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発明の名称 車両基地内の地上情報処理装置、車両遠隔操作支援システム及び方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1519(P2007−1519A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−186400(P2005−186400)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
発明者 寺田 博文 / 石田 啓二 / 角本 喜紀 / 関野 眞一
要約 課題
誤操作を生じた場合にも、衝突や脱線などの事故を起こさず、安全に、車両基地内で列車の移動や入替の遠隔操作を支援すること。

解決手段
車両基地内の引上線101、留置番線102や作業番線103の両端に車両センサ(センサ装置)105を2個づつ設置する。これらのセンサにより、列車の位置を把握し、構内入替計画に基づき遠隔操作される列車が存在すべき位置と方向を監視し、逆走、誤進入、又はオーバーランを検知した場合に強制ブレーキを起動する。
特許請求の範囲
【請求項1】
列車通信による遠隔操作により、車両基地内の列車を移動させる入替車両遠隔操作支援システムの地上情報処理装置において、構内入替計画データベースと、前記通信により移動元及び移動先番線の両端近傍での列車位置情報を受信する列車位置情報受信手段と、前記構内入替計画データベース内のデータと前記列車位置情報との対比に基づき、車両基地内の列車の逆走、誤進入、及び/又はオーバーランを判定する異常走行判定手段と、この異常走行判定手段の出力に応じて、前記列車にブレーキを作動させるブレーキ指令送信手段を備えたことを特徴とする車両基地内の地上情報処理装置。
【請求項2】
請求項1において、前記列車位置情報をテーブル化して記憶したセンサ情報データベースを備え、前記異常走行判定手段は、前記構内入替計画データベース内の移動元及び移動先番線データと、前記センサ情報データベース内の前記列車位置情報との対比に基づいて異常走行を判定することを特徴とする車両基地内の地上情報処理装置。
【請求項3】
請求項1において、前記構内入替計画データベース内の入替計画データは、開始時刻、終了時刻、列車番号、移動元番線、移動先番線、及び完了フラグを含むことを特徴とする車両基地内の地上情報処理装置。
【請求項4】
列車通信による遠隔操作により、車両基地内の列車を移動させる入替車両遠隔操作支援システムの地上情報処理装置において、構内入替計画データベースと、複数列車との間での前記通信により複数列車をそれぞれ遠隔操作させる複数の遠隔操作端末と、前記構内入替計画データベースに含まれる時間的に重なった複数の入替計画を複数の前記遠隔操作端末に割当てる端末割当て手段と、前記通信により移動元及び移動先番線の両端近傍での列車位置情報を受信する列車位置情報受信手段と、前記入替計画と前記列車位置情報との対比に基づき、車両基地内の列車の逆走、誤進入、及び/又はオーバーランを判定する異常走行判定手段と、この異常走行判定手段の出力に応じて、該当列車にブレーキを作動させるブレーキ指令送信手段を備えたことを特徴とする車両基地内の地上情報処理装置。
【請求項5】
請求項4において、前記構内入替計画データベース内の計画データが更新された場合に、前記端末割当て手段による再割当てを行うことを特徴とする車両基地内の地上情報処理装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、前記構内入替計画データベースに登録された計画データの入替開始時刻になった時に、該当列車の列車データベースから遠隔操作の通信先を取得し、該当する遠隔操作端末との間で通信を確立する手段を備えたことを特徴とする車両基地内の地上情報処理装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、列車の位置情報を、各番線の両端部にそれぞれ2組づつ配置した車両センサの動作状態を受信し、それら車両センサの動作状態の組合せに基づいて各番線内及び/又は各番線間の前記列車の逆走、誤進入、及び/又はオーバーランを判定することを特徴とする車両基地内の地上情報処理装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかにおいて、列車の遠隔操作を行う際に、該当列車に設置されたカメラの写す映像及び/又はマイクが取込む音声を、前記操作端末に出力するディスプレイ及び/又はスピーカを備えたことを特徴とする車両基地内の地上情報処理装置。
【請求項9】
