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発明の名称 車両用アクチュエータ制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15689(P2007−15689A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2006−287402(P2006−287402)
出願日 平成18年10月23日(2006.10.23)
代理人 【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
発明者 小林 仁
要約 課題
車載の車両用アクチュエータ制御装置において、ハーネスおよびコネクタの数の削減、コントロールユニットの電子機器の熱からの保護、汎用性向上、車両搭載性の向上、組付作業性の向上、コスト低減を同時に達成すること。

解決手段
コントロールユニットCUを、演算処理を行うCPUを有したメイン制御ユニット21とアクチュエータを駆動させる駆動信号を形成する駆動制御ユニット22との2つのユニットで構成し、駆動制御ユニット22をアクチュエータユニットに一体的に組み付け、両ユニット21,22をシリアル通信線23で接続して離間させ、駆動制御ユニット22は、シリアル通信で受信した通信信号を駆動信号に変換するよう構成した。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両の状態に関する入力信号に対して予めプログラムされた処理を行う制御部、ならびに、この制御部の処理結果である制御出力量を受け取る駆動部とを有したコントロールユニットと、
前記制御出力量に応じて駆動するアクチュエータと、
を備えた車両用アクチュエータ制御装置において、
前記コントロールユニットを、前記制御部を有したメイン制御ユニットと、前記駆動部を有した駆動制御ユニットとで構成し、
前記駆動制御ユニットを、前記アクチュエータが組み付けられて構成されたアクチュエータユニットに一体的に組み付け、
一方、前記メイン制御ユニットは、前記駆動制御ユニットとは離間した所望位置に配置させ、
前記メイン制御ユニットと駆動制御ユニットとを通信線で接続させ、かつ、前記メイン制御ユニットは、制御部の処理結果をシリアル通信で出力し、
前記駆動制御ユニットはシリアル通信で受信した前記制御出力量にのみに基づいてアクチュエータを駆動するよう構成したことを特徴とする車両用アクチュエータ制御装置。
【請求項2】
車両の状態に関する入力信号に対して予めプログラムされた処理を行う制御部、ならびに、この制御部の処理結果である制御出力量を受け取る駆動部とを有したコントロールユニットと、
前記制御出力量に応じて駆動するアクチュエータと、
を備えた車両用アクチュエータ制御装置において、
前記コントロールユニットを、前記制御部を有し、前記制御出力量を出力するメイン制御ユニットと、前記駆動部を有し、前記制御出力量のみに基づいてアクチュエータを駆動する駆動制御ユニットとで構成し、
前記両ユニットを通信線で接続したことを特徴とする車両用アクチュエータ制御装置。
【請求項3】
車両の状態に関する入力信号に対して予めプログラムされた処理を行う制御部、ならびに、この制御部の処理結果である制御出力量を受け取る駆動部とを有したコントロールユニットと、
前記制御出力量に応じて駆動するアクチュエータと、
を備えた車両用アクチュエータ制御装置において、
前記コントロールユニットを、前記制御部を有したメイン制御ユニットと、前記駆動部を有した駆動制御ユニットとで構成し、前記入力信号はメイン制御ユニットのみに入力する一方、前記駆動制御ユニットを、前記アクチュエータが組み付けられて構成されたアクチュエータユニットに一体的に組み付け、一方、前記メイン制御ユニットは、前記駆動制御ユニットとは離間した所望位置に配置させ、前記メイン制御ユニットと駆動制御ユニットとを通信線で接続させ、かつ、前記メイン制御ユニットは、制御部の処理結果をシリアル通信で出力し、前記駆動制御ユニットはシリアル通信で受信した処理結果に基づいてアクチュエータを駆動するよう構成したことを特徴とする車両用アクチュエータ制御装置。
【請求項4】
入力信号に対して予めプログラムされた処理を行う制御部、ならびに、この制御部の処理結果に応じて駆動信号を形成する駆動部とを有したコントロールユニットと、
前記駆動信号により駆動するアクチュエータと、
を備えた車両用アクチュエータ制御装置において、
前記コントロールユニットを、前記制御部を有したメイン制御ユニットと、前記駆動部を有した駆動制御ユニットとで構成し、
前記メイン制御ユニットが入力する入力信号は、車両の走行状態を検出するセンサから送られる信号であり、前記センサの少なくとも一つが、メイン制御ユニットに一体的に組み付けられ、
前記駆動制御ユニットを、前記アクチュエータが組み付けられて構成されたアクチュエータユニットに一体的に組み付ける一方、前記メイン制御ユニットと駆動制御ユニットとを通信線で接続させ、かつ、前記メイン制御ユニットは、前記制御部は前記信号の情報を処理した処理結果をシリアル通信で出力を行うよう構成し、
前記駆動制御ユニットは、シリアル通信で受信した通信信号を前記駆動信号に変換しアクチュエータユニットを駆動するよう構成したことを特徴とする車両用アクチュエータ制御装置。
【請求項5】
入力信号に対して予めプログラムされた処理を行う制御部、ならびに、この制御部の処理結果に応じて駆動信号を形成する駆動部とを有したコントロールユニットと、
前記駆動信号により駆動するアクチュエータと、を備えた車両用アクチュエータ制御装置において、
前記コントロールユニットを、前記制御部を有したメイン制御ユニットと、前記駆動部を有した駆動制御ユニットとの2つのユニットで構成し、
前記駆動制御ユニットを、前記アクチュエータが組み付けられて構成されたアクチュエータユニットに一体的に組み付け、車両のエンジンルーム内に配置する一方、前記メイン制御ユニットは、車両の駆動制御ユニットとは離間したエンジンルーム外に配置させ、
前記メイン制御ユニットと駆動制御ユニットとを通信線で接続させ、かつ、前記メイン制御ユニットは、制御部の処理結果をシリアル通信で出力を行うよう構成し、
