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発明の名称 車両用静脈認証装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30569(P2007−30569A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−213270(P2005−213270)
出願日 平成17年7月22日(2005.7.22)
代理人 【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
発明者 森 健一
要約 課題
ドライバーの静脈パターンを読み取り、あらかじめ登録されている静脈パターンと一致しているか否かの認証を行う静脈認証装置を、車室内の意匠を損なわず、ドライバーが手をかざしやすく、かつ正確に静脈パターンを読み取れるように車両に適用すること。

解決手段
静脈パターンを読み取る静脈認証センサ部110を前席ルームライト部に収納する。静脈認証を行うときには、静脈認証センサ部110を外に出す。これにより、普段は静脈認証センサ部110は収納されているので、意匠性を損なうことがない。また、静脈認証センサ部110が、前席ルームライト部の位置に設置されているので、ドライバーはその静脈認証センサ部110に手をかざしやすい。さらに、静脈認証センサ部110は車両の天井部(前席ルームライト部)の位置に設置されているので、太陽光などの影響を受けにくく、正確に静脈パターンを読み取ることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両の正規のドライバーの手のひらの静脈パターンを記憶する記憶部と、
ドライバーの手のひらに赤外光を投射する赤外投光器と、
前記赤外投光器で投射された赤外光に対して、前記ドライバーの手のひらの静脈パターンに相当する反射光を検出する検出センサと、
前記検出センサが検出した前記ドライバーの手のひらの静脈パターンと前記記憶部に記憶されている前記車両の正規のドライバーの手のひらの静脈パターンとの認証を行う認証部とを備え、
少なくとも前記赤外投光器と前記検出センサは、前記車両の前席天井部に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用静脈認証装置。
【請求項2】
前記赤外投光器と前記検出センサは、前記車両の前席天井部のルームライトが設置されている位置に設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用静脈認証装置。
【請求項3】
前記赤外投光器と前記検出センサの少なくとも一方を覆うように設置され、赤外光のみを透過するフィルタを備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用静脈認証装置。
【請求項4】
前記赤外投光器と前記検出センサを覆う収納部と、
前記赤外投光器と前記検出センサとを露出させ又は収納するために、前記収納部を開閉する開閉部を備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用静脈認証装置。
【請求項5】
前記車両にドライバーが乗車したことを検出する乗車検出部を備え、
前記開閉部は、前記乗車検出部が前記車両にドライバーが乗車したことを検出したときに、前記収納部を開くことを特徴とする請求項4に記載の車両用静脈認証装置。
【請求項6】
前記開閉部は、前記車両の正規のドライバーか否かの認証が終了したときに、前記収納部を閉じることを特徴とする請求項5に記載の車両用静脈認証装置。
【請求項7】
前記赤外投光器にかざしているドライバーの手を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像するドライバーの手と、前記検出センサが前記静脈パターンに相当する反射光を検出可能な範囲とを重ねて表示する表示部とを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両用静脈認証装置。
【請求項8】
車両の正規のドライバーの手のひらの静脈パターンを記憶する記憶部と、
ドライバーの手のひらに赤外光を投射する赤外投光器と、
前記赤外投光器で投射された赤外光に対して、前記ドライバーの手のひらの静脈パターンに相当する反射光を検出する検出センサと、
前記検出センサが検出した前記ドライバーの手のひらの静脈パターンと前記記憶部に記憶されている前記車両の正規のドライバーの手のひらの静脈パターンとの認証を行う認証部とを備え、
少なくとも前記赤外投光器と前記検出センサは、ルームミラー内に収容され、
