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発明の名称 燃料遮断弁
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30806(P2007−30806A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−220457(P2005−220457)
出願日 平成17年7月29日(2005.7.29)
代理人 【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
発明者 金子 健一郎 / 鬼頭 宏明 / 西 博 / 鵜原 昭治 / 渡邉 秀夫 / 長谷川 靖洋
要約 課題
燃料遮断弁10は、燃料タンク内の温度変動によって閉弁液位の変動が小さく、しかもフロートの成形精度を高くできるとともに生産性に優れたものを提供すること。

解決手段
燃料遮断弁10は、接続通路31bに接続される弁室30Sを形成するケーシング20と、弁室30Sに昇降可能に収納されたフロート52と、フロート52を支持するスプリング70とを備える。フロート52は、第1フロート部53と、第2フロート部55とを組み付けることにより構成されている。すなわち、第1フロート部53は、接続通路31bを開閉する弁部53aと、下方に開放した収納室54とを備え、第2フロート部55を収納室54に収納することで、上記第1フロート部53と一体化している。
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、
上記燃料タンク内と上記接続通路とを連通する弁室を形成するケーシングと、
上記弁室に収納され、該弁室内の燃料液位により浮力を増減して昇降することで上記接続通路を開閉する弁部を有するフロートと、
該フロートに閉弁方向の力を付勢するスプリングと、
を備え、
上記フロートは、
上記接続通路を開閉する弁部と、下方に開放した収納室とを有するカップ形状の第1フロート部と、
上記収納室に収納されることで上記第1フロート部と一体化された第2フロート部と、
を備えたことを特徴とする燃料遮断弁。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料遮断弁において、
上記第1フロート部と上記第2フロート部とは、係合爪と係合穴による係合手段により一体化されている燃料遮断弁。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃料遮断弁において、
上記第2フロート部は、下方に開放しかつ上記スプリングを支持するスプリング支持部を有するスプリング室を有し、上記スプリングは、上記スプリング室に収納されるとともに上記スプリング支持部で支持されている燃料遮断弁。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料遮断弁において、
上記収納室の上部は、上記第1フロート部に貫通形成された通気孔により上記フロートの外部に接続されている燃料遮断弁。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の燃料遮断弁において、
上記第1フロート部は、上記スプリングの一端を支持するスプリング支持部を備えている燃料遮断弁。
【請求項6】
請求項5に記載の燃料遮断弁において、
上記収納室の内壁と上記第2フロート部の外周部との間に、上記スプリングを収納するスプリング収納間隙を備えた燃料遮断弁。
【請求項7】
請求項6に記載の燃料遮断弁において、
上記スプリング収納間隙は、上記第1フロート部に貫通形成された通気孔により上記フロートの外部に接続されている燃料遮断弁。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の燃料遮断弁において、
上記第1フロート部は、ほぼ円柱状の第1フロート本体を備え、該第1フロート本体の上部に載置された上部弁体で上記弁部を構成した燃料遮断弁。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の燃料遮断弁として、特許文献1,2などが知られている。燃料遮断弁は、燃料タンクの上部に装着されており、外部(キャニスタ)に接続される接続通路をその上部に設けたケーシングと、ケーシングの弁室内に燃料液位により浮力を増減して昇降するフロートとを備えている。そして、燃料タンクの燃料液位の上昇によりフロートが浮力の増大により上昇することで接続通路を閉じて燃料の外部への流出を防止している。
【0003】
