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発明の名称 車両用ブレーキ制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−210357(P2007−210357A)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
出願番号 特願2006−29527(P2006−29527)
出願日 平成18年2月7日(2006.2.7)
代理人 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
発明者 松浦 正裕 / 田口 健康
要約 課題
車両が旋回状態に入った直後にドライバがブレーキ操作を行なった場合にも、ホイールシリンダのストローク増大による制動の応答性の低下を防止することが可能な車両用ブレーキ制御装置を提供する。

解決手段
車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定するナビゲーション制御部31を設け、そのナビゲーション制御部31で車両の前方路面が旋回路であると判定したときに、その旋回路における車両の旋回度合いに応じた力でディスク12RL〜12RRにパッドを押さえ付ける制御をブレーキ電子制御装置33で行なう。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定する旋回路判定手段(S)と、その旋回路判定手段(S)で車両の前方路面が旋回路であると判定したときに、その旋回路における車両の旋回度合いを算出する旋回度合い推定手段(S)と、その旋回度合い推定手段(S)で算出した前方路面の旋回度合いに応じた力で車輪と一体に回転するディスク(12RL,12FR,12FL,12RR)にパッドを押さえ付ける制御を行なうノックバック抑制制御手段(S)とを有する車両用ブレーキ制御装置。
【請求項2】
前記旋回路判定手段(S)が、GPS受信機(29)で受信したGPS信号と地図情報記憶装置(30)から読み出した地図情報とに基づいて車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定する請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。
【請求項3】
前記旋回路判定手段が、車両の前方を撮影するCCDカメラで撮影した画像に基づいて車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定する請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。
【請求項4】
前記旋回路判定手段が、地上に固定して設けられた発信機が発信した信号に基づいて車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定する請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。
【請求項5】
前記旋回度合い推定手段(S)は、前記旋回路判定手段(S)で車両の前方路面が旋回路であると判定したときの旋回路の曲がり度合いに基づいてその旋回路における車両の旋回度合いを算出する請求項1から4のいずれかに記載の車両用ブレーキ制御装置。
【請求項6】
前記旋回度合い推定手段(S)は、前記旋回路判定手段(S)で車両の前方路面が旋回路であると判定したときの車両の速度に基づいてその旋回路における車両の旋回度合いを算出する請求項1から5のいずれかに記載の車両用ブレーキ制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の旋回によるノックバックの発生を防止する車両用ブレーキ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ブレーキ装置として、車輪と一体に回転するディスクにホイールシリンダでパッドを押さえ付けて制動力を発生させるディスクブレーキが知られている。このディスクブレーキは、車両走行中のディスクの振動や傾斜によりパッドがディスクに押し戻され、その押し戻しによるホイールシリンダのストロークの増大によって制動の応答性が低下することがある(いわゆるノックバック)。特に、車両が旋回すると、ディスクが傾斜してノックバックを生じやすい。
【0003】
この車両の旋回によるノックバックを防止するために、ハンドルの舵角センサの検知信号に基づいて車両が旋回状態であると検知したときに、パッドをディスクに押さえ付け、傾斜により変位するディスクにパッドを追従させるようにした車両用ブレーキ装置が知られている(特許文献1)。