前記ルームミラーは、可視光を反射し、赤外光を透過するコールドミラーであることを特徴とする車両用静脈認証装置。
【請求項9】
前記ルームミラーに設置され、当該ルームミラーに入射される外乱光の強度を検出する光センサと、
前記光センサが検出した外乱光の強度が基準値以下となるように、前記ルームミラーの向きを変えるルームミラー駆動部とを備えることを特徴とする請求項8に記載の車両用静脈認証装置。
【請求項10】
前記ルームミラー駆動部は、前記車両の正規のドライバーか否かの認証を開始するときには、前記ルームミラーを当該ルームミラーに対してドライバーが手をかざしやすい所定向きに向けることを特徴とする請求項9に記載の車両用静脈認証装置。
【請求項11】
前記ルームミラーの所定向きは、助手席方向かつ、水平よりも下方向であることを特徴とする請求項10に記載の車両用静脈認証装置。
【請求項12】
前記ルームミラーは、夜間走行時に後続車のライトの眩しさを自動で防ぐ自動防眩ミラーであり、
車両前方の光の強度を測定する防眩用光センサと、前記光センサと前記防眩用光センサの出力信号が入力され、ミラーを防眩状態にするかを判定する防眩状態判定部とを備え、
前記光センサは、前記車両の後方からの光の強度測定のために用いられることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の車両用静脈認証装置。
【請求項13】
前記赤外投光器に対して、ドライバーの手をかざす場所を指示する指示部を備えることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の車両用静脈認証装置。
【請求項14】
前記指示部は、前記ルームミラーの外周部に設けられた、手の指を当てる位置を示すものであることを特徴とする請求項13に記載の車両用静脈認証装置。
【請求項15】
前記指示部は、前記赤外投光器にかざしているドライバーの手を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像するドライバーの手と、前記検出センサが前記静脈パターンに相当する反射光を検出可能な範囲とを重ねて表示する表示部とから構成されるものであることを特徴とする請求項13に記載の車両用静脈認証装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に車両の盗難を防止するために用いられる、車両の正規のドライバーか否かをドライバーの手のひらの静脈パターンを読み取って認証する車両用静脈認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば指紋や声紋などの生体情報を用いて個人を特定する技術が様々な場面で実用化されつつある。その中で、手のひらの静脈パターンから個人を特定する静脈認証技術がある。さらに非特許文献1では、認証装置に直接手をかざす必要がない非接触型の静脈認証技術が提案されている。静脈パターンから個人を特定するには、先ずこの静脈パターンを読み取る必要があるが、その読み取りは、手のひらに近赤外光を投射し、その反射光を受信することにより可能となる。なぜなら、静脈は近赤外光を吸収する性質があるためである。すなわち、静脈があるところでは反射光が弱く、反対に静脈がないところでは反射光が強く受信されるので、この反射光の強弱のパターンが手のひらの静脈パターンに相当したものとなる。この非接触型の静脈認証装置を用いれば複数の利用者で装置を共用する場合の心理的、衛生的な問題が緩和される。
【非特許文献1】インターネットアドレス「http://pr.fujitsu.com/jp/news/2003/03/31.html」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年車両盗難が増加の一途をたどっている。このため、多くのメーカーでは車両盗難を防止するための種々の技術を開発している。ここで、車両の正規のドライバーか否かを判定するために、上述した静脈認証技術を用いることによって、車両盗難を防止するのも一つの方策である。
【0004】
しかし、車両盗難防止に静脈認証技術を用いるには、以下の問題点がある。先ず第1に静脈パターンを読み取るためには、上述したように手のひらに近赤外光を投射し、その反射光を受信する必要がある。したがって、関係のない光も受信してしまうと正確に静脈パターンを読み取ることができず、車両内は太陽光などの光が入りやすいことから、この静脈認証技術を適用しにくいという問題がある。
【0005】
