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発明の名称 バッテリ支持構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−137386(P2007−137386A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−337525(P2005−337525)
出願日 平成17年11月22日(2005.11.22)
代理人 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
発明者 大塚 智紀 / 塙 隆広
要約 課題
バッテリを例えばトーボードとストラットハウジングとの間付近に配設した場合であっても、バッテリの着脱及び点検が容易で、良好な作業性を得ることのできるようにする。

解決手段
エンジンルームE内の後部にバッテリテーブル21を取付け、バッテリテーブル21上に、バッテリ20を載置固定するバッテリトレー22を移動自在に支持させる。バッテリ20を着脱する場合は、バッテリトレー22を一点鎖線で示す着脱位置まで引き出して行う。その後、バッテリトレー22を実線で示す固定位置まで移動させ、突片部23,25を係止部31a,31b,32に掛止させて位置決めした後、突片部24をトレー固定板33で固定する。
特許請求の範囲
【請求項1】
エンジンルーム内の後部にバッテリトレーを設け、該バッテリトレーにバッテリを載置固定するバッテリ支持構造において、
上記バッテリトレーを、上記エンジンルームに固設したバッテリテーブルに摺動自在に載置すると共に、
上記バッテリテーブルの上面と上記バッテリトレーの底面との一方に上記バッテリトレーをバッテリ固定位置とバッテリ着脱位置とに導くガイドレールが設けられ、他方に該ガイドレールに支持される支持部が設けられて、該バッテリトレーが上記バッテリ固定位置と該バッテリ固定位置から前方へ移動した位置に設定されている上記バッテリ着脱位置とに移動自在に支持され、
上記バッテリトレーが上記固定位置にセットされているとき該バッテリトレーをバッテリテーブルに設けた係止部に掛止する
ことを特徴とするバッテリ支持構造。
【請求項2】
上記バッテリトレーの両側に側面突片部が形成され、
上記バッテリトレーが上記固定位置にセットされている状態では、トーボード側に位置する一方の上記側面突片部が上記係止部に掛止され、他方の該側面突片部がトレー固定板で固定される
ことを特徴とする請求項1記載のバッテリ支持構造。
【請求項3】
上記バッテリトレーが上記固定位置にあるとき、上記バッテリが車幅方向の中心線に対して斜めに指向されていると共に、該バッテリの1つの稜部の車体前方にエンジンに設けられている硬質プロテクタが対設されている
ことを特徴とする請求項1或いは2記載のバッテリ支持構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリを搭載するバッテリトレーをバッテリテーブル上に移動自在に支持させると共に、このバッテリトレーを固定位置で固定するようにしたバッテリ支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両では、車体前部に設けられているエンジンルームにバッテリが配設されている場合が多い。エンジンルームを開閉するフロントフードは前開き方式が多く、バッテリは、エンジンルーム前部の側壁付近に配設することで、バッテリの着脱、及び点検時における作業性を高めるようにしている。
【0003】
ところで、前面衝突(以下「前突」と略称)時に発生する衝撃エネルギは、車体前部の車幅方向左右に配設されている一対のサイドフレームの前部が圧潰されることで吸収される。しかし、バッテリは高剛性体であり圧潰されないため、前突時にバッテリは破壊されずに後退するだけであり、衝撃エネルギが吸収されないばかりか、バッテリが後退する際に他の剛体に衝突した場合、サイドフレームのクラッシュストロークが確保されなくなる不都合がある。
【0004】
