制御用データの一つとして操舵トルクτの検出値をオフセット補正するための予め定めた補正値が記憶される。すなわち、トルクセンサ11の個体差により生じる操舵トルクτの検出値の実際の値からの変動が予め測定され、その測定値が補正値とされる。このEEPROM10nに記憶された補正値を用いて、第1の集積回路および第2の集積回路における演算に際して用いられる操舵トルクτの検出値のオフセット補正が行われる。
【0017】
モータドライバ10hに、モータ1の駆動用電流であるU相、V相、W相それぞれのコイルを流れる実電流IU 、IV 、IW を検出する公知の電流センサ10mが接続され、その検出値は電流センサアンプ10m′で増幅される。
【0018】
マイコンチップ20に設けられた第1の集積回路は図2において機能ブロックで示され、以下の機能を奏する。
車両のイグニッションスイッチのオン・オフ操作に応じた信号が、A/D変換部20aを介して始動・停止制御部20bに入力され、そのオン・オフ操作に応じたリレー制御信号がリレー駆動制御部20cにおいて生成される。リレー制御信号により電源リレー10gが増幅器10e、リレードライバ10fを介して駆動されることで、バッテリーからモータドライバ10hへの電力供給が制御される。
【0019】
モータ1の駆動用電流の目標値であるd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * が、操舵トルクτの検出値に基づき目標値演算要素20Aにより演算される。目標値演算要素20Aは第1の集積回路により構成され、基本アシスト電流演算部20e、補償演算部20i、加算部20j、dq軸目標電流演算部20k、ディレーティング演算部20oを有する。
【0020】
すなわち、操舵トルクτの検出値が、A/D変換部20dを介して基本アシスト電流演算部20eに入力される。目標値演算要素20Aにより、操舵トルクτの検出値と車両状態データである車速νとに応じてd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * が演算できるように、CANドライバ10cと通信可能な第1の入力データ用通信処理部20fが第1の集積回路に設けられている。これにより、車速νの検出値が、通信処理部20fを介して基本アシスト電流演算部20eに入力される。基本アシスト電流演算部20eにおいては、テーブルや演算式として記憶された操舵トルクτと車速νと基本アシスト電流Io との対応関係に基づき、検出された操舵トルクτと車速νに対応する基本アシスト電流Io が演算される。操舵トルクτと車速νと基本アシスト電流Io との対応関係は、例えば図3に示すように、操舵トルクτの大きさが大きく、車速νが小さい程に基本アシスト電流Io の大きさが大きくなるものとされる。
【0021】
レゾルバ2は、レゾレルバ駆動部10jから励磁信号を送られることでロータ1bの回転位置θの検出値を出力する。回転位置θの検出値は、レゾルバアンプ10kにより増幅され、A/D変換部20gを介してR/D変換部20hに入力され、ロータ1bの回転位置θに対応するデジタル信号とされる。R/D変換部20hの出力するロータ1bの回転位置θが、検出車速νと共に、操舵トルクに影響する変量の検出値として補償演算部20iに入力される。補償演算部20iは、基本アシスト電流Io に付加される補正電流I1 を回転位置θと車速νに応じて求める補償演算を行う。補償演算は操舵トルクに影響する変量の検出値に基づきモータ1の駆動用電流の目標値を補正するように公知の方法で行うことができ、例えば、回転位置θの変化速度dθ/dtと車速νに応じて操舵補助力が減衰するように補正電流I1 を定め、操舵特性を適正化する。
【0022】
加算部20jにより基本アシスト電流Io と補正電流I1 を加算することで求められる目標電流I* が、dq軸目標電流演算部20kに入力される。dq軸目標電流演算部20kは、ロータ1bの有する界磁(マグネット1c)の磁束方向に沿う軸をd軸、d軸とロータ1bの回転軸とに直交する軸をq軸として、d軸方向の磁界を生成するd軸目標電流Id * とq軸方向の磁界を生成するq軸目標電流Iq * を演算する。dq軸目標電流演算部20kにおける演算は公知の演算式を用いて行うことができる。
【0023】
電流センサ10mによる電流検出値は、電流センサアンプ10m′で増幅された後にA/D変換部20mを介して電流検波回路20nに入力され、U、V、W各相のコイルを流れる実電流IU 、IV 、IW それぞれに対応するデジタル信号とされる。サーミスタ10dによる温度検出値はA/D変換部20uによりデジタル信号とされる。その電流検出値と温度検出値が、モータ1の負荷に応じた変量としてディレーティング演算部20oに入力される。ディレーティング演算部20oは、電流検出値と温度検出値に基づきモータ1の出力低減率δを予め定めた関係に基づき演算する。dq軸目標電流演算部20kは、ディレーティング演算部20oから送られる出力低減率δに応じて低減されたd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * を演算する。これにより、モータ1の駆動用電流の目標値が、モータ1の負荷に応じた変量の検出値に基づきディレーティング演算部20oにより過負荷保護のため低減される。なお、モータ1の負荷に応じた変量の検出値は特に限定されず、例えば温度検出値に代えて連続通電時間を用いてもよい。
