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発明の名称 自動二輪車のエンジン懸架構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−22243(P2007−22243A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−205345(P2005−205345)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100091823
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 昌之
発明者 柳田 貴之 / 守岩 毅人 / 横山 充
要約 課題
エンジン振動の車体フレームへの伝達を効率よく遮断することができる自動二輪車のエンジン懸架構造を提供する。

解決手段
車体フレーム2とエンジン10とに各々回動自在に連結される連結部を有する一対のリンク70、90によってエンジン10をフローティング支持し、これらリンク70、90の各連結部を車体側面視で同一直線α上に配列させて、この直線αに対して略直交する方向へのエンジン振動の車体フレームへの伝達を遮断するようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
ヘッドパイプから車体後下方に延出する車体フレームにエンジンを懸架した自動二輪車のエンジン懸架構造において、
前記車体フレームと前記エンジンとを回動自在に連結する複数のリンクの各連結部を車体側面視で略同一直線上に配列したことを特徴とする自動二輪車のエンジン懸架構造。
【請求項2】
前記エンジンの加振力の方向を前記直線に直交させて前記エンジンを懸架したことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のエンジン懸架構造。
【請求項3】
前記リンクの連結部にラバーブッシュを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車のエンジン懸架構造。
【請求項4】
前記エンジンの前後方向の動きを規制し、回動方向の動きを許容するストッパリンクをエンジン出力軸の近傍に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動二輪車のエンジン懸架構造。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレームに懸架されたエンジンの車体フレームへの振動の伝達を抑制する自動二輪車のエンジン懸架構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体の所定位置に設定した衝撃中心から放射状に広がる複数の直線上に各々車体フレームとエンジンとを回動自在に連結する複数のリンクの各連結部を配列して衝撃中心を中心とする円周方向に回動自在にエンジンを懸架した自動二輪車のエンジン懸架構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種のものでは、エンジンが運転時に振動すると、エンジンが衝撃中心を中心とし、リンクを介して円周方向に扇状に回動し、この場合、各リンクがエンジンの動きを阻害しないため、車体フレームへの振動の伝達が抑制される、とされている。
【特許文献1】特開昭58−122277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の構成では、多数のリンクを同一中心に向けて配置しているので、その設定が困難である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、エンジン振動の車体フレームへの伝達を効率よく抑制することができる自動二輪車のエンジン懸架構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述課題を解決するため、本発明は、ヘッドパイプから車体後下方に延出する車体フレームにエンジンを懸架した自動二輪車のエンジン懸架構造において、前記車体フレームと前記エンジンとを回動自在に連結する複数のリンクの各連結部を車体側面視で略同一直線上に配列したことを特徴とする。
この発明によれば、車体フレームとエンジンとを回動自在に連結する複数のリンクの各連結部を車体側面視で略同一直線上に配列したので、各リンクが車体フレームに連結された連結部を基準に回動する方向をほぼ揃えることができ、多数のリンクを同一中心に向けて配置する場合に比して配置設定が容易であり、エンジン振動の車体フレームへの伝達を効率よく抑制することができる。
【0005】