又、エンジンルームの前部はデザイン性、及び空力特性などの観点から空間が次第に狭められており、従って、エンジンフードとバッテリ上面との間のスペースを充分に確保することができず、上方からの落下物に対する衝撃エネルギをエンジンフードの変形で吸収することができなくなる不都合がある。
【0005】
従って、前突時の衝撃エネルギ、及び上方からの落下物に対する衝撃エネルギを効率よく吸収するには、例えば特許文献1(特開平8−164760号公報)に開示されているように、バッテリをエンジンルーム後部のトーボードとストラットハウジングとの間付近に配設することが望ましい。
【特許文献1】特開平8−164760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、バッテリをエンジンルームの後部に配設した場合、フロントフードが前開き方式の場合、バッテリがフードヒンジ側に配設されることになるため、バッテリの着脱、及び点検に際し、フロントフードの充分な開口を得ることができず、作業性が悪いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、バッテリを例えばトーボードとストラットハウジングとの間付近に配設した場合であっても、バッテリの着脱及び点検が容易で、良好な作業性を得ることのできるバッテリ支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明は、エンジンルーム内の後部にバッテリトレーを設け、該バッテリトレーにバッテリを載置固定するバッテリ支持構造において、上記バッテリトレーを、上記エンジンルームに固設したバッテリテーブルに摺動自在に載置すると共に、上記バッテリテーブルの上面と上記バッテリトレーの底面との一方に上記バッテリトレーをバッテリ固定位置とバッテリ着脱位置とに導くガイドレールが設けられ、他方に該ガイドレールに支持される支持部が設けられて、該バッテリトレーが上記バッテリ固定位置と該バッテリ固定位置から前方へ移動した位置に設定されている上記バッテリ着脱位置とに移動自在に支持され、上記バッテリトレーが上記固定位置にセットされているとき該バッテリトレーをバッテリテーブルに設けた係止部に掛止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バッテリトレーをバッテリテーブルに摺動自在に載置し、ガイドレールとこれに支持される支持部とでバッテリトレーを一定の方向へ移動できるようにしたので、バッテリトレーに載置固定されているバッテリが、例えばトーボードとストラットハウジングとの間付近に配設されている場合であっても、バッテリトレーをバッテリテーブル上をスライドさせて着脱位置まで引き出すことで、バッテリの着脱及び点検が容易となり、良好な作業性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の一形態を説明する。図1は車体前部の概略平面図である。
【0011】
同図の符号1は、自動車を代表とする車両の車体で、この車体1の前部に、車室RとエンジンルームEとを区画するトーボード2が配設されている。このトーボード2の下端が車室Rのフロアパネル(図示せず)に連設され、上端がバルクヘッド3に連設されている。尚、符号4はフロントガラスである。
【0012】
エンジンルームEの上部開口がフロントフード(図示せず)で覆われており、又、エンジンルームE内の車幅方向両側に、このエンジンルームEの側壁となるホイールエプロン5が配設されている。更に、このホイールエプロン5の下部内面側が、左右両側で車体前後方向に延設された一対のサイドフレーム6に各々連設されている。更に、各サイドフレーム6の前端部が、車幅方向へ延在するバンパビーム7を介して互いに連結されている。
【0013】
左右のホイールエプロン5には、前輪8の上方を覆うホイールハウス9(図2参照)が形成されていると共に、サスペンション(図示せず)のストラット上部を支持するストラットタワー10が形成されている。この両ストラットタワー10は、エンジンルームEの比較的後部に配設されていると共に、エンジンルームEの内方に向かって互いに対向する方向へ張り出されている。
【0014】
