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発明の名称 車両の制動制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−50742(P2007−50742A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−236528(P2005−236528)
出願日 平成17年8月17日(2005.8.17)
代理人 【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
発明者 岩崎 克也 / 飯田 雅人
要約 課題
制御ハンチングの発生を抑制しつつ応答性を向上させた車両の制動制御装置を提供する。

解決手段
各車輪の制動状態を検出する制動力検出手段と、前記制動力検出手段によって検出された実制動力に基づき、前記各車輪の目標制動力を演算する目標制動力演算手段と、前記実制動力と前記目標制動力の偏差に乗じるゲインを有し、このゲインと前記偏差との積に基づき前記各車輪の制動力を制御する制動力制御手段とを備えた車両の制動力制御装置において、前記制動力制御手段は、増圧時において前記目標制動力の時間勾配が所定値以下であって、かつ前記差分が所定値以下である場合に前記ゲインの値を変更する
特許請求の範囲
【請求項1】
各車輪の制動状態を検出する制動力検出手段と、
前記制動力検出手段によって検出された実制動力に基づき、前記各車輪の目標制動力を演算する目標制動力演算手段と、
前記実制動力と前記目標制動力の偏差に乗じるゲインを有し、このゲインと前記偏差との積に基づき前記各車輪の制動力を制御する制動力制御手段と
を備えた車両の制動力制御装置において、
前記制動力制御手段は、増圧時において前記目標制動力の時間勾配が所定値以下であって、かつ前記差分が所定値以下である場合に前記ゲインの値を変更すること
を特徴とする車両の制動制御装置。
【請求項2】
各車輪の制動状態を検出する制動力検出手段と、
前記制動力検出手段によって検出された実制動力に基づき、前記各車輪の目標制動力を演算する目標制動力演算手段と、
前記実制動力と前記目標制動力の偏差に乗じるゲインを有し、このゲインと前記偏差との積に基づき前記各車輪の制動力を制御する制動力制御手段と
を備えた車両の制動力制御装置において、
前記制動力制御手段は、減圧時において前記目標制動力の時間勾配が所定値以上であって、かつ前記差分が所定値以上である場合に前記ゲインの値を変更すること
を特徴とする車両の制動制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイルシリンダ内の液圧を制御することで制動力を得る車両の制動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の制動制御装置として、例えば特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報に記載されている車両の制動制御装置にあっては、ホイルシリンダ圧の実液圧と目標液圧との偏差に一定のゲインを乗じ、このゲインと偏差の積に基づきホイルシリンダ圧の増減を行っている。
【特許文献1】特開平8−150909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来技術にあっては、応答性向上のためゲインを高めに設定した場合、実液圧が目標液圧に収束する直前でオーバーシュートし、制御ハンチングを招くおそれがある。したがって、増圧弁開弁時に液圧が上がりすぎ、増圧しすぎた液圧を減圧するために減圧弁を開弁することとなって、制動時における乗り心地が悪化するおそれがあった。
【0004】
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、制御ハンチングの発生を抑制しつつ応答性を向上させた車両の制動制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、各車輪の制動状態を検出する制動力検出手段と、前記制動力検出手段によって検出された実制動力に基づき、前記各車輪の目標制動力を演算する目標制動力演算手段と、前記実制動力と前記目標制動力の偏差に乗じるゲインを有し、このゲインと前記偏差との積に基づき前記各車輪の制動力を制御する制動力制御手段とを備えた車両の制動力制御装置において、前記制動力制御手段は、増圧時において前記目標制動力の時間勾配が所定値以下であって、かつ前記差分が所定値以下である場合に前記ゲインの値を変更することとした。
【0006】