列車通信による遠隔操作により、車両基地内の列車を移動させる入替車両遠隔操作支援システムにおいて、構内入替計画データベースと、移動元及び移動先番線の両端近傍に配置した車両センサと、前記構内入替計画データベース内のデータと前記車両センサからの通信による列車位置情報との対比に基づき、車両基地内の列車の逆走、誤進入、及び/又はオーバーランを判定する異常走行判定手段と、この異常走行判定手段の出力に応じて、前記列車にブレーキを作動させるブレーキ指令手段を備えたことを特徴とする車両基地内の車両遠隔操作支援システム。
【請求項10】
列車通信による遠隔操作により、車両基地内の列車を移動させる入替車両遠隔操作支援システムにおいて、構内入替計画データベースと、移動元及び移動先番線の両端近傍に配置した車両センサと、これら車両センサ群からの通信による列車位置情報を受信しそれらの情報をテーブル化して記憶したセンサ情報データベースと、前記構内入替計画データベース内の前記移動元及び移動先番線データと前記センサ情報データベース内の前記列車位置情報との対比に基づき、車両基地内の列車の逆走、誤進入、及び/又はオーバーランを判定する異常走行判定手段と、この異常走行判定手段の出力に応じて、前記列車にブレーキを作動させるブレーキ指令手段を備えたことを特徴とする車両基地内の車両遠隔操作支援システム。
【請求項11】
列車通信による遠隔操作により、車両基地内の列車を移動させる入替車両遠隔操作支援システムにおいて、地上情報処理装置に保持した構内入替計画データベース、基地内の番線に配置された複数の車両センサのセンサ情報データベース、及び/又は列車データベースと、前記構内入替計画データベースに登録された計画データの入替時刻まで待機する手段と、前記入替時刻になった時に前記列車データベースから遠隔操作する列車の通信先を取得して通信を確立する手段と、前記構内入替計画データベースに登録された移動元番線と移動先番線情報と前記センサ情報データベースからセンサID情報を取得する手段と、遠隔操作される列車が移動元番線から移動先番線に入り切るまでに、遠隔操作される列車の逆走、誤進入、及び/又はオーバーランしたことを判定する異常走行判定手段と、この異常走行判定手段の出力に応じて、前記列車にブレーキを作動させるブレーキ指令手段を備えたことを特徴とする車両基地内の車両遠隔操作支援システム。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれかにおいて、前記車両センサは、無線通信機能を持つICタグを含む車両基地内の車両遠隔操作支援システム。
【請求項13】
列車通信による遠隔操作により、車両基地内の列車を移動させる入替車両遠隔操作支援方法において、構内入替計画データを構内入替計画データベース内に記録するステップと、前記通信により移動元及び移動先番線の両端近傍での列車位置情報を受信する列車位置情報受信ステップと、前記構内入替計画データベース内のデータと前記列車位置情報との対比に基づき、車両基地内の列車の逆走、誤進入、及び/又はオーバーランを判定する異常走行判定ステップと、この異常走行判定の結果に応じて、前記列車にブレーキを作動させるブレーキ指令送信ステップを備えたことを特徴とする車両基地内の車両遠隔操作支援方法。
【請求項14】
列車通信による遠隔操作により、車両基地内の列車を移動させる入替車両遠隔操作支援方法において、構内入替計画データを構内入替計画データベース内に記録するステップと、複数の遠隔操作端末から、複数列車との間での前記通信によって複数列車をそれぞれ遠隔操作するステップと、前記構内入替計画データベースに含まれる時間的に重なった複数の入替計画を複数の前記遠隔操作端末に割当てる端末割当てステップと、前記通信により移動元及び移動先番線の両端近傍での列車位置情報を受信する列車位置情報受信ステップと、前記入替計画と前記列車位置情報との対比に基づき、車両基地内の列車の逆走、誤進入、及び/又はオーバーランを判定する異常走行判定ステップと、この異常走行判定の結果に応じて、該当列車にブレーキを作動させるブレーキ指令送信ステップを備えたことを特徴とする車両基地内の車両遠隔操作支援方法。
【請求項15】
請求項14において、前記構内入替計画データベース内の計画データが更新された場合に、前記端末割当てステップによる再割当てを行うことを特徴とする車両基地内の車両遠隔操作支援方法。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれかにおいて、前記構内入替計画データベースに登録された計画データの入替開始時刻になった時に、該当列車の列車データベースから遠隔操作の通信先を取得し、該当する遠隔操作端末との間で通信を確立するステップを備えたことを特徴とする車両基地内の車両遠隔操作支援方法。
【請求項17】
請求項13〜16のいずれかにおいて、各番線の両端部にそれぞれ2組づつ配置した車両センサの動作状態の組合せに基づいて、各番線内及び/又は各番線間の前記列車の逆走、誤進入、及び/又はオーバーランを判定するステップを備えたことを特徴とする車両基地内の車両遠隔操作支援方法。
【請求項18】
