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発明の名称 電動パワーステアリング装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−99066(P2007−99066A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−290984(P2005−290984)
出願日 平成17年10月4日(2005.10.4)
代理人 【識別番号】100074170
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 修
発明者 前田 将宏 / 遠藤 修司
要約 課題
スター結線された3相ブラシレスモータで、1相に異常が発生したときに、残りの2相における駆動電流の大きさと方向を制御してモータ内部で発生する磁界ベクトルを回転させる。

解決手段
操舵系に対して操舵補助力を発生させる各相コイルLu〜Lwがスター結線された3相ブラシレスモータ12と、該3相ブラシレスモータ12を前記操舵系に伝達される操舵トルクに応じて駆動制御するモータ制御装置20とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記各相コイルの他端が前記モータ制御装置20のモータ駆動回路24に接続されると共に、前記スター結線の中性点が中性点駆動回路25に接続され、前記各相コイルと直列に相異常時にオフ制御されるスイッチング手段27が介挿されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
操舵系に対して操舵補助力を発生させる各相コイルがスター結線された3相ブラシレスモータと、該3相ブラシレスモータを前記操舵系に伝達される操舵トルクに応じて駆動制御するモータ制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、
前記各相コイルの他端が前記モータ制御装置のモータ駆動回路に接続されると共に、前記スター結線の中性点が中性点駆動回路に接続され、前記各相コイルと直列に相異常時にオフ制御されるスイッチング手段が介挿されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
操舵系に対して操舵補助力を発生させる各相コイルがスター結線された3相ブラシレスモータと、該3相ブラシレスモータを前記操舵系に伝達される操舵トルクに応じて駆動制御するモータ制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、
前記各相コイルの他端が前記モータ制御装置のモータ駆動回路に接続されると共に、前記スター結線の中性点が中性点用電源に接続され、前記各相コイルと直列に相異常時にオフ制御されるスイッチング手段が介挿されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項3】
前記中性点用電源は、前記モータ駆動回路に印加する電圧と接地電位との中間電圧に選定されていることを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項4】
前記中性点用電源は、前記モータ駆動回路に印加する電圧を分圧抵抗で分圧する分圧回路で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項5】
前記スイッチング手段は、各相コイルと前記モータ駆動回路との間に介挿されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項6】
前記スイッチング手段は、各相コイルと中性点との間に介挿されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項7】
前記モータ駆動回路は、2つのスイッチング素子を直列に接続した直列回路が各相毎に3組並列に接続された構成を有し、該モータ駆動回路を構成するスイッチング素子のうち1つが異常となったことを検出する異常検出手段と、該異常検出手段で1つのスイッチング素子の異常を検出したときに、当該スイッチング素子が接続された相コイルのスイッチング手段をオフ制御すると共に、正常な残り2相のコイルを磁界ベクトルが回転するように電流制御する異常時制御回路とを備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項8】
前記モータ制御装置は、3相コイルの誘起電圧波形より求めたブラシレスモータの誘起電圧波形をロータの回転座標系に変換したed(θ)及びeq(θ)の関係を表す正常時制御マップと、2相のコイルの誘起電圧より求めた前記ブラシレスモータの誘起電圧波形をロータの回転座標系に変換したed(θ)及びeq(θ)の関係を表す異常時用制御マップを備え、正常時に前記正常時制御マップを選択し、異常時に異常時用制御マップを選択するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、操舵系に対して操舵補助力を発生させる各相コイルがスター結線された3相ブラシレスモータと、該3相ブラシレスモータを前記操舵系に伝達される操舵トルクに応じて駆動制御するモータ制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電動パワーステアリング装置では、モータ駆動回路に異常が発生した場合は、リレー等のスイッチング手段を介して駆動回路とモータとの間を遮断するフェイルセーフ機能により対処するようにしている。この場合は、確かにリレー等のスイッチング手段の遮断機能により、ブラシレスモータのブレーキ状態は回復できるので、電動パワーステアリング装置を有しない通常のマニュアルステアリングとなる構成であるから、運転者による操舵は可能であり、車両の走行が不能となることは回避することができる。