【0004】
しかし、このブレーキ装置は、ハンドルの舵角センサの検知信号に基づいて車両の旋回状態を検知するので、パッドをディスクに押さえ付ける制御は、車両が旋回状態に入ってから開始される。そのため、車両が旋回状態に入った直後にドライバがブレーキ操作を行なった場合、パッドをディスクに押さえ付ける処理が間に合わず、ホイールシリンダのストローク増大による制動の応答性の低下を防止することができなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2005−67247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、車両が旋回状態に入った直後にドライバがブレーキ操作を行なった場合にも、ホイールシリンダのストローク増大による制動の応答性の低下を防止することが可能な車両用ブレーキ制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定する旋回路判定手段と、その旋回路判定手段で車両の前方路面が旋回路であると判定したときに、その旋回路における車両の旋回度合いを算出する旋回度合い推定手段と、その旋回度合い推定手段で算出した前方路面の旋回度合いに応じた力で車輪と一体に回転するディスクにパッドを押さえ付ける制御を行なうノックバック抑制制御手段とを車両用ブレーキ制御装置に設けた。
【0008】
前記旋回路判定手段は、例えば、GPS受信機で受信したGPS信号と地図情報記憶装置から読み出した地図情報とに基づいて車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定するように構成することができ、また、車両の前方を撮影するCCDカメラで撮影した画像に基づいて車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定するように構成することもでき、地上に固定して設けられた発信機が発信した信号に基づいて車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定するように構成することもできる。
【0009】
前記旋回度合い推定手段は、例えば、前記旋回路判定手段で車両の前方路面が旋回路であると判定したときの旋回路の曲がり度合いに基づいてその旋回路における車両の旋回度合いを算出するように構成することができる。また、前記旋回路判定手段で車両の前方路面が旋回路であると判定したときの車両の速度に基づいてその旋回路における車両の旋回度合いを算出するように構成することもできる。
【発明の効果】
【0010】
この発明の車両用ブレーキ制御装置は、旋回路判定手段で車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定するので、車両が旋回状態に入る前にパッドをディスクに押さえ付ける処理を開始してホイールシリンダのストローク増大を防止することができる。そのため、車両が旋回状態に入った直後にドライバがブレーキ操作を行なった場合にも、ホイールシリンダのストローク増大による制動の応答性の低下が生じにくい。
【0011】
また、旋回度合い推定手段で算出される前方路面の旋回度合いに応じた力でパッドをディスクに押さえ付けるので、車両の旋回度合いが大きいときにも、より確実に、ホイールシリンダのストローク増大による制動の応答性の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に、この発明の実施形態の車両用ブレーキ制御装置を採用するブレーキシステムの配管系統図を示す。このブレーキシステムは、ブレーキペダル1の踏み込み力を液圧に変換するマスターシリンダ2を有し、マスターシリンダ2には、ブレーキ液を溜めるマスターリザーバ3が取り付けられている。マスターリザーバ3は、マスターシリンダ2へのブレーキ液の供給と、マスターシリンダ2からの余剰のブレーキ液の回収とを行なう。
【0013】
マスターシリンダ2は圧力室2A,2Bを有し、一方の圧力室2Aは、マスターシリンダ側管路4A、比例制御弁5A、増圧管路6A、増圧制御弁7RL、ホイールシリンダ側管路8RLを順に介してホイールシリンダ9RLに接続しており、ホイールシリンダ側管路8RLは、減圧制御弁10RLを介して減圧管路11Aに接続している。同様に、増圧管路6Aは、増圧制御弁7FR、ホイールシリンダ側管路8FRを介してホイールシリンダ9FRに接続しており、ホイールシリンダ側管路8FRは、減圧制御弁10FRを介して減圧管路11Aに接続している。増圧制御弁7RL,7FRは常時開の電磁弁であり、減圧制御弁10RL,10FRは常時閉の電磁弁である。
【0014】