又、エンジンルームEの車幅方向の略中央部に、パワートレイン11が車体1の後方向へ延出する状態で配設されている。パワートレイン11は、エンジン12と、このエンジン12の後部に連結されたトランスミッション13とを有している。パワートレイン11は、左右のサイドフレーム6間のスペースの大部分を占めており、その前方にラジエータパネルユニット14が配設されている。
【0015】
エンジン12の出力は、トランスミッション13で所定に変速された後、前輪駆動車であれば前輪8に伝達される。ところで、本形態で採用するエンジン12は水平対向型エンジンであり、左右両バンクにシリンダヘッド12aが設けられている。この各シリンダヘッド12aに、左右バンク毎の各気筒に連通する吸気ポート15が開口されており、この各吸気ポート15に、吸気マニホルド16(図2、図3参照)の下流端16aが各々接続されている。又、各吸気ポート15の直上流に位置する吸気マニホルド16の各下流端16aにインジェクタ(図示せず)が配設されている。この各インジェクタに燃料パイプ17(図3参照)が接続されて、燃料タンク(図示せず)に貯留されている燃料が供給される。
【0016】
これら各インジェクタ、燃料パイプ17、及びインジェクタに供給する燃料の圧力を調圧するプレッシャレギュレータ(図示せず)等の、シリンダヘッド12aに併設されている燃料系部品が、硬質プロテクタとしての燃料パイププロテクタ18で覆われている。この燃料パイププロテクタ18は鋼板を折り曲げ、或いは絞り加工により凹状に形成した板金製であり、その上端側が吸気マニホルド16に固設され、下端側がシリンダヘッド12aに固設されている。更に、車幅方向左側のシリンダヘッド12aに配設されている燃料パイププロテクタ18の、後述するバッテリ20の稜部20aの車体前方に対設する部位に傾斜押圧面18aが形成されている。
【0017】
又、エンジンルームE内の車幅方向左側に配設されているストラットタワー10とトーボード2との間にバッテリテーブル21が固設され、このバッテリテーブル21上に、バッテリ20を載置固定するバッテリトレー22が設置されている。尚、図2には、バッテリトレー22に対してバッテリ20がロッドや押さえ板を介して固定されている状態が示されているが、バッテリトレー22に対するバッテリ20の固定構造はこれに限定されるものではない。又、バッテリテーブル21、及びバッテリトレー22は樹脂成形品であり、靭性を強化するためにガラス繊維やカーボン繊維などの強化繊維が混入されている。
【0018】
図3に示すように、バッテリテーブル21は、ストラットタワー10とトーボード2との間に固設されており、その姿勢は、先端側が車体前後方向へ延出する車幅方向の中心線C/Lに対して斜め前方に指向され、後端側が車体左側面に指向された斜めの状態に設定されている。更に、トーボード2には、バッテリテーブル21の後端側との干渉を回避する凹部2aが形成されている。
【0019】
図5〜図8に示すように、バッテリトレー22は、バッテリ20を載置可能な長方形の箱形に形成されており、その壁面は前面22a側が浅く背面22b側が深く形成されている。更に、このバッテリトレー22の長手方向両側面22cの底面から外方へ側面突片部23,24が突出形成され、又、背面22bのほぼ中央の底面から外方へ背面突片部25が突出形成されている。この各突片部23〜25の両端がテーパ状に形成されている。
【0020】
又、図9に示すように、側面突片部23,24の上面23a,24aが先端から基部方向へ拡開する傾斜状に形成されている。尚、図示しないが背面突片部25の上面25aも、側面突片部23(或いは24)の上面23a(或いは24a)と同様、外方へ収束するテーパ状に形成されている。
【0021】
又、このバッテリトレー22の底面に第1〜第3支持部26a〜26cが各々突出形成されている。各支持部26a〜26cは、右側の側面22cに偏った位置で三角形の各頂点に配設されている。
【0022】
