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発明の名称 電動車両の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−28803(P2007−28803A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−207573(P2005−207573)
出願日 平成17年7月15日(2005.7.15)
代理人 【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
発明者 木下 直樹 / 嶋田 正
要約 課題

補機充電用DCDCの保護、フェール原因に応じた補機充電用DCDCへの給電を行う電動車両の制御装置を提供する。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
電動車両の制御装置であって、
高電圧を供給する高圧バッテリと、
走行駆動力に基づく発電及び走行駆動力を発生する発電電動機と、
前記高電圧を昇圧して前記発電電動機側に出力し、前記発電電動機側から入力される電圧を降圧する昇圧器と、
低圧で駆動される補機と、
前記発電電動機又は前記高圧バッテリから供給される電圧を降圧する降圧器と、
前記補機に前記降圧器より出力される電力を供給する低圧ラインと、
前記高圧バッテリの正極又は負極の一方に設けられた第1のスイッチと、
前記高圧バッテリの正極又は負極の他方に設けられた第2のスイッチとを備え、
前記第1のスイッチと前記昇圧器の間、及び前記第2のスイッチと前記高圧バッテリの間に前記降圧器の電力供給ラインを接続することを特徴とする電動車両の制御装置。
【請求項2】
前記発電電動機から前記昇圧器までの発電電動機系の故障を検出する発電電動機系故障検出手段又は前記高圧バッテリの故障を検出するバッテリ故障検出手段の少なくとも1つを備え、前記発電電動機系故障検出手段又は前記バッテリ故障検出手段により故障が検出された場合は、前記第1のスイッチ又は前記第2のスイッチの少なくとも1つをOFFにすることを特徴とする請求項1記載の電動車両の制御装置。
【請求項3】
前記発電電動機系故障検出手段により故障が検出された場合は、前記第1のスイッチをOFFにすることを特徴とする請求項1記載の電動車両の制御装置。
【請求項4】
前記バッテリ故障検出手段により故障が検出された場合は、前記第2のスイッチをOFFにすることを特徴とする請求項2記載の電動車両の制御装置。
【請求項5】
前記発電電動機系故障検出手段及び前記バッテリ故障検出手段の双方により故障が検出された場合は、前記第1及び第2のスイッチをOFFにすることを特徴とする請求項2記載の電動車両の制御装置。
【請求項6】
前記電動車両は走行駆動源として前記発電電動機とは異なる駆動源を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電動車両の制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両では、高電圧バッテリからの直流の高電圧を昇圧器で所定の電圧に昇圧し、パワードライブユニット(PDU)で昇圧器により昇圧された直流電圧を交流電圧、例えば、3相交流電圧に変換し、この3相交流電圧によりモータを回転させることによって車両の走行駆動源を得ている。ハイブリッド車両は、従来のエンジンに加え、モータを走行駆動源とする自動車であり、モータを駆動してエンジンのアシスト及びモータの回生制動を行うものである。このハイブリッド車両は、例えば、高圧バッテリと、補機充電用DCDCコンバータ(降圧器、以下、補機充電用DCDC)と、補機バッテリと、昇圧器と、パワードライブユニット(PDU)と、発電電動機(モータと略す)を含む。
【0003】
高圧バッテリ(メインバッテリ)及び昇圧器は2つのメインコンタクタを介して接続される。補機充電用DCDCのハイ側及びロー側入力端子は、2つのメインコンタクタの昇圧器側の接点に接続される。昇圧器のPDU側を高電圧に維持した状態でモータ回生動作により高圧バッテリに充電を行っているとき、PDUの故障等フェールが検知された場合、従来は、検知されると同時に2つのメインコンタクタをOFFしていた。
【0004】
また、モータ回生中の故障検出時の制御の先行技術として先行技術1があった。先行技術1には、モータ回生中に昇圧器が故障した場合は、モータの回生動作を停止、またはモータの回生量の上限を制限することにより、発電量を制限し、平滑コンデンサを保護することが記載されている。
【0005】
一方、ハイブリッド車両では、エンジンの始動をエンジン車両と同様に補機バッテリで駆動するスタータモータにより駆動することがある。このような場合は、エンジンを始動するためにスタータモータ及び制御回路を別途設置する必要があり、複雑・大型化する。そこで、スタータモータではなく高圧バッテリにより走行モータを駆動し、走行モータの駆動力によりエンジンを始動する方法がある。この方法では、メインバッテリの出力電圧が低下すると、走行モータを駆動できずにエンジンを始動できないという問題がある。
【0006】
メインバッテリの出力電圧の低下の原因として、車が使用されない状態で長期放置されて電池自己放電により電池残容量が減少する場合、低温環境中に車が放置されて電池温度が低下する場合、バッテリ劣化に伴い内部抵抗が上昇して電圧低下する場合、バッテリ故障の場合等である。これらの故障による高圧バッテリの出力電圧の低下により、走行モータが駆動されないためにエンジンを始動できない場合にエンジンを始動する先行技術として、先行技術2があった。先行技術2には、補機バッテリ用の昇圧器を設け、この昇圧器で補機バッテリの電圧を昇圧し、高圧バッテリを充電して高圧バッテリの電圧を上昇させた後に高圧バッテリから走行モータに給電してエンジンを始動することが記載されている。
【特許文献1】特開2004−222362
【特許文献2】特許第3448850号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、モータの回生中に何らかのフェールが発生したとき、従来のように、2つのメインコンタクタをオフしてしまうと、昇圧器のリアクトルの高圧バッテリ側に瞬間的に逆起電力により高電圧が発生する。この高電圧が補機充電用DCDCに直接印加されることとなり、印加される高電圧がDCDCコンバータの耐圧を上回っていると、補機充電用DCDCの破壊に至る。補機充電用DCDCが破壊されると、その後の補機バッテリへ高圧バッテリ及びモータから充電が不可となり、補機バッテリが上がり、補機バッテリより給電されるECUが停止していまい、早期の車両停止に至ることとなる。また、従来、補機充電用DCDCのハイ側及びロー側入力端子は2つのメインコンタクタの昇圧器側の接点に接続されていたことから、メインバッテリが正常であっても、いずれか一方のメインコンタクタをOFFすると、メインバッテリ側から補機充電用DCDCに給電できなかった。
【0008】
先行技術1では、昇圧器が故障した場合に、回生の停止又は回生量の制限を行っているが、昇圧器でモータの回生電力を降圧し、補機充電用DCDCにより所望の電圧に降圧して補機バッテリを充電するような場合には、昇圧器の故障により高電圧が発生したとき、制御が終了するまでは、補機充電用DCDCに高電圧が直接印加されることとなり、補機充電用DCDCの耐圧を上回るような場合、補機充電用DCDCの破壊に至るという問題点がある。更に、昇圧器以外が故障のとき、例えば、高圧バッテリのみが故障した場合には、先行技術1では、故障原因に応じて的確に対処することができない。
【0009】
一方、高圧バッテリの電圧低下により、高圧バッテリよりエンジンを始動できない場合、先行技術2では、高圧バッテリを補機バッテリより充電する時間だけエンジン始動に時間がかかるという問題がある。また、補機バッテリを昇圧して高圧バッテリを充電する補機バッテリ昇圧用システムが必要となり、パワープラントシステムの大型化・複雑化するという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、モータ回生中に何らかのフェールが発生した場合に、補機充電用DCDCの保護及びフェール原因に応じた補機充電用DCDCへの給電を行うことにより、補機バッテリが早期に上がることのない電動車両の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、電動車両の制御装置であって、高電圧を供給する高圧バッテリと、走行駆動力に基づく発電及び走行駆動力を発生する発電電動機と、前記高電圧を昇圧して前記発電電動機側に出力し、前記発電電動機側から入力される電圧を降圧する昇圧器と、低圧で駆動される補機と、前記発電電動機又は前記高圧バッテリから供給される電圧を降圧する降圧器と、前記補機に前記降圧器より出力される電力を供給する低圧ラインと、前記高圧バッテリの正極又は負極の一方に設けられた第1のスイッチと、前記高圧バッテリの正極又は負極の他方に設けられた第2のスイッチとを備え、前記第1のスイッチと前記昇圧器の間、及び前記第2のスイッチと前記高圧バッテリの間に前記降圧器の電力供給ラインを接続することを特徴とする電動車両の制御装置が提供される。