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発明の名称 リムフィット支援器具、空気入りタイヤ組付装置及び空気入りタイヤ組付方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8420(P2007−8420A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−195088(P2005−195088)
出願日 平成17年7月4日(2005.7.4)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 成瀬 豊
要約 課題
リムフィットが完了するまでの時間を短縮しつつ、より均一なビード部のリムフィットを得ることができるリムフィット支援器具、空気入りタイヤ組付装置及び空気入りタイヤ組付方法を提供する。

解決手段
本発明に係るリムフィット支援ディスク100Aは、中心点CPに挿通されるディスク回転軸73を中心として回転する略円盤状の本体部101と、本体部101の外周部分101aに連なり、空気入りタイヤのビード部と、リムホイールのビードフランジ部との間に挿入される立ち上がり部102とを有し、中心点CPを通過するリムフィット支援ディスク100Aの断面において、立ち上がり部102は、本体部101に対して、角度α1傾いている。
特許請求の範囲
【請求項1】
ビードフランジ部を有するリムホイールに、ビード部を有する空気入りタイヤを組付ける際において、前記ビード部の前記ビードフランジ部へのフィッティングを支援するリムフィット支援器具であって、
略中心点に挿通される回転軸を中心として回転する略円盤状の本体部と、
前記本体部の外周部分に連なり、前記ビード部と前記ビードフランジ部との間に挿入される立ち上がり部と
を有し、
前記中心点を通過する前記リムフィット支援器具の断面において、前記立ち上がり部は、前記本体部に対して、所定の角度傾いているリムフィット支援器具。
【請求項2】
前記中心点を通過するリムフィット支援器具の断面において、前記立ち上がり部の先端部分はテーパー状である請求項1に記載のリムフィット支援器具。
【請求項3】
前記中心点を通過するリムフィット支援器具の断面において、前記本体部は、前記中心点側から前記外周部分に向かって厚さが徐々に薄くなる先細り状である請求項1または2に記載のリムフィット支援器具。
【請求項4】
前記所定の角度は、前記リムホイールの直径に基づいて決定される請求項1乃至3の何れか一項に記載のリムフィット支援器具。
【請求項5】
前記所定の角度は、10度〜45度である請求項1乃至4の何れか一項に記載のリムフィット支援器具。
【請求項6】
前記リムフィット支援器具の直径は、前記リムホイールの直径に基づいて決定される請求項1乃至5の何れか一項に記載のリムフィット支援器具。
【請求項7】
前記立ち上がり部の径方向長さは、10mm〜30mmである請求項1乃至6の何れか一項に記載のリムフィット支援器具。
【請求項8】
前記立ち上がり部の厚さは、3mm〜8mmである請求項1乃至7の何れか一項に記載のリムフィット支援器具。
【請求項9】
少なくとも前記立ち上がり部は、所定の金属材料を用いて形成されているとともに、前記立ち上がり部の表面は、所定の合成樹脂材料によってコーティングされている請求項1乃至8の何れか一項に記載のリムフィット支援器具。
【請求項10】
少なくとも前記立ち上がり部は、所定の合成樹脂材料を用いて形成されている請求項1乃至8の何れか一項に記載のリムフィット支援器具。
【請求項11】
ビードフランジ部を有するリムホイールに、ビード部を有する空気入りタイヤを組付ける空気入りタイヤ組付装置であって、
前記リムホイールに組み付けられた前記空気入りタイヤを支持するタイヤ支持部と、
前記ビード部と前記ビードフランジ部との間に挿入されるリムフィット支援器具と、
前記リムフィット支援器具を回転可能に支持する支援器具支持部と
を備え、
前記リムフィット支援器具は、
略中心点に挿通される回転軸を中心として回転する略円盤状の本体部と、
前記本体部の外周部分に連なり、前記ビード部と前記ビードフランジ部との間に挿入される立ち上がり部と
を有し、
前記中心点を通過する前記リムフィット支援器具の断面において、前記立ち上がり部は、前記本体部に対して、所定の角度傾いていることを特徴とする空気入りタイヤ組付装置。
【請求項12】
請求項2乃至10の何れかのリムフィット支援器具を用いることを特徴とする請求項11に記載の空気入りタイヤ組付装置。
【請求項13】
ビードフランジ部を有するリムホイールに、ビード部を有する空気入りタイヤを組み付ける空気入りタイヤ組付方法であって、
前記ビード部を前記ビードフランジ部よりもトレッド幅方向内側に落とし込むことによって、前記空気入りタイヤを前記リムホイールに仮組みするステップと、
前記空気入りタイヤに空気を注入することによって、前記ビード部を前記ビードフランジ部に位置させるステップと、
前記空気入りタイヤに注入された空気を抜くステップと、