【0024】
マイコンチップ20における第1の集積回路は、目標値演算要素20Aにより演算された目標値とモータ1の駆動用電流の検出値とを比較することで異常の有無を判断する出力監視要素20Bを有する。出力監視要素20Bは、監視用実電流座標変換部20pと出力監視部20qを有する。
【0025】
監視用実電流座標変換部20pは、電流検波回路20nからのU、V、W各相のコイルの検出実電流IU 、IV 、IW とR/D変換部20hからのロータ1bの検出回転位置θから、d軸方向の磁界を生成するd軸実電流Id とq軸方向の磁界を生成するq軸実電流Iq を演算する。監視用実電流座標変換部20pにおける演算は公知の演算式を用いて行えばよい。
【0026】
dq軸目標電流演算部20kにより演算されたd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * 、監視用実電流座標変換部20pにより演算されたd軸実電流Id とq軸実電流Iq は、出力監視部20qに入力される。出力監視部20qは、目標電流Id * 、Iq * と実電流Id 、Iq を比較することで異常の有無を判断する。例えば、d軸目標電流Id * とd軸実電流Id の偏差が設定値以上である場合、あるいは、q軸目標電流Iq * とq軸実電流Iq の偏差が設定値以上である場合、異常信号をリレー駆動制御部20cに伝送する。リレー駆動制御部20cは、異常信号が伝送されるとリレー制御信号を増幅器10eを介してリレードライバ10fに伝送することで電源リレー10gを駆動し、バッテリーからモータドライバ10hへの電力供給を遮断する。
【0027】
マイコンチップ20とは別のチップであるDSPチップ30に、図2において機能ブロックで示される第2の集積回路が設けられる。第2の集積回路にマイコンチップ20に設けられた第1の集積回路が、各チップ20、30に設けられたSCI(Serial Communication Interface)20″、30″を介して通信可能に接続されている。第2の集積回路は以下の機能を奏する。
【0028】
第2の集積回路は駆動用信号値演算要素30Aを有する。駆動用信号値演算要素30Aは、モータ1の駆動用信号値である目標印加電圧vU * 、vV * 、vW * を、目標値演算要素20Aにより演算された目標値であるd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * 、モータ1の駆動用電流の検出値である検出実電流IU 、IV 、IW 、およびロータ1bの回転位置θの検出値に基づき演算する。駆動用信号値演算要素30Aは第2の集積回路により構成され、目標電流指示部30a、実電流座標変換部30f、偏差演算部30g、30i、PI演算部30h、30j、目標電圧座標変換部30kを有する。
【0029】
マイコンチップ20のdq軸目標電流演算部20kにより演算されたd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * は、SCI20″、30″を介して目標電流指示部30aに送られる。また、電流センサアンプ10m′で増幅された電流検出値は、電流検波回路30cにA/D変換部30bを介して入力され、U、V、W各相のコイルの検出実電流IU 、IV 、IW それぞれに対応するデジタル信号とされる。レゾルバアンプ10kで増幅された回転位置θの検出値は、A/D変換部30dを介してR/D変換部30eに入力され、ロータ1bの回転位置θに対応するデジタル信号とされる。
【0030】
実電流座標変換部30fは、d軸方向の磁界を生成するd軸実電流Id とq軸方向の磁界を生成するq軸実電流Iq を、U、V、W各相のコイルの検出実電流IU 、IV 、IW とロータ1bの検出回転位置θから演算する。実電流座標変換部30fにおける演算は公知の演算式を用いて行えばよい。
【0031】