しかしながら、マニュアルステアリングに移行すると、ステアリング操作に必要な操舵力が大幅に増加するため、運転者は著しい違和感を生じて、慣れるまでの間はぎこちない操舵状態となるという可能性があるという問題点がある。
【0003】
この問題点を解決するために、例えば2つの電界効果トランジスタを直列に接続した直列回路を5相ブラシレスモータの相数に対応する組数分並列に接続してFET回路を構成し、各直列回路における電界効果トランジスタの接続点を不導通検出回路を介してスター結線された各相コイルの他端に接続し、不導通検出回路で各相のうちの一つの相が不導通状態である異常を検出したときに、ブラシレスモータに流れる駆動電流を、正常時に比べて小さくすることにより、ブラシレスモータの一つの相が不導通となった場合でも、ブラシレスモータの駆動を継続してステアリングが重くなることを抑制するようにした電動式パワーステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−181617号公報(第1頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、5相ブラシレスモータでは駆動電流を小さくしてもブラシレスモータの回転駆動が可能であるが、3相ブラシレスモータでは、1相が不導通異常となったときに、残りの2相のみの通電で駆動してもモータ内部で発生する磁界ベクトルを回転させることができないため、モータを回転させることができず、また操舵力などの外力によりモータが回転させられたとしてもモータが発生するトルク脈動が大きく、運転者は著しい違和感を生じるという未解決の課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、スター結線された3相ブラシレスモータで1相に異常が発生したときに、残りの2相における駆動電流の大きさと方向を制御してモータ内部で発生する磁界ベクトルを回転させることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、操舵系に対して操舵補助力を発生させる各相コイルがスター結線された3相ブラシレスモータと、該3相ブラシレスモータを前記操舵系に伝達される操舵トルクに応じて駆動制御するモータ制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記各相コイルの他端が前記モータ制御装置のモータ駆動回路に接続されると共に、前記スター結線の中性点が中性点駆動回路に接続され、前記各相コイルと直列に相異常時にオフ制御されるスイッチング手段が介挿されていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に係る電動パワーステアリング装置は、操舵系に対して操舵補助力を発生させる各相コイルがスター結線された3相ブラシレスモータと、該3相ブラシレスモータを前記操舵系に伝達される操舵トルクに応じて駆動制御するモータ制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記各相コイルの他端が前記モータ制御装置のモータ駆動回路に接続されると共に、前記スター結線の中性点が中性点用電源に接続され、前記各相コイルと直列に相異常時にオフ制御されるスイッチング手段が介挿されていることを特徴としている。
【0008】
さらに、請求項3に係る電動パワーステアリング装置は、請求項2に係る発明において、前記中性点用電源は、前記モータ駆動回路に印加する電圧と接地電位との中間電圧に選定されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る電動パワーステアリング装置は、請求項2に係る発明において、前記中性点用電源は、前記モータ駆動回路に印加する電圧を分圧抵抗で分圧する分圧回路で構成されていることを特徴としている。
【0009】
なおさらに、請求項5に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、前記スイッチング手段は、各相コイルと前記モータ駆動回路との間に介挿されていることを特徴としている。
また、請求項6に係る電動パワーステアリング装置は、前記請求項1乃至4の何れか1つの発明において、前記スイッチング手段は、各相コイルと中性点との間に介挿されていることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項7に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1乃至6の何れか1つの発明において、前記モータ駆動回路は、2つのスイッチング素子を直列に接続した直列回路が各相毎に3組並列に接続された構成を有し、該モータ駆動回路を構成するスイッチング素子のうち1つが異常となったことを検出する異常検出手段と、該異常検出手段で1つのスイッチング素子の異常を検出したときに、当該スイッチング素子が接続された相コイルのスイッチング手段をオフ制御すると共に、正常な残り2相のコイルを磁界ベクトルが回転するように電流制御する異常時制御回路とを備えていることを特徴としている。
【0011】
