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ハイブリッド車両 - 本田技研工業株式会社
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発明の名称 ハイブリッド車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−22527(P2007−22527A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2006−197362(P2006−197362)
出願日 平成18年7月19日(2006.7.19)
代理人 【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
発明者 天沼 弘勝 / 杉山 哲 / 押田 修司
要約 課題
ハイブリッド車両の前輪および後輪にそれぞれ接続された第1、第2モータ・ジェネレータの回生制動力の配分比を適切に設定して高い制動性能が得られるようにする。

解決手段
車両Vの回生制動時に、第1、第2モータ・ジェネレータMG1,MG2への回生制動力の配分比を理想配分比となるように制御するので制動性能を高めることができる。休筒によりエンジンEの回転抵抗を低減した状態で車両Vを回生制動するとき、バッテリBの残容量が所定値を超えたらエンジンEの休筒を解除するとともに、休筒の解除によるエンジンEの回転抵抗の増加分を相殺するように第2モータ・ジェネレータMG2の発電電力で第1モータ・ジェネレータMG1を駆動するので、バッテリBが過充電になるのを防止できるだけでなく、休筒の解除時のエンジンEの回転抵抗の増加に伴うショックを第1モータ・ジェネレータMG1の駆動力で低減することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
休筒により回転抵抗を低減可能なエンジン(E)を第1モータ・ジェネレータ(MG1)およびトランスミッション(T)を介して第1駆動輪(Wf)に接続するとともに、第2モータ・ジェネレータ(MG2)を第2駆動輪(Wr)に接続し、第1、第2モータ・ジェネレータ(MG1,MG2)を蓄電手段(B)に接続して駆動あるいは回生するハイブリッド車両において、
車両(V)の回生制動時に、第1、第2モータ・ジェネレータ(MG1,MG2)への回生制動力の配分比を、車両(V)の前後加速度(XG)に応じた理想配分比となるように制御するとともに、エンジン(E)を休筒して車両(V)を回生制動する際に蓄電手段(B)の残容量が所定値を超えたらエンジン(E)の休筒を解除し、休筒の解除によるエンジン(E)の回転抵抗の増加分を相殺するように、第2モータ・ジェネレータ(MG2)の発電電力で第1モータ・ジェネレータ(MG1)を駆動することを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項2】
第1、第2駆動輪(Wf,Wr)はそれぞれ前輪および後輪であり、車両(V)の降坂時に第2モータ・ジェネレータ(MG2)への回生制動力の配分比を前記理想配分比よりも減少させることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項3】
車両(V)の降坂時における路面傾斜度を、車速(Vv)および車両(V)の前後加速度(XG)に基づいて算出することを特徴とする、請求項2に記載のハイブリッド車両。
【請求項4】
第1、第2駆動輪(Wf,Wr)はそれぞれ前輪および後輪であり、車両(V)の横加速度(YG)が所定値を越え、かつ車速(Vv)が所定値を越えたときに第2モータ・ジェネレータ(MG2)への回生制動力の配分比を前記理想配分比よりも減少させることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項5】
車両(V)の横加速度(YG)を、車速(Vv)および操舵角(θ)に基づいて算出することを特徴とする、請求項4に記載のハイブリッド車両。
【請求項6】
第2モータ・ジェネレータ(MG2)への回生制動力の配分比の減少制御を操舵開始に応じて実行することを特徴とする、請求項4または請求項5に記載のハイブリッド車両。
【請求項7】
第1、第2駆動輪(Wf,Wr)はそれぞれ前輪および後輪であり、車両(V)のヨーレート(YAW)が所定値を越えたときに第2モータ・ジェネレータ(MG2)への回生制動力の配分比を前記理想配分比よりも減少させることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項8】
機械式ブレーキの作動時に、前記理想配分比により決まる第2駆動輪(Wr)の制動力を第2モータ・ジェネレータ(MG2)および機械式ブレーキにより発生させ、蓄電手段(B)の残容量により制限された第2モータ・ジェネレータ(MG2)の回生制動力の不足分を機械式ブレーキの制動力によって補うことを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項9】