目標電流指示部30aは、マイコンチップ20から送られたd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * を出力する。偏差演算部30gは、目標電流指示部30aからのd軸目標電流Id * と実電流座標変換部30fからのd軸実電流Id の偏差を求め、その偏差のPI演算がPI演算部30hにおいて行われることでd軸目標電圧vd * が求められる。偏差演算部30iは、目標電流指示部30aからのq軸目標電流Iq * と実電流座標変換部30fからのq軸実電流Iq の偏差を求め、その偏差のPI演算がPI演算部30jにおいて行われることでq軸目標電圧vq * が求められる。目標電圧座標変換部30kは、PI演算部30h、30jからの目標電圧vd * 、vq * およびR/D変換部30eからの回転位置θから、モータ1のU、V、W各相に印加する目標印加電圧vU * 、vV * 、vW * を演算する。目標電圧座標変換部30kにおける演算は公知の演算式を用いて行えばよい。
【0032】
第2の集積回路により構成されるPWM信号形成部30mが、目標電圧座標変換部30kにより演算された目標印加電圧vU * 、vV * 、vW * に対応するデューティ比のPWM信号を形成してプレドライバ10iに伝送する。モータドライバ10hは電源リレー10gからモータ1への通電を断接するFETブリッジ回路を有し、そのブリッジ回路を構成するFETがプレドライバ10iによりPWM信号に応じて駆動されることで、モータ1への電力供給が制御される。これにより、プレドライバ10iとモータドライバ10hにより駆動用信号値に応じてモータ1を駆動する駆動要素10Aが構成されている。
【0033】
DSPチップ30に設けられる第2の集積回路の動作周波数はマイコンチップ20に設けられる第1の集積回路の動作周波数よりも高くされ、モータ1の駆動用信号値である目標印加電圧vU * 、vV * 、vW * の演算周期は目標値であるd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * の演算周期よりも短くされている。
【0034】
DSPチップ30における第2の集積回路は、目標値演算要素20Aにより演算された目標値と操舵トルクτの検出値とを比較することで異常の有無を判断する入力監視要素30Bを有する。入力監視要素30Bは入力監視部30oを有する。
【0035】
操舵トルクτの検出値がA/D変換部30nを介して入力監視部30oに入力され、また、入力監視部30oには目標電流指示部30aからq軸目標電流Iq * も入力される。入力監視部30oは、操舵トルクτの検出値とq軸目標電流Iq * とを比較することで異常の有無を判断する。例えば、入力監視部30oはq軸目標電流Iq * に対応するトルク値を求め、そのトルク値と検出操舵トルクτの検出値の偏差が設定値以上である場合、異常信号をリレー駆動制御部30pに伝送する。リレー駆動制御部30pは、異常信号が伝送されるとリレー制御信号を増幅器10eを介してリレードライバ10fに伝送することで電源リレー10gを駆動し、バッテリーからモータドライバ10hへの電力供給を遮断する。
【0036】
マイコンチップ20における第1の集積回路とDSPチップ30における第2の集積回路は、互いの作動を確認するため、それぞれにWD(Watch Dog )信号を一定間隔で出力するWD信号出力部20s、30rとWD信号監視部20t、30sを有する。WD信号監視部20tはWD信号を受信しなくなると異常信号をリレー駆動制御部20cに伝送し、WD信号監視部30sはWD信号を受信しなくなると異常信号をリレー駆動制御部30pに伝送する。すなわち、WD信号監視部20tは第2の集積回路の作動異常の有無を判断する第1の監視部を構成し、WD信号監視部30sは第1の集積回路の作動異常の有無を判断する第2の監視部を構成する。
【0037】
マイコンチップ20における第1の集積回路は、目標値演算要素20Aによる目標値の演算と駆動用信号値演算要素30Aによる駆動用信号値の演算に必要な検出値の異常の有無を判断する検出状態監視要素として、入出力フェイルセーフ部20rを有する。本実施形態では、操舵トルクτ、車速ν、ロータ1bの回転位置θ、検出実電流IU 、IV 、IW の中の何れか一つが第1の集積回路に入力されなくなると、入出力フェイルセーフ部20rは異常信号をリレー駆動制御部20cに伝送する。
【0038】
図4のフローチャートはマイコンチップ20における第1の集積回路よる演算手順を示す。まず、EEPROM10nとの通信により初期設定を行い(ステップS1)、操舵トルクτと車速νの検出値から基本アシスト電流Io を求め(ステップS2)、車速νとロータ1bの回転位置θから補正電流I1 を求め(ステップS3)、求めた基本アシスト電流Io と補正電流I1 の和である目標電流I* に対応するd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * を演算し(ステップS4)、その演算結果をDSPチップ30に送信する(ステップS5)。また、モータ1のコイルを流れる実電流IU 、IV 、IW とロータ1bの回転位置θの検出値からd軸実電流Id とq軸実電流Iq を演算し(ステップS6)、出力監視部20q、WD監視部20t、入出力フェイルセーフ部20rにおいて異常信号出力の必要性を判断し(ステップS7)、異常信号出力の必要性があればリレー駆動制御部20cに異常信号が出力され(ステップS8)、モータ1への電力供給が遮断される。ステップS7において異常信号出力の必要性がなければ演算を終了するか否かをイグニッションスイッチのオン・オフにより判断し(ステップS9)、終了しない場合はステップS2に戻る。