さらにまた、請求項8に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1乃至6の何れか1つの発明において、前記モータ制御装置は、3相コイルの誘起電圧波形より求めたブラシレスモータの誘起電圧波形をロータの回転座標系に変換したed(θ)及びeq(θ)の関係を表す正常時制御マップと、2相のコイルの誘起電圧より求めた前記ブラシレスモータの誘起電圧波形をロータの回転座標系に変換したed(θ)及びeq(θ)の関係を表す異常時用制御マップを備え、正常時に前記正常時制御マップを選択し、異常時に異常時用制御マップを選択するように構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、3相ブラシレスモータのスター結線されたコイルの中性点を所定の電源又は駆動回路に接続することにより、3相ブラシレスモータの1相に異常が発生した場合でも中性点を異常となった相の代わりに使用してモータ内部で発生する磁界ベクトルを回転させて3相ブラシレスモータの駆動を運転者が違和感を生じることなく継続させることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合の一実施形態を示す全体構成図であって、図中、1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
【0014】
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
【0015】
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結された操舵補助力を発生する3相ブラシレスモータ12とを備えている。
操舵トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を抵抗変化や磁気変化に変換して検出するように構成されている。
【0016】
また、3相ブラシレスモータ12は、図2に示すように、U相コイルLu、V相コイルLv及びW相コイルLwの一端が互いに接続されてスター結線とされ、各コイルLu、Lv及びLwの他端が操舵補助制御装置20に接続されて個別にモータ駆動電流Iu、Iv及びIwが供給されると共に、各コイルLu、Lv及びLwが接続された中性点Pnも操舵補助制御装置20に接続されている。また、3相ブラシレスモータ12は、ロータの回転位置を検出するホール素子、レゾルバ等で構成されるロータ位置検出回路13を備えている。
【0017】
操舵補助制御装置20は、操舵トルクセンサ3で検出された操舵トルクT及び車速センサ21で検出された車速Vsが入力されると共に、ロータ位置検出回路13で検出されたロータ回転角θが入力され、さらに3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu、Lv及びLwに供給されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwを検出するモータ電流検出回路22から出力されるモータ駆動電流検出値Iud、Ivd及びIwdが入力されている。
【0018】
この操舵補助制御装置20は、操舵トルクT及び車速Vとモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdとロータ回転角θとに基づいて操舵補助電流目標値を演算して、モータ電圧指令値Vu、Vv及びVwを出力する制御演算装置23と、3相ブラシレスモータ12を駆動する電界効果トランジスタ(FET)で構成されるモータ駆動回路24と、中性点を駆動する電界効果トランジスタ(FET)で構成される中性点駆動回路25と、制御演算装置23から出力される相電圧指令値Vu、Vv及びVwに基づいてモータ駆動回路24及び中性点駆動回路25の電界効果トランジスタのゲート電流を制御するFETゲート駆動回路26と、モータ駆動回路24及び3相ブラシレスモータ12との間に接続されたスイッチング手段としての遮断用リレー回路27と、3相ブラシレスモータ12に供給されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwの異常を検出する異常検出回路28とを備えている。
【0019】
制御演算装置23は、図3に示すように、ベクトル制御の優れた特性を利用してベクトル制御d、q成分の電流指令値を決定した後、この電流指令値を各励磁コイルLu〜Lwに対応した各相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*に変換して出力するベクトル制御相指令値算出回路30と、このベクトル制御装置指令値算出回路30から出力される各相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*とモータ電流検出回路41で検出したモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdとで電流フィードバック処理を行う電流制御回路40を備えている。
【0020】
