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発明の名称 車両のフロント下部構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−55522(P2007−55522A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−245432(P2005−245432)
出願日 平成17年8月26日(2005.8.26)
代理人 【識別番号】100100022
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 洋二
発明者 國方 裕平 / 杉山 俊樹
要約 課題
熱交換器通過風量を増加させることができる車両のフロント下部構造を提供する。

解決手段
エンジン5が搭載されたエンジンルーム5a内に配置され、通過する空気と熱媒体との熱交換を行う熱交換器1、2と、熱交換器1、2が組み付けられるラジエータサポート3と、エンジンルーム5aの車両下方側を覆うアンダーカバー8とを備える車両のフロント下部構造において、ラジエータサポート3に、アンダーカバー8より車両下方側に突出し、鉛直もしくは車両後方側に傾斜するエアダム11を設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】
エンジン(5)が搭載されたエンジンルーム(5a)内に配置され、通過する空気と熱媒体との熱交換を行う熱交換器(1、2)と、前記熱交換器(1、2)が組み付けられるラジエータサポート(3)と、前記エンジンルーム(5a)の車両下方側を覆うアンダーカバー(8)とを備える車両のフロント下部構造であって、
前記ラジエータサポート(3)には、前記アンダーカバー(8)より車両下方側に突出し、鉛直もしくは車両後方側に傾斜するエアダム(11)が設けられていることを特徴とする車両のフロント下部構造。
【請求項2】
前記エアダム(11)は、前記ラジエータサポート(3)と一体に成形されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のフロント下部構造。
【請求項3】
前記エアダム(11)の車両幅方向両端部には、車両前方に向かって延びる側方板(20)がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のフロント下部構造。
【請求項4】
エンジン(5)が搭載されたエンジンルーム(5a)内に配置され、通過する空気と熱媒体との熱交換を行う熱交換器(1、2)と、前記熱交換器(1、2)が組み付けられるラジエータサポート(3)と、前記エンジンルーム(5a)の車両下方側を覆うアンダーカバー(8)とを備える車両のフロント下部構造であって、
前記ラジエータサポート(3)および前記アンダーカバー(8)には、それぞれスリット(30、31)が形成されており、
前記2つのスリット(30、31)を介して車両下方側に突出し、鉛直もしくは車両後方側に傾斜するエアダム(11)が設けられていることを特徴とする車両のフロント下部構造。
【請求項5】
前記エアダム(11)上端の車両幅方向に設けられる軸(40)と、
前記軸(40)の両端部に設けられるスライドガイド(41)と、
内部に前記スライドガイド(41)が嵌められており、前記エアダム(11)の車両下方側の先端を中心とした円弧状に形成されるガイド孔(44)と、
前記ガイド孔(44)内に設けられ、一端が前記スライドガイド(41)に、他端が前記ガイド孔(44)の車両後方側の端部にそれぞれ固定される弾性体(45)とを備え、
前記エアダム(11)にかかる走行動圧が大きくなるに従って、前記エアダム(11)と路面に垂直な直線との間の角度(θ)が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両のフロント下部構造。
【請求項6】
前記エアダム(11)と路面に垂直な直線との間の角度(θ)が、0°〜60°であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両のフロント下部構造。
【請求項7】
前記エアダム(11)と路面に垂直な直線との間の角度(θ)が、20°〜40°であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両のフロント下部構造。
【請求項8】