【0039】
図5のフローチャートはDSPチップ30における第2の集積回路よる演算手順を示す。まず、EEPROM10nとの通信により初期設定を行い(ステップS101)、マイコンチップ20から送信されたd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * を読み込む(ステップS102)。目標印加電圧vU * 、vV * 、vW * の演算周期はd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * の演算周期よりも短いことから、読み込まれたd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * は第2の集積回路により構成される記憶部に記憶され、マイコンチップ20から送信される毎に更新される。次に、コイルの検出実電流IU 、IV 、IW と検出回転位置θからd軸実電流Id とq軸実電流Iq を演算し(ステップS103)、マイコンチップ20から送信されたd軸目標電流Id * とd軸実電流Id の偏差に対応するd軸目標電圧vd * と、マイコンチップ20から送信されたq軸目標電流Iq * とq軸実電流Iq の偏差に対応するq軸目標電圧vq * を演算し(ステップS104)、d軸目標電圧vd * 、q軸目標電圧vq * 、検出回転位置θから、モータ1のU、V、W各相への目標印加電圧vU * 、vV * 、vW * を演算し(ステップS105)、目標印加電圧vU * 、vV * 、vW * に対応するPWM信号を出力する(ステップS106)。次に、入力監視部30oとWD監視部30sにおいて異常信号出力の必要性を判断し(ステップS107)、異常信号出力の必要性があればリレー駆動制御部30pに異常信号が出力され(ステップS108)、モータ1への電力供給が遮断されて演算が終了する。ステップS107において異常信号出力の必要性がなければ、d軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * が更新されたか否か判断し(ステップS109)、更新していなければステップS103に戻り、更新していればステップS102に戻り、更新されたd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * を読み込む。また、マイコンチップ20での演算が終了すればDSPチップ30での演算も終了する。
【0040】
第1の集積回路におけるd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * の演算は設定周期で行われ、その設定周期は例えば1msecとされる。一方、第2の集積回路における目標印加電圧vU * 、vV * 、vW * の演算周期は、第1の集積回路におけるd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * の演算周期よりも短くされ、例えば200μsecとされる。すなわち、比較的低速な演算を行う第1の集積回路において、目標印加電圧vU * 、vV * 、vW * の演算に比較して類型的でなく複雑なd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * の演算が行われ、比較的高速な演算を行う第2の集積回路において、類型的で比較的単純な目標印加電圧vU * 、vV * 、vW * の演算が行われる。これにより、制御装置10を構成する集積回路チップとして高速かつ類型的でない複雑な演算を行う高性能のものを必要とせず、類型的でなく比較的複雑ではあるが比較的低速な演算を行えば足りる第1の集積回路が設けられたマイコンチップ20と、比較的高速ではあるが類型的で比較的単純な演算を行えば足りる第2の集積回路が設けられたDSPチップ30とで制御装置10を構成できる。よって、制御装置10を低コストの集積回路チップ20、30により構成することができる。また、第1の集積回路における目標値演算要素20Aが補償演算部20iを有することで、演算速度が比較的低速であるため演算処理能力に余裕がある第1の集積回路により、操舵フィーリング向上等のために目標値を補正するための演算を行うことができる。さらに、第1の集積回路が入出力フェイルセーフ部20rを有することで、演算速度が比較的低速であるため演算処理能力に余裕がある第1の集積回路により、第1の集積回路による目標値の演算と第2の集積回路による駆動用信号値の演算に必要な検出値の異常の有無を判断する検出状態監視要素を構成できる。
