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発明の名称 自動2輪車の車体構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−22150(P2007−22150A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−203286(P2005−203286)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人 【識別番号】100089509
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 清光
発明者 宮川 太 / 上田 幸也 / 小山 克己
要約 課題

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
エンジンを支持するためのフレーム部材を前フレームと後フレームに分割し、それぞれをエンジンの前後へ締結することにより、エンジンを車体フレームの一部として利用した自動2輪車において、
前記フレーム部材とエンジンの締結部のうち少なくとも一つが、フレーム部材側に形成されたボルト通し穴と、エンジン側に形成されたネジ穴の相互を同軸にする位置決め手段を備えたことを特徴とする自動2輪車の車体構造。
【請求項2】
前記位置決め手段が段付ボルトであることを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車の車体構造。
【請求項3】
前記位置決め手段がノックピンとボルトであることを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車の車体構造。
【請求項4】
前記位置決め手段を備えたフレーム部材が前記前フレームであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載した自動2輪車の車体構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この出願は、エンジンを支持するためのフレーム部材を前フレームと後フレームに分割し、それぞれをエンジンの前後へ締結することにより、エンジンを車体フレームの一部として利用した自動2輪車において、フレーム部材とエンジンとの締結精度を向上させた車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フレーム部材を前フレームと後フレームに分割し、これらの端部をエンジンの前後へ締結することにより、エンジンを車体フレームの一部として利用する車体構造は公知である。
【特許文献1】特開2004−256005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
車体フレームの精度は車体のディメンジョンに影響を与える場合がある。特に、上記のような締結により車体フレームを組み立てる形式では、締結精度によって車体フレームの精度が影響されるので、締結精度を高めることが要求される。しかしこれを実現することがなかなか難しい現状にある。
【0004】
図5のAは、軸部10cがネジ部10dを含めてストレート形状になっている一般的なボルト10(以下、ストレートなボルトという)を用いた従来の締結における寸法関係を示す。この図において、ネジ部10dの外径(呼び径)をD1、車体フレーム側のエンジンハンガ部6に設けた通し穴6dの内径をD2、エンジン側に設けた雌ネジ穴8bの谷底径をD3とすれば、D1とD3はほぼ一致するが、D2はネジ部10dをスムーズに通過させる必要から比較的大きくなっている。
【0005】
そこで、雌ネジ穴8bと通し穴6dを一致させ、ストレートのボルト10をネジ部10dの先端から通し穴6dへ入れて雌ネジ穴8bへ締結すると、締結完了まで通し穴6dは位置決めされず、軸部10cに対して当初の間隙分だけ移動できるので、締結時には、図のBに示すように、最大で当初の間隙に相当する締結誤差Δ1が発生する。なお図のBは理解を容易にするため多少誇張して表現している。
【0006】
