米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 車両 -> 株式会社デンソー

発明の名称 表示器の角度制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−22494(P2007−22494A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−211380(P2005−211380)
出願日 平成17年7月21日(2005.7.21)
代理人 【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
発明者 竹田 進吾 / 渡辺 秀樹
要約 課題
周囲の明暗に拘わらず最適な角度に制御することができる表示器の角度制御装置を提供すること。

解決手段
制御部4は第1圧力センサ14からの検出信号に基づく圧力値PAが所定値以上であるときには、センサ11〜13からの検出信号に基づいて前後位置L、上下位置H及び倒角γを検出する(ステップS120)。続いて、身長推定テーブルT1を検索し、圧力値PAに対応する推定身長HIを取得する(ステップS130)。最後に、入力値(前後位置L、上下位置H、倒角γ及び推定身長T)に対応する頭部位置座標Aを頭部位置推定テーブルT2から検索する(ステップS140)。
特許請求の範囲
【請求項1】
映像・画像情報及び文字情報を座席に着座した着座人に対して情報を提供する表示器の角度を制御するものであって、
前記表示器の角度を変更する角度変更手段と、
座面圧力を検出する第1圧力検出手段と、
前記第1圧力検出手段の検出圧力に対応する推定身長情報を予め記憶する身長情報記憶手段と、
前記第1圧力検出手段によって圧力が検出された座席の位置を検出する座席位置検出手段と、
前記座席の座面に対する背もたれの角度を検出する倒角検出手段と、
前記座席の位置、前記倒角及び前記推定身長からなる入力値に対応する着座人の頭部位置の情報を予め記憶した頭部位置情報記憶手段と、
前記検出圧力に対応する推定身長を前記身長情報記憶手段から検索し、前記座席位置検出手段、倒角検出手段及び検索した推定身長に対応する頭部位置の情報を前記頭部位置情報記憶手段から検索する検索手段と、
前記検索手段の検索結果に基づいて前記角度変更手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする表示器の角度制御装置。
【請求項2】
ヘッドレストへの加圧を検出する第2圧力検出手段と、
前記ヘッドレストにおける加圧位置に対応する前記頭部位置の情報を予め記憶した第2頭部位置情報記憶手段とを備え、
前記検索手段は、前記第2圧力検出手段にて加圧が検出されていないときには、前記頭部位置の情報を前記頭部位置情報記憶手段から検索する一方、
前記第2圧力検出手段にて加圧が検出されたときには、前記加圧位置に対応する頭部位置の情報を前記第2頭部位置情報記憶手段から検索することを特徴とする請求項1に記載の表示器の角度制御装置。
【請求項3】
背もたれへの加圧を検出する第3圧力検出手段と、
前記背もたれにおける加圧位置に対応する前記頭部位置の情報を予め記憶した第3頭部位置情報記憶手段と、
前記推定身長に基づいて前記着座人の頭部位置が前記ヘッドレスト位置よりも高い位置あるいは低い位置のいずれの位置にあるかを判定する判定手段とを備え、
前記検索手段は、前記第2圧力検出手段にて加圧が検知されたときには、前記頭部位置の情報を前記第2頭部位置情報記憶手段から検索し、
前記第2圧力検出手段にて加圧が検知されず、且つ、前記判定手段にて前記頭部位置が前記ヘッドレスト位置よりも高い位置にあると判定されたときには、前記頭部位置の情報を前記頭部位置情報記憶手段から検索し、
前記第2圧力検出手段にて加圧が検知されず、且つ、前記判定手段にて前記頭部位置が前記ヘッドレスト位置よりも低い位置にあると判定されたときには、前記頭部位置の情報を前記第3頭部位置情報記憶手段から検索することを特徴とする請求項2に記載の表示器の角度制御装置。
【請求項4】
背もたれへの加圧を検出する第3圧力検出手段と、
前記背もたれにおける加圧位置に対応する前記頭部位置の情報を予め記憶した第3頭部位置情報記憶手段と、