この場合において、前記エンジンの加振力の方向を前記直線に直交させて前記エンジンを懸架させるようにしてもよい。この構成によれば、エンジンの加振力の方向が、複数のリンクの各連結部が配列される直線に直交するので、エンジンの振動方向が、複数のリンクの車体フレームに連結された連結部を基準に回動する方向に略一致し、エンジン振動の車体フレームへの伝達を効率よく抑制することができる。
【0006】
この場合において、前記リンクの連結部にラバーブッシュを設けるようにしてもよい。この構成によれば、ラバーブッシュがエンジンの振動を吸収するので、エンジン振動の車体フレームへの伝達をより確実に抑制することができる。
また、上記各場合において、前記エンジンの前後方向の動きを規制し、回動方向の動きを許容するストッパリンクをエンジン出力軸の近傍に設けるようにしてもよい。この構成によれば、ストッパリンクがエンジンの前後方向の動きを規制するので、エンジンの出力軸と後輪軸との軸間距離の変動を回避することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、車体フレームとエンジンとを回動自在に連結する複数のリンクの各連結部を車体側面視で略同一直線上に配列したので、各リンクが車体フレームに連結された連結部を基準に回動する方向を揃えて、かかる方向へのエンジンの動きを阻害せず、エンジン振動の車体フレームへの伝達を効率よく抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態を添付した図面を参照して説明する。なお説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、車体に対してのものとする。
図1は、本実施形態に係る自動二輪車の全体構成を示す側面図である。
この自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から車体後下方に延出するメインフレーム20と、このメインフレーム20のヘッドパイプ3近傍から車体下方に延出し、前輪5の後方で車体後方に屈曲して車体後方に延出する左右一対のダウンフレーム30と、ダウンフレーム30の後端とメインフレーム20とが連結される左右一対のピボットプレート40とを有し、これらフレーム20、30及び40に囲まれる間隙内にエンジン10を懸架している。
【0009】
この自動二輪車1は、車体フレーム2のヘッドパイプ3に回動自在に支持されるフロントフォーク4と、フロントフォーク4に軸支される前輪5と、フロントフォーク4を回動操作するための操舵用ハンドル6と、車体フレーム2の後部に上下に揺動自在に支持されるリアフォーク7と、リアフォーク7に軸支される後輪8と、リアフォーク7と車体フレーム2との間に介挿されるリアクッション9とを備え、前輪5及び後輪8間で車体フレーム2にエンジン10が支持されている。
また、この自動二輪車1は、エンジン10の上方位置で車体フレーム2に支持される合成樹脂製のラゲッジボックス11と、このラゲッジボックス11の後方位置で車体フレーム2に支持される燃料タンク12と、ラゲッジボックス11及び燃料タンク12を覆うリッドを兼ねる開閉自在なシート13と、車体の略全体を覆う車体カバー14とを備え、シート下に収納空間を有する車両に構成されている。
【0010】
上記エンジン10は、クランクケース15と、クランクケース15のクランク軸15Aにコンロッドを介して連結されたピストンが往復自在に配置されるシリンダブロック16と、シリンダヘッド17とを備えている。このエンジン10は、クランクケース15に対してシリンダブロック16が略水平に前傾された前傾シリンダの4サイクルエンジン(いわゆる水平エンジン)であり、この構成では、エンジン10の全高を低くできるので、上記ラゲッジボックス11にフルフェイス型のヘルメットを収納し得る大容量の収納空間を確保しつつ、シート高の増加を抑えることができる。また、エンジン10の重心位置が低くなり、車両が低重心化される。
【0011】
このエンジン10は、シリンダヘッド17の上部に吸気口17Aを有し、この吸気口17Aは、エルボ状の吸気管50を介して、エンジン10とメインフレーム20との間の間隙に配置された気化器51に接続されている。この気化器51は、ダウンフレーム30間に配置されたエアクリーナボックス52に連結され、これら吸気管50、気化器51及びエアクリーナボックス52からなる吸気系が、エンジン10とメインフレーム20とダウンフレーム30とによって囲まれる間隙内に効率よく収容されている。
シリンダヘッド17の下部には、図示せぬ排気口が形成され、この排気口は、排気管を介して排気マフラーに接続されている。また、シリンダヘッド17の車体前側には、エンジン10内のオイルを冷却するオイルクーラ53が配設されている。