このような締結誤差は、車体の一側において仮に前フレームをエンジンと2ヶ所でボルト止めする場合、2ヶ所のそれぞれで発生するから、これらの締結誤差が合算されて前フレーム片側分全体の締結誤差となる。しかも、これが車体の左右において生じ、さらに後フレーム側でも生じるとすれば、全体の集積された締結誤差は比較的大きくなってしまうのである。
そこで、本願発明は、係る締結によって組み立てる形式の車体フレームにおいて、締結精度の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本願における自動2輪車の車体構造に係る請求項1は、エンジンを支持するためのフレーム部材を前フレームと後フレームに分割し、それぞれをエンジンの前後へ締結することにより、エンジンを車体フレームの一部として利用した自動2輪車において、
前記フレーム部材とエンジンの締結部のうち少なくとも一つが、フレーム部材側に形成されたボルト通し穴と、エンジン側に形成されたネジ穴の相互を同軸にする位置決め手段を備えたことを特徴とする自動2輪車の車体構造。
【0008】
請求項2は上記請求項1において、前記位置決め手段が段付ボルトであることを特徴とする。
【0009】
請求項3は上記請求項1において、前記位置決め手段がノックピンとボルトであることを特徴とする。
【0010】
請求項4は上記請求項1〜3のいずれかにおいて、前記位置決め手段を備えたフレーム部材が前記前フレームであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1によれば、フレーム部材とエンジンの締結部のうち少なくとも一つに位置決め手段を用いたので、フレーム部材側に形成されたボルト通し穴と、エンジン側に形成されたネジ穴の相互を同軸にするよう位置決めできる。このため全体の締結精度が向上し、締結により組み立てる形式の車体構造であっても、車体フレームの精度を容易に高めることができ、その結果、車体のディメンジョンを一定に維持できる。したがって、品質の一定した自動2輪車の量産が容易になり、品質向上及び量産性の向上を共に図ることができる。
【0012】
請求項2によれば、位置決め手段を段付ボルトにしたので、簡単に位置決め手段を形成できる。
【0013】
請求項3によれば、位置決め手段をノックピンしたので、簡単に位置決め手段を形成できる。
【0014】
請求項4によれば、最も高い締結精度が要求される前フレームを位置決めするので、車体フレーム全体における締結精度の向上を効率的に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて一実施形態を説明する。図1は実施例に係る自動2輪車の左側面図である。前輪1を支持するフロントフォーク2の上端はヘッドパイプ3へ回動自在に支持され、ハンドル4にて操向される。
【0016】
ヘッドパイプ3からは前フレーム5が、側面視で上方へ湾曲しながら斜め後方かつ下方へ延出し、その下端部はエンジン7の前部へ締結されている。前フレーム5は左右一対で設けられる。
【0017】
エンジン7の後部には、後フレーム11が締結されている。後フレーム11も左右一対で設けられる。この後フレーム11にはピボット軸17にてリヤスイングアーム18の前端部が揺動自在に支持されている。リヤスイングアーム18の後端には後輪19が支持されている。
【0018】
前フレーム5及び後フレーム11は、従来の車体フレームを前後に分割したものに相当し、これがエンジン7の前後へ締結されることにより、前フレーム5及び後フレーム11とエンジン7とが一体になって、エンジン7を利用した車体フレームを構成している。前フレーム5及び後フレーム11はいずれも軽合金の鋳造等適宜材料及び製法にて形成できる。
【0019】
後フレーム11の下端部とリヤスイングアーム18の下部との間はリンク機構にて連結され、このリンク機構にリヤクッションユニット23の下端部が連結される。リヤクッションユニット23はリヤスイングアーム18の前部を貫通して上方へ延び、その上端部は後フレーム11から延びる後部補強部材37へ連結されている。
【0020】
前フレーム5と後フレーム11の間に形成される略V字状の空間内には燃料タンク25が縦長に収容されている。
燃料タンク25は側面視大略L字状をなし、クランクケース9の後端とほぼ同じ位置に後部が位置する上部25aに対し、下部25bはクランクケース9の前後方向中間部からリヤクッションユニット23の上方位置まで延びる。
【0021】