前記エアダム(11)の前記アンダーカバー(8)より車両下方側に突き出している部位の鉛直方向の長さ(L)が、20mm〜60mmの範囲内であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両のフロント下部構造。
【請求項9】
前記エアダム(11)の前記アンダーカバー(8)より車両下方側に突き出している部位の鉛直方向の長さ(L)が、25mm〜45mmの範囲内であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両のフロント下部構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロント下部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エンジンルーム内の熱気排出性能を向上させるために、アンダーカバーの後縁部に下向きに突出したエアスポイラ部を設け、エアスポイラ部の後方で負圧を発生させる車両のフロント下部構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−290773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の車両のフロント下部構造では、エアスポイラ部はアンダーカバーに設けられており、熱交換器から離れている。このため、熱交換器通過風量増加を考えた場合、エアスポイラ部による負圧発生点が熱交換器から遠くなるため、発生した負圧のうち熱交換器背面で寄与する割合が小さくなるという問題がある。
【0004】
また、近年、車両の開発にあたって空気抵抗が注目されている。空気抵抗を小さくするために空気抵抗係数を低減する努力がなされており、特に高車速時における空気抵抗係数の低減が重要視されている。しかしながら、上記特許文献1に記載の車両のフロント下部構造では、エアスポイラ部がアンダーカバーに固定されているため、高車速時に空気抵抗が増大するという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、熱交換器通過風量を増加させることができる車両のフロント下部構造を提供することを目的とする。
【0006】
また、高車速時に空気抵抗係数を低減させることできる車両のフロント下部構造を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、エンジン(5)が搭載されたエンジンルーム(5a)内に配置され、通過する空気と熱媒体との熱交換を行う熱交換器(1、2)と、熱交換器(1、2)が組み付けられるラジエータサポート(3)と、エンジンルーム(5a)の車両下方側を覆うアンダーカバー(8)とを備える車両のフロント下部構造であって、ラジエータサポート(3)には、アンダーカバー(8)より車両下方側に突出し、鉛直もしくは車両後方側に傾斜するエアダム(11)が設けられていることを第1の特徴としている。
【0008】
これにより、負圧を必ず熱交換器(1、2)の近傍で発生させることができる。さらに、車両前方開口部(9、10)と負圧発生点とが熱交換器(1、2)を介してのみ連通しているため、発生負圧を有効に熱交換器通過風量増加のために用いることができる。したがって、熱交換器(1、2)を通過する風量を増加させることが可能となる。
【0009】
また、本発明は、エアダム(11)は、ラジエータサポート(3)と一体に成形されていることを第2の特徴としている。これにより、部品点数を削減することが可能となる。
【0010】
また、本発明は、エアダム(11)の車両幅方向両端部には、車両前方に向かって延びる側方板(20)がそれぞれ設けられていることを第3の特徴としている。
【0011】
これにより、車両前方からの風がエアダム(11)に当たり車両幅方向に逃げるのを防止し、エアダム(11)に当たる風を車両後方側に導くようにすることができる。このため、エアダム(11)後方に発生する負圧を大きくすることができ、熱交換器(1、2)を通過する風量をより増加させることが可能となる。
【0012】
また、本発明は、ラジエータサポート(3)およびアンダーカバー(8)には、それぞれスリット(30、31)が形成されており、2つのスリット(30、31)を介して車両下方側に突出し、鉛直もしくは車両後方側に傾斜するエアダム(11)が設けられていることを第4の特徴としている。
【0013】
これにより、エアダム(11)にかかる走行動圧によってエアダム(11)を上方にスライドさせることができる。このため、低車速時にはエアダム長さ(L)を長くして調節熱交換器通過風量を増加させ、高車速時にはエアダム長さ(L)を短くして空気抵抗係数を低減させることが可能となる。