請求項1乃至10の何れかのリムフィット支援器具を前記ビード部と前記ビードフランジ部との間に挿入した状態で回転させるステップと、
前記空気入りタイヤに再度空気を注入するステップと
を備える空気入りタイヤ組付方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビードフランジ部を有するリムホイールに、ビード部を有する空気入りタイヤを組み付ける際において、前記ビード部の前記ビードフランジ部へのフィッティングを支援するリムフィット支援器具、さらに、ビードフランジ部を有するリムホイールに、ビード部を有する空気入りタイヤを組み付ける空気入りタイヤ組付装置及び空気入りタイヤ組付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な空気入りタイヤ(例えば、自動四輪車用空気入りタイヤ)は、ビード部にゴムゲージが用いられており、ビード部の特性(例えば、ビード部ゴムゲージの厚み)がタイヤ周方向においてばらつくことが知られている。
【0003】
このため、空気入りタイヤをリムホイールに組み付けた際、具体的には、ビード部をリムホイールのビードフランジ部にフィッティング(以下、リムフィットと適宜省略する)した際に、ビードフランジ部に設けられている角度と相まって、ビード部がタイヤ周方向に沿って均一にビードフランジ部にフィッティングしないといった問題がある。
【0004】
そこで、使用内圧よりも高い内圧に設定された空気入りタイヤのサイドウォール部を、押付けローラを用いてトレッド幅方向外側から内側に押圧することによって、より均一なビード部のリムフィットを図る方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
さらに、空気入りタイヤを使用内圧よりも高い内圧に設定することなく、より均一なビード部のリムフィットを図る方法も知られている(例えば、特許文献2)。具体的には、円筒状の部材を用いてビード部をガイドしながらリムフィットさせる。
【特許文献1】特開平10−119523号公報(第2−3頁、第1−2図)
【特許文献2】特開平4−173410号公報(第2−3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の方法には、次のような問題があった。すなわち、円筒状の部材を用いてビード部をガイドしながらリムフィットさせる方法は、リムフィットが完了するまでの時間が掛かるといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、リムフィットが完了するまでの時間を短縮しつつ、より均一なビード部のリムフィットを得ることができるリムフィット支援器具、空気入りタイヤ組付装置及び空気入りタイヤ組付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、ビードフランジ部(ビードフランジ部301)を有するリムホイール(リムホイール300)に、ビード部(ビード部210)を有する空気入りタイヤ(空気入りタイヤ200)を組み付ける際において、前記ビード部の前記ビードフランジ部へのフィッティングを支援するリムフィット支援器具(リムフィット支援ディスク100A,100B)であって、略中心点(中心点CP)に挿通される回転軸(ディスク回転軸73)を中心として回転する略円盤状の本体部(本体部101)と、前記本体部の外周部分に連なり、前記ビード部と前記ビードフランジ部との間に挿入される立ち上がり部(立ち上がり部102)とを有し、前記中心点を通過する前記リムフィット支援器具の断面において、前記立ち上がり部は、前記本体部に対して、所定の角度(角度α1)傾いていることを要旨とする。
【0009】
このような特徴によれば、リムフィット支援器具の断面において、本体部に対して所定の角度傾いている立ち上がり部がビード部とビードフランジ部との間に挿入された状態で回転させられることによって、ビード部(具体的にはビード部の底面)とリムホイールとの間に隙間が形成される。
【0010】
さらに、このような隙間が形成されること、及びビードフランジ部に一般的に与えられている傾斜によって、ビード部とビードフランジ部(具体的には、ビードシート)との接触圧が減少し、ビード部は、自由に移動できる状態となる。このような状態において、空気入りタイヤに空気を注入すれば、ビード部が内圧によって略均等に移動させられ、ビード部のタイヤ周方向における位置のばらつきが抑制される。すなわち、より均一なビード部のリムフィットを得ることができる。
【0011】
また、このような特徴によれば、ビード部とビードフランジ部との間にリムフィット支援器具(立ち上がり部)を挿入した状態で1〜2回転程度回転させればよいだけであるため、リムフィットが完了するまでの時間を短縮することができる。
【0012】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記中心点を通過するリムフィット支援器具の断面において、前記立ち上がり部の先端部分(先端部分102a)はテーパー状であることを要旨とする。
