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発明の名称 二輪車の後輪懸架装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30704(P2007−30704A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−217568(P2005−217568)
出願日 平成17年7月27日(2005.7.27)
代理人 【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
発明者 宇貫 泰志 / 中村 健嗣 / 神田 英一 / 小谷野 広治 / 秋津 行秀 / 伏見 美名子 / 桑原 新一 / 須崎 澄夫 / 山野 一彦
要約 課題
簡単な構造で且つ、より一層容易に且つ迅速に後輪の着脱を行えるようにする、特に、競技用の二輪車においては、競技のタイムを短縮する。

解決手段
車体フレームにスイングアーム27を設け、このスイングアーム27で後輪を支持し、この後輪と車体フレームに設けたエンジン23と一体の変速機24とにチェーン76を掛け渡すことで、エンジン23の動力で後輪31を駆動するようにした自動二輪車の後輪懸架装置38において、後輪を着脱するときにチェーン76を保持するチェーン保持部材81を、スイングアーム27に取付けた。
特許請求の範囲
【請求項1】
車体に後輪支持部材を設け、この後輪支持部材で後輪を支持し、この後輪と前記車体に設けた動力部とにチェーンを掛け渡すことで、前記動力部の動力で前記後輪を駆動するようにした二輪車の後輪懸架装置において、
前記後輪を着脱するときに前記チェーンを保持するチェーン保持部材を、前記後輪支持部材に取付けたことを特徴とする二輪車の後輪懸架装置。
【請求項2】
車体に後輪支持部材を設け、この後輪支持部材に、軸部と、この軸部よりも大径で軸部の端部に設けた工具嵌合部とからなる軸部材を貫通させて取付け、この軸部材で後輪を支持した二輪車の後輪懸架装置において、
前記軸部材に、前記軸部が貫通する貫通穴を備えるとともに前記工具嵌合部の座となる底部と、前記工具嵌合部の周囲を覆う周壁部とからなるガイド部材を取付け、このガイド部材を掴んで前記軸部材を前記後輪支持部材から引き抜くようにしたことを特徴とする二輪車の後輪懸架装置。
【請求項3】
前記底部と前記周壁部とは、異なる材料で一体的に形成され、前記周壁部の材料は、前記底部の材料より脆弱なものとしたことを特徴とする請求項2記載の二輪車の後輪懸架装置。
【請求項4】
前記ガイド部材の近傍の前記後輪支持部材に、少なくとも前記ガイド部材より側方に突出したガード部材を取付けたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の二輪車の後輪懸架装置。
【請求項5】
車体に後輪支持部材を設け、この後輪支持部材で軸部材を介して後輪を支持するとともに、前記軸部材及び前記後輪支持部材にディスクブレーキ用キャリパを取付けた二輪車の後輪懸架装置において、
前記ディスクブレーキを構成するブレーキディスクは、外周に突起を有することを特徴とする二輪車の後輪懸架装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車の後輪懸架装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の二輪車の後輪懸架装置として、スイングアームの後端で後輪を支持し、後輪側に設けたスプロケットをスイングアームに残した状態で、後輪を着脱するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−57658号公報
【0003】
特許文献1の図2には、自動二輪車15のリヤスイングアーム3の後端でリヤアクスル13を介して後輪15rを支持し、リヤスイングアーム13の後端を整備用スタンドAで持ち上げて後輪15rを浮き上がらせ、後輪15rを着脱することが記載されている。
【0004】
また、特許文献1の図6には、後輪側に設けたリヤスプロケット2に、凹部7aを設けたハウジング7を取付け、凹部7aを後輪のホイールに設けた図示せぬ凸部に嵌合させることで後輪のホイールとリヤスプロケット2とを分離可能としたことが記載されている。
【0005】
更に、特許文献1の図3には、左右一対の係合部25,25、左右一対のL字形杆27L,27R、連結棒状杆29、C字形足踏杆30、左右一対の補強杆31,31、ストッパ体33、左右一対の回転車29,29からなる整備用スタンドAが記載されている。
【0006】