機械式ブレーキのブレーキ圧が所定値を越えたとき、第2モータ・ジェネレータ(MG2)の回生制動を許可する蓄電手段(B)の残容量の閾値を増加させることを特徴とする、請求項8に記載のハイブリッド車両。
【請求項10】
第1、第2駆動輪(Wf,Wr)はそれぞれ前輪および後輪であり、路面摩擦係数の減少に応じて第2モータ・ジェネレータ(MG2)への回生制動力の配分比を増加させることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項11】
ABS制御中に第1、第2モータ・ジェネレータ(MG1,MG2)の回生制動を禁止することを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、休筒により回転抵抗を低減可能なエンジンを第1モータ・ジェネレータおよびトランスミッションを介して第1駆動輪に接続するとともに、第2モータ・ジェネレータを第2駆動輪に接続し、第1、第2モータ・ジェネレータを蓄電手段に接続して駆動あるいは回生するハイブリッド車両に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるハイブリッド車両は、下記特許文献により公知である。このハイブリッド車両は、第1モータ・ジェネレータおよび第2モータ・ジェネレータの何れかの作動が制限された場合でも、前後輪への駆動力あるいは回生制動力の配分比を適切に制御して走行安定性を確保すべく、第1、第2モータ・ジェネレータの熱定格の相互関係を特定の状態(具体的には、第1モータ・ジェネレータの熱定格が第2モータ・ジェネレータの熱定格よりも高い状態)に設定している。
【特許文献1】特開2001−112114号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前後輪にそれぞれ第1、第2モータ・ジェネレータを備えたハイブリッド車両が、その減速時に第1、第2モータ・ジェネレータを共に回生制動して電気エネルギーの回収を行う場合、第1、第2モータ・ジェネレータの制動力の配分比が不適切であると車両挙動が不安定になって適切な制動効果が得られない場合がある。しかも第1、第2モータ・ジェネレータの制動力の適切な配分比は車両の運転状態に応じて変化するため、前記制動力の配分比を一律に設定するだけでは不充分である。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ハイブリッド車両の第1、第2駆動輪にそれぞれ接続された第1、第2モータ・ジェネレータの回生制動力の配分比を適切に設定して高い制動性能が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、休筒により回転抵抗を低減可能なエンジンを第1モータ・ジェネレータおよびトランスミッションを介して第1駆動輪に接続するとともに、第2モータ・ジェネレータを第2駆動輪に接続し、第1、第2モータ・ジェネレータを蓄電手段に接続して駆動あるいは回生するハイブリッド車両において、車両の回生制動時に、第1、第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比を、車両の前後加速度に応じた理想配分比となるように制御するとともに、エンジンを休筒して車両を回生制動する際に蓄電手段の残容量が所定値を超えたらエンジンの休筒を解除し、休筒の解除によるエンジンの回転抵抗の増加分を相殺するように、第2モータ・ジェネレータの発電電力で第1モータ・ジェネレータを駆動することを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0006】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、第1、第2駆動輪はそれぞれ前輪および後輪であり、車両の降坂時に第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比を前記理想配分比よりも減少させることを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0007】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、車両の降坂時における路面傾斜度を、車速および車両の前後加速度に基づいて算出することを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0008】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、第1、第2駆動輪はそれぞれ前輪および後輪であり、車両の横加速度が所定値を越え、かつ車速が所定値を越えたときに第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比を前記理想配分比よりも減少させることを