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発明の名称 空気入りタイヤ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−45324(P2007−45324A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−232038(P2005−232038)
出願日 平成17年8月10日(2005.8.10)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 坂野 真人
要約 課題
周方向主溝の気柱共鳴に起因する騒音を効果的に低減する。

解決手段
トレッド部12のタイヤ踏面には、複数種のピッチの組み合わせにより複数の陸部51が形成されている。各陸部51には、周方向主溝22と交差する方向に沿ってラグ溝32が形成され、各ラグ溝32は、溝長手方向一方の端部が周方向主溝22に連結して開口し、溝長手方向他方の端部が各陸部51内で終端する構成である。さらに、ラグ溝32の溝体積は、タイヤ接地面内の周方向主溝22について少なくとも二種類以上となっている。このように、トレッドパターンにピッチバリエーションを導入すると共に、片側が袋状に閉じたラグ溝32を周方向主溝22に連結し、このラグ溝32の溝体積をタイヤ接地面内の周方向主溝22について少なくとも二種類以上とすることにより、周方向主溝22に生ずる気柱共鳴音の低減効果を従来に比して高めることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
トレッド部のタイヤ踏面に、タイヤ周方向に沿って少なくとも一本の周方向主溝が形成されると共に前記周方向主溝と交差して複数の横溝が形成されることにより、タイヤ周方向に沿って複数の陸部が配列されると共に、前記各陸部をタイヤ周方向に区画する横溝の一方と前記各陸部を合わせたタイヤ周方向の長さをピッチとした場合に、複数種のピッチを備えてなる空気入りタイヤにおいて、
前記各陸部には、前記周方向主溝と交差する方向に沿って少なくとも一本のラグ溝が形成され、
前記ラグ溝は、溝長手方向一方の端部が前記周方向主溝に連結して開口し、溝長手方向他方の端部が前記各陸部内で終端するように構成され、
前記ラグ溝の溝体積は、前記周方向主溝について少なくとも二種類以上となっていることを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記ラグ溝の溝長手方向の長さは、前記周方向主溝について少なくとも二種類以上となっていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記ラグ溝の溝深さは、前記周方向主溝について少なくとも二種類以上となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記ラグ溝の溝幅は、前記周方向主溝について少なくとも二種類以上となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記ラグ溝は、前記ピッチが増加するに従って溝体積が増加するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに係り、特にトレッドパターンにピッチバリエーションが導入されてなる空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、年々厳しくなる空気入りタイヤの騒音規制に対しては、主音源であるタイヤトレッドパターンの溝体積を減少させることで低騒音化が図られていた。
【0003】
ところが、トレッドパターンの溝体積を減少させると、空気入りタイヤの騒音を低減することができる一方で、トレッドパターンに形成された溝が備える排水機能が低下することにより、タイヤ全体としてウェット性能が低下するという問題が生じる。
【0004】
そこで、タイヤ全体としてのウェット性能を確保しつつ、空気入りタイヤの騒音を低減する技術として、各陸部をタイヤ周方向に区画する横溝の一方と各陸部を合わせたタイヤ周方向の長さで定義されるピッチをタイヤ周方向に複数種組み合わせることにより、トレッドパターンにピッチバリエーションを導入した空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1に記載の例によれば、トレッドパターンにピッチバリエーションを導入することにより、空気入りタイヤの転動に伴って発生するパターンノイズを低減することができるとされている。