図2に示される後輪15rをリヤスイングアーム3から取外す場合、整備用スタンドAで後輪15rを地面から浮き上がらせ、次に、図6に示されるハウジング7の凹部7aの開口7aが所定の方向を向くように後輪を回転させ、この後、リヤアクスル13を弛め、リヤアクスル13をリヤスプロケット3が抜け落ちない程度に引き出し、リヤホイールのリヤアクスル13による軸支状態を解除して後輪を外す。このとき、リヤスプロケット2は図3に示される整備スタンドAのストッパ体33によって押圧されて動かない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
凹部7aとホイールの凸部とには動力を伝達するために大きな嵌合長さが必要になり、凹部7aの開口7aであってもその嵌合長さが必要である。ハウジング7の凹部7aと後輪のホイールの凸部が嵌合した状態から、後輪のみを外す場合、上記の嵌合長さによって、凹部7aとホイールの凸部との嵌合を解除するために後輪をリヤスイングアーム3の左右のアーム間で移動させて取外すことはそれほど容易ではなく、短時間で行うことは難しい。また、開口7aを所定の向きになるように後輪を回転させる時間も必要である。
【0008】
このように、リヤスプロケット2をリヤスイングアーム3に残した状態で、後輪15rを着脱する構造としても後輪着脱をそれほど迅速には行えず、かえって、リヤスプロケット2から後輪15rへ動力を伝達する構造が複雑になり、部品数が多くなって、管理項目が増えることになる。
【0009】
更に、整備用スタンドAは、図6に示されるように、構造が複雑であるために定期的な保守等が必要になり、また、重量が増すために後輪着脱時の機動性が損なわれ、後輪着脱時間に影響を及ぼすことになる。
【0010】
本発明の目的は、二輪車の後部構造である後輪懸架装置を改良することで、簡単な構造で且つ、より一層容易に且つ迅速に後輪の着脱を行えるようにする、特に、競技用の二輪車においては、競技のタイムを短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、車体に後輪支持部材を設け、この後輪支持部材で後輪を支持し、この後輪と車体に設けた動力部とにチェーンを掛け渡すことで、動力部の動力で後輪を駆動するようにした二輪車の後輪懸架装置において、後輪を着脱するときにチェーンを保持するチェーン保持部材を、後輪支持部材に取付けたことを特徴とする。
【0012】
後輪を外す前に、チェーン保持部材でチェーンを保持する。これにより、チェーンを掛けておいたスプロケットと一体となった後輪の取外し及び取付けをチェーンの影響を受けずにより一層容易に且つ迅速に行える。例えば、摩耗したタイヤの交換のために後輪の着脱が頻繁に行われるレース用二輪車では、後輪の着脱が迅速に行え、後輪着脱時のロスタイムを少なくすることが可能になる。また、チェーン保持部材はチェーンを掛けられる簡単な構造でよい。
【0013】
請求項2に係る発明は、車体に後輪支持部材を設け、この後輪支持部材に、軸部と、この軸部よりも大径で軸部の端部に設けた工具嵌合部とからなる軸部材を貫通させて取付け、この軸部材で後輪を支持した二輪車の後輪懸架装置において、軸部材に、軸部が貫通する貫通穴を備えるとともに工具嵌合部の座となる底部と、工具嵌合部の周囲を覆う周壁部とからなるガイド部材を取付け、このガイド部材を掴んで軸部材を後輪支持部材から引き抜くようにしたことを特徴とする。
後輪を取外すときに、弛めた軸部材をガイド部材の周壁部を掴んで容易に引き抜くことが可能になる。
【0014】
請求項3に係る発明は、底部と周壁部とを、異なる材料で一体的に形成し、周壁部の材料を、底部の材料より脆弱なものとしたことを特徴とする。
例えば、周壁部が外力により変形して軸部材の工具嵌合部に工具が嵌合できなくなった場合に、脆弱な周壁部を取除くことで、工具を工具嵌合部に嵌合させることが可能になる。周壁部を、例えば、樹脂製とすれば、ガイド部材が軽量になる。
【0015】
請求項4に係る発明は、ガイド部材の近傍の後輪支持部材に、少なくともガイド部材より側方に突出したガード部材を取付けたことを特徴とする。
ガード部材でガイド部材を保護し、ガード部材への外部からの干渉をしにくくする。
【0016】
請求項5に係る発明は、車体に後輪支持部材を設け、この後輪支持部材で軸部材を介して後輪を支持するとともに、軸部材及び後輪支持部材にディスクブレーキ用キャリパを取付けた二輪車の後輪懸架装置において、ディスクブレーキを構成するブレーキディスクの外周に突起を有することを特徴とする。
【0017】