ベクトル相指令値算出回路30は、図3に示すように、操舵トルクセンサ3で検出した操舵トルクTと車速センサ21で検出した車速Vsとが入力され、これらに基づいて操舵補助電流指令値IM*を算出する操舵補助電流指令値演算部31と、ロータ回転角検出回路13で検出したロータ回転角θを電気角θeに変換する電気角変換部32と、この電気角変換部32から出力される電気角θeを微分して電気角速度ωeを算出する微分回路33と、操舵補助電流指令値IM*と電気角速度ωeとに基づいてd軸指令電流Id*を算出するd軸指令電流算出部34と、電気角θeに基づいてd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)を算出するd−q軸電圧算出部35と、このd−q軸電圧算出部35から出力されるd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)とd軸指令電流算出部34から出力されるd軸指令電流Id*と操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値IM*とに基づいてq軸指令電流Iq*を算出するq軸指令電流算出部36と、d軸指令電流算出部34から出力されるd軸指令電流Id*とq軸指令電流算出部36から出力されるq軸指令電流Iq*とを3相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*に変換する2相/3相変換部37とを備えている。
【0021】
上述した操舵補助電流指令値演算部31は、操舵トルクT及び車速Vsをもとに図4に示す操舵補助電流指令値算出マップを参照して操舵補助電流指令値IM*を算出する。ここで、操舵補助電流指令値算出マップは、図4に示すように、横軸に操舵トルクTをとり、縦軸に操舵補助指令値IM*をとると共に、車速検出値Vをパラメータとした放物線状の曲線で表される特性線図で構成され、操舵トルクTが“0”からその近傍の設定値T1までの間は操舵補助指令値IM*が“0”を維持し、操舵トルクTが設定値T1を超えると最初は操舵補助指令値IM*が操舵トルクTの増加に対して比較的緩やかに増加するが、さらに操舵トルクTが増加すると、その増加に対して操舵補助指令値IM*が急峻に増加するように設定され、この特性曲線が車速が増加するに従って傾きが小さくなるように設定されている。
【0022】
また、d軸指令電流算出部34は、図5に示すように、操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値IM*を3相ブラシレスモータ12へのベース角速度ωbに換算する換算部51と、操舵補助電流指令値IM*の絶対値|IM*|を算出する絶対値部52と、モータの電気角速度ωeとモータの磁極数Pとからモータの機械角速度ωm(=ωe/P)を算出する機械角算出部53と、ベース角速度ωbと機械角速度ωmとに基づいて進角Φ=acos(ωb/ωm)を算出するacos算出部54と、進角φに基づいてsinΦを求めるsin算出部55と、絶対値部52からの絶対値|IM*|とsin算出部55から出力されるsinφとを乗算して−1倍することによりd軸電流指令値Id*(=−|IM*|sinφ)を求める乗算器56とを備えている。
【0023】
このように、d軸指令電流算出部34を構成することにより、d軸指令電流Id*は、
Id*=−|IM*|・sin(acos(ωb/ωm) …………(1)
となり、この(1)式のacos(ωb/ωm)の項に関し、モータの回転速度が高速でない場合、つまり3相ブラシレスモータ12の機械角速度ωmがベース角速度ωbより低速次の場合は、ωm<ωbとなるのでacos(ωb/ωm)=0となり、よってId*=0となる。しかし、高速回転時、つまり機械角速度ωmがベース角速度ωbより高速になると、電流指令値Id*の値が現れて、弱め開示制御を始める。上記(1)式に表されるように、電流指令値Id*は3相ブラシレスモータ12の回転速度によって変化するため、高速度回転時の制御をつなぎ目なく円滑に行うことが可能であるという優れた効果がある。
【0024】
また、別の効果としてモータ端子電圧の飽和の問題に関しても効果がある。モータの相電圧Vは、一般的に、
V=E+R・I+L(di/dt) …………(2)
で表される。ここで、Eは逆起電圧、Rは固定抵抗、Lはインダクタンスであり、逆起電圧Eはモータが高速回転になるほど大きくなり、バッテリー電圧などの電源電圧は固定であるから、モータの制御に利用できる電圧範囲が狭くなる。この電圧飽和に達する角速度がベース角速度ωbで、電圧飽和が生じるとPWM制御のデューティ比が100%に達し、それ以上は電流指令値に追従できなくなり、その結果トルクリップルが大きくなる。
【0025】
しかし、上記(3)式で表される電流指令値Id*は極性が負であり、上記(2)式のL(di/dt)に関する電流指令値Id*の誘起電圧成分は、逆起電圧Eと極性が反対となる。よって、高速回転になるほど値が大きくなる逆起電圧Eを、電流指令値Id*によって誘起される電圧で減じる効果を示す。その結果、3相ブラシレスモータ12が高速回転になっても、電流指令値Id*の効果によってモータを制御できる電圧範囲が広くなる。つまり、電流指令値Id*の制御による弱め界磁制御によってモータの制御電圧は飽和せず、制御できる範囲が広くなり、モータの高速回転時にもトルクリップルが大きくなることを防止できる効果がある。
【0026】
さらに、d−q軸電圧算出部35は、例えば図6に示すd−q軸電圧算出処理を実行してd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)を算出する。
このd−q軸電圧算出処理は、先ず、ステップS1で、後述する異常検出回路28から出力される相異常検出信号SAを読込み、次いでステップS2に移行して、相異常検出信号SAが正常を表す“0”であるか否かを判定し、SA=“0”であるときにはモータ電流Iu、Iv及びIwが正常であるものと判断してステップS3に移行する。
【0027】
