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発明の名称 無人搬送車の車輪磨耗量の推定方法と車輪交換時期の判定方法、及び、無人搬送車の走行制御方法とその装置。
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−22282(P2007−22282A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−206484(P2005−206484)
出願日 平成17年7月15日(2005.7.15)
代理人 【識別番号】100080296
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 純一
発明者 中野 良平
要約 課題
無人搬送車の車輪の磨耗を適切に把握してその走行状態を制御するとともに、車輪の交換時期を適正に判定する方法を提供する。

解決手段
無人搬送車10の経路の直進区間内に所定の距離の計測区間を設けて、上記無人搬送車10が上記計測区間を一定の速度で走行したときの車輪12の回転数をエンコーダ14で計測する操作を、上記無人搬送車10が計測区間をN回通過するまで繰り返し、各回ごとに計測したパルス数Piの平均値Pを算出し、この平均値Pと上計測区間の実際の距離をYとから、単位パルス当たりに車輪12の進む実際の距離Xを算出し、このXが予め設定された交換時期の車輪径Rcと上記平均値Pとから求められる単位パルス当たりの交換時期距離Z以下になった場合には車輪交換時期であると判定するようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
走行中の無人搬送車の車輪の所定の直進区間内での回転数を検出し、上記直進区間の実際の距離と、上記検出された車輪回転数と上記車輪の径の初期値とから算出される走行距離算出値とを用いて、当該車輪の摩耗量を推定するようにしたことを特徴とする無人搬送車の車輪摩耗量の推定方法。
【請求項2】
上記直進区間内での無人搬送車の走行速度を一定速度としたことを特徴とする請求項1に記載の無人搬送車の車輪摩耗状態の推定方法。
【請求項3】
走行中の無人搬送車の車輪の所定の直進区間内での回転数を検出し、上記直進区間の実際の距離と、上記検出された車輪回転数と上記車輪の径の初期値とから算出される走行距離算出値とを用いて、当該車輪の摩耗量を推定するとともに、上記摩耗量の推定値が予め設定した閾値を超えた場合に、上記車輪が交換時期に達したと判定することを特徴とする無人搬送車の車輪交換時期の判定方法。
【請求項4】
上記摩耗量の推定値に代えて、上記直進区間におけ車輪の回転数と上記直進区間の実際の距離とから算出される単位角度当たりの走行距離と、上記車輪の径の初期値を用いて算出される単位角度当たりの走行距離との差を求め、上記差が予め設定した閾値を超えた場合に、上記車輪が交換時期に達したと判定することを特徴とする請求項3に記載の無人搬送車の車輪交換時期の判定方法。
【請求項5】
上記磨耗量の推定値もしくは上記単位角度当たりの走行距離の差が予め設定した閾値を超えた場合には、上記車輪の径を光学的に検出し、上記検出された車輪径が予め設定した車輪径に満たない場合に、上記車輪が交換時期に達したと判定することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の無人搬送車の車輪交換時期の判定方法。
【請求項6】
走行中の無人搬送車の車輪の所定の直進区間内での回転数を検出し、上記直進区間の実際の距離と、上記検出された車輪回転数と上記車輪の径の初期値とから算出される走行距離算出値とを用いて、当該車輪の摩耗量を推定するとともに、上記推定された摩耗量に基づいて上記無人搬送車の車輪回転速度、及び、当該搬送車の所定の経路での車輪の総回転数のいずれか一方、または両方を変更するようにしたことを特徴とする無人搬送車の走行制御方法。
【請求項7】
上記摩耗量の推定値に代えて、上記直進区間における車輪の回転数と上記直進区間の実際の距離とから算出される単位角度当たりの走行距離と、上記車輪の径の初期値を用いて算出される単位角度当たりの走行距離との差を求め、上記単位角度当たりの走行距離の差に基づいて上記無人搬送車の車輪回転速度、または、当該搬送車の所定の経路での車輪の総回転数のいずれか一方、または両方を変更するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の無人搬送車の走行制御方法。