従来の燃料遮断弁のフロートは、下方に開放した浮力室を設けた薄肉のカップ形状に形成することで、フロートの射出成形時に生じやすいヒケを防止し、成形精度を高めている。このようなカップ形状のフロートは、該フロートの下端以上に燃料液位が上昇したときに浮力室が密閉される。密閉した浮力室の空気は、燃料タンク内の温度の変化に伴って膨張収縮してフロートの浮力を変える。このため、燃料遮断弁は、閉弁液位が燃料タンク内の温度変化により変動を生じるという課題がある。この課題を解決するために、浮力室を小さくした場合に、フロートは、射出成形の際に樹脂のヒケにより成形精度が悪くなるだけでなく、冷却までに長時間を要し、生産性が低下するという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−308838号公報
【特許文献2】実開平5−1547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の技術の問題点を解決することを踏まえ、燃料タンク内の温度変化によって閉弁液位の変動が小さく、しかもフロートの成形精度を高くできるとともに生産性に優れた燃料遮断弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するためになされた本発明は、
燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、
上記燃料タンク内と上記接続通路とを連通する弁室を形成するケーシングと、
上記弁室に収納され、該弁室内の燃料液位により浮力を増減して昇降することで上記接続通路を開閉する弁部を有するフロートと、
該フロートに閉弁方向の力を付勢するスプリングと、
を備え、
上記フロートは、
上記接続通路を開閉する弁部と、下方に開放した収納室とを有するカップ形状の第1フロート部と、
上記収納室に収納されることで上記第1フロート部と一体化された第2フロート部と
を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明にかかる燃料遮断弁を用いた燃料タンクに燃料が供給されて燃料タンクの所定液位に達すると、弁室内に流入した燃料により、フロートが浮力により上昇する。フロートの上昇により、弁部が接続通路を閉じることで、燃料タンクを外部に対して遮断し、燃料タンクから外部へ燃料が流出するのを防止する。
フロートは、第1フロートおよび第2フロートからなる複数の部材で構成することで、つまりカップ形状の第1フロート部の収納室を第2フロート部で埋める構成をとることで、第1フロート部の肉厚を薄くできる。これにより、第1フロート部を射出成形で形成する際に、第1フロート部の弁部などのヒケを低減でき、成形精度を高くできる。また、第1フロート部をカップ形状としたことでフロートの下方に開放される収納室は、第2フロート部で埋められ、気体が入る容量を小さくできるから、気体の温度変化に伴うフロートの浮力の変動がなく、閉弁液位の変動を低減できる。
【0008】
さらに、フロートを樹脂射出成形により成形する際に、第1フロート部は、収納室を大きくとれるので、収納室を形成する金型に冷却手段を設けることができ、また、第2フロート部は、収納室を埋めるだけの小さい部材で済むから、両部材とも冷却に長時間を要しない。よって、射出成形の成形サイクルを短くでき、生産性に優れている。
【0009】
本発明の好適な態様として、上記第1フロート部と上記第2フロート部とは、係合爪と係合穴による係合手段により一体化する構成をとることができる。この構成により、第1フロート部と第2フロート部の組付作業を簡略化できる。
また、他の好適な態様として、第2フロート部は、下方に開放しかつ上記スプリングを支持するスプリング支持部を有するスプリング室を有し、上記スプリングは、上記スプリング室に収納されるとともに上記スプリング支持部で支持されている構成をとることができる。
さらに、他の好適な態様として、上記収納室の上部は、上記第1フロート部に貫通形成された通気孔により上記フロートの外部に接続されている構成をとることができる。これにより、収納室に気体が密閉されることがなく、気体の温度変化に伴うフロートの浮力の変動がなく、閉弁液位の変動を低減できる。
【0010】
また、スプリングは、第1フロート部または第2フロートのいずれかにスプリングの一端を支持するスプリング支持部を備える構成をとることができる。
さらに、他の好適な態様として、上記収納室の内壁と上記第2フロート部の外周部との間に、上記スプリングを収納するスプリング収納間隙を備える構成をとることで、フロートをコンパクトに構成できる。この構成において、上記スプリング収納間隙は、上記第1フロート部に貫通形成された通気孔により上記フロートの外部に接続されている構成をとることができる。
さらに、本発明の好適な態様として、上記第1フロート部は、ほぼ円柱状の第1フロート本体を備え、該第1フロート本体の上部に載置された上部弁体で上記弁部を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。
A.第1実施例
(1) 燃料遮断弁10の概略構成