マイコンチップ20に出力監視要素20Bを設け、DSPチップ30に入力監視要素30Bを設けることで、第1の集積回路と第2の集積回路による演算値の異常の有無を監視するための専用のハードウェアが不要になる。また、第1の集積回路における目標値演算要素20Aがディレーティング演算部20oを有することで、過負荷保護のために専用のハードウェアが不要になる。
【0041】
図6は本発明の第1変形例を示す。上記実施形態との相違は、制御装置10における雰囲気温度検出用サーミスタ10d、マイコンチップ20におけるA/D変換部20u、ディレーティング演算部20o、A/D変換部20m、電流検波回路20n、監視用実電流座標変換部20p、出力監視部20q、DSPチップ30におけるA/D変換部30n、入力監視部30oは設けられず、マイコンチップ20とDSPチップ30における集積回路が過負荷防止機能や入出力異常監視機能を備えていない点にある。この場合、マイコンチップ20とDSPチップ30とは別に、過負荷防止機能や入出力異常監視機能を奏する専用の集積回路を設けたチップをマイコンチップ20やDSPチップ30における集積回路に接続してもよい。他は上記実施形態と同様で同一部分は同一符号で示す。
【0042】
図7〜図9は本発明の第2変形例を示す。
第2変形例においては、第1の集積回路により第1の補助演算要素51が構成されている。第1の補助演算要素51は、モータ1の補助駆動用信号値である目標印加電圧を演算し、その目標印加電圧に対応するデューティ比のPWM信号を形成する。本変形例における補助駆動用信号値は、目標値演算要素20Aにより演算されたd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * 、検出実電流IU 、IV 、IW 、およびロータ1bの回転位置θの検出値に基づき演算される。
【0043】
駆動要素10Aを、駆動用信号値演算要素30Aと第1の補助演算要素51とに択一的に接続する信号選択要素10Bが制御装置10に設けられている。信号選択要素10Bは、例えば2つの入力端子と1つの出力端子を有するOR回路により構成され、一方の入力端子にPWM信号形成部30mが、他方の入力端子に第1の補助演算要素51が、出力端子にプレドライバ10iが接続される。
【0044】
本変形例では、第2の集積回路の作動異常の有無を判断する第1の監視部を構成するWD信号監視部20tは、WD信号を受信しなくなると、リレー駆動制御部20cではなく第1の補助演算要素51に異常信号を出力する。第1の補助演算要素51は、異常信号の入力があると補助駆動用信号値に応じたPWM信号を信号選択要素10Bに出力する。これにより、第2の集積回路の作動異常によりPWM信号形成部30mが駆動用信号値に応じたPWM信号を信号選択要素10Bに出力しなくなった時に、駆動用信号値に代えて補助駆動用信号値に応じたPWM信号によりモータ1が駆動されるように、駆動要素10Aが第1の補助演算要素51に接続される。
【0045】
なお、信号選択要素10Bの構成は限定されず、例えば、PWM信号形成部30mと第1の補助演算要素51をプレドライバ10iに選択的に接続するスイッチであって、通常はプレドライバ10iにPWM信号形成部30mを接続し、異常信号の入力時に第1の補助演算要素51を接続するものにより構成できる。
【0046】
また、第1の補助演算要素51により演算される補助駆動用信号値は特に限定されず、例えば、異常信号の入力があるとモータ1の出力が設定時間で零まで次第に減少するような値を演算できる。この場合、操舵トルクτ、車速ν、ロータ1bの回転位置θ、検出実電流IU 、IV 、IW は補助駆動用信号値を演算する上で必要ない。よって、操舵トルクτ、車速ν、ロータ1bの回転位置θ、検出実電流IU 、IV 、IW の中の何れか一つが第1の集積回路に入力されなくなった場合に、入出力フェイルセーフ部20rが異常信号を、リレー駆動制御部20cではなく第1の補助演算要素51と信号選択要素10Bに出力するようにできる。この場合、WD信号監視部20tまたは入出力フェイルセーフ部20rからの異常信号の入力により、第1の補助演算要素51は、補助駆動用信号値に応じたPWM信号を信号選択要素10Bに出力し、信号選択要素10Bは第1の補助演算要素51をプレドライバ10iに接続する。
【0047】