【請求項8】
無人搬送車の車輪に取付けられた上記車輪の回転数を検出する手段と、
無人搬送車が所定の直進区間に進入する進入時間と上記直進区間を通過した通過時間とを検知する手段と、
上記直進区間内での上記車輪の回転数、上記車輪の径の初期値、及び、上記進入時間から上記通過時間までの時間間隔から上記車輪の走行距離の演算値を演算する走行距離演算手段と、
上記走行距離の演算値と上記直進区間の実際の距離との差に基づいて上記車輪の回転速度、または、当該搬送車の所定の経路での車輪の総回転数のいずれか一方、または両方を変更する手段、
とを備えたことを特徴とする無人搬送車の走行制御装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送するための無人搬送車の走行制御方法及びその装置に関するもので、特に、車輪の磨耗状態を推定して磨耗に伴う無人搬送車の走行距離の誤差を補正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生タイヤなどの半製品や加硫済みタイヤなどの製品を搬送・移載する際に、例えば、図5(a),(b)に示すような、自動走行装置51,51を備えた無人搬送車50が多く用いられている。この無人搬送車50は、図示しないリフト機構により昇降する荷物あるいは荷物を搭載した台車を支持するバー部材52,52が上面に設けられた矩形箱体状のケーシング53を備え、上記自動走行装置51,51により、床面に設けられた走行ライン54上に貼り付けられた反射テープ55を上記ケーシング53正面の左右に設けられた光電センサなどのライン検出センサ56a,56bにより検出しながら上記走行ライン54に沿って走行するもので、一般には、上記ライン検出センサ56a,56bの検出結果と、駆動モータ57,57により回転駆動する左右の車輪58a,58bの駆動軸に取付けられた図示しないエンコーダの出力から算出される車輪速度とに基づいて、上記車輪58a,58bの回転速度を制御する。このとき、上記左右の車輪56a,56bを独立に駆動するとともに、左右の車輪56a,56bの回転速度をそれぞれ調整することにより、カーブした走行ラインであっても安定した状態で上記無人搬送車50を走行させることが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
また、上記無人搬送車を停止する際には、走行ラインの両側に別途に設けられた停止用のマーカを検出し、上記エンコーダの出力をカウントして上記無人搬送車の走行距離を積算しながら所定の速度まで減速し、その後、上記停止用のマーカーを検出してから所定の距離だけ走行させた後停止させるようにすれば、上記無人搬送車を停止位置に精度よく停止させることができる(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−63337号公報
【特許文献2】特開2000−10632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記無人搬送車の走行速度の制御は、通常、車輪の回転速度に基づいて行なわれているが、車輪が磨耗してくると車輪の径が取付時の径よりも小さくなるため、実際の走行距離が車輪の回転速度から算出される走行距離よりも短くなってしまうことから、停止位置が当初の位置からずれてしまうなどのトラブルが発生していた。
そこで、定期点検の際に上記無人搬送車の径をそれぞれ計測して、磨耗が進んだ車輪を交換したり、走行距離の積算値が所定の値を超えているときには、車輪が磨耗しているとして車輪を交換することも考えられるが、無人搬送車の車輪の状態をすべてチェックすること効率的ではなく、また、走行距離の積算値を目安にして車輪交換を行うようにした場合には、交換時期を早めに見積もらないと、停止位置のずれをなくすことは困難である。
また、停止位置のずれが許容範囲を超えた場合には車輪が磨耗したとして上記車輪を交換する方法も考えられるが、この場合にも、車輪を早期に交換することになるため、コストアップになるといった問題点がある。