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0009】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、車両の横加速度を、車速および操舵角に基づいて算出することを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0010】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項4または請求項5の構成に加えて、第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比の減少制御を操舵開始に応じて実行することを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0011】
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、第1、第2駆動輪はそれぞれ前輪および後輪であり、車両のヨーレートが所定値を越えたときに第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比を前記理想配分比よりも減少させることを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0012】
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、機械式ブレーキの作動時に、前記理想配分比により決まる第2駆動輪の制動力を第2モータ・ジェネレータおよび機械式ブレーキにより発生させ、蓄電手段の残容量により制限された第2モータ・ジェネレータの回生制動力の不足分を機械式ブレーキの制動力によって補うことを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0013】
また請求項9に記載された発明によれば、請求項8の構成に加えて、機械式ブレーキのブレーキ圧が所定値を越えたとき、第2モータ・ジェネレータの回生制動を許可する蓄電手段の残容量の閾値を増加させることを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0014】
また請求項10に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、第1、第2駆動輪はそれぞれ前輪および後輪であり、路面摩擦係数の減少に応じて第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比を増加させることを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0015】
また請求項11に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、ABS制御中に第1、第2モータ・ジェネレータの回生制動を禁止することを特徴とするハイブリッド車両が提案される。
【0016】
尚、実施例のバッテリBは本発明の蓄電手段に対応し、実施例の前輪Wfおよび後輪Wrはそれぞれ本発明の第1駆動輪および第2駆動輪に対応する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の構成によれば、第1、第2駆動輪にそれぞれ第1、第2モータ・ジェネレータを接続したハイブリッド車両において、車両の回生制動時における第1、第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比を、車両の前後加速度に応じた理想配分比となるように制御するので、車両の急減速時にも緩減速時にも第1、第2駆動輪への制動力配分比を常に最適な値に保って制動性能を高めることができる。
【0018】
しかも休筒によりエンジンの回転抵抗を低減した状態で車両を回生制動するとき、蓄電手段の残容量が所定値を超えたらエンジンの休筒を解除するとともに、休筒の解除によるエンジンの回転抵抗の増加分を相殺するように第2モータ・ジェネレータの発電電力で第1モータ・ジェネレータを駆動するので、第2モータ・ジェネレータの発電電力を第1モータ・ジェネレータで消費して蓄電手段が過充電になるのを防止できるだけでなく、休筒の解除時のエンジンの回転抵抗の増加に伴うショックを第1モータ・ジェネレータの駆動力で低減することができる。
【0019】
また請求項2の構成によれば、車両の降坂時に後輪に接続された第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比を減少させるので、降坂時に接地荷重が減少する後輪への制動力配分比を減少させて車輪ロックの発生を防止することができる。
【0020】
また請求項3の構成によれば、路面傾斜度を車速および車両の前後加速度に基づいて算出するので、車両の走行中であっても路面傾斜度を正確に算出することができる。
【0021】