前記背もたれへの加圧分布に基づいて、これが頭部による加圧であるか否かを判定する頭部加圧判定手段とを備え、
前記検索手段は、前記第2圧力検出手段にて加圧が検知されたときには、前記頭部位置の情報を前記第2頭部位置情報記憶手段から検索し、
前記第2圧力検出手段にて加圧が検知されず、且つ、前記頭部加圧判定手段にて前記背もたれへの加圧が頭部によるものでないと判定されたときには、前記頭部位置の情報を前記頭部位置情報記憶手段から検索し、
前記第2圧力検出手段にて加圧が検知されず、且つ、前記頭部加圧判定手段にて前記背もたれへの加圧が頭部によるものであると判定されたときには、前記頭部位置の情報を前記第3頭部位置情報記憶手段から検索することを特徴とする請求項2に記載の表示器の角度制御装置。
【請求項5】
前記座席は複数備えられており、
前記検索手段は、各座席における着座人の頭部位置の情報をそれぞれ検索し、
前記制御手段は、各着座人の頭部位置の情報に基づいて前記角度変更手段を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の表示器の角度制御装置。
【請求項6】
座席における着座状態あるいは非着座状態を検出する着座検出手段を備え、
前記検索手段は、前記着座検出手段にて着座状態であると判断された座席について検索処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の表示器の角度制御装置。
【請求項7】
前記着座検出手段は、着座領域の温度を検出する温度センサを備えて構成されており、
前記検索手段は、前記温度センサにて検出された温度値が所定範囲内の値とされている座席について検索処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の表示器の角度制御装置。
【請求項8】
前記表示器は車両に搭載された表示器であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の表示器の角度制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対して表示器を最適な視認角度に自動調整することができる表示器の角度制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からユーザが視認し易いように表示器の角度を自動調整する機能を備えた表示装置が提供されており、このような装置として、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。これは、画像・映像情報あるいは文字情報を表示する表示面を有する表示器と、表示面前方の画像を取得する画像センサと、表示面の角度を変更する駆動部と、画像センサにより取得した画像に基づいて駆動部の動作を制御する制御手段とを備えている。
【0003】
従って、制御手段は、画像センサにより取得したユーザの顔画像に基づいて、表示面と顔との相対位置を演算し、この演算結果に応じて駆動部の動作を制御するのである。これにより、使用者の顔に向けて表示面の角度が調整され、使用者は最適な角度で表示面を視認することができる。
【特許文献1】特開2001−236023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、車両には後部座席の乗員に対して娯楽を提供するリアシートエンターテインメントシステム(RSE)が搭載されるようになっている。これは、例えば表示装置、音響装置等により構成され、後部座席乗員に映像・画像情報、文字情報、音声情報を提供するものである。
【0005】
上記のような装置においても、各乗員に対する視認性を確保するために、乗員毎に顔位置を検出し、その検出結果に基づいて表示器の角度を制御する必要がある。仮に、上記従来装置をRSEに組み込めば、乗員の顔位置を検出することができるから、この顔位置に基づいてディスプレイ装置の角度を調整することが可能となる。
【0006】
