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発明の名称 車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−28874(P2007−28874A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−211493(P2005−211493)
出願日 平成17年7月21日(2005.7.21)
代理人 【識別番号】100122884
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 芳末
発明者 宮内 努 / 嶋田 基巳 / 豊田 瑛一
要約 課題
電力貯蔵装置の急峻なエネルギー授受を回避し、電力貯蔵装置の長寿命化を図り、車両のメンテナンスや部品交換の手間を省く。

解決手段
列車制御装置9は、電力貯蔵装置6の温度を検出し、電力貯蔵装置6の温度に基づいて電力貯蔵装置6の放電電流の許容値を決定し、電力貯蔵装置6の放電電流の許容値が第1の閾値を上回った場合に、複数の発電装置4、4−2、4−nのうち未起動の発電装置4、4−2、4−nを起動し、当該発電装置4、4−2、4−nを高効率点で運転させるとともに、電力貯蔵装置6の放電電流と電圧から決まる電力量と、起動済みの発電装置の出力電力量の和が、運転台10からの駆動指令に基づいて求められる鉄道車両の走行に必要な必要電力量となるように、電力貯蔵装置6の放電電流を制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料により発電する複数の発電装置と、
前記発電装置の電力を変換する第1の電力変換機と、
前記第1の電力変換機によって変換された電力を蓄える電力貯蔵装置と、
前記第1の電力変換機の出力電力及び/又は前記電力貯蔵装置の電力と車両を駆動する電動機の電力とを相互に変換する第2の電力変換機と、
前記発電装置並びに前記第1及び前記第2の電力変換機を制御する列車制御装置と、
前記列車制御装置に駆動指令を出力する運転台と、
を有する少なくとも2車両以上から編成してなる車両であって、
前記列車制御装置は、前記電力貯蔵装置の温度を検出し、前記電力貯蔵装置の温度に基づいて前記電力貯蔵装置の放電電流の許容値を決定し、
前記電力貯蔵装置の放電電流の許容値が第1の閾値を上回った場合に、前記複数の発電装置のうち未起動の発電装置を起動し、当該発電装置を高効率点で運転させるとともに、前記電力貯蔵装置の放電電流と前記電力貯蔵装置の電圧から求まる前記電力貯蔵装置の電力と、起動済みの前記発電装置の出力電力の和が、前記運転台からの駆動指令に基づいて求められる走行に必要な駆動電力となるように、前記電力貯蔵装置の放電電流を制御するようにしたことを特徴とする車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両であって、
前記列車制御装置は、全ての前記発電装置が高効率点で運転され、前記電力貯蔵装置の放電電流の許容値が第1の閾値を上回った場合に、前記複数の発電装置を順次最大出力点で運転させるようにしたことを特徴とする車両。
【請求項3】
請求項1記載の車両であって、
前記列車制御装置は、前記電力貯蔵装置の温度を検出し、前記電力貯蔵装置の温度に基づいて前記電力貯蔵装置の充電電流の許容値を決定し、
少なくとも一つの前記発電装置が動作している場合であって、前記電力貯蔵装置の充電電流の許容値が前記電力貯蔵装置の温度から決定される第2の閾値を上回った場合に、最大出力点で運転している前記発電装置を順次高効率点で運転させ、また全ての前記発電装置が高効率点で運転している場合は、順次停止することを特徴とする車両。
【請求項4】
請求項1記載の車両であって、
前記列車制御装置は、前記複数の発電装置を起動するにあたり、前記発電装置の燃料消費量又は残存燃料量に基づいて起動順を変化させることを特徴とする車両。
【請求項5】
燃料により発電する複数の発電装置と、
前記発電装置の電力を変換する第1の電力変換機と、
前記第1の電力変換機によって変換された電力を蓄える電力貯蔵装置と、
前記第1の電力変換機の出力電力及び/又は前記電力貯蔵装置の電力と車両を駆動する電動機の電力とを相互に変換する第2の電力変換機と、
前記発電装置並びに前記第1及び前記第2の電力変換機を制御する列車制御装置と、
前記列車制御装置に駆動指令を出力する運転台とを有する少なくとも2車両以上から編成してなる車両であって、
前記列車制御装置は、前記運転台からの駆動指令及び前記駆動指令に対する前記発電装置の出力を検出し、
前記駆動指令による運転状態及び前記駆動指令に対する前記発電装置の出力による前記複数の発電装置の燃料消費率に基づいて、前記複数の発電装置のうち起動させる発電装置の台数を決定することを特徴とする車両。
【請求項6】
燃料により発電する複数の発電装置と、
前記発電装置の電力を変換する第1の電力変換機と、
前記第1の電力変換機によって変換された電力を蓄える電力貯蔵装置と、
前記第1の電力変換機の出力電力及び/又は前記電力貯蔵装置の電力と車両を駆動する電動機の電力とを相互に変換する第2の電力変換機と、
前記発電装置並びに前記第1及び前記第2の電力変換機を制御する列車制御装置と、
前記列車制御装置に駆動指令を出力する運転台とを有する少なくとも2車両以上から編成してなる車両であって、