また請求項4の構成によれば、車両の横加速度が所定値を越え、かつ車速が所定値を越えたときに後輪に接続された第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比を減少させるので、高速での旋回時に後輪への制動力配分比を減少させて安定した制動性能を確保することができる。
【0022】
また請求項5の構成によれば、車両の横加速度を車速および操舵角に基づいて算出するので、特別の横加速度センサを必要とせずに横加速度を正確に算出することができる。
【0023】
また請求項6の構成によれば、第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比の減少制御を操舵開始に応じて実行するので、横加速度が発生しない非操舵時に無駄な演算を行う必要がない。
【0024】
また請求項7の構成によれば、車両のヨーレートが所定値を越たときに後輪に接続された第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比を減少させるので、旋回時に後輪への制動力配分比を減少させて安定した制動性能を確保することができる。
【0025】
また請求項8の構成によれば、制動力の理想配分比により決まる第2駆動輪の制動力を第2モータ・ジェネレータおよび機械式ブレーキにより発生させる際に、蓄電手段の残容量により制限された第2モータ・ジェネレータの回生制動力の不足部を機械式ブレーキの制動力によって補うので、蓄電手段の過充電を回避しながら理想配分比に見合う制動力を第2駆動輪に発生させることができる。
【0026】
また請求項9の構成によれば、機械式ブレーキのブレーキ圧が所定値を越えると第2モータ・ジェネレータの回生制動を許可する蓄電手段の残容量の閾値が増加するので、大きな制動力を必要とする緊急時に第2モータ・ジェネレータに最大限の回生制動を発生させることができる。
【0027】
また請求項10の構成によれば、路面摩擦係数の減少に応じて後輪に接続された第2モータ・ジェネレータへの回生制動力の配分比を増加させるので、低路面摩擦係数時に後輪への制動力配分比を増加させて安定した制動性能を確保することができる。
【0028】
また請求項11の構成によれば、ABS制御中に第1、第2モータ・ジェネレータの回生制動を禁止するので、ABS制御が回生制動と干渉するのを防止して車輪のロックを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0030】
図1〜図13は本発明の一実施例を示すもので、図1はハイブリッド車両の動力伝達系の全体構成図、図2は前後輪の回生制動力算出ルーチンのフローチャート、図3は路面摩擦係数更新ルーチンのフローチャート、図4は後輪制動力減算ルーチンのフローチャート、図5は旋回判定ルーチンのフローチャート、図6はブレーキオン回生増減ルーチンのフローチャート、図7はSOC所定値算出ルーチンのフローチャート、図8はSOC判定ルーチンのフローチャート、図9は後輪の制動力配分比、車両の減速度および横加速度の関係を示すグラフ、図10は路面摩擦係数に応じた前後輪の理想制動力配分比を示すグラフ、図11は後輪の制動力配分比、車両の減速度および路面摩擦係数の関係を示すグラフ、図12はブレーキ圧と回生制動を許可するSOCとの関係を示すグラフ、図13は全筒運転時および休筒運転時のエンジンの回転負荷を示すグラフである。
【0031】
図1に示すように、ハイブリッド車両Vは、全気筒を休筒可能なエンジンEが第1モータ・ジェネレータMG1およびトランスミッションTを介して第1駆動輪である前輪Wf,Wfに接続され、第2モータ・ジェネレータMG2が第2駆動輪である後輪Wr,Wrに接続される。蓄電手段としてのバッテリBは第1、第2モータ・ジェネレータMG1,MG2に接続され、車両Vの横加速度YG、ヨーレートYAW、操舵角θ、車輪速度、路面傾斜度、SOC(バッテリBの残容量)、ブレーキ圧およびABS信号(アンチロックブレーキシステムの作動信号)が入力される電子制御ユニットUにより、エンジンE、第1モータ・ジェネレータMG1および第2モータ・ジェネレータMG2の作動が制御される。
【0032】
横加速度YGは専用のセンサで検出しても良いが、操舵角θに応じて決まる旋回半径Rと車速Vvとに基づいて、YG=Vv2 /Rにより算出することができ、これにより専用のセンサを廃止することができる。また路面傾斜度を車体に対する重力の方向に基づいて検出すると、車両Vの加減速時に誤差が発生する問題があるが、路面傾斜度を車速Vvおよび車速Vvを微分した車両Vの前後加速度XGに基づいて算出することで、前記誤差の発生を回避することができる。
【0033】
尚、エンジンEの休筒時には燃料供給および点火制御の停止だけでなく、エンジンEの回転抵抗を低減して第1モータ・ジェネレータMG1の回生制動による発電を効果的に行うために、吸気バルブの閉弁によるポンピングロス低減制御が併せて行われる。
【0034】