【特許文献1】特開平4−244402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の例では、トレッドパターンにピッチバリエーションを導入した場合には各陸部と路面との衝突音が不均一化して騒音が助長されるとし、これを防ぐために、各陸部での面圧を均一化させることにむしろ注意が払われており、空気入りタイヤの騒音に大きなウェイトを占めるとされている周方向主溝の気柱共鳴に起因する騒音に対してはなんら考慮されていないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、空気入りタイヤの騒音に大きなウェイトを占めるとされている周方向主溝の気柱共鳴に起因する騒音を効果的に低減することが可能な空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の空気入りタイヤは、トレッド部のタイヤ踏面に、タイヤ周方向に沿って少なくとも一本の周方向主溝が形成されると共に前記周方向主溝と交差して複数の横溝が形成されることにより、タイヤ周方向に沿って複数の陸部が配列されると共に、前記各陸部をタイヤ周方向に区画する横溝の一方と前記各陸部を合わせたタイヤ周方向の長さをピッチとした場合に、複数種のピッチを備えてなる空気入りタイヤにおいて、前記各陸部には、前記周方向主溝と交差する方向に沿って少なくとも一本のラグ溝が形成され、前記ラグ溝は、溝長手方向一方の端部が前記周方向主溝に連結して開口し、溝長手方向他方の端部が前記各陸部内で終端するように構成され、前記ラグ溝の溝体積は、前記周方向主溝について少なくとも二種類以上となっていることを特徴とするものである。
【0009】
次に請求項1に記載の空気入りタイヤの作用について説明する。
【0010】
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、各陸部に周方向主溝と交差する方向に沿って少なくとも一本のラグ溝が形成され、このラグ溝は、溝長手方向一方の端部が周方向主溝に連結して開口すると共に、溝長手方向他方の端部が各陸部内で終端するように構成されている。このように、片側が袋状に閉じたラグ溝を周方向主溝に連結させると、周方向主溝に生ずる気柱共鳴音の音圧をサイドブランチ効果により低減させることができる。つまり、片側が袋状に閉じたラグ溝を周方向主溝に連結すると、ラグ溝の溝長手方向の長さをL、音速をVとした場合に、次式(1)で表される周波数fの気柱共鳴音を吸収することができる。
【0011】
f=(2n−1)・V/4L・・・(1)
【0012】
但し、n:振動次数(n=1,3,5・・・)
【0013】
また、本発明では、ラグ溝の溝体積(溝長さ、溝深さ、溝幅のうち少なくとも一つ)が周方向主溝について少なくとも二種類以上となっているので、周方向主溝に生ずる気柱共鳴音の音圧低減効果をラグ溝の溝体積によって異ならせる(分散する)ことができる。
【0014】
さらに、本発明では、各陸部をタイヤ周方向に区画する横溝の一方と各陸部を合わせたタイヤ周方向の長さをピッチとした場合に、複数種のピッチが備えられることにより、トレッドパターンにピッチバリエーションが導入されているので、周方向主溝に生ずる気柱共鳴音を低減することができる。
【0015】
このように、本発明によれば、トレッドパターンにピッチバリエーションを導入すると共に、片側が袋状に閉じたラグ溝を周方向主溝に連結し、このラグ溝の溝体積を周方向主溝について少なくとも二種類以上とすることにより、空気入りタイヤの騒音に大きなウェイトを占めるとされている周方向主溝の気柱共鳴に起因する騒音を効果的に低減することができる。
【0016】
ここで、請求項2に記載の空気入りタイヤは、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝の溝長手方向の長さが、前記周方向主溝について少なくとも二種類以上となっていることを特徴とするものである。
【0017】
次に請求項2に記載の空気入りタイヤの作用について説明する。
【0018】
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、ラグ溝の溝長手方向の長さが周方向主溝について少なくとも二種類以上となっているので、上式(1)によれば、ラグ溝によって吸収することのできる気柱共鳴音の周波数fをラグ溝の溝長手方向の長さによって異ならせる(分散する)ことができる。
【0019】
これにより、請求項2に記載の空気入りタイヤによれば、周方向主溝に生ずる気柱共鳴音の低減効果を従来に比して高めることができるので、空気入りタイヤの騒音に大きなウェイトを占めるとされている周方向主溝の気柱共鳴に起因する騒音をより効果的に低減することができる。
【0020】