請求項13〜17のいずれかにおいて、列車の遠隔操作を行う際に、該当列車に設置されたカメラの写す映像及び/又はマイクが取込む音声を、前記操作端末に設けたディスプレイ及び/又はスピーカに出力するステップを備えたことを特徴とする車両基地内の車両遠隔操作支援方法。
【請求項19】
列車通信による遠隔操作により、車両基地内の列車を移動させる入替車両遠隔操作支援方法において、地上情報処理装置に構内入替計画データベースを保持するステップと、基地内の番線に配置された複数の車両センサからのセンサ情報をセンサ情報データベースに記録するステップと、遠隔操作する列車のデータを列車データベースに記録するステップと、前記構内入替計画データベースに登録された計画データの入替時刻まで待機するステップと、前記入替時刻になった時に前記列車データベースから遠隔操作する列車の通信先を取得して通信を確立するステップと、前記構内入替計画データベースに登録された移動元番線と移動先番線情報と前記センサ情報データベースからセンサID情報を取得するステップと、遠隔操作される列車が移動元番線から移動先番線に入り切るまでに、逆走、誤進入、及び/又はオーバーランしたことを判定する異常走行判定ステップと、この異常走行判定の結果に応じて、前記列車にブレーキを作動させるブレーキ指令ステップを備えたことを特徴とする車両基地内の車両遠隔操作支援方法。
【請求項20】
請求項17又は19において、前記車両センサは、無線通信機能を持つICタグを含む車両基地内の車両遠隔操作支援方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両基地内において、列車の遠隔操作を支援するための地上情報処理装置、車両遠隔操作支援システム及び方法に関し、特に、構内入替計画に基づく時刻毎に列車を遠隔操作する装置、システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道の車両基地では、列車の整備、清掃や検査、修理のため、頻繁に車両基地内で列車の移動や入替が行われる。この移動や入替は予め決められた構内入替計画に基づいて行われている。また、列車の移動や入替のためには各列車に運転士が乗務して操作することが必要であり、列車の整備、清掃や検査、修理の作業に遅れが発生すると、その後の計画に支障をきたし、運転士の再配備等で現場は混乱する。更に、移動や入替のために逆方向に列車を走行させたい場合には、運転士が長い列車の端から端まで移動する必要がある。もしくは、地上の誘導員の指示に従って逆走を行う必要があり、運転士や誘導員の作業に負担がかかり、人員の確保にも負担がかかり、誘導員の安全性にも問題がある。このため、車両基地内での列車の移動や入替を遠隔操作で行いたいという強いニーズがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、無線通信を用い、遠隔操作で車両を所定距離だけ前進あるいは後退走行させ、その後停止させる車両の走行制御装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2に開示されているように、車両が端末駅の停車すべき位置を越えて走行した場合に、地上子がブレーキ差動装置に接触してブレーキ装置が作動し、車両を減速させる車両の端末防護システムが提案されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、軌道回路を車両基地の両端にのみ設け、入替制御開始点の軌道回路には開始を示すRs信号、終了点の軌道回路には終了を示すRe信号を送信して列車を制御する技術が開示されている。また、前方の軌道回路には、過走防護信号RPを送信して列車を停止させるようにしている。
【0006】
【特許文献1】特開平9−160639号公報(全体)
【特許文献2】特開2002−337674号公報(全体)
【特許文献3】特開平10−081236号公報(全体)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1では、前進、後退走行の距離を指定することが必要になるが、車両基地入庫時の車両位置は不定である。このため、入庫して移動や入替を行う度に移動距離の計算を行う必要があり、手間がかかるだけでなく、移動距離の計算が間違っていた場合に衝突や脱線等の事故の恐れもある。
【0008】
また、特許文献2の地上子をブレーキ差動装置に接触させる方式は、車両基地内で列車の移動や入替毎に、同じ線路であっても進行方向が異る場合があるため、有効ではない。
【0009】
さらに、特許文献3では、列車の移動開始地点の軌道回路にはRP信号が送信されておらず、本来移動させたい方向と逆方向に列車が走り出したときに、列車を停止させる手段がなく危険である。また、ポイント誤操作等により、本来進ませたい方向と異なる番線に列車が進入した場合にも、停止手段がなく危険である。さらに、実際の車両基地では、直線状に複数の番線を直列させている場合があり、このような車両基地では、列車を必ず車両基地の両端にのみ存在する軌道回路上に停止させることが必要となるこの方式は適用できない。