よって、制御ハンチングの発生を抑制しつつ応答性を向上させた車両の制動制御装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の車両の制動制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
[システム構成図]
実施例1につき図1ないし図7に基づき説明する。図1は車両の制動制御装置のシステム構成図である。本願車両の制動制御装置はいわゆるブレーキバイワイヤシステムであり、前輪には液圧ブレーキ装置を備える一方、リヤ側は油圧を用いず電気的にブレーキ制御を行う方式を採用している。本願実施例においては、液圧ブレーキ装置の制動制御について説明する。
【0009】
マスタシリンダ1にはストロークセンサ2及びストロークシミュレータ3が設けられている。ブレーキペダル4の踏み込みに伴ってマスタシリンダ1内に液圧が発生するとともに、ブレーキペダル4のストローク信号がメインECU10に出力される。発生したマスタシリンダ圧は油路31、32を介して液圧ユニット200に供給され、液圧制御が施された後油路33、34を介して前輪側ホイルシリンダ5に供給される。
【0010】
メインECU10はストローク信号に基づき車速やヨーレイトなど車両の状態量を考慮して前輪の目標液圧を演算し、ブレーキECU100を介して液圧ユニット200へ指令信号を出力してホイルシリンダ5の液圧を制御するとともに、制動時には回生ブレーキ装置9により前輪を制動する。また、後輪側ブレーキアクチュエータ6はメインECU10からの指令信号に基づいて電動キャリパ7の制動力を制御する。また、ブレーキECU100には各車輪FL〜RRに設けられた車輪速センサ8からの車輪速VSPが入力される。
【0011】
液圧ユニット200は、ブレーキバイワイヤシステムにおける通常制動時はマスタシリンダ圧とホイルシリンダ5との連通をシャットオフバルブ21、22により遮断する。一方、ポンプP1、P2によりホイルシリンダ5に液圧を供給し、制動力を発生する。また、運転者の急制動操作により車輪がロック傾向になると、ロックを解除するために、増圧バルブを駆動し、マスタシリンダ1側から前輪側ホイルシリンダ5への液圧の供給を遮断する。
【0012】
そして、減圧バルブを適宜駆動することで、前輪側ホイルシリンダ5内の液圧を減圧し、車輪のロックを回避しつつ制動力を得る。また、ブレーキバイワイヤ機能故障時には、マスタシリンダ圧を前輪ホイルシリンダ5に液圧を供給し、制動力を得る。
【0013】
なお、本実施例では後輪側ブレーキアクチュエータ6にマスタシリンダ圧を供給する油路構成を備えていない。すなわち、後輪は前輪に比べて制動力が小さく(一般的に前輪と後輪の制動力比は7:3程度)、フェールに陥ったとしても前輪のみで十分な制動力を確保できるためである。
【0014】
[液圧ユニットの油圧回路図]
図2は、液圧ユニット200の油圧回路図である。液圧ユニット200は左前輪に接続するS系統と、右前輪に接続するP系統とで構成されたタンデム型ユニットである。左右独立に設けられたポンプP1、P2(それぞれモータM1、M2により駆動)によりホイルシリンダ圧を上昇させ、所望の制動力を得る構成となっている。なお、P系統、S系統ともに1つのモータおよびポンプで増圧を行ってもよく、特に限定しない。
【0015】
マスタシリンダ1は油路31、32、常開の(すなわち非励磁において開弁となる)シャットオフバルブ21、22、油路33、34を介してホイルシリンダ5、5へ接続する。ポンプP1、P2は一方を油路41、42を介してマスタシリンダ1と接続され、他方を油路43、44と接続される。
【0016】
油路43、44には常開のインバルブ23、24が設けられ、それぞれ油路45、46及び油路47、48と接続する。油路45、46には常閉比例弁であるアウトバルブ25、26が設けられ、油路41、42と接続する。また、油路47、48は油路33、34と接続する。さらに、油路43、44にはポンプP1、P2からインバルブ23、24への流れのみを許容するチェックバルブ27、28が設けられている。
【0017】
油路31、32であってマスタシリンダ1とシャットオフバルブ21、22の間には、マスタシリンダ圧を検出する液圧センサ51、52が設けられている。また、油路33、34であってホイルシリンダ5、5と油路47、48との接続点との間にも、ホイルシリンダ圧を検出する液圧センサ53、54が設けられている。検出された液圧はメインECU10に出力される。
【0018】
(増圧時)