また、請求項3に記載の空気入りタイヤは、請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝の溝深さが、前記周方向主溝について少なくとも二種類以上となっていることを特徴とするものである。
【0021】
次に請求項3に記載の空気入りタイヤの作用について説明する。
【0022】
請求項3に記載の空気入りタイヤでは、ラグ溝の溝深さが周方向主溝について少なくとも二種類以上となっているので、周方向主溝に生ずる気柱共鳴音の音圧低減効果をラグ溝の溝深さによって異ならせる(分散する)ことができる。これにより、周方向主溝に生ずる気柱共鳴音の低減効果を従来に比して確実に高めることができる。
【0023】
また、請求項4に記載の空気入りタイヤは、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝の溝幅が、前記周方向主溝について少なくとも二種類以上となっていることを特徴とするものである。
【0024】
次に請求項4に記載の空気入りタイヤの作用について説明する。
【0025】
請求項4に記載の空気入りタイヤでは、ラグ溝の溝幅が周方向主溝について少なくとも二種類以上となっているので、周方向主溝に生ずる気柱共鳴音の音圧低減効果をラグ溝の溝幅によって異ならせる(分散する)ことができる。これにより、周方向主溝に生ずる気柱共鳴音の低減効果を従来に比して確実に高めることができる。
【0026】
また、請求項5に記載の空気入りタイヤは、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝が、前記ピッチが増加するに従って溝体積が増加するように構成されていることを特徴とするものである。
【0027】
次に請求項5に記載の空気入りタイヤの作用について説明する。
【0028】
各陸部をタイヤ周方向に区画する横溝の一方と各陸部を合わせたタイヤ周方向の長さであるピッチが増加すると、各陸部のタイヤ周方向の長さが長くなるので、陸部のブロック剛性が高くなることにより周方向主溝の気柱共鳴音の発生が助長される傾向にある。ところが、請求項5に記載の空気入りタイヤのように、ピッチが増加するに従ってラグ溝の溝体積が増加するように構成されていると、各陸部のブロック剛性をタイヤ全体として均一化することが可能となるので、これにより、周方向主溝に生ずる気柱共鳴音の音圧を効果的に低減することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明の空気入りタイヤによれば、周方向主溝に生ずる気柱共鳴音の低減効果を従来に比して高めることができるので、空気入りタイヤの騒音に大きなウェイトを占めるとされている周方向主溝の気柱共鳴に起因する騒音をより効果的に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、構成、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0031】
(空気入りタイヤの構成)
はじめに、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの構成について説明する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ10のトレッド部12を展開した図、図2は図1の周方向主溝22およびラグ溝32の断面図、図3は図1の周方向主溝20およびラグ溝30の断面図である。
【0033】
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ10は、例えば大型セダンなどの乗用自動車用のタイヤとして好適に用いられるものである。先ず、本例の空気入りタイヤ10のトレッドパターンについて簡単に説明すると、空気入りタイヤ10に構成されたトレッド部12のタイヤ踏面の中央には、タイヤ周方向に沿って一対の周方向主溝20が形成されており、この一対の周方向主溝20を挟んだ両側には、タイヤ周方向に沿って一対の周方向主溝22が形成されている。
【0034】
また、一対の周方向主溝20の間でタイヤ赤道線CL上には、タイヤ周方向に沿って周方向細溝24が形成されており、周方向主溝20と周方向主溝22との間には、タイヤ周方向に沿って一対の周方向細溝26が形成されている。さらに、周方向主溝22のタイヤ幅方向外側でトレッド端14の近傍には、タイヤ周方向に沿って一対の周方向溝28が形成されている。
【0035】
そして、本例の空気入りタイヤ10では、上述のように、トレッド部12に、周方向主溝20および周方向主溝22が形成されることにより、タイヤ幅方向内側から外側に向けて、リブ40、中間陸部列50、両側陸部列60が形成されている。
【0036】