【0010】
本発明の目的は、走行方向、走行距離又は進入番線を誤った場合に、衝突等の事故を未然に防止し、オペレータの負担を軽減できる車両基地内の地上情報処理装置、車両遠隔操作支援システム又は車両遠隔操作支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はその一面において、列車と地上間の無線通信による遠隔操作により、車両基地内の列車を移動させる入替車両遠隔操作支援システムの地上情報処理装置において、構内入替計画データベースと、前記無線通信により移動元及び移動先番線の両端近傍での列車位置情報を受信する列車位置情報受信手段と、前記構内入替計画データベース内のデータと前記列車位置情報との対比に基づき、逆走、誤進入、及び/又はオーバーランを判定する異常走行判定手段と、この異常走行判定手段の出力に応じて、前記列車に強制ブレーキを作動させる強制ブレーキ指令送信手段を備えることを特徴とする。
【0012】
その望ましい実施態様においては、車両基地内の各番線の両端に車両センサを設置し、常に最新の構内入替計画に基づき走行する列車の、時刻毎に走行可能な位置と方向を決定して監視し、異常な位置と方向を検知した場合に強制ブレーキを起動する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の望ましい実施態様によれば、遠隔操作による列車入替において、操作を誤っても、列車の衝突や脱線等の事故を未然に防止し、オペレータの負担を著しく軽減できる。
【0014】
本発明によるその他の目的及び特徴は、以下の実施形態の説明で明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
遠隔操作端末画面には信号機、入替信号機を見るために該当列車の前方向カメラ映像を表示し、安全のために該当列車に設置された音声マイク音も出力し、遠隔操作可能な状態になった時に初めて遠隔操作端末画面に前記情報を出力する。また、構内入替計画と異なる位置、方向に列車を遠隔操作した場合には、自動で強制ブレーキを起動することで、オペレータ(遠隔操作者)の負担を軽減し、操作し易いようにした。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例1における鉄道車両基地例の平面図である。車両基地は、引上線101、留置番線102、作業番線103、検査場104、並びにセンサ装置105から構成される。車両基地の線路は、引上線101、留置番線102、及び作業番線103の何れかであり、留置番線102にいる列車が作業番線103に移動する時、又は、作業番線103にいる列車が留置番線102に移動する時に引上線101を経由する。図1の例では、引上線101に1つの番線、留置番線102に3つの番線、作業番線103に2つの番線が割当てられている。留置番線102は、列車を停留させておくために使われる。作業番線103は検査場104内にも含まれ、列車の整備、清掃や検査、修理を行う。車両基地にある列車は、これらの整備、清掃や検査、修理を行うために頻繁に番線の入替えが行われる。この番線の入替を構内入替と呼ぶ。センサ装置(車両センサ)105は、各番線の両端に2個ずつ設置されており、それぞれ、配置された位置に列車が存在するか否かを検知する。2個のセンサ装置の前を列車が横切ることによって、論理的に、列車がどちらの方向に進行しているかを検知することもできる。なお、この例では引上線101を介して構内入替を行う構成になっているが、留置番線の前後に作業番線が直接つながっている構成の場合には引上線101が無くても良い。また、センサ装置105は、無線通信機能付きICタグやICタグリーダーでも構わない。
【0017】
図2は、本発明の実施例1による車両遠隔支援システムの全体概略構成図である。このシステムは、地上情報処理装置201、列車202、地上ネットワーク203、並びにセンサ装置105から構成されている。また、列車202には、カメラ装置204、マイク装置205、車上情報処理装置206、制御コントローラ207、モータ装置208、ブレーキ装置209、並びに車上ネットワーク210を備えている。地上情報処理装置201では、センサ装置105からのセンサ検知情報(列車位置情報)を基に、車両基地内の列車202の位置を監視しながら、列車202の構内入替の遠隔操作を行う。地上ネットワーク203は、有線、無線を含むインターネット、イントラネット等であり、地上情報処理装置201、センサ装置105と有線又は無線で接続され、列車202の車上情報処理装置206と無線通信で接続される。カメラ装置204は、列車202の両端に設置され、列車内から車外の映像を録画し、車上情報処理装置206を経由してリアルタイムに地上情報処理装置201に送信する。