【0013】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1または第2の特徴に係り、前記中心点を通過するリムフィット支援器具の断面において、前記本体部は、前記中心点側から前記外周部分に向かって厚さが徐々に薄くなる先細り状であることを要旨とする。
【0014】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至第3の特徴に係り、前記所定の角度は、前記リムホイールの直径に基づいて決定されることを要旨とする。
【0015】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1乃至第4の特徴に係り、前記所定の角度は、10度〜45度であることを要旨とする。
【0016】
本発明の第6の特徴は、本発明の第1乃至第5の特徴に係り、前記リムフィット支援器具の直径(ディスク径φ1)は、前記リムホイールの直径に基づいて決定されることを要旨とする。
【0017】
本発明の第7の特徴は、本発明の第1乃至第6の特徴に係り、前記立ち上がり部の径方向長さ(長さL)は、10mm〜30mmであることを要旨とする。
【0018】
本発明の第8の特徴は、本発明の第1乃至第7の特徴に係り、前記立ち上がり部の厚さ(厚さT)は、3mm〜8mmであることを要旨とする。
【0019】
本発明の第9の特徴は、本発明の第1乃至第8の特徴に係り、少なくとも前記立ち上がり部は、所定の金属材料(例えば、ステンレス鋼)を用いて形成されているとともに、前記立ち上がり部の表面は、所定の合成樹脂材料(例えば、プラスティック)によってコーティングされていることを要旨とする。
【0020】
本発明の第10の特徴は、本発明の第1乃至第8の特徴に係り、少なくとも前記立ち上がり部は、所定の合成樹脂材料(例えば、モノマーキャストナイロン)を用いて形成されていることを要旨とする。
【0021】
本発明の第11の特徴は、ビードフランジ部を有するリムホイールに、ビード部を有する空気入りタイヤを組み付ける空気入りタイヤ組付装置(空気入りタイヤ組付装置10)であって、前記リムホイールに組み付けられた前記空気入りタイヤを支持するタイヤ支持部(タイヤ支持部30)と、前記ビード部と前記ビードフランジ部との間に挿入されるリムフィット支援器具(リムフィット支援ディスク100A,100B)と、前記リムフィット支援器具を回転可能に支持する支援器具支持部(ディスク支持部70A)とを備え、前記リムフィット支援器具は、略中心点に挿通される回転軸を中心として回転する略円盤状の本体部と、前記本体部の外周部分に連なり、前記ビード部と前記ビードフランジ部との間に挿入される立ち上がり部とを有し、前記中心点を通過する前記リムフィット支援器具の断面において、前記立ち上がり部は、前記本体部に対して、所定の角度傾いていることを要旨とする。
【0022】
本発明の第12の特徴は、本発明の第11の特徴に係り、本発明の第2乃至第10の特徴に係る何れかのリムフィット支援器具を用いることを要旨とする。
【0023】
本発明の第13の特徴は、ビードフランジ部を有するリムホイールに、ビード部を有する空気入りタイヤを組み付ける空気入りタイヤ組付方法であって、前記ビード部を前記ビードフランジ部よりもトレッド幅方向内側に落とし込むことによって、前記空気入りタイヤを前記リムホイールに仮組みするステップと、前記空気入りタイヤに空気を注入することによって、前記ビード部を前記ビードフランジ部に位置させるステップと、前記空気入りタイヤに注入された空気を抜くステップと、本発明の第1乃至第10の特徴に係る何れかのリムフィット支援器具を前記ビード部と前記ビードフランジ部との間に挿入した状態で回転させるステップと、前記空気入りタイヤに再度空気を注入するステップとを備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の特徴によれば、リムフィットが完了するまでの時間を短縮しつつ、より均一なビード部のリムフィットを得ることができるリムフィット支援器具、空気入りタイヤ組付装置及び空気入りタイヤ組付方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明に係る空気入りタイヤ組付装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0026】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0027】
(空気入りタイヤ組付装置の全体概略構成)
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置10の全体概略斜視図である。また、図2は、空気入りタイヤ組付装置10の一部拡大図である。図1に示すように、空気入りタイヤ組付装置10は、ベースフレーム20と、ベースフレーム20の側部から立設する支持体25を有している。
【0028】
ベースフレーム20の上面には、リムホイール300(図2参照)に組み付けられた空気入りタイヤ200(図2参照)を支持するタイヤ支持部30が設けられている。