本例の中間陸部列50には、周方向主溝20および周方向主溝22と連結すると共に周方向主溝20,22と交差する斜め方向に延びる傾斜細溝34が複数形成されている。これにより、本例の中間陸部列50には、タイヤ周方向に沿って複数の中間陸部51が配列されている。
【0037】
ここで、各中間陸部51をタイヤ周方向に区画する傾斜細溝34の一方と各中間陸部51を合わせたタイヤ周方向の長さをピッチとした場合に、本例の空気入りタイヤ10は、複数種(本例では小中大の三種)のピッチを備えた構成となっている。
【0038】
つまり、本例の空気入りタイヤ10では、トレッド部12のパターンに所謂ピッチバリエーションが導入されており、例えば、本例の中間陸部列50は、小ピッチP1の中間陸部51と、中ピッチP2の中間陸部51と、大ピッチP3の中間陸部51との組み合わせをタイヤ周方向に繰り返すようにして形成されている。
【0039】
なお、小ピッチP1の中間陸部51と、中ピッチP2の中間陸部51と、大ピッチP3の中間陸部51との組み合わせは、本実施例に限定されるものではなく、種々改変することができることは勿論である。
【0040】
例えば、本例のように、小ピッチP1の中間陸部51から大ピッチP3の中間陸部51まで昇順に配列させた組み合わせをタイヤ周方向に繰り返すことに限らず、小さいピッチの中間陸部51から大ピッチP3の中間陸部51まで昇順に配列させた後に大ピッチP3の中間陸部51から小ピッチP1の中間陸部51まで降順に配列させ、この組み合わせをタイヤ周方向に繰り返すようにしても良い。
【0041】
また、小ピッチP1の中間陸部51と、中ピッチP2の中間陸部51と、大ピッチP3の中間陸部51とを、タイヤ周方向にランダムに配列しても良い。
【0042】
そして、各中間陸部51には、周方向主溝22と交差する斜め方向に沿ってラグ溝32が一本ずつ形成されている。本例では、ピッチバリエーションが導入された各中間陸部51のタイヤ周方向中間位置にラグ溝32が形成されることにより、ラグ溝32はタイヤ周方向に可変ピッチで配置されている。
【0043】
このラグ溝32は、後に詳述するように、周方向主溝22に生ずる気柱共鳴音を低減するために設けられたものであり、溝長手方向一方の端部が周方向主溝22に連結して開口すると共に、溝長手方向他方の端部が中間陸部51内で終端するように構成されている。また、本例のラグ溝32は、図2に示すように、隣接する周方向主溝22よりも溝深さが浅く形成されている。
【0044】
そして、本例の空気入りタイヤ10では、タイヤ接地面内の周方向主溝22についてラグ溝32の溝体積が二種類以上となるように構成されている。このとき、本例では、各中間陸部51のピッチが増加するに従って、ラグ溝32の溝体積が増加するように構成されており、より具体的には、各中間陸部51のピッチが増加するに従って、ラグ溝32の溝長手方向の溝長さが増加するように構成されている。
【0045】
なお、この場合のタイヤ接地面とは、空気入りタイヤ10をJATMA YEAR BOOK(2004年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときのものである。使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
【0046】
ここで、本例では、各中間陸部51のピッチが増加するに従って、ラグ溝32の溝長手方向の長さが増加するように説明したが、各中間陸部51のピッチが増加するに従って、ラグ溝32の溝深さ又は溝幅が増加するように構成されていても良く、また、溝長手方向の長さ、溝深さ、溝幅の少なくともひとつが増加するように構成されていても良い。
【0047】
そして、本例のリブ40には、周方向主溝20と交差する斜め方向に延びるラグ溝30が複数形成されている。各ラグ溝30は、傾斜細溝34の形成方向延長線上に位置するように配置されており、ラグ溝32と同様に、タイヤ周方向に可変ピッチで配置されている。
【0048】
このラグ溝30は、周方向主溝20に生ずる気柱共鳴音を低減するために設けられたものであり、溝長手方向一方の端部が周方向主溝20に連結して開口すると共に、溝長手方向他方の端部がリブ40内で終端するように構成されている。また、本例のラグ溝30は、図3に示すように、隣接する周方向主溝20よりも溝深さが浅く形成されている。
【0049】
そして、本例の空気入りタイヤ10では、タイヤ接地面内の周方向主溝20についてラグ溝30の溝体積が二種類以上となるように構成されている。このとき、本例では、ラグ溝30間のピッチが増加するに従って、ラグ溝30の溝体積が増加するように構成されており、より具体的には、ラグ溝30間のピッチが増加するに従って、ラグ溝30の溝長手方向の溝長さが増加するように構成されている。