増圧時には、ポンプP1、P2により油路41、42を介してリザーバ11から作動油を汲み出し、常開のインバルブ23、24を介してホイルシリンダ5、5を増圧する。このとき常開のシャットオフバルブ21、22は閉弁され、マスタシリンダ圧がホイルシリンダ5、5に導入されないものとしている。また、アウトバルブ25、26も閉弁され、ホイルシリンダ圧とリザーバ11とを遮断する。
【0019】
(減圧時)
減圧時にはポンプP1、P2を停止し、アウトバルブ25、26を開弁する。これによりホイルシリンダ5、5は油路47、48を介してリザーバ11と連通し、ホイルシリンダ圧の減圧が行われる。
【0020】
(保持時)
保持時にはポンプP1、P2を停止し、アウトバルブ25、26、及びシャットオフバルブ21、22を閉弁とする。これによりホイルシリンダ5、5はマスタシリンダ1及びリザーバ11との連通を遮断され、液圧が保持される。
【0021】
(フェイル時)
フェイル時には各電磁弁21〜26は非通電状態となり、常開のシャットオフバルブ21、22及びインバルブ23、24は自動的に開弁し、常閉のアウトバルブ25、26は閉弁となる。これによりマスタシリンダ1とホイルシリンダ5、5は連通され、ホイルシリンダ5、5とリザーバ11とが遮断されてマニュアルブレーキが確保される。
【0022】
[ブレーキECUの詳細]
図3は、ブレーキECU100の制御ブロック図である。ブレーキECU100は、通常ブレーキ制動力演算部110、ABS制御部120、制御切替部130、サーボ制御ユニット140(目標液圧演算手段)を有する。
【0023】
通常ブレーキ制動力演算部110は、ブレーキペダル4から出力された踏力及びペダルストローク量に基づき通常ブレーキ時における通常ブレーキ要求液圧Pnを演算し、ABS制御部120及び制御切替部130へ出力する。
【0024】
ABS制御部120は、通常ブレーキ時目標液圧Pn及び車輪速VSPに基づきABS制御時における制動力P*を演算し、制御切替部130へ出力する。また、ABS制御開始時にはABS制御フラグF1を立て、制御切替部130へ出力する。
【0025】
制御切替部130は、通常ブレーキ要求液圧Pn及びABS要求液圧Pabsのいずれかを選択して出力する。ABS制御フラグF1=1であればABS要求液圧Pabsを選択し、F1=0であれば通常ブレーキ要求液圧Pnを選択する。
【0026】
サーボ制御ユニット140は、ホイルシリンダ5の実液圧P、通常ブレーキ要求液圧PnとABS要求液圧Pabsを演算し、いずれか一方を選択して目標液圧Prとして出力する。また、電源電圧V、及び電磁弁21〜26の実電流値iに基づきモータM1、M2の目標電圧Vm*及び電磁弁21〜26の目標電流Iv*を演算し、それぞれモータM1、M2及び電磁弁21〜26の目標電流Iv*へ出力する。
【0027】
[サーボ制御ユニットの制御構成]
図4は、サーボ制御ユニット140の制御ブロック図である。サーボ制御ユニット140はモード切替部141、フィードフォワード(FF)制御部142、フィードバック(FB)制御部143、最終目標液圧決定部144、モータ電圧変換部145、電磁弁電流変換部146を有する。
【0028】
モード切替部141には目標液圧Prが入力され、加えてホイルシリンダ5からの実液圧Pも入力される。この目標液圧Prに基づき、最終目標液圧決定部144へ制御モード指令を出力する。目標液圧Pr=通常ブレーキ要求液圧Pnである場合は通常モード指令、目標液圧Pr=ABS要求液圧Pabsである場合はABS制御モードを出力する。
また、ABS制御開始時におけるホイルシリンダ5の目標液圧Prと実液圧Pとの乖離が規定値を超えている場合、速やかに所望の液圧に到達するよう強制急減圧/強制保持/強制急増圧のいずれかの制御モード指令を出力する。
【0029】
FF制御部142には目標液圧Prが入力される。入力された目標液圧Prにフィードフォワード制御を施し、目標液圧FF成分P*(FF)として最終目標液圧決定部144へ出力する。
【0030】
FB制御部143は、目標液圧Prと実液圧Pとの差分ΔPにPID制御を施し、目標液圧FB成分P*(FB)として最終目標液圧決定部144へ出力する。
【0031】
最終目標液圧決定部144は、モード切替部141から入力された各制御モードに基づき、ホイルシリンダ5の最終目標液圧P*を決定する。通常時、ABS制御時において、それぞれ入力された最終目標液圧P*のFF成分P*(FF)とFB成分P*(FB)とを重ね合わせ、最終目標液圧P*として出力する。
【0032】
ここで、強制急減圧/強制保持/強制急増圧モードとは、ABS制御時にFF、FB制御部142、143において最終目標液圧P*のFF、FB成分が演算され、最終目標液圧P*=P*(FF)+P*(FB)の演算が完了するまでの間に、ホイルシリンダの液圧を強制的に増圧/減圧制御するものである。すなわち、強制急減圧/強制保持/強制急増圧モードでは、FF制御部142及びFB制御部143における演算をショートカットして減圧/保持/増圧を行う。