マイク装置205も同様に、列車202の両端に設置され、列車周辺の音を録音し、車上情報処理装置206を経由してリアルタイムに地上情報処理装置201に送信する。車上情報処理装置206は、カメラ装置204やマイク装置205が取込んだ情報を地上情報処理装置201に送信し、また、地上情報処理装置201から送信された遠隔操作情報を受信し、該当する制御コントローラ207に制御信号を送信する。制御コントローラ207は、列車202の両端に設置され、モータ装置208やブレーキ装置209の制御情報を生成する。制御コントローラ207で生成された制御情報は、車上ネットワーク210を介して該当するモータ装置208やブレーキ装置209に送信され、列車202が加速したり減速したりする。車上ネットワーク210は、有線、無線を含むローカルエリアネットワークである。信頼性を向上させるために多重系の構成となっていてもよい。
【0018】
図3は、本発明の実施例1における地上情報処理装置201の構成図である。地上情報処理装置201は、内部情報処理部301、構内入替計画データベース302、センサ情報データベース303、列車データベース304、並びに入出力装置305を備えている。内部情報処理部301は、構内入替計画が更新されたときに、構内入替計画データベース302の内容を更新したり、各列車202に対して情報を送受信したり、受信した情報を入出力装置305に出力する。また、入出力装置305から入力された情報を基に列車202の遠隔操作を行ったり、各データベース302、303、304の情報を基に各列車202の位置を監視し、異常の場合には強制ブレーキをかけたりする。
【0019】
構内入替計画データベース302には、列車202の構内入替の計画と構内入替が終了したかどうかの情報が登録されている。センサ情報データベース303には、車両基地内の各番線の両端に2個ずつ設置されたセンサ装置105のセンサIDが登録されている。列車データベース304には、車両基地に入庫する列車202上の車上情報処理装置206(図2)のIPアドレス情報を登録したものである。入出力装置305は、遠隔操作される列車202のカメラ装置204の映像を表示したり、マイク装置205の音声を出力したりする出力部分と、列車202を遠隔操作する模擬運転台等の入力部分からなる。
【0020】
図4は、本発明の実施例1における構内入替計画データベース302のデータ構成である。構内入替計画データベース302の登録項目は、移動開始時刻401、移動リミット時刻402、列車番号403、移動元番線404、移動先番線405、並びに移動完了フラグ406である。車両基地内の構内入替は事前に計画されており、その情報が登録される。検査場104における作業に遅延が発生した場合には構内入替計画作成者が手作業で計画変更を行い、その情報を再登録することで更新を行う。移動開始時刻401は、構内入替を行う開始時刻である。構内入替計画データベース302の各行は、移動開始時刻401の時刻順に登録されているものとする。移動リミット時刻402は、該当する行の構内入替が終了していなければならない時刻である。この時刻を越えても該当する構内入替が終了していない場合には遅延となり、構内入替計画を変更する必要がある。列車番号403は、該当する行の構内入替を行う列車の列車番号である。移動元番線404は、該当する行の構内入替を行う出発番線である。同様に、移動先番線405は、該当する行の構内入替を行う到着番線である。移動完了フラグ406は、該当する行の構内入替が終了していれば1となる。
【0021】
図5は、本発明の実施例1におけるセンサ情報データベース303のデータ構成である。センサ情報データベース303の登録項目は、番線番号501、上り方面上り側センサID502、上り方面下り側センサID503、下り方面上り側センサID504、並びに下り方面下り側センサID505である。センサ装置105は、事前に固定設置されているため、センサ情報データベース303は事前に登録されるものである。番線番号501は、車両基地内の各番線に個別に付けられたIDである。各番線には、両端に2個ずつセンサ装置(車両センサ)105が設置されている。それぞれのセンサ装置105にIDが割り振られており、上り方面の端部に設置された2個のセンサ装置105のIDは、それぞれ、上り方面上り側センサID502、上り方面下り側センサID503である。一方、下り方面の端部に設置された2個のセンサ装置105のIDは、それぞれ、下り方面上り側センサID504、下り方面下り側センサID505である。
【0022】
図6は、本発明の実施例1における列車データベース304のデータ構成である。列車データベース304の登録項目は、列車番号601及び車上情報処理装置IPアドレス602である。図2の車上情報処理装置206は、事前に各列車202に固定設置されているため、列車データベース304は事前に登録されるものである。列車番号601は、車両基地に入庫する各列車202に固有に付けられたIDである。車上情報処理装置IPアドレス602は、該当する列車202内に設置された車上情報処理装置206のIPアドレスである。