しかしながら、上記従来装置では、画像センサを用いてユーザの顔位置を検出するようにしているため、夜間等の車室内が比較的暗い場合には、ユーザの顔画像を取得することができなくなり、結果として表示器を最適な角度に制御することができない。従って、周囲の明るさよって制御の可否が左右されるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、周囲の明暗に拘わらず最適な角度に制御することができる表示器の角度制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明では、映像・画像情報及び文字情報を座席に着座した着座人に対して情報を提供する表示器の角度を制御するものであって、表示器の角度を変更する角度変更手段と、座面圧力を検出する第1圧力検出手段と、第1圧力検出手段の検出圧力に対応する推定身長を予め記憶する身長情報記憶手段と、座席の位置を検出する座席位置検出手段と、座席の座面に対する背もたれの角度を検出する倒角検出手段と、座席の位置、倒角及び推定身長からなる入力値に対応する着座人の頭部位置の情報を予め記憶した頭部位置情報記憶手段と、検出圧力に対応する推定身長を身長情報記憶手段から検索し、座席位置検出手段、倒角検出手段及び検索した推定身長に対応する頭部位置の情報を頭部位置情報記憶手段から検索する検索手段と、検索手段の検索結果に基づいて角度変更手段を制御する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
請求項1の発明によれば、座席の位置、背もたれの倒角及び座席への加圧状態により推定された身長に基づいて着座人の頭部位置を検出している。これにより、周囲の明暗に拘わらず頭部位置を検出することができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、ヘッドレストへの加圧を検出する第2圧力検出手段と、ヘッドレストにおける加圧位置に対応する頭部位置の情報を予め記憶した第2頭部位置情報記憶手段とを備え、検索手段は、第2圧力検出手段にて加圧が検出されたことを条件に、加圧位置に対応する頭部位置の情報を第2頭部位置情報記憶手段から検索することを特徴としている。
【0011】
通常、ヘッドレストへ加圧する身体部位は頭部であるから、このヘッドレストへの加圧位置に基づいて着座人の頭部位置を検出するようにすればその検出精度を向上させることができる。
【0012】
請求項3の発明では、背もたれへの加圧を検出する第3圧力検出手段と、背もたれにおける加圧位置に対応する頭部位置の情報を予め記憶した第3頭部位置情報記憶手段と、推定身長に基づいて着座人の頭部位置が前記ヘッドレスト位置よりも高い位置あるいは低い位置のいずれの位置にあるかを判定する判定手段とを備え、検索手段は、判定手段にて頭部位置がヘッドレストよりも低い位置にあると判定されたときには、加圧位置に対応する頭部位置の情報を第3頭部位置情報記憶手段から検索することを特徴としている。
【0013】
座席に着座しているにも拘わらずヘッドレストへの加圧がない状態として、低身長のために頭部がヘッドレスト位置よりも低い位置にある場合が考えられる。このような場合には、背もたれに頭部が当てられているため、この背もたれの加圧位置に基づいて頭部位置を検出した方が精度良い検出を行うことができる。本構成では、上記の場合には、背もたれの加圧位置に基づいて頭部位置を検出しているから精度の高い検出を行うことができる。
【0014】
請求項4の発明では、背もたれへの加圧を検出する第3圧力検出手段と、背もたれにおける加圧位置に対応する頭部位置の情報を予め記憶した第3頭部位置情報記憶手段と、背もたれへの加圧分布に基づいて、これが頭部による加圧であるか否かを判定する頭部加圧判定手段とを備え、検索手段は、頭部加圧判定手段にて背もたれへの加圧が頭部によるものであると判定されたときには、加圧位置に対応する頭部位置の情報を第3頭部位置情報記憶手段から検索することを特徴としている。
【0015】
座席に着座しているにも拘わらずヘッドレストへの加圧がない状態として、頭部をヘッドレストから離して着座している場合、あるいは、低身長のために頭部がヘッドレスト位置よりも低い位置にある場合が考えられる。このような場合には、背もたれに頭部が当てられているため、この背もたれの加圧位置に基づいて頭部位置を検出した方が精度良い検出を行うことができる。本構成では、背もたれへの加圧分布に基づいて背もたれに頭部が当てられているか否かを判断し、これに頭部が当てられていると判断したときには、背もたれの加圧位置に基づいて頭部位置を検出しているから精度の高い検出を行うことができる。