第2に手のひらの静脈パターンを読み取るには、近赤外光を投射する赤外投光器、及びその反射光を受信するセンサが必要となる。これらを車両内に設置しようとすると、意匠性が落ちるという問題がある。意匠性に関係しない場所に設置するというのも一つの手ではあるが、ドライバーが手を静脈認証装置に合わせやすいか否かの操作性の問題も考慮する必要がある。すなわち、操作性の観点からいえば、運転席付近にこの認証装置を設置するのが望ましいが、特にインパネ部には様々な機器がすでに設置されており、この静脈認証装置の設置場所を確保することは困難である。
【0006】
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、特に車両の盗難防止のために用いられるものであって、他の光の影響を極力受けずに正確に静脈パターンを読み取れ、かつ意匠性、操作性を損なうことなく車両に適用することができる車両用静脈認証装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1の車両用静脈認証装置は、車両の正規のドライバーの手のひらの静脈パターンを記憶する記憶部と、ドライバーの手のひらに赤外光を投射する赤外投光器と、前記赤外投光器で投射された赤外光に対して、前記ドライバーの手のひらの静脈パターンに相当する反射光を検出する検出センサと、前記検出センサが検出した前記ドライバーの手のひらの静脈パターンと前記記憶部に記憶されている前記車両の正規のドライバーの手のひらの静脈パターンとの認証を行う認証部とを備え、少なくとも前記赤外投光器と前記検出センサは、前記車両の前席天井部に設置されていることを特徴とする。
【0008】
このように、赤外投光器と検出センサは天井部に設置されているので、太陽光などの光の影響を受けにくい。さらに、前席の天井部に設置されているので、ドライバーは赤外投光器と検出センサに手をかざしやすく、また設置場所が天井部なので視認されることが少ないことから車室内の意匠性にそれ程影響を与えない。
【0009】
請求項2の車両用静脈認証装置は、前記赤外投光器と前記検出センサは、前記車両の前席天井部のルームライトが設置されている位置に設置されることを特徴とする。これは、前席のルームライトが設置されている位置は、特にドライバーの左手(右側に運転席がある場合)をかざしやすいことによる。
【0010】
請求項3の車両用静脈認証装置は、前記赤外投光器と前記検出センサの少なくとも一方を覆うように設置され、赤外光のみを透過するフィルタを備えることを特徴とする。これによって、赤外光以外の光を除去できるので、正確に静脈パターンを読み取ることができるとともに、赤外投光器と検出センサを露出させずにすむので意匠性を向上させることができる。
【0011】
請求項4の車両用静脈認証装置は、前記赤外投光器と前記検出センサを覆う収納部と、前記赤外投光器と前記検出センサとを露出させ又は収納するために、前記収納部を開閉する開閉部を備えることを特徴とする。これによれば、認証するときは収納部を開き、認証しないときは収納部を閉じておくことにより、車室内の意匠を損なうことなく認証を行うことができる。
【0012】
請求項5の車両用静脈認証装置は、前記車両にドライバーが乗車したことを検出する乗車検出部を備え、前記開閉部は、前記乗車検出部が前記車両にドライバーが乗車したことを検出したときに、前記収納部を開くことを特徴とする。これにより、ドライバーは乗車したときに、収容部を開くために特に操作をする必要がないので、ドライバーの操作負担を低減させることができる。
【0013】
請求項6の車両用静脈認証装置は、前記開閉部は、前記車両の正規のドライバーか否かの認証が終了したときに、前記収納部を閉じることを特徴とする。これにより、認証以外のときは赤外投光器と検出センサは収容されることになるので、意匠性を向上させることができる。また、認証が終了したときには、ドライバーは収容部を閉じるために特に操作をする必要もないので、ドライバーの操作負担を低減させることもできる。
【0014】
請求項7の車両用静脈認証装置は、前記赤外投光器にかざしているドライバーの手を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像するドライバーの手と、前記検出センサが前記静脈パターンに相当する反射光を検出可能な範囲とを重ねて表示する表示部とを備えることを特徴とする。手のひらの静脈パターンを読み取るためには、手のひらに正確に赤外光を投射する必要がある。したがって、請求項7のように表示されることにより、正確に手のひらの静脈パターンを読み取ることができる。
【0015】
請求項8の車両用静脈認証装置は、車両の正規のドライバーの手のひらの静脈パターンを記憶する記憶部と、ドライバーの手のひらに赤外光を投射する赤外投光器と、前記赤外投光器で投射された赤外光に対して、前記ドライバーの手のひらの静脈パターンに相当する反射光を検出する検出センサと、前記検出センサが検出した前記ドライバーの手のひらの静脈パターンと前記記憶部に記憶されている前記車両の正規のドライバーの手のひらの静脈パターンとの認証を行う認証部とを備え、少なくとも前記赤外投光器と前記検出センサは、ルームミラー内に収容され、前記ルームミラーは、可視光を反射し、赤外光を透過するコールドミラーであることを特徴とする。