図1は本発明の一実施例にかかる自動車の燃料タンクFTの上部に取り付けられる燃料遮断弁10を示す側面図、図2は燃料遮断弁10の平面図、図3は図2の3−3線に沿った断面図である。図1において、燃料タンクFTは、その表面がポリエチレンを含む複合樹脂材料から形成されており、そのタンク上壁FTaに取付穴FTbが形成されている。このタンク上壁FTaには、燃料遮断弁10がその下部を取付穴FTbに突入した状態にて取り付けられている。燃料遮断弁10は、車両の傾斜時や揺動時に燃料タンクFT内の燃料がキャニスタへの流出を規制するものである。
【0012】
(2) 燃料遮断弁10の各部の構成
図3において、燃料遮断弁10は、ケーシング20と、フロート機構50と、スプリング70とを主要な構成として備えている。ケーシング20は、ケーシング本体30と、底板35と、蓋体40とを備え、ケーシング本体30と底板35とにより囲まれたスペースが弁室30Sになっており、この弁室30Sにスプリング70に支持されたフロート機構50が収納されている。
【0013】
図4は燃料遮断弁10を分解した断面図である。ケーシング本体30は、天井壁部31と、側壁部32とにより囲まれたカップ形状であり、その下部を開口30aとしている。天井壁部31の中央部には、下方に向けて突設された通路形成突部31aが形成されており、この通路形成突部31aに弁室30Sに接続する接続通路31bが貫通形成されている。接続通路31bの弁室30S側は、シール部31cになっている。側壁部32には、燃料タンクFT内と弁室30Sとを接続する連通孔32aが形成され、また、底板35を取り付けるとともに燃料を弁室30S内に流入流出させるための係合穴32bが形成されている。底板35は、ケーシング本体30の開口30aを閉じる部材であり、その外周部に形成された係合爪35aがケーシング本体30の係合穴32bに係合することにより、ケーシング本体30の開口30aを閉じるように装着されている。この底板35の上面には、連通孔35bおよびスプリング70の下端を支持するためのスプリング支持部35cが形成されている。
【0014】
蓋体40は、蓋本体41と、蓋本体41の中央から側方へ突出した管体部42と、蓋本体41の外周に形成されたフランジ43と、支持部44を備え、これらを一体に形成している。管体部42には、蓋側通路42aが形成されており、この蓋側通路42aの一端は、接続通路31bを通じてケーシング本体30の弁室30Sに接続され、他端はキャニスタ(図示省略)側に接続される。支持部44は、蓋本体41の下部に形成され、ケーシング本体30の上部を嵌合・支持する筒体である。この支持部44には、係合穴44aが形成されている。この係合穴44aは、ケーシング本体30の側壁部32に形成された係合爪32cに係合することで、蓋体40は、ケーシング本体30を保持している。また、フランジ43の下端部には、燃料タンクFTのタンク上壁FTaに溶着される外側溶着部43aが形成されている。
【0015】
上記フロート機構50は、フロート52を備えている。図5はフロート52を分解した斜視図である。図4および図5において、フロート52は、第1フロート部53と、第2フロート部55とを備え、これらを一体に組み付けている。第1フロート部53は、下方に開放した収納室54を有するカップ形状である。収納室54は、第2フロート部55を収納するための有底孔である。収納室54の下部には、係合穴54aが貫通形成されている。また、第1フロート部53の上部には、ほぼ円錐形状の弁部53aが突設されている。弁部53aは、フロート52の昇降によりシール部31cに着離して接続通路31bを開閉するように構成されている。また、第1フロート部53の外周部にガイド突条53bがケーシング本体30の内壁面に対する摺動性を高めるために複数箇所、上下方向に突設されている。
第2フロート部55は、収納室54に挿入されるほぼ円柱形状であり、その下部に係合爪55aが形成されている。係合爪55aは、第1フロート部53の係合穴54aに係合することにより、第2フロート部55を第1フロート部53に一体化している。また、第2フロート部55には、下方に開放したスプリング室56が形成されている。スプリング室56は、スプリング70の上端を受けるスプリング支持端56aを備えており、また、その容量を小さくするために底板35の中央上部の突起部35dを突入させている。さらに、第2フロート部55の上面には、位置決め段部55bが環状に配置されている。位置決め段部55bは、第1フロート部53の収納室54の下面に当たって第2フロート部55を第1フロート部53に対してガタツキを防止するように位置決めしている。
【0016】
(3) 燃料遮断弁10の動作