前記列車制御装置は、前記運転台からの駆動指令及び前記電力貯蔵装置の電力量を検出し、
前記駆動指令による運転状態が制動時において前記電力貯蔵装置の充電可能な電力量が0(ゼロ)になった場合に、前記発電装置に対して排気ブレーキを作動させることを特徴とする車両。
【請求項7】
燃料により発電する複数の発電装置と、
前記発電装置の電力を変換する第1の電力変換機と、
前記第1の電力変換機によって変換された電力を蓄える電力貯蔵装置と、
前記第1の電力変換機の出力電力及び/又は前記電力貯蔵装置の電力と車両を駆動する電動機の電力とを相互に変換する第2の電力変換機と、
前記発電装置並びに前記第1及び前記第2の電力変換機を制御する列車制御装置と、
前記列車制御装置に駆動指令を出力する運転台と、
を有する少なくとも2車両以上から編成してなる車両であって、
前記列車制御装置は、前記運転台からの駆動指令及び前記電力貯蔵装置の温度を検出し、前記駆動指令による運転状態が制動時以外において前記電力貯蔵装置の温度に基づいて、前記複数の発電装置のうち起動させる発電装置の台数を決定することを特徴とする車両。
【請求項8】
請求項1、2、3記載の車両において、
前記列車制御装置は、前記電力貯蔵装置の温度に対する第1の閾値又は第2の閾値の関係の履歴を記憶する車両。
【請求項9】
請求項8記載の車両において、
前記列車制御装置は、前記電力貯蔵装置の総使用時間による劣化を考慮した前記履歴を記憶する車両。
【請求項10】
請求項8記載の車両において、
前記列車制御装置は、周期的又は任意のタイミングで前記電力貯蔵装置の温度に対する第1の閾値又は第2の閾値の関係を更新する車両。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電力貯蔵装置等のエネルギー蓄積装置とディーゼルエンジン発電機等の発電装置を搭載した少なくとも2車両以上から編成してなる車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エンジン発電機のほかにバッテリ、キャパシタ等の電力貯蔵装置を搭載して電動機へ電力を供給するハイブリッド車両が知られている。このような車両を複数連結した列車において、動力を分散して保持する複数のエンジンを、列車の必要とする負荷に応じ、燃費が最小となるように当該複数のエンジンの回転数を個別に制御し、エンジンの出力が不足した場合、不足したエネルギーを電力貯蔵装置から補充するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−198102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1に記載の列車は、登坂などの運転時にエンジンの出力が不足した場合にエネルギーを電力貯蔵装置から補充するものであり、電力貯蔵装置への充電電流及び電力貯蔵装置からの放電電流による劣化については考慮されていない。このような電力貯蔵装置においては、装置に対する充放電電流が小さいほど、エネルギーロスが発生しにくく、逆に装置に対する充放電電流が急峻になればなるほど、エネルギーロスが発生しやすくなる。このエネルギーロスは、熱へと変化して、そのまま電力貯蔵装置の温度上昇につながり、電力貯蔵装置の内部材料の物性を変化させてしまう。その結果、電力貯蔵装置の最大蓄電量の低下や、蓄電速度の遅延化に繋がるといった問題が生じる。
【0004】
また列車の制動時は、電動機から電力貯蔵装置への回生により電動機に制動力を発生させ、電力貯蔵装置を回生により充電する良い機会である。しかし、回生による過充電で電力貯蔵装置の充電量が一杯の場合にはこれ以上の回生が望めない。このため、電動機に連結される車軸又は車輪に対して空気ブレーキを作動させる必要があるが、空気ブレーキによる制動は車軸又は車輪に対する摩擦を伴うため、ブレーキシュー等の磨耗により、列車のメンテナンスや部品交換の手間がかかるという問題が生じる。
【0005】
そこで本発明は、当該電力貯蔵装置に対する急峻な充放電電流を回避し、電力貯蔵装置の長寿命化を図り、列車のメンテナンスや部品交換の手間を省くことができる車両を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明は、燃料により発電する複数の発電装置と、前記発電装置の電力を変換する第1の電力変換機と、前記第1の電力変換機によって変換された電力を蓄える電力貯蔵装置と、前記第1の電力変換機の出力電力及び/又は前記電力貯蔵装置の電力と車両を駆動する電動機の電力とを相互に変換する第2の電力変換機と、前記発電装置並びに前記第1および前記第2の電力変換機を制御する列車制御装置と、前記列車制御装置に駆動指令を出力する運転台とを有する車両であって、
前記列車制御装置は、前記電力貯蔵装置の温度を検出し、前記電力貯蔵装置の温度に基づいて前記電力貯蔵装置の放電電流の許容値を決定し、前記電力貯蔵装置の放電電流の許容値が、第1の閾値を上回った場合に、前記複数の発電装置のうち未起動の発電装置を起動し、当該発電装置を高効率点で運転させるとともに、前記電力貯蔵装置の放電電流と前記電力貯蔵装置の電圧から求まる前記電力貯蔵装置の電力と、起動済みの前記発電装置の出力電力の和が、前記運転台からの駆動指令に基づいて求められる走行に必要な電力量となるように、前記電力貯蔵装置の放電電流を制御することである。