【0004】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、無人搬送車の車輪の磨耗量を適切に把握してその走行状態を制御するとともに、車輪の交換時期を適正に判定する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討の結果、無人搬送車が所定の直進区間内を走行しているときの車輪の回転数を検出して、車輪の径が取付時の径(初期値)であるとして算出した走行距離と実際の走行距離とを比較すれば、車輪の磨耗量を精度よく推定することができることを見出し本発明に想到したものである。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、走行中の無人搬送車の車輪の所定の直進区間内での回転数を検出し、上記直進区間の実際の距離と、上記検出された車輪回転数と上記車輪の径の初期値とから算出される走行距離算出値とを用いて、当該車輪の摩耗量を推定するようにしたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無人搬送車の車輪摩耗状態の推定方法において、上記直進区間内での無人搬送車の走行速度を一定速度としたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項3に記載の発明は、無人搬送車の車輪の交換時期を判定する方法であって、走行中の無人搬送車の車輪の所定の直進区間内での回転数を検出し、上記直進区間の実際の距離と、上記検出された車輪回転数と上記車輪の径の初期値とから算出される走行距離算出値とを用いて、当該車輪の摩耗量を推定するとともに、上記摩耗量の推定値が予め設定した閾値を超えた場合に、上記車輪が交換時期に達したと判定することを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の無人搬送車の車輪交換時期の判定方法において、上記摩耗量の推定値に代えて、上記直進区間におけ車輪の回転数と上記直進区間の実際の距離とから算出される単位角度当たりの走行距離と、上記車輪の径の初期値を用いて算出される単位角度当たりの走行距離との差を求め、上記差が予め設定した閾値を超えた場合に、上記車輪が交換時期に達したと判定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の無人搬送車の車輪交換時期の判定方法において、上記磨耗量の推定値もしくは上記単位角度当たりの走行距離の差が予め設定した閾値を超えた場合には、上記車輪の径を光学的に検出し、上記検出された車輪径が予め設定した車輪径に満たない場合に、上記車輪が交換時期に達したと判定することを特徴とする。
【0007】
請求項6に記載の発明は、無人搬送車の走行状態を制御する方法であって、走行中の無人搬送車の車輪の所定の直進区間内での回転数を検出し、上記直進区間の実際の距離と、上記検出された車輪回転数と上記車輪の径の初期値とから算出される走行距離算出値とを用いて、当該車輪の摩耗量を推定するとともに、上記推定された摩耗量に基づいて上記無人搬送車の車輪回転速度、または、当該搬送車の所定の経路での車輪の総回転数のいずれか一方、または両方を変更することにより、車輪の磨耗に伴って減少する当該搬送車の走行距離を補正するようにしたことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の無人搬送車の走行制御方法において、上記摩耗量の推定値に代えて、上記直進区間における車輪の回転数と上記直進区間の実際の距離とから算出される単位角度当たりの走行距離と、上記車輪の径の初期値を用いて算出される単位角度当たりの走行距離との差を求め、上記走行距離との差に基づいて上記無人搬送車の車輪回転速度、または、当該搬送車の所定の経路での車輪の総回転数のいずれか一方、または両方を変更するようにしたことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、無人搬送車の車輪の回転速度を制御して無人搬送車の走行状態を制御する無人搬送車の走行制御装置であって、
無人搬送車の車輪に取付けられた上記車輪の回転数を検出する手段と、
無人搬送車が所定の直進区間に進入する進入時間と上記直進区間を通過した通過時間とを検知する手段と、
上記直進区間内での上記車輪の回転数、上記車輪の径の初期値、及び、上記進入時間から上記通過時間までの時間間隔から上記車輪の走行距離の演算値を演算する走行距離演算手段と、
上記走行距離の演算値と上記直進区間の実際の距離との差に基づいて上記車輪の回転速度、または、当該搬送車の所定の経路での車輪の総回転数のいずれか一方、または両方を変更する手段、とを備え、