前記駆動制御ユニットは、シリアル通信で受信した通信信号を前記駆動信号に変換するよう構成したことを特徴とする車両用アクチュエータ制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用アクチュエータ制御装置に関し、特に、制動時の車輪ロックを防止するABS制御や、運転者の制動操作に関係なく制動力を発生させて車両挙動を安定方向に向かわせる挙動安定制御を実行する制動制御装置に適用するのに好適な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両の制動制御装置において、マスタシリンダと各車輪のホイルシリンダとを連通するブレーキ回路と、このブレーキ回路に設けられて、ブレーキ回路を連通させた増圧状態、ホイルシリンダをドレーン回路に連通させる減圧状態、ホイルシリンダをブレーキ回路ならびにドレーン回路に対して封止した保持状態の3状態を形成可能な液圧制御弁と、前記ドレーン回路に設けられてブレーキ液圧を蓄圧可能に構成されたリザーバと、前記ドレーン回路とブレーキ回路の液圧制御弁よりも上流位置とを連通させる還流回路と、この還流回路に設けられてリザーバに溜められたブレーキ液をブレーキ回路に戻すポンプと、前記液圧制御弁ならびにポンプを作動させる制御ユニットと、を備え、前記制御ユニットが、センサからの入力に基づいて制動時の車輪ロックを防止すべく液圧制御弁を作動させてホイルシリンダ圧を少なくとも減圧・保持させるとともに、ポンプを作動させてリザーバ内のブレーキ液をブレーキ回路に還流させるABS制御を実行する装置は周知である。
【0003】
このような従来装置にあって、制御ユニットが、車室内に搭載されたCPUを備えたコントロールユニットと、このコントロールユニットと結線されて、例えばエンジンルーム内に配置されて、アクチュエータを駆動させる信号を形成する駆動回路とで構成されている。この構造では、コントロールユニットと駆動回路との間で少なくともアクチュエータの数だけ、また、フィードバック信号やフェイルセーフ信号のための配線を考えると、アクチュエータの数のほぼ2倍の数の配線およびその接続用のコネクタが必要になり、さらに、センサとコントロールユニットを接続する配線ならびにコネクタが必要であり、配線の数ならびにコネクタの数が多くなるものであった。このため、配線の配索作業ならびに接続作業に手間がかかることから組付作業性が悪いという問題を有し、また、車室と車外との間で配線を配索するための穴を車体に開設する必要があり、この穴におけるシール構造にコストがかかるという問題、さらに、この穴から騒音が侵入するという問題、ならびにこの騒音対策にもコストを要するという問題があった。
【0004】
このような問題を解決する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。この従来技術は、制動時における車輪ロックを防止するABS制御を実行するブレーキ制御装置において、ホイルシリンダの圧力を減圧・保持・増圧させるバルブ、ホイルシリンダからドレーンさせたブレーキ液を貯留するリザーバ、このリザーバのブレーキ液をブレーキ回路に還流させるポンプ、このポンプの駆動源であるモータが1つのアクチュエータユニットに組み付けられており、このアクチュエータユニットの一側に、センサからの入力信号に対して予めプログラムされた処理を行う制御部と、この制御部の処理結果に応じて前記バルブ・モータなどを駆動させる駆動信号を形成する駆動部とを有したコントロールユニットが一体的に組み付けられている。
【0005】
したがって、上記公報記載の技術にあっては、コントロールユニットとアクチュエータ側とは予め内部で接続されているから、コントロールユニットと外部機器とを接続する配線としてはセンサならびに電源との接続のみで済むため、配線の数ならびにユニット外側に設けるコネクタの数を大幅に削減できる。
【特許文献1】特開平8−11692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、制動制御装置において、車両挙動が、例えばオーバステアやアンダステア状態などの不安定な状態に陥ったときに、その挙動に応じて所望の車輪に所望の制動力を発生させて挙動を安定させることが提案されている。このような制動制御装置にあっては、ABS制御を実行する装置に比べて切替弁の数が多くなるとともに、充分なブレーキ液圧が高い応答性で得られるようにポンプとしても容量の大きなものを用いたり、あるいは複数のポンプを直列に設けたりしており、すなわち、アクチュエータの数が増加するとともにモータの容量も拡大されるものである。
【0007】
このような制動制御装置において、上述の公報記載の技術を適用した場合、アクチュエータユニットが大型化するとともに、このアクチュエータユニットに組み付けるコントロールユニットも大型化して、装置全体が大型化するもので、これによって車両の搭載自由度が低下するという問題が生じる。また、アクチュエータの増加ならびにモータの容量の拡大によりアクチュエータユニットにおける発熱量が増加するとともに、アクチュエータを駆動させる駆動部の発熱量が増加し、制御部を構成するCPUなどの電子機器を熱から守るのが困難になる。加えて、制御部ならびに駆動部を1つのユニットとして構成する場合、アクチュエータユニットの一側へ取り付けるために全体の構成を凝縮する必要があり、組み付け作業が難しくなるとともに設計上の制約が増えて設計自由度が低くなる。さらに、上述の挙動安定制御を実行するものでは、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサや、車両の加速度を検出する加速度センサを設ける必要がある。これらのセンサは、電子制御ユニットと一体的に設けるのが車両への組み付け作業の点で好ましいが、公報記載の技術の場合、コントロールユニットはアクチュエータユニットとともにエンジンルーム内に配置されており、このエンジンルームは熱環境上好ましくないとともに、車両中央位置から離れているためヨーレイトを検出する上でも好ましくない。しかも、コントロールユニットは、モータの振動などが伝達されるため、車両加速度を検出する環境としても好ましくない。よって、ヨーレイトセンサならびに加速度センサは、コントロールユニットとは別体に設置する必要があることから、組み付け作業上不利である。しかも、車両の仕様の違いにより、例えば、3チャンネル制御や4チャンネル制御といった違いなどの仕様の違いにより、制動制御装置のバルブの数が、すなわちアクチュエータの数が異なるものであり、このため、アクチュエータユニットの駆動部の構成も仕様ごとに異ならせる必要がある。このため制御部ならびに駆動部を一体に電子制御ユニットに組み付けた公報記載の技術では、仕様ごとに装置を製造する必要があり、汎用性に劣る。