しかして、車両Vの低負荷走行時にはエンジンEを停止させて第1モータ・ジェネレータMG1および/または第2モータ・ジェネレータMG2で前輪Wf,Wfおよび/または後輪Wr,Wrを駆動して走行し、高負荷走行時にはエンジンEで前輪Wf,Wfを駆動して走行するとともに、必要に応じて第1モータ・ジェネレータMG1および/または第2モータ・ジェネレータMG2を駆動してエンジンEの駆動力をアシストする。また車両Vの減速時には第1モータ・ジェネレータMG1および/または第2モータ・ジェネレータMG2をジェネレータとして機能させることで、車両Vの運動エネルギーを電気エネルギーとして回収してバッテリBを充電する。
【0035】
次に、前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの回生制動力算出ルーチンのフローチャートを、図2に基づいて説明する。
【0036】
先ず、ステップS1で車輪速度から算出した車速Vvが負値であって車両Vが減速中であれば、ステップS2で車速Vvを微分することで車両Vの前後加速度XGを算出する。続くステップS3で路面摩擦係数を更新した後、ステップS4で車両Vの減速度に応じた前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの回生制動力の配分比を算出する。例えば図9において、減速度が0.6Gのときには、後輪Wr,Wrの制動力の配分比は理想配分比である36%に設定され、減速度が0.45Gのときには同じく34%に設定され、減速度が0.35Gのときには同じく31%に設定される。続くステップS5で前記制動力の配分比に基づいて前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの回生制動力、つまり第1モータ・ジェネレータMG1および第2モータ・ジェネレータMG2の回生制動力を算出する。
【0037】
尚、図9のグラフで、横加速度YG=0G、0.2G、0.25Gのラインは。そのラインよりも下の領域では車両Vの操舵特性がオーバーステアあるいはアンダーステアになる限界ラインを示しており、前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの制動力配分比が理想配分比から外れても、前記限界ラインの上側にあれば、オーバーステアあるいはアンダーステアの発生が抑制される。例えば、車両Vの横加速度YGが0Gであり、車両Vが減速度0.5Gで減速しているとき、後輪Wr,Wrの制動力配分比が25%以下になるとアンダーステアが発生し、後輪Wr,Wrの制動力配分比が44%以上になるとオーバーステアが発生することになる。
【0038】
次に、路面摩擦係数による後輪Wr,Wrへの制動力配分比の制御を、図10および図11に基づいて説明する。
【0039】
図10には、前輪Wf,Wfを第1モータ・ジェネレータMG1の回生制動力で制動し、後輪Wr,Wrを第2モータ・ジェネレータMG2の回生制動力で制動する際の、前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの制動力の理想配分比の路面摩擦係数による変化が示される。路面摩擦係数が大きい通常のドライ路では後輪Wr,Wrの制動力配分比が少なく設定されているが、路面摩擦係数が小さくなるにつれて、つまり路面状態がドライ路→ウエット路→圧雪路→アイス路と変化するに伴って、後輪Wr,Wrの制動力の理想配分比が次第に増加する。勿論、路面摩擦係数の減少に伴って、車輪ロックが発生しないように前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの制動力の大きさは共に減少する。
【0040】
図11からも明らかなように、高路面摩擦係数の路面では発生可能な最大減速度が大きい(−1G)だけでなく、最大減速度が得られる後輪Wr,Wrの制動力配分比(22%)が低いのに対し、低路面摩擦係数の路面では発生可能な最大減速度が小さい(−0.3G)だけでなく、最大減速度が得られる後輪Wr,Wrの制動力配分比(37%)が高くなっている。
【0041】
このように、路面摩擦係数の減少に伴って後輪Wr,Wrに接続された第2モータ・ジェネレータMG2の制動力配分比を増加させることで、路面状態が種々に変化しても常に適切な制動性能を確保することができる。
【0042】
続くステップS6で所定の条件が成立したときに、前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrのトータルの回生制動力を一定に保持しながら、後輪Wr,Wrの回生制動力を減算して前輪Wf,Wfの回生制動力を加算する。続くステップS7でSOCの大きさに応じて後輪Wr,Wrのトータルの制動力を一定に保持しながら、回生制動および機械式ブレーキ(油圧ブレーキ)の制動力の比率を増減する。続くステップS8で後輪Wr,Wrの回生制動中にバッテリBが過充電になるのを防止するSOC判定処理を行い、最後にステップS9で前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの回生制動指令を出力する。