【0014】
なお、「走行動圧」とは、車両走行時の走行風による圧力のことである。
【0015】
また、本発明は、エアダム(11)上端の車両幅方向に設けられる軸(40)と、軸(40)の両端部に設けられるスライドガイド(41)と、内部にスライドガイド(41)が嵌められており、エアダム(11)の車両下方側の先端を中心とした円弧状に形成されるガイド孔(44)と、ガイド孔(44)内に設けられ、一端がスライドガイド(41)に、他端がガイド孔(44)の車両後方側の端部にそれぞれ固定される弾性体(45)とを備え、エアダム(11)にかかる走行動圧が大きくなるに従って、エアダム(11)と路面に垂直な直線との間の角度(θ)が大きくなるように構成されていることを第5の特徴としている。
【0016】
これにより、エアダム(11)にかかる走行動圧に応じてエアダム角度(θ)を変化させることが可能となる。このため、低車速時にはエアダム角度(θ)を小さくして熱交換器通過風量を増加させ、高車速時にはエアダム角度(θ)を大きくして空気抵抗係数を低減させることが可能となる。
【0017】
また、エアダム(11)と路面に垂直な直線との間の角度(θ)を、0°〜60°にするのが好ましく、より好ましくは20°〜40°にするとよい。
【0018】
また、エアダム(11)のアンダーカバー(8)より下側に突き出している部位の鉛直方向の長さ(L)を、20mm〜60mmの範囲内にするのが好ましく、より好ましくは、25mm〜45mmの範囲内にするとよい。
【0019】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。図1は本第1実施形態に係る車両のフロント下部構造を示す断面図で、図2は本第1実施形態に係る車両のフロント下部構造の要部を示す拡大断面図である。
【0021】
図1に示すように、本第1実施形態のコンデンサ1とラジエータ2は、共通のラジエータサポート3内に組み込まれて、送風ファン4とともに一体の組立構造体、すなわち、クーリングモジュールを構成している。なお、ラジエータサポート3は、コンデンサ1およびラジエータ2の周囲を支持するとともにコンデンサ1およびラジエータ2を通過する空気流をガイドするものである。なお、コンデンサ1およびラジエータ2をまとめて熱交換器1、2ともいう。
【0022】
コンデンサ1は、冷凍サイクル(図示せず)内を循環する冷媒と外気とを熱交換して冷媒を冷却する熱交換器である。また、ラジエータ2は、エンジン冷却水と外気とを熱交換してエンジン冷却水を冷却する熱交換器である。
【0023】
なお、図1ではコンデンサ1およびラジエータ2の具体的構成の図示を省略しているが、ラジエータ1およびコンデンサ2は、周知のごとく扁平チューブとコルゲートフィンとの組み合わせからなる熱交換コア部と、熱交換コア部の扁平チューブに対して冷媒または冷却水の分配、集合の役割を果たすタンク部とを備えている。
【0024】
コンデンサ1におけるタンク部は、通常、熱交換コア部の左右両側に配置されている。これに対し、ラジエータ2におけるタンク部は、与えられる配置スペースの形態に応じて熱交換コア部の上下両側あるいは左右両側に配置されている。
【0025】
ラジエータサポート3は、熱交換器1、2等が組み付け固定されるもので、文献によってはキャリアまたはフロントエンドパネルとも呼ばれる。また、ラジエータサポート3は、上方側に位置して水平方向に延びる上方側梁部材3a、下方側に位置して水平方向に延びる下方側梁部材3b、および上下方向に延びて両梁部材3a、3bを連結する支柱部(図示せず)からなる矩形枠状のパネル本体部(図示せず)を有している。
【0026】
コンデンサ1は、シュラウド3のうち最上流部(最前方部)に配置され、コンデンサ1の下流側にラジエータ2が配置されている。また、ラジエータ2の下流側(最下流部)には、熱交換器1、2に空気を送風する送風ファン4が配置されている。
【0027】
そして、熱交換器1、2は、このラジエータサポート3を介して車両ボディに組み付けられるようになっている。本第1実施形態では、熱交換器1、2は車両の前端部、換言すると、エンジン5が搭載されるエンジンルーム5aの前端部においてバンパーリーンフォース6の車両後方側に搭載されている。
【0028】