【0016】
請求項5の発明では、座席は複数備えられており、検索手段は、各座席における着座人の頭部位置の情報をそれぞれ検索し、制御手段は、各着座人の頭部位置の情報に基づいて角度変更手段を制御することを特徴としている。
【0017】
請求項5の構成によれば、着座人が複数人である場合でも、各着座人に対して視認し易い角度に調整することができる。
【0018】
請求項6の発明では、座席における着座状態あるいは非着座状態を検出する着座検出手段を備え、検索手段は、着座検出手段にて着座状態であると判断された座席について検索処理を行うことを特徴としている。
【0019】
請求項7の発明によれば、着座人が存在する座席についてその頭部位置を検出するようにしている。従って、着座人が存在しない座席についてまで頭部位置の検出を行うという無用な処理を排除することができる。また、着座人が存在する座席のみに基づいて表示器の角度を制御するのであるから、着座人が存在しない座席をも含んで表示器の角度を制御する場合に比べて精度が向上する。
【0020】
請求項7の発明では、着座検出手段は、着座領域の温度を検出する温度センサを備えて構成されており、検索手段は、温度センサにて検出された温度値が所定範囲内の値とされている座席について検索処理を行うことを特徴としている。
【0021】
例えば、荷物等の着座人とは異なる物体が座席に置かれている場合には、その座席については頭部位置を検出する必要がない。むしろ、その座席については頭部位置の検出対象から排除すべきである。これに対して、本構成では、温度センサにより検出された着座領域の温度が所定範囲内の値とされている座席について頭部位置を検出するようにしているから、着座人とそれ以外の物体とを確実に区別することができる。
【0022】
請求項8の発明では、表示器は車両に搭載された表示器であることを特徴としている。通常、車両は昼夜問わず使用されるものであるから、当該角度制御装置の動作は車室内の明暗に拘わらず要求される。これに対して本構成では、座席の位置、座席への加圧状態から着座人の頭部位置を検索しているから、車室内の明暗に拘わらず表示器を最適な角度に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
<第1実施形態>
本発明に係る表示器の角度制御装置の一実施形態について図1ないし図7を参照して説明する。本実施形態の角度制御装置は後部座席の乗員に対して娯楽を提供するリアシートエンターテインメントシステム(RSE)の一構成要素とされており、映像・画像情報、文字情報を提供する表示器100の角度を制御するものである。
【0024】
角度制御装置は図1に示すように、車両に備えられたシートの状態を検出するシートセンサ部1と、表示器100のチルト角及びアングル角を変更するアクチュエータ部2と、各種情報を記憶する記憶部3(身長情報記憶手段及び頭部位置情報記憶手段に相当)と、シートセンサ部1からの検出信号を受けて頭部位置の検出を行うと共に、アクチュエータ部2に対して駆動信号を送信する制御部4(検索手段及び制御手段に相当)とから構成されている。
【0025】
シートセンサ部1は、車両に備えられた後部座席50A〜50Fにそれぞれ設けられており、前後位置センサ11、上下位置センサ12、倒角センサ13及び第1圧力センサ14により構成されている(図2、図3参照)。ここで、図2及び図3には表示器100の中央部を基準位置Oとする直交座標が記載されており、車両前後方向をX軸、上下方向をY軸、左右方向をZ軸と規定している。
【0026】
前後位置センサ11は、座面51の前後位置を検出するためのものであり、基準位置Oと座面51中央部との離間距離Lに応じた検出信号を出力する。上下位置センサ12は、座面51の上下位置を検出するためのものであり、基準位置Oと座面51上面との離間距離Hに応じた検出信号を出力する。倒角センサ13は、座面51に対する背もたれ52の角度γ(倒角γ)を検出するためのものであり、倒角γの大きさに応じた検出信号を出力する。また、第1圧力センサ14(第1圧力検出手段)は、座面51への加圧状態を検出するためのものであり、検出圧力の大きさに応じた検出信号を出力する。