【0023】
図7は、本発明の実施例1における地上情報処理装置201の内部情報処理部301における遠隔操作初期化処理フロー図である。地上情報処理装置201の電源が投入された時もしくは日付が新しくなった時に図7に示す処理フローを開始する。まず、変数iの値を0に初期化する(ステップ701)。次に、変数iの値を1増やす(ステップ702)。次に、構内入替計画データベース302のi行目の項目が登録されているかどうかを確認する(ステップ703)。登録されていなければ、これ以上構内入替の計画は無いということになるので処理を終了する。i行目の項目が登録されていれば、i行目に登録されている移動開始時刻401になったかどうかを確認する(ステップ704)。移動開始時刻401になっていなければ再びステップ704を実行する。移動開始時刻401になれば、i行目以前の行の移動完了フラグ406が全て1になっているかどうかを確認する(ステップ705)。1つでも0のものがあれば、計画通りに構内入替が行われていないことになるので、入出力装置305にエラー出力を出力して(ステップ706)、処理を終了する。i行目以前の行の移動完了フラグ406が全て1になっていれば、i行目の列車番号403に対応する車上情報処理装置IPアドレス602を列車データベース304から検索して取得する。次に、移動元番線404と移動先番線405から移動の進行方向が上り方向であるか下り方向であるかを判断する(ステップ708)。次に、取得した車上情報処理装置IPアドレス602宛てに進行方向が上りであるか下りであるかの情報と通信要求の情報を送信する(ステップ709)。次に、対応する列車202と通信が確立したかどうかを確認する(ステップ710)。通信が確立していなければ再びステップ710を実行する。通信が確立すれば、列車202から受信したカメラ映像、マイク音を入出力装置305から出力して、遠隔操作可能な状態にする(ステップ711)。次に、再びステップ702を実行する。
【0024】
図8は、本発明の実施例1における地上情報処理装置201の内部情報処理部301における遠隔操作支援処理フロー図である。この処理フローにより、列車202の遠隔操作を行っているときの地上情報処理装置201の内部情報処理部301における遠隔操作支援処理を説明する。この処理は、図7におけるステップ711において、遠隔操作する列車202と通信が確立し、遠隔操作可能な状態になったときに開始される。まず、遠隔操作を行う対象列車202の列車番号403を基に、構内入替計画データベース302から移動元番線404と移動先番線405を検索して取得する(ステップ801)。次に、取得した番線に対応するセンサ装置105のセンサIDをセンサ情報データベース303から検索して取得する(ステップ802)。遠隔操作支援処理では、移動元の番線から指定された方向に列車が出て、移動先の番線に入り、かつ、移動先の番線からオーバーラン(過走)しないことを確認し、異常を検知した場合には、該当する列車202に強制ブレーキ指令を送信する。取得した移動元番線404と移動先番線405から、その構内入替が上り方面への移動か下り方面への移動かが判断できる。上り方面の移動であるかどうかを判定する(ステップ803)。上り方面への移動であれば、変数aの値に「上り」を代入し、変数bの値に「下り」を代入する(ステップ804)。また、下り方面への移動であれば、変数aの値に「下り」を代入し、変数bの値に「上り」を代入する(ステップ805)。次に、遠隔操作する列車202が、移動元番線から正しい方向に動き出したかどうかを確認する(ステップ806)。移動元のa方面b側センサが列車202を検知したことで、正しい方向の確認ができる。センサで検知していない場合は、逆方向に列車202が動き出していないかどうかを確認する(ステップ807)。移動元のb方面a側センサが列車202を検知することで逆走の確認ができる。
【0025】
ステップ807において、センサが検知しなかった場合には、再びステップ806を実行することで監視を続ける。
【0026】
ステップ807において、当該センサが列車を検知した場合には、逆方向に列車202を遠隔操作していることになる。したがって、構内入替計画データベース302の移動完了フラグ406を0に設定し、入出力装置305の出力に異常を表示し、強制ブレーキ指令を該当する列車202に送信し(ステップ808)、処理を終了する。
【0027】
ステップ806において、センサが検知した場合には、正しい方向に列車が動き始めたことになる。次に、該当する列車202が移動元の番線から出終わり、かつ、移動先の番線に入り始めたことを確認する(ステップ809)。移動元のa方面a側センサかつ、移動先のb方面b側センサが列車202を検知することで確認できる。ステップ809において検知できなかった場合には、間違った番線に列車202が進入していないかどうかを確認する(ステップ810)。移動元のa方面a側センサと移動先のb方面b側センサ以外のセンサが列車202を検知することで確認できる。ステップ810において、センサが列車202を検知しなければ再びステップ809を実行する。