ここで、バンパーリーンフォース6とは、車両の前端部にて車両幅方向に延びて車両前面側からの衝突力を吸収する梁状のもので、通常、金属にて断面矩形状に形成されている。バンパーリーンフォース6の車両幅方向の左右両端部は応力吸収部(図示せず)を介して車両ボディのサイドメンバー(図示せず)に連結される。この応力吸収部は、一般にクラッシュボックスと称され、衝突力により容易に変形可能な部材である。
【0029】
このバンパーリーンフォース6の前面側には樹脂製の意匠部品としてのバンパーカバー6aが配置され、このバンパーカバー6aによりバンパーリーンフォース6の前面側を覆うようになっている。
【0030】
エンジン5、ラジエータ1等が搭載されるエンジンルーム5aの上方側開口部は、蓋部材をなすエンジンフード(ボンネット)7によって閉塞されている。また、エンジンルーム5aの下方側はアンダーカバー8により概略覆われている。アンダーカバー8は、後述するエアダム11の前方まで延びている。
【0031】
バンパーリーンフォース4の上方側および下方側には、それぞれ車両前方開口部9、10が設けられている。上方側の第1の車両前方開口部9および下方側の第2の車両前方開口部10は熱交換器1、2の冷却空気を導入するためのものである。
【0032】
ラジエータサポート3の下方側梁部材3bにおける車両後方側端部には、下向きに突出したエアダム11が形成されている。エアダム11は、エンジンルーム5aの下方側を通過する空気流路を狭めるように、アンダーカバー8より下側に突出し、鉛直もしくは車両後方側に傾斜している。また、エアダム11は、ラジエータサポート3と一体に成形されている。
【0033】
また、エアダム11の車両後方側には、開口部12が形成されている。そして、この開口部12から熱交換器1、2を通過した空気が車外に排出されるようになっている。
【0034】
次に、本第1実施形態の作動を説明する。
【0035】
車両の走行時にアンダーカバー8の下側を前方から後方へ流れる空気の床下流れによって、エアダム11の車両後方側に負圧が発生する。そして、エアダム11後方の負圧発生点とエンジンルーム5a内との差圧により、エンジンルーム5a内の空気、すなわち、熱交換器1、2を通過した空気が開口部12から排出される。
【0036】
以上説明したように、エアダム11をラジエータサポート3に設けることで、負圧を必ず熱交換器1、2の近傍で発生させることができる。さらに、車両前方開口部9、10と負圧発生点とが熱交換器1、2を介してのみ連通しているため、発生負圧を有効に熱交換器通過風量増加のために用いることができる。したがって、熱交換器1、2を通過する風量を増加させることが可能となる。
【0037】
また、エアダム11より前方にアンダーカバー8を設けることで、空気の床下流れを整流させることができるため、熱交換器1、2を通過する風量をより増加させることが可能となる。
【0038】
また、エアダム11より後方に開口部12を設けることで、熱交換器通過風の排出面積を広げることができるため、排風抵抗を減少させることが可能となる。
【0039】
ここで、発明者らは、上記構成のフロント下部構造において、エアダム11の角度θおよび長さLを変更した場合の熱交換器通過風速を実験により求めた。
【0040】
まず、エアダム角度θを変更した場合の実験結果を説明する。なお、「エアダム角度θ」とは、図2に示すように、エアダム11と路面に垂直な直線との間の角度のことをいう。
【0041】
図3は、エアダム角度θと熱交換器通過風速との関係を示す特性図である。図3の縦軸は、熱交換器1、2を通過する空気の風速比であり、エアダム11を設けない場合を100としている。図3の横軸は、エアダム角度θである。また、図3において、実線は本実施形態の構成における実験結果を示し、破線は従来のエアダムをアンダーカバーの後端部に取り付けた構成(以下、従来構成という)における実験結果を示している。
【0042】
図3に示すように、本実施形態の構成は従来構成と比較して熱交換器通過風速比が大きくなっていることを確認できた。
【0043】
また、図3から明らかなように、熱交換器通過風速は、エアダム角度θを0°〜60°の範囲内にするとより大きくなり、20°〜40°の範囲内にするとさらに大きくなる。そして、エアダム角度θを30°にすると、熱交換器通過風速が最大となる。
【0044】
これにより、熱交換器通過風量を大きくするためには、エアダム角度θを0°〜60°にすることが好ましく、より好ましくは20°〜40°にするとよい。
【0045】
次に、エアダム長さLを変更した場合の実験結果を説明する。なお、「エアダム長さL」とは、図2に示すように、アンダーカバー8より下側に突き出しているエアダム11の鉛直方向の長さのことをいう。