【0007】
好ましくは、前記列車制御装置は、全ての前記発電装置が高効率点で運転され、かつ前記電力貯蔵装置の放電電流の許容値が第1の閾値を上回った場合、前記複数の発電装置を順次最大出力点で運転させることである。
また好ましくは、前記列車制御装置は、前記電力貯蔵装置の温度を検出し、前記電力貯蔵装置の温度に基づいて前記電力貯蔵装置の充電電流の許容値を決定し、少なくとも一つの前記発電装置が動作している場合であって、前記電力貯蔵装置の充電電流の許容値が第2の閾値を上回った場合、最大出力点で運転している前記発電装置を順次高効率点で運転させ、また全ての前記発電装置が高効率点で運転している場合は、順次停止することである。
また好ましくは、前記列車制御装置は、前記複数の発電装置を起動、停止するにあたり、前記発電装置の燃料消費量または残存燃料量に基づいて起動順を変化させることである。
【0008】
また本発明は、燃料により発電する複数の発電装置と、前記発電装置の電力を変換する第1の電力変換機と、前記第1の電力変換機によって変換された電力を蓄える電力貯蔵装置と、前記第1の電力変換機の出力電力及び/又は前記電力貯蔵装置の電力と車両を駆動する電動機の電力とを相互に変換する第2の電力変換機と、前記発電装置並びに前記第1および前記第2の電力変換機を制御する列車制御装置と、前記列車制御装置に駆動指令を出力する運転台とを有する車両であって、前記列車制御装置は、前記運転台からの駆動指令及び前記駆動指令に対する前記発電装置の出力を検出し、前記駆動指令による運転状態及び前記複数の発電装置の燃料消費率に基づいて、前記複数の発電装置のうち起動させる発電装置の台数を決定することである。
【0009】
また本発明は、燃料により発電する複数の発電装置と、前記発電装置の電力を変換する第1の電力変換機と、前記第1の電力変換機によって変換された電力を蓄える電力貯蔵装置と、前記第1の電力変換機の出力電力及び/又は前記電力貯蔵装置の電力と車両を駆動する電動機の電力とを相互に変換する第2の電力変換機と、前記発電装置並びに前記第1および前記第2の電力変換機を制御する列車制御装置と、前記列車制御装置に駆動指令を出力する運転台とを有する車両であって、前記列車制御装置は、前記運転台からの駆動指令及び前記電力貯蔵装置の電力量を検出し、前記駆動指令による運転状態が制動時において前記電力貯蔵装置の充電可能な電力量が0(ゼロ)になった場合、排気ブレーキを作動させることである。
【0010】
また本発明は、燃料により発電する複数の発電装置と、前記発電装置の電力を変換する第1の電力変換機と、前記第1の電力変換機によって変換された電力を蓄える電力貯蔵装置と、前記第1の電力変換機の出力電力及び/又は前記電力貯蔵装置の電力と車両を駆動する電動機の電力とを相互に変換する第2の電力変換機と、前記発電装置並びに前記第1及び前記第2の電力変換機を制御する列車制御装置と、前記列車制御装置に駆動指令を出力する運転台とを有する車両であって、前記列車制御装置は、前記運転台からの駆動指令及び前記電力貯蔵装置の温度を検出し、前記駆動指令による運転状態が制動時以外において前記電力貯蔵装置の温度に基づいて、前記複数の発電装置のうち起動させる発電装置の台数を決定することである。
【0011】
また本発明における前記列車制御装置は、前記電力貯蔵装置の温度に対する第1の閾値又は第2の閾値の関係の履歴を記憶する車両である。
また本発明における前記列車制御装置は、前記電力貯蔵装置の総使用時間による劣化を考慮した前記履歴を記憶する車両である。
また本発明における前記列車制御装置は、周期的又は任意のタイミングで前記電力貯蔵装置の温度に対する第1の閾値又は第2の閾値の関係を更新することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電力貯蔵装置への急峻な充放電を回避し、エネルギーロスを防ぐとともに、電力貯蔵装置の温度を適切な温度に保つことで、電力貯蔵装置の長寿命化を図ることができる。
また本発明によれば、列車のメンテナンスや部品交換の手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について、適宜、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態による列車の概略構成図である。
この図では、複数の車両1、1−2、・・・、1−nから編成される列車を示し、列車のうち3つの車両1、1−2、1−nに電動機2、2−2、2−nが搭載され、この複数の電動機2、2−2、2−nによって電動機に連結される車軸及び車輪を回転させることにより列車全体が駆動される。なお、電動機2、2−2、2−nが搭載されている車両は3両に限られるものではなく、また運転台10が搭載されている先頭車両1に電動機2が搭載されていなくても良い。なお、電動機2、2−2、2−nが搭載されていない車両は、電動機2、2−2、2−nが搭載されている車両に従動する車軸及び車輪のみを有している。
【0014】
電動機2、2−2、2−nとしては、3相交流電動機(誘導電動機又は同期電動機)が一般的である。この電動機2、2−2、2−nに電力を供給するために、通常は電力貯蔵装置6の直流電力が電力変換装置5、5−2、5−nで交流化されて電動機2、2−2、2−nに供給される。またこの電力変換装置5、5−2、5−nには、電力貯蔵装置6からの電力のみならず、発電装置4、4−2、4−nから電力変換装置3、3−2、3−nを介して電力が供給される。