次に、燃料遮断弁10の動作について説明する。図3において、車両の傾斜などにより、燃料タンクFT内の燃料液位が上昇すると、燃料タンクFT内の上部に溜まっていた燃料蒸気は、連通孔32a、連通孔35bを通じて弁室30S内に入り、弁室30Sから、接続通路31b、蓋側通路42aを通じて、キャニスタ側へ逃がされる。そして、燃料タンクFT内の燃料液位の上昇につれて、燃料は連通孔35bを通じて弁室30Sに流入する。そして、燃料液位が所定の燃料液位FL1に達すると、フロート52の浮力およびスプリング70の荷重による上方への力と、フロート52の自重による下方への力との釣り合いによって、前者が後者を上回ったときにフロート52が上昇する。そして、フロート52の弁部53aがシール部31cに着座して、接続通路31bを閉じる。これにより、車両の傾斜時などに、燃料タンクFTから燃料蒸気を逃がすとともに燃料が燃料タンクFT外へ流出するのを防止することができる。一方、燃料タンクFTの燃料液位が低下して弁室30S内の燃料が連通孔35bなどから排出されると、フロート52は、その浮力を減少して下方への力を受けて、弁部53aがシール部31cから離れて、接続通路31bを開く。
【0017】
(4) 実施例の作用・効果
上記実施例の構成により、以下の作用・効果を奏する。
(4)−1 フロート52は、第1フロート部53および第2フロート部55からなる複数の部材で構成することで、つまりカップ形状の第1フロート部53の収納室54を第2フロート部55で埋める構成をとることで、第1フロート部53の肉厚を薄くできる。これにより、第1フロート部53を射出成形で形成する際に、第1フロート部53の弁部53aやガイド突条53bなどのヒケを低減でき、成形精度を高くできる。また、第1フロート部53をカップ形状としたことでフロート52の下方に開放される収納室54は、第2フロート部55で埋められ、燃料で密封される室を小さくできるから、フロート52の下端以上の燃料液位になっても、密封された気体の温度変化に伴うフロート52の浮力の変動がなく、閉弁液位の変動を低減できる。
(4)−2 第2フロート部55を第1フロート部53に組み付けるのに、第1フロート部53の収納室54に第2フロート部55を挿入すれば、係合爪55aが係合穴54aに係合するから、組付作業も簡単である。
(4)−3 フロート52を樹脂射出成形により形成する際に、第1フロート部53は、収納室54を大きくとることで、収納室54を形成する金型に冷却手段を設けることができ、また、第2フロート部55は、収納室54を埋めるだけの小さい部材で済むから、両部材とも冷却に長時間を要しない。よって、射出成形の成形サイクルを短くでき、生産性に優れている。
【0018】
B.第2実施例
(1) 燃料遮断弁100の概略構成
第2実施例にかかる燃料遮断弁は、給油時に燃料タンク内の燃料が所定液位まで上昇したときにキャニスタへの流出を規制するとともにオートストップを機能させ、さらに過給油を防止するものである。図6は燃料遮断弁100の断面図である。燃料遮断弁100は、ケーシング120と、フロート機構150と、スプリング170とを主要な構成として備えている。ケーシング120は、ケーシング本体130と、底板135と、蓋体140とを備え、ケーシング本体130と底板135とにより囲まれたスペースが弁室130Sになっており、この弁室130Sにスプリング170に支持されたフロート機構150が収納されている。
【0019】
(2) 燃料遮断弁100の各部の構成
図7は燃料遮断弁100を分解した断面図である。ケーシング本体130は、天井壁部131と側壁部132とにより囲まれたカップ形状であり、下部を開口130aとしている。天井壁部131の中央部には、下方に向けて突設された通路形成突部131aが形成されており、この通路形成突部131aに弁室130Sに接続する接続通路131bが貫通形成されている。接続通路131bの弁室130S側は、第1シール部131cになっている。側壁部132には、弁室130Sを燃料タンクFT内に接続するための第1連通孔132aおよび第2連通孔132bが形成されている。第1連通孔132aは、その上端が所定液位FL1(図9参照)に一致するように配置されている。第2連通孔132bは、所定液位FL1より上方に配置された開口であり、周方向に4箇所、90゜の間隔で配置されている。また、側壁部132には、底板135を取り付けるための係合凹所132cが形成されている。底板135は、ケーシング本体130の開口130aを閉じる部材であり、その外周部に形成された係合爪135aが係合凹所132cに係合することにより、ケーシング本体130の開口130aを閉じるように装着されている。この底板135には、第3連通孔135bが形成され、さらにスプリング170の下端を支持するためのスプリング支持部135cが形成されている。
【0020】