【0029】
タイヤ支持部30の上部には、空気入りタイヤ200及びリムホイール300が載置されるタイヤ載置部35が形成されている。
【0030】
工具用アーム40は、支持体25の上部から延びており、リムホイール300に空気入りタイヤ200を組み付ける際に用いられる工具を取り付けることができるアームである。
【0031】
また、支持体25からは、アーム基部50A,50Bが突設されている。アーム基部50A,50Bには、ディスク用アーム60A,60Bがそれぞれ連結されている。
【0032】
ディスク支持部70A,70Bは、リムフィット支援ディスク100A,100B(リムフィット支援器具)を回転可能に支持する。本実施形態において、ディスク支持部70A,70Bは、支援器具支持部を構成する。
【0033】
リムフィット支援ディスク100A,100B(リムフィット支援器具)は、リムホイール300に、空気入りタイヤ200を組み付ける際において、ビード部210のビードフランジ部301(図2において不図示、図5参照)へのフィッティングを支援する。
【0034】
図2に示すように、アーム基部50A,50Bは、シャフト26によって支持されている。シャフト26は、上側ブラケット27A及び下側ブラケット27Bによって、支柱28に固定されている。
【0035】
ディスク用アーム60A(60B)には、伸縮アーム71を固定するブレーキ(不図示)を作動させるエアシリンダ61A(61B)が取り付けられている。また、ディスク支持部70A(70B)には、リムフィット支援ディスク100A(100B)の位置、具体的には、リムホイール300に組み付けられた空気入りタイヤ200に対する角度を変化させるレバー72が備えられている。
【0036】
なお、図1及び図2に示した空気入りタイヤ組付装置10は、特開2004−1745号公報などに開示されているバトラー・エンジニアリング・アンド・マーケッティング・エッセ・エルレ・エルレによって製造されている空気入りタイヤ組付装置を改造したものである。
【0037】
(ディスク支持部の構造)
次に、図3及び図4を参照して、ディスク支持部70Aの構造について説明する。図3は、ディスク支持部70Aの側面図である。また、図4は、ディスク支持部70Aの平面図である。なお、ディスク支持部70Bもディスク支持部70Aと同様の構造を有している。
【0038】
図3及び図4に示すように、ディスク支持部70Aは、リムフィット支援ディスク100Aを回転可能に支持するディスク回転軸73を有している。ディスク回転軸73には、ベアリング81が取り付けられており、リムフィット支援ディスク100Aは、先端部分73aに嵌め込まれるワッシャー(不図示)によって、ディスク回転軸73に係止される。
【0039】
また、ディスク回転軸73は、連結部74によって油圧シリンダ77と連結されている。油圧シリンダ77は、別に取り付けられたバルブ(不図示)によって、図中のAR方向に沿って伸縮することができる。スプリング76は、油圧シリンダ77が縮む方向に付勢する。ボルト75は、連結部74を中心として回動する角度を規制する。
【0040】
さらに、リムフィット支援ディスク100Aは、レバー72によって、空気入りタイヤ200に対する角度を変更することができ、空気入りタイヤ200のサイズや形状に合わせてリムフィットを実行することができる。
【0041】
(リムフィット支援器具の構造及び使用形態)
次に、図5〜図7を参照して、本実施形態に係るリムフィット支援器具の構造及び使用形態について説明する。
【0042】
図5は、本実施形態に係るリムフィット支援器具を構成するリムフィット支援ディスク100Aの正面図である。また、図6は、図5に示したF6−F6方向の断面図である。なお、リムフィット支援ディスク100Bもリムフィット支援ディスク100Aと同様の構造を有している。また、図7は、リムフィット支援ディスク100Aの使用形態の一例を示す図である。
【0043】
(1)リムフィット支援器具の構造
本実施形態に係るリムフィット支援器具を構成するリムフィット支援ディスク100Aは、ビードフランジ部301を有するリムホイール300(図7参照)にビード部210を有する空気入りタイヤ200を組み付ける際において、ビード部210のビードフランジ部301へのフィッティングを支援する。
【0044】
リムフィット支援ディスク100Aは、図5及び図6に示すように、本体部101と、立ち上がり部102とによって形成されている。また、リムフィット支援ディスク100Aは、所定の合成樹脂材料、具体的には、工業用プラスティック(本実施形態では、モノマーキャスト(MC)ナイロン)を用いて形成されている。
【0045】
本体部101は、中心点CP部分に挿通されるディスク回転軸73を中心として回転する。本体部101は、略円盤状である。また、図6に示すように、中心点CPを通過するリムフィット支援ディスク100Aの断面において、本体部101は、中心点CP側から外周部分101aに向かって厚さが徐々に薄くなる先細り状である。
【0046】