第2変形例においては、第2の集積回路により第2の補助演算要素52が構成されている。第2の補助演算要素52は、モータ1の駆動用電流の目標値であるd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * を、操舵トルクτの検出値に基づき演算する。すなわち、操舵トルクτの検出値がA/D変換部30nとローパスフィルタ53を介して第2の補助演算要素52に入力される。ローパスフィルタ53は、操舵トルクτの検出信号における不要な高周波成分を除去し、操舵系の共振周波数よりも小さい周波数の信号成分のみを通過させる。第2の補助演算要素52においては、操舵トルクτと基本アシスト電流との対応関係がテーブルや演算式として記憶され、例えば操舵トルクτの大きさが大きい程に基本アシスト電流の大きさが大きくなるものとされ、その関係に従って検出された操舵トルクτに対応する基本アシスト電流が求められ、求められた基本アシスト電流に対応するd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * を演算する。
【0048】
本変形例では、第1の集積回路の作動異常の有無を判断する第2の監視部を構成するWD信号監視部30sは、WD信号を受信しなくなると、リレー駆動制御部30pではなく第2の補助演算要素52に異常信号を出力する。第2の補助演算要素52は、異常信号の入力があった時、すなわち目標値演算要素20Aからd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * が目標電流指示部30aに送られなくなった時、d軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * を目標電流指示部30aに出力する。これにより、第1の集積回路の作動異常時に、駆動用信号値演算要素30Aにより、モータ1の駆動用信号値が第2の補助演算要素52により演算された目標値に基づき演算される。
【0049】
なお、第2の補助演算要素52は、モータ1の駆動用電流の目標値を少なくとも操舵トルクの検出値に基づき演算すれば足りる。例えば、第2の補助演算要素52によりモータ1の駆動用電流の目標値として、操舵トルクτの検出値だけでなく車速νの検出値にも応じた値を演算してもよい。
【0050】
また、制御装置10は、車両状態データである車速νの検出値に対応する車速センサ12からの信号が、CAN(Control Area Network) を介して入力される第2CANドライバ10p(車両状態データの第2の入力部)を有する。第2CANドライバ10pと通信可能な第2の入力データ用通信処理部54が第2の集積回路に設けられている。車速νの検出値が、通信処理部54を介して入力監視要素30Bの入力監視部30oに入力される。これにより、目標値演算要素20Aにより演算された目標値であるq軸目標電流Iq * 、操舵トルクτの検出値、車速νの検出値が入力監視部30oに入力される。よって、入力監視部30oは、q軸目標電流Iq * を操舵トルクτの検出値および車速νの検出値と比較することで異常の有無を判断できる。例えば、入力監視部30oは操舵トルクτの検出値および車速νの検出値とに対応するq軸電流を求め、そのq軸電流とq軸目標電流Iq * との偏差が設定値以上である場合、異常信号を出力する。この異常信号を、リレー駆動制御部30pに伝送することに代えて、駆動用信号値演算要素30Aと第2の補助演算要素52に伝送できる。これにより、目標値演算要素20Aにより演算されたd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * に代えて、第2の補助演算要素52により演算されて目標電流指示部30aに出力されたd軸目標電流Id * とq軸目標電流Iq * により、モータ1の駆動用信号値を演算できる。
なお、CANから各CANドライバ10c、10pを介して第1の集積回路と第2の集積回路に入力される車両状態データは車速νに限定されず、例えば車両状態データとして制動力等が入力されてもよく、モータ1を操舵系情報だけでなく車両全体の情報に応じて統合的に制御してもよい。これにより、モータ1を操舵系情報だけでなく車両全体の情報に応じて統合的に制御する場合に、フェイルセーフのための異常判定の過誤をなくすことができる。さらに、両集積回路の何れかや両CANドライバ10c、10pの何れかに異常が生じた時は、その異常を外部システムに送信し、制御装置の故障告知を行うことができる。
【0051】
本変形例の制御装置10は、バッテリーの電圧を一定に調整するレギュレータを含む第2回路電源10qを有し、回路電源10aによりマイコンチップ20における第1の集積回路への供給電力が賄われ、第2回路電源10qによりDSPチップ30における第2の集積回路への供給電力が賄われている。これにより、両回路電源10a、10qの中の何れか一方が故障しても、第1の集積回路と第2の集積回路の中の何れか一方によりモータ1を制御できる。
【0052】