【0027】
アクチュエータ部2は、表示器100の角度を変更するものであり、X及びY軸を回動軸として表示器100を回動させることにより、これを所定の角度に変更することができるようになっている。従って、Y軸を回動軸として表示器100を回動させることによりアングル角θAを変更し、Z軸を回動軸として表示器100を回動させることによりチルト角θTを変更する(図2、図3参照)。
【0028】
記憶部3には、身長推定テーブルT1(推定身長情報)及び頭部位置推定テーブルT2(頭部位置情報)の2つのデータテーブルが記憶されている。身長推定テーブルT1は図4に示すように、第1圧力センサ14の検出圧力に基づく圧力値PAと、この圧力値PAに対応する乗員C(着座人)の推定身長HIが記録されている。各圧力値PAに対応する推定身長HIは経験により求めても良いし、所定の関係式を用いて計算により求めても良い。
【0029】
頭部位置推定テーブルT2は、図5に示すように、各座席50A〜50Fに対応するテーブルを有しており、入力値である前後位置L、上下位置H、倒角γ、推定身長HIに対応する頭部位置の座標A(頭部位置座標Aという。請求項に記載の「頭部位置の情報」に相当。)が記録されている。尚、各入力値に対する頭部位置のXY座標(hx,hy)は経験的に求めても良いし、あるいは、以下の数式によって算出するようにしても良い。また、頭部位置のZ座標(hz)については、座席中央部の位置座標をこのZ座標とすることができる。
【0030】
(数1)
hx=L+kTcosγ−g
hxはx方向における乗員の頭部位置、Lは座面51中央部の前後位置、kは補正係数、gはヘッドレストから頭部の中心位置までの標準的間隔を示している。尚、推定身長Tに補正係数kを乗じることにより推定座高値を算出している。
【0031】
(数2)
hy=H−kTsinγ
hyはy方向における着座人の頭部位置を示している。
【0032】
制御部4はシートセンサ部1から受信した信号に基づいて頭部位置座標を検索する頭部位置座標検索処理(図6参照)と、取得した頭部位置に基づいて表示器100の角度を変更すべくアクチュエータ部2に対して駆動信号を出力する駆動制御処理(図7参照)とを行う。
【0033】
「頭部位置座標検索処理」
制御部4は第1圧力センサ14からの検出信号に基づいて各座席50A〜50Fの座面51における圧力値PAを検出する。圧力値PAが所定値以上とされている場合には、座席50A〜50Fに乗員Cが存在すると判断して次の処理に進む一方(ステップS110でYes)、圧力値PAが所定値以下の場合には、乗員Cが存在しないと判断して当該処理を終了する(ステップS110でNo)。
【0034】
圧力値PAが所定値以上であるときには、センサ11〜13からの検出信号に基づいて前後位置L、上下位置H及び倒角γを検出する(ステップS120)。
【0035】
続いて、身長推定テーブルT1を検索し、第1圧力センサ14にて検出した圧力値PAに対応する推定身長HIを取得する(ステップS130)。ここで、テーブルT1内に検出した圧力値PAが存在しない場合には、検出した圧力値PAに最も近い圧力値に対応する推定身長HIを取得する方法や、検出した圧力値PAの直近大小の圧力値に対応する推定身長HIを取得し、それらの推定身長の平均値を推定身長HIとする方法がある。
【0036】
最後に、入力値(前後位置L、上下位置H、倒角γ及び推定身長T)に対応する頭部位置座標Aを頭部位置推定テーブルT2から検索する(ステップS140)。ここで、検出した前後位置L、上下位置H、倒角γ及び推定身長HIと一致する入力値が存在しない場合には、各値単独でテーブルT2を検索する。そうすると、2つ以上の頭部位置座標Aが取得されるから、これらの頭部位置座標Aの平均値を頭部位置座標Aとして取得することができる。また、上記ステップS130、S140の処理に代わって、上述した数式を用いて頭部位置の座標を算出するようにしても良い。
【0037】
「駆動制御処理」