【0028】
ステップ810においてセンサが列車202を検知すれば、間違った番線に列車202が進入していることになるのでステップ808を実行する。すなわち、構内入替計画データベース302の移動完了フラグ406を0に設定し、入出力装置305の出力に異常を表示し、強制ブレーキ指令を該当する列車202に送信し(ステップ808)、処理を終了する。
【0029】
ステップ809において、センサが列車202を検知すれば、列車202が正しい番線に進入を始めたことになる。次に、列車202が、移動先の番線に入り切ったかどうかを確認する(ステップ811)。移動先のb方面a側センサが列車202を検知し、b側センサが不動作となったことで確認できる。センサが列車202を検知できなければ、再びステップ811を実行して監視を続ける。センサが列車202を検知できれば、構内入替計画データベース302の該当する移動完了フラグ406の値を1に設定し、入出力装置305に正常に遠隔操作ができたことを表示する(ステップ812)。
【0030】
ステップ812における入出力装置305への表示により、正常に遠隔操作でき、列車の移動が完了したことを確認したオペレータが、操作終了確認操作(ステップ813)をすれば、この処理は終了する。この確認操作がなされるまでは、ステップ814にて、列車202が、移動先の番線からオーバーラン(過走)していないことの確認を継続する(ステップ814)。移動先のa方面b側センサが列車202を検知した場合には、列車202が、移動先の番線からオーバーラン(過走)したことになるので、ステップ808を実行する。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施例1によれば、車両基地内の遠隔操作による列車入替において、遠隔操作ミスを起こした場合にも強制ブレーキがかかることにより、安全性を向上でき、オペレータの負担を著しく軽減できる。これに伴い、頻繁に行われる構内入替のための運転士の人員配置を考慮する必要性が無くなる。
【0032】
また、カメラ装置やマイク装置を使った列車の遠隔操作を行うことで、構内入替のための誘導員を配置する必要性が無くなり、車両基地の人員コストを削減することができる。
【実施例2】
【0033】
図9は、本発明の実施例2における地上情報処理装置900の構成図である。地上情報処理装置900は、図3の地上情報処理装置201と同様に、内部情報処理部301、センサ情報データベース303、並びに列車データベース304を備えている。但し、マンマシンインターフェースについては、複数の入出力装置901,902を備えている。また、構内入替計画データベース903は、後述するように、前述した実施例1の構内入替計画データベース302と異なる項目を持つものである。この実施例2では、複数の入出力装置901,902を利用して、車両基地内の複数の列車の構内入替を同時に行うという点で実施例1とは異なる。車両基地内に引上線101が複数番線ある場合や、大規模な車両基地の場合には、同時に複数の列車の構内入替を行うことができる。
【0034】
図10は、本発明の実施例2における構内入替計画データベース903のデータ構成である。この実施例2における構内入替計画データベース903の登録項目は、図4の構内入替計画データベース302と同様の項目のほかに、端末操作ID1001を加えたものである。すなわち、移動開始時刻401、移動リミット時刻402、列車番号403、移動元番線404、移動先番線405、端末操作ID1001、並びに移動完了フラグ406を持つ。
【0035】
車両基地内の入替計画は事前に作成、入力されており、移動開始時刻401、移動リミット時刻402、列車番号403、移動元番線404、並びに移動先番線405の各項目データは、自動で登録される。その後、後述するように、時間的に重なる複数列車の構内入替を検索して、複数の入出力装置901,902への割当てを行い、その結果を端末操作ID1001のデータとして登録する。操作端末ID1001は、複数の入出力装置901,902の識別子である。
【0036】
検査場104における作業に遅延が発生した場合等に、構内入替計画作成者が手作業で計画変更入力が行われた場合にも、再び、時間的に重なる複数列車の構内入替を検索して、複数の入出力装置901,902への割当てを行い、その結果を再登録することで更新を行う。
【0037】
地上情報処理装置900の内部情報処理部301における遠隔操作初期化処理において、構内入替計画データベース903の移動開始時刻401がきたときに、該当する操作端末ID1001を取り出す。そして、これに対応する入出力装置901又は902に対して、列車202から受信したカメラ映像、マイク音を出力して、遠隔操作可能な状態にする。