【0016】
このように、ルームミラーにコールドミラーを採用することにより、赤外投光器と検出センサをルームミラー内に収容した状態で静脈認証を行うことができる。つまり、意匠性を損なうことなく静脈認証を行うことができる。また、ルームミラーは、運転席の近くに設置されていることから、ドライバーは自然な体勢で静脈認証を行うことができる。つまり、静脈認証に関する操作性も満足させることができる。さらに、ルームミラーの向きを外乱光の影響を受けないような向き(例えば、水平よりも下方向)に調整することにより、正確に静脈パターンを読み取ることができる。
【0017】
請求項9の車両用静脈認証装置は、前記ルームミラーに設置され、当該ルームミラーに入射される外乱光の強度を検出する光センサと、前記光センサが検出した外乱光の強度が基準値以下となるように、前記ルームミラーの向きを変えるルームミラー駆動部とを備えることを特徴とする。これにより、太陽光などの光の影響が受けないように静脈パターンを読み取ることができるとともに、ドライバーは静脈認証を行うためにルームミラーの向きを調整する必要がないので、ドライバーの操作負担を軽減することができる。
【0018】
請求項10の車両用静脈認証装置は、前記ルームミラー駆動部は、前記車両の正規のドライバーか否かの認証を開始するには、当該ルームミラーに対してドライバーが手をかざしやすい所定向きに向けることを特徴とする。これにより、さらに静脈認証に関する操作性を向上させることができる。
【0019】
請求項11の車両用静脈認証装置は、前記ルームミラーの所定向きは、助手席方向かつ、水平よりも下方向であることを特徴とする。これは、一般的にドライバーは、ルームミラーが助手席に向いており、さらに水平よりも下向いているときに、ルームミラーに手をかざしやすいと考えられることによる。
【0020】
請求項12の車両用静脈認証装置は、前記ルームミラーは、夜間走行時に後続車のライトの眩しさを自動で防ぐ自動防眩ミラーであり、車両前方の光の強度を測定する防眩用光センサと、前記光センサと前記防眩用光センサの出力信号が入力され、ミラーを防眩状態にするかどうかを判定する防眩状態判定部を備え、前記光センサは、前記車両の後方からの光の強度測定のために用いられることを特徴とする。
【0021】
自動防眩ミラーとは、例えば後続車のライトが眩しいときには、ルームミラーの光の反射率を落としたり、又はルームミラーの向きを変えるようにしたルームミラーである。車両の前方から入射する光の強さと後方から入射する光の強さの差からルームミラーを防眩状態にするかどうか判定する。静脈認証装置が作動するのは始動時のみなので、走行時は静脈認証用の光センサを自動防眩ミラー用として車両後方から入射する光強度を測定することができる。これにより、自動防眩ミラー用に余分に光センサを通常は二つ追加するべきところを一つだけ用意するだけでよく、コストダウンを図ることができる。
【0022】
請求項13の車両用静脈認証装置は、前記赤外投光器に対して、ドライバーの手をかざす場所を指示する指示部を備えることを特徴とする。これにより、請求項7と同様の効果を得ることができる。具体的には、請求項14のようにルームミラーの外周部に手の指を当てる位置を示すガイドを設けたり、又は請求項15のように、請求項7と同様に画面表示で指示してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の車両用静脈認証装置を車両の盗難防止のために用いた例について説明する。
【0024】
(第1実施形態)
先ず第1の実施形態について説明する。この第1の実施形態では、普段の走行時などには車両用静脈認証装置を車両の前席ルームライト部に収納しておき、静脈による認証を行うときにのみその前席ルームライト部から車両用静脈認証装置を出すようにするものである(図1、図2参照)。
【0025】
図3は、本実施形態の車両用静脈認証装置100aの全体構成を示すブロック図、及び静脈認証をするときに用いるドアスイッチ200、ナビゲーション装置の表示器300を示す図である。同図に示すように車両用静脈認証装置100aは、静脈認証センサ部110、収納開閉モータ120、静脈認証スタートスイッチ130及びこれらと接続する制御ECU140から構成される。
【0026】