まず、各乗員Cに対して設定すべき表示器100のアングル角θA及びチルト角θTを算出する(ステップS210)。また、アングル角θAは、乗員の頭部位置及び基準位置Oを結ぶ直線と、表示器100の横軸Ahとのなす角が90°となる角度を最適角度とする(図2参照)。チルト角θTは、乗員の頭部位置及び基準位置Oを結ぶ直線と、表示器100の縦軸Avとのなす角θが90°となる角度を最適角度とする(図3参照)。これらアングル角θA及びチルト角θTの最適角度を乗員毎に個別に算出する。
【0038】
次に、乗員毎に算出した最適角度から全乗員が視認可能な設定角度を算出する(ステップS220)。この設定角度は、例えば算出された最適角度の相加平均値に設定することができる。または、算出された最適角度のうち最小角度とされる最適角度に設定したり、あるいは最大角度とされる最適角度に設定することができる。尚、乗員が1人の場合には、上記の最適角度を設定角度として設定すればよい。
【0039】
最後に、設定角度に対応する駆動信号を生成し、この駆動信号をアクチュエータ部に送信し、表示面のアングル角θA及びチルト角θTを変更する(ステップS230)。
【0040】
本実施形態によれば、座席50の前後位置L、上下位置H、倒角γ及び座面51への加圧状態に基づいて乗員Cの頭部位置を検出している。これにより、周囲の明暗に拘わらず頭部位置を確実に検出することができる。また、乗員Cが複数人である場合でも、表示器100を各乗員に対して視認し易い角度に調整することができる。
【0041】
また、乗員Cが存在する座席50についてその頭部位置を検出するようにしているから、着座人が存在しない座席50についてまで頭部位置の検出を行うという無用な処理を排除することができる。また、乗員Cが存在する座席50のみに基づいて表示器の角度を制御するのであるから、乗員Cが存在しない座席50をも含んで表示器100の角度を制御する場合に比べて精度が向上する。
【0042】
<第2実施形態>
本発明に係る第2実施形態について、図8ないし図10を参照して説明する。尚、上記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略し、相違点のみを説明する。本実施形態では、座席50A〜50Fの着座領域ASにおける温度を検出する温度センサ15を設け、着座領域ASにおける検出温度が所定の温度範囲内とされていることを条件として身長推定テーブルT1の検索処理を行うようにしている。尚、温度センサ15は各座席50に対応してそれぞれ設ける構成や、1つの温度センサ50で複数の座席50における着座領域APの温度を検出するように構成することができる。
【0043】
具体的には、図10に示すフローチャートにおいて、ステップS110とステップS120との間に上記の条件分岐処理であるステップS115を追加している。従って、圧力値PAが所定値以上であって、且つ、温度センサ15の検出温度が所定の温度範囲内(例えば、人体温度相当の温度範囲内)である場合には、座席50に乗員Cが着座していると判断する。逆に、圧力値PAが所定値以上であったとしても温度センサ15の検出温度が所定の温度範囲外であるときには座席50に乗員Cが存在しないと判断し、その座席50の頭部位置検索処理を中断する。
【0044】
例えば、荷物等の乗員Cとは異なる物体が座席50に置かれている場合には、その座席50については頭部位置を検出する必要がない。むしろ、精度の高い角度調整を行うには、乗員Cの存在しない座席50については頭部位置の検出対象から排除すべきである。これに対して、本実施形態では、温度センサ15により検出された着座領域APの温度が所定範囲内の温度とされている座席50について頭部位置を検出するようにしているから、乗員Cとそれ以外の物体とを確実に区別することができる。
【0045】
<第3実施形態>
本発明に係る第3実施形態について、図11ないし図15を参照して説明する。尚、上記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0046】
本実施形態では、各座席50A〜50Fのヘッドレスト52に第2圧力センサ16(第2圧力検出手段)が設けられていると共に、背もたれ53に第3圧力センサ17(第3圧力検出手段)が設けられている。これらの圧力センサ16,17は面圧力センサで構成されており、それぞれ当該圧力センサ16,17の各部分における検出圧力を検出信号として出力するようになっている。また、各圧力センサ16,17は背もたれ53及びヘッドレスト52の前面側の略全域に亘って配されておいるため、前面各部の圧力を検出可能としている(図11及び図12参照)。