ディスクブレーキ用キャリパにおけるブレーキディスクの外周に対応する部分に、例えば、レース場の路面から飛散したタイヤの削りかすが付着することがあり、この削りかすに邪魔されて、後輪を取外すために後輪をブレーキディスクの摺動面にほぼ沿って移動させるときに後輪の移動が困難になることがあるが、ブレーキディスクの外周に突起を有することで、ブレーキディスクが回転したときに突起でブレーキキャリパに付着したタイヤの削りかすが除去され、後輪を取外すときの後輪の移動が簡単に行えるようになる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明では、チェーン保持部材を後輪支持部材に取付けたので、後輪を外す前に、チェーン保持部材でチェーンを保持することにより、チェーンの影響を受けずにスプロケットと一体で後輪の取外し及び取付けをより一層容易に且つ迅速に行うことができる。
【0019】
例えば、摩耗したタイヤの交換のために後輪の着脱が頻繁に行われるレース用二輪車にチェーン保持部材を取付けることにより、チェーンが地面に垂れることによるチェーンの汚れ等に対し、別途の配慮が必要なく、後輪の着脱が迅速に行え、後輪着脱時のロスタイムを少なくすることができる。
また、チェーン保持部材は、チェーンを掛けられる簡単な構造にすることができ、また、小さくできるので重量増加も少ない。
【0020】
請求項2に係る発明では、軸部材に、底部と周壁部とからなるガイド部材を取付け、このガイド部材を掴んで軸部材を取外すようにしたので、ガイド部材を掴んで軸部材を引き出すことにより、軸部材を簡単に外すことができ、後輪の着脱を容易に且つ迅速に行うことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0021】
請求項3に係る発明では、周壁部の材料を、底部の材料より脆弱なものとしたので、外力により、周壁部が変形した場合、軸部材を弛めるための工具の嵌合に影響を受ける場合があるが、その場合、周壁部が脆弱なので、変形した周壁部を簡単に取除くことができ、工具を工具嵌合部に容易に嵌合させることができる。軸部材の取外しもガイド部材を持って引き出すほど容易ではないが、これまでと同様に、工具嵌合部を掴んで引抜くことができる。
【0022】
請求項4に係る発明では、ガイド部材の近傍の後輪支持部材に、少なくともガイド部材より側方に突出したガード部材を取付けたので、ガード部材により、ガイド部材への外部からの干渉を防ぐことができ、ガイド部材を変形しにくくすることができる。
【0023】
請求項5に係る発明では、ディスクブレーキを構成するブレーキディスクの外周に突起を有するので、この突起でキャリパの内側に付着したタイヤの削りかすを除去することができ、その結果、後輪着脱時にチェーンを外す際に後輪を容易に移動させることができ、後輪の着脱を容易に且つ迅速に行うことができて、メンテナンス性を向上させることができる。従って、このブレーキディスクの突起は、特に、耐久レース等に使用される車両に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る自動二輪車の側面図であり、自動二輪車10は、特にサーキット走行を行う目的の競技用車両で頻繁にタイヤ交換を行うものであり、車体フレーム11の前端に備えたヘッドパイプ12に操舵自在にフロントフォーク13を取付け、このフロントフォーク13の下端に回転自在に前輪14を取付け、フロントフォーク13の上端の左右に渡したトップブリッジ15に左右一対のハンドル16,17(手前側の符号16のみ示す。)を取付け、ヘッドパイプ12から後方斜め下方に延ばした左右一対のメインフレーム21,22(手前側の符号21のみ示す。)にエンジン23及びこのエンジン23の後部に一体的に設けた変速機24を取付け、メインフレーム21,22の後部下部に設けたピボット軸26にスイング自在にスイングアーム27を取付け、このスイングアーム27の後端にリヤアクスル28を介して回転自在に後輪31を取付け、スイングアーム27の上部にリヤクッションユニット32の上端を取付け、メインフレーム21,22の下部に渡したクロスパイプ(不図示)にリンク装置33を介してリヤクッションユニット32の下端を取付け、エンジン23のシリンダヘッド23aから後方へ複数の排気管からなる排気管組立体34を延ばし、この排気管組立体34の後端を集合させて1本に後部排気管35に接続し、この後部排気管35の後端にマフラ36を接続した車両である。
上記したスイングアーム27、リヤクッションユニット32、リンク装置33は、後輪31を懸架する後輪懸架装置38を構成する部品である。
【0025】
メインフレーム21,22は、車体フレーム11を構成する部材であり、ヘッドパイプ12の近傍にステアリングダンパ41を取付けたものである。
ステアリングダンパ41は、例えば、走行中に路面から前輪14に外力が作用したときにハンドルが急激に振れるのを抑える装置である。