このステップS3では、図7に示す正常用d−q軸電圧算出マップを選択し、次いでステップS4に移行して、電気角θeを読込み、次いでステップS5に移行して、電気角θeをもとに図7に示す正常用d−q軸電圧算出マップを参照してd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)を算出し、次いでステップS6に移行して、算出したd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)をq軸指令電流算出部36に出力してから前記ステップS1に戻る。ここで、正常用d−q軸電圧算出マップは、図7に示すように、横軸に電気角ωeをとり、縦軸に各相コイルが発生する誘起電圧波形を回転座標に変換したd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)をとって構成され、3相ブラシレスモータ12が図8に示すように正常時の誘起電圧波形U相EMF、V相EMF及びW相EMFが夫々120度位相の異なる正弦波となる正弦波誘起電圧モータである場合には、図7に示すように、電気角θには関係なくed(θ)及びq軸電圧eq(θ)が共に一定値となる。
【0028】
一方、前述したステップS2の判定結果が、相異常検出信号SAがU相が異常であることを表す“1”、V相が異常であることを表す“2”及びW相が異常であることを表す“3”の何れかであるときにはステップS7に移行して、異常となった相に対応する異常用d−q軸電圧算出マップを選択し、次いでステップS8に移行して、前述したステップS4と同様に電気角θeを読込み、次いでステップS9に移行して、読込んだ電気角θeをもとに図9に示す異常用d−q軸電圧算出マップを参照してd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)を算出してから前記ステップS6に移行する。ここで、異常用d−q軸電圧算出マップは、図9に示すように、例えばW相が異常となって図10に示すようにW相誘起電圧EMFが後述するように零である場合に、正常なU相及びV相のコイルが発生する誘起電圧波形を回転座標に変換したd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)が共に電気角180度で1周期の振動波形となるように設定されている。
【0029】
この図6のd−q軸電圧算出処理において、ステップS7〜ステップS9の処理が異常時制御回路に対応している。
さらにまた、q軸指令電流算出部36は、電気角速度ωe、d軸電圧ed(θ)、q軸電圧eq(θ)、d軸指令電流Id*及び操舵補助電流指令値IM*をもとに下記(3)の演算を行ってq軸指令電流Iq*を算出する。
Iq*=(Kt×IM*×ωe−ed(θ)×Id*)÷eq(θ) …………(3)
ここで、Ktはモータトルク定数である。
【0030】
電流制御回路40は、ベクトル制御相指令値算出部30から供給される電流指令値Iu*,Iv*,Iw*から電流検出回路22で検出した各相コイルLu、Lv、Lwに流れるモータ相電流検出値Iud、Ivd、Iwdを減算して各相電流誤差ΔIu、ΔIv、ΔIwを求める減算器41u、41v及び41wと、求めた各相電流誤差ΔIu、ΔIv、ΔIwに対して比例積分制御を行って指令電圧Vu、Vv、Vwを算出するPI制御部42とを備えている。
そして、PI制御部42から出力される指令電圧Vu、Vv、VwがFETゲート駆動回路26に供給される。
【0031】
モータ駆動回路24は、図2に示すように、各相コイルLu、Lv及びLwに対応して直列に接続されたNチャンネルMOSFETで構成されるスイッチング素子Qua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbを並列に接続されたインバータ構成を有し、スイッチング素子Qua,Qubの接続点、Qva,Qvbの接続点及びQwa,Qwbの接続点が夫々相コイルLu、Lv及びLwの中性点Pnとは反対側に接続されている。
【0032】
そして、モータ駆動回路24を構成する各スイッチング素子Qua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,QwbのゲートにFETゲート駆動回路26から出力されるPWM(パルス幅変調)信号が供給されている。
さらに、中性点駆動回路25は、電源端子と接地との間に直列に接続された電界効果トランジスタQpa及びQpbを有し、電界効果トランジスタQpa及びQpbの接続点に中性点Pnが接続され、両電界効果トランジスタQpa及びQpbがFETゲート駆動回路26によって駆動制御される。
【0033】
さらに、遮断用リレー回路27は、3相ブラシレスモータ12の相コイルLu、Lv及びLwの中性点Pnとは反対側の端子と、モータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbの接続点との間に個別に介挿されたリレー接点RLY1、RLY2及びRL3と、中性点Pnと中性点駆動回路25の電界効果トランジスタQpa及びQpbとの間に介挿されたリレー接点RLY4とで構成されている。そして、各リレー接点RLY1〜RLY3は、異常検出回路28で総ての相で異常が検出されない正常状態では閉状態に制御され、何れか1つの相で異常が検出されたときに異常となった相のリレー接点RYLi(i=1〜3)が開状態に制御される。なお、リレー接点RLY4については中性点駆動回路25の電界効果トランジスタQpa及びQpbが正常であるときには閉状態に制御され、電界効果トランジスタQpa及び又はQpbが異常となったときに開状態に制御される。
【0034】