下部25bの後端部側は左右一対をなすシートレール部13の内側へ入り込んでいる。但し、この部分以外の燃料タンク25は前フレーム5及び後フレーム11により側方を覆われず開放され、容量を側方へ拡大し易くなっている。
また、燃料タンク25の上下方向高さは前フレーム5の上下方向高さと略同じになっている。
【0022】
燃料タンク25の前方には、エアクリーナボックス26が配置されている。エアクリーナボックス26は底面側が前フレーム5の上面に沿うように略斜め上がりに前方へ傾斜する斜面を有する側面視略三角形状をなす。
【0023】
エアクリーナボックス26の前側底部からは吸入ダクト27が下方へ延びてから前方へ曲がって延出し、ヘッドパイプ3の近傍にて車体前方へ向かって開口している。吐出側は底部に接続する燃料噴射装置28を介してエアクリーナボックス26の下方に位置するシリンダヘッド30の吸気ポートへ接続している。燃料噴射装置28は前フレーム5の後ろ側縁部近傍に位置し、車体後方からエアクリーナボックス26へ連結されている。
【0024】
シリンダヘッド30及びヘッドカバー31はエアクリーナボックス26の下方に位置する。
シリンダヘッド30の排気ポートからは排気管32が前方へ延出し、エンジン7前方及び下方を通って後方へ延び、リヤクッションユニット23と略重なる位置にて上方へ曲がって延び、後部補強部材37の下方に沿って後方へ延び、その後端部に支持されたマフラー33へ接続している。
【0025】
エンジン7は4サイクル水冷式であり、ヘッドパイプ3の後ろ下方かつシリンダヘッド30の前方に配置されたラジエタ34から冷却水を供給される。
【0026】
エアクリーナボックス26と燃料タンク25はダミーカバー35で覆われ、その後方のシートレール部13上に前部シート36が支持されている。また、後部補強部材37のマフラー33と上下に重なる位置に後部シート38が支持されている。
【0027】
図中の符号Gは車体の重心、W1及びW2は異なる体重別の乗員重心であり、本実施例では乗員重心W1及びW2を車体の重心Gに近づけて車両の運動性能を高めている。なお、これらはディメンジョンの一例であり、他の主要なディメンジョンとしては、ホイールベース、ヘッドパイプ3の位置等がある。
【0028】
図2は車体フレームの詳細を示す側面図である。前フレーム5は、ヘッドパイプ3からは側面視で上方へ湾曲しながら斜め後方へ延出し、その下端部はエンジンハンガ部6をなし、ここでエンジン7のシリンダブロック部7aの前後に設けられたエンジン側締結部8へボルトにて締結されている。
【0029】
後フレーム11は上下方向に延びるピボットプレート部12と、その上端部から斜め上後方へ延出するシートレール部13とが一体に形成されている。
ピボットプレート部12は上下方向中央部にピボット軸17を通すためのピボット部14が設けられる。
【0030】
このピボット部14を挟む上下の部分はエンジンハンガ部15をなし、ここでボルト16により,エンジン7のクランクケース9後端部に形成されたボス9a,9bへ締結されている。ピボットプレート部12はエンジンハンガを兼ねることになる。24は後部補強部材37の一端部を締結するボスである。
【0031】
ピボット部12の下端にはリンクボス20が設けられ、ここにリンクアーム21の前端部が連結されている。リンクアーム21の後端部は、略三角形状をなすベルクランク22に対してその3ヶ所設けられている連結点の一つへ軸着される。ベルクランク22は他の連結点にてリヤスイングアーム18の下部へ軸着され、さらに残りの別の連結点にてリヤクッションユニット23の下端部と軸着される。
【0032】
図1及び図2を併せて参照すれば明らかなように、このように構成された車体構造においては、路面から前輪1へ入る大荷重が、フロントフォーク2及びヘッドパイプ3を介して,エンジンハンガ部6とシリンダブロック8との締結部へ伝わる。
【0033】
また、路面から後輪19へ入る大荷重が、リヤアーム18及びピボット軸17を介してエンジンハンガ部15とクランクケース9後端部との締結部へ伝達されるとともに、リンク機構及びリンクボス20を介してもクランクケース9へ伝達され、さらにシリンダブロック8を経てエンジンハンガ部6の締結部へ伝わる。
【0034】