リヤクッションユニット32は、シリンダ内に出入りするオイルを貯めるリザーバタンク43を下部に備えたものである。
【0026】
ここで、51はアッパカウル、52はヘッドランプ、53はヘッドパイプ12の前方に配置したメータ、54はトップブリッジ15の下方でフロントフォーク13の左右に渡したボトムブリッジ、56はフロントフェンダ、57はミドルカウル、58はロアカウル、61はラジエータ、62はエンジン23の吸気装置63で吸い込む空気を一時的に貯える吸気ボックス、64は燃料タンク、66はステアリングダンパ41と吸気ボックス62と燃料タンク64とを覆う前部カバー、67はメインフレーム21,22に取付けた樹脂(CFRP)製のシートカウル、71はシート、73は変速機24の出力軸に取付けたドライブスプロケット、74は後輪31のホイールに取付けたドリブンスプロケット、76はドライブスプロケット73とドリブンスプロケット74とに掛け渡したチェーンである。
【0027】
図2は本発明に係るスイングアームの後端部及びその周囲を示す要部左側面図(図中の矢印(FRONT)は車両前方を表す。以下同じ。)であり、スイングアーム27(詳しくは、スイングアーム27を構成する左アーム27L)の後端部の上面27aに、後輪31(図1参照)の着脱時にチェーン76を一時的に掛けておくチェーン保持部材81をビス82,82で取付けたことを示す。
【0028】
チェーン保持部材81は、スイングアーム27に取付けるベース部81aと、このベース部から立ちあげた保持部81bとをプレートで一体に成形した部材であり、保持部81bは、チェーン76のローラ76a,76a間のピッチP1とほぼ同一のピッチP2の歯底部81d〜81fと、歯部81h,81j,81k,81mとを備えるものである。
【0029】
図中の85,85(手前側の符号85のみ示す。)はスイングアーム27の後端にボルト86,86で取付けた左右一対のスタンド受け部材、87はスタンド受け部材85,85のそれぞれの下部にビス88,88で取付けたスタンド受け補助部材であり、これらのスタンド受け部材85,85及びスタンド受け補助部材87,87により、後輪31を着脱する際に後輪31を地面から浮いた状態に支持する整備用スタンド90に容易に載せられるようにする。
【0030】
整備用スタンド90は、左右のスタンド受け部材85,85のそれぞれの窪み部85a,85a(手前側の符号85aのみ示す。)に当てるバー90aと、このバー90aを支持する脚部90bとからなる。
【0031】
図3は本発明に係るスイングアームの後端部及びその周囲を示す要部右側面図であり、リヤアクスル28に、このリヤアクスル28を弛めて引き抜くときに掴むカップ状のガイド部材93を取付け、このガイド部材93の前方のスイングアーム27(詳しくは、スイングアーム27を構成する右アーム27R)に、ガイド部材93を保護する側面視がほぼ三角形状のガード部材94を複数のボルト95で取付けたことを示す。
ガイド部材93は、リヤアクスル28のほぼ六角柱状とした頭部28aの周囲を覆う部材である。
【0032】
図中の101はスイングアーム27に対してリヤアクスル28、ひいてはドリブンスプロケット74(図1参照)を前後方向に移動させてチェーン76(図2参照)の弛みを調整するアジャスタボルト(左アーム27L(図2参照)側にも同様なアジャスタボルトを備える。)、102はリヤアクスル28で支持するとともにスイングアーム27側で回転止めしたブレーキキャリパ、103は後輪31(図1参照)のホイール(不図示)に取付けたブレーキディスクであり、これらのブレーキキャリパ102とブレーキディスク103とでディスクブレーキ装置105を構成する。
【0033】
図4は図3の4−4線断面図であり、スイングアーム27の右アーム27Rの後端部に幅を狭くした車軸支持部27Aを設け、この車軸支持部27Aの両側に断面がコ字形状のコ字部材111を嵌め、このコ字部材111の一方にキャリパブラケット112を当て、このキャリパブラケット112に開けた第1貫通穴112a、コ字部材111に開けた第2貫通穴111a、車軸支持部27Aに開けた長穴状の第3貫通穴27b、コ字部材111に開けた第4貫通穴111bに順に中空のボルト部材113を通し、このボルト部材113の先端に設けたおねじ113aにナット部材114をねじ結合し、ボルト部材113の先端113bにガイド部材93を当て、このガイド部材93に設けた貫通穴93a及びボルト部材113の中空部113cにワッシャ116を介してボルト状のリヤアクスル28を挿入することで、リヤアクスル28にガイド部材93を取付けたことを示す。
【0034】