蓋体140は、蓋本体141と、蓋本体141の中央から側方へ突出した管体部142と、蓋本体141の外周に形成されたフランジ143および支持部144とを備え、これらを一体に形成している。管体部142には、蓋側通路142aが形成されており、この蓋側通路142aの一端は、接続通路131bを通じてケーシング本体130の弁室130Sに接続され、他端はキャニスタ(図示省略)側に接続される。上記支持部144は、蓋本体141の下部に突設され、ケーシング本体130の上部を嵌合する筒体である。この支持部144には、係合穴144aが形成されている。この係合穴144aは、ケーシング本体130の側壁部132に形成された係合爪(図示省略)に係合することで、蓋体140は、ケーシング本体130を保持している。また、フランジ143の下端部には、燃料タンクFTのタンク上壁FTaに溶着される溶着部143aが形成されている。
【0021】
図8はフロート機構150を分解して示す斜視図である。図7および図8において、フロート機構150は、フロート152と、フロート152の上部に配置された上部弁体160とを備えている。フロート152は、第1フロート部153と、第2フロート部155とを備え、これらを一体に組み付けている。第1フロート部153は、下方に開放した収納室154を有するカップ形状である。収納室154は、第2フロート部155を収納するための有底孔である。収納室154の下部には、係合穴154aが貫通形成され、収納室154の上部には、径方向に空気抜き孔154bが形成されている。また、第1フロート部153の上部には、ほぼ円錐形状の弁部153aが突設され、弁部153aの下方には、上部弁体160を抜止めするための鍔部153bが形成されている。
【0022】
第2フロート部155は、収納室154に挿入されるほぼ円筒形状の大径部156と、小径部157とを備えている。大径部156の下部には、係合爪156aが形成されている。係合爪156aは、第1フロート部153の係合穴154aに係合することにより、第2フロート部155を第1フロート部153に一体化している。大径部156の上面には、段部156bが形成され、収納室154の上面に当たることで成形精度を高めるように位置決めしている。また、第2フロート部155には、下方に開放したスプリング室158が形成されている。このスプリング室158は、スプリング170の上端を受けるスプリング支持端158aを備えており、また、その容量を小さくするために底板135の中央上部の突起部135dを突入させている。
上部弁体160は、再開弁特性を改善するための弁であり、フロート152の上部に昇降可能に支持されており、円板161aの中央に、弁部153aで開閉される接続孔161bが形成されている。接続孔161bの下端は、第2シール部161cになっている。また、円板161aの外周下端には、フロート152の鍔部153bに係合する係合爪161dが突設されている。上部弁体160の上部には、ゴム製のシール部材162が装着され、このシール部材162が第1シール部131cに着離する。
【0023】
(3) 燃料遮断弁100の動作
次に、燃料遮断弁100の動作について説明する。給油により燃料タンクFT内に燃料が供給されると、図6に示すように、燃料タンクFT内の燃料液位の上昇につれて燃料タンクFT内の上部に溜まっていた燃料蒸気は、底板135の第3連通孔135b、側壁部132の第1連通孔132aおよび第2連通孔132bを通じて弁室130S内に入り、弁室130Sから、接続通路131b、蓋側通路142aを通じて、キャニスタ側へ逃がされる。そして、図9に示すように、燃料タンクFT内の燃料液位FLが所定液位FL1に達すると、燃料は第1連通孔132aを塞ぐことにより、燃料タンクFT内のタンク内圧が上昇する。このタンク内圧の上昇をセンサが感知することで、給油ガンの給油を停止するオートストップを働かせる。この状態では、タンク内圧と弁室130S内の圧力との差圧が大きくなり、燃料液位が弁室130S内を上昇する。弁室130S内の燃料液位が高さh0に達すると、フロート152の浮力およびスプリング170の荷重による上方への力と、フロート152および上部弁体160の自重による下方への力との釣り合いによって、前者が後者を上回ったときにフロート152と上部弁体160とが一体になって上昇して、シール部材162が第1シール部131cに着座して接続通路131bを閉じる。これにより、燃料タンクFTへの給油の際等に、燃料タンクFTから燃料蒸気を逃がすとともに燃料が燃料タンクFT外へ流出するのを防止することができる。
【0024】
一方、燃料タンクFTの燃料液位が低下して弁室130S内の燃料が第3連通孔135bなどから排出されると、図10に示すように、フロート152は、その浮力を減少して下方への力を受けて、弁部153aが第2シール部161cから離れて、接続孔161bを開く。接続孔161bの連通により上部弁体160の下方の圧力は、接続通路131bの付近とほぼ同じ圧力になることで上部弁体160の閉弁する力が小さくなり、鍔部153bが係合爪161dに係合することで、上部弁体160を引き下げ、シール部材162が第1シール部131cから離れて、接続通路131bが開かれる。