【0008】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、車載の車両用アクチュエータ制御装置において、ハーネスおよびコネクタの数の削減、コントロールユニットの電子機器の熱からの保護、汎用性向上、車両搭載性の向上、組付作業性の向上、コスト低減を同時に達成することを主たる目的とし、さらには、情報伝達性の向上、装置の信頼性の向上、耐ノイズ性の向上、センサの検出性能の向上を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的達成のため本発明の車両用アクチュエータ制御装置は、入力信号に対して予めプログラムされた処理を行う制御部、ならびに、この制御部の処理結果に応じて駆動信号を形成する駆動部とを有したコントロールユニットと、前記駆動信号により駆動するアクチュエータと、を備えた車両用アクチュエータ制御装置において、前記コントロールユニットを、前記制御部を有したメイン制御ユニットと、前記駆動部を有した駆動制御ユニットとの2つのユニットで構成し、前記駆動制御ユニットを、前記アクチュエータが組み付けられて構成されたアクチュエータユニットに一体的に組み付け、一方、前記メイン制御ユニットは、車両の駆動制御ユニットとは離間した所望位置に配置させ、前記メイン制御ユニットと駆動制御ユニットとを通信線で接続させ、かつ、前記メイン制御ユニットは、制御部の処理結果をシリアル通信で出力を行うよう構成し、前記駆動制御ユニットは、シリアル通信で受信した通信信号を前記駆動信号に変換するよう構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記シリアル通信としてCAN(Controller Area Network)プロトコルを使用することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記シリアル通信として調歩同期式のプロトコルを使用することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記メイン制御ユニットが入力する入力信号は、車両の走行状態を検出するセンサから送られる信号であり、前記アクチュエータは、車両の制動制御装置において制動制御のために駆動するアクチュエータであることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記メイン制御ユニットが、車両の機関とは区画された車室内に配置され、前記駆動制御ユニットが組み付けられたアクチュエータユニットが、車室外に配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記センサの少なくとも一つが、メイン制御ユニットに一体的に組み付けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記通信信号は、0,1の二値化された信号であることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記二値化された通信信号は、駆動信号の出力時間を符号化した信号で構成したことを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項4ないし8記載の車両用アクチュエータ制御装置において前記通信信号は、前記メイン制御ユニットにおける異常判断に対応したフェイルセーフ信号を含むことを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記メイン制御ユニットと駆動制御ユニットとを、前記通信線とは別個のフェイルセーフ通信用の第2の通信線で接続させ、この第2の通信線を介して前記フェイルセーフ信号を冗長的に送信させ、前記駆動制御ユニットでは、前記通信信号で受け取ったデータと、フェイルセーフ信号とを比較し、この比較結果が不一致であるときには、安全側の駆動信号を出力するよう構成したことを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項4ないし10記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記制動制御装置は、マスタシリンダと各車輪のホイルシリンダとを連通するブレーキ回路と、このブレーキ回路に設けられて、ブレーキ回路を連通させた増圧状態、ホイルシリンダをドレーン回路に連通させる減圧状態、ホイルシリンダをブレーキ回路ならびにドレーン回路に対して封止した保持状態の3状態を形成可能な液圧制御弁と、前記ドレーン回路に設けられてブレーキ液圧を蓄圧可能に構成されたリザーバと、前記ドレーン回路とブレーキ回路の液圧制御弁よりも上流位置とを連通させる還流回路と、この還流回路に設けられてリザーバに溜められたブレーキ液をブレーキ回路に戻すメインポンプと、を備え、前記アクチュエータは、前記液圧制御弁を切替作動させるソレノイドならびにポンプを作動させるモータであり、前記メイン制御ユニットは、センサからの入力に基づいて制動時の車輪ロックを防止すべく液圧制御弁を作動させてホイルシリンダ圧を少なくとも減圧・保持させるとともに、ポンプを作動させてリザーバ内のブレーキ液をブレーキ回路に還流させるABS制御を実行するよう構成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記制動制御装置のブレーキ回路における還流回路の接続位置よりも上流位置にブレーキ回路を開閉する常開のアウト側ゲート弁が設けられ、かつ、ブレーキ液源と前記メインポンプの吸入側とを連通させる加給回路が設けられ、この加給回路には、ブレーキ液源からメインポンプにブレーキ液を供給する加給手段と、加給回路を開閉可能な常閉のイン側ゲート弁とが設けられ、前記アクチュエータとして、前記両ゲート弁を切替作動させるソレノイドならびに加給手段を駆動させるアクチュエータが追加設定され、前記メイン制御コントロールユニットは、センサからの入力に基づいて、車両挙動が不安定なときあるいは不安定な状態に向かっているときには、アウト側ゲート弁を閉弁させる一方イン側ゲート弁を開弁させ、かつ、アクチュエータならびにモータを駆動させて加給手段ならびにメインポンプを作動させ、この状態で液圧制御弁を作動させて車両挙動を安定させる方向に所望の車輪に制動力を発生させる挙動安定制御を実行するよう構成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記挙動安定制御は、少なくとも旋回時に車両挙動が不安定になったときに車両挙動が安定する方向にヨーモーメントが作用するよう制動力を発生させる姿勢制御を含み、前記センサとして、少なくとも車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサならびに車両の加速度を検出する加速度センサが設けられ、前記ヨーレイトセンサならびに加速度センサが、前記メイン制御ユニットと一体的に設けられていることを特徴とする。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項1ないし13記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記メイン制御ユニットと駆動制御ユニットとにおいて演算処理を行う部分に、同一の関数演算を行う部分を設け、両制御ユニットは、一方のユニットから他方のユニットへ数値データを送り、この数値データについて他方のユニットにおいて前記関数演算を行った後、その演算結果を一方のユニットへ送り返し、一方のユニットでは、前記数値データについて前記関数演算を行った自身の演算結果と前記送り返された演算結果とを比較し、両演算結果が一致していれば正常と判断し、両演算結果が不一致であれば異常と判断する診断制御を実行することを特徴とする。