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記発電電動機から前記昇圧器までの発電電動機系の故障を検出する発電電動機系故障検出手段又は前記高圧バッテリの故障を検出するバッテリ故障検出手段の少なくとも1つを備え、前記発電電動機系故障検出手段又は前記バッテリ故障検出手段により故障が検出された場合は、前記第1のスイッチ又は前記第2のスイッチの少なくとも1つをOFFにすることを特徴とする電動車両の制御装置が提供される。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記発電電動機系故障検出手段により故障が検出された場合は、前記第1のスイッチをOFFにすることを特徴とする電動車両の制御装置が提供される。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、前記バッテリ故障検出手段により故障が検出された場合は、前記第2のスイッチをOFFにすることを特徴とする電動車両の制御装置が提供される。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、前記発電電動機系故障検出手段及び前記バッテリ故障検出手段の双方により故障が検出された場合は、前記第1及び第2のスイッチをOFFにすることを特徴とする電動車両の制御装置が提供される。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記電動車両は走行駆動源として前記発電電動機とは異なる駆動源を備えることを特徴とする電動車両の制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の電動車両の制御装置によれば、第1のスイッチと昇圧器の間、及び第2のスイッチと高圧バッテリの間に降圧器の電力供給ラインを接続するので、第1のスイッチをOFFにすることにより、降圧器と昇圧器の間の接続が遮断され、第2のスイッチをOFFにすることにより、降圧器と高圧バッテリの間の接続が遮断され、第1及び第2のスイッチをOFFにすることにより、降圧器と昇圧器の間、及び降圧器と高圧バッテリの間の接続が遮断される。これにより、第1及び第2のスイッチの双方をOFFしても、降圧器に高電圧が印加されることがなく、降圧器の破壊を防止できる。また、降圧器と昇圧器の間、又は降圧器と昇圧器の間の接続を選択することができる。
【0018】
請求項2記載の電動車両の制御装置によれば、発電電動機系故障検出手段又は前記バッテリ故障検出手段により故障が検出された場合は、第1のスイッチ又は第2のスイッチの少なくとも1つをOFFにするので、故障の種類に応じて、降圧器と昇圧器間又は降圧器と高圧バッテリ間を接続(又は遮断)することができる。
【0019】
請求項3記載の電動車両の制御装置によれば、発電電動機系故障検出手段により故障が検出された場合は、第1のスイッチをOFFにするので、降圧器と昇圧器の間の接続が遮断され、発電電動機系の故障に対して降圧器を保護できるとともに、降圧器を介して補機に高圧バッテリより給電することができる。
【0020】
請求項4記載の電動車両の制御装置によれば、バッテリ故障検出手段により故障が検出された場合は、第2のスイッチをOFFにするので、降圧器と高圧バッテリの間の接続が遮断され、高圧バッテリの故障に対して降圧器を保護できるとともに、降圧器を介して補機に発電電動機より給電することができる。
【0021】
請求項5記載の電動車両の制御装置によれば、発電電動機系故障検出手段及びバッテリ故障検出手段の双方により故障が検出された場合は、第1及び第2のスイッチをOFFにするので、降圧器と昇圧器の間、及び降圧器と高圧バッテリの間の接続が遮断され、発電電動機系の故障及び高圧バッテリの故障に対して降圧器を保護することができる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、電動車両は走行駆動源として発電電動機とは異なる駆動源を備えるので、この駆動源を発電電動機によりアシスト、発電電動機により走行駆動力を回生制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の実施形態による電動車両の一例であるハイブリッド車両の制御装置の構成図である。図1に示すように、ハイブリッド車両の制御装置は、メインバッテリ2と、メインコンタクタ4#H,4#Lと、昇圧器8、PDU(Power Drive Unit)10及び発電電動機(以下、モータと略す)12を有するモータシステム6と、エンジン14と、補機充電用DCDC(降圧器)(DCDCと省略することもある)16と、補機バッテリ18と、ECU20と、複数個のバッテリブロック電圧センサ30#c1〜30#cnと、電圧センサ34,38,44と、電流センサ36,40と、温度センサ32,42,46と、図示しない自動変速機を含む。
【0024】
メインバッテリ2は、モータ12を駆動するための高圧バッテリであり、リチウムイオン、またはニッケル−水素等からなる2次電池であり、複数の単電池がモジュール化された複数のバッテリブロックが直列接続されている。
【0025】
メインコンタクタ(第1のスイッチ)4#Hは、メインバッテリ2の正極及び昇圧器8のハイ側入力端子を機械的にON/OFFする1a接点構成のリレーであり、一方の接点がメインバッテリ2の正極(H側)に接続され、他方の接点が電流センサ36を通して昇圧器8のハイ側端子に接続されている。
【0026】
メインコンタクタ(第2のスイッチ)4#Lは、メインバッテリ2の負極及び昇圧器8のロー側端子を機械的にON/OFFする1a接点構成のリレーであり、一方の接点がメインバッテリ2の負極に接続され、他方の接点がロー側ラインを通して昇圧器8のロー側端子に接続されている。
【0027】
メインコンタクタ4#H,4#Lの接点部は、補機バッテリ18より給電されるコンタンタ4#H,4#Lに内蔵された図示しない電磁石によって動作する。メインコンタクタ4#H,4#LのON/OFFの制御はECU20によって行われる。
【0028】
昇圧器8は、モータ12の高出力化、モータ12の高回転領域での高トルク化のために設けられるものであり、モータ12の駆動時には、メインバッテリ2からの電圧V1を所定電圧まで昇圧し、モータ12の回生時には、モータ12よりPDU10を通して出力される直流電圧V3をメインバッテリ2や補機バッテリ18を充電するために所定の電圧に降圧する。
【0029】
昇圧器8は、ハイ側入力端子(昇圧する場合)が電流センサ36を通してメインコンタクタ4#Hの接点に接続され、ロー側入力端子(昇圧する場合)がロー側ラインを通してメインコンタクタ4#Lの接点に接続され、ハイ側出力端子(昇圧する場合)が電流センサ40を通して、PDU10のハイ側入力端子(昇圧する場合)に接続され、ロー側出力端子(昇圧する場合)がロー側ラインを通してPDU10のロー側入力端子に接続されている。
【0030】
昇圧器8は、平滑コンデンサ50と、リアクトル52と、IGBT素子54#H,54#Lと、フリーホイルダイオード56#H,56#Lと、平滑コンデンサ58を有する。平滑コンデンサ50は、メインバッテリ2からの電圧V1を平滑化するコンデンサであり、正極は電流センサ36を通してメインコンタクタ4#Hの接点に接続され、負極はロー側ラインを通してメインコンタクタ4#Lの接点に接続されている。
【0031】
リアクトル52の一方の端子は平滑コンデンサ50の正極に接続され、他方の端子は、IGBT素子54#Hのエミッタ、IGBT素子54#Lのコレクタ、フリーホイルダイオード56#Hのアノード及びフリーホイルダイオード56#Lのカソードに接続されている。
【0032】
IGBT素子54#Hのコレクタおよびフリーホイルダイオード56#Hのカソードは、昇圧器8のハイ側出力ラインに接続されている。IGBT素子54#Lのエミッタ及びフリーホイルダイオード56#Lのアノードは、ロー側ラインに接続されている。IGBT素子54#H,54#Lのゲートには、ECU20の制御により、平滑コンデンサ50,58の電圧V2,V3を昇圧,降圧するためのPWM信号が入力される。
【0033】
昇圧器8は、昇圧時には、IGBT素子54#Lのゲートに印加するPWM信号のデューティ比に応じた電磁エネルギーがリアクトル52に蓄積され、PWM信号がローレベル(IGBT素子54#Lがオフ)になると、フリーホイルダイオード56#Hがオンし、リアクトル52に蓄積された磁気エネルギーがコンデンサ58に放電され、入力電圧V2(メインバッテリ2からの直流電圧)がデューティ比に応じた電圧V3に昇圧される。昇圧時は、IGBT素子54#Hのゲートには、ローレベルが印加され、IGBT素子54#HはOFFされている。
【0034】
一方、昇圧器8は、降圧時には、IGBT素子54#HがONのとき、平滑コンデンサ50にリアクトル52を通して充電されるとともに、PWM信号のデューティ比に応じた磁気エネルギーがリアクトル52に蓄積され、PWM信号がローレベル(IGBT素子54#Hがオフ)になると、フリーホイルダイオード56#Lがオンし、リアクトル52に蓄積された磁気エネルギーがコンデンサ50に放電され、PDU10からの入力電圧V3がデューティ比に比例した電圧V2に降圧される。降圧時は、IGBT素子54#Lのゲートには、ローレベルが印加され、IGBT素子54#LはOFFされている。