車輪の磨耗に伴って減少する当該搬送車の走行距離を補正して、上記無人搬送車を予め設定された所定の位置まで精度よく移動させることができるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、走行中の無人搬送車の所定の直進区間内での車輪の回転数を検出し、上記直進区間の実際の距離と上記検出された車輪回転数と上記車輪の径の初期とを用いて算出した算出値とを用いて、当該車輪の摩耗量を推定するようにしたので、車輪の磨耗状態を精度よく検出できる。また、上記推定磨耗量、あるいは、上記推定磨耗量に対応する量である、直進区間における車輪の回転数と上記直進区間の実際の距離とから算出される単位角度当たりの走行距離と、上記車輪の径の初期値を用いて算出される単位角度当たりの走行距離との差に基づいて、上記無人搬送車の車輪回転速度、もしくは、当該搬送車の所定の経路での車輪の総回転数を変更するようにしたので、無人搬送車の走行距離の誤差をなくすことができ、車輪の取付時と同様の精度の高い走行制御を行うことができる。
また、上記磨耗量もしくは単位角度当たりの走行距離との差に対して閾値を設けて、上記推定された磨耗量あるいは走行距離との差が上記閾値を超えた場合には、上記車輪が交換時期に達したと判定するようにすれば、車輪を適正な時期に交換することができる。
また、上記車輪の径を光学的に検出し、上記検出された車輪径が予め設定した車輪径に満たない場合に、上記車輪が交換時期に達したと判定するようにすれば、車輪の交換時期の確実性を更に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本最良の形態に係る無人搬送車の車輪磨耗状態の推定方法を示す図で、図2は、本発明による無人搬送車10の制御コントローラの詳細を示す図である。各図において、10は無人搬送車の誘導路20上に貼り付けられた反射テープなどのマーカ21を車体の前方に取付けられた左右のマーカ検出用センサ11,11により検出しながら上記誘導路20に沿って走行する無人搬送車、30は予め設定された制御プログラム信号に基づいて上記無人搬送車10の走行状態を監視するとともに、上記無人搬送車10と図示しない他の無人搬送車との位置や走行速度など、多数の無人搬送車の走行状態を監視する上位コントローラである。
上記無人搬送車10は車輪12と、上記車輪12を駆動するモータ13と、上記車輪12の回転数を検出するエンコーダ14と、発光素子15aと受光素子15bとを有し上記車輪12の径を検出する車輪径検出センサ15と、後述する車輪磨耗状態を推定するために行う車輪回転数計測の計測開始及び計測終了を指示する計測開始トリガ及び計測終了トリガを検出するトリガ検出手段16と、上記モータ13を駆動・制御して上記無人搬送車10の発進・走行・停止などを制御する制御コントローラ17とを備えたもので、本例では、上記制御コントローラ17に、上記モータ13の回転速度を制御して上記無人搬送車10の走行速度を制御する走行制御手段17aと上記エンコーダ14の出力から上記無人搬送車10の走行距離を算出する走行距離算出手段17bとに加えて、車輪12の磨耗量の目安となる単位パルス当たりの走行距離を算出して車輪12の磨耗状態を推定する車輪磨耗状態推定手段17cと、予め設定された車輪交換の目安となる交換目安距離Wや車輪交換に値する単位パルス当たりに車輪12の進む距離Zなどの設定値を記憶し、上記車輪12の交換時期を判定する車輪交換時期判定手段17dとを備えている。
また、40a,40bは上記無人搬送車10の車輪12の直進区間に所定の距離だけ離隔して設けられた位置検出手段で、位置検出手段40aは無人搬送車10の先頭位置が上記直進区間に進入したときを検知し、位置検出手段40bは無人搬送車10の先頭位置が上記直進区間を通過したときを検知して、車輪磨耗状態を推定するために行う車輪回転数計測の計測開始あるいは計測終了のトリガーを発生し、このトリガーを上記無人搬送車10のトリガ検出手段16に送信する。このような位置検出手段40a,40bとしては、例えば、発光素子と受光素子とから成る光学式センサとトリガ発生手段とを備えたものを用いることができる。具体的には、上記光学式センサの発光素子と受光素子間を上記無人搬送車10の前側の側面に設けられた位置検出用バー18が通過したときに、上記トリガ発生手段が計測開始あるいは計測終了のトリガーを発生して上記無人搬送車10に送信し、上記無人搬送車10に計測開始位置に到達したことや、計測終了位置まで走行したことにを通知するように構成すればよい。