【0023】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の車両用アクチュエータ制御装置において、前記関数演算は、加減算・乗算・除算・シフト・オーバフロー判定を全て含むことを特徴とする。
【0024】
本発明における組付作業を説明すると、アクチュエータが組み付けられているアクチュエータユニットに、コントロールユニットの一部を構成する駆動制御ユニットを一体的に組み付ける。この組付時に、駆動制御ユニットとアクチュエータとの電気的接続を済ませることができる。このアクチュエータユニットは、制御部も含めたコントロールユニットを一体に組み付けたものと比較して小型に形成することができる。また、車両ごとの仕様の違いによりアクチュエータの数ならびにアクチュエータユニットの設計が変化しても、このアクチュエータユニットに組み付けるのは、駆動部を有した駆動制御ユニットのみであるため、仕様の変化への対応が容易である。そして、このアクチュエータユニットを車両の所望の位置に取り付け、また、コントロールユニットの他の一部を構成するメイン制御ユニットを、車両の他の所望の位置に取り付ける。その後、このメイン制御ユニットとセンサなどの入力信号源とを接続し、かつ、このメイン制御ユニットと駆動制御ユニットとを信号線で接続し、さらに、両ユニットと電源との接続とを行う。このように、メイン制御ユニットと駆動制御ユニットとを別体としているため、例えば、請求項5記載のように、メイン制御ユニットを機関とは区画された車室内に配置させ、駆動制御ユニットはアクチュエータユニットと共に車室外に配置させることができる。これにより、メイン制御ユニットを機関などの熱から保護できるのに加えて、アクチュエータならびに駆動部の発熱からの保護することができ、しかも、メイン制御ユニットとアクチュエータユニットとを車両の任意の位置に配置することが容易である。以上のようにして車両に搭載した本発明の車両用アクチュエータ制御装置にあっては、メイン制御ユニットは、制御部において入力信号に応じた処理を行った後、この処理結果を通信線を介してシリアル通信により駆動制御ユニットに伝達する。そして、駆動制御ユニットでは、シリアル通信により受信した通信信号を駆動信号に変換し、アクチュエータに出力する。このように、本発明では、シリアル通信により通信を行うため、メイン制御ユニットと駆動制御ユニットを結ぶ通信線は、1本のみでも多種類の信号を送ることができ、通信線の数が少なくて済む。
【0025】
請求項2記載の発明では、CANプロトコルにより通信を行うため、他のユニットにおいてもCANプロトコルを用いることで、他ユニットと相互に情報伝達を行うことができる。なお、CANプロトコルでは、それ自体に誤り訂正が含まれており、高い信頼性が得られる。
【0026】
請求項3記載の発明では、調歩同期式プロトコルにより通信を行うため、ノイズによる誤りを見つけることができ、高い信頼性が得られる。
【0027】
請求項5記載の発明では、メイン制御ユニットを車室内に設置し、駆動制御ユニットが組み付けられたアクチュエータユニットを車室外に設置するが、両者を結ぶ通信線の数が少ないから、車室内外を結ぶために車体に開ける穴を小さくすることができ、この穴のシール構造や音の侵入を防止する構造を簡略化することができる。請求項6記載の発明では、メイン制御ユニットにセンサを設けているから、このセンサとメイン制御ユニットを接続する配線の配索が不要となる。また、この構造では、メイン制御ユニットの配置は、メイン制御ユニットとセンサとの両者の配置条件を考慮して設置位置を決定する。そして、メイン制御ユニットを、機関・アクチュエータ・駆動部から離して配置させて熱に対する保護を図ることができるから、センサも同様に熱に対する保護を図ることができる。
【0028】
また、このセンサが請求項13に記載のように車両のヨーモーメントを検出するセンサである場合、車両の中央に配置することが望ましいというようにセンサにより上述の設置条件が異なるが、メイン制御ユニットは駆動部を含まない分だけ小型にすることができるから、設置位置を決定するにあたり、大きさ上の制約が少ない。
【0029】
請求項7および8記載の発明では、シリアル通信により二値化した信号を伝達するため、車両の仕様ごとに駆動制御ユニットを変更する必要がなく、特に請求項8記載の発明に有っては、制御サイクルごとのみの通信で多くの情報を送ることが可能であり、通信頻度を下げることができる。請求項9および10記載の発明では、シリアル通信による通信信号にフェイルセーフ信号を含むため、フェイルセーフの種類を伝えるなど多様な処理が可能でありフェイルセーフ性能の向上を図ることができる。
【0030】
請求項11記載の発明では、ブレーキ液圧を調圧するアクチュエータユニットならびにアクチュエータを駆動させる駆動制御ユニットと、プログラム処理を行うメイン制御ユニットとは離れて設置されるため、アクチュエータユニットに設けられたソレノイドならびにモータ、さらにこれらに駆動信号を出力する駆動制御ユニットの駆動部における発熱から、メイン制御ユニットを保護することができる。
【0031】
請求項12記載の発明では、ABS制御を実行する制動制御装置よりもさらに多くのアクチュエータが必要な挙動安定制御を実行する制動制御装置では、アクチュエータ,モータおよび駆動部の発熱量が大きくなる。本発明は、この熱からメイン制御ユニットを保護することができる。また、アクチュエータユニットの小型化が可能となる。
【0032】
請求項13記載の発明では、ヨーレイトセンサならびに加速度センサをメイン制御ユニットに一体的に設けているため、センサを別途取り付ける必要がなく組付作業性に優れ、また、ヨーレイトセンサは車両中央に設けるのが好ましいが、このヨーレイトセンサが設けられたメイン制御ユニットは、アクチュエータユニットとは別体であり小型であるから、このように車両中央に設置するのが容易である。
【0033】
請求項14および15記載の発明では、コントロールユニットを分割して構成したメイン制御ユニットと駆動制御ユニットとにおいて、一方のユニットから他方のユニットへ数値データを送り、この数値データについて両ユニットにおいてそれぞれ同一の関数演算を行った後、その演算結果を比較し、両者の演算結果が不一致であれば異常と判断する診断制御を実行するように構成したため、両制御ユニットのいずれかの演算を行う構成に異常が発生していれば、これを見つけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
【実施例1】
【0035】