【0035】
このように、IGBT素子52#L,52#HをPWM制御(以下、昇圧器8のスイッチング素子のPWM制御)することにより昇圧,降圧する。平滑コンデンサ58は、PDU10からの直流電圧を平滑化し、平滑化した直流電圧を昇圧器8側に出力する。
【0036】
PDU10は、昇圧器8により昇圧された直流電圧をU,V,Wの3相交流電圧に変換し、モータ12のモータコイルに出力し、モータ12に発電された3相交流電圧を直流電圧に変換し、直流電圧を昇圧器8に出力する。PDU10は、IGBT素子70#UH,70#UL,フリーホイルダイオード72#UH,72#ULから成るU相アームと、IGBT素子70#VH,70#VL,フリーホイルダイオード72#VH,72#VLから成るV相アームと、IGBT素子70#WH,70#WL,フリーホイルダイオード72#WH,72#WLから成るW相アームからなる。
【0037】
各U,V,W相アームは昇圧器8のハイ側出力ライン及びロー側ラインに並列に接続されている。各IGBT素子70#UH,70#UL、IGBT素子70#VH,70#VL、およびIGBT素子70#UH,70#ULは直列に接続されている。各フリーホイルダイオード72#UH,72#VH,72#WHのカソード及びアノードは、IGBT素子70#UH,70#VH,70#WHのコレクタ及びエミッタにそれぞれ接続されている。各フリーホイルダイオード72#UL,72#VL,72#WLのカソード及びアノードは、IGBT素子70#UL,70#VL,70#WLのコレクタ及びエミッタに接続されている。
【0038】
図2はモータ12の駆動、回生時の制御を示すタイムチャートである。図2(a)はモータ12に設けられた図示しない回転角センサの出力波形であり、SEU,SEV,SEWはU,V,W相に対応する。図2(b)はモータ12の駆動時のIGBT素子70#UH,70#UL,70#VH,70#VL,70#WH,70#WLのゲートの入力波形である。図2(c)はモータ12の回生時のIGBT素子70#UH,70#UL,70#VH,70#VL,70#WH,70#WLのゲートの入力波形である。図2(b),2(c)中、SU1,SU2,SV1,SU2,SW1,SW2はIGBT素子70#UH,70#UL,70#VH,70#VL,70#WH,70#WLのゲートの入力波形に対応する。
【0039】
PDU10は、モータ12の駆動時には、図2(a),(b)に示すように、ECU20の制御により、IGBT素子70#UH,70#UL,70#VH,70#VL,70#WH,70#WLのゲートにハイレベルまたはローレベルが印加され、3相交流電流がモータ12のコイルに出力される。このように、モータ12の駆動時には、IGBT素子70#UH,70#UL,70#VH,70#VL,70#WH,70#WLのスイッチングが制御(以下、PDU10のスイッチング素子のスイッチング制御)される。
【0040】
また、PDU10は、モータ12の回生時には、図2(a),2(c)に示すように、ECU20の制御により、IGBT素子70#UH,70#UL,70#VH,70#VL,70#WH,70#WLがPWM制御(以下、PDU10のスイッチング素子のPWM制御)され、所望の直流電圧が出力される。
【0041】
モータ12は永久磁石式ロータを備えた3相交流モータである。エンジン14は、例えば、直列4気筒タイプのガソリンエンジンであり、モータ12を通して、図示しない自動変速機の入力軸に回転トルクを与える。
【0042】
補機充電用DCDC16は、1次側には、リアクトル16aと、スイッチ16bと、第1の電力供給ライン16cと、第2の電力供給ライン16dが設けられ、二次側には、リアクトル16eと、整流回路16fと、平滑回路16gが設けられている。一次側のハイ側端子は、第1の電力供給ライン16cにより、メインコンタクタ4#Hの昇圧器8のハイ端子側の接点に接続され、ロー側端子は、第2の電力供給ライン16dにより、メインコンタクタ4#Lのメインバッテリ2の負極側接点に接続されている。
【0043】
メインコンタクタ4#HをON,メインコンタクタ4#LをOFFすると、モータシステム6と補機充電用DCDC16の接続が遮断され、メインバッテリ2と補機充電用DCDC16が接続される。また、メインコンタクタ4#HをOFF,メインコンタクタ4#LをONすると、メインバッテリ2と補機充電用DCDC16の接続が遮断され、モータシステム6と補機充電用DCDC16が接続される。さらに、メインコンタクタ4#HをOFF,メインコンタクタ4#LをOFFすると、メインバッテリ2及びモータシステム6と補機充電用DCDC16の接続が遮断される。
【0044】
図3は補機充電用DCDC16の他の接続方法を示す図である。図3に示すように、一次側のハイ側入力端子を第1の電力供給ライン16cを通してメインコンタクタ4#Hのメインバッテリ2側の接点に接続し、ロー側入力端子を第2の電力供給ライン16dを通してメインコンタクタ4#Lの昇圧器8側の接点に接続しても良い。即ち、補機充電用DCDC16は、メインコンタクタ4#H,4#Lのいずれか一方をON,他方のOFFすることにより、モータシステム6及びメインバッテリ2のいずれか一方と選択的に接続可能となり、メインコンタクタ4#H,4#Lの双方をOFFすると、メインバッテリ2及びモータシステム6と補機充電用DCDC16の接続が遮断されれば良い。
【0045】
補機充電用DCDC16は、ECU20の制御に基づき、スイッチ16bをPWM制御し、1次側のハイ側端子及びロー側端子間に供給された、メインバッテリ2又は昇圧器8からの直流電圧から1次側のリアクトル16a及び2次のリアクトル16eに交流電圧を発生させ、これを整流器16fで整流し、平滑回路16gで平滑することにより、補機バッテリ18の電圧、例えば、12Vに降圧し、補機バッテリ18を給電する。
【0046】
補機バッテリ18は、補機充電用DCDC16の2次側の平滑回路16gの出力側に接続された12Vバッテリであり、ECU20、図示しないヘッドライト等の電装品等、及びメインコンタクタ4#H,4#Lの電磁石に低圧ラインを介して接続されている。尚、補機充電用DCDC16から出力される電力が補機バッテリ18及び低圧ラインを介して給電されるものを補機と呼ぶ。
【0047】
センサ入力部19は、温度センサ32,42,46、電圧センサ34,38,44、バッテリブロックセンサ30#c1〜30#cn、及び電流センサ36,40から出力された各電気信号を入力する。そして、入力したセンサ値のアナログ/デジタル変換を行い、センサ値に対応したデジタル信号をECU20に出力する。
【0048】
ECU20は、補機バッテリ18から給電され、次の機能を有する。
【0049】
(1)車両の減速時等、車両がエンジン14からの駆動力を必要としない所定の場合には、自動変速機よりモータ12に伝達される駆動力に基づき、モータ12を発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収するように、PDU10及び昇圧器8を制御する。さらに、エンジン14の出力がモータ12の回転軸に伝達された場合でもモータ12は発電機として機能し、発電エネルギーを発生するようPDU10及び昇圧器8を制御する。
【0050】
即ち、モータ12の回生の場合には、PDU10の出力電圧が目標電圧となるように、PDU10のスイッチング素子のPWM制御を行うとともに昇圧器8の出力電圧がメインバッテリ2又は補機充電用DCDC16に対する目標電圧となるように昇圧器8のスイッチング素子のPWM制御をする。
【0051】
(2)モータ12を電動機として機能させ、エンジン14を始動またはアシストするように昇圧器8及びPDU10を制御する。即ち、モータ12の駆動の場合には、昇圧器8の出力電圧が目標電圧となるように、昇圧器8の出力電圧がPDU6への目標電圧となるように昇圧器8のスイッチング素子のPWM制御をするとともにPDU10のスイッチング素子のスイッチング制御をし、目標トルクに対応する3相交流電圧を出力する。
【0052】
(3)メインバッテリ2又はモータシステム6にフェールが発生した場合は、後述するように、センサ入力部19より入力された、温度センサ32,42,46、電圧センサ34,38,44、バッテリブロックセンサ30#c1〜30#cn、電流センサ36,40の出力値に対応するデジタル信号値より、フェールの発生原因を特定し、発生原因に応じて、メインコンタクタ4#H,4#LのON/OFFの制御を行うことにより、補機充電用DCDC16の保護、並びにメインバッテリ2から補機充電用DCDC16への給電、またはモータシステム6から補機充電用DCDC16への給電をする。
【0053】
バッテリブロックセンサ30#c1〜30#cnは、メインバッテリ2の各ブロックの電圧Vc1〜Vcnを検出し、電圧に対応する電気信号をセンサ入力部19に出力する。温度センサ32は、メインバッテリ2の温度T1を検出し、温度T1に対応する電気信号をセンサ入力部19に出力する。電圧センサ34は、メインバッテリ2の正極と負極間の電圧V1を検出し、電圧V1に対応する電気信号をセンサ入力部19に出力する。