【0046】
図4は、エアダム長さLと熱交換器通過風速との関係を示す特性図である。図4の縦軸は、熱交換器1、2を通過する空気の風速比であり、エアダム11を設けない場合を100としている。図4の横軸は、エアダム長さLである。また、図4において、実線は本実施形態の構成における実験結果を示し、破線は従来構成における実験結果を示している。
【0047】
図4に示すように、本実施形態の構成は従来構成と比較して熱交換器通過風速比が大きくなっていることを確認できた。
【0048】
また、図4から明らかなように、熱交換器通過風速は、エアダム長さLを20mm〜60mmの範囲内にするとより大きくなり、25mm〜45mmの範囲内にするとさらに大きくなる。そして、エアダム長さLを30mmにすると、熱交換器通過風速が最大となる。
【0049】
これにより、熱交換器通過風量を大きくするためには、エアダム長さLを20mm〜60mmにすることが好ましく、より好ましくは25mm〜45mmにするとよい。
【0050】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
図5は、本第2実施形態に係る車両のフロント下部構造の要部を示す拡大断面図である。
【0052】
図5に示すように、エアダム11の車両幅方向両端部には、車両前方に向かって延びる側方板20がそれぞれ設けられている。側方板20は、車両幅方向に対して垂直に配置されている。
【0053】
これにより、車両前方からの風がエアダム11に当たり車両幅方向に逃げるのを防止し、エアダム11に当たる風を車両後方側に導くようにすることができる。このため、エアダム11後方に発生する負圧を大きくすることができ、熱交換器1、2を通過する風量をより増加させることが可能となる。
【0054】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
図6は、本第3実施形態に係る車両のフロント下部構造の要部を示す拡大断面図である。図6に示すように、ラジエータサポート3の下側3bおよびアンダーカバー8には、それぞれスリット30、31が形成されている。そして、その2段のスリット30、31からエアダム11が下向きに突出するようになっている。
【0056】
また、2段のスリット30、31におけるエアダム11と接触する部位およびエアダム11におけるアンダーカバー8から下向きに突出する部位は、テーパ状に形成されている。
【0057】
エアダム11の車両上方側の端部には、落下防止部材32が設けられており、エアダム11が2段のスリットから完全に落下してしまうのを防止している。
【0058】
以上のような構成にすることにより、エアダム11にかかる走行動圧(ラム圧)によってエアダム11を上方にスライドさせ、エアダム長さLを調節することができる。また、エアダム11にかかる走行動圧とエアダム長さLとの関係は、落下防止部材30の質量にて調節することができるようになっている。
【0059】
次に、本第3実施形態の作動を説明する。
【0060】
最初(車速0のとき)、エアダム11は最適長さ(本実施形態では、30mm)に設定されている。車速が大きくなるにつれてエアダム11にかかる走行動圧が大きくなり、エアダム11が徐々に車両上方にスライドする。これにより、エアダム11の長さLが徐々に短くなる。
【0061】
以上説明したように、エアダム11にかかる走行動圧によってエアダム11を上方にスライドさせるように構成することで、低車速時には、エアダム長さLを長くして調節熱交換器通過風量を増加させ、高車速時には、エアダム長さLを短くして空気抵抗係数を低減させることが可能となる。
【0062】
また、エアダム11におけるアンダーカバー8から下向きに突出する部位をテーパ状に形成することで、スリット30、31内でエアダム11をスライドしやすくすることが可能となる。
【0063】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7〜図9に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
図7は本第4実施形態に係る車両のフロント下部構造の要部を示す拡大断面図で、図8は本第4実施形態に係るエアダム11を車両前方側から見た状態を示す模式図である。
【0065】