静脈認証センサ部110は、ドライバーの手のひらの静脈パターンを撮影するものであり、さらに赤外投光器111と画像センサ112から構成される。赤外投光器111は、静脈パターンを撮影するために必要な近赤外光を外部に投光する。一方、画像センサ112は赤外投光器111から投光された近赤外光の反射光を受信する。この際、静脈があるところでは近赤外光が吸収されるので、静脈がないところよりも弱い反射光を受信する。また、画像センサ112は近赤外光以外にも、通常のカメラとしての働きも兼ね備えている。そして、静脈認証を行う際にはドライバーの手の合わせやすくするために、後述する表示器300に画像センサ112の撮影範囲を表示する。
【0027】
収納開閉モータ120は、静脈認証を行う際には車両用静脈認証装置100aをルームライト部から外部に出したり、反対に静脈認証が終了したときには外部に出ている車両用静脈認証装置100aを収納するモータである。
【0028】
静脈認証スタートSW130は、例えばインパネ部に設けられ、上述の赤外投光器111から近赤外光を投光して静脈認証を開始するスイッチである。
【0029】
制御ECU140は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。ROMには、制御ECU140が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPUが上記各部を利用した静脈認証に関する処理を行う。また、制御ECU140のROMには、あらかじめ車両の正規のドライバーの静脈パターンが登録されており、撮影した静脈パターンをこの静脈パターンと比較することにより、正規のドライバーか否かを判定している。
【0030】
また、制御ECU140は、車内LANを介してドアSW200及びナビゲーション装置の表示器300に接続されている。ドアSW200は、運転席のドアの開閉を検出する。これは、車両にドライバーが乗車したことを判定するためのものである。一方、表示器300は普段の走行時は車両周辺の地図を表示するなどする車両走行のナビゲーション用で用いられるが、上述したように静脈認証する際には、ドライバーが静脈認証センサ部110に手を合わせやすくするために、画像センサ112による撮影範囲及びリアルタイムの被写体が表示される。
【0031】
この車両用静脈認証装置100aは、車両の前席のルームライト部の位置に収納部を設けて収納されている(図2(a)参照)。そして、静脈認証を行う際には、収納部から静脈認証センサ部110を出している((図2(b)参照)。
【0032】
次に、この車両用静脈認証装置100aが静脈認証を行って正規のドライバーか否かを判定し、その判定結果によって車両走行を可能・不能にする処理を図4のフローチャートを用いて説明する。なお、この処理は制御ECU140が行う。
【0033】
先ずステップS100において、ドアSW200からの信号に基づいて、運転席のドアの開閉を検出する。つまり、運転席にドライバーが乗車したことを検出する。次にステップS101において、収納開閉モータ120を駆動して、図2(b)に示すように静脈認証センサ部110を収納部から外部に出す。その後、ドライバーは静脈認証を行うために、この静脈認証センサ部110に向けて手のひらをかざすことになる。次にステップS102において、図5に示すように表示器300に画像センサ112の撮影範囲及びリアルタイムの被写体を表示する。なお、図5では斜線部分が画像センサ112の撮影範囲を示している。これにより、ドライバーは、自身の手のひらが画像センサ112の撮影範囲に入っているか否かを事前に確認することができる。例えば図5(a)に示すように手の位置が画像センサ112の撮影範囲に完全に入ってないときは、ドライバーは表示器300の見ながら、図5(b)に示す位置まで手の位置を移動することができる。
【0034】
その後、ステップS103において、ドライバーによって静脈認証スタートSW130が押されるまで待機し(否定判定)、押されたときには(肯定判定)以降の静脈認証を開始する。具体的には、先ずステップS104において、赤外投光器111で近赤外光を投光する。そして、ステップS105において、その反射光を撮影する。上述したように、この反射光をドライバーの静脈パターンに相当するものである。その後、ステップS106において、撮影した静脈パターンが、ROMにあらかじめ登録されている静脈パターンと一致するか否かの認証を行う。ステップS107において、認証できたか否かを判定し、認証できたときは(肯定判定)、ステップS108において収納開閉モータ120によって静脈認証センサ部110を収納し(図2(a)参照)、ステップS109において車両を走行可能状態にする。一方、ステップS107において認証できなかったときは(否定判定)、ステップS110において、その旨を警報する。この警報は例えばオーディオ用のスピーカを用いて行う。その後、ステップS111において、車両を走行不能にする。これによって、車両の盗難を防止することができる。