立ち上がり部102は、外周部分101aに連なり、ビード部210とビードフランジ部301との間に挿入される。また、立ち上がり部102は、図6に示すように、中心点CPを通過するリムフィット支援ディスク100Aの断面において、本体部101に対して、角度α1(所定の角度)傾いている。
【0047】
角度α1は、10度〜45度であることが好ましい。本実施形態では、角度α1は、約28度に設定されている。つまり、図6に示すように、角度α2は、約152度に設定されている。なお、角度α1は、リムホイール300の直径に基づいて決定される。
【0048】
立ち上がり部102の長さL(径方向長さ)は、10mm〜30mmであることが好ましい。また、立ち上がり部102の厚さTは、3mm〜8mmであることが好ましい。本実施形態では、厚さTは、約5mmに設定されている。
【0049】
さらに、図6に示すように、中心点CPを通過するリムフィット支援ディスク100Aの断面において、立ち上がり部102の先端部分102aはテーパー状である。
【0050】
リムフィット支援ディスク100Aのディスク径φ1(直径)は、リムホイール300の直径に基づいて決定される。上述したように、角度α1が約28度、厚さTが約5mmの場合、リムフィット支援ディスク100Aの半径(φ1/2)は、(式1)によって決定することができる。
【0051】
y=0.1581x+2.2321x+64.352 …(式1)
ここで、yはリムフィット支援ディスク100Aの半径(単位:mm)、xはリムホイール300のリム径(単位:インチ)である。
【0052】
(2)リムフィット支援器具の使用形態
図7に示すように、リムフィット支援ディスク100Aは、ビード部210とビードフランジ部301との間に挿入される。具体的には、立ち上がり部102がビードフランジ部301を構成するリムフランジ301aの傾斜に沿うように、ビード部210とビードフランジ部301の間に挿入される。
【0053】
立ち上がり部102が、ビード部210とビードフランジ部301の間に挿入された状態で、空気入りタイヤ組付装置10のタイヤ載置部35(図1参照)に載置された空気入りタイヤ200をタイヤ周方向に沿って回転させることによって、ビード部210の底面210bとリムホイール300(具体的には、ビードシート301b)との間に隙間が形成される。
【0054】
底面210bとビードシート301bとの間に隙間が形成されること、及びビードシート301bに与えられている約5度の傾斜によって、ビード部210とビードシート301bとの接触圧が減少し、ビード部210は、自由に移動できる状態となる。
【0055】
(空気入りタイヤ組付装置を用いた空気入りタイヤ組付方法)
次に、図8を参照して、上述した空気入りタイヤ組付装置10を用いた空気入りタイヤ組付方法について説明する。
【0056】
ステップS10において、空気入りタイヤ200のビード部210をビードフランジ部301よりもトレッド幅方向内側、具体的には、ホイールウェル302(図7参照)に落とし込むことによって、空気入りタイヤ200をリムホイール300に仮組みする。
【0057】
ステップS20において、エアバルブ400(図2参照)を介して、空気入りタイヤ200に空気を注入する。
【0058】
ステップS30において、ビード部210は、ビードフランジ部301に移動する。具体的には、空気入りタイヤ200に空気が注入されることによって、ビード部210がホイールウェル302からビードフランジ部301に移動させられる。
【0059】
ステップS40において、空気入りタイヤ200に注入された空気を抜く。次いで、ステップS50において、リムフィット支援ディスク100A(及び100B)をビード部210とビードフランジ部301との間に挿入する。
【0060】
ステップS60において、空気入りタイヤ200(リムホイール300)が載置されているタイヤ載置部35を回転させることによって、リムフィット支援ディスク100A(及び100B)が、ビード部210とビードフランジ部301との間に挿入された状態で、空気入りタイヤ200を1回転以上に渡って回転させる。
【0061】
ステップS70において、ビード部210とビードフランジ部301との間に挿入したリムフィット支援ディスク100A(及び100B)を抜き出す。
【0062】
ステップS70において、空気入りタイヤ200に再度空気を注入する。具体的には、空気入りタイヤ200(リムホイール300)が装着される車両(例えば、自動四輪車)の規定内圧にしたがって、空気入りタイヤ200の内圧が調整される。
【0063】
(作用・効果)
次に、上述した本実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置10(リムフィット支援ディスク100A,100B)の作用・効果について説明する。
【0064】
(1)作業時間
表1は、4本の空気入りタイヤ200をリムホイール300にそれぞれ組み付け、リムフィットを完了するまでの時間を示している。具体的には、表1は、空気入りタイヤ組付装置10を用いてリムフィットを実行した場合(実施例)と、従来の円筒状の部材(特開平4−173410号公報参照)を用いてリムフィットを実行した場合(従来例)との作業時間を示している。