【0043】
次に、前記ステップS3のサブルーチンを図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0044】
先ず、ステップS11で現在の車両Vの減速度を算出する。車両Vの減速度は車両Vの前後加速度XGに相当するが、前後加速度XGは路面傾斜度に応じて変化するため、ここでは前後加速度XGを路面傾斜度で補正して平坦な路面における車両Vの減速度を算出する。続くステップS12で現在の車両Vの減速度および制動力から路面摩擦係数の今回値μ1を算出する。続くステップS13で路面摩擦係数の今回値μ1が前回値μ0よりも大きければ、ステップS14で路面摩擦係数の前回値μ0を今回値μ1で書き換える。
【0045】
一方、前記ステップS13で前記路面摩擦係数の今回値μ1が前回値μ0以下であれば、ステップS15で前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの車輪速度を算出するが、車両Vの旋回中には旋回内輪と旋回外輪とで車輪速度が変化するため、ここでは操舵角θに応じて補正した直進走行時の車輪速度を算出する。続くステップS16で前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wr間の差回転が所定値を越えていれば、即ち車輪のスリップ率が大きければ、ステップS17でスリップ時の駆動力により路面摩擦係数の今回値μ2を算出し、ステップS18で路面摩擦係数の前回値μ0を今回値μ2で書き換える。一方、前記ステップS16で前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wr間の差回転が所定値以下であれば、即ち車輪のスリップ率が小さければ、ステップS19で路面摩擦係数の前回値μ0をそのまま今回値として保持する。
【0046】
次に、前記ステップS6のサブルーチンを図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0047】
先ず、ステップS21で路面傾斜度に基づいて車両Vが降坂中であると判定されると、ステップS22で後輪Wr,Wrの回生制動力を減算し、その分だけ前輪Wf,Wfの回生制動力を加算する処理(その1)を実行する。降坂中には後輪Wr,Wrに加わる車体重量が減少して前輪Wf,Wfに加わる車体重量が増加するため、後輪Wr,Wrへの制動力配分を減少させることで後輪Wr,Wrのロックを防止することができる。
【0048】
続くステップS23で操舵角θに基づいて操舵が開始されたことが判定されると、ステップS24で車両Vが所定の旋回状態にあるか否かを判定する。ここで前記ステップS24のサブルーチンを図5のフローチャートに基づいて説明すると、先ずステップS31で横加速度YGが所定値以下であれば、ステップS32で旋回中フラグを「0」(つまり非旋回中)にリセットする。前記ステップS31で横加速度YGが所定値を越えており、かつステップS33で車速Vvが所定値を越えていれば、ステップS34で旋回中フラグを「1」(つまり旋回中)にセットする。
【0049】
図4のフローチャートに戻り、ステップS25で旋回フラグが「1」にセットされていて車両Vが旋回中であれば、ステップS26で後輪Wr,Wrの回生制動力を減算し、その分だけ前輪Wf,Wfの回生制動力を加算する処理(その2)を実行する。車両Vの旋回中に前輪Wf,Wfへの制動力配分を増加させることで、車両Vの挙動を安定させることができる。
【0050】
続くステップS27で車両VのヨーレートYAWが所定値を越えていれば、この場合にも車両Vが旋回中であると判定し、前記ステップS26と同様に、ステップS28で後輪Wr,Wrの回生制動力を減算し、その分だけ前輪Wf,Wfの回生制動力を加算する処理(その3)を実行し、旋回中における車両Vの挙動を安定させる。
【0051】
横加速度YGによる減算処理を例にとって説明すると、図9において横加速度YGが0G→0.2G→0.25Gのように増加すると、車両Vの最大減速度が0.6G→0.45G→0.35Gのように減少するだけでなく、後輪Wr,Wrの制動力の理想配分比は36%→34%→31%のように減少する。
【0052】
次に、前記ステップS7のサブルーチンを図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0053】
先ず、ステップS41でドライバーがブレーキペダルを踏んだとき、ステップS42で車速Vvが所定値を越えていると、ステップS43でSOC所定値(回生制動を許可するSOC)を算出する。ここで前記ステップS43のサブルーチンを図7のフローチャートに基づいて説明すると、先ずステップS51で機械式ブレーキのブレーキ圧を検知し、ステップS52でブレーキ圧が所定値を越えていれば、ステップS53で図12のSOC1をSOC所定値とし、前記ステップS52でブレーキ圧が所定値以下であれば、ステップS54で図10のSOC2をSOC所定値とする。
【0054】