ここで、燃料遮断弁100において再開弁特性を向上させることができた理由について説明する。図10において、上部弁体160の接続孔161bの流路面積をS1、タンク側圧力をP1、キャニスタ側圧力をP0、スプリング荷重をK、フロート152と上部弁体160とを合計した重量をWとすると、次式(1)を満たす値のときに、上部弁体160は閉弁状態から開弁する。
(P1−P0)S1≦W−K ...(1)
式(1)の右辺は、重量Wとスプリング荷重Kとの差で正の値であり、つまり、上部弁体160に対して開弁方向へ加わる力であり、これを一定であるとすると、左辺は、上部弁体160が第1シール部131cに吸着するように閉弁方向へ加わっている力である。ここで、流路面積S1が小さいと、大きな差圧(P1−P0)でも開弁する。つまり、キャニスタ側圧力P0が一定であるとすると、大きなタンク側圧力P1でも、開弁することになる。よって、接続孔161bの流路面積S1を接続通路131bの流路面積より小さく設定することで、上部弁体160は、小さな力で開弁する。このように、上部弁体160による2段の弁構造により、再開弁特性の向上を促進するように機能する。
【0025】
(4) 実施例の作用・効果
上記実施例の構成により、以下の作用・効果を奏する。
(4)−1 上記フロート152によれば、第1実施例と同様に、第1フロート部153および第2フロート部155で構成することにより、閉弁液位の変動の低減および成形サイクルの短縮化を実現できる。
(4)−2 図7に示すように収納室154の上部は、空気抜き孔154bでフロート152の外部と連通しているから、第1フロート部153と第2フロート部155との間隙に燃料が浸入しても速やかに排出され、フロート152の見かけの重量が変動することがない。
【0026】
図11は他の実施例にかかるフロートを示す断面図である。他の実施例は、第1実施例における第1フロート部と第2フロート部とを別部材で形成し、これを組み付ける構成とした代わりに、フロート52Bを2色成形により一体化した構成に特徴を有する。すなわち、第1フロート部53Bを予め射出成形により形成し、これを金型にセットした後に第2フロート部55Bを射出成形することにより形成する。この構成において、第1フロート部の下端の内周部に突起52Baを形成することで、第2フロート部55Bの結合を強固にすることが好ましい。
【0027】
C.第3実施例
(1) 燃料遮断弁200の構成
図12は本発明の第3実施例にかかる自動車の燃料タンクFTの上部に取り付けられる燃料遮断弁200を示す側面図、図13は燃料遮断弁200の平面図、図14は図13の14−14線に沿った断面図である。燃料遮断弁200は、車両の傾斜時や揺動時に燃料タンクFT内の燃料がキャニスタへの流出を規制するものである。
図14において、燃料遮断弁200は、ケーシング220と、フロート機構250と、スプリング270とを主要な構成として備えている。ケーシング220は、ケーシング本体230と、底板235と、蓋体240とを備え、ケーシング本体230と底板235とにより囲まれたスペースが弁室230Sになっており、この弁室230Sにスプリング270に支持されたフロート機構250が収納されている。
【0028】
図15は燃料遮断弁200を分解した断面図である。ケーシング本体230は、天井壁部231と、側壁部232とにより囲まれたカップ形状であり、その下部を開口230aとしている。天井壁部231の中央部には、下方に向けて突設された通路形成突部231aが形成されており、この通路形成突部231aに弁室230Sに接続する接続通路231bが貫通形成されている。接続通路231bの弁室230S側は、第1シール部231cになっている。側壁部232には、燃料タンクFT内と弁室230Sとを接続する連通孔232aが形成され、また、底板235を取り付けるための係合穴232bが形成されている。底板235は、ケーシング本体230の開口230aを閉じる部材であり、その外周部に形成された係合爪235aがケーシング本体230の係合穴232bに係合することにより、ケーシング本体230の開口230aを閉じるように装着されている。この底板235の上面には、スプリング270の下端を支持するためのスプリング支持部235bが形成されている。
【0029】
蓋体240は、蓋本体241と、蓋本体241の中央から側方へ突出した管体部242と、蓋本体241の外周に形成されたフランジ243とを備え、これらを一体に形成している。管体部242には、蓋側通路242aが形成されており、この蓋側通路242aの一端は、接続通路231bを通じてケーシング本体230の弁室230Sに接続され、他端はキャニスタ(図示省略)側に接続される。蓋本体241の下部には、ケーシング本体230の上端を溶着する内部溶着端243aが形成されている。フランジ243の下端部には、燃料タンクFTのタンク上壁FTaに溶着される外側溶着部243bが形成されている。
【0030】