【0035】
以上本実施形態では、車両用静脈認証装置100aを前席ルームライト部の位置に収納しておき、運転席への乗車を検出したときのみ、静脈認証を行うために静脈認証センサ部110を外部に出している。そして、認証が終了したときには、再び静脈認証センサ部110を収納している。これにより、車室内の意匠をできる限り損なわないようにすることができる。また、車両用静脈認証装置100aが前席ルームライト部の位置に設置されているので、静脈認証を行う際にはドライバーは、静脈認証センサ部110に手をかざしやすい。すなわち、操作性も損なうことはない。さらに、車両用静脈認証装置100aが車両の天井部に設置されているので、太陽光などの光の影響を受けにくくすることができる。すなわち、正確にドライバーの静脈パターンを撮影することができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。例えば、本実施形態では運転席に乗車したか否かを、直接運転席のドアの開閉を検出することにより判定していた(ステップS100)。しかし、運転席に乗車したか否かを判定できるのであれば、いずれの方法を用いてもよい。例えば、着座を検出する着座センサを用いる方法などが挙げられる。
【0037】
また、本実施形態では運転席のドアの開閉を検出したときに、自動で静脈認証センサ部110を収納部から出していた(ステップS101)。さらに、静脈認証できたときには自動で静脈認証センサ部110を収納部に収納していた(ステップS108)。これは、ドライバーの操作負担を軽減するためである。しかし、例えば静脈認証センサ部110を収容部から出し入れするスイッチを設け、ドライバーによるこのスイッチの操作によって、静脈認証センサ部110を収容部から出し入れするようにしてもよい。この場合、多少ドライバーの操作負担が増すことになる。
【0038】
また、本実施形態では認証ができなかったときには、その旨を警報していた(ステップS110)。この場合、正規のドライバーではない可能性が大きいので、正規のドライバーの携帯電話などに通報するようにしてもよい。
【0039】
また、本実施形態では静脈認証ができなかったときには、警報の後即座に走行不能にしていた(ステップS111)。しかし、ドライバーの手を合わせる位置が微妙にズレていたために認証できなかったこともあり得るので、認証ができなかったときは再びステップS103に戻り、複数回の認証処理を行うようにしてもよい。これにより、確実に正規のドライバーか否かを判定することができる。
【0040】
また、本実施形態ではこの車両用静脈認証装置100aを、車両の盗難防止のために用いていた。しかし、他の目的のためにこの車両用静脈認証装置100aを用いてもよく、例えば車両で用いられている機器を作動してよいか否かの認証に用いる。これにより、例えばナビゲーション装置内に登録されている個人情報の流出などを防ぐことができる。
【0041】
(変形例1)
以下、上記実施形態の変形例について説明する。上述したように静脈認証を行うためには、近赤外光を投光し、その反射光を受信する必要がある。このため、上記実施形態では認証を行う際には静脈認証センサ部110を収納部から出していた(ステップS101)。しかし、意匠性の観点からできる限り静脈認証センサ部110を収納しておいたほうが良い。そこで、図6に示すように静脈認証センサ部110の前に赤外光のみの光を透過する赤外透過フィルタ150を配置してもよい。
【0042】
これにより、静脈認証センサ部110を常に収納しておくことができるので、意匠性を向上することができる。また、静脈認証センサ部110を収納部から出し入れする収納開閉モータを備える必要がないので、車両用静脈認証装置100aを小型にすることができ、さらにコストダウンも図ることができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に本発明に係る車両用静脈認証装置の第2の実施形態について説明する。この第2実施形態では、ルームミラーの後ろに収納部を設けて、この収納部に車両用静脈認証装置を収納している。また、ルームミラーには、可視光を反射し赤外光を透過するコールドミラーが使用している。したがって、車両用静脈認証装置から投光される近赤外光とその反射光はコールドミラーを透過するので、ルームミラー内に収容したまま静脈認証をすることができる。さらに、ルームミラーは外からの光を受けやすい位置に設置されているので、ルームミラーへの入射光の強度を検出し、静脈認証ができる明るさの位置に自動でルームミラーの向きを変更している(図7、図8参照)。以下、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記第1実施形態と同一の部品及び同一の処理には同一の符号を付している。