【0054】
電流センサ36は、メインコンタクタ4#Hの昇圧器8側の接点およびリアクトル52の一端に接続され、メインコンタクタ4#H,4#LがともにONの場合は、メインバッテリ2から昇圧器8側、又は昇圧器8からメインバッテリ2側に流れる電流A1を検出し、検出した電流A1に対応する電気信号をセンサ入力部19に出力する。
【0055】
電圧センサ38は、メインコンタクタ4#Hの昇圧器8側の接点およびメインコンタクタ4#Lの昇圧器8側の接点に接続され、モータ12の駆動動作中は昇圧器8の入力電圧V2(モータ12の回生動作中は出力電圧V2)を検出し、検出した電圧に対応する電気信号をセンサ入力部19に出力する。
【0056】
電流センサ40は、モータ12の駆動動作中は昇圧器8からPDU10への入力電流A2(モータ12の回生動作中はPDU10から昇圧器8への入力電流A2)を検出し、検出した電流A2に対応する電気信号をセンサ入力部19に出力する。
【0057】
温度センサ42は、昇圧器8の温度T2を検出し、検出した温度T2に対応する電気信号をセンサ入力部19に出力する。電圧センサ44は、昇圧器8の出力(入力)ラインとロー側ラインに接続され、モータ12の駆動動作中は昇圧器8の出力電圧V3(モータ12の回生動作中は昇圧器8の入力電圧V3)を検出し、検出した電圧V3に対応する電気信号をセンサ入力部19に出力する。温度センサ46は、PDU10の温度T3を検出し、検出した温度T3に対応する電気信号をセンサ入力部19に出力する。
【0058】
第1の実施形態
図4はECU20の本発明の第1実施形態による機能ブロック図である。図4に示すように、ECU20は、フェール検知手段100と、フェール原因特定手段102と、モータシステムフェール制御手段104と、メインバッテリフェール制御手段106と、ECUフェール制御手段108を実現するための記憶媒体に記憶されたプログラムを実行する。
【0059】
図5は、各フェール原因と、故障形態、発生事象および対応アクションを示す図である。
【0060】
(1)メインバッテリ2の故障例として、メインバッテリ2のセルが異常劣化、例えば、セルの内部抵抗が異常に上昇した場合が故障の形態である。この場合に、発生する事象として、あるバッテリブロック電圧センサ30#ciの電圧値Vciが異常値を示す。モータ12の駆動時は、セルの内部抵抗による電圧の異常低下により、バッテリブロック電圧センサ30#ciの電圧値Vciが異常低下する。また、モータ12の回生時は、セルの内部抵抗の電圧が異常に上昇し、バッテリブロック電圧センサ30#ciの電圧値Vciが異常上昇する。このようなメインバッテリ2の故障の場合、図5に示すように、メインバッテリ2と補機充電用DCDC16の接続を遮断、図1ではメインコンタクタ4#HをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#LをOFFする。
【0061】
(2)モータシステム6内の昇圧器8の故障例として、IGBT素子54#H,54#Lが駆動停止された場合が故障の形態である。IGBT素子54#H,54#Lが駆動停止となると、IGBT素子54#H,54#LがOFF状態のままになる。モータ12の駆動時、昇圧できなくなり、メインバッテリ2のバッテリ電圧がそのままPDU10に供給される。従って、昇圧器8の入力電圧V2=昇圧器8の出力電圧V3、バッテリ電流A1=昇圧器8の出力電流A2となる。また、モータ12の回生時、IGBT素子54#H及びフリーホイルダイオード56#HがともにOFF状態となり全く電流が流せなくなる。従って、昇圧器8の入力電流A2=昇圧器8の出力電流A1となり、PDU10の電力が放出されずに蓄積されることから、PDU10の出力電圧V3が上昇する。このような昇圧器8の故障の場合は、回生が全くできなくなることから、メインバッテリ2の残容量SOCは低下する一方になるため、補機充電用DCDC16をモータシステム6から切り離す、図1ではメインコンタクタ4#LをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#HをONし、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16に給電し、給電を補機充電用DCDC16のみに絞り込む。
【0062】
(3)モータシステム6内のPDU10の故障例として、IGBT素子72#UH,72#UL,72#VH,72#VL,72#WH,72#WLが駆動停止された場合が故障の形態である。IGBT素子72#UH,72#UL,72#VH,72#VL,72#WH,72#WLが駆動停止となり、IGBT素子72#UH,72#UL,72#VH,72#VL,72#WH,72#WLがOFF状態のままになる。モータ12の駆動時、モータ12の回転数に比例して逆起電力が増大し、この逆起電力がPDU10からモータ12へ供給可能な最大電圧以上になると、逆起電力に応じて、モータ12の界磁の磁束の方向(d軸)の電流を増大させて、等価的に界磁の磁束を弱めてd軸電機子反作用による弱め界磁制御を行っているが、モータ12が高回転中にこの異常が起こると、この弱め界磁制御が不能となり、メインバッテリ2に流れる電流が過大となる。従って、メインバッテリ2への入力電流A1および昇圧器8への入力電流A2が規定値よりも大となる。このようなPDU10の故障の場合は、補機充電用DCDC16をモータシステム6から切り離す、図1ではメインコンタクタ4#LをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#HをOFFし、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16に給電する。
【0063】
(4)ECU20の故障例として、ECU20の供給電源の異常、およびCPUの暴走が故障形態である。これらの故障が発生すると、ECU20のプログラムの動作が異常となり、この故障が発生するとECU20が定期的に所定のデータの出力するウォッチドッグが異常となることによりこれが検知される。このようなECU20の故障や故障原因が特定できない場合は、補機充電用DCDC16をメインバッテリ2及びモータシステム6から切り離す、図1及び図3ではメインコンタクタ4#H,4#LをOFFする。また、メインバッテリ2及びモータシステム6の双方が故障した場合にも、メインコンタクタ4#H,4#LをOFFする。
【0064】
(5)その他の故障として、メインバッテリ2、昇圧器8及びPDU10は正常であればそれぞれが一定温度以内であることから、それぞれの温度センサ32,42,46により検知された温度T1,T2,T3がそれぞれの上限温度値を越えるような場合は、それぞれの故障であることが検知される。
【0065】
フェール検知手段100は、センサ入力部19によりセンサ30#c1〜30#cn、32〜46の各センサ出力値がデジタル信号に変換された電気信号を受信する。そして、受信した各センサ出力値に基づいて、故障を検知する。例えば、各センサ出力値が図に示した故障発生事象に該当するか否か、又は温度センサ32,42,46が上限温度値を超えるか否かにより故障を検知する。故障が検知された場合は、フェールランプを点灯するとともに、フェール原因特定手段102に通知する。
【0066】
フェール原因特定手段102は、図5に示した故障発生事象に該当する故障形態、または、温度T1〜T3の異常が検出された故障箇所により、メインバッテリ2の故障、モータシステム6の故障(昇圧器8又はPDU10の故障)のいずれであるかを判別する。尚、ECU20の故障がECU20のプログラムが動作することにより実現されるフェール原因特定手段102により検知できない場合は、ECU20とは独立して動作するECU故障検知手段によりECU20の故障を検知するものとする。以下の説明では、フェール原因特定手段102によりECU20のフェールが検知できるものとする。尚、フェールが検知された場合でも、フェール原因が特定できない場合もありうる。
【0067】
モータシステムフェール制御手段104は、フェール原因特定手段102により、フェール原因がモータシステム6であり、メインバッテリ2にはフェール原因がないと判断された場合には、モータシステム6から補機充電用DCDC16への給電を正常に行うことができないため、補機充電用DCDC16への給電を禁止し、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16への給電を可能とするべく次の処理を行う。このように、補機充電用DCDC16への給電を優先するのは、補機充電用DCDC16より充電される補機バッテリ18によりECU20が給電されているからである。
【0068】