【0010】
次に、本発明による車輪磨耗量の推定方法について、図3のフローチャートに基づき説明する。
ここで、無人搬送車10の経路は、図1に示すような直進区間を有し、かつ、上記直進区間を一定速度で走行するような経路を有するものとする。本例では、上記直進区間内に所定の距離の計測区間を設けて、上記計測区間をN=20回通過したときのエンコーダ出力の平均値を算出して車輪12の磨耗量の目安となる単位パルス当たりの走行距離を算出する。なお、上記計測区間は、図1においては、上記位置検出手段40aと位置検出手段40bとの間の区間である。
まず、通過回数を計測する計測カウンタを予めi=0にリセットしておき(ステップS10)、無人搬送車10が上記計測区間に進入してきたかどうかを判定する。具体的には、トリガ検出手段16が位置検出手段40aからの計測開始トリガーを検出したかどうかを判定する(ステップS11)。トリガ検出手段16が計測開始トリガーを検出すると制御コントローラ17が上記エンコーダ14の検出したパルス数の計測を開始する(ステップS12)。これにより、車輪12の回転数に比例したパルス数が検出される。
制御コントローラ17は上記出力されたパルス列のパルス数の計測を、トリガ検出手段16が位置検出手段40bからの計測終了トリガーを検出するまで継続し、上記無人搬送車10が上記計測区間内を走行している間のパルス数を計測する(ステップS13)。このとき、上記パルス列の間隔を調べ、無人搬送車10が一定速度で走行しているかどうかを判定し(ステップS14)、速度が一定であることが確認された場合には、ステップS15に進んで上記計測したパルス数Piを記憶した後、計測カウンタを一つ進める(ステップS16)。なお、たまたま、車輪12に滑りが生じるなどして無人搬送車10の速度が一定にならなかった場合には、パルス数の計測を行わなかったものとして、計測回数に加えない。
そして、無人搬送車10が上記計測区間をN=20回通過するまで、上記ステップS11〜ステップS16までを繰り返し、各回数毎の計測パルス数Piを順次記憶する(ステップS17)。
N=20回の測定が完了すると、上記各パルス数Piの平均値Pを算出する(ステップS18)。上計測区間の実際の距離をYとすると、この距離Yを上記パルス数の平均値Pで除した値X=Y/Pは、単位パルス当たりに車輪12の進んだ距離を表わす。本例では、車輪12の摩耗量を直接求めるのではなく、上記の車輪12の摩耗量の目安となる、単位パルス当たりの距離X=Y/Pを算出する(ステップS19)。
ところで、車輪の磨耗量をx、車輪の取付時の半径をR0とし、かつ、エンコーダ14が車輪1回転で出力するパルス数をnすると、車輪12は(P/n)回転したので、上記距離Yは、Y=2π(R0−x)・(P/n)で求められる。したがって、図3に示すように、Xを算出するステップS19の後ろに、上記Xの値から車輪の磨耗量xを推定するステップS20を設けておけば、車輪の磨耗量xそのものも推定することができる。
【0011】
次に、車輪交換時期と車輪の磨耗に伴う走行距離の誤差を補正する方法について、図4のフローチャートに基づき説明する。
まず、車輪交換時期判定手段17dにて、無人搬送車10の積算走行距離Vと車輪交換の目安となる交換目安距離Wとを比較し(ステップS1)、V≧Wである場合には、この情報を上位コントローラ30に通知して(ステップS7)、当該無人搬送車10の車輪12を交換する。
ステップS1においてV<Wである場合には、ステップ2に進んで車輪12の磨耗量xを推定する。この磨耗量xの推定は、上記説明した図2のフローチャートに従って行う。なお、上記単位パルス当たりの距離Xと、車輪径の初期値R0と上記パルス数の平均値Pとから求められる、車輪12が磨耗していないとして算出した単位パルス当たりの基準距離X0との差Δ=X0−Xは、車輪の磨耗量xに比例するので、本例では、車輪の磨耗量xの算出を省略し、上記単位パルス当たりの距離Xと、予め設定された交換時期の車輪径Rcと上記パルス数の平均値Pとから求められる単位パルス当たりの距離である交換時期距離Zとを比較することにより、車輪交換時期を判定する(ステップS3)。