【0012】
このエンジン10では、クランク軸15Aの一端にアウターロータ式の発電機が接続されると共に、クランク軸15Aの他端に発進クラッチが接続されており、クランクケース15の上方には発進モータ54が配置されている。この構成では、発進クラッチを備えるため、クランク軸15Aがアイドリング程度の回転数で回転する程度では、発進クラッチによりクランク軸15Aとエンジン10の出力軸15Bとの間の動力伝達が断たれ、クランク軸15Aの回転数が所定回転数を超えると、クランク軸15Aの回転が出力軸15Bに伝達される。この出力軸15Bと後輪8間にはスプロケット55、56が設けられ、これらスプロケット55、56にはドライブチェーン57が巻回され、このドライブチェーン57を介してエンジン10の動力が後輪8に伝達される。
【0013】
つぎに、車体フレーム2の構成を説明する。
メインフレーム20は、図2に示すように、ヘッドパイプ3から車体後下方に延出する比較的大径のメインパイプ21と、このメインパイプ21の後端部にクロスメンバ22を介して連結されて車体後方に延出し、その後端が互いに連結される左右一対のリアパイプ23とを備えている。このリアパイプ23は、メインパイプ21の後半部に沿って水平に近い角度で後方下向きに延びるリアパイプ前部23Aと、このリアパイプ前部23Aの後端から、図1に示すように、後輪8の前面に沿って上方に屈曲し、更に後方に延びるリアパイプ後部23Bとを有しており、リアパイプ後部23Bには、リアクッション9の上端を支持するブラケット23B1が設けられている。
【0014】
一対のピボットプレート40は、図2に示すように、上部がリアパイプ前部23Aの内側面に各々連結され、下部がブラケット41を介してダウンフレーム30の後端に各々連結されている。そして、ピボットプレート40間には、図1に示すように、リアフォーク7の前端が枢軸42を介して上下に揺動自在に連結されている。
【0015】
ダウンフレーム30は、図1に示すように、左右一対のL字状のダウンパイプ31と、これらダウンパイプ31の下方前端部間をブラケット32を介して連結するクロスパイプ33と、このクロスパイプ33の左右両端から左右に張り出して左右のダウンパイプ31の中間部に連結されるフロア支持パイプ34とを備えており、フロア支持パイプ34は、車体カバー14に設けられた左右のフロア部材を支持している。上記ダウンパイプ31の垂直部31Aには、中央部から若干下寄りにクロスメンバ35が設けられ、このクロスメンバ35を挟んで上方の間隙内に上記エアクリーナボックス52が配設され、下方に、エンジン10に向けて走行風を供給する開口が形成され、車体カバー14には、この開口の前方に整流フィン14Aが設けられている。また、これらダウンパイプ31の水平部31Bには、図2に示すように、フロア支持パイプ34の連結位置の前後に各々クロスメンバ36、37が設けられている。
【0016】
つぎに、エンジン懸架構造を説明する。
このエンジン10は、図3に示すように、エンジン10の下部前後が、前側リンク90及び後側リンク70で支持され、エンジン10の上部が、ストッパリンク80で支持され、いわゆる3点フローティング支持されている。
前側リンク90の前方の連結部90Aは、上述した前側のクロスメンバ36に固定された、略コの字状に形成されたリンクブラケット39にシャフトボルト62Eを介して回動自在に連結され、後方の連結部90Bは、エンジン10にシャフトボルト62Eを介して回動自在に連結されている。
【0017】
後側リンク70の後方の連結部70Aは、ピボットプレート40にシャフトボルト60Fを介して回動自在に連結され、前方の連結部70Bは、エンジン10にシャフトボルト60Eを介して回動自在に連結されている。ストッパリンク80は、エンジン10上部の後部と、ピボットプレート40との間に掛け渡されている。ピボットプレート40の枢軸42の上方にはクロスメンバ45が設けられ、一方(車体左側)のピボットプレート40には、図2に示すように、上記クロスメンバ45で補強される部位の外側に、車体側方に向けて雌ねじ穴46A(図5)を有する円柱状のボルト締結部46が設けられ、このボルト締結部46に対し、ストッパリンク80の後方の連結部80Aが、車体側方からシャフトボルト61Fを貫通させることにより、回動自在に連結されている。また、ストッパリンク80の前方の連結部80Bは、図3に示すように、エンジン10にシャフトボルト61Eを介して連結されている。
【0018】
さらに、本構成では、図3に示すように、エンジン10の下動を防止するストッパ38が後側のクロスメンバ37に配設され、エンジン10の上動を防止するストッパ24がリアパイプ前部23Aのクロスメンバ22に配設され、各ストッパ24、38は防振ゴム等の防振効果を有する部材で形成されている。