【0044】
図9は、本実施形態の車両用静脈認証装置100bの全体構成を示すブロック図、及び静脈認証をするときに用いるドアスイッチ200、ナビゲーション装置の表示器300を示す図である。同図に示すように車両用静脈認証装置100bは、静脈認証センサ部110、ミラー駆動モータ160、光センサ170、静脈認証スタートスイッチ130及びこれらと接続する制御ECU141から構成される。以下、第1実施形態と異なる部品について説明し、同一の部品については説明を省略する。
【0045】
ミラー駆動部160は、ルームミラーの向きを変えるモータであり、また光センサ170は、ルームミラーへの入射光の強度を検出するセンサである。本実施形態では、ミラー駆動部160及び光センサ170は、静脈認証ができるような明るさの位置にルームミラーの向きを変更するために用いられる。
【0046】
制御ECU141は、内部構成としては上記第1実施形態と同じであるが、静脈認証をするときの処理内容が異なる。このときの処理については、フローチャートを用いて後述する。
【0047】
また、図8に示すように、ルームミラーの後部には収納部190が設けられており、車両用静脈認証装置100bを構成する部品のうち、赤外投光器111、画像センサ112、ミラー駆動モータ160、光センサ170はこの収納部190に収納されている。なお、制御ECU141については、意匠性を害さないなどの要件を満たすところであればどこに設置してもよく、収納部190に収納してもよい。また、光センサ170は、ルームミラーへの入射光の強度を検出するために用いられるので、ルームミラーに設置されておればよく、特に収納部190に収納する必要はない。
【0048】
また、ルームミラーは可視光を反射し赤外光を透過するコールドミラー180を採用している。これによって、静脈認証センサ部110を収納部190に収納したまま、静脈認証をすることができる。
【0049】
次に、この車両用静脈認証装置100bが静脈認証を行って正規のドライバーか否かを判定し、その判定結果によって車両走行を可能・不能にする処理を図10のフローチャートを用いて説明する。なお、この処理は制御ECU141が行う。
【0050】
先ずステップS100において、ドアSW200からの信号に基づいて、運転席のドアの開閉を検出する。つまり、運転席にドライバーが乗車したことを検出する。次にステップS112において、ミラー駆動モータ160を駆動して、ルームミラーを助手席方向で水平よりも下方に向ける。これは、一般的にドライバーがルームミラーに手をかざしやすい方向が、ルームミラーが助手席下方に向いているときと考えられ、つまり操作性を考慮したためである。次にステップS113において、光センサ170を用いてルームミラーへの入射光の強度を検出する。そして、ステップS114において、ドライバーの手のひらの静脈パターンを撮影可能か否かを判定する。具体的には、ステップS113にて検出した入射光の強度が、所定の基準値以下か否かを判定する。ここで、撮影可能な明るさではないときは(否定判定)、ステップS115において、ミラー駆動モータ160を駆動して、ルームミラーの向きを変更する。この際、どの方向に向きを変更するかは、どのようにしてもかまわない。その後、再びステップS113に戻り、ルームミラーが静脈パターンを撮影可能な向きになるまで上述したステップS113〜S115の処理を繰り返す。
【0051】
ステップS114において、ルームミラーへの入射光が静脈パターンを撮影可能な明るさであるときは(肯定判定)、処理をステップS102以下に進め、上記第1実施形態と同様の処理をしてドライバーの静脈認証を行う(ステップS102〜S111)。なお、このときの各処理については、上記第1実施形態と同じなので説明を省略する。
【0052】
以上本実施形態では、ルームミラーにコールドミラー180を採用することにより、静脈認証センサ部110を常に収納部190に収納しておくことができる。すなわち、意匠性を損なわずに静脈認証を行うことができる。また、車両用静脈認証装置100bをルームミラーの位置に設置しているので、ドライバーは手をかざしやすく、さらに静脈認証を行う際には最初にルームミラーが助手席下方に向けられるので、ドライバーはよりそのルームミラーに手をかざしやすくなると考えられる。すなわち、ドライバーにとって操作性が良い静脈認証を行うことができる。さらに、ルームミラーへの入射光の強度を検出し、入射光の強度が弱い向きにルームミラーが向けられるので、正確に静脈認証を行うことができる。
【0053】
(変形例2)