【0047】
記憶部3には、ヘッドレスト52の最大加圧位置PBに対応する頭部位置座標Aが記録された第2の頭部位置推定テーブルT3(ヘッドレストにおける加圧位置に対応する頭部位置の情報)と、背もたれ53の最上加圧位置PCに対応する頭部位置座標Aが記録された第3の頭部位置推定テーブルT4(背もたれにおける加圧位置に対応する頭部位置の情報)とが記憶されている(図13参照)。
【0048】
第2の頭部位置推定テーブルT3は、入力値としての前後位置L、上下位置H、倒角γ、ヘッドレスト52における最大加圧位置PB(圧力が最も高い位置)に対応する乗員の頭部位置座標Aが記録されている。第3の頭部位置推定テーブルT4は、前後位置L、上下位置H、倒角γ、背もたれ53における加圧最上位置PC(加圧されている部分のうち最上部の位置)に対応する乗員の頭部位置座標Aが記録されている。
【0049】
制御部4は、圧力センサ14,16,17から受信した検出信号に基づいて頭部位置検索処理を行う(図15参照)。まず、座席50A〜50Fに設けられた第1圧力センサ14からの検出信号に基づいて座席50A〜50Fにおける圧力値PAを検出する。圧力値PAが所定値以上とされている場合には、座席50A〜50Fに乗員Cが存在すると判断して、次ステップに進み(ステップS410でYes)、所定値以下の場合には、乗員Cが存在しないと判断して当該処理を終了する(ステップS410でNo)。
【0050】
圧力値PAが所定値以上であるときには、各センサ前後位置センサ11〜13の検出信号に基づいて前後位置L、上下位置H及び倒角γを検出する(ステップS420)。
【0051】
次に、第2圧力センサ16からの検出信号に基づいて、ヘッドレスト52に加圧があるか否かを判断する。ここで、加圧があると判断した場合には(ステップS430でYes)、ヘッドレスト52に乗員Cの頭部が当てられていると判断して、前後位置L、上下位置H、倒角γ及び最大加圧位置PBに基づいて第2の頭部位置推定テーブルT3を検索し、該当する頭部位置座標Aを取得する(ステップS440)。
【0052】
また、ヘッドレスト52に加圧がない場合は(ステップS430でNo)、乗員Cがヘッドレスト52から頭部を離して着座しているか、あるいは、頭部位置がヘッドレスト52よりも低い位置にある場合である。この場合には、身長推定テーブルT1を検索し、該当する推定身長HIを取得する(ステップS450)。
【0053】
取得した推定身長HIに基づいて、乗員Cの頭部がヘッドレスト52に当たり得る位置にあるか、下の位置にあるかを判断する(ステップS460)。頭部位置がヘッドレスト位置よりも下の位置にあると判断したときには(ステップS460でYes)、第3圧力センサ17の検出信号に基づいて背もたれ53における加圧最上位置PCを検出し、これに基づいて第3の頭部位置推定テーブルT4を検索し、該当する頭部位置座標Aを取得する(ステップS470)。
【0054】
頭部位置がヘッドレスト位置よりも上の位置にあると判断した場合には(ステップS460でNo)、頭部位置推定テーブルT1を検索し、該当する頭部位置座標Aを取得する(ステップS480)。
【0055】
尚、本実施形態の記憶部3は、請求項に記載の第2頭部位置情報記憶手段及び第3頭部位置情報記憶手段に相当し、制御部4は、判定手段に相当する。
【0056】
座席50に着座しているにも拘わらずヘッドレスト52への加圧がない状態として、低身長のために頭部がヘッドレスト52よりも低い位置にある場合が考えられる。このような場合には、背もたれ53に頭部が当てられているため、この背もたれ53の加圧位置に基づいて頭部位置を検出した方が精度良い検出を行うことができる。これに対して本実施形態では、上記の場合には、背もたれ53の加圧位置に基づいて頭部位置を検出しているから精度の高い検出を行うことができる。
【0057】
<第4実施形態>
本発明に係る第3実施形態について、図16又は図17を参照して説明する。本実施形態では、図17のフローチャートに示すように、頭部位置座標Aの取得方法が第3実施形態と異なっており、以下、相違部分について説明する。