【表1】


【0065】
表1に示すように、空気入りタイヤ200のリムホイール300への組み付け(4本)、具体的には、空気入りタイヤ200にリムホイール300に嵌め込む作業は、実施例及び従来例とも8.4分であり、変わりはない。
【0066】
一方、リムフィット作業は、従来例の19.4分と比較して、実施例では5.0分と、大幅に短縮されている。すなわち、表1に示した作業は、顧客が空気入りタイヤを購入(交換を含む)する場合に必要な作業となるが、作業時間が短縮されることによって、サービス品質(迅速な作業)の向上を図ることができる。
【0067】
(2)空気入りタイヤの形状
図9は、上述した実施例及び従来例に係る空気入りタイヤ200の形状を示すグラフである。当該グラフの横軸は、空気入りタイヤ200の断面(図7参照)において、空気入りタイヤ200のショルダー部からリムライン部までの10等分した区間を示している。区間1がリムライン部(基準位置)となる。
【0068】
また、当該グラフの縦軸は、空気入りタイヤ200の各区間における位置を、リムライン部からのトレッド幅方向外側への距離(単位:mm)によって示している。すなわち、当該グラフは、リムライン部からショルダー部に渡る空気入りタイヤ200のサイドウォールの膨らみ方を示している。
【0069】
図9に示すように、実施例に係る空気入りタイヤ200は、従来例と比較すると、空気入りタイヤ200の最大幅が少し狭くなっている(区間6〜8を参照)。一方、のサイドウォール中央付近(区間3〜5など)では、膨らみが大きくなっており、当該区間の曲率が大きくなっている。
【0070】
(3)タイヤ周方向におけるビード部位置のばらつき
図10は、上述した実施例及び従来例に係るビード部210のタイヤ周方向における位置のばらつきを示すグラフである。当該グラフの区間(1〜12)は、空気入りタイヤ200を周方向に沿って、12等分した区間を示している。区間1が基準位置となる。また、0〜0.14の数字は、区間1のビード部210の位置を基準として、トレッド幅方向のずれ幅(単位:mm)を示している。
【0071】
図10に示すように、実施例に係る空気入りタイヤ200では、ビード部210のタイヤ周方向における位置のばらつきが従来例と同等、もしくは従来例よりも少なくなっている。
【0072】
すなわち、以上説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置10(リムフィット支援ディスク100A,100B)によれば、本体部101に対して角度α1傾いている立ち上がり部102が、ビード部210とビードフランジ部301との間に挿入された状態で回転させられることによって、ビード部210(具体的には底面210b)とリムホイール300との間に隙間が形成される。
【0073】
さらに、このような隙間が形成されること、及びビードフランジ部301に一般的に与えられている傾斜によって、ビード部210とビードフランジ部301(具体的には、ビードシート301b)との接触圧が減少し、ビード部210は、自由に移動できる状態となる。このような状態において、空気入りタイヤ200に空気を注入すれば、ビード部210が内圧によって略均等に移動させられ、ビード部210のタイヤ周方向における位置のばらつきが抑制される。
【0074】
すなわち、リムフィットを実行しない場合、図7において、リムホイール300上に描かれた仮想線で示すように、ビード部210のタイヤ周方向における位置がずれてしまい、車両の走行時における振動などの原因となるが、本実施形態によれば、従来のリムフィット方法(円筒状の部材を用いる方法)と同等以上の均一なビード部210のリムフィットを得ることができる。
【0075】
また、このような特徴によれば、ビード部210とビードフランジ部301との間に立ち上がり部102を挿入した状態で1〜2回転程度回転させればよいだけであるため、リムフィットが完了するまでの時間を短縮することができる。
【0076】
また、リムフィット支援ディスク100A(100Bも同様)によれば、立ち上がり部102の先端部分102aはテーパー状であるであるため、ビード部210とビードフランジ部301と間に立ち上がり部102を容易に挿入させることができるとともに、空気入りタイヤ200やリムホイール300の損傷を防止することができる。
【0077】
さらに、本体部101は、中心点CP側から外周部分101aに向かって厚さが徐々に薄くなる先細り状である。このため、リムフィット支援ディスク100Aに求められる剛性を確保しつつ軽量化を図ることができるとともに、外周部分101a近傍において空気入りタイヤ200を不必要に押圧することを防止できる。
【0078】
また、角度α1は、10度〜45度に設定されるため、立ち上がり部102を容易にビード部210とビードフランジ部301との間に挿入し、ビード部210を移動させることができる。なお、角度α1が10度〜45度の範囲から外れると、ビード部210を適切に移動させることができないため、好ましくない。
【0079】