図16はフロート機構250を一部破断した分解斜視図である。図15および図16において、フロート機構250は、フロート252を備えている。フロート252の上部には、円錐形状の上部弁体260が突設されている。フロート252は、第1フロート部253と、第2フロート部255とを備え、これらを一体に組み付けている。第1フロート部253は、下方に開放した収納室254を有するカップ形状である。収納室254は、第2フロート部255を収納するための有底孔であり、大径孔254aと、大径孔254aの上部に形成された小径孔254bとを備え、その間が半径方向に拡径した段部からなるスプリング支持部254cになっている。スプリング支持部254cは、スプリング270の上端を支持している。スプリング270は、収納室254の外周部であって、第2フロート部255の外周部との間で形成されるスプリング収納間隙254eに収納されている(図14参照)。また、収納室254は、第1フロート部253の径方向に2箇所形成された通気孔254dにより第1フロート部253の外に接続されている。第1フロート部253の外周部には、フロート252を上下方向にガイドするためのガイド突条253dが設けられている。ガイド突条253dは、第1フロート部253の側壁に周方向に等間隔に4カ所、上下方向にリブ形状に突設されている。
【0031】
第2フロート部255は、収納室254に挿入されるほぼ円柱形状のフロート本体256を備え、その上部に係合爪256aが形成されている。係合爪256aは、第1フロート部253の通気孔254dの開口部に係合することにより、第2フロート部255を第1フロート部253に一体化している。第2フロート部255の上面には、段部256bが形成されており、収納室254の上壁の一部に当たることで位置決め精度を高めている。
【0032】
(2) 燃料遮断弁200の動作
次に、燃料遮断弁200の動作について説明する。図14において、車両の傾斜などにより、燃料タンクFT内の燃料液位が上昇すると、燃料タンクFT内の上部に溜まっていた燃料蒸気は、連通孔232a、連通孔235cを通じて弁室230S内に入り、弁室230Sから、接続通路231b、蓋側通路242aを通じて、キャニスタ側へ逃がされる。そして、燃料タンクFT内の燃料液位の上昇につれて、燃料は連通孔235cを通じて弁室230Sに流入する。そして、図17に示すように、燃料液位が所定の燃料液位FL1に達すると、フロート252の浮力およびスプリング270の荷重による上方への力と、フロート252の自重による下方への力との釣り合いによって、前者が後者を上回ったときにフロート252が上昇する。そして、上部弁体260が第1シール部231cに着座して、接続通路231bを閉じる。これにより、車両の傾斜時などに、燃料タンクFTから燃料蒸気を逃がすとともに燃料が燃料タンクFT外へ流出するのを防止することができる。
【0033】
一方、燃料タンクFTの燃料液位が低下して弁室230S内の燃料が連通孔235cなどから排出されると、図18に示すように、フロート252は、その浮力を減少して下方への力を受けて、上部弁体260が第1シール部231cから離れて、接続通路231bが開かれる。
【0034】
(3) 実施例の作用・効果など
上記フロート252によれば、第1および第2実施例と同様に、第1フロート部253および第2フロート部255の2部材で構成したので、成形サイクルの向上やフロートの浮力の変動などの効果を奏する。
なお、上記上部弁体260は、フロート252の上部に突設した円錐形状としたが、これに限らず、第2実施例の上部弁体160(図7参照)の2段バルブを用いてもよい。
【0035】
D.第4実施例
第4実施例にかかる燃料遮断弁は、第2実施例の燃料遮断弁の変形例であり、図7のフロート152の代わりに、図15のフロート252を用いたフロート機構の構成に特徴を有する。すなわち、図19は燃料遮断弁200Bを示す断面図である。燃料遮断弁200Bのフロート機構250Bは、第1フロート部253Bと第2フロート部255Bとを有するフロート252Bと、フロート252Bの上部に装着された上部弁体260Bとを備えている。本実施例は、上述の第2実施例と同様な作用効果を奏する。このように、フロートおよび上部弁体は、その作用および効果を奏する限り、種々の構成をとることができる。
【0036】
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施例の燃料遮断弁は、タンク上壁に形成した取付穴を塞ぐように取り付ける構成について説明したが、これに限らず、いわゆるインタンク式で燃料タンク内の上部に取り付けられる構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施例にかかる自動車の燃料タンクの上部に取り付けられる燃料遮断弁を示す側面図である。
【図2】燃料遮断弁の平面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った断面図である。