【0033】
モータ電圧変換部145は、電源電圧に基づきモータ制御電圧Vmを補正し、電圧補正値VmγとしてモータM1、M2へ出力する。同様に、電磁弁電流変換部146も電源電圧に基づき電流値Ivを補正し、電磁弁電流補正値Ivγを各電磁弁21〜26に出力する。
【0034】
[フィードバック制御部の詳細]
図5は、フィードバック制御部143の制御ブロック図である。フィードバック制御部143はハイパスフィルタ(HPF)143a、液圧判断部143b、補正ゲイン設定部143c、PID制御部143dを有する。ハイパスフィルタ143aには目標液圧Prが入力され、それぞれの微分値をdPr/dtとして出力する。
【0035】
液圧判断部143bは、目標液圧Prが定常状態であるかどうかを判断し、定常状態であれば定常状態フラグF=1として出力する。それ以外であればF=0とする。
具体的には、増圧時(dPr/dt>0)においてdPr/dtが閾値dPu以下であり、かつ目標液圧Prと実液圧Pとの偏差ΔPが閾値ΔPu以下であれば、定常状態としてF=1を出力する。
逆に、減圧時(dPr/dt<0)においてdPr/dtが閾値dPd以上であり、かつ目標液圧Prと実液圧Pとの偏差ΔPが閾値ΔPd以上であれば、定常状態としてF=1を出力する。
【0036】
補正ゲイン設定部143cは、定常状態フラグF=0の場合は補正ゲインKγを1とする。F=1の場合はPID制御における比例項P、積分項I、微分項Dそれぞれの補正ゲインKpγ、Kiγ、Kdγを設定する。
なお、F=1の場合は増圧時、減圧時においてはそれぞれ独立に補正ゲインが設定され、増圧時はKu、減圧時はKdで示す。増圧時、減圧時において比例、積分、微分それぞれの項に対応したゲインを設定する。
【0037】
また、ゲイン変更時に制御安定性を確保するため、増圧時、減圧時ともに比例項および微分項の補正ゲインは1未満とするが、積分項の補正ゲインは増圧時、減圧時ともに1を超過させるものとする。すなわち、各補正ゲインは以下のように設定される。
比例項ゲイン Kupγ、Kdpγ<1
積分項ゲイン Kuiγ、Kdiγ>1
微分項ゲイン Kudγ、Kddγ<1
【0038】
PID制御部143dは偏差ΔPに通常ゲインKおよび各補正ゲインKγを乗じて比例項、積分項、微分項を算出し、それぞれの和をとって要求液圧Prのフィードバック制御量であるFB成分Pn(FB)またはPabs(FB)を出力する。
【0039】
[フィードバック制御部における補正ゲイン設定]
応答性向上のためゲインKを高めに設定した場合に発生する制御ハンチングを回避するためには、実液圧Pが目標液圧Prに収束する直前にゲインを下げればよい。
【0040】
したがって本願実施例では、増圧時においてdPr/dtが閾値dPu未満であって、かつ差分ΔPが閾値ΔPu未満である場合に補正ゲインKγの値を変更する。一方、減圧時においては、dPr/dtが閾値dPdを超過し、かつ差分ΔPが閾値ΔPdを超過する場合に補正ゲインKγの値を変更する。
【0041】
とりわけ、本願油圧回路のようにモータM1,M2によってポンプP1,P2を駆動し、ホイルシリンダ圧を増圧させる構成をとった場合、モータおよびポンプのイナーシャのため、増圧指令から保持指令に変わっても引き続きポンプが回転し、増圧されるおそれがあるため、ゲイン変更制御が効果的となる。
【0042】
[増圧時フィードバック制御処理]
図6は増圧時におけるフィードバック制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップにつき説明する。
【0043】
ステップS101ではdPr/dt<dPuであるかどうかが判断され、YESであればステップS102へ移行し、NOであればステップS107へ移行する。
【0044】
ステップS102ではΔP<ΔPuであるかどうかが判断され、YESであればステップS103へ移行し、NOであればステップS107へ移行する。
【0045】
ステップS103では定常時判断フラグF=1とし、ステップS104へ移行する。
【0046】
ステップS104では偏差ΔPに比例項の増圧時通常ゲインKupおよび増圧時補正ゲインKγupを乗じて増圧側定常時比例項Puγを演算し、ステップS105へ移行する。
【0047】
ステップS105では偏差ΔPの積分値に積分項の増圧時通常ゲインKuiおよび増圧時補正ゲインKγuiを乗じて増圧側定常時積分項Iuγを演算し、ステップS106へ移行する。
【0048】