したがって、エンジン7の前後における、前フレーム5及び後フレーム11との各締結精度によるディメンジョンの変動が車体の走行性能に大きな影響を与えることになる。このようなディメンジョンに影響する締結精度は、前フレーム5のエンジンハンガ部6との締結部、及び後フレーム6のエンジンハンガ部15とクランクケース9の後端部との各締結部におけるものである。特に、前輪1及び後輪19側の荷重が入力される前フレーム5側における締結精度が重要になる。
【0035】
図3はエンジンハンガ部6の締結構造を示す、図2の3−3線に沿う断面図である。このエンジン7は、4サイクル直列4気筒型式であって、シリンダブロック7aには4つのシリンダ7bが設けられ、車幅方向右側端部にはカムチェーン室7cが設けられている。なお、エンジンにおける前後左右の各方向は車体取付状態を基準とし、前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をRとしてこれらを図中に示す。
【0036】
エンジン側締結部8はシリンダブロック部7aの前後左右に設けられ、これに対応してエンジンハンガ部6も左右に設けられる。このうち左側においては、前後のエンジン側締結部8に対応してエンジンハンガ部6の前後にボス6aが設けられ、各ボス6aはそれぞれが対応するエンジン側締結部8へ外側から重ねられて段付きボルト40により高い位置決め精度で締結される。段付ボルト40は、本願発明における同軸を出すための位置決め手段をなしている。この締結構造の詳細は後述する。
【0037】
右側も同様であり、前後のエンジン側締結部8に対応して右側のエンジンハンガ部6の前後にボス6aが設けられ、各ボス6aはそれぞれが対応するエンジン側締結部8へアジャストカラー50を介して外側から重ねられ、ボルト10で締結される。このボルト10は段付きでない通常の形状をなすストレートのボルトである。図中の符号6bはボス6aの凹部、6cはボス6aの底部、6eは底部6cに設けられた雌ネジ穴、10aはボルト頭部、10bはボルト頭部のフランジ部、ワッシャ、10cは軸部、10dはネジ部である。また、8bはエンジン側締結部8に設けられた雌ネジ穴である。
【0038】
アジャストカラー50は、締結部の隙間を解消するためのアジャスト機構をなし、外周部に雄ネジが形成され、ボス6aの底部6cに対してその雌ネジ穴6eへねじ込むことにより取付けられる。また、アジャストカラー50の外方側端部はボス6aの底部6cを外側方へ貫通してロックナット51で締結されている。ボルト10の頭部10aはアジャストカラー50のロックナット51から突出する外方端部へ当接する。
【0039】
このアジャスト機構により、エンジン側締結部8とエンジンハンガ部6のボス部6aとの間における隙間を解消できる。特に、前フレーム5及びエンジンハンガ部6がアルミ合金製の場合、鉄系金属のようなたわみを期待できないため、このようなアジャスト機構の存在が効果的である。本実施例においては、車体左側で正確に位置決めし、車体右側で隙間を解消するようになっている。
【0040】
図4は、図3に示すシリンダブロック部7aの車体左側かつ後側におけるエンジン側締結部8とエンジンハンガ部6との締結構造を示す拡大断面図である。
段付きボルト40は頭部40a,太径部41,細径のネジ部42を備える。相手側となるエンジンハンガ部6におけるボス6aに設けられた凹部6bは頭部40aを収容し、底部6cに形成された通し穴6dは太径部41を通すようになっている。シリンダブロック部7a側に設けられたエンジン側締結部8には、太径部41を挿し込む太径穴8aと、ネジ部42が締結される細径の雌ネジ穴8bが形成されいてる。
【0041】
図5は各部の寸法関係を模式的に示す図であり、A及びBは従来のストレートなボルト10による締結部を示し、図のC及びDは段付きボルト40による締結部を示す。なお、図A及びBとC及びDの各共通部は共通符号を用いる。まずCにおいて、段付きボルト40の太径部41の外径をD4、細径のネジ部42の外径(呼び径)をD1、エンジンハンガ部6の通し穴6dの内径をD5、シリンダブロック部7a側における太径穴8aの内径をD6、雌ネジ穴8bの谷底径をD3とする。段付きボルト40の太径部41とネジ部42は予め同軸で形成され、シリンダブロック部7a側における太径穴8aと雌ネジ穴8bも同時で形成されている。
【0042】