更に、リヤアクスル28を、後輪31(図1参照)のホイールの中心部に設けたハブに挿入し、また更に、スイングアーム27の左アーム27L(図2参照)に同様に設けたボルト部材の中空部に挿入してリヤアクスル28の先端に設けたおねじをナット部材118(図2参照)にねじ結合することで、スイングアーム27の左アーム27L及び右アーム27Rでリヤアクスル28を介して後輪31を回転自在に支持する。
【0035】
ガイド部材93は、リヤアクスル28の頭部28aの座となる底部121と、この底部121の縁部から立ちあげた周壁部122とを一体的に結合した部材であり、底部121を鋼板製とし、周壁部122を樹脂製(実施例では、CFRP)としたものである。
【0036】
周壁部122は、筒部122aと、この筒部122aの一端に形成したフランジ122bとからなり、フランジ部122bは、作業者が指を掛けてリヤアクスル28を引き抜きやすいように設けた部分である。
【0037】
ガード部材94は、ガイド部材93よりも車体側方に突出した部分であり、このようにガイド部材93を側方に突出させることで、車体側方からの干渉物に対してガード部材94でガイド部材93を保護することができる。
【0038】
コ字部材111は、アジャスタボルト101の頭部101aに隣接させた大径部101bを通す大径部挿通穴111dを備え、アジャスタボルト101は、右アーム27Rの車軸支持部27Aの後端に形成しためねじ27dにねじ結合した部材である。なお、101cはアジャスタボルト101の大径部101bに隣接させて設けた鍔部である。
【0039】
アジャスタボルト101の頭部101aに設けた六角穴101dに六角レンチを挿入して回せば、車軸支持部27Aに対してコ字部材111が移動し、コ字部材111の第2貫通穴111a及び第4貫通穴111bに嵌合させたボルト部材113及びこのボルト部材113の中空部113cに挿入したリヤアクスル28を前後に移動させることができ、チェーン76(図2参照)の弛みを調整することができる。
【0040】
図5は図3の5−5線断面図であり、ディスクブレーキ装置105は、ボルト部材113に取付けたキャリパブラケット112と、このキャリパブラケット112に複数のボルト132(図では1本のボルト132のみ示す。)で取付けたキャリパボディ133と、このキャリパボディ133でスライドピン134,134(一方の符号134のみ示す。)を介して移動自在に支持したパッド136,137と、これらのパッド136,137をブレーキディスク103に押付けるためにキャリパボディ133に開けた穴部138,138に移動自在に挿入したピストン141,141(ピストン141は図示しないが片側に2個有る。)と、ブレーキディスク103とからなる。なお、143はシール部材である。(図3の5−5線断面上には突起103Aは存在しないが、突起103Aの断面形状が理解しやすいように断面を記載した。)
上記のディスクブレーキ装置105の構成部品のうち、ブレーキディスク103を除いた部品が前述のブレーキキャリパ102を構成する。
【0041】
図3に戻って、ブレーキディスク103は、外周部に一体に、ブレーキキャリパ102、詳しくは、キャリパボディ133(図5参照)内への付着物を除去するための突起103Aを形成した部材である。
【0042】
図6(a),(b)は本発明に係るリヤアクスルの説明図である。
(a)はリヤアクスル28の側面図であり、リヤアクスル28は、アクスル本体150と、このアクスル本体150の両端に取付けた第1キャップ151及び第2キャップ152とからなる。
アクスル本体150は、軸部154と、この軸部154の一端に設けた頭部28aとからなる。
【0043】
軸部154は、先端部に設けたおねじ部154aと、このおねじ部154aの端部から徐々に拡径した雄テーパ部154bと、この雄テーパ部154bの端部から延ばしたストレート部154cとからなる。
頭部28aは、工具を嵌合させる六角部28cと、この六角部28cのストレート部154c側に設けた鍔部28dとからなる。
【0044】
(b)はリヤアクスル28の縦断面図であり、アクスル本体150から第1キャップ151及び第2キャップ152を外した状態を示す。
アクスル本体150は、中空部150aを形成した部材であり、中空部150aは、一端を開口した小径穴150b、雌テーパ部150c、一端を開口した大径穴150d、大径穴150dの端部に形成した環状溝150eからなる。
【0045】
第1キャップ151は、アクスル本体150のおねじ部154a側に取付ける樹脂製のもので、アクスル本体150の小径穴150bに嵌合させるおねじ側嵌合部151aと、おねじ部154aの外径(詳しくは、おねじの谷の径)よりも小径で先を尖らせた先端部151bとからなり、先端部151bの外周面に側面視でリヤアクスル28の軸方向に延びる複数の凹部151cを形成したものである。
【0046】