ステップS106では偏差ΔPの微分値に微分項の増圧時通常ゲインKudおよび増圧時補正ゲインKγudを乗じて増圧側定常時微分項Duγを演算し、ステップS111へ移行する。
【0049】
ステップS107では定常時判断フラグF=0とし、ステップS108へ移行する。
【0050】
ステップS108では偏差ΔPに比例項の増圧時通常ゲインKupを乗じて通常増圧時比例項Puを演算し、ステップS109へ移行する。
【0051】
ステップS109では偏差ΔPの積分値に積分項の増圧時通常ゲインKuiを乗じて通常時増圧積分項Iuを演算し、ステップS110へ移行する。
【0052】
ステップS110では偏差ΔPの微分値に微分項の増圧時通常ゲインKudを乗じて通常増圧時微分項Duを演算し、ステップS111へ移行する。
【0053】
ステップS111では定常時または通常時の各成分の和Puγ+Iuγ+DuγまたはPu+Iu+Duを増圧側FB制御量=Pn(FB)またはPabs(FB)として出力し、制御を終了する。
【0054】
[減圧時フィードバック制御処理]
図7は減圧時におけるフィードバック制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップにつき説明する。
【0055】
ステップS201ではdPr/dt>dPuであるかどうかが判断され、YESであればステップS202へ移行し、NOであればステップS207へ移行する。
【0056】
ステップS202ではΔP>ΔPuであるかどうかが判断され、YESであればステップS203へ移行し、NOであればステップS207へ移行する。
【0057】
ステップS203では定常時判断フラグF=1とし、ステップS204へ移行する。
【0058】
ステップS204では偏差ΔPに比例項の減圧時通常ゲインKdpおよび減圧時補正ゲインKγdpを乗じて減圧側定常時比例項Pdγを演算し、ステップS205へ移行する。
【0059】
ステップS205では偏差ΔPの積分値に積分項の減圧時通常ゲインKdiおよび減圧時補正ゲインKγdiを乗じて減圧側定常時積分項Idγを演算し、ステップS206へ移行する。
【0060】
ステップS206では偏差ΔPの微分値に微分項の減圧時通常ゲインKddおよび減圧時補正ゲインKγddを乗じて減圧側定常時微分項Ddγを演算し、ステップS211へ移行する。
【0061】
ステップS207では定常時判断フラグF=0とし、ステップS208へ移行する。
【0062】
ステップS208では偏差ΔPに比例項の減圧時通常ゲインKdpを乗じて通常減圧時比例項Pを演算し、ステップS209へ移行する。
【0063】
ステップS209では偏差ΔPの積分値に積分項の減圧時通常ゲインKdiを乗じて通常減圧時積分項Iを演算し、ステップS210へ移行する。
【0064】
ステップS210では偏差ΔPの微分値に微分項の減圧時通常ゲインKddを乗じて通常減圧時微分項Dを演算し、ステップS211へ移行する。
【0065】
ステップS211では定常時または通常時の各成分の和Pdγ+Idγ+DdγまたはPd+Id+Ddを減圧側FB制御量=Pn(FB)またはPabs(FB)として出力し、制御を終了する。
【0066】
[従来例と本願における経時変化の対比]
図8は、従来例と本願の液圧変化の対比を示すタイムチャートである。細実線を目標液圧Pr、太線を本願における実液圧P、破線を従来例における実液圧P'とする。
【0067】
(時刻t1)
時刻t1において増圧要求が出力され、目標液圧Prが上昇して実液圧Pが立ち上がる。
【0068】
(時刻t2)
時刻t2において目標液圧Prが定常状態に達し、目標液圧Prの時間勾配dPr/dt<閾値dPuとなる。
【0069】
(時刻t3)
時刻t3において目標液圧Prと実液圧Pの差分ΔP<閾値ΔPuとなり、本願では定常時判断フラグF=1となって補正ゲインKγの値を変更し、定常時におけるFB制御量P*(FB)γを出力する。このため本願では目標液圧Prと実液圧Pの乖離は小さいものとなる。
一方、従来例ではゲインKの値は通常時のまま変更されないため、実液圧P'が目標液圧Prを大きく上回る。モータ駆動のポンプによってホイルシリンダ圧を増圧する場合、ポンプ及びモータのイナーシャの影響により、速やかに増圧から保持に至らない。そのため応答遅れの影響が顕著となる。
【0070】
(時刻t4)
時刻t4において従来例、本願ともに実液圧P',P=目標液圧Prとなる。
【0071】
(時刻t5)
時刻t5において本願、従来例ともに実液圧P,P'が目標液圧Prと同一値となる。
【0072】
(時刻t6)
時刻t6において減圧要求が出力され、目標液圧Prが減少傾向となる。本願および従来例の実液圧P,P'が減少を開始するが、従来例ではゲイン値が変更されないため応答遅れが生じる。