【0015】
発電装置4、4−2、4−nは、例えばディーゼルエンジン等の動力発生装置(以下、エンジンと略称する)と発電機が組合されて構成される。このエンジンは、排気を制御することによって逆噴射状態とすることにより、排気ブレーキとして働かせることが可能である。尚、発電装置4、4−2、4−nはディーゼルエンジンと発電機の組合せに限られるものではなく、例えば燃料電池を採用しても良い。またこの発電装置4、4−2、4−nを制御する制御装置13、13−2、13−nは、エンジンの燃料消費量や残存燃料量を監視する機能を有していることが好ましい。
【0016】
電力貯蔵装置6は、ニッケルカドミウム電池、リチウムイオン電池、鉛電池などの2次電池から構成された充放電可能な電力貯蔵装置である。この電力貯蔵装置6を制御する制御装置14は、例えば電力貯蔵装置6の充放電電流を検出してそれを積算することにより電力貯蔵装置6の蓄電量を把握する機能を有する。
温度検出部15は、電力貯蔵装置6が使用されているときの温度を検出する手段である。
【0017】
列車制御装置9は、運転台10から運転手の指令を受取って、発電装置4、4−2、4−nの制御装置13、13−2、13−n、電力変換装置3、3−2、3−nの制御装置12、12−2、12−n、電力変換装置5、5−2、5−nの制御装置11、11−2、11−n、電力貯蔵装置6の制御装置14、また図示しない空気ブレーキ制御装置を制御する。
【0018】
ここで、列車制御装置9は、電力貯蔵装置6の温度を温度検出部15で検出し、電力貯蔵装置6の温度に基づいて電力貯蔵装置6の放電電流の許容値を決定する。そして、列車制御装置9は、電力貯蔵装置6の放電電流の許容値が、第1の閾値を上回った場合に、複数の発電装置4、4−2、4−nのうち未起動の発電装置を起動し、当該発電装置を高効率点で運転させる。
【0019】
これとともに、列車制御装置9は、電力貯蔵装置6の放電電流と電力貯蔵装置6の電圧から求まる電力貯蔵装置6の電力と、起動済みの発電装置の出力電力の和が、運転台10からの駆動指令に基づいて求められる走行に必要な電力量となるように、電力貯蔵装置6の放電電流を制御する。
【0020】
また、列車制御装置9は、全ての発電装置4、4−2、4−nが高効率点で運転され、かつ電力貯蔵装置6の放電電流の許容値が第1の閾値を上回った場合、複数の発電装置4、4−2、4−nを順次最大出力点で運転させる。
【0021】
また、列車制御装置9は、温度検出部15で検出された電力貯蔵装置6の温度に基づいて電力貯蔵装置6の充電電流の許容値を決定する。そして、少なくとも一つの発電装置4、4−2、または4−nが動作している場合であって、電力貯蔵装置6の充電電流の許容値が第2の閾値を上回った場合、最大出力点で運転している発電装置4、4−2、4−nを順次高効率点で運転させる。また、全ての発電装置4、4−2、4−nが高効率点で運転している場合は、発電装置4、4−2、4−nを順次停止させる。
【0022】
また、列車制御装置9は、複数の発電装置4、4−2、4−nを起動あるいは停止するにあたり、発電装置4、4−2、4−nの燃料消費量または残存燃料量に基づいて起動の順序を変化させるようにしている。
また、列車制御装置9は、運転台10からの駆動指令及び駆動指令に対する発電装置4、4−2、4−nの出力を検出し、駆動指令による運転状態及び複数の発電装置4、4−2、4−nの燃料消費率に基づいて、複数の発電装置4、4−2、4−nのうち起動させる発電装置4、4−2、4−nの台数を決定する。
【0023】
さらに、列車制御装置9は、運転台10からの駆動指令及び電力貯蔵装置6の電力量を検出し、駆動指令による運転状態が制動時において電力貯蔵装置6の充電可能な電力量が0(ゼロ)になった場合、排気ブレーキを作動させる。
また、列車制御装置9は、運転台10からの駆動指令及び電力貯蔵装置6の温度を検出し、駆動指令による運転状態が制動時以外において電力貯蔵装置6の温度に基づいて、複数の発電装置4、4−2、4−nのうち起動させる発電装置4、4−2、4−nの台数を決定する。
【0024】
また、列車制御装置9は、電力貯蔵装置6の温度に対する第1の閾値又は第2の閾値の関係の履歴を内部のメモリにテーブルなどとして記憶する。例えば、温度が定常使用温度を超えて上昇する毎に第1の閾値又は第2の閾値の値を小さくする。
また、列車制御装置9は、電力貯蔵装置6の総使用時間による劣化を考慮した履歴を記憶する。例えば、電力貯蔵装置6の総使用時間が大きくなる毎に第1の閾値又は第2の閾値の値を小さくする。
【0025】
また、列車制御装置9は、周期的又は任意のタイミングで電力貯蔵装置6の温度に対する第1の閾値又は第2の閾値の関係を更新する。例えば、履歴から温度が定常使用温度に戻ったときは第1の閾値又は第2の閾値の値を大きくする。また、例えば、24時間毎又は1週間毎に切替操作により新しい履歴に更新する。
なお、電力貯蔵装置6および列車制御装置9は、運転台10のある車両に搭載されていなくても良い。
【0026】