ホイールシリンダ9RLは、ホイールシリンダ側管路8RLから供給される液圧で作動し、これにより、ホイールシリンダ9RLのピストン(図示せず)は、左後輪と一体に回転するディスク12RLにパッド(図示せず)を押さえ付けて左後輪に制動力を加える。同様に、ホイールシリンダ9FRも、ホイールシリンダ側管路8FRから供給される液圧で作動し、右前輪と一体に回転するディスク12FRにパッド(図示せず)を押さえ付ける。
【0015】
増圧管路6Aと減圧管路11Aはポンプ13Aを介して接続されており、このポンプ13Aをモータ14で駆動すると、減圧管路11Aから増圧管路6Aにブレーキ液が送り出される。ポンプ13Aの吐出側には逆止弁15Aが設けられ、この逆止弁15Aが増圧管路6Aからポンプ13Aへのブレーキ液の逆流を防止している。
【0016】
比例制御弁5Aは、増圧管路6Aとマスターシリンダ側管路4Aの差圧を、図2に示すブレーキ電子制御装置(以下、「ブレーキECU」という)33からの制御信号に応じて調節する。また、比例制御弁5Aの前後はバイパス管路16Aを介して接続され、バイパス管路16Aには、マスターシリンダ側管路4Aから増圧管路6Aへの流れのみを許容する逆止弁17Aが設けられている。そのため、ブレーキペダル1の操作によりマスターシリンダ2の圧力室2Aに液圧が発生すると、その液圧は、比例制御弁5Aの状態にかかわらず、逆止弁17Aを通じて増圧管路6Aに伝わる。
【0017】
また、減圧管路11Aとマスターシリンダ側管路4Aは、補助リザーバ18Aを介して接続されている。
【0018】
補助リザーバ18Aは、シリンダ19Aと、シリンダ19A内を摺動するピストン20Aと、シリンダ19Aとピストン20Aとで形成されるリザーバ室21Aの容積を縮小させる方向にピストン20Aを付勢するばね22Aとを有する。また、リザーバ室21Aには、マスターシリンダ側管路4Aに接続する第1ポート23Aと、減圧管路11Aに接続する第2ポート24Aとが形成されている。さらに、ピストン20Aにはピストン摺動方向の突起25Aが設けられ、一方、第1ポート23Aには、弁座26Aと、突起25Aの先端で支持されて弁座26Aから離反した弁体27Aが設けられている。この弁体27Aと弁座26Aは、リザーバ室21Aの容積が拡大する方向にピストン20Aが移動して弁体27Aが弁座26Aに着座すると、リザーバ室21Aからマスターシリンダ側管路4Aへの流れのみを許容する逆止弁を構成する。
【0019】
そのため、ブレーキペダル1の操作によりマスターシリンダ側管路4Aに液圧が発生すると、ばね22Aが縮んでリザーバ室21Aの容積が拡大する方向にピストン20Aが移動し、弁体27Aが弁座26Aに着座して第1ポート23Aを閉じるので、マスターシリンダ2の圧力室2Aで発生した液圧を、ホイールシリンダ9RL,9FRに供給することができる。さらに、この状態で減圧制御弁10RL,10FRを開くと、減圧管路11Aからリザーバ室21Aにブレーキ液が流れてホイールシリンダ側管路8RL,8FRの液圧が低下する。
【0020】
また、ポンプ13Aを駆動して減圧管路11Aから増圧管路6Aにブレーキ液を送り出すと、マスターシリンダ側管路4Aのブレーキ液が補助リザーバ18Aを介して減圧管路11Aに流れるので、ポンプ13Aに過度の負荷がかからない。
【0021】
マスターシリンダ2の圧力室2Aに接続された液圧系と同様の液圧系がマスターシリンダ2の他方の圧力室2Bにも接続されており、その液圧系を通じてホイールシリンダ9FL,9RRに液圧を供給することができるようになっている。
【0022】
このように液圧系の配管を構成したブレーキシステムは、増圧制御弁7RL,7FR,7FL,7RRを開き、減圧制御弁10RL,10FR,10FL,10RRを閉じた状態で通常の制動を行なうことができる。また、制動時にいずれかの車輪がロック傾向になったときは、その車輪に対応する増圧制御弁を閉じることによって制動力を保持し、あるいは減圧制御弁を開くことによって制動力を低下させることによりその車輪のロック傾向を解消することができる。
【0023】
また、ポンプ13A,13Bを駆動することによってブレーキペダル1の操作によらずに各ホイールシリンダ9RL,9FR,9FL,9RRに液圧を供給することができ、その液圧は、比例制御弁5A,5Bの前後の差圧を制御することによって調節することができる。
【0024】
また、この車両には、ナビゲーション装置が搭載されている。このナビゲーション装置は、図2に示すように、目的地を入力する目的地入力装置28と、GPS信号を受信するGPS受信機29と、地図情報を記憶した地図情報記憶装置30と、GPS信号と地図情報に基づいて目的地への到着予想時刻を演算するナビゲーション制御部(以下、「ナビECU」という)31と、目的地への到着予想時刻および現在地の周辺地図を表示するディスプレイ32とを有する。