さらにまた、異常検出回路28は、モータ駆動回路24に供給するパルス幅変調信号と各相のモータ電圧とを比較することによってU相、V相、及びW相の異常を検出することができる。さらに、異常検出回路28は中性点駆動回路25の電界効果トランジスタQpa及びQpbに供給するパルス幅変調信号と中性点電圧とを比較することにより、中性点駆動回路25の異常を検出する。そして、異常検出回路28では、中性点駆動回路25が正常であり、U相、V相及びW相の全てが正常である場合には、遮断用リレー回路27のリレー接点RLY1〜RL3を閉状態に制御し、U相、V相及びW相の何れか1つの異常を検出した場合には、該当する相のリレー接点RLYiを開状態且つリレー接点RLY4を閉状態に制御すると共に、前述した制御演算装置23のd−q軸電圧算出部35に、正常時に“0”、U相異常時には“1”、V相異常時には“2”、W相異常時には“3”となる相異常検出信号SAを出力する。
【0035】
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、モータ駆動回路24を構成する各電界効果トランジスタQua〜Qwbが正常であるときには、異常検出回路28で異常状態が検出されることはなく、各リレー接点RLY1〜RLY3が閉状態に制御されて、モータ駆動回路24から出力されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwがリレー接点RLY1、RLY2及びRLY3を介して3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu、Lv及びLwに供給される。
【0036】
この状態で、例えば車両の停止時に、ステアリングホイール1を操舵していない状態では、操舵トルクセンサ3で検出される操舵トルクTが“0”であるので、制御演算装置23の操舵補助電流指令値演算部31で算出される操舵補助電流指令値IM*も“0”となると共に、微分回路33から出力される電気角速度ωeも“0”となるので、d軸指令電流算出部34で算出されるd軸指令電流Id*も“0”となり、q軸指令電流算出部36で前記(3)式にしたがって算出されるq軸指令電流Iq*も“0”となることから、2相/3相変換部37から出力される相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*も“0”となる。
【0037】
このとき、3相ブラシレスモータ12も停止しているので、モータ電流検出回路22で検出されるモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdも“0”となることから、電流制御回路40かの減算器41u、41v及び41wから出力される電流偏差ΔIu、ΔIv及びΔIwも“0”となり、PI制御部42から出力される電圧指令値Vu、Vv及びVwも“0”となって、FETゲート駆動回路26からモータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbのゲートに出力されるパルス幅変調信号のデューティ比が50%に制御され、且つ上アームの電界効果トランジスタに供給するパルス幅変調信号と下アームの電界効果トランジスタに供給するパルス幅変調信号とにはデッドタイムが設けられているので、上アームの電界効果トランジスタQua、Qva、Qwaと下アームの電界効果トランジスタQub、Qvb、Qwbとが導通することはなく、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu、Lv及びLwに供給されるモータ電流Iu、Iv及びIwは“0”となり、3相ブラシレスモータ12は停止状態を維持する。
【0038】
このステアリングホイール1の非操舵状態から、車両の停止時にステアリングホイール1を操舵して所謂据え切り状態とすると、これに応じて操舵トルクセンサ3で検出される操舵トルクTが大きな値となると共に、車速Vsが“0”であるので、図4の操舵補助電流指令値算出マップで一番急峻な特性曲線が選択されることにより、操舵トルクTの増加に応じて大きな値の操舵補助電流指令値IM*が算出されることになる。このため、d軸指令電流算出部34で算出されるd軸指令電流Id*が負方向に増加する。
【0039】
一方、異常検出回路28からは正常を表す“0”の相異常検出信号SAが出力され、これがd−q軸電圧算出部35に供給されるので、このd−q軸電圧算出部35における図6の電圧算出処理で、ステップS2からステップS3に移行して、図7に示す正常用d−q軸電圧算出マップが選択される。
このとき、3相ブラシレスモータ12が停止しているので、電気角速度ωeは“0”の状態を継続するが、図7の正常用d−q軸電圧算出マップでは電気角速度ωeにかかわらずd軸電圧ed(θ)が“0”、q軸電圧eq(θ)が例えば3.0に維持され、これがq軸指令電流算出部36に供給されるので、このq軸指令電流算出部36で(3)式の演算を行ってq軸指令電流Iq*を算出する。
【0040】
そして、算出されたd軸指令電流Id*及びq軸指令電流Iq*が2相/3相変換部37で三相分相処理が行われて、電流指令値Iu*、Iv*及びIw*が算出され、これらが電流制御部40に供給される。