【0019】
図4は、前側リンク90及び後側リンク70の断面図である。
前側リンク90の連結部90Aは、シャフトボルト62Fが挿通される2つのインナーカラー91A、91Bと、インナーカラー91A、91B間に配置されるスペーサ92とを備え、上記シャフトボルト62Fが、ワッシャW1を介してリンクブラケット39の一側部から上記インナーカラー91A、スペーサ92、インナーカラー91Bを順に通された後、リンクブラケット39の他側部から露出するねじ部分がワッシャW2を介してナットNTにより締結され、これにより、インナーカラー91A、91Bがシャフトボルト62Fの外周面を回転自在に支持されている。
【0020】
これらインナーカラー91A、91Bの外周には、各々防振効果を有するラバーブッシュ94A、94Bが配置され、これらラバーブッシュ94A、94Bの外周にアウターカラー93が挿通される。これにより、アウターカラー93が、ラバーブッシュ94A、94Bを間に挟んでインナーカラー91A、91Bと一定的に回動自在に支持され、これにより、ラバーブッシュ94A、94Bによりアウターカラー93とインナーカラー91A、91Bとの間の振動伝達が抑制される。
また、上記アウターカラー93には、左右一対のエンジンブラケット95A、95Bが一体的に設けられている。
【0021】
前側リンク90の連結部90Bは、上記一対のエンジンブラケット95A、95Bとエンジンとをシャフトボルト62Eを介して回動自在に連結するものであり、エンジン10の前側下部に形成された貫通孔100に配列されてシャフトボルト62Fが挿通される2つのインナーカラー96A、96Bと、インナーカラー96A、96B間に配置されるスペーサ97とを備え、上記シャフトボルト62Eが、ワッシャW1を介して一方のエンジンブラケット95A、インナーカラー96A、スペーサ97、インナーカラー96B、他方のエンジンブラケット95Bを順に通された後、他方のエンジンブラケット95Bの外側に露出するねじ部分がワッシャW2を介してナットNTにより締結され、インナーカラー91A、91Bがシャフトボルト62Fの外周面を回転自在に支持される。
また、上記インナーカラー96A、96Bと貫通孔100との間の間隙には、各々防振効果を有するラバーブッシュ98A、98Bが介挿され、これにより、エンジン10が、連結部90Bを介してシャフトボルト62Eに回動自在に連結され、かつ、ラバーブッシュ98A、98Bにより、エンジン10とインナーカラー96A、96Bとの間の振動伝達が抑制されている。
【0022】
本構成では、連結部90Aのラバーブッシュ94A、94Bが、アウターカラー93とインナーカラー91A、91Bとの間の振動伝達を抑制するので、車体フレーム2と連結部90Bとの間の振動伝達が抑制され、かつ、連結部90Bのラバーブッシュ98A、98Bが、エンジン10とインナーカラー96A、96Bとの間の振動伝達を抑制するので、エンジン10と連結部90Aとの間の振動伝達が抑制され、これらによって、エンジン10と車体フレーム2との間の振動伝達が抑制され、エンジン振動の車体フレーム2への振動伝達が抑制される。
【0023】
また、後側リンク70についても同様であって、その連結部70Aは、シャフトボルト60Fが挿通される2つのインナーカラー71A、71Bと、インナーカラー71A、71B間に配置されるスペーサ72とを備え、上記シャフトボルト60Fが、ワッシャW1を介して一方のピボットプレート40、インナーカラー71A、スペーサ72、インナーカラー71B、他方のピボットプレート40を順に通された後、他方のピボットプレート40の外側に露出するねじ部分がワッシャW2を介してナットNTにより締結され、これにより、インナーカラー76A、76Bがシャフトボルト60Fの外周面を回転自在に支持されている。
【0024】
インナーカラー76A、76Bの外周には、各々防振効果を有するラバーブッシュ74A、74Bが配置され、これらラバーブッシュ74A、94Bの外周にアウターカラー73が挿通され、アウターカラー73が、ラバーブッシュ74A、74Bを間に挟んでインナーカラー71A、71Bと一定的に回動自在に支持されると共に、ラバーブッシュ74A、74Bによりアウターカラー73とインナーカラー71A、71Bとの間の振動伝達が抑制される。
また、上記アウターカラー93には、左右一対のエンジンブラケット75A、75Bが一体的に設けられている。
【0025】