(1)メインコンタクタ4#H,4#LがONされ、補機充電用DCDC16とメインバッテリ2及びモータシステム6間が接続されているので、補機充電用DCDC16とモータシステム6の接続を遮断し、補機充電用DCDC16へのモータシステム6からの給電を禁止する。図1ではメインコンタクタ4#LをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#HをOFFする。一方、補機充電用DCDC16は、図1では、メインバッテリ2の正極とメインコンタクタ4#Hを通して接続され、メインバッテリ2の負極と直接接続され、図3では、メインバッテリ2の正極と直接接続され、メインバッテリ2の負極とメインコンタクタ4#Lを通して接続されていることから、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16に給電される。モータ6が回生中であるとき、メインコンタクタ4#L(図1)、メインコンタクタ4#H(図3)をOFFすることにより、リアクトル52のメインバッテリ2の正極側に高電圧が発生しても、補機充電用DCDC16とモータシステム6の間の接続が遮断されているので、補機充電用DCDC16に高電圧が印加されることがなく補機充電用DCDC16の破壊が防止できる。
【0069】
(2)補機バッテリ18の残容量SOCより補機バッテリ18を充電する必要があるかを判断する。補機バッテリ18を充電する必要がある場合には、補機充電用DCDC16のスイッチ16bをPWM制御することにより、補機バッテリ18を充電する。
【0070】
(3)メインバッテリ2のバッテリ残容量SOCが規定値よりも大である場合は、補機バッテリ18への充電を継続する。メインバッテリ2のバッテリ残容量SOCが規定値よりも小である場合は、メインバッテリ2が過放電状態となり劣化が極度に進行することを防止するべく、補機充電用DCDC16とメインバッテリ2との接続を遮断し、図1ではメインコンタクタ4#LをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#HをOFFし、補機バッテリ18への充電を停止する。
【0071】
メインバッテリフェール制御手段106は、フェール原因特定手段102により、フェール原因がメインバッテリ2であり、モータシステム6にはフェール原因がないと判断された場合には、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16への充電が正常に行うことができないため、メインバッテリ2から補機バッテリ18への充電を禁止し、モータシステム6から補機バッテリ18へ充電可能とするべく次の処理を行う。
【0072】
(1)メインコンタクタ4#H,4#LがONされ、補機充電用DCDC16とメインバッテリ2及びモータシステム6間が接続されているので、補機充電用DCDC16とメインバッテリ6の接続を遮断し、補機充電用DCDC16へのメインバッテリ2からの給電を禁止する。図1ではメインコンタクタ4#HをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#LをOFFする。一方、補機充電用DCDC16は、図1では、昇圧器8のハイ側に直接接続され、メインコンタクタ4#Lを通して、昇圧器8のロー側に接続され、図3では、メインコンタクタ4#Hを通して、昇圧器8のハイ側に接続され、昇圧器8のロー側に直接接続されていることから、モータシステム6から補機充電用DCDC16に給電される。
【0073】
(2)補機バッテリ18の残容量SOCより補機バッテリ18を充電する必要があるかを判断する。補機バッテリ18を充電する必要がある場合には、補機充電用DCDC16のスイッチ16bをPWM制御することにより、補機バッテリ18を充電する。
【0074】
ECU故障制御手段108は、フェール原因特定手段102により、フェール原因がECU20であると特定された場合、フェール原因が特定できない場合、または、フェール原因がメインバッテリ2及びモータシステム6にある場合、メインバッテリ2及びモータシステム6から補機充電用DCDC16への給電を禁止するべく次の処理を行う。
【0075】
図1及び図3ではメインコンタクタ4#H,4#LをOFFする。これにより、補機充電用DCDC16はメインバッテリ2およびモータシステム6から接続が遮断され、メインコンタクタ4#H,4#LをOFFすることによりリアクトル52のメインバッテリ2側に高電圧が発生しても、補機充電用DCDC16に高電圧が印加されることがなく、補機充電用DCDC16が保護される。
【0076】
図6は本発明の第1の実施形態のフェール検知時制御方法を示すフローチャートである。イグニッションスイッチがONされると、ECU20の制御により、メインコンタクタ4#H,4#LをONし、メインバッテリ2の高電圧V1を昇圧器8のスイッチング素子をPWM制御することにより所望の電圧V3に昇圧し、PDU10のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより、目標駆動トルクに対応する三相交流電圧をモータ12に供給し、モータ12を駆動し、その回転力によりエンジン14を始動する。その後、ECU20の制御により、モータ12を駆動することによりエンジン14のアシスト制御、また減速等所定の場合は回生制御を行うことにより、ハイブリッド車両の走行を制御する。
【0077】
フェール検知手段100は、センサ入力部19より入力されるセンサ30#c1〜30#cn、32〜46のセンサ出力値に基づいて、故障が発生したかを常時又は一定周期で監視している。ステップS2でフェール検知手段100はフェールが検知されたか否かを判断する。肯定判定ならば、ステップS4に進む。否定判定ならば、ステップS24に進む。ステップS4でフェールが検知されたので、フェール検知手段100は図示しないフェールランプを点灯し、運転車にフェールの発生を通知する。ステップS6でフェール原因特定手段102は上述したようにフェール原因がモータシステム6、メインバッテリ8およびECU20のいずれであるかを特定、またはフェール原因が特定されないかを判断する。
【0078】
ステップS8でフェール原因特定手段102はモータシステム6がフェールであるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS10に進む。否定判定ならば、ステップS16に進む。ステップS10でモータシステムフェール制御手段104は図1ではメインコンタクタ4#LをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#HをOFFし、補機充電用DCDC16とモータシステム6との間の接続を遮断する。一方、メインバッテリ2と補機充電用DCDC16との間が接続されているので、補機バッテリ18のバッテリ残容量より充電が必要な場合は、補機充電用DCDC16のスイッチ16bをPWM制御して、補機バッテリ18を充電する。ステップS12で補機充電用DCDC16がモータシステム6と切り離された状態で走行が継続される。
【0079】
ステップS14でメインバッテリ2の残容量が規定値よりも大であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップ12に戻って、必要に応じて補機バッテリ18をメインバッテリ2より充電する。否定判定ならば、ステップS22に進む。ステップS22で補機充電用DCDC16とメインバッテリ2を接続する、図1ではメインコンタクタ4#HをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#LをOFFし、メインバッテリ2と補機充電用DCDC16との間の接続を遮断することにより、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16への給電を停止し、ステップS24に進む。
【0080】
ステップS16でフェール原因特定手段102はメインバッテリ2がフェールであるか否か判定する。肯定判定ならばステップS22に進む。否定判定ならばステップS18に進む。ステップS22でメインバッテリフェール制御手段106は補機充電用DCDC16とメインバッテリ2を接続する、図1ではメインコンタクタ4#HをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#LをOFFし、メインバッテリ2と補機充電用DCDC16との間の接続を遮断し、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16への給電を停止する。
【0081】
このとき、モータシステム6がフェールしていない場合、補機充電用DCDC16とモータシステム6を接続する、図1ではメインコンタクタ4#HがON、図3ではメインコンタクタ4#LがONしているので、必要に応じて必要に応じて補機バッテリ18をモータシステム6より充電する。そして、ステップS24に進む。
【0082】
ステップS18でフェール原因特定手段102はECU20のフェールであるかフェール原因が特定できないと判断する。ステップS20でECUフェール制御手段108はメインコンタクタ4#H,4#Lを2つともOFFする。ステップS24で走行が継続される。通常、運転者は、フェールランプが点灯されているので、修理工場へと急ぐが、補機バッテリ18がフェール原因に応じてメインバッテリ2またはモータシステム6より充電されているので、工場に到着する前にバッテリ上がりにより車両が停止することを防止できる。
【0083】