第2キャップ152は、アクスル本体150の頭部28a側に取付ける樹脂製のもので、アクスル本体150の大径穴150d及び環状溝150eに嵌合させる頭部側嵌合部152aと、この頭部側嵌合部152aの端部に設けたキャップ部152bとからなり、中空部152cを備える。
【0047】
頭部側嵌合部152aは、アクスル本体150の環状溝150eに掛ける係止部152eと、アクスル本体150の大径穴150d及び環状溝150eに嵌合するときに縮径しやすいようにする複数のスリット152fとを備える。
【0048】
上記した第1キャップ151は、リヤアクスル28をスイングアーム27(図1参照)側の中空部113c(図4参照)に挿入しやすいようするための部品であり、更に、第1キャップ151及び第2キャップ152は、中空部150a内にダスト等が入らないようにし、また、工具を嵌合させやすいようにする部品である。
【0049】
図7は本発明に係る二輪車の後部構造を示す断面図であり、シートカウル67におけるシート71後方の縦壁67a(詳しくは、縦壁67aの内面67b)に、後部排気管35及びマフラ36から放射される熱を遮る樹脂(CFRP)製の遮熱板161を取付けたことを示す。
【0050】
遮熱板161は、平板部161aと、この平板部161aの端部に設けた脚部161b,161cとを一体成形した部材であり、脚部161b,161cを内面67bに接着、あるいはボルト・ナットで取付ける。
【0051】
前述の特許文献1の図1に示された自動二輪車15では、マフラはシート及びシートの後方に配置したシートカウルから離れた位置に有るが、空力特性を考慮してマフラをシートカウル内に収納する場合には、マフラからの熱がシートに着座した運転者の臀部及び腰部まで伝わることが予想される。
【0052】
これを防ぐために、例えば、シートカウルの内面にシート状の断熱材を密着させて貼り付けることも考えられるが、本発明では、自動二輪車の後部構造を改良し、図7に示した遮熱板161を用いることで、樹脂製で熱伝導性の小さいシートカウル67と遮熱板161との二重構造とし、且つこれらのシートカウル67と遮熱板161との間に熱伝導性の小さい空気層162を設けることで、上記したシート状の断熱材に比べて遮熱効果をより一層向上させることができ、シート71に着座した運転者の臀部及び腰部の温度が高くなるのを防止することができる。
【0053】
特に、サーキットを長時間走行する耐久レースでは、運転者の乗り心地を向上させて運転の負担を軽減することも必要である。運転者の臀部及び腰部に伝わる熱を抑えることができれば、運転者の負担が軽減し、運転に集中することができる。従って、競技のタイムを短縮することが可能になる。
【0054】
以上に述べたチェーン保持部材81の作用を次に説明する。
図8は本発明に係るチェーン保持部材の作用を示す作用図である。
サーキットを走行して摩耗したタイヤを交換するために、車両から後輪を取外す場合、まず、スイングアーム27からリヤアクスル28(図4参照)を外し、後輪を車両前方へ移動させ、チェーンを76を弛めて後輪に一体的に取付けたドリブンスプロケット74(図1参照)から外し、チェーン76を図示するようにチェーン保持部材81に掛ける。そして、後輪をドリブンスプロケット74ごと取外す。
【0055】
このとき、ドリブンスプロケット74から外したチェーン76を確実に且つ後輪の取り外しに影響のない位置に保持することができ、従来のような後輪とスプロケットとを分離することなしに、本発明では、後輪とドリブンスプロケット74とを一体的に取外すことができて、後輪の取外しを容易に且つ迅速に行うことができる。更に、後輪を取付ける場合にも、チェーン保持部材81によるチェーン74の保持が維持されているため、チェーン74に邪魔されずに後輪を迅速に取付けることができる。従って、後輪着脱時のロスタイムを少なくすることができる。
【0056】
また、チェーン保持部材81により、チェーン76が床や地面に垂れて、床や地面を汚したり、チェーン76自体にダスト等が付着する心配がない。
更にまた、チェーン保持部材81は、スイングアーム27に着脱自在に取付けたものであるから、競技以外のときで後輪の着脱を行わない場合は、チェーン保持部材81をスイングアーム27から外しておくことができる。
【0057】
図9(a)〜(d)は本発明に係るガイド部材の作用を示す作用図である。
(a)において、スイングアーム27からリヤアクスル28を外すときには、まず、リヤアクスル28を工具で回して弛めた後に、ガイド部材93を手(171,172は指である。)で掴み、白抜き矢印で示すように、スイングアーム27から引き抜く。このように、ガイド部材93によって、スイングアーム72からリヤアクスル28を容易に外すことができる。
【0058】