本変形例においては、制御装置10は第1の不揮発性記憶装置として第1EEPROM10n′を有し、第2の不揮発性記憶装置として第2EEPROM10n″を有する。第1EEPROM10n′は、初期設定用のプログラム、モータ1の制御用データ、この制御用データのサムチェック用データを記憶する。第2EEPROM10n″は、初期設定用のプログラム、第1EEPROM10n′に記憶されたものと同一の制御用データおよびサムチェック用データを記憶する。第1EEPROM10n′に記憶された制御用データが第1の集積回路における演算に用いられるように、第1EEPROM10n′とデータ通信可能な第1の記憶データ用通信処理部20′が第1の集積回路により構成されている。また、第2EEPROM10n″に記憶された制御用データが第2の集積回路における演算に用いられるように、第2EEPROM10n″とデータ通信可能な第2の記憶データ用通信処理部30′が第2の集積回路により構成されている。モータ1の制御用データの一つとして、例えば操舵トルクτの検出値をオフセット補正するための予め定めた補正値が記憶される。トルクセンサ11の個体差により生じる操舵トルクτの検出値の実際の値からの変動が予め測定され、その測定値が補正値とされる。制御装置10の起動により、第1EEPROM10n′に記憶されたプログラムによる初期設定により第1の集積回路における演算に必要な初期値が設定され、目標値演算要素20Aにおける演算に際して用いられる操舵トルクτの検出値のオフセット補正値として、第1EEPROM10n′に記憶された補正値が用いられ、また、第2EEPROM10n″に記憶されたプログラムによる初期設定により第2の集積回路における演算に必要な初期値が設定され、入力監視部30oと第2の補助演算要素52における演算に際して用いられる操舵トルクτの検出値のオフセット補正値として、第2EEPROM10n″に記憶された補正値が用いられる。なお、各EEPROM10n′、10n″に記憶される制御用データの数や種類は特に限定されず、例えば、入力監視部30oにおいて異常信号を出力する基準となる設定値のようなフェイルセーフ情報も制御用データとして記憶できる。
【0053】
図8は、各EEPROM10n′、10n″においてデータ異常が生じた場合の処理を行うための回路を機能ブロックで示す。本変形例では、第1の集積回路により構成される判定要素20vに、第1EEPROM10n′に記憶される制御用データが通信処理部20′を介して入力され、また、第2EEPROM10n″に記憶される制御用データが通信処理部30′、SCI20″、30″を介して入力される。判定要素20vは、第1EEPROM10n′に記憶された制御用データのサムチェック結果と第2EEPROM10n″に記憶された制御用データのサムチェック結果とから、両EEPROM10n′、10n″の中の何れか一方におけるデータ異常の有無を判定する。
【0054】
例えば図9に示すように、第1EEPROM10n′にA1、B2、C3、D4の4つの制御用データと、各制御用データA1、B2、C3、D4の上位2ビットの合計と下位2ビットの合計とに対応するサムチェック用データとが記憶され、第2EEPROM10n″にA2、B3、C4、D5の4つの制御用データと、各制御用データA2、B3、C4、D5の上位2ビットの合計と下位2ビットの合計とに対応するサムチェック用データとが記憶される。ここで、制御用データA1はA2と、B2はB3と、C3はC4と、D4はD5と等しいものとされている。判定要素20vは、各制御用データの上位2ビットの合計と下位2ビットの合計を求め、求めた合計それぞれが対応するサムチェック用データと一致するか否かによりデータ異常がないか否かを判定する。
【0055】
両EEPROM10n′、10n″にデータ異常がなければ、第1EEPROM10n′に記憶された制御用データは判定要素20vを介して第1の集積回路の目標値演算要素20Aにおける演算に用いられ、第2EEPROM10n″に記憶された制御用データは判定要素20v、SCI20″、30″を介して第2の集積回路の入力監視部30oと第2の補助演算要素52における演算に用いられる。第1EEPROM10n′におけるデータ異常時は、第2EEPROM10n″に記憶された制御用データが通信処理部30′、SCI20″、30″、判定要素20vを介して目標値演算要素20Aにおける演算に用いられる。第2EEPROM10n″におけるデータ異常時は、第1EEPROM10n′に記憶された制御用データが通信処理部20′、判定要素20vを介して入力監視部30oと第2の補助演算要素52における演算に用いられる。
なお、判定要素20vは第1の集積回路に代えて第2の集積回路により構成されてもよい。
【0056】