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図2はアクチュエータユニットAUを示す油圧回路図であり、このアクチュエータユニットAUは、挙動安定制御を行う制動制御装置として一般的なもので、その構成を極簡単に説明する。前記アクチュエータユニットAUは、マスタシリンダMCと車輪のホイルシリンダWCとを結ぶブレーキ回路1,1の途中に設けられている。なお、前記ブレーキ回路1,1は図示のように2系統の回路が設けられ、かつ、各ブレーキ回路1,1はそれぞれ2つのホイルシリンダWCに向けて分岐されている。各ブレーキ回路1には、ブレーキ回路1を開閉するアウト側ゲート弁3と流入弁5が設けられている。両弁3,5はいずれも通電時にブレーキ回路1を遮断する電磁弁により構成されている。なお、アウト側ゲート弁3には、リリーフ弁1nと一方弁1cとがそれぞれ並列に設けられ、また、流入弁5には、一方弁1gが並列に設けられている。
【0036】
前記ブレーキ回路1において流入弁5よりも下流(ホイルシリンダWC側)の位置には、ドレーン回路10が接続されている。このドレーン回路10には常閉の電磁弁からなる流出弁6により開閉可能に構成されている。また、このドレーン回路10には、ブレーキ液を貯留可能なリザーバ7が設けられている。さらに、ドレーン回路10とブレーキ回路1において流出弁5よりも上流(マスタシリンダMC側)位置とが還流回路2で接続されている。そして、還流回路2の途中には、リザーバ7のブレーキ液をブレーキ回路1を戻すメインポンプ4が設けられている。なお、このメインポンプ4には、吸入弁4kと吐出弁4bが設けられ、また、還流回路2においてメインポンプ4よりもドレーン回路10側の位置に一方弁4hが設けられている。
【0037】
また、メインポンプ4の吸入側とブレーキ回路1のアウト側ゲート弁3よりも上流位置とが加給回路11により接続されている。そして、この加給回路11には、マスタシリンダMCのブレーキ液をメインポンプ4に供給する加給ピストン8が設けられているとともに、この加給ピストン8よりも上流位置には、加給回路11を開閉する常閉の電磁弁からなるイン側ゲート弁9が設けられている。なお、加給ポンプ8には吸入弁8cが設けられている。
【0038】
電磁弁により構成された各弁3,5,6,9の作動ならびに両ポンプ4,8を駆動させるモータMの駆動は、図3に示すとおり、コントロールユニットCUにより制御される。すなわち、コントロールユニットCUは、センサ群SGに接続されており、このセンサ群には、各車輪の車輪速を検出する車輪速センサS1〜S4と、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサと、操舵角を検出する舵角センサHと、ブレーキペダルBPを踏み込むことで投入されるブレーキスイッチBSと、車両の前後方向および横方向の加速度を検出するGセンサGSとが含まれている。
【0039】
そして、前記コントロールユニットCUは、制動時の車輪ロックを防止するABS制御、ならび走行時の車両挙動の安定を制動力を発生することにより図る挙動安定制御を実行する。
【0040】
上述のABS制御ならびに挙動安定制御は、公知の技術であり、これを簡単に説明する。まず、ABS制御は、各車輪速センサS1〜S4から得られる信号により求めた車輪速から疑似車体速を求め、さらに、疑似車体速から、例えば、制動時の理想的な車輪速であるしきい値(減圧閾値)を求め、各車輪ごとに、車輪速が疑似車体速としきい値との間に収まるように、各輪のホイルシリンダ圧を減圧・保持・増圧するものである。この時のアクチュエータユニットAUの作動を説明すると、ABS制御時は、両ゲート弁3,9には通電されず、図2において左側の回路で示しているとおりアウト側ゲート弁3は開弁されイン側ゲート弁9は閉弁されている。そして、減圧時には、流入弁5ならびに流出弁6に通電して流入弁5を閉弁させる一方で流出弁6を開弁させる。したがって、ホイルシリンダWCのブレーキ液がドレーン回路10に抜かれて減圧が成される。この減圧量は、両弁5,6への通電時間に対応する。そして、ドレーンされたブレーキ液はリザーバ7に貯留された後、メインポンプ4の作動によりブレーキ回路1に戻される。また、保持時には、流入弁5のみに通電して流入弁5,流出弁6を閉弁させ、ブレーキ回路1ならびにドレーン回路10を遮断してホイルシリンダ圧を維持させる。また、増圧時には、流入弁5,流出弁6のいずれにも通電せずに流入弁5のみを開弁させることで、ブレーキ回路1のブレーキ液がホイルシリンダWCに供給されて増圧される。
【0041】
次に、挙動安定制御は、センサ群SGからの入力に基づき車両挙動を検出し、挙動が不安定な場合には、挙動を安定させる方向に制動力を発生させる制御である。具体的には、センサ群SGからの入力に基づいて車両がアンダステア状態やオーバステア状態となっていると判断したら、これを抑制する方向にヨーモーメントが発生するように制動力を発生させる姿勢制御と、加速時に駆動輪にスリップが生じた場合に、この駆動輪スリップを抑制させるべく制動力を発生させるトルクスリップ制御とで構成されている。
【0042】
この時のアクチュエータユニットAUの作動を説明すると、挙動安定制御時には、両ゲート弁3,9に通電して図2において左側の回路で示しているようにアウト側ゲート弁3を閉弁してブレーキ回路1を遮断する一方、イン側ゲート弁9を開弁して加給回路11を連通させ、それと同時にモータMを駆動させる。したがって、マスタシリンダMCのブレーキ液が加給ポンプ8に吸入されてメインポンプ4の吸入側に供給され、メインポンプ4はこれを吸入してブレーキ回路1に吐出される。よって、上記ABS制御時と同様に、流入弁5ならびに流出弁6に対して通電・非通電し、増圧・保持・減圧状態に切り替えることにより、所望の車輪に所望の制動力を発生させて上述の挙動安定制御を実行する。ちなみに、図2において点線で示している流れは、両ポンプ4,8の作動によりブレーキ回路1の液圧が高圧になった場合の流れであって、このようにブレーキ回路1においてアウト側ゲート弁3と流入弁5との間が高圧となると、リリーフ弁1nが開弁してブレーキ回路1の上流にブレーキ液が戻されブレーキ液は循環されるものであり、ブレーキ回路1はリリーフ弁1nの開弁圧よりも高圧にならない。
【0043】
次に、実施例の要部の構成を説明する。図1は前記コントロールユニットCUを示す回路図であって、このコントロールユニットCUは、メイン制御ユニット21と駆動制御ユニット22とに分割されている。
【0044】
前記メイン制御ユニット21は、センサ群SGの各センサに接続されて信号を変換するインタフェース21aと、このインタフェース21aから送られる信号に応じて予めプログラムされた制御演算処理を行うCPU(制御部)21bと、このCPU21bの演算結果を出力する通信素子21cと、前記CPU21bの動作を監視するウォッチドックタイマを含んで構成されて各構成に電源を供給する電源部21dと、前記GセンサGSならびにヨーレイトセンサYRと、異常発生時の出力を行う駆動回路21gを備えている。
【0045】