(b)において、例えば、ガイド部材93の周壁部122に外力が作用して、周壁部122が図示するように変形した場合、ガイド部材93の周壁部122が底部121と一体の鋼板製である場合は、周壁部が変形したときに、変形した部分を除去したり、変形を直すことで競技タイムをロスすることがあるが、(c)に示すように、樹脂製の周壁部122の変形した部分を容易に破断させて除去することができ(あるいは、変形した部分を容易に修正することができ)、(d)で示すように、リヤアクスル28の頭部28aの六角部28cに工具175を嵌合させることができて、リヤアクスル28を工具175で回して弛めることができる。
【0059】
図10(a)〜(d)は本発明に係るブレーキディスクの突起の作用を示す作用図である。
(a)と、(a)のb−b線断面図に相当する(b)とは比較例であり、ディスクブレーキ装置200は、ブレーキキャリパ102と、このブレーキキャリパ102で挟み込むブレーキディスク201とからなる。
【0060】
ブレーキキャリパ102のキャリパボディ133の底部133Aに、ダスト、例えば、サーキット走行中、タイヤの削りかす202が飛散して付着し、底部133A、パッド136,137、ブレーキディスク201の外周面201aで形成される空間203に溜まると、(a)において、ドリブンスプロケットからチェーンを外す際にチェーンを弛ませようとして後輪を前方へ移動させようとしても、上記のタイヤの削りかす202が邪魔して、後輪の移動が困難になる。
【0061】
(c)と、(c)のd−d線断面図に相当する(d)とは実施例(本実施形態)であり、ブレーキディスク103の外周部に突起103A((c)のクロスハッチングを施した部分である。)を設けたので、ブレーキディスク103とともに突起103Aが矢印のように回転したときに、キャリパボディ133の底部133Aに付着したタイヤの削りかすを突起103Aで各回転毎に除去することができ、底部133A、パッド136,137、ブレーキディスク103の外周面103bで形成される空間180のうちの底部133Aの表面にしかタイヤの削りかす202が付着せず、空間180の大部分を空いた状態に確保できる。
従って、後輪を外すときの移動(白抜き矢印で示す向きの移動)が妨げられず、後輪を容易に取外すことができる。
【0062】
特に、耐久レース等に使用される車両では、タイヤ交換のために後輪の着脱が頻繁に行われるため、図2及び図8に示したチェーン保持部材81、図4及び図9に示したガイド部材93、図3及び図9に示した突起103Aは後輪着脱の際のロスタイムを短縮することにより、競技のタイムを短縮するのに好適である。
【0063】
以上の図1及び図2に示したように、本発明は第1に、車体フレーム11に後輪支持部材としてのスイングアーム27を設け、このスイングアーム27で後輪31を支持し、この後輪31と車体フレーム11に設けた動力部としてのエンジン23及び変速機24とにチェーン76を掛け渡すことで、エンジン23及び変速機24の動力で後輪31を駆動するようにした二輪車としての自動二輪車10の後輪懸架装置38において、後輪31を着脱するときにチェーン76を保持するチェーン保持部材81を、スイングアーム27に取付けたことを特徴とする。
【0064】
チェーン保持部材81をスイングアーム27に取付けたので、後輪31を取外す前に、チェーン保持部材81でチェーン76を保持することにより、チェーン76の影響を受けずにドリブンスプロケット74と一体で後輪31の取外し及び取付けをより一層容易に且つ迅速に行うことができる。
【0065】
例えば、摩耗したタイヤの交換のために後輪31の着脱が頻繁に行われるレース用二輪車にチェーン保持部材81を取付けることにより、後輪31の着脱が迅速に行え、後輪着脱時のロスタイムを少なくすることができ、競技のタイムを短縮することができる。
また、チェーン保持部材81を、チェーンを掛けられる簡単な構造にすることができ、軽量にすることができる。
【0066】
更に、後輪着脱の際、チェーン保持部材81でチェーン76を保持することでチェーン76を床や地面に垂らさずに作業を行うことができ、床や地面を汚す心配がなく、チェーン76にもダスト等が付着することがない。
【0067】
本発明は第2に、図1及び図4に示したように、車体フレーム11にスイングアーム27を設け、このスイングアーム27に、軸部154と、この軸部154よりも大径で軸部154の端部に設けた工具嵌合部としての頭部28aとからなる軸部材としてのリヤアクスル28を貫通させて取付け、このリヤアクスル28で後輪31を支持した自動二輪車10の後輪懸架装置38において、リヤアクスル28に、軸部154が貫通する貫通穴93aを備えるとともに頭部28aの座となる底部121と、頭部28aの周囲を覆う周壁部122とからなるガイド部材93を取付け、このガイド部材93を掴んでリヤアクスル28をスイングアーム27から引き抜くようにしたことを特徴とする。