【0050】
なお、この場合のタイヤ接地面とは、上記と同様に、空気入りタイヤ10をJATMA YEAR BOOK(2004年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときのものである。使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
【0051】
ここで、本例では、ラグ溝30間のピッチが増加するに従って、ラグ溝30の溝長手方向の長さが増加するように説明したが、ラグ溝30間のピッチが増加するに従って、ラグ溝30の溝深さ又は溝幅が増加するように構成されていても良く、また、溝長手方向の長さ、溝深さ、溝幅の少なくともひとつが増加するように構成されていても良い。
【0052】
そして、本例の両側陸部列60には、周方向主溝22と連結すると共に周方向主溝22と交差する斜め方向に延びる傾斜溝36が複数形成されている。これにより、本例の両側陸部列60には、タイヤ周方向に沿って複数の両側陸部61が配列されている。
【0053】
本例の両側陸部61は、中間陸部51の各ピッチに合わせて形成されており、各両側陸部61のラグ溝32に対応する位置には、凹部37が形成されている。さらに、この凹部37のタイヤ幅方向外側には、凹部37からタイヤ径方向外側に延びて両側陸部61内で終端する傾斜細溝38が形成されており、また、傾斜細溝38の形成方向延長線上には、トレッド端14側からタイヤ径方向内側に延びて両側陸部61内で終端する傾斜細溝39が形成されている。
【0054】
ここで、図示を省略しているが、本例の空気入りタイヤ10におけるトレッド12のタイヤ幅方向両側には、左右のサイドウォールが形成され、サイドウォールおよびトレッド12の内側には、カーカスが設けられている。また、トレッド12とカーカスの間には、ベルトが介挿されている。その他にも本例の空気入りタイヤ10にはビードなどの従来周知の部材が備えられている。
【0055】
(作用効果)
次に、上記構成からなる空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0056】
本例の空気入りタイヤ10では、中間陸部列50の各中間陸部51に周方向主溝22と交差する方向に沿ってラグ溝32が形成され、このラグ溝32は、溝長手方向一方の端部が周方向主溝22に連結して開口すると共に、溝長手方向他方の端部が中間陸部51内で終端するように構成されている。
【0057】
このように、片側が袋状に閉じたラグ溝32を周方向主溝22に連結させると、周方向主溝22に生ずる気柱共鳴音の音圧をサイドブランチ効果により低減させることができる。つまり、片側が袋状に閉じたラグ溝32を周方向主溝22に連結すると、ラグ溝32の溝長手方向の長さをL、音速をVとした場合に、次式(1)で表される周波数fの気柱共鳴音を吸収することができる。
【0058】
f=(2n−1)・V/4L・・・(1)
【0059】
但し、n:振動次数(n=1,3,5・・・)
【0060】
また、本例では、ラグ溝32の溝体積(溝長さ、溝深さ、溝幅のうち少なくとも一つ)がタイヤ接地面内の周方向主溝22について少なくとも二種類以上(本例では三種)となるように構成されているので、周方向主溝22に生ずる気柱共鳴音の音圧低減効果をラグ溝32の溝体積によって異ならせる(分散する)ことができる。
【0061】
さらに、本例の中間陸部列50では、トレッドパターンにピッチバリエーションが導入されているので、周方向主溝22に生ずる気柱共鳴音を低減することができる。
【0062】
このように、本例によれば、トレッドパターンにピッチバリエーションを導入すると共に、片側が袋状に閉じたラグ溝32を周方向主溝22に連結し、このラグ溝32の溝体積をタイヤ接地面内の周方向主溝22について少なくとも二種類以上とすることにより、空気入りタイヤ10の騒音に大きなウェイトを占めるとされている周方向主溝22の気柱共鳴に起因する騒音を効果的に低減することができる。
【0063】
特に、本例では、ラグ溝32の溝長手方向の長さがタイヤ接地面内の周方向主溝22について少なくとも二種類以上となっているので、上式(1)によれば、ラグ溝32によって吸収することのできる気柱共鳴音の周波数fをラグ溝32の溝長手方向の長さによって異ならせる(分散する)ことができる。
【0064】
これにより、周方向主溝22に生ずる気柱共鳴音の低減効果を従来に比して高めることができるので、空気入りタイヤ10の騒音に大きなウェイトを占めるとされている周方向主溝22の気柱共鳴に起因する騒音をより効果的に低減することができる。
【0065】