以上説明した本実施形態によれば、モータシステム6のフェール時に、図1ではメインコンタクタ4#LをOFF、図3ではメインコンタクタ4#HをOFFすることにより、補機充電用DCDC16がモータシステム6から切り離される。したがって、フェールを検知してもメインコンタクタをOFFした瞬間に高電圧により補機充電用DCDC16が破壊されるという事象発生を防止できる。これにより、補機充電用DCDC16の破壊、その後の補機バッテリ18への給電不可、補機バッテリ18の上がり、車両走行停止に至るという状況が回避できる。
【0084】
また、モータシステム6がフェール、昇圧器8、PDU10、モータ12、配線がフェールしている時に、モータ12の発電による補機充電用DCDC16への給電が不可となるが、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16への給電できるので、補機バッテリ16の上がりに至るまでの走行時間を延長することができ、修理工場に到達するまでの間に補機バッテリ18の上がり〜車両停止となる危険性を小さくすることができる。
【0085】
メインバッテリ2から補機充電用DCDC16への給電は、メインバッテリ2の残容量が下限設定値となった時点で停止するので、メインバッテリ2が過放電状態となり劣化が極度に進行することを防止できる。
【0086】
メインバッテリ2がフェールしている場合には、モータシステム6からの補機充電用DCDC16へ給電することで、修理工場に到達するまでの走行における補機バッテリ18の上がりを防止できる。
【0087】
第2の実施形態
図7は本発明の第2の実施形態によるフェール検知時制御に係る機能ブロック図であり、図4中の構成要素と実質的に同一の構成要素には同一の符号を附している。フェール時共通制御手段150は、フェール検知手段100がフェールを検知した場合には、図1及び図3ではメインコンタクタ4#H,4#LをOFFして、補機充電用DCDC16とモータシステム6及びメインバッテリ2との接続を遮断する。これは、フェールが発生したとき、瞬時に補機充電用DCDC16をモータシステム6及びメインバッテリ2から切り離すことにより補機充電用DCDC16の保護を重視したためである。また、メインコンタクタ4#H,4#LのOFFにより、リアクトル52のメインバッテリ2側に高電圧が発生しても、補機充電用DCDC16に高電圧が印加されることはない。
【0088】
モータシステムフェール制御手段152は、フェール原因特定手段102により、フェール原因がモータシステム6にあり、フェール原因がメインバッテリ2にはないと判断された場合は、メインバッテリ2のフェールが発生していないので、メインバッテリ2から補機バッテリ18へ充電可能とするべく次の処理を行う。
【0089】
(1)メインバッテリ2と補機充電用DCDC16とを接続する、図1ではメインコンタクタ4#HをONし、図3ではメインコンタクタ4#LをONする。一方、モータシステム6と補機充電用DCDC16を接続する、図1ではメインコンタクタ4#L、図3ではメインコンタクタ4#HがOFFのままである。これにより、補機充電用DCDC16は、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16に給電される。
【0090】
(2)補機バッテリ18の残容量SOCより補機バッテリ18を充電する必要があるかを判断する。補機バッテリ18を充電する必要がある場合には、補機充電用DCDC16のスイッチ16bをPWM制御することにより、補機バッテリ18を充電する。
【0091】
(3)メインバッテリ2のバッテリ残容量SOCが規定値よりも大である場合は、補機バッテリ18への充電を継続する。メインバッテリ2のバッテリ残容量SOCが規定値よりも小である場合は、補機充電用DCDC16とメインバッテリ2を接続する、図1ではメインコンタクタ4#HをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#LをOFFし、補機充電用DCDC16とメインバッテリ2との接続を遮断し、補機充電用DCDC16への給電を停止する。
【0092】
メインバッテリフェール制御手段154は、フェール原因特定手段102により、フェール原因がメインバッテリ2であり、モータシステム6にはフェール原因がないと判断された場合には、モータシステム6にはフェールが発生していないので、モータシステム6から補機バッテリ18へ充電可能とするべく次の処理を行う。
【0093】
(1)補機充電用DCDC16とモータシステム6を接続する、図1ではメインコンタクタ4#LをONし、図3ではメインコンタクタ4#HをONする。一方、メインバッテリ2と補機充電用DCDC16を接続する、図1ではメインコンタクタ4#HはOFFのまま、図3ではメインコンタクタ4#LはOFFのままである。これにより、補機充電用DCDC16はモータシステム6から給電される。
【0094】
(2)補機バッテリ18の残容量SOCより補機バッテリ18を充電する必要があるかを判断する。補機バッテリ18を充電する必要がある場合には、補機充電用DCDC16のスイッチ16bをPWM制御することにより、補機バッテリ18を充電する。
【0095】
図8は本発明の第2の実施形態のフェール検知時制御方法を示すフローチャートである。イグニッションスイッチがオンされると、上述したと同様に、ECU20の制御により、図1及び図3ではメインコンタクタ4#H,4#LをONし、モータ12を駆動し、その回転力によりエンジン14を始動する。その後、ECU20の制御により、モータ12を駆動することによりエンジン14のアシスト制御、また減速等所定の場合は回生制御を行うことにより、ハイブリッド車両の走行を制御する。
【0096】
フェール検知手段100は、センサ入力部19より入力されるセンサ30#c1〜30#cn、32〜46のセンサ出力値に基づいて、フェールが発生したかを常時または一定周期で監視している。ステップS50でフェール検知手段100はフェールが検知されたか否かを判断する。肯定判定ならば、ステップS52に進む。否定判定ならば、ステップS74に進む。ステップS52でフェールが検知されたのでフェール時共通制御手段150は図1及び図3ではメインコンタクタ4#H,4#LをOFFする。
【0097】
ステップS54でフェールが検知されたのでフェール検知手段100は図示しないフェールランプを点灯し、運転車にフェールの発生を通知する。ステップS56でフェール原因特定手段102は上述したようにフェール原因が、モータシステム6、メインバッテリ8及びECU20のいずれであるかを特定する。
【0098】
ステップS58でフェール原因特定手段102はモータシステム6がフェールであるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS60に進む。否定判定ならば、ステップS68に進む。ステップS60でモータシステムフェール制御手段152は補機充電用DCDC16とメインバッテリ2を接続する、図1ではメインコンタクタ4#HをONし、図3ではメインコンタクタ4#LをONする。これにより、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16に給電されるので、必要に応じて、補機バッテリ18が充電される。一方、補機充電用DCDC16とモータシステム6を接続する、図1ではメインコンタクタ4#LがOFFされたままであり、図3ではメインコンタクタ4#HがOFFされたままである。ステップS62で走行が継続される。
【0099】
ステップS64でメインバッテリ2の残容量が規定値よりも大であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップ62に戻って、必要に応じて補機バッテリ18をメインバッテリ2より充電する。否定判定ならば、ステップS66に進む。ステップS66で補機充電用DCDC16とメインバッテリ2を接続する、図1ではメインコンタクタ4#HをOFFし、図3ではメインコンタクタ4#LをOFFし、メインバッテリ2と補機充電用DCDC16との間の接続を遮断することにより、メインバッテリ2から補機充電用DCDC16への給電を停止し、ステップS74に進む。
【0100】
ステップS68でフェール原因特定手段102はメインバッテリ2がフェールであるか否か判定する。肯定判定ならばステップS70に進む。否定判定ならばステップS72に進む。ステップS70でメインバッテリフェール制御手段154は補機充電用DCDC16とモータシステム6を接続する、図1ではメインコンタクタ4#LをONし、図3ではメインコンタクタ4#HをONする。これにより、モータシステム6から補機充電用DCDC16に給電されるので、必要に応じて、補機バッテリ18を充電し、ステップS70に進む。一方、補機充電用DCDC16とメインバッテリ2を接続する、図1ではメインコンタクタ4#HがOFFされたままであり、図3ではメインコンタクタ4#LがOFFされたままである。
【0101】