このため、電流制御部40では、モータ電流検出回路22から入力されるモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdが“0”を維持しているので、減算器41u、41v及び41wから出力される電流偏差ΔIu、ΔIv及びΔIwが正方向に増加し、PI制御部42で電流偏差ΔIu、ΔIv及びΔIwにPI制御処理を行って指令電圧Vu、Vv及びVwを算出し、これらをFEYゲート駆動回路26に供給することにより、モータ駆動回路24の各電界効果トランジスタが制御されて、このモータ駆動回路24から図11に示す120度位相がずれたモータ相電流Iu、Iv及びIwを3相ブラシレスモータ12の相コイルLu、Lv及びLwに出力することにより、3相ブラシレスモータ12が回転駆動されて、ステアリングホイール1に入力される操舵トルクに応じた操舵補助力を発生し、これが減速ギヤ11を介してステアリングシャフト2に伝達されることにより、ステアリングホイール1を軽い操舵力で操舵することができる。
【0041】
その後、車両が走行を開始すると、これに応じて操舵補助電流指令値演算部31で算出される操舵補助電流指令値IM*が低下することにより、d軸指令電流Id*及びq軸自励電流Iq*が減少して、2相/3相変換部37から出力されるモータ電流指令値Iu*、Iv*及びIw*が減少し、これに応じてモータ駆動電流Iu、Iv及びIwが減少して、3相ブラシレスモータ12で発生する操舵補助力が減少される。
【0042】
このモータ駆動回路24の正常状態から、例えばW相が不導通となる異常が発生すると、これが異常検出回路28で検出され、この異常検出回路28から“3”を表す相異常検出信号SAがd−q軸電圧算出部35に出力されると共に、リレー接点RLY3が開状態に制御されて、モータ駆動回路24と3相ブラシレスモータ12の相コイルLwとの間が遮断される。
【0043】
この相異常状態では、d軸指令電流算出部34では、操舵補助電流指令値演算部31で算出される操舵補助電流IM*に基づいて正常時と同様にd軸指令電流Id*が算出されるが、d−q軸電圧算出部35における図6の処理では、ステップS2からステップS7に移行して、異常となったW相に対応する異常用d−q軸電圧算出マップが選択され、次いでステップS8で電気角θeが読込まれ、この電気角θeに基づいて図9の異常用d−q軸算出マップを参照してd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)が算出される。これらd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)は図9に示すように電気角180度で1周期の振動波形となる。
そして、算出されたd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)がq軸指令電流算出部36に供給され、このq軸指令電流算出部36で前述した(3)式の演算を行ってq軸指令電流Iq*が算出される。
【0044】
そして、d軸指令電流Id*及びq軸指令電流Iq*が2相/3相変換部37でモータ電流指令値Iu*、Iv*及びIw*に変換されて、これが電流制御部40に出力されるので、この電流制御部40で、電流フィードバック処理が行われて、モータ駆動回路24から図12に示すように電流の大きさと方向が制御されたU相電流Iu、V相電流Ivが出力される。このとき、中性点Pnは中性点駆動回路25に接続されているので、この中性点駆動回路25を、デューティ比50%固定の状態で駆動することにより、図12に示すように、U相電流Iu及びV相電流Ivを加算した値の逆符号となる中性相電流Ipを流すことができる。このため、3相ブラシレスモータ12におけるモータ内部の磁気ベクトルを回転させて、正常時よりは小さい操舵補助力を大きなリップルを伴うことなく連続して発生することができ、前述した従来例のように運転者に大きな違和感を与えることを確実に防止することができる。
【0045】
また、1つの相に異常が発生したときに、モータ駆動回路24とブラシレスモータの相コイルLu、Lv及びLwとの間に、リレー接点RLY1、RLY2及びRLY3が介挿されているので、モータ駆動回路24を構成するスイッチング素子に短絡異常が発生した場合に形成されてしまう制御できない電流経路を遮断することができ、3相ブラシレスモータ12が回転する際に発生する誘起電圧により回生電流が流れ、3相ブラシレスモータ12にブレーキトルクが発生してしまうことを確実に回避することができるという効果がある。
【0046】
また、中性点駆動回路25のみで異常が発生した場合には、異常検出回路28で中性点電圧異常を検出したときに、リレー接点RLY4を開状態に制御することにより、3相ブラシレスモータ12は中性点を他部に接続しない通常の3相ブラシレスモータと同様の構成となり、操舵トルクTに応じた操舵補助力を発生することができる。
なお、上記実施形態においては、3相ブラシレスモータ12の中性点Pnと中性点駆動回路25との間にリレー接点RLY4を介挿した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、中性点駆動回路25の異常を想定しない場合には、リレー接点RLY4を省略することができる。
【0047】
また、上記実施形態においては、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu〜Lwとモータ駆動回路24との間に遮断用リレー回路27を介挿した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図13に示すように、3相ブラシレスモータ12とモータ駆動回路24との間の遮断用リレー回路27を省略し、これに代えて、各相コイルLu、Lv及びLwのモータ駆動回路24側とは反対側の接続端と中性点Pnとの間に遮断用リレー回路27を設けるようにしても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