前記駆動制御ユニット22は、前記アクチュエータユニットAUと一体的に設けられている。そして、駆動制御ユニット22は、電磁弁により構成された各弁3,3,5,5,5,5,6,6,6,6,9,9のソレノイドやモータMを駆動させるリレースイッチを備えた回路から構成された駆動ユニット22aと、この駆動ユニット22aを作動させる信号である駆動信号を形成する、すなわち各弁3,5,6,9およびモータMを駆動させる駆動信号を形成する駆動回路(駆動部)22bと、ワーニングランプ12を点灯させる信号を形成するランプ点灯回路22cと、メイン制御ユニット21から通信データを受け取る通信素子22dと、この通信素子22dを介して入力される前記通信データを、前記駆動回路22dならびにランプ点灯回路22cを作動させる信号に変換するCPU22gと、異常信号を受けて出力をOFFにする安全回路22eと、CPU22gの動作を監視するウォッチドッグタイマを含んで構成されて各部に電源を供給する電源部22fとを備えている。
【0046】
前記メイン制御ユニット21は、図外の車室内において車両の略中央位置に配置され、一方、前記駆動制御ユニット22は、図外のエンジンルーム内に配置されている。そして、前記メイン制御ユニット21と駆動制御ユニット22とは、車室とエンジンルームとを区画する図外のダッシュパネルを貫通してシリアル通信線23とフェイルセーフ通信線24との2本ないし3本の通信線で接続されている。
【0047】
次に、前記メイン制御ユニット21から駆動制御ユニット22に向けてシリアル通信線23により通信される内容について説明する。本実施例1では、両ユニット21,22の間では、CANプロトコル仕様のシリアル通信が成される。このシリアル通信において1回に送信される信号は、図4に示すようにa1〜a8の8つのフレームに区画されている。図中a1のフレームはスタートフレームであって、これからシリアル通信が送られることを示している。図中a2のフレームはアービトレーションフィールドであって、属性を示している。図中a3のフレームは、コントロールフィールドであって、前記アービトレーションフィールドa2と次のa4のフレームとの区切りを示している。図中a4のフレームは、データフィールドであって、駆動回路22bへの出力を示している。図中a5のフレームは、CRCフィールドであって、データフィールドの内容のバックアップ用の内容を示している。図中a6のフレームは、Ackフィールドであって、CRCフィールドa5の終わりを示している。図中a7のフレームは、エンドオブフレームであって、シリアル通信の1回の出力の終わりを示している。図中a8のフレームは、インタフレームスペースであって、空きスペースである。
【0048】
次に、前記データフィールドa4の構成を詳細に示す。図5に示すのは、データフィールドa4を8bit3バイトのデータで構成した例である。この例では、各bitに「0」「1」の情報が格納されており、各bitは、各アクチュエータ(ソレノイド・モータM・ランプ)に対応している。なお、各アクチュエータは、対応するbitのデータが「1」のときにONとなり、「0」のときにOFFとなる。また、全bitのうち、数個は空きとなっている。
【0049】
また、図6はデータフィールドa4を8bit5バイトのデータで構成した例である。この例は、流入弁5および流出弁6の開弁・閉弁の時間を制御するPW制御を実行するようにした例を示しており、同図(a)がデータフィールドa4の構成を示し、同図(b)がこの制御によるパルス幅を示している。
【0050】
なお、実施例1では、駆動制御ユニット22では、前記シリアル通信線23で受け取ったデータと、フェイル通信線24で受け取ったフェイルセーフ信号とを比較し、この比較結果が不一致であるときには、出力を「0」として、ソレノイドなどを駆動させないように構成されている。
【0051】
a) コントロールユニットCUを、センサ群SGからの信号により演算処理を行うメイン制御ユニット21と、この演算処理結果に基づいてアクチュエータとしての各弁3,5,6,9、モータMおよびランプ12を駆動させる駆動制御ユニット22とに分割し、メイン制御ユニット21は室内に配置する一方、駆動制御ユニット22はアクチュエータユニットAUと一体的に組み付けてエンジンルーム内に配置するよう構成し、さらに、メイン制御ユニット21と駆動制御ユニット22とをシリアル通信線23で接続し、シリアル通信で信号を伝達するように構成したため、以下に列挙する効果が得られる。
【0052】
・通信線の数ならびにコネクタの数を大幅に削減して、コストダウンを図るとともに、組付手間および組付コストが削減できる。
【0053】
・メイン制御ユニット21を、エンジンルーム内およびアクチュエータユニットAUの発熱部分の熱から保護することができる。
【0054】
・駆動制御ユニット22の構成をコンパクトにしてアクチュエータユニットAUへの組付を容易にすることができるとともに設計自由度を向上できる。
【0055】
・アクチュエータユニットAUの仕様が異なってもメイン制御ユニット21は、プログラムを変更するだけで済み、アクチュエータユニットAUに対する組付状態を変更するのは駆動制御ユニット22のみで済むため、搭載車両の仕様の違いに対する対応が容易で高い汎用性が得られる。
【0056】
・両ユニット21,22を接続する通信線が2本(23,24)で済むため、これを貫通させるダッシュパネルにおける穴を小さくして、シール性の確保を図る構成ならびに騒音の侵入防止を図る構成を簡略化してコストダウンを図ることができる。
【0057】
・駆動制御回路22において、アクチュエータを駆動させる通信線を短尺化できることにより、通信線からの輻射ノイズを低減して、他の制御装置などに対するノイズ影響を可及的に少なくできる。
【0058】
b) GセンサGSならびにヨーレイトセンサYRをメイン制御ユニット21に組み込んだ構成としたため、これらを別個に組み付けるのに比べて組付の手間を省くことができるという効果が得られるとともに、電源回路の共有化を行って配線の簡略化を図ることができる。しかも、コントロールユニットCUを2つに分割したうちのメイン制御ユニット21にセンサGS,YRを組み付けて車室内に配置しているため、センサGS,YRが熱やエンジン振動の影響を受け難いという効果が得られ、かつ、コントロールユニットCUと一体化しているにもかかわらず、スペースをとらずヨーレイトセンサYRの設置位置として最適な車両中央に配置するのが容易であるという効果が得られる。
【0059】
c) シリアル通信においてCANプロトコルを使用したため、自動車の他のユニットとの情報交換ができて、制御の効率向上を図ることができるという効果が得られる。
【0060】
d) シリアル通信において8bit複数バイトのデータを送るように構成したため、1回の通信により多くの情報を送信することができ、通信頻度を少なくすることができるという効果が得られる。
【0061】
e) シリアル通信においてフェイルセーフ用のCRCフィールドa5を含むように構成したため、信頼性が高いという効果が得られる。
【0062】
f) シリアル通信線23によるフェイルセーフ用のCRCフィールドa5を含むシリアル通信による信号と、シリアル通信線23とは別個のフェイル通信線24で送られる信号とを比較して、両者に不一致点がある場合、フェイルセーフ制御を実行するように構成したため、高いフェイルセーフ性能が得られる。