後側リンク70の連結部70Bは、上記一対のエンジンブラケット75A、75Bとエンジン10とをシャフトボルト60Eを介して回動自在に連結するものであり、エンジン10の後側下部に形成された貫通孔110に配列されてシャフトボルト60Fが挿通される2つのインナーカラー76A、76Bと、インナーカラー76A、76B間に配置されるスペーサ77とを備え、上記シャフトボルト60Eが、ワッシャW1を介して一方のエンジンブラケット75A、インナーカラー76A、スペーサ77、インナーカラー76B、他方のエンジンブラケット75Bを順に通された後、他方のエンジンブラケット75Bの外側に露出するねじ部分がワッシャW2を介してナットNTにより締結され、インナーカラー71A、71Bがシャフトボルト60Fの外周面を回転自在に支持される。
また、上記インナーカラー76A、76Bと貫通孔110との間の間隙には、各々防振効果を有するラバーブッシュ78A、78Bが介挿され、これにより、エンジン10が、連結部70Bを介してシャフトボルト60Eに回動自在に連結され、かつ、ラバーブッシュ78A、78Bによりエンジン10とインナーカラー76A、76Bとの間の振動伝達が抑制されている。
【0026】
これによっても、連結部70Aのラバーブッシュ74A、74Bが、アウターカラー73とインナーカラー71A、71Bとの間の振動伝達を抑制するので、車体フレーム2と連結部90Bとの間の振動伝達が抑制され、かつ、連結部90Bのラバーブッシュ98A、98Bが、エンジン10とインナーカラー96A、96Bとの間の振動伝達を抑制するので、エンジン10と連結部90Aとの間の振動伝達が抑制され、これらによって、エンジン10と車体フレーム2との間の振動伝達が抑制され、エンジン振動の車体フレーム2への振動伝達が抑制される。
【0027】
図5は、ストッパリンク80の断面図である。
ストッパリンク80の連結部80Aは、シャフトボルト61Fより大径の貫通孔81を備え、この貫通孔81には、アウターカラー84、自己潤滑性を有する材料からなる自己潤滑性ブッシュ83A、83B、インナーカラー82が挿入され、シャフトボルト61Fが、インナーカラー82の内周孔を通された後、ピボットプレート40のエンジンの出力軸15Bの近傍かつ上方に配置されたボルト締結部46に締結され、これによって、ストッパリンク80が、車体フレーム2に締結されたシャフトボルト61Fの軸を中心に自己潤滑性ブッシュ83A、83Bを介して低摩擦で回動自在に連結されている。
上記アウターカラー84は、図5に示すように、ストッパリンク80の幅H0よりも長く形成され(図中、長さをH1で示す)、このアウターカラー84の両側部に、自己潤滑性ブッシュ83A、83Bのつば部が当接して、各つば部とストッパリンク80の側面との間に間隙γが確保され、これら間隙γにはOリングRGが各々配置されて貫通孔81内へのゴミや水分の侵入が防止される。
【0028】
連結部80Bについても、上記連結部80Aと同様に、シャフトボルト61Eより大径の貫通孔85を備え、この貫通孔85には、アウターカラー88、自己潤滑性を有する材料からなる自己潤滑性ブッシュ87A、87B、インナーカラー86が挿入され、シャフトボルト61Eが、インナーカラー86の内周孔を通された後、クランクケース15のエンジン出力軸15Bの上方位置に締結され、これによって、ストッパリンク80が、エンジン10に締結されたシャフトボルト61Eの軸を中心に自己潤滑性ブッシュ87A、87Bを介して低摩擦で回動自在に連結される。また、この連結部80Bのアウターカラー88についても、上記アウターカラー84と同様に、ストッパリンク80の幅H0よりも長く形成され(図中、長さをH1)、アウターカラー88の両側部に、自己潤滑性ブッシュ87A、87Bのつば部が当接して、各つば部とストッパリンク80の側面との間に間隙γが確保され、これら間隙γにはOリングRGが各々配置されて貫通孔85内へのゴミや水分の侵入が防止される。なお、これら部品は上記連結部80Aと同一の部品が適用され、各部品の共通化が図られる。
【0029】
本実施形態では、図3に示すように、上記前側リンク90の連結部90A、90Bと、後側リンク70の連結部70A、70Bとが、車体側面視で、略水平方向に沿った同一の直線α上に配列されている。
【0030】
ところで、エンジン10の振動源はピストンやコンロッドの往復動で発生する往復運動部分の慣性力であり、この慣性力によるエンジン10のクランク軸15Aに作用する加振力F’は、一般にはクランクウェイトを取り付けることにより低減することが可能であり、また、クランクウェイトの重量と取り付け位置等の調整により上記加振力F’の方向を任意の方向に設定することができる。
本構成では、加振力F’の方向が、エンジン10を車体フレーム2に懸架させた状態で、上記一対のリンク70、90の連結部70A、70B、90A、90Bが配列される同一直線αに直交する方向(=方向β)に設定される。
これによれば、図3に示すように、前側リンク90が、車体フレーム2に連結された連結部90Aを基準に回動する方向X1と、後側リンク70が車体フレーム2に連結された連結部70Aを基準に回動する方向X2とを、車体側面視で、上記直線αの垂直方向βにほぼ揃えることができる。