【0025】
ナビECU31は、GPS受信機29がGPS信号を受信した時刻と、そのGPS信号に含まれるGPS衛星の送信時刻情報および位置情報に基づいて車両の現在位置を割り出し、その割り出した現在位置と、目的地入力装置28に入力された目的地と、地図情報記憶装置30から読み出した地図情報とに基づいて、目的地への予想到着時刻を演算する。
【0026】
また、ナビECU31は、GPS受信機29で受信したGPS信号と地図情報記憶装置30から読み出した地図情報とに基づいて車両の走行状態を判定し、その各判定結果を示す信号をブレーキECU33に送る。
【0027】
ブレーキECU33は、ナビECU31からの信号に応じて、比例制御弁5A,5B、増圧制御弁7RL〜7RR、減圧制御弁10RL〜10RR、ポンプ駆動用のモータ14に、それぞれ制御信号を出力する。
【0028】
このように構成されたブレーキシステムの制御を、図3〜図8に基づいて説明する。
【0029】
図3に、この制御のメインルーチンを示す。まず、ナビECU31とブレーキECU33の各種変数の初期化を行ない(ステップS)、各センサからの入力信号を取り込む(ステップS)。
【0030】
次に、車両の前方路面が旋回路であるか否かを判定する旋回路判定を実行する(ステップS)この旋回路判定のサブルーチンを、図4に基づいて説明する。GPS受信機29でGPS信号を正常に受信していることを前提として(ステップS11)、ナビECU31は、GPS受信機29で受信したGPS信号と地図情報記憶装置30から読み出した地図情報とに基づいて、車両の現在地の路面が旋回路であるか否かを判定する(ステップS12)。旋回路であると判定した場合は、旋回状態をセットするとともに(ステップS)、直進状態と旋回直前状態をリセットする(ステップS14)。
【0031】
一方、車両の現在地の路面が旋回路でないと判定した場合は(ステップS12)、GPS受信機29で受信したGPS信号と地図情報記憶装置30から読み出した地図情報とに基づいて、車両の現在地から前方の一定範囲の路面(例えば、現在地から前方100m以内の路面)が旋回路を含むか否かを判定する(ステップS15)。旋回路を含むと判定した場合は、旋回直前状態をセットするとともに(ステップS16)、直進状態と旋回状態をリセットする(ステップS17)。
【0032】
また、車両の現在地の路面が旋回路でもなく(ステップS12)、さらに、前方路面が旋回路を含まない場合は(ステップS15)、直進状態をセットするとともに(ステップS18)、旋回直前状態と旋回状態をリセットする(ステップS19)。
【0033】
次に、前方の旋回路における車両の旋回度合いを算出する旋回度合い推定を実行する(ステップS)。この旋回度合い推定のサブルーチンを図5に基づいて説明する。上記の旋回路判定で旋回直前状態と判定された場合(ステップS21)、ナビECU31は、地図情報記憶装置30から読み出した地図情報に基づいて前方の旋回路の半径Rを算出するとともに、車輪速センサからの信号に基づいて旋回直前状態にある車両の速度Vを算出する(ステップS22)。その後、この旋回路の半径Rと車両の速度Vに基づいて、前方の旋回路における車両の旋回度合いGを算出する(ステップS23)。
【0034】
ここで、車両の旋回度合いGは、ノックバックを抑制するのに必要なパッドの押さえ付け力に対応する値であり、ノックバックは、旋回走行時に車両に遠心力が作用してディスクが傾斜することにより生じるので、車両の旋回度合いGとして車両の横加速度を用いると好ましい。このとき、車両の旋回度合いGは一般的には次式で算出される。
G = V/R
【0035】
このようにして算出された車両の旋回度合いGは、ブレーキECU33に送られ、その旋回度合いGに基づいてブレーキECU33は、図6に示すサブルーチンに基づいてノックバック抑制制御を行なう(ステップS)。すなわち、上記の旋回路判定で旋回直前状態と判定されたときは(ステップS31)、図7に示す旋回度合いGと目標の液圧の関係に基づいて目標の液圧を算出し(ステップS32)、その液圧に達するまで各ホイールシリンダ9RL,9FR,9FL,9RRの液圧を増加させる(ステップS33、S34)。目標の液圧に達するまでの液圧の増加は、旋回状態になった後も行なう(ステップS)。
【0036】
ホイールシリンダ9RL,9FR,9FL,9RRの液圧が目標の液圧に達すると(ステップS33)、ホイールシリンダ9RL〜9RRの液圧を一定に保持する(ステップS36)。ホイールシリンダ9RL〜9RRの液圧の保持は、例えば、ポンプ13A,13Bを駆動した状態で比例制御弁5A,5Bの前後の差圧を一定に保持することによって行なうことができる。