図2及び図3に発電装置4のエンジンの動力制御ノッチとその動力装置回転数、出力、及び燃料消費率の関係及び数値例を示す。図2はエンジンの特性を示すものであり、エンジンによって異なる。ここで挙げた例では、動力制御ノッチが“2”のとき、24で示すように200(g/kwh)で一番燃料消費率が良く、26で示す中程度の出力特性となり、以下ではこれを高効率点とする。また動力制御ノッチが“3”のときが25で示す最大出力点となる。このとき、21と22の中間で示すように225(g/kwh)で一番燃料消費率が悪い。また動力制御ノッチが“1”のときが最低出力(曲線27参照)となる。このとき、22で示すように220(g/kwh)で燃料消費率が悪い。
【0027】
また、動力制御ノッチ1よりも低い動力装置回転数で図示しないアイドル状態がある。
ここで設定したノッチはアイドルを含めて4ポジションであるが、用途に応じてポジション数が4ではなくても、本発明の実施の形態に適用可能である。
【0028】
図3に具体的な数値例を示すように、動力制御ノッチ31が1のとき、動力装置回転数32は1300(rpm)、出力33は150(kw)、燃料消費率34は208(g/kwh)である。また、動力制御ノッチ31が2のときは、動力装置回転数32は1600(rpm)、出力33は300(kw)、燃料消費率34は200(g/kwh)となる。動力制御ノッチ31が3のときは、動力装置回転数32は2200(rpm)、出力33は450(kw)、燃料消費率34は215(g/kwh)である。そして、動力制御ノッチ31がアイドルのときは、動力装置回転数32は600(rpm)、出力33は10(kw)、燃料消費率34は350(g/kwh)となっている。
【0029】
また電力貯蔵装置6の充電量を調整する出力点として1ノッチを設定し、また出力10(kw)、動力装置回転数600(rpm)の点をアイドルとした。以下の実施形態ではこの動力制御ノッチ1及びアイドルの二つのノッチ位置について言及しないが、電力貯蔵装置6の充電状態や列車の運転状態により、列車制御装置9はこの二つのノッチ位置を任意に使用可能である。例えば以下で「停止」とするところを、アイドルに置き換えることが可能である。
【0030】
以下、このように構成された車両の動作について図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態の列車制御装置9の動作を示すフローチャートである。図5は運転台10の指令とその運転状態、電力貯蔵装置6の制御指令、発電装置4の制御指令の関係を示す図である。図6は、車両の動作を示すタイムチャートであり、図6Aは運転状態、図6Bは使用範囲の蓄電容量、図6Cは電力貯蔵装置充放電電流、図6Dはエンジン運転パターンである。図7は、電力貯蔵装置6の温度と動力装置の起動停止条件である第1の閾値、第2の閾値との関係を示す図である。
【0031】
図6における期間TA、TB、TCは、図6Aに示すように、運転状態が加速61状態であることを示している。このとき、図5に示されるように、運転台10の指令51がパワーノッチ、運転状態52が加速状態、バッテリ制御指令53が放電状態、発電装置指令54が高効率点〜最大出力点での運転の状態となるか、あるいは運転台10の指令51が定速ボタン(ON状態)であるとき、運転状態52が定速状態、バッテリ制御指令53が充電又は放電状態、発電装置指令54が高効率点〜最大出力点での運転又は排気ブレーキによる平地または登坂時の運転の状態となる。
【0032】
次に、図4のフローチャートを用いて、列車制御装置9の動作を詳細に説明する。
図4のステップS1で制御開始後、ステップS2で運転台10からの指令がブレーキであるかどうかが判断される。運転状態が加速状態の場合は指令がブレーキではないので、ステップS3に進む。ステップS3では、電力貯蔵装置6の放電電流が閾値αを上回ったかどうか判断される。
【0033】
ここで、電力貯蔵装置6の閾値αは、予め電力貯蔵装置6の温度によって決定されるのが望ましい。すなわち、列車運転開始前の電力貯蔵装置6の温度は、列車運転中と比較して温度が低いことから、寿命に影響を与えにくい、できるだけ大きい電流値とすべきであり、省エネルギーの観点から考えると、1台の発電装置4が高効率点で運転したときに賄えるエネルギーであることが望ましい。
【0034】
例えば、定常温度時の閾値αは、図3の数値例であれば、動力制御ノッチ31が2のとき出力33が300(kw)となる電流である(例えば、定格1500(V)の2次電池を用いた場合には、200(A)である)。一方、列車が運転されていくにつれ、電力貯蔵装置6の充放電が進み、充放電のロスにより電力貯蔵装置6の電池温度が上昇している場合には、閾値αは、少しずつ最初の値よりも下げていくことが望ましい。例えば、電力貯蔵装置6の充電量まで下げる。
【0035】
図3の数値例を用いて説明すると、動力制御ノッチ31が“1”のとき、出力33が150(kw)となる電流量まで順次リニア又は段階的に下げていくことになる(例えば、定格1500(V)の2次電池を用いた場合には、100(A)である。)。ただし、冷却設備により電力貯蔵装置6の温度が定常温度時まで下がっていった場合には、再び閾値αを定常温度時まで上昇させていくことが望ましい(図7参照)。なお、温度上昇時の閾値αの下げ幅については電力貯蔵装置6の種類や使用頻度、使用時間などによる劣化を考慮して変えていくものとする。
【0036】