上記ステップS3においてX≦Zである場合、すなわち、上記算出された単位パルス当たりの距離Xが交換時期距離Z以下になった場合には、ステップS4に進み、車輪径検出センサ15を用いて車輪12の径を検出する(ステップS4)。具体的には、図2に示すように、車輪径検出センサ15の発光素子15aと受光素子15bとを車輪12の前方と後方に互いに対向して設置する。このとき、上記発光素子15aと受光素子15bを、車輪12の磨耗が少ない場合には発光素子15aからの光は車輪12に遮られて受光素子15bに入らないが、磨耗が進んで車輪12の径が小さくなり、車輪12が交換の目安となる車輪径Rcまで磨耗すると、上記発光素子15aからの光が受光素子15bに入るような位置に設置しておく。このように上記発光素子15aと受光素子15bとを設置しておけは、車輪12が上記車輪径Rcまで磨耗したときに受光素子15bに光が入光する。したがって、上記受光素子15bに流れる電流などの受光素子15bからの出力を検出すれば、車輪が所定の径まで磨耗したことを検出したことになるので、車輪12の径が交換の目安となる車輪径Rcになったことを検知することができる。
【0012】
したがって、ステップS5では、受光素子15bからの出力があった場合には、車輪12の交換が必要であると判定し、この情報を上位コントローラ30に通知する(ステップS6)。また、受光素子15bからの出力がない場合にはステップS2に戻って、上記計測区間での車輪12の単位パルス当たりの距離Xの算出を継続する。
一方、上記ステップS3においてX>Zである場合には、車輪交換時期には至っていないと判定し、ステップS7に進んで車輪回転数を増加させるかどうかを判定する。すなわち、車輪12の径は交換するほどは磨耗していないが、単位パルス当たりに車輪12の進む実際の距離Xは、初期状態である車輪を取付けたばかりの状態での単位パルス当たりに進む距離X0よりも短くなる。そこで、例えば、複数の設定値Xk(但し、Xk<Xk-1<X0)を設定し、X1≦X<X0のときには磨耗が進んでいないとして車輪回転数増加の指示を行わず、ステップS2に戻って、車輪12の磨耗量の測定を継続する。一方、X<X1の場合には、距離X0と距離Xとの誤差を解消するため、ステップS8に進んで、モータ13の回転数を増加させて車輪12の回転速度を上げ、上記無人搬送車10の走行速度を車輪12が磨耗してないときの速度になるように指示するとともに、ステップS2に戻って、車輪12の磨耗量の測定、すなわち、単位パルス当たりの距離Xの算出を継続する。そして、k回目の測定において、X<Xkであれば、モータ13の回転数を増加させて、車輪の回転速度をnk倍に増加させるようにすれば、無人搬送車10の走行速度を車輪12が磨耗してない時の速度に戻すことができるので、車輪12の磨耗による走行距離の誤差を確実になくすことができる。
【0013】
このように、本最良の形態によれば、無人搬送車10の経路の直進区間内に所定の距離の計測区間を設けて、上記無人搬送車10が上記計測区間を一定の速度で走行したときの車輪12の回転数をエンコーダ14で計測する操作を、上記無人搬送車10が計測区間をN回通過するまで繰り返し、各回ごとに計測したパルス数Piをそれぞれ記憶した後、上記各パルス数Piの平均値Pを算出し、上計測区間の実際の距離をYと上記パルス数の平均値Pとを用いて、単位パルス当たりに車輪12の進む実際の距離X=Y/Pを算出し、このXが予め設定された交換時期の車輪径Rcと上記パルス数の平均値Pとから求められる単位パルス当たりの交換時期距離Z以下になった場合には車輪交換時期であると判定し、X>Zである場合には、このXと車輪12を取付けたばかりの状態での単位パルス当たりに進む距離X0との差に基づいて、車輪12の回転数を増加させるようにしたので、車輪12の交換時期を確実に判定することができるとともに、車輪12の磨耗による走行距離の誤差を確実になくすことができる。
【0014】
なお、上記最良の形態では、床面に貼り付けられた誘導路20に沿って移動する無人搬送車10について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、壁面あるいは天井に設けられたレール上を走行するタイプの無人搬送車など、他の形態の無人搬送車にも適用可能である。
また、上記例では、車輪12の回転速度を増加させることにより車輪12の磨耗による走行距離の誤差をなくようにしたが、無人搬送車10の走行距離は、車輪12の径と総回転数により決まるので、車輪12の回転速度はそのままにして、無人搬送車10の経路を走行する際の車輪12の総回転数を増加させるようにしてもよい。すなわち、上記エンコーダ14で検出したパルス数が無人搬送車10の走行距離を示すので、始めに設定した無人搬送車10の走行開始から走行停止までの総パルス数を、上記算出した単位パルス当たりの距離Xに応じて増加させるように変更すれば、車輪12の磨耗による走行距離の誤差をなくことができる。なお、車輪12の磨耗による誤差は小さいので、上記車輪回転速度や総パルス数の変更は、必ずしも、当該無人搬送車10の往復する経路全てでなく、等速運転する経路のみで行っても十分に走行距離の誤差を調整することができる。