【0058】
ステップS430にて、ヘッドレスト52に加圧がない場合は(ステップS430でNo)、第3圧力センサ17からの検出信号に基づいて背もたれ53への加圧分布を検出する(ステップS431)。
【0059】
この加圧分布において、上部領域Auの横幅寸法Mに着目し、その横幅寸法Mが所定寸法M1以上であるか、以下であるかを判断する(図16参照)。横幅寸法Mが所定寸法M1以下であるときには(ステップS432でYes)、上部領域Auにおける加圧を乗員Cの頭部によるものであると判断し、加圧最上位置PCに基づいて第3の頭部位置推定テーブルT4を検索し、該当する頭部位置座標Aを取得する(ステップS470)。
【0060】
一方、横幅寸法Mが所定寸法M1以上であるときには、その上部領域Auは乗員Cの背中による加圧であると判断して(ステップS432でNo)身長推定テーブルT1を検索して該当する推定身長HIを取得し、(ステップS450)、その後、頭部位置推定テーブルT2を検索して、該当する頭部位置座標Aを取得する(ステップS480)。尚、所定寸法M1は、頭部の横幅と肩幅とを区別することができる寸法に設定すればよい。尚、本実施形態の制御部4は、請求項に記載の頭部加圧判定手段に相当する。
【0061】
座席50に着座しているにも拘わらずヘッドレスト52への加圧がない状態として、低身長のために頭部がヘッドレスト52よりも低い位置にある場合が考えられる。このような場合には、背もたれ53に頭部が当てられているため、この背もたれ53の加圧位置に基づいて頭部位置を検出した方が精度良い検出を行うことができる。これに対して本実施形態では、背もたれ53への加圧分布に基づいて背もたれに頭部が当てられているか否かを判断し、これに頭部が当てられていると判断したときには、背もたれ53の加圧位置に基づいて頭部位置を検出しているから精度の高い検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1実施形態に係る角度制御装置の全体構成を示したブロック図である。
【図2】乗員の頭部位置と表示器のアングル角との関係を示した上面図である。
【図3】乗員の頭部位置と表示器のチルト角との関係を示した側面図である。
【図4】身長推定テーブルを示す図である。
【図5】頭部位置推定テーブルを示す図である。
【図6】頭部位置推定処理を示すフローチャートである。
【図7】駆動制御処理を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係る角度制御装置の全体構成を示したブロック図である。
【図9】座席における着座領域を示した図である。
【図10】頭部位置推定処理を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係る角度制御装置の全体構成を示したブロック図である。
【図12】第2圧力センサ及び第3圧力センサの設置位置を示した概念図である。
【図13】第2の頭部位置推定テーブルを示す図である。
【図14】第3の頭部位置推定テーブルを示す図である。
【図15】頭部位置推定処理を示すフローチャートである。
【図16】背もたれにおける加圧分布を示した概念図である。
【図17】頭部位置推定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1・・・シートセンサ部
2・・・アクチュエータ部
3・・・記憶部(身長情報記憶手段、頭部位置情報記憶手段、第2頭部位置情報記憶手段、第3頭部位置情報記憶手段)
4・・・制御部(検索手段、制御手段、判定手段、頭部加圧判定手段)
11・・・前後位置センサ(座席位置検出手段)
12・・・上下位置センサ(座席位置検出手段)
13・・・倒角センサ(倒角検出手段)
14・・・第1圧力センサ
15・・・温度センサ
16・・・第2圧力センサ
17・・・第3圧力センサ
50・・・座席
51・・・座面
52・・・ヘッドレスト
53・・・背もたれ
100・・・表示器
A・・・頭部位置座標
O・・・基準位置




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013