図7では、電力貯蔵装置6の電池温度が0〜30度までの定常温度時には閾値αは、発電装置4、4−2、4−nの最大効率出力電流に相当する電流である。これに対して、電力貯蔵装置6の電池温度が30,40,50、60度までの温度上昇時には閾値αは、発電装置4の充電調整出力電流に相当する電流まで順次リニア又は段階的に下げた値である。
【0037】
次に、ステップS3で電力貯蔵装置6の放電電流が閾値αを上回った場合には、ステップS4で起動していない発電装置4、4−2、4−nがあるかどうかを判断する。起動していない発電装置4、4−2、4−nがあった場合には、ステップS5で起動していない発電装置4、4−2、4−nを起動し、それを高効率点とする。すなわち当該発電装置4、4−2、4−nの動力制御ノッチを“2”で運転させる。
【0038】
その後ステップS6において、電力貯蔵装置6の放電電流と電圧から決まる出力電力量と起動済みの発電装置4、4−2、4−nの出力電力量の和が、運転台10からの駆動指令に基づいて求められる列車の走行に必要な必要電力量となるように、電力貯蔵装置6の放電電流を制御する。
【0039】
上記のステップS2〜ステップS6までの処理は全ての発電装置4、4−2、4−nが高効率点で運転するまで継続される。図6における期間TAがこのステップS2〜ステップS6までの処理に相当する。例えば、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が期間TAで1番目に閾値α(放電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの1台目を停止状態から最適出力状態(動力制御ノッチ2)に制御する。
【0040】
次に、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が2番目に閾値α(放電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの2台目を停止状態から最適出力状態に制御する。また、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が3番目に閾値α(放電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの3台目を停止状態から最適出力状態に制御する。さらに、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が4番目に閾値α(放電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの4台目を停止状態から最適出力状態に制御する。
【0041】
図4のステップS3で電力貯蔵装置6の放電電流が閾値αを上回り、かつステップS4で全ての発電装置4、4−2、4−nが起動済みであった場合には、ステップS8へ進む。ステップS8で起動済み発電装置4、4−2、4−nのうち最大出力点で運転されていないものがあるか否かを判断し、ステップS9で起動済み発電装置4、4−2、4−nのうち最大出力点で運転されていないもののうちの1台を順次最大出力点(動力制御ノッチ3)で運転させる。その後ステップS6に移行する。
【0042】
上記のステップS3、ステップS4、ステップS8、ステップS9までの処理は全ての発電装置4、4−2、4−nが最大出力点で運転するまで継続される。図6では期間TBがステップS3、ステップS4、ステップS8、ステップS9までの処理に相当する。例えば、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が期間TBで1番目に閾値α(放電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの1台目を最適出力状態から最大出力状態(動力制御ノッチ3)に制御する。
【0043】
次に、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が2番目に閾値α(放電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの2台目を最適出力状態から最大出力状態に制御する。また、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が3番目に閾値α(放電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの3台目を最適出力状態から最大出力状態に制御する。さらに、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が4番目に閾値α(放電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの4台目を最適出力状態から最大出力状態に制御する。
【0044】
ここで全ての発電装置4、4−2、4−nが最大出力点で運転されている場合には、電力貯蔵装置6の放電電流が閾値αを超えた場合でも、ステップS6で不足するエネルギーを補うために電力貯蔵装置6から供給する。図6では期間TCがこれに相当する。例えば、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が期間TCで閾値α(放電電流)超えて最高放電電流に到達した時点まで、図6Bの電力貯蔵装置6の使用範囲の蓄電容量は放電電流を補うように減少する。
【0045】