【0068】
これにより、ガイド部材93を掴んでリヤアクスル28を引き出すことにより、リヤアクスル28を簡単に外すことができ、後輪31の着脱を容易に且つ迅速に行うことができて、メンテナンス性を向上させることができ、例えば、競技車両での競技のタイムを短縮することができる。
【0069】
本発明は第3に、図5及び図9に示したように、ガイド部材93の底部121と周壁部122とを、異なる材料(底部121は鋼板製、周壁部122は樹脂製)で一体的に形成し、周壁部122の材料を、底部の材料より脆弱なものとしたことを特徴とする。
【0070】
周壁部122の材料を、底部121の材料より脆弱なものとしたので、外力により、周壁部122が変形した場合、リヤアクスル28を弛めるための工具175の嵌合に影響を受ける場合があるが、その場合、周壁部122が脆弱なので、変形した周壁部122を簡単に取除くことができ、工具175を頭部28aに容易に嵌合させることができる。リヤアクスル28の取外しもガイド部材93を持って引き出すほど容易ではないが、これまでと同様に、頭部28aを掴んで引抜くことができる。
また、ガイド部材93の周壁部122を樹脂製としたことで、ガイド部材の全体を鋼板製とするよりも、本発明では、ガイド部材93の軽量化を図ることができる。
【0071】
本発明は第4に、図3及び図4に示したように、ガイド部材93の近傍のスイングアーム27に、少なくともガイド部材93より側方に突出したガード部材94を取付けたことを特徴とする。
ガード部材94により、ガイド部材93への外部からの干渉を防ぐことができ、ガイド部材93を変形しにくくすることができる。
【0072】
本発明は第5に、図1、図3及び図10に示したように、車体フレーム11にスイングアーム27を設け、このスイングアーム27でリヤアクスル28を介して後輪31を支持するとともに、リヤアクスル28及びスイングアーム27にディスクブレーキ装置105用のブレーキキャリパ102を取付けた自動二輪車10の後輪懸架装置38において、ディスクブレーキ装置105を構成するブレーキディスク103の外周に突起103Aを有することを特徴とする。
【0073】
ブレーキディスク103の外周に突起103Aを有するので、この突起103Aでブレーキキャリパ102の内側に付着したタイヤの削りかすを除去することができ、その結果、後輪着脱時に、ドリブンスプロケット74(図1参照)からチェーン76(図2参照)を外す際に後輪31を容易に移動させることができ、後輪31の着脱を容易に且つ迅速に行うことができて、メンテナンス性を向上させることができ、例えば、耐久レース等に使用される車両での競技のタイムを短縮することができる。
【0074】
尚、本実施形態では、図1に示したように、チェーン保持部材81を自動二輪車10に取付けたが、これに限らず、チェーンを備えるもの、例えば自転車に取付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の後輪懸架装置は、二輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係る自動二輪車の側面図である。
【図2】本発明に係るスイングアームの後端部及びその周囲を示す要部左側面図である。
【図3】本発明に係るスイングアームの後端部及びその周囲を示す要部右側面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図3の5−5線断面図である。
【図6】本発明に係るリヤアクスルの説明図である。
【図7】本発明に係る二輪車の後部構造を示す断面図である。
【図8】本発明に係るチェーン保持部材の作用を示す作用図である。
【図9】本発明に係るガイド部材の作用を示す作用図である。
【図10】本発明に係るブレーキディスクの突起の作用を示す作用図である。
【符号の説明】
【0077】
10…二輪車(自動二輪車)、11…車体(車体フレーム)、23,24…動力部(エンジン、変速機)、27…後輪支持部材(スイングアーム)、28…軸部材(リヤアクスル)、28a…工具嵌合部(頭部)、31…後輪、38…後輪懸架装置、76…チェーン、81…チェーン保持部材、93…ガイド部材、93a…底部の貫通穴、94…ガード部材、102…ディスクブレーキ用キャリパ(ブレーキキャリパ)、103…ブレーキディスク、103A…突起、105…ディスクブレーキ装置、121…ガイド部材の底部、122…ガイド部材の周壁部、154…軸部。




 

 


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