【0073】
(時刻t7)
時刻t7において目標液圧Prが0となる。
【0074】
(時刻t8)
時刻t8において本願、従来例ともに実液圧P,P‘が0となる。
【0075】
[本願実施例の効果]
本願実施例では、増圧時において目標液圧Prの時間勾配dPr/dtが閾値dPu未満であって、かつ目標液圧Prと実液圧Pとの差分ΔPが閾値ΔPu未満である場合に補正ゲインKγの値を変更する。一方、減圧時においては、dPr/dtが閾値dPdを超過し、かつ差分ΔPが閾値ΔPdを超過する場合に補正ゲインKγの値を変更することとした。
【0076】
これにより、制御ハンチングの発生を抑制しつつ応答性を向上させることができる。とりわけ、本願油圧回路のようにモータM1,M2によってポンプP1,P2を駆動し、ホイルシリンダ圧を増圧させる構成をとった場合、モータおよびポンプのイナーシャのため、増圧指令から保持指令に変わっても引き続きポンプが回転し、増圧されるおそれがあるため、本願のゲイン変更制御が効果的となる。
【0077】
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0078】
さらに、上記各実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
【0079】
(イ) 請求項1記載の車両の制動制御装置において、
前記制動力制御手段はPID制御を実行し、増圧時において前記目標制動力の時間勾配が所定値以下の場合、PID制御における比例項および微分項のゲインを小さくする一方、積分項のゲインを増加させること
を特徴とする車両の制動制御装置。
【0080】
ゲイン変更時の制御安定性を向上させることができる。
【0081】
(ロ) 請求項1記載の車両の制動制御装置において、
前記制動力制御手段はPID制御を実行し、減圧時において前記目標制動力の時間勾配が所定値以上である場合にPID制御における比例項および微分項のゲインを小さくする一方、積分項のゲインを増加させること
を特徴とする車両の制動制御装置。
【0082】
ゲイン変更時の制御安定性を向上させることができる。
【0083】
(ハ) 上記(イ)に記載の車両の制動制御装置において、
前記差分が所定値以上である場合にはゲインの変更を行わないこと
を特徴とする車両の制動制御装置。
【0084】
目標液圧と実液圧との偏差が大きい場合に応答性を向上させることができる。
【0085】
(ニ) 上記(ロ)に記載の車両の制動制御装置において、
前記差分が所定値以上である場合にはゲインの変更を行わないこと
を特徴とする車両の制動制御装置。
【0086】
目標液圧と実液圧との偏差が大きい場合に応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本願車両の制動制御装置のシステム構成図である。
【図2】液圧ユニットの油圧回路図である。
【図3】ブレーキECUの制御ブロック図である。
【図4】サーボ制御ユニットの制御ブロック図である。
【図5】フィードバック制御部の制御ブロック図である。
【図6】増圧時フィードバック制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】減圧時フィードバック制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】従来例と本願の液圧変化の対比を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1 マスタシリンダ
2 ストロークセンサ
3 ストロークシミュレータ
4 ブレーキペダル
5 ホイルシリンダ
6 後輪側ブレーキアクチュエータ
7 電動キャリパ
8 車輪速センサ
9 回生ブレーキ装置
10 メインECU
11 リザーバ
21、22 シャットオフバルブ
23、24 インバルブ
25、26 アウトバルブ
27、28 チェックバルブ
31〜34 油路
41〜48 油路
51〜54 液圧センサ
100 ブレーキECU
110 通常ブレーキ制動力演算部
120 ABS制御部
130 制御切替部
140 サーボ制御ユニット
141 モード切替部
142 フィードフォワード制御部
143 フィードバック制御部
143a ハイパスフィルタ
143b 液圧判断部
143c 補正ゲイン設定部
143d PID制御部
144 最終目標液圧決定部
145 モータ電圧変換部
146 電磁弁電流変換部
200 液圧ユニット
FL〜RR 車輪
M1、M2 モータ
P1,P2 ポンプ




 

 


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