このように、機械式ブレーキのブレーキ圧が大きいとき、つまり大きな制動力が必用なときに、バッテリBが過充電になるのを覚悟の上で、第2モータ・ジェネレータMG2の回生制動を許可するSOC所定値をSOC1からSOC2へと増加させるので、緊急時に第2モータ・ジェネレータMG2の回生制動を確実に実行させて大きな制動力を発生させることができる。
【0055】
図6のフローチャートに戻り、ステップS44でSOCがSOC所定値未満であれば、バッテリBを更に充電する余裕があるので、ステップS45で後輪Wr,Wr側の第2モータ・ジェネレータMG2の回生制動力を増加させ、その分だけ機械式ブレーキの制動力を減少させる。逆に前記ステップS44でSOCがSOC所定値以上であれば、バッテリBが過充電になる虞があるので、ステップS46で後輪Wr,Wr側の第2モータ・ジェネレータMG2の回生制動力を減少させ、その分だけ機械式ブレーキの制動力を増加させる。これにより、バッテリBの過充電を防止しながら、回生制動によるエネルギー回収効率を最大限に高めることができる。
【0056】
次に、前記ステップS8のサブルーチンを図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0057】
先ず、ステップS61で後輪Wr,Wr(第2モータ・ジェネレータMG2)が回生制動中であるとき、ステップS62でSOCが所定値を越えると、ステップS63で休筒状態のエンジンEを全筒状態に復帰させるとともに、ステップS64で第1モータ・ジェネレータMG1を駆動する。
【0058】
図13から明らかなように、エンジンEの全筒時の回転抵抗(つまりエンジンブレーキ力)は、吸気バルブの閉弁制御によりポンピングロスを低減した休筒時の回転抵抗よりもαだけ小さいため、前記ステップS63で休筒状態のエンジンEを全筒状態に復帰させると、ポンピングロス分に相当する回転抵抗の増加でショックが発生するが、前記ステップS64で第1モータ・ジェネレータMG1を駆動することで、回転抵抗の増加分を相殺してショックの発生を防止することができる。そして前記ステップS61で第2モータ・ジェネレータMG2の回生制動により発生した回生電力を、第1モータ・ジェネレータMG1の駆動で消費することで、バッテリBが過充電になるのを防止することができる。
【0059】
以上のように、第1、第2モータ・ジェネレータMG1,MG2を回生制動して車両Vを減速する際に、その減速度に応じた理想配分比となるように第1、第2モータ・ジェネレータMG1,MG2の回生制動力の指令値を決定するので、前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの制動力の配分比を適切に制御して車両Vを確実に制動することができる。
【0060】
また車両Vの高速旋回時には、その旋回状態に応じて後輪Wr,Wrの制動力の配分比を減少させるので、安定した旋回状態を保ちながら車両Vを確実に制動することができる。
【0061】
尚、機械式ブレーキの制動力を調整して車輪のロックを防止するABS制御中には第1、第2モータ・ジェネレータMG1,MG2の回生制動が禁止され、これによりABS制御と回生制動とが干渉するのが防止される。
【0062】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0063】
例えば、ポンピングロス低減手段は実施例に限定されず、スロットルバルブを全閉してポンピングロスを低減するものでも良い。
【0064】
また蓄電手段はバッテリBに限定されず、キャパシタ等の他の蓄電手段であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】ハイブリッド車両の動力伝達系の全体構成図
【図2】前後輪の回生制動力算出ルーチンのフローチャート
【図3】路面摩擦係数更新ルーチンのフローチャート
【図4】後輪制動力減算ルーチンのフローチャート、
【図5】旋回判定ルーチンのフローチャート
【図6】ブレーキオン回生増減ルーチンのフローチャート
【図7】SOC所定値算出ルーチンのフローチャート
【図8】SOC判定ルーチンのフローチャート
【図9】後輪の制動力配分比、車両の減速度および横加速度の関係を示すグラフ
【図10】路面摩擦係数に応じた前後輪の理想制動力配分比を示すグラフ
【図11】後輪の制動力配分比、車両の減速度および路面摩擦係数の関係を示すグラフ
【図12】ブレーキ圧と回生制動を許可するSOCとの関係を示すグラフ
【図13】全筒運転時および休筒運転時のエンジンの回転負荷を示すグラフ
【符号の説明】
【0066】
B バッテリ(蓄電手段)
E エンジン
MG1 第1モータ・ジェネレータ
MG2 第2モータ・ジェネレータ
T トランスミッション
V 車両
Vv 車速
Wf 前輪(第1駆動輪)
Wr 後輪(第2駆動輪)
XG 前後加速度
YAW ヨーレート
YG 横加速度
θ 操舵角




 

 


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