ここで、段付きボルト4における太径部41の外径D4は、エンジンハンガ部6の通し穴6dの内径D5及びシリンダブロック部7a側における太径穴8aの内径D6に対して着脱可能な程度に僅かに小さくなっているがほぼ同寸である。特に、通し穴6dは、内側を通過するネジ部42の外径がD1であって、D5と略同寸のD4よりかなり細くなっているから、ネジ部42を通過させるために穴径を拡大する必要がなく、D4に近似させることができる。
【0043】
次に、本実施例の作用を説明する。車体の左右において、エンジン7のシリンダブロック部7aに設けられたエンジン側締結部8に対して、前フレーム5のエンジンハンガ部6をボルトにて前後2ヶ所で締結するとき、車体の左右のうち一方側のボルトを通常のストレートなボルト10とし、他方を段付ボルト40とした組合せで締結する。
【0044】
すなわち、図3において車体右側にはストレートなボルト10を使用し、車体左側には段付ボルト40を使用する。このとき車体左側においては、図4及び5に示すように、ボス6aの通し穴6dをエンジン側締結部8の太径穴8aと一致させて、段付ボルト40を凹部6bへ入れて通し穴6dへ通すと、D4、D5及びD6がほぼ同寸であるから、段付きボルト40の太径部41により、ボス6aの通し穴6dと、エンジン側締結部8の太径穴8aが同軸となるように位置決めされ、段付ボルト40もこれらと同軸になる。しかも、この位置決めはネジ部42における締結前に完了している。
【0045】
また、ボス6aの通し穴6dと雌ネジ穴8bは同軸であるから、雌ネジ穴8bとネジ部42も同軸に心出しされているので、ネジ部42を雌ネジ穴8bへ締結すると、ネジ部42と雌ネジ穴8bも同軸で締結される。その結果、ボス6aの通し穴6dとシリンダブロック部7aの太径穴8aとは、同軸で正確に位置決めされた状態で締結され、締結精度が高くなる。
【0046】
この締結状態では、図5のDに示すように、段付きボルト40とボス6aの通し穴6dとはほぼ同軸状をなし、仮に通し穴6dの位置がずれても、その誤差はΔ2と僅かである。これは太径部41の外径D4に対してボス6aの通し穴6dの内径D5を近似させ、当初の間隙を小さくできるためである。なお、図4のDは理解を容易にするため多少誇張して表現してある。
【0047】
この段付ボルト40による締結は、車体片側における前フレーム5のエンジンハンガ部6に設けられた前後2ケ所の締結部の少なくとも一方について行われれば足りる。一方側のみを段付きボルト40を用いて位置決め、他方の締結部において通常のストレートなボルト10で締結しても、エンジンハンガ部6における全体としての締結精度を高めることができる。前後の一方側だけを位置決めする場合は前後のいずれ側でもよい。
【0048】
また、本実施例のように車体左側で段付きボルト40により締結した場合は、これにより既にエンジンの位置決めが済んでいることになるから、反対側の車体右側ではストレートのボルト10を用いて締結すればよい。但し、この段付ボルト40による締結は、車体の左右において、それぞれ前後のうち1ヶ所ずつ行うようにすることもできる。
【0049】
このようにエンジン側締結部8の一部を段付きボルト40を用いて締結すると、他のエンジンハンガ部6の位置も正確に位置決めされるので、全体として車体フレームの締結位置の精度を高くすることができる。その結果、締結精度の向上を容易に図ることができ、車体のディメンジョンを一定にすることが容易となるので、ディメンジョンに関する品質の一定した車体を組立てることができ、量産車における品質の向上並びに量産性の向上を図ることができる。
【0050】
特に、前輪1から大荷重が伝わるヘッドパイプ3と、後輪19から大荷重が伝わるピボット部16とを結ぶ線上に位置する車体フレームの精度を高めることが重要であるところ、この線上にあるエンジンハンガ部6の締結精度を向上することにより、車体フレームの精度を向上できる。
【0051】
また、クランクケース9には、後フレーム11側とは別に、路面から後輪19へ入る大荷重が、リヤアーム18、リンク機構及びリンクボス20を介して伝達され、さらにエンジンハンガ部6の締結部に伝達されるから、この部分の締結精度を高めることは特に効果的である。
【0052】
図6は本願発明における同軸を出すための位置決め手段を、段付ボルトからノックピン60に変更した別実施例である。図3〜図5と同様部位には共通符号を用いる。ボルト10は軸10cとネジ部10dがストレート形状になっている一般的なものである。
【0053】