【0015】
また、上記例では、パルスエンコーダ14を用いて車輪12の回転数を検出したが、車輪12の回転数を検出する方法としては、駆動軸に多極マグネットを取付け、これを磁気抵抗素子を用いて検出するタイプのものなど、周知の車輪速センサを用いてもよい。
また、上記例では、無人搬送車10が直進区間を20回通過させて車輪12の単位パルス当たりの距離X、あるいは、磨耗量xを算出したが、計測回数はこれに限るものではなく、無人搬送車10の走行速度や搭載する荷物の重さ、あるいは、車輪12の径などにより適宜決定されるものである。
なお、車輪12の単位パルス当たりの距離X、あるいは、磨耗量xを算出する際には、無人搬送車10の速度は必ずしも一定速度とする必要はなく、加減速する区間があっても良いが、上記距離X、あるいは、磨耗量xを正確に測定する推定するには、本例のように、一定速度でかつ直進する区間で行うことが好ましい。
【0016】
また、上記例では、無人搬送車10の走行路の側面側に光学式センサを備えた位置検出手段40a,40bを設けて、無人搬送車10の側面側に設けられた位置検出用バー18が上記光学式センサを通過したときに計測開始または計測終了のトリガーを無人搬送車10の制御コントローラ17に送るようにしたが、走行路の側面側に上記位置検出用バー18に相当するバーを設け、無人搬送車10の側面側に光学式センサを備えた位置検出手段40a,40bを設けてもよい。
また、位置検出手段としては、上記光学式センサと通過バーとの組み合わせの他に、磁気センサと金属あるいは磁性体から成るマーカの組合わせや距離センサと反射板の組合わせ、あるいは、タグリーダとIDタグの組合わせなど、他の手段を用いてもよい。
また、上記例では、一組の発光素子と受光素子とを用いて車輪12の径が所定の径まで磨耗したかどうかを検出することにより、車輪径が予め設定した閾値以下になったかどうかを判定したが、車輪12の回転面に対抗して距離センサを設置し、上記車輪12と距離センサとの距離を計測して車輪径を求めるようにしても良い。
なお、車輪径の計測は必ずしも必須事項ではないので、車輪径の計測を省略して、単位パルス当たりの距離Xが交換時期距離Z以下になった場合、あるいは、磨耗量xが所定量を超えたときに、直ちに車輪12の交換を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
このように、本発明によれば、無人搬送車の径を全て計測することなく、車輪の交換時期を適切に判定することができるので、無人搬送車の保守が容易になるとともに、保守作業の効率化を図ることができる。
また、車輪の磨耗による走行距離の誤差を確実になくすことができるので、停止位置が当初の位置からずれてしまうなどのトラブルを未然に防ぐことができるとともに、車輪の取付時と同様の精度の高い走行制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の最良の形態に係る無人搬送車の車輪磨耗状態の推定方法を示す図である。
【図2】本発明による無人搬送車の制御コントローラの詳細を示す図である。
【図3】車輪磨耗量を推定するためのフローチャートを示す図である。
【図4】車輪交換時期の決定と車輪の磨耗による走行距離の誤差補正を行うためのフローチャートを示す図である。
【図5】従来の無人搬送車の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
10 無人搬送車、11 マーカ検出用センサ、12 車輪、13 モータ、
14 エンコーダ、15 車輪径検出センサ、15a 発光素子、15b 受光素子、
16 トリガ検出手段、17 制御コントローラ、17a 走行制御手段、
17b 走行距離算出手段、17c 車輪磨耗状態推定手段、
17d 車輪交換時期判定手段、18 位置検出用バー、20 誘導路、21 マーカ、30 上位コントローラ、40a,40b 位置検出手段。




 

 


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