一方、図4、図8、図9に示すように、バッテリテーブル21上に、バッテリトレー22の底面に突設されている各支持部26a〜26cをガイドする第1〜第3ガイドレール27〜29が形成されている。バッテリトレー22は、各支持部26a〜26cを、それに対応する各ガイドレール27〜29に支持させることで、この各ガイドレール27〜29に沿って移動自在にされる。尚、第1、第2ガイドレール27,28が所定深さの溝状に形成され、又、第3ガイドレール29が底面に貫通するスリット状に形成されている。 ところで、バッテリトレー22の底面に突設されている支持部26a,26bの高さは、この各支持部26a,26bを支持する第1、第2ガイドレール27,28の溝深さよりも高く形成されている。又、第3ガイドレール29に支持される第3支持部26cの下端が、バッテリテーブル21の底面から露呈されており、この下端に抜け止め用フランジ部材30が設けられている。
【0023】
図3に、バッテリトレー22を着脱位置に移動させた状態を一点鎖線で示す。バッテリトレー22は、エンジンルームEの中程に臨まされていると共に、その前面22aが車幅方向の中心線C/Lに略平行する方向、すなわち前方に指向されている。このバッテリトレー22の姿勢は、バッテリトレー22の底面に突設されている各支持部26a〜26cと、この各支持部26a〜26cを支持する各ガイドレール27〜29との関係で決定される。
【0024】
この両者の関係を図11に示す。図11に示すように、バッテリトレー22をバッテリテーブル21の着脱位置へ移動させた状態では、各支持部26a〜26cが各ガイドレール27〜29の先端に掛止されており、従って、各ガイドレール27〜29の先端P1〜P3は、当然、各支持部26a〜26cとほぼ同じ間隔で形成されている。以下、各ガイドレール27〜29の軌道を、この各先端P1〜P3を基準として説明する。
【0025】
第1、第3ガイドレール27,29の先端P1,P3に前部直線レール部27a,29aが形成されている。この前部直線レール部27a,29aは、車幅方向の中心線C/Lに沿って後方へ所定長さだけ並行に延出されている。更に、第2ガイドレール27の前部直線レール部27aの後端に連続して曲線レール部27bが形成されている。この曲線レール部27bは、第3ガイドレール29の前部直線レール部29aと、後述する後部直線レール部29bとの間の屈曲部P4を中心とする半径で形成されている。又、第2ガイドレール28の先端P2に連続して曲線レール部28aが形成されている。この曲線レール部28aも、第3ガイドレール29の前部直線レール部29aと後部直線レール部29bとの間の屈曲部P4を中心とする半径で形成されている。
【0026】
尚、各ガイドレール27〜29と、これに支持される支持部26a〜26cとの間には所定のガタがある。従って、第2ガイドレール28の先端部が直線状に形成されていなくても、各ガイドレール27〜29と支持部26a〜26cとの間のガタによりバッテリトレー22は、第1、第2ガイドレール27,29の前部直線レール部27a,29aに沿って直線移動が可能となる。
【0027】
図12に一点鎖線で示すように、第1、第2ガイドレール27,28に形成されている曲線レール部27b,28aは、バッテリトレー22の底面に突設されている支持部26cが、第3ガイドレール29の前部直線レール部29aの後端を中心として、バッテリトレー22を回転させたとき、このバッテリトレー22が、バッテリテーブル21の長手方向に沿う位置に達するまでの回動を許容する長さに形成されている。
【0028】
そして、第3ガイドレール29の前部直線レール部29aの後端、及び第1、第2ガイドレール27,28の曲線レール部27b,28aの後端に後部直線レール部27c,28b,29bが連続されている。この各後部直線レール部27c,28b,29bは、バッテリテーブル21の延出方向に沿って平行に形成されている。尚、第3ガイドレール29の後端部に形成されている孔部29cは、抜け止め用フランジ部材30を挿通するものである。
【0029】
図4に示すように、バッテリテーブル21の後端部に、バッテリトレー22を後部直線レール部27c,28b,29bに沿って後退させた際に、このバッテリトレー22の左側面に形成されている側面突片部23の両端を掛止する一対の側面係止部31a,31bが形成されている。又、バッテリテーブル21の側面に、背面突片部25を掛止する背面係止部32が形成されている。
【0030】