【0037】
旋回直前状態と旋回状態のいずれでもないときは、(ステップS31、S35)、ポンプ13A,13Bの駆動を停止するとともに比例制御弁5A,5Bの前後の差圧を小さくして、各ホイールシリンダ9RL〜9RRの液圧を開放する(ステップS37)。
【0038】
この車両用ブレーキ制御装置を用いると、車両が旋回直前状態になるとホイールシリンダ9RL〜9RRへの液圧の供給を開始してパッドをディスク12RL〜12RRに押さえ付けるので、図8に示すように、車両が旋回状態に入る前からパッドとディスクの間の隙間を詰めて各ホイールシリンダ9RL〜9RRのストロークの増大を防止することができる。そのため、車両が旋回状態に入った直後にドライバがブレーキ操作を行なった場合にも、ホイールシリンダのストローク増大による制動の応答性の低下が生じにくい。一方、従来のブレーキ装置では、ハンドルの舵角センサ等に基づいて車両の旋回状態を検知してからパッドをディスクに押さえ付ける制御を開始するので、図8の破線に示すように、パッドをディスクに押さえ付ける処理がドライバによるブレーキ操作に間に合わず、ホイールシリンダのストローク増大による制動の応答性の低下を生じてしまう。
【0039】
また、この車両用ブレーキ制御装置は、車両の旋回度合いGに応じた大きさの液圧をホイールシリンダ9RL〜9RRに供給するので、車両の旋回度合いGに応じた大きさの力でパッドがディスク12RL〜12RRに押さえ付けられる。そのため、旋回路の曲がり度合いや旋回時の車速が大きいときなど、車両旋回時に車両に作用する遠心力が大きいときにも、より確実に、ホイールシリンダ9RL〜9RRのストローク増大による制動の応答性の低下を防止することができる。
【0040】
上記実施形態では、ホイールシリンダ9RL〜9RRの液圧を一定に保持するために、ポンプ13A,13Bを駆動した状態で比例制御弁5A,5Bの前後の差圧を一定に保持するようにし(ステップS36)、これにより、ディスク12RL〜12RRが傾斜してホイールシリンダ9RL〜9RRが押し戻されたときにも、ホイールシリンダ9RL〜9RRの液圧の上昇による制動力の増加を防止するとともに、ドライバによる制動操作が行なわれたときの制動の応答性を高めているが、他の方式で液圧を一定に保持するようにしても良い。例えば、増圧制御弁7RL〜7RRを閉じることにより、ホイールシリンダ9RL〜9RRの液圧を保持するようにしても良い。
【0041】
また、上記実施形態では、車両の前方路面が旋回路か否かを判定する手段としてナビゲーションシステムを用いることにより、車両の前方の視界の善し悪しにかかわらず安定した判定ができるようにしているが、他の方法で判定してもよく、例えば、車両の前方を撮影するCCDカメラを車両に設置し、そのCCDカメラの画像データに基づいて車両の前方路面が旋回路か否かを判定するCCD制御装置を設け、そのCCD制御装置からブレーキECUに車両の走行状態を示す信号を送るようにしても良い。また、CCDカメラの画像データに基づいて車両の前方の旋回路の曲がり度合いを演算し、その曲がり度合いに応じて、ブレーキECU33が、旋回直前状態にホイールシリンダ9RL〜9RRに供給する液圧を大きくする制御を行なうようにしても良い。
【0042】
また、地上に固定して設けられた路車間通信用の発信機が発信した信号を受信する受信機を車両に設置し、その受信機で受信した信号に含まれる情報に基づいて車両の前方路面が旋回路か否かを判定する判定装置を設けても良い。この場合、路車間通信用の発信機が発信する信号としては、例えば旋回路への接近を伝える信号や、その旋回路の曲がり度合いを示す信号が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施形態の車両用ブレーキ制御装置を採用したブレーキシステムの配管系統図
【図2】同上の車両用ブレーキ制御装置のブロック図
【図3】図2の車両用ブレーキ制御装置の制御のメインルーチンを示すフロー図
【図4】図3のステップSの処理を示すフロー図
【図5】図3のステップSの処理を示すフロー図
【図6】図3のステップSの処理を示すフロー図
【図7】車両の旋回度合いと目標の液圧との関係の一例を示す図
【図8】車両の走行状態が直進状態から旋回直前状態を経て旋回状態になったときに、パッドをディスクに押さえ付ける処理が開始されるタイミングを説明する図
【符号の説明】
【0044】
12RL,12FR,12FL,12RR ディスク
29 GPS受信機
30 地図情報記憶装置
31 ナビゲーション制御部
33 ブレーキ電子制御装置




 

 


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