さらに、長さLは10mm〜30mmに設定され、厚さTは3mm〜8mmに設定される。このため、立ち上がり部102を容易にビード部210とビードフランジ部301との間に挿入し、ビード部210を移動させることができる。なお、長さL及び厚さTが当該範囲を外れると、ビード部210を適切に移動させることができないため、好ましくない。
【0080】
また、リムフィット支援ディスク100Aは、工業用プラスティック(モノマーキャストナイロン)を用いて形成されているため、空気入りタイヤ200やリムホイール300の損傷を防止することができる。
【0081】
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0082】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。例えば、上述した本発明の実施形態では、リムフィット支援ディスク100A(100Bも同様)全体が、工業用プラスティック(モノマーキャスト(MC)ナイロン)を用いて形成されていたが、空気入りタイヤ200及びリムホイール300と接触する立ち上がり部102のみを、工業用プラスティックを用いて形成してもよい。また、リムフィット支援ディスク100Aは、必ずしも工業用プラスティックを用いて形成しなくてもよく、他の合成樹脂材料(例えば、工業用ポリエチレンや工業用ポリプロピレン)を用いて形成しても構わない。
【0083】
さらに、リムフィット支援ディスク100A(立ち上がり部102)を金属材料(例えば、ステンレス鋼やアルミ合金)を用いて形成し、少なくとも立ち上がり部102は、合成樹脂材料によってコーティングするようにしてもよい。
【0084】
また、上述した本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置10は、空気入りタイヤ200及びリムホイール300を寝かせた状態で回転させるように構成されていたが、本発明を適用可能な空気入りタイヤ組付装置は、空気入りタイヤ組付装置10に限定されるものではない。
【0085】
例えば、空気入りタイヤ200の回転軸が略水平となるように、空気入りタイヤ200及びリムホイール300を起こした状態で回転させるように構成されている空気入りタイヤ組付装置を用いることもできる。
【0086】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置の全体概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置の一部拡大図である。
【図3】本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置に設けられているディスク支持部の側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置に設けられているディスク支持部の平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るリムフィット支援器具の正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るリムフィット支援器具の断面である。
【図7】本発明の実施形態に係るリムフィット支援器具の使用形態を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置を用いた空気入りタイヤ組付方法を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置(リムフィット支援器具)の作用・効果(空気入りタイヤの形状)を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ組付装置(リムフィット支援器具)の作用・効果(ビード部のタイヤ周方向におけるばらつき)を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
10…空気入りタイヤ組付装置、20…ベースフレーム、25…支持体、26…シャフト、27A…上側ブラケット、27B…下側ブラケット、28…支柱、30…タイヤ支持部、35…タイヤ載置部、40…工具用アーム、50A,50B…アーム基部、60A,60B…ディスク用アーム、61A,61B…エアシリンダ、70A,70B…ディスク支持部、71…伸縮アーム、72…レバー、73…ディスク回転軸、73a…先端部分、74…連結部、75…ボルト、76…スプリング、77…油圧シリンダ、81…ベアリング、100A,100B…リムフィット支援ディスク、101…本体部、101a…外周部分、102…立ち上がり部、102a…先端部分、200…空気入りタイヤ、210…ビード部、210b…底面、300…リムホイール、301…ビードフランジ部、301a…リムフランジ、301b…ビードシート、302…ホイールウェル、400…エアバルブ、CP…中心点




 

 


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