図4、図9に示すように、この側面係止部31a,31bの内面は、側面突片部23の両端部の形状にほぼ沿って形成されており、又、背面係止部32は、一方の側面係止部31aとほぼ同形状に形成されている。バッテリトレー22が各ガイドレール27〜29の後部直線レール部27c,28b,29bに沿って移動されると、側面突片部23の両端が側面係止部31a,31bに挿入されて位置決めされ、又、背面突片部25の端部が背面係止部32に挿入されて位置決めされる。
【0031】
又、図4に示すように、バッテリトレー22の側面突片部23が側面係止部31a,31bに掛止され、又、背面突片部25が背面係止部32に掛止された状態で、右側の側面突片部24がトレー固定板33により固定される。
【0032】
図9、図10に示すように、トレー固定板33は弾性を有する短冊状の平板を長手方向に沿って屈曲形成したもので、基端側に固定面33aが形成され、先端側に押圧面33bが形成されている。更に、この固定面33aの幅方向中央にボルト挿通孔33cが穿設されている。一方、バッテリテーブル21には、ボルト挿通孔33cに挿通される固定ボルト34を螺入するナット35がインサート成形されている。ボルト挿通孔33cに挿通された固定ボルト34をナット35に螺入すると、トレー固定板33の押圧面33bが右側の側面突片部24の上面24aを押圧すると共に、自己変形により側面突片部24を押圧して固定する。
【0033】
次に、このような構成による本形態の作用について説明する。組立ラインでバッテリ20をバッテリトレー22に載置固定する場合、又は既に組み付けられているバッテリ20を交換し、或いはバッテリ20の点検を行う場合は、先ず、図1に示す固定位置にセットされているバッテリトレー22を、バッテリテーブル21に形成されているガイドレール27〜29に沿って着脱位置まで引き出す。
【0034】
すると、図11に示すように、バッテリトレー22の底面に突設されている各支持部26a〜26cが、バッテリテーブル21に形成されている第1〜第3ガイドレール27〜29の先端P1〜P3に掛止されて、図3に一点鎖線、図11に実線で示すように、バッテリ20を載置固定するバッテリトレー22がエンジンルームE内の着脱位置に引き出されると共に、その前面22aがエンジンルームEの前方へ指向される。
【0035】
バッテリトレー22をエンジンルームEの固定位置から着脱位置へ移動させることができるため、バッテリ20の着脱、或いは点検を、エンジンフードが充分に開口されていないフードヒンジ付近で行う必要が無く、作業性が向上する。
【0036】
そして、バッテリ20をバッテリトレー22に載置し、所定に固定した後、バッテリ20を後方へ押圧すると、図11の一点鎖線で示すように、バッテリトレー22の底面に突設されている支持部26a,26cが、バッテリテーブル21に形成されている第1、第3ガイドレール27,29に形成されている前部直線レール部27a,29aに沿って後方へ直線状に移動する。尚、支持部26bをガイドする第2ガイドレール28の先端部は直線状に形成されていないが、各ガイドレール27〜29と各支持部26a〜26cとの間にガタがあるため、支持部26bも第2ガイドレール28に沿って移動する。
【0037】
そして、支持部26cが第3ガイドレール29に形成されている前部直線レール部29aの後端に達すると、第3ガイドレール29の前部直線レール部29aと、これに連続する後部直線レール部29bとの接続部分に屈曲部P4が形成されているため、支持部26cが、この屈曲部P4で一時、掛止される。
【0038】
一方、支持部26aをガイドする第1ガイドレール27の前部直線レール部27aの後端、及び支持部26bをガイドする第2ガイドレール27の先端P2に連続する曲線レール部27b,28aが、屈曲部P4を中心とする半径で形成されている。従って、バッテリトレー22を更に押圧すると、図12に矢印で示すように、支持部26cを中心とし、且つ他の支持部26a,26bが各ガイドレール27,28に形成されている曲線レール部27b,28aに沿って、図の反時計回り方向へ回転する。
【0039】
本形態では、バッテリトレー22を固定位置へ戻す際に、バッテリトレー22をいきなり回転させることなく、一旦直線状に後退させるようにしたので、操作者は、バッテリトレー22を回転方向へ移動させる前の節度感が得られるので、安心してバッテリトレー22を移動させることができる。