ステップS72でフェール原因特定手段102はECU20のフェールであるかフェール原因が特定できないと判断する。ステップS74で走行を継続する。通常、運転者は、フェールランプが点灯されているので、修理工場へと急ぐが、補機バッテリ18がフェール原因に応じてメインバッテリ2またはモータシステム6より充電されているので、工場に到着する前にバッテリ上がりにより車両が停止することを防止できる。
【0102】
以上説明した本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果がある上に、フェール発生時に、瞬時にメインバッテリ2及びモータシステム6から補機充電用DCDC16を切り離すことができる。
【0103】
第3の実施形態
図9は本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド車の概略構成図であり、図1中の構成要素と実質的に同一の構成要素には同一の符号を附している。図9に示すように、ハイブリッド車両の制御装置は、メインバッテリ2と、メインコンタクタ4#H,4#Lと、昇圧器8、PDU10及びモータ12を有するモータシステム6と、エンジン14と、補機充電用DCDC16と、補機バッテリ18と、ECU200と、複数個のバッテリブロック電圧センサ30#c1〜30#cnと、電圧センサ34,38,44と、電流センサ36,40と、プリチャージコンタクタ202と、DCDCバイパス回路204と、DCDCコンタクタ206と、図示しない自動変速機を含む。
【0104】
プリチャージコンタクタ202は、過大な突入電流が流れることを抑制して、平滑コンデンサ50が損傷するなどを防止するために、エンジン14の始動時にメインバッテリ2から平滑用コンデンサ50を抵抗202bを介して充電電流を流すことにより徐々に充電するためのものであり、コンタクタ202aと抵抗202bを有する。コンタクタ202aは、一方の接点がメインバッテリ2の正極に接続され、他方の接点が抵抗202bの一端に接続されている。抵抗202bは、一端がコンタクタ202aの他方の接点に接続され、他端が電流センサ36を通して昇圧器8のハイ側入力端子に接続されている。
【0105】
DCDCバイパス回路204は、メインバッテリ2によりエンジン14が始動できない場合に、モータシステム6と補機バッテリ18を接続し、補機バッテリ18からエンジン14を始動するための回路であり、バイパスコンタクタ204#H,204#Lを有する。バイパスコンタクタ204#H,204#Lのモータシステム6側の接続は、補機バッテリ18がモータシステム6に接続される構成であれば良いが、例えば、バイパスコンタクタ204#Hは、一方の接点がメインコンタクタタ4#Hの昇圧器8側の接点に接続され、他方の接点が補機バッテリ18の正極に接続され、バイパスコンタクタ204#Lは、一方の接点がメインコンタクタ4#Lのメインバッテリ2の負極側の接点に接続され、他方の接点が補機バッテリ18の負極に接続されている。バイパスコンタクタ204#H,204#LのON/OFFはECU200により制御される。
【0106】
DCDCコンタクタ206は、メインバッテリ2によるエンジン14の始動が不可であった場合に、メインバッテリ2により充電された平滑コンデンサ50の電荷を、補機充電用DCDC16の1次側のリアクトル16aを通してメインバッテリ2の負極側に放電することにより、平滑コンデンサ50の電圧V2を補機バッテリ18の電圧まで降圧するためのものであり、第1又は第2の電力供給ライン16c,16の途中に設けられる。例えば、第2の電力供給ライン16dの途中に設ける場合には、一方の接点を補機充電用DCDC16のロー入力端子に接続し、他方の接点を第2の電力供給ライン16dを通して、メインコンタクタ4#Lのメインバッテリ2の負極側接点に接続する。
【0107】
DCDCコンタクタ206のON,OFFはECU200により制御される。プリチャージコンタクタ202a、バイパスコンタクタ204#H,204#L及びDCDCコンタクタ206は1a接点構成であり、メインコンタクタ4#H,4#Lと同様である。
【0108】
ECU200は、第1の実施形態とは別に次の機能を有する。後述するように、エンジン14がメインバッテリ2より始動できない場合は、補機バッテリ18よりエンジン14を始動するようにメインコンタクタ4#H,4#L、プリチャージコンタクタ202a、バイパスコンタクタ204#H,204#L及びDCDCコンタクタ206のON,OFFを制御する。エンジン14のアシスト、回生の制御、フェール時の制御は、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様である。
【0109】
図10はECU200の第3の実施形態に係るエンジン始動制御の機能ブロック図である。図10に示すように、ECU200は、エンジン始動判定手段250と、補機バッテリエンジン始動制御手段252と、メインバッテリエンジン始動制御手段254を実現するため記憶媒体に記憶されたプログラムを実行する。エンジン始動判定手段250は、バッテリブロック電圧センサ30#c1〜30#cnより検出される電圧Vc1〜Vcn、電圧センサ34より検出されるメインバッテリ2の電圧V1、温度センサ32より検出されるメインバッテリ2の温度T1、メインバッテリ2の残容量SOCからエンジン14が始動不能であるかを判定する。
【0110】
エンジン14が始動不能であるかは、例えば、(1)電圧V1がエンジン14の始動に必要な規定電圧値よりも低下している場合、(2)メインバッテリ2の残容量SOCが規定容量よりも少ない場合、(3)メインバッテリ2の温度T1が規定温度よりも低い場合、(4)バッテリブロック電圧Vc1〜Vcnが規定電圧よりも低い場合である。このような場合は、メインバッテリ2からエンジン14の始動を試みるまでもなく、メインバッテリ2からのエンジン14の始動が不可であると判定できる。
【0111】
エンジン14の始動が不可であると判定された場合は、補機バッテリエンジン始動手段252に補機バッテリ18よりエンジン14の始動を指示する。このように、エンジン14の始動が不可であることが予め分かる場合はメインバッテリ2からエンジン14の始動を試みずに補機バッテリ18よりエンジン14を始動することにより、エンジン14をより早く始動することができる。エンジン14が始動不可であるとは判定されなかった場合は、メインバッテリエンジン始動手段254にメインバッテリ2よりエンジン14の始動を指示する。補機バッテリエンジン始動手段252は、次のようにして、補機バッテリ18よりエンジン14を始動する。
【0112】
(1)平滑コンデンサ56の電圧V2が補機バッテリ18の電圧に等しくなるようにメインバッテリ2から平滑コンデンサ50をプリチャージする。これは、過大な突入電流が平滑コンデンサ50に流れることによる平滑コンデンサ50の損傷を抑制すること、補機バッテリ18がエンジン14の始動のために必要とする消費電力を抑制するためである。具体的には、プリチャージコンタクタ202a及びメインコンタクタ4#LをONし、メインバッテリ2から抵抗202bを通して、平滑コンデンサ50に充電電流を流し、徐々に平滑コンデンサ50を充電する。尚、メインコンタクタ4#H,バイパスコンタクタ204#H,204#L,DCDCコンタクタ206はOFF状態である。
【0113】
(2)平滑コンデンサ56の電圧V2が規定電圧に達すると、プリチャージコンタクタ202aをOFFする。
【0114】
(3)平滑コンデンサ50の電圧V2が補機バッテリ18の電圧に等しくなるように徐々に降圧する。降圧は、昇圧器8のIGBT素子54#Lのゲートに印加するPWM信号のデューティ比を制御することにより補機バッテリ18の電圧に等しくなるように行う。IGBT素子54#LのONによる平滑コンデンサ50の電荷の放電及びIGBT素子54#LのOFFによるリアクトル52の逆起電力によるフリーホイルダイオード56#HのONによる平滑コンデンサ50の電荷の平滑コンデンサ58への転送により、平滑コンデンサ50の電圧V2が降圧される(以下、昇圧器8のスイッチング素子のPWM制御と呼ぶ)。
【0115】
(4)平滑コンデンサ56の電圧V2が補機バッテリ18の電圧に等しくなると、昇圧器8のIGBT素子54#LをOFF(昇圧器8の駆動を停止)し、バイパスコンタクタ204#H,204#LをONし、補機バッテリ18とモータシステム6間を接続する。
【0116】
(5)昇圧器8のスイッチング素子をPWM制御することにより平滑コンデンサ58の電圧V3を目標電圧に昇圧する。
【0117】
(6)PDU10のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより、目標駆動トルクに対応する3相交流電流をモータ12のコイルに流し、モータ12に目標駆動トルクを発生させ、エンジン14を始動する。
【0118】
(7)エンジン14が始動されると、モータ12の駆動トルクが0となるように、PDU10のスイッチング素子のスイッチングを制御する(モータ12を空転状態に制御する)。エンジン14が始動されると、ハイブリッド車両が所定の運転状態になるまではモータ12によるアシスト、回生は禁止されるからである。
【0119】
(8)バイパスコンタクタ202#H,202#LをOFFする。プリチャージコンタクタ202aをONし、平滑コンデンサ50をプリチャージする。その後、メインコンタクタ4#HをONし、モータ12の回生によるメインバッテリ2への充電及びモータ12の駆動のためのメインバッテリ2からの給電を可能とする。