図7および図8に示すように、本第4実施形態では、エアダム11の車両上方側には、軸40が車両幅方向に設けられている。軸40の両端部には、エアダム11が軸40から抜け落ちるのを防止するためのスライドガイド41がそれぞれ設けられている。エアダム11とスライドガイド41との間には、連接部材42がそれぞれ設けられている。連接部材42の車両下方側には、軸40が連通している。すなわち、軸40を介してエアダム11と連接部材42が接続されている。また、連接部材42は、角度保持スライド43に挿入されている。
【0066】
図9は、本第4実施形態に係る角度保持スライド43の断面図である。図9に示すように、角度保持スライド43は、一対の角度保持部材43aを有している。そして、この一対の角度保持部材43aの間に連接部材42を挿入することにより、連接部材42の車両上下方向の移動は自由になるものの、傾きの範囲は規定されるようになっている。
【0067】
図7に戻り、ラジエータサポートにはガイド孔44が形成されており、このガイド孔44内にスライドガイド41を嵌めるようになっている。なお、図7において、ラジエータサポートは図示を省略している。
【0068】
ガイド孔44は、エアダム角度θは変化するがエアダム長さLは変化しないように、エアダム11の車両下方側の先端を中心とした円弧形状になっている。また、ガイド孔44の下端は、走行動圧が非常に大きい(車速が非常に大きい)ときにエアダム11の長さLを短くできるように、円弧形状の部分から外側(車両前方側)に外れた外円弧部44aを有している。
【0069】
ガイド孔44の内部には、コイルばね45が設けられている。コイルばね45は、一端がスライドガイド41に、他端がガイド孔44内部の車両後方側の端部にそれぞれ固定されている。このコイルばね45により、エアダム11は車両後方側に付勢されている。なお、コイルばね45が、本発明の弾性体に相当している。
【0070】
また、ラジエータサポート(図示せず)には、ストッパー46が設けられており、エアダム角度θが所定の角度(本実施形態では30°)より小さくならないようにしている。
【0071】
以上のような構成にすることにより、エアダム11にかかる走行動圧によってエアダム角度θを変化させることができる。また、エアダム11にかかる走行動圧とエアダム角度θとの関係は、コイルばね45のばね定数にて調節することができるようになっている。
【0072】
次に、本第4実施形態の作動を説明する。
【0073】
所定の車速(本実施形態では35km/h)までは、エアダム11にかかる走行動圧よりコイルばね45の付勢力が大きく、エアダム角度θは30°のままになっている。そして、車速が所定の車速より大きくなると、エアダム11にかかる走行動圧がコイルばね45の付勢力より大きくなり、エアダム角度θが大きくなる。そして、さらに車速が大きくなると、スライドガイド41が外円弧部44aに入り込み、エアダム11の長さLが短くなる。
【0074】
以上説明したように、エアダム11にかかる走行動圧に応じてエアダム角度θを変化させることが可能となる。具体的には、低車速時にはエアダム角度θを小さくして熱交換器通過風量を増加させ、高車速時にはエアダム角度θを大きくして空気抵抗係数を低減させることができる。
【0075】
さらに、車速が非常に速くなった場合にエアダム長さLを短くすることで、高車速時の空気抵抗係数をさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】第1実施形態に係る車両の前端構造を示す断面図である。
【図2】第1実施形態に係るフロント下部構造の要部を示す拡大断面図である。
【図3】エアダム角度θと熱交換器通過風速との関係を示す特性図である。
【図4】エアダム長さLと熱交換器通過風速との関係を示す特性図である。
【図5】第2実施形態に係るフロント下部構造の要部を示す拡大断面図である。
【図6】第3実施形態に係る車両のフロント下部構造の要部を示す拡大断面図である。
【図7】第4実施形態に係る車両のフロント下部構造の要部を示す拡大断面図である。
【図8】第4実施形態に係るエアダム11を車両前方側から見た状態を示す模式図である。
【図9】第4実施形態に係る角度保持スライド43の断面図である。
【符号の説明】
【0077】
1…コンデンサ(熱交換器)、2…ラジエータ(熱交換器)、3…ラジエータサポート、5…エンジン、5a…エンジンルーム、8…アンダーカバー、11…エアダム、20…側方板、30、31…スリット、45…コイルばね(弾性体)。




 

 


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