【0040】
その後、バッテリトレー22の底面に突設されている支持部26a,26bが、第1、第2ガイドレールに形成されている曲線レール部27b,28aの終端に達し、後部直線レール部27c,28bへの屈曲部に掛止されて、回転が停止されると、図12に一点鎖線で示すように、バッテリトレー22がバッテリテーブル21の側面と並行となり、バッテリトレー22の右側の側面22cがバッテリテーブル21の前方に指向した姿勢となる。
【0041】
この状態でバッテリ20の右側の側面22cを後方へ押圧すると、バッテリトレー22の底面に突設されている各支持部26a〜26cが、バッテリテーブル21に形成されている各ガイドレール27〜29の後部直線レール部27c,28b,29bに沿って直線状に移動する。
【0042】
そして、図4に示すように、バッテリトレー22の左側の側面22cに形成されている側面突片部23が、バッテリテーブル21の後部に形成されている係止部31a,31bに係入されて、位置決めされる。同時に、背面22bに形成されている背面突片部25が、バッテリテーブル21に形成されている背面係止部32に係入されて位置決めされる。
【0043】
ところで、バッテリトレー22の底面に突設されている支持部26a,26bの高さが、これを支持する第1、第2ガイドレール27,28の溝深さよりも高いので、このバッテリトレー22をバッテリテーブル21上を移動させるに際し、両支持部26a,26bが第1、第2ガイドレール27,28の底部を摺動するので、バッテリトレー22の底面全体が摺動することはなく、その分、摺動抵抗が少なくなり、スムーズに移動させることができる。
【0044】
このようにして、バッテリトレー22から外方へ突出している突片部23.25をバッテリテーブル21に形成されている側面係止部31a,31bと背面係止部32とに掛止させて、バッテリトレー22を固定位置にセットすると、図1に示すように、バッテリ20の後部がバルクヘッド3の下方に埋没される。又、バッテリトレー22は右側の側面22cが車幅方向中央に向かって斜めに配設され、1つの稜部20aの車体前方に、エンジン12の左側に配設されている燃料パイププロテクタ18に形成されている傾斜押圧面18aが対設される。
【0045】
次いで、図9、図10に示すように、バッテリトレー22の右側の側面突片部24に、トレー固定板33の押圧面33bを当接する。次いで、固定面33aの中央に穿設されているボルト挿通孔33cに、固定ボルト34を挿通し、バッテリテーブル21にインサート成形されているナット35に螺入して、固定面33aをバッテリテーブル21に押し付けて固定する。すると、押圧面33bが右側の側面突片部24をバッテリテーブル21に押し付け、バッテリトレー22を固定する。
【0046】
このように、本形態では、バッテリ20をエンジンルームEの後部に配設したので、例えば歩行者と衝突して、歩行者の頭部などがエンジンルームEの上方を閉塞するフロントフードの前部或いは中程に落下した場合であっても、この落下位置にバッテリ20のような高剛性体が配設されていないので、フロントフードの、衝撃エネルギを吸収するに充分な変形量を確保することができる。
【0047】
又、バッテリ20がエンジンルームEの奥まった位置にある固定位置に固定されていても、バッテリ20を交換し、或いは点検を行うに際しては、バッテリトレー22をバッテリテーブル21にガイドさせた状態で着脱位置まで引き出し、その位置で作業を行うことができるので、作業工数を格段に低減することができる。
【0048】
又、バッテリトレー22を着脱位置まで引き出す際、及び引き出したバッテリトレー22を固定位置へ戻すに際し、このバッテリトレー22がバッテリテーブル21上を移動するので、バッテリ20のような重量物であっても容易に引き出し、及び収納させることができる。この場合、バッテリトレー22の底面に突設されている各支持部26a〜26cが、バッテリテーブル21に形成されているガイドレール27〜29に沿って導かれるので、固定位置と着脱位置とに常に一義的に導くことができ作業性が良い。