上記第2実施形態では、ドライバーの手のひらが静脈認証センサ部110の撮影範囲に収まるように、第1実施形態と同様に表示器300に画像センサ110による撮影範囲及びリアルタイムの被写体を表示している(ステップS102、図2参照)。これと同一目的達成のために、例えば図11に示すようにルームミラーの外周部に、ドライバーの手を合わせるためのガイドを設けてもよい。これにより、表示器300を確認する必要がなく、直接ルームミラーを見ながら手を合わせることができるので、操作性を向上することができる。
【0054】
(変形例3)
近年、夜間走行時に後続車のライトが眩しいときに、自動でルームミラーの光の反射率を落としたり、又はルームミラーの向きを微修正する自動防眩ミラーが使用されつつある。これを実現するためには、先ずルームミラーに対して車両の後ろから入射する光と前から入射する光を、2つの光センサを用いて検出する。そして、その前後の光の強度の差から後続車のライトがルームミラーに入射しているか否かを判定し、さらにそれが基準値以上の強度か否かを判定している。
【0055】
そこで、このような自動防眩ミラーを採用している場合には、車両用静脈認証装置100bの光センサ170を、夜間走行時には上述の2つの光センサのうちの車両の後方から入射される光を検出する光センサとして用いてもよい。この場合、図12に示すように、光センサ170をルームミラーの後ろ(車両後方)側に設置する必要がある。つまり、夜間走行時には、ルームミラーの前(車両前方)側に設置された防眩用光センサ171に入射される光と、光センサ170に入射される光の差から、ルームミラーに後続車のライトが入射しているか否かを判定することになる。静脈認証装置が作動するのは始動時のみなので、走行時は静脈認証用の光センサを自動防眩ミラー用として車両後方から入射する光強度を測定することができる。防眩状態の判定は防眩状態判定部172で行う。これにより、自動防眩ミラー用に余分に光センサを通常は二つ追加するべきところを一つだけ用意するだけでよくコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1実施形態に係る車両用静脈認証装置100aの設置位置を示している図である。
【図2】静脈認証センサ部110が、前席ルームライト部に収納されている状態を示す図と(同図(a))、外部に出されている状態を示す図(同図(b))である。
【図3】第1実施形態の車両用静脈認証装置100aの全体構成を示すブロック図、及び静脈認証をするときに用いるドアスイッチ200、ナビゲーション装置の表示器300を示す図である。
【図4】車両用静脈認証装置100aが静脈認証を行って正規のドライバーか否かを判定し、その判定結果によって車両走行を可能・不能にする処理を示すフローチャートである。
【図5】表示器300に画像センサ112の撮影範囲及びリアルタイムの被写体を表示しているところを示している図である。
【図6】静脈認証センサ部110を常に収納しておくために、静脈認証センサ部110の前に赤外光のみの光を透過する赤外透過フィルタ150を設けたことを示す図である。
【図7】第2実施形態に係る車両用静脈認証装置100bの設置位置を示している図である。
【図8】ルームミラーの後部に設けられた収納部190に静脈認証センサ部110等を収納し、またルームミラーにコールドミラー180を採用していることを示す図である。
【図9】第2実施形態の車両用静脈認証装置100bの全体構成を示すブロック図、及び静脈認証をするときに用いるドアスイッチ200、ナビゲーション装置の表示器300を示す図である。
【図10】車両用静脈認証装置100bが静脈認証を行って正規のドライバーか否かを判定し、その判定結果によって車両走行を可能・不能にする処理を示すフローチャートである。
【図11】ドライバーの手のひらを静脈認証センサ部110の撮影可能範囲に入れるために、ルームミラーの外周部に手の合わせる位置を示すガイドを設けたことを示している図である。
【図12】静脈認証のために用いる光センサ170を、夜間走行時には自動防眩ミラー用の光センサとして用いるための、光センサ170の設置位置を説明するための図である。
【符号の説明】
【0057】
100a、100b 車両用静脈認証装置
110 静脈認証センサ部
111 赤外投光器
112 画像センサ
120 収納開閉センサ
130 静脈認証スタートSW
140、141 制御ECU
150 赤外透過フィルタ
160 ミラー駆動モータ
170 光センサ
171 防眩用光センサ
172 防眩状態判定部
180 コールドミラー
190 収納部
200 ドアSW
300 表示器




 

 


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