さらに、上記実施形態においては、3相ブラシレスモータ3の中性点Pnを中性点駆動回路25に接続した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図14に示すように、3相ブラシレスモータ12の中性点をモータ駆動回路24に印加する印加電圧Vccより低く接地電位より高い中間電圧に設定された中性点用電源Vmに接続するようにしても上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。この場合、中性点電源Vmとしては図15に示すように、モータ駆動回24に印加する印加電圧Vccと接地との間に分圧用抵抗R1及びR2を接続し、この分圧用抵抗R1及びR2の接続点から得られる印加電圧Vccより低く接地電位より高い分圧電圧を3相ブラシレスモータの中性点Pnに供給するようにしてもよく、この場合には、モータ駆動回路24に印加する印加電圧を供給する電圧源とは別の電圧源を形成する必要がなく、モータ駆動回路25の構成を簡略化することができる。
【0049】
なおさらに、上記実施形態においては、ベクトル相指令値算出回路30の出力側に2相/3相変換部37を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図16に示すように、2相/3相変換部37を省略し、これに代えてモータ電流検出回路22から出力されるモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdを3相/2相変換部60に供給して、回転座標のd軸電流Idd及びq軸電流Iqdに変換し、電流制御部40の減算器61d及び61qで電流偏差ΔId及びΔIqを算出し、これらをPI制御部62でPI制御処理してd軸指令電圧Vd及びq軸指令電圧Vqを算出し、これらを2相/3相変換部63で3相の指令圧Vu、Vv及びVwに変換して、FETゲート駆動回路26に供給するようにして制御演算装置23全体をベクトル制御系に構成するようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態においては、モータ駆動回路24及び中性点駆動回路25を電界効果トランジスタで構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、バイポーラトランジスタ、GTO等の任意のスイッチング素子を適用することができる。
また、上記実施形態においては、スイッチング手段として遮断用リレー回路27を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、MOSFET、パワートランジスタ等のスイッチング素子を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合の第1の実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】操舵補助制御装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の制御演算装置23の具体的構成を示すブロック図である。
【図4】操舵トルクと操舵補助電流指令値との関係を表す操舵補助電流指令値算出マップを示す特性線図である。
【図5】ベクトル相指令値算出回路のd軸指令電流算出部の具体的構成を示すブロック図である。
【図6】d−q軸電圧算出部で実行するd−q軸電圧算出処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】正常用d−q軸電圧算出用制御マップを示す特性線図である。
【図8】正常時の3相ブラシレスモータで発生する誘起電圧波形を示す特性線図である。
【図9】W相異常時の異常用d−q軸電圧算出用制御マップを示す特性線図である。
【図10】W相異常時の3相ブラシレスモータで発生する誘起電圧波形を示す特性線図である。
【図11】正常時の3相ブラシレスモータの相電流波形を示す特性線図である。
【図12】W相異常時の3相ブラシレスモータの相電流波形と中性相電流波形とを示す特性線図である。
【図13】本発明における遮断用リレー回路の介挿位置を変更した例を示すブロック図である。
【図14】本発明における中性点駆動回路を変更した例を示すブロック図である。
【図15】本発明における中性点駆動回路を変更した他の例を示すブロック図である。
【図16】本発明における制御演算装置の他の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0052】
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…操舵トルクセンサ、8…ステアリングギヤ、10…操舵補助機構、12…3相ブラシレスモータ、13…ロータ位置検出回路、20…操舵補助制御装置、21…車速センサ、22…モータ電流検出回路、23…制御演算装置、24…モータ駆動回路、25…中性点駆動回路、26…FETゲート駆動回路、27…遮断用リレー回路、28…異常検出回路、30…ベクトル相指令値算出回路、31…操舵補助電流指令値演算部、32…電気角変換部、33…微分回路、34d軸指令電流算出部、35…d−q軸電圧算出部、q軸指令電流算出部、37…2相/3相変換部、40…電流制御部、41u〜41w…減算器、42…PI制御部




 

 


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