【実施例2】
【0063】
次に、他の実施例について説明する。まず、前記シリアル通信として、調歩同期式プロトコルによる通信を行うようにした実施例2について説明する。図7は調歩同期式プロトコルによるシリアル通信の一例を示す説明図で、この例では、一回に送信される信号は、スタートビット(1)とデータビット(2)とストップビット(3)との3つのフレームで構成されている。スタートビット(1)は、これから信号が送られることを示しており、データビット(2)は8bitのデータで構成されており、ストップビット(3)は信号の終了を示している。このように、シリアル通信において調歩同期式プロトコルを使用した場合、ノイズによる誤りがわかり、高い信頼性が得られる。
【実施例3】
【0064】
次に、実施例3について説明する。この実施例3は、メイン制御ユニット21のCPU21bと、駆動制御ユニット22のCPU22gとで相互に作動が正常に行われているか否かを診断する診断制御を実行するように構成したものである。
【0065】
図8はこの診断制御の流れを示すフローであって、図中左側がメイン制御ユニット21における流れを、図中右側が駆動制御ユニット22における流れを示している。この制御は、イグニッションスイッチが投入されると開始され、まず、メイン制御ユニット21側では、ステップS1において電源電圧などのA/D変換値などからランダムな数値Aを取得し、続くステップS2でその数値Aを駆動制御ユニット22に送信する。また、駆動制御ユニット22では、ステップS21において、この数値A'を受信する。
【0066】
ステップS3およびS22に基づき所定の制御サイクルごとに次のステップS4,S23を開始する。そして、メイン制御ユニット21側では、予め決められた関数に数値Aを入力して結果Bを得る一方、駆動制御ユニット22側でも受信した数値A'を同じ関数に代入して結果B'を得る。なお、この関数については後述する。
【0067】
次に、ステップS5,S24により、駆動制御ユニット22の結果B'を送信するとともに、メイン制御ユニット21では、これを値B"として受信する。さらに、メイン制御ユニット21では、ステップS6において自身の結果Bと受信した値B"とを比較して、両者が一致していれば、自身のプログラム・相手のプログラム・通信が全て正常であると判断してステップS8に進み、また、不一致であれば異常と判断してステップS7に進んで動作異常フラグをセットする。
【0068】
次に、ステップS8において演算結果Bを元の数値データAに代入し、ステップS9において再度関数演算を行い、新たに得られた結果BをステップS10において送信する。
【0069】
駆動制御ユニット22では、ステップS23で得られた結果B'をステップS25において数値データA'に代入し、続くステップS26において再度関数演算を行う。そして、ステップS28では、ステップS27においてメイン制御ユニット21から受信した値B"と、ステップS26の演算結果B'とを比較し、両者が不一致であればステップS29において動作異常フラグをセットする。
【0070】
続くステップS30では、駆動制御ユニット22における演算結果B'をA'に代入し、次のステップS31において制御出力量を受信し、ステップS32において動作異常フラグがセットされているか否かを判断し、セットされていればステップS33に進んで出力制御量を「0」として、制御を中止し、一方、動作異常フラグがセットされていなければ(クリア)、ステップS34に進んで受信した制御量に従ってバルブなどを駆動する。
【0071】
メイン制御ユニット21では、ステップS10で数値データBを送信した後、数値データBをAに代入し、続くステップS12において動作異常フラグS12がセットされているか否か判断する。そして、動作異常フラグS12がセットされているときにはステップS13に進んで制御出力量を「0」にする。一方、セットされていないときには、ステップS14に進んで制御用の各種信号を取り込み、制御出力量を演算する(ステップS15)。そして、ステップS16において制御出力量(ステップS13あるいはS15の処理結果)を送信する。
【0072】
次に、ステップS4,S9,S23,S26において実行する関数演算について説明すると、この関数演算は、「加算」「乗算」「除算」「シフト」「オーバフロー判定」を含むものであり、関数演算においてこれらの処理を実行させることによって、プログラム実行を行うレジスタなどが正しく働いているか否かを確認するものである。その具体例を図9に示す。
【0073】
以上のように、本実施例3では、両制御ユニット21,22の間で数値データを通信により送り、そのデータを所定の関数で処理した結果を送り返し、自身の関数処理結果と送り返された関数処理結果とを比較してシステムが正常か否かを判断するようにしたため、お互いのユニット21,22において特に演算を行うCPU21b,22gが正常に作動することが確認でき、信頼性の向上を図ることができる。そして、本実施例3では、関数演算処理が、「加算」「乗算」「除算」「シフト」「オーバフロー判定」を含むため、あらゆる処理機能の確認を行うことができる。なお、図10は図8に示した診断制御の変形例を示すもので、ステップS40およびステップS41のみが図8の例と異なっており、制御出力量とデータBとの送受信を同時に行っている。
【0074】
以上、図面により実施例について説明したが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。すなわち、実施例では制動制御装置に適用した例を示したが、他の車両用のアクチュエータ制御装置、例えば、エンジン制御装置や減衰特性可変型のサスペンション制御装置にも適用することができる。
【0075】
以上説明してきたように本発明の車両用アクチュエータ制御装置にあっては、コントロールユニットをプログラム処理を行う制御部を有したメイン制御ユニットと、アクチュエータを駆動させる駆動信号を形成する駆動部を有した駆動制御ユニットとに分割し、駆動制御ユニットをアクチュエータユニットに一体的に組み付け、メイン制御ユニットは駆動制御ユニットに向けてシリアル通信で出力するよう構成したため、制御部を有したメイン制御ユニットをアクチュエータからの熱から保護することができという効果が得られ、しかも、このようにメイン制御ユニットをアクチュエータユニットとは別体に形成しているにもかかわらず、シリアル通信により1本ないし2本のシリアル通信線により多くの情報を送信可能であって通信線の数を少なくすることができ、これにより、配線作業や組付作業を容易にできるとともにコストダウンを図ることができるという効果が得られ、さらに、メイン制御ユニットを別体に構成している分だけアクチュエータユニットを小型化することが可能となり、車体への搭載自由度が向上するという効果が得られ、加えて、アクチュエータユニットと一体的に組み付けるのが駆動部を有した駆動制御ユニットのみであるため、アクチュエータユニットの仕様の違いに対する対応が容易であり汎用性が向上するという効果が得られる。