【0120】
また、メインバッテリ2より始動したが、エンジン始動できなかった場合は、次のようにして、補機バッテリ18よりエンジン14を始動する。
【0121】
(1)PDU10のスイッチング素子をOFFすることによりメインバッテリ2からモータ12の駆動を停止する。
【0122】
(2)昇圧器8のスイッチング素子をOFFすることにより昇圧器8の作動を停止する。
【0123】
(3)メインコンタクタ4#HをOFFし、メインバッテリ2から平滑コンデンサ50への給電を停止する。
【0124】
(4)平滑コンデンサ50はメインバッテリ2より充電されていることから、昇圧器8の平滑コンデンサ50の電圧V2が補機バッテリ18の電圧に等しくなるまで降圧する。例えば、DCDCコンタクタ206をONし、平滑コンデンサ50の電荷を補機充電用DCDC16の1次側リアクトル16aを通して、メインバッテリ2の負極側に放電することにより、電圧V2が補機バッテリ18の電圧に等しくなるよう調整する。その後、DCDCコンタクタ206をOFFする。上記(4)〜(8)と同様にして、補機バッテリ18よりエンジン14を始動する。
【0125】
メインバッテリエンジン始動制御手段254は、次のようにして、メインバッテリ2よりエンジン14を始動する。プリチャージコンタクタ202aをONさせ、平滑用コンデンサ50の電圧V2を目標電圧までプリチャージする。プリチャージコンタクタ202aをOFFし、メインコンタクタ4#HをONする。昇圧器8のスイッチング素子をPWM制御し、コンデンサ50の電圧V2とコンデンサ58の電圧V3の電圧比が目標値になるようにコンデンサ50の電圧V2を昇圧する。PDU10のスイッチング素子をスイッチング制御することにより、モータ12に駆動トルクを発生させ、エンジン12を始動する。メインバッテリ2よりエンジン14が始動できなかった場合は、補機バッテリエンジン始動制御手段252に補機バッテリ18よりエンジン18を始動するよう指示する。
【0126】
図11及び図12は本発明に係るエンジン始動方法を示すフローチャートである。図11中のステップS100で図示しないイグニッションスイッチがオンされる。ステップS102でメインバッテリ2によりエンジン14の始動可能状態であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS104に進む。否定判定ならば、ステップS122に進む。ステップS104でメインコンタクタ4#L及びプリチャージコンタクタ202aをONさせて、平滑コンデンサ50の電圧V2が目標電圧になるまでプリチャージする。
【0127】
ステップS106でメインバッテリ2と昇圧器8を接続するメインコンタクタ4#HをONする。ステップS108で昇圧器8のスイッチング素子をPWM制御して、平滑コンデンサ58の電圧V3が目標電圧になるまで昇圧する。ステップS110でPDU10のスイッチング素子のスイッチングを制御して、3相交流電圧をモータ12に供給し、モータ12を駆動する。尚、ステップS104〜S110まではメインバッテリ2からのエンジン14の始動である。
【0128】
ステップS112でエンジン14が始動されたか否かを判定する。肯定判定ならば、図12中のステップS144に進む。否定判定ならば、ステップS114に進む。ステップS114でPDU10のスイッチング素子をOFFし、モータ14の駆動を停止する。ステップS116で昇圧器8のスイッチング素子をOFFし、昇圧器8の作動を停止する。ステップS118でメインコンタクタ4#HをOFFする。ステップS119でDCDCコンタクタ206をONさせて、平滑コンデンサ50の電荷を補機充電用DCDC16のリアクトル16aを通して、メインバッテリ2の負極側に放電することにより、電圧V2を降圧する。あるいは、昇圧器8のIGBT素子52#LをPWM制御して、平滑コンデンサ50の電圧V2が補機バッテリ18の電圧に等しくなるまで徐々に低下させる。ステップS120で平滑コンデンサ50の電圧V2が補機バッテリ18の電圧に等しいか否かを判定する。肯定判定ならばステップS121に進む。否定判定ならばステップS119に戻る。ステップS121でDCDCコンタクタ206をOFFし、図12中のステップS127に進む。
【0129】
ステップS122でメインバッテリ2よりエンジン14が始動できないのでプリチャージコンタクタ202a及びメインバッテリ2の負極とモータシステム6を接続するメインコンタクタ4#LをONして、平滑コンデンサ50の電圧V2が所定電圧までプリチャージする。ステップS123でプリチャージコンタクタ202aをOFFする。ステップS124で昇圧器8のIGBT素子52#LをPWM制御して、平滑コンデンサ50の電圧V2が補機バッテリ18の電圧に等しくなるまで徐々に低下させる。ステップS125で平滑コンデンサ50の電圧V2が補機バッテリ18の電圧に等しいか否かを判定する。肯定判定ならばステップS126に進む。否定判定ならばステップS124に戻る。ステップS126で昇圧器8のスイッチング素子をOFF、昇圧器8の駆動を停止し、図12中のステップS127に進む。
【0130】
図12中のステップS127でバイパスコンタクタ202#H,202#LをONする。ステップS128で昇圧器8のスイッチング素子をPWM制御し、平滑コンデンサ56の電圧V3を目標電圧まで昇圧する。ステップS130でPDU10のスイッチング素子のスイッチングを制御して、3相交流電流をモータ12に流して、モータ12を駆動する。ステップS132でエンジン14が始動されたか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS134に進む。否定判定ならば、ステップS146に進み、エンジン始動不可を表示して、終了する。
【0131】
ステップS134でPDU10のスイッチング制御をしてモータ12の駆動トルクが0になるよう空転状態に制御する。ステップS136でDCDCバイパス回路204のパイパスコンタクタ204#H,204#LをOFFする。ステップS138でプリチャージコンタクタ202aをONし、平滑コンデンサ50をプリチャージする。ステップS140でプリチャージコンタクタ202aをOFF,メインバッテリ2とモータシステム6を接続するメインコンタクタ4#HをONする。ステップS142でモータ12の空転状態を解除し、昇圧器8のスイッチング素子のPWM制御及びPDU10のスイッチング素子のスイッチング又はPWM制御により、エンジン12のアシスト及び回生作動を開始する。ステップS144でエンジン12が始動されたので、エンジン12のアシスト、回生などを行う通常の運転を開始する。
【0132】
以上説明した本実施形態によれば、DCDCバイパス回路204を追加するだけで、メインバッテリ2の出力低下時に補機バッテリでのエンジン18の始動が可能となり、スタータモータと制御回路の設置や、メインバッテリ充電用の補機昇圧システムの設置を不要としてシステムの小型化・簡素化が図れる。DCDCバイパス回路204を設置することで、補機充電用DCDC16の双方向出力化、大電流化などが必要なくなり、DCDCの大型化・システム複雑化を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施形態によるハイブリッド車両の制御装置の概略構成図である。
【図2】モータの駆動・回生の制御を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態によるハイブリッド車両の制御装置の概略構成図である。
【図4】本発明の第1の実施形態によるECUの機能フロック図である。
【図5】フェール原因の特定方法を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態によるフェール検知時の制御方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態によるECUの機能ブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態によるフェール検知時の制御方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態によるハイブリッド車両の制御装置の概略構成図である。
【図10】本発明の第3の実施形態によるECUの機能ブロック図である。
【図11】本発明の実施形態によるエンジン始動方法を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態によるエンジン始動方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0134】
2 メインバッテリ
4#H,4#L メインコンタクタ
6 モータシステム
8 昇圧器
10 PDU
12 モータ
14 エンジン
16 補機充電用DCDC
18 補機バッテリ
20 ECU




 

 


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