さらに、本例の空気入りタイヤ10では、リブ40に周方向主溝20と交差する方向に沿ってラグ溝30が形成され、このラグ溝30は、溝長手方向一方の端部が周方向主溝20に連結して開口すると共に、溝長手方向他方の端部がリブ40内で終端するように構成されている。
【0066】
このように、片側が袋状に閉じたラグ溝30を周方向主溝20に連結させると、ラグ溝32と同様に、周方向主溝20に生ずる気柱共鳴音の音圧をサイドブランチ効果により低減させることができる。
【0067】
また、本例では、ラグ溝30の溝体積(溝長さ、溝深さ、溝幅のうち少なくとも一つ)がタイヤ接地面内の周方向主溝20について少なくとも二種類以上(本例では三種)となるように構成されているので、周方向主溝20に生ずる気柱共鳴音の音圧低減効果をラグ溝30の溝体積によって異ならせる(分散する)ことができる。
【0068】
特に、本例では、ラグ溝30の溝長手方向の長さがタイヤ接地面内の周方向主溝20について少なくとも二種類以上となっているので、上式(1)によれば、ラグ溝30によって吸収することのできる気柱共鳴音の周波数fをラグ溝30の溝長手方向の長さによって異ならせる(分散する)ことができる。
【0069】
これにより、周方向主溝20に生ずる気柱共鳴音の低減効果も従来に比して高めることができるので、空気入りタイヤ10の騒音に大きなウェイトを占めるとされている周方向主溝20の気柱共鳴に起因する騒音についてもより効果的に低減することができる。
【0070】
(試験例)
次に、本実施形態に係る空気入りタイヤ10の性能評価について説明する。
【0071】
本発明の効果を確かめるために、従来例に係る空気入りタイヤ(二種類)と本実施例に係る空気入りタイヤ10について比較試験を行う。
【0072】
従来例1に係る空気入りタイヤは、本実施例の空気入りタイヤ10に対して各中間陸部51に形成されたラグ溝30,32の溝長手方向の長さと溝深さとを一定とし、且つ、トレッド部12のタイヤ踏面における溝面積比率を35%としたもので、その他の構成を同一としたものである。
【0073】
従来例2に係る空気入りタイヤは、本実施例の空気入りタイヤ10に対して各陸部に形成されたラグ溝30,32の溝長手方向の長さと溝深さとを一定とし、且つ、トレッド部12のタイヤ踏面における溝面積比率を30%としたもので、その他の構成を同一としたものである。
【0074】
比較試験は、各空気入りタイヤについての通過騒音試験と、コーナリングハイドロプレーニング試験とを行う。空気入りタイヤは、235/50R18のものを用い、車両には、国産の大型セダンタイプの乗用自動車を用い、2名乗車とする。各空気入りタイヤの空気圧は230kpaとし、アライメント等の車両条件は車両指定のものとする。
【0075】
通過騒音試験では、JIS D8301に定められた車両の通過騒音の試験法に基づいて測定を行う。具体的には、ISO路面上を53km/hで車両を走行させ、このときの通過騒音を、車両中心から7.5m離れ、高さ1.2mの位置に置かれたマイクで測定する。なお、ISO路面とは、ISO10844の規格に規定された車両通過騒音測定用の路面のことである。
【0076】
コーナリングハイドロプレーニング試験では、水深が10mmの路面上で半径100mの旋回走行を行い、速度を次第に上げてハイドロプレーニング現象が発生して半径100mの旋回走行を維持できなくなったときの車両横方向の加速度を測定する。
【0077】
表1には、従来例1、従来例2、実施例に係る空気入りタイヤの構成詳細と共に、比較試験結果を示す。
【0078】
【表1】


【0079】
上記各試験より、表1に示すように、従来例2の空気入りタイヤは、従来例1の空気入りタイヤに比して、通過騒音を低く抑えることができるが、ウェット性能に劣るという結果が得られた。
【0080】
これに対し、本実施例の空気入りタイヤ10は、従来例1に係る空気入りタイヤと同等のウェット性能を確保しつつ、従来例2に係る空気入りタイヤと同等に通過騒音を低く抑えることができるという結果が得られた。
【0081】
以上より、本実施例の空気入りタイヤ10は、ウェット性能と低騒音性能を兼ね備えたバランスの良い空気入りタイヤであると言える。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部を展開した図である。
【図2】図2は本実施形態に係るトレッド部の要部断面図である。
【図3】図3は本実施形態に係るトレッド部の要部断面図である。
【符号の説明】
【0083】
10 空気入りタイヤ
12 トレッド部
20,22 周方向主溝
24 周方向細溝(横溝)
30,32 ラグ溝
40 リブ
50 中間陸部列
51 中間陸部




 

 


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