【0076】
請求項2記載の発明では、CANプロトコルにより通信を行うよう構成したため、他のユニットにおいてもCANプロトコルを用いることで、他ユニットと相互に情報伝達を行うことができ、情報処理効率の向上を図ることができるという効果が得られ、かつ、CANプロトコルでは、それ自体に誤り訂正が含まれており、高い信頼性が得られるという効果を奏する。
【0077】
請求項3記載の発明では、調歩同期式プロトコルにより通信を行うよう構成したため、ノイズによる誤りを見つけることができ、高い信頼性が得られるという効果を奏する。
【0078】
請求項4記載の装置では、請求項1ないし3記載の発明が有する効果を備えたアクチュエータ制御装置を提供できる。
【0079】
請求項5記載の発明では、メイン制御ユニットを車室内に設置し、駆動制御ユニットが組み付けられたアクチュエータユニットを車室外に設置する構成としたため、メイン制御ユニットを機関の熱や埃・水から容易に保護ができるという効果が得られ、また、このように両ユニットを車室内外を画成する壁を隔てて配置した構成としたも、両ユニットはシリアル通信で信号伝達を行うため、通信線の数を少なくでき、車体に開ける穴を小さくすることができることから、この穴のシール構造や音の侵入を防止する構造を簡略化することができるという効果が得られる。
【0080】
請求項6記載の発明では、メイン制御ユニットにセンサを設けた構成としたため、このセンサとメイン制御ユニットを接続する配線の配索が不要となって、組付工数の削減を図ることができるという効果が得られ、また、センサをアクチュエータから離して熱に対する保護を図ることができるという効果が得られる。さらに、このセンサが請求項13に記載のように車両のヨーモーメントを検出するセンサである場合、車両の中央に配置することが望ましいというようにセンサにより上述の設置条件が異なるが、メイン制御ユニットは駆動部を含まない分だけ小型にすることができるから、設置位置を決定するにあたり、大きさ上の制約が少ないという効果が得られる。
【0081】
請求項7および8記載の発明では、シリアル通信により二値化した信号を伝達するよう構成したため、車両の仕様ごとに駆動制御ユニットを変更する必要がなく、汎用性の向上を図ることができるという効果が得られ、特に、請求項8記載の発明にあっては、信号を二値化し、さらに駆動信号の出力時間を符号化した信号で構成したため、制御サイクルごとのみの通信で多くの情報を送ることが可能であり、通信頻度を下げることができるという効果が得られる。
【0082】
請求項9および10記載の発明では、シリアル通信による通信信号にフェイルセーフ信号を含むよう構成したため、フェイルセーフの種類を伝えるなど多様な処理が可能でありフェイルセーフ性能の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0083】
請求項11記載の発明では、ABS制御を実行する制動制御装置において、ブレーキ液圧を調圧するアクチュエータユニットならびにアクチュエータを駆動させる駆動制御ユニットと、プログラム処理を行うメイン制御ユニットとは離れて設置される構成としたため、アクチュエータユニットに設けられたソレノイドならびにモータ、さらにこれらに駆動信号を出力する駆動制御ユニットの駆動部における発熱から、メイン制御ユニットを保護することができるという効果が得られる。
【0084】
請求項12記載の発明では、ABS制御を実行する制動制御装置よりもさらに多くのアクチュエータが必要な挙動安定制御を実行する制動制御装置に適用したため、ABS制御を実行する制動制御装置よりも発熱量が大きくなアクチュエータ,モータおよび駆動部の熱からメイン制御ユニットを保護することができるという効果が得られ、また、大型化しがちなアクチュエータユニットを小型化することが可能となるという効果が得られる。
【0085】
請求項13記載の発明では、ヨーレイトセンサならびに加速度センサをメイン制御ユニットに一体的に設けた構成としたため、センサを別途取り付ける必要がなく組付作業性に優れ、また、ヨーレイトセンサは車両中央に設けるのが好ましいが、このヨーレイトセンサが設けられたメイン制御ユニットは、アクチュエータユニットとは別体であり小型であるから、このように車両中央に設置するのが容易であるという効果が得られる。
【0086】
請求項14および15記載の発明では、コントロールユニットを分割して構成したたメイン制御ユニットと駆動制御ユニットにおいて、一方のユニットから他方のユニットへ数値データを送り、この数値データについて両ユニットにおいてそれぞれ同一の関数演算を行った後、その演算結果を比較し、両者の演算結果が不一致であれば異常と判断する診断制御を実行するように構成したため、両制御ユニットのいずれかの演算を行う構成に異常が発生していれば、これを見つけることができ、信頼性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例1の車両用アクチュエータ制御装置を示す電気回路図である。
【図2】実施例1を適用した制動制御装置の油圧回路図である。
【図3】実施例1のブロック図である。
【図4】実施例1のCANプロトコルの説明図である。
【図5】実施例1における通信データの説明図である。
【図6】実施例1における通信データの説明図である。
【図7】実施例2の調歩同期式プロトコルの説明図である。
【図8】実施例3の制御流れのフローチャートである。
【図9】実施例3の演算を示すフローチャートである。
【図10】実施例3の制御流れの変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
AU アクチュエータユニット
MC マスタシリンダ
WC ホイルシリンダ
CU コントロールユニット
SG センサ群
S1〜S4 車輪速センサ
YR ヨーレイトセンサ
H 舵角センサ
BS ブレーキスイッチ
GS Gセンサ
1 ブレーキ回路
1c 一方弁
1g 一方弁
1n リリーフ弁
2 還流回路
3 アウト側ゲート弁
4 メインポンプ
4b 吐出弁
4h 一方弁
4k 吸入弁
5 流入弁
6 流出弁
7 リザーバ
8 加給ポンプ
8c 吸入弁
9 イン側ゲート弁
10 ドレーン回路
11 加給回路
12 ワーニングランプ
21 メイン制御ユニット
21a インタフェース
21b CPU
21c 通信素子
21d 電源部
21g 駆動回路
22 駆動制御ユニット
22a 駆動ユニット
22b 駆動回路
22c ランプ点灯回路
22d 通信素子
22e 安全回路
22f 電源部
22g CPU
23 シリアル通信線
24 フェイル通信線




 

 


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