【0038】
図11は、本発明の実施例2における時間的に重なった複数の入替計画を複数の遠隔操作端末(入出力装置)に自動的に割当てる処理フロー図である。この処理は、毎朝及び計画データの変更入力が行われたときに実行される。構内入替計画データベース903の移動開始時刻401、移動リミット時刻402、列車番号403、移動元番線404、移動先番線405が登録されたときに、操作端末ID1001の割当てを自動で行うときの処理フローである。
【0039】
まず、図10の構内入替計画データベース903の各行の移動開始時刻401と移動リミット時刻402を取り出し、時刻順になるようにソーティングを行う。図10に記入した具体例では、ソーティングの結果は、(1)14:06、(2)14:07、(3)14:08、(4)14:10である。これらを、配列time[i]として格納する(ステップ1101)。次に、変数iの値に0を代入する(ステップ1102)。次に、変数iの値を1増やす(ステップ1003)。次に、time[i]が存在するかどうかを確認する(ステップ1004)。無ければ、全ての構内入替に対して操作端末の割当てを行ったことになるので処理を終了する。存在していれば、time[i]の値がj行目における移動開始時刻401であるかどうかを確認する(ステップ1105)。ここで、id[x]を操作端末の割当て状態を表すものとする。操作端末IDがxであるものが、遠隔操作に割当てられていればid[x]=1とし、割当てられていなければid[x]=0とする。ステップ1105において、time[i]の値がj行目における移動開始時刻401であれば、j行目の操作端末ID1001をid[x]=0の最小のxとし、id[x]=1とする。time[i]の値がj行目における移動開始時刻401でなければ、k行目における移動リミット時刻402であるので、k行目の操作端末ID1001の値がyであれば、id[y]=0とする。そして、引き続きステップ1103を実行する。
【0040】
図10に例示した2つの時間的に重なった入替計画の場合には、時刻の順に、time[1]=14:06、time[2]=14:07、time[3]=14:08、time[4]=14:10である。これらは、最終的に、ステップ1106で、id[1]=1、id[2]=1となり、2つの端末901,902が図10の各行にそれぞれ割当てられ、ステップ1107で、id[1]=0、id[2]=0となり、それぞれが開放となる。
【0041】
なお、3以上の入出力装置があれば、配置されている全ての入出力装置901,902,…に均等に入替作業を割り振ることが望ましい。
【0042】
以上説明したように、本発明の実施例2によれば、引上線が複数ある車両基地や大規模な車両基地の場合に、複数列車の同時構内入替が可能となり、列車の整備、清掃や検査、修理時間の短縮が可能となる等、作業効率を向上することができる。
【0043】
また、複数のオペレータが、並列に遠隔操作を行えるので、特定のオペレータの負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例1における鉄道車両基地例の平面図。
【図2】本発明の実施例1による車両遠隔支援システムの全体概略構成図。
【図3】本発明の実施例1における地上情報処理装置201の構成図。
【図4】本発明の実施例1における構内入替計画データベースのデータ構成図。
【図5】本発明の実施例1におけるセンサ情報データベースのデータ構成図。
【図6】本発明の実施例1における列車データベース304のデータ構成図。
【図7】本発明の実施例1における内部情報処理部の遠隔操作初期化処理フロー図。
【図8】本発明の実施例1における内部情報処理部の遠隔操作支援処理フロー図。
【図9】本発明の実施例2における地上情報処理装置900の構成図。
【図10】本発明の実施例2における構内入替計画データベースのデータ構成図。
【図11】本発明の実施例2における時間的に重なった複数の入替計画を複数の遠隔操作端末に自動的に割当てる処理フロー図。
【符号の説明】
【0045】
101…引上線、102…留置番線、103…作業番線、104…検査場、105…センサ装置(車両センサ)、201…地上情報処理装置、202…列車、203…地上ネットワーク、204…カメラ装置、205…マイク装置、206…車上情報処理装置、207…制御コントローラ、208…モータ装置、209…ブレーキ装置、210…車上ネットワーク、301…内部情報処理部、302,903…構内入替計画データベース、303…センサ情報データベース、304…列車データベース、305,901,902…入出力装置(遠隔操作端末)。




 

 


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