これにより、第1EEPROM10n′と第2EEPROM10n″の中の何れか一方においてデータ異常が生じた時は、他方に記憶されたデータに応じて演算を行うことができる。よって、EEPROM10n′、10n″の中の何れかが故障した場合でも制御を継続できる。また、各EEPROM10n′、10n″におけるデータ異常の有無は、制御用データ以外にサムチェック用データを記憶するだけで判定できるので、データ異常を判定するためのデータ量を少なくでき、EEPROM10n′、10n″の総容量を少なくできる。例えば、図10に示すように、単独のEEPROMにA、B、C、Dの4種類の制御用データを記憶する場合、データ異常の有無を判定するためには同一種類のデータを3つずつ記憶する必要がある。この場合、同一種類のデータそれぞれにおいて、上位2ビットを互いに比較することによる多数決判定と、下位2ビットを互いに比較することによる多数決判定とを行うことで、正常データを特定できる。図10においては、上位2ビットと下位2ビットがいずれも「00」であるデータが正常である。同一種類のデータを1つずつ記憶する場合に比べ、図10に示す例の総データ量は3倍になる。これに対し、本変形例での総データ量は、同一種類のデータを1つずつ記憶する場合の2倍の量とサムチェック用データのデータ量の和で足りるので、EEPROM10n′、10n″の総データ容量を少なくしてコスト低減を図ることができる。
第2変形例における他の構成は上記実施形態と同様とされている。
【0057】
上記第2変形例によれば、第2の集積回路に異常が生じた時は、駆動要素10Aを第1の集積回路に設けた第1の補助演算要素51により演算された補助駆動用信号値に応じてモータ1を駆動することができる。よって、第2の集積回路に異常が生じても、モータ1を急激に停止させることなく、操舵補助力を緩やかに低減したり、簡易な制御により操舵補助力を付与することで、運転者に過大な衝撃が作用するのを防止できる。また、第1の集積回路に異常が生じた時は、第2の集積回路に設けた第2の補助演算要素52により演算された目標値に基づき、モータ1の駆動用信号値を演算することができる。よって、第1の集積回路に異常が生じても、モータ1を急激に停止させることなく、操舵補助力を緩やかに低減したり、簡易な制御により操舵補助力を付与することで、運転者に過大な衝撃が作用するのを防止できる。他は上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、第2の集積回路が設けられたチップとしてマイコンチップやゲートアレイ等から組み上げられたロジックICチップ等を用いてもよい。また、補償演算部における目標値を補正するための演算の種類は操舵フィーリングを適正化するものであれば特に限定されず、例えば操舵トルクや操舵角の変化速度や変化加速度に応じて目標値を補正するものであってもよい。また、上記実施形態では電流値や電圧値をdq軸上の値に変換することでモータ電流をベクトル制御するものを例示したが、それら値をdq軸上の値に変換することなくモータ電流を制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の部分破断正面図
【図2】本発明の実施形態に係る制御装置の構成説明図
【図3】本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置における操舵トルクと車速と基本アシスト電流の関係を示す図
【図4】本発明の実施形態に係る制御装置を構成するマイコンチップによる演算手順を示すフローチャート
【図5】本発明の実施形態に係る制御装置を構成するDSPチップによる演算手順を示すフローチャート
【図6】本発明の第1変形例に係る制御装置の構成説明図
【図7】本発明の第2変形例に係る制御装置の構成説明図
【図8】本発明の第2変形例に係るEEPROMにおけるデータ異常が生じた場合の処理を行うための構成説明図
【図9】本発明の第2変形例に係るEEPROMに記憶される制御用データの説明図
【図10】本発明の比較例に係るEEPROMに記憶される制御用データの説明図
【符号の説明】
【0060】
1 ブラシレスモータ、1b ロータ、10A 駆動要素、10B 信号選択要素、10c CANドライバ(車両状態データの第1の入力部)、10n′ 第1EEPROM(第1の不揮発性記憶装置)、10n″ 第2EEPROM(第2の不揮発性記憶装置)、10p 第2CANドライバ(車両状態データの第2の入力部)、20 マイコンチップ、20A 目標値演算要素、20B 出力監視要素、20f 第1の入力データ用通信処理部、20i 補償演算部、20o ディレーティング演算部、20r 入出力フェイルセーフ部、20t WD信号監視部(第1の監視部)、20v 判定要素、20′ 第1の記憶データ用通信処理部、30 DSPチップ、30A 駆動用信号値演算要素、30B 入力監視要素、30′ 第2の記憶データ用通信処理部、30s WD信号監視部(第2の監視部)、54 第2の入力データ用通信処理部、51 第1の補助演算要素、52 第2の補助演算要素




 

 


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