このように発電装置4、4−2、4−nを順次起動させることにより、発電装置4、4−2、4−nを一括起動した場合に比べ、必要な電力量に見合った起動台数に抑えることができ、燃費を向上することが可能となる。
【0046】
また、電力貯蔵装置6の放電電流と電圧から決まる出力電力量が、発電装置4、4−2、4−nの1台分の出力電力に相当する電力量を供給した場合には、その出力電力を発電装置4、4−2、4−nが肩代わりするかたちで順次起動することなる。これにより、電力貯蔵装置6の連続的な電流の放電を抑えることができるので、電力貯蔵装置6の急峻な出力を回避することができ、電力貯蔵装置6の長寿命化を可能にするという効果が期待できる。
【0047】
なお、ステップS5及びステップS9において、次に起動する発電装置4、4−2、4−n又は最大出力点で運転させる発電装置4、4−2、4−nは、各発電装置4、4−2、4−nの制御装置13、13−2、13−nが把握しているエンジンの燃料消費量や残存燃料量に基づき決定することが好ましい。すなわち燃料消費量が相対的に多かった発電装置4、4−2、4−nよりも燃料消費量が少なかった発電装置4、4−2、4−nを優先的に起動又は最大出力点運転とする。又は残存燃料量が多い発電装置4、4−2、4−nを優先的に起動又は最大出力点運転とすることにより、各発電装置4、4−2、4−nの燃料消費や発熱の偏りを回避し、各発電装置4、4−2、4−nの長寿命化を図ることができる。また、このような運転の手法をとることにより、各発電装置4、4−2、4−nの燃料供給時期の調整を有利に進めることができる。
【0048】
また、ステップS5で起動させる発電装置4、4−2、4−nの台数を、鉄道車両の運転状態及び各発電装置の燃料消費率に基づいて決定することが有効である。列車の運転状態や経年変化などにより、それぞれの発電装置4、4−2、4−nの燃料消費率は互いに異なる。そこで燃料消費率が良い(燃費が良い)発電装置4、4−2、4−nを優先的に使用することによって、列車全体の燃費を向上することが可能である。
【0049】
図6における期間TDは、図6Aに示すように、運転状態52が62で示す惰行状態となる。図5においては運転台10の指令51が“0(ゼロ)”、運転状態52が惰行状態、バッテリ制御指令53が充電又は放電、発電装置指令54が高効率点〜最大出力点での運転又は停止の場合である。
【0050】
この場合も図4のステップS1で制御開始後、ステップS2で運転台10の指令がブレーキであるかどうかが判断される。運転台10の指令が惰行状態の場合は指令がブレーキではないので、ステップS3に進む。ステップS3では、電力貯蔵装置6の放電電流が閾値αを上回ったかどうか判断されるが、ここで電力貯蔵装置6は充電状態であり、閾値αを上回ることはない。従ってステップS10に進む。
【0051】
ステップS10では、電力貯蔵装置6の充電により、電力貯蔵装置6の充電電流が閾値βを上回ったかどうかが判断される。閾値βを上回らなかった場合はステップS13に進み、電力貯蔵装置6に充電する。
ステップS10で電力貯蔵装置6の充電電流が閾値βを上回った場合には、ステップS11で起動済み発電装置4、4−2、4−nのうち最大出力点で運転されているものがあるか否かを判断し、ステップS12で起動済み発電装置4、4−2、4−nのうち最大出力点で運転されているもののうちの1台を順次高効率点(動力制御ノッチ2)で運転させる。その後ステップS13に移行する。
【0052】
上記のステップS10、ステップS11、ステップS12までの処理は全ての発電装置4、4−2、4−nが高効率点で運転するまで継続される。
ステップS11で起動済みの発電装置4のうち最大出力点で運転しているものがなく、すべての発電装置4、4−2、4−nが高効率運転している場合には、ステップS14で出力している発電装置4、4−2、4−nの中で燃料の一番少ないものの出力を0(ゼロ)にする。又は出力している発電装置4、4−2、4−n順次停止(又はアイドル状態と)する。その後ステップS13に移行する。
【0053】
ここで閾値βは、閾値αと同様に列車運転開始時は発電装置4、4−2、4−nの1台分の出力であることが好ましく(本実施形態は300kw(例えば、定格1500Vの2次電池を用いた場合には200Aを出力する)である。)、運転中は図7のように電力貯蔵装置6の電池温度に応じて変化させることが望ましい。またステップS14に示すように、残存燃料量が少ないものの出力を0(ゼロ)にするか、もしくは燃料消費量の多いものを優先的に停止することが好ましい。
【0054】
図7では、電力貯蔵装置6の電池温度が0〜30度までの定常温度時には閾値βは、発電装置4、4−2、4−nの最大効率出力電流に相当する電流である。これに対して、電力貯蔵装置6の電池温度が30,40,50、60度までの温度上昇時には閾値βは、発電装置4の充電調整出力電流に相当する電流まで順次リニア又は段階的に下げた値である。
【0055】