【0031】
このように、加振力F’の方向を、リンク70、90の配列方向(直線α)に直交させた場合、エンジン10の振動方向が、一対のリンク70、90の車体フレーム2に連結された連結部70A、90Aを基準に回動する方向X2、X1(β方向)と略一致し、エンジン10が、加振力F’の方向に略直線的に振動する場合でも、各リンク70、90が、エンジン10の動きを阻害することがない。
従って、本構成では、エンジン振動の車体フレーム2への伝達を効率よく抑制することができる。また、本構成では、前側リンク90と後側リンク70を同一構成にしているので、各部品の共通化を図ることができる。さらに、本構成では、一対のリンク90、70の連結部90A、90B、70A、70Bにラバーブッシュ74A、74B、78A、78Bを設けたので、これらラバーブッシュによっても、エンジン振動の車体フレーム2への伝達を抑制することができる。また、一対のリンク90、70の連結部90A、90B、70A、70Bを車体側面視で略同一直線上に配列しているので、その配置設定が容易である。
【0032】
また、本構成では、ストッパリンク80が、エンジン10の前後方向の動きを規制すると共に、回動方向の動きを許容するように配設され、しかも、その連結部80Aを基準に回動する方向X3が、上記方向βに略一致するように配設されている。そのため、これによっても、エンジン10の動きを阻害することなく、エンジン振動の車体フレーム2への伝達を充分に抑制することができる。
【0033】
このストッパリンク80は、出力軸15Aを挟んで後側リンク70と対向し、しかも、このストッパリンク80は、エンジン出力軸15Aの近傍に設けられる。出力軸15Aの近傍に、エンジン10の前後方向の動きを規制するストッパリンク80を設けたことにより、エンジン10の前後方向の動きがほぼ確実に阻止され、従って、出力軸15A(スプロケット55の軸)と後輪軸(スプロケット56の軸)の軸間距離が変動してしまう事態を回避でき、ドライブチェーン57の張りを適切に維持してエンジン10の動力を安定的に後輪8に伝達させることができる。
特に、本構成では、ストッパリンク80を高強度なピボットプレート40のエンジン出力軸15Aに近い位置に連結したので、エンジン10の前後方向の動きをほぼ確実に抑えることが可能になる。
【0034】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでないことは明らかである。例えば、上記実施形態では、シリンダが略水平に前傾した前傾シリンダエンジンの懸架構造に本発明を適用する場合について述べたが、それ以外の前傾シリンダエンジンの懸架構造に適用してもよく、また、シリンダが前傾していないエンジン、V型エンジン等の懸架構造に適用してもよい。
また、上記実施形態では、前側リンク90、後側リンク70及びストッパリンク80の3つのリンクでエンジン10を懸架する場合を説明したが、前側リンク90或いは後側リンク70を各々左右に配置する等、4つ以上のリンクを配置してもよく、また、ストッパリンク80を省略してもよい。要は、ストッパリンク80を除く複数のリンクの各連結部を、車体側面視で略同一直線上に配列させればよく、これにより、エンジン振動の車体フレーム2への伝達を効率よく低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態に係る自動二輪車の全体構成を示す側面図である。
【図2】エンジンを外した状態の車体フレームをその周辺構成と共に示す斜視図である。
【図3】エンジンをその周辺構成と共に示す側面図である。
【図4】前側リンクと後側リンクの断面図である。
【図5】ストッパリンクの断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 自動二輪車
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
10 エンジン
15 クランクケース
15A クランク軸
15B 出力軸
16 シリンダブロック
17 シリンダヘッド
20 メインフレーム
24、38 ストッパ
30 ダウンフレーム
40 ピボットプレート
60F、60E、61F、61E、62F、62E シャフトボルト
70 後側リンク
70A、70B、80A、80B、90A、90B 連結部
74A、74B、78A、78B、94A、94B、98A、98B ラバーブッシュ
80 ストッパリンク
83A、83B、87A、87B つば付きブッシュ(自己潤滑性ブッシュ)
90 前側リンク




 

 


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