【図4】燃料遮断弁を分解した断面図である。
【図5】フロートを分解した斜視図である。
【図6】第2実施例にかかる燃料遮断弁の断面図である。
【図7】第2実施例の燃料遮断弁を分解した断面図である。
【図8】フロート機構を分解した斜視図である。
【図9】燃料遮断弁の動作を説明する説明図である。
【図10】図9に続く動作を説明する説明図である。
【図11】第1実施例の変形例にかかるフロートを示す断面図である。
【図12】第3実施例にかかる燃料遮断弁を示す側面図である。
【図13】燃料遮断弁の平面図である。
【図14】図13の14−14線に沿った断面図である。
【図15】燃料遮断弁を分解した断面図である。
【図16】フロート機構を一部破断した分解斜視図である。
【図17】燃料遮断弁の動作を説明する説明図である。
【図18】図17に続く動作を説明する説明図である。
【図19】第4実施例にかかる燃料遮断弁を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10...燃料遮断弁
20...ケーシング
30...ケーシング本体
30S...弁室
30a...開口
31...天井壁部
31a...通路形成突部
31b...接続通路
31c...シール部
32...側壁部
32a...連通孔
32b...係合穴
32c...係合爪
35...底板
35a...係合爪
35b...連通孔
35c...スプリング支持部
35d...突起部
40...蓋体
41...蓋本体
42...管体部
42a...蓋側通路
43...フランジ
43a...外側溶着部
44...支持部
44a...係合穴
50...フロート機構
52...フロート
52B...フロート
52Ba...突起
53...第1フロート部
53B...第1フロート部
53a...弁部
53b...ガイド突条
54...収納室
54a...係合穴
55...第2フロート部
55B...第2フロート部
55a...係合爪
55b...位置決め段部
56...スプリング室
56a...スプリング支持端
70...スプリング
100...燃料遮断弁
120...ケーシング
130...ケーシング本体
130S...弁室
130a...開口
131...天井壁部
131a...通路形成突部
131b...接続通路
131c...第1シール部
132...側壁部
132a...第1連通孔
132b...第2連通孔
132c...係合凹所
135...底板
135a...係合爪
135b...第3連通孔
135c...スプリング支持部
135d...突起部
140...蓋体
141...蓋本体
142...管体部
142a...蓋側通路
143...フランジ
143a...溶着部
144...支持部
144a...係合穴
150...フロート機構
152...フロート
153...第1フロート部
153a...弁部
153b...鍔部
154...収納室
154a...係合穴
154b...空気抜き孔
155...第2フロート部
156...大径部
156a...係合爪
156b...段部
157...小径部
158...スプリング室
158a...スプリング支持端
160...上部弁体
161a...円板
161b...接続孔
161c...第2シール部
161d...係合爪
162...シール部材
170...スプリング
200...燃料遮断弁
200B...燃料遮断弁
220...ケーシング
230...ケーシング本体
230S...弁室
230a...開口
231...天井壁部
231a...通路形成突部
231b...接続通路
231c...第1シール部
232...側壁部
232a...連通孔
232b...係合穴
235...底板
235a...係合爪
235b...スプリング支持部
235c... 連通孔
240...蓋体
241...蓋本体
242...管体部
242a...蓋側通路
243...フランジ
243a...内部溶着端
243b...外側溶着部
250...フロート機構
250B...フロート機構
252...フロート
253...第1フロート部
253B...第1フロート部
253d...ガイド突条
254...収納室
254a...大径孔
254b...小径孔
254c...スプリング支持部
254d...通気孔
254e...スプリング収納間隙
255...第2フロート部
255B...第2フロート部
256...フロート本体
256a...係合爪
256b...段部
260...上部弁体
260B...上部弁体
270...スプリング
FT...燃料タンク
FTa...タンク上壁
FTb...取付穴




 

 


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