例えば、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が期間TDの最初の時点で、図6Dのエンジン運転パターンの1台目を最大出力状態から最適出力状態(動力制御ノッチ2)に制御する。次に、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が1番目に閾値β(充電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの2台目を最大出力状態から最適出力状態に制御する。また、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が2番目に閾値β(充電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの3台目を最大出力状態から最適出力状態に制御する。さらに、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が3番目に閾値β(充電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの4台目を最大出力状態から最適出力状態に制御する。
また、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が4番目に閾値β(充電電流)に到達した時点で、図6Dのエンジン運転パターンの1台目を最適出力状態から停止状態に制御する。
【0056】
図6における期間TEは、図6Aの運転状態52が63で示すように制動状態を示す。このとき、図5においては運転台10の指令51がブレーキノッチ(バッテリ充電可能)、運転状態52が減速状態、バッテリ制御指令53が充電状態、発電装置指令54が停止の場合を示している。また、図6における期間TFも、図6Aの運転状態52が61で示すように制動状態を示す。このとき、運転台10の指令51がブレーキノッチ(バッテリ充電不可能)となり、運転状態52は減速状態、かつバッテリ制御指令53はなく、発電装置指令54が排気ブレーキとなる。
また、図5において、運転台10の指令51がブレーキノッチの場合のほかに、定速ボタンON状態における下り坂の場合もある。
【0057】
次に、ステップS2において運転台10からの指令51がブレーキであると判断された場合は(運転状態52が制動状態63である場合は指令がブレーキであると判断される)、ステップ15で全ての発電装置4、4−2、4−nの出力を停止(又はアイドル状態)とする。図6における期間TEの開始点がこれに相当する。図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が期間TEの最初の時点で、図6Dのエンジン運転パターンの2,3,4台目を最適出力状態から停止状態に制御する。
【0058】
その後、ステップS16で電力貯蔵装置6が、充電可能かどうかが判断される。電力貯蔵装置6が充電可能の場合は、ステップS13で余剰の電力を電力貯蔵装置6に充電する。図6では期間TEにおいて、図6Cの電力貯蔵装置充放電電流が閾値β(充電電流)を超えて最高充電電流に到達する。
【0059】
ステップS16で電力貯蔵装置6が充電不可能、すなわち電力貯蔵装置6の充電量が一杯になった場合は、これ以上、電動機2から電力貯蔵装置6へ回生による充電ができないため、他の手段によって制動力を発生する必要がある。このとき、ステップS17で空気ブレーキよりも優先的に発電装置4、4−2、4−nを逆噴射状態にすることにより制動力を発生する排気ブレーキを作動させる。図6の期間TFに図示したように、図6Dのエンジン運転パターンの1台目の発電装置4から順次2,3,4台目の排気ブレーキを作動させても良いが、図6の期間TFの最後の時点に2,3,4台目を示すように一斉に排気ブレーキを作動させても良い。
【0060】
このようにブレーキシュー等の磨耗を伴う空気ブレーキよりも優先的に排気ブレーキを使用することにより、列車のメンテナンスや部品交換の手間を最小限に留めることができる。
【0061】
本実施形態によれば、電力貯蔵装置6への急峻な充放電を回避し、電力貯蔵装置6の長寿命化を図ることができる。また本実施形態によれば、列車のメンテナンスや部品交換の手間を省くことができるという効果がある。
【0062】
なお、本実施形態は鉄道に限らず、自動車などにおいて、複数の車両からなる場合には適用可能である。また、これに限らず、船体、飛行機などの移動体にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態による列車の概略構成図を示す。
【図2】発電装置の動力制御ノッチとその動力装置回転数、出力、及び燃料消費率の関係を示す図である。
【図3】発電装置の動力制御ノッチとその動力装置回転数、出力、及び燃料消費率の数値例を示す図である。
【図4】動作を示すフローチャートである。
【図5】運転台指令とその運転状態、電力貯蔵装置の制御指令、発電装置の制御指令の関係を示す図である。
【図6】動作を示すタイムチャートであり、図6Aは運転状態、図6Bは使用範囲の蓄電容量、図6Cは電力貯蔵装置充放電電流、図6Dはエンジン運転パターンである。
【図7】電力貯蔵装置の温度と動力装置の起動停止条件である第1の閾値、第2の閾値との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1…鉄道車両、2…電動機、3、5…電力変換装置、4…発電装置、6…電力貯蔵装置、9…列車制御装置、10…運転台、12、13、14…制御装置、15…温度検出部




 

 


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