【0049】
更に、バッテリトレー22を固定位置にセットすると、このバッテリトレー22の奥まった側にある左側の側面22cから突出されている側面突片部23がバッテリテーブル21に形成されている側面係止部31a,31bに自動的に掛止されて位置決めされるため、エンジンルームEの前側に露呈する右側の側面突片部24をトレー固定板33で固定するだけで、バッテリトレー22をバッテリテーブル21に簡単に固定することができ作業性が良い。
【0050】
又、図3に一点鎖線で示すように、バッテリトレー22を着脱位置に引き出した際には、ガイドレール27〜29の先端P1〜P3に、バッテリトレー22の底面に突設されている各支持部26a〜26cが掛止されて、バッテリトレー22がエンジンルームEの前方に指向されるので、バッテリ20の姿勢が常に一定しており、バッテリ20の着脱、及び点検の際の作業効率が向上する。
【0051】
ところで、車体1が前面衝突すると、その衝撃荷重はバンパビーム7を介して左右一対のサイドフレーム6の先端部分を圧潰して吸収される。その際、エンジン12を含むパワートレイン11は相対的に車体1の後方へスライドすることで、サイドフレーム6のクラッシュストロークが確保される。
【0052】
図3に矢印で示すように、エンジン12を含むパワートレイン11が後退すると、エンジン12の左側に配設されている燃料パイププロテクタ18に形成されている傾斜押圧面18aが、バッテリ20の稜部20aに接触し、このバッテリ20を後方へ押圧する。すると、バッテリ20を載置固定するバッテリトレー22の右側の側面突片部24がトレー固定板33から外れ、更に、左側の側面突片部23、及び背面突片部25を保持する側面係止部31a,31bと背面係止部32とが、各突片部23,25からの衝撃で破壊されて、図3に二点鎖線で示すように、バッテリトレー22が、図の時計回り方向へ回転すると共に、トーボード2に形成されている凹部2aの方向へ退避される。
【0053】
このように、バッテリ20は、後退動作しているエンジン12に設けられた燃料パイププロテクタ18の傾斜押圧面18aにて車体1の幅方向左側へ押し出されるため、バッテリ20がエンジン12とトーボード2との間に挟まれることが無く、パワートレイン11の後退方向へのストロークを充分に確保することができる。従って、サイドフレーム6のクラッシュストロークが阻害されず、衝撃エネルギを良好に吸収させることができる。
【0054】
尚、本発明は上述した形態に限るものではなく、例えばガイドレール27〜29をバッテリトレー22の底面に形成し、支持部26a〜26cをバッテリテーブル21に形成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】車体前部の概略平面図
【図2】エンジンルームを右前方から見た斜視図
【図3】図1のバルクヘッドを外した状態の要部拡大図
【図4】バッテリ支持構造を示す平面図
【図5】バッテリトレーの平面図
【図6】バッテリトレーの左側面図
【図7】バッテリトレーの正面図
【図8】図5のVIII−VIII断面図
【図9】図4のIX-IX断面図
【図10】図9の要部分解図
【図11】バッテリトレーを着脱位置に移動させた状態のバッテリ支持構造を示す平面図
【図12】バッテリトレーを後退させた状態のバッテリ支持構造を示す平面図
【符号の説明】
【0056】
1 車体、
2 トーボード、
2a 凹部、
10 ストラットタワー、
11 パワートレイン、
12 エンジン、
12a シリンダヘッド、
18 燃料パイププロテクタ、
18a 傾斜面、
20 バッテリ、
20a 稜部、
21 バッテリテーブル、
22 バッテリトレー、
23,24 側面突片部、
25 背面突片部、
26a〜26c 支持部、
27〜29 第1〜第3ガイドレール、
27a,29a 前部直線レール部、
27b,28a 曲線レール部、
27c,28b,29b 後部直線レール部、
31a,31b 側面係止部、
32 背面係止部、
33 トレー固定板、
C/L 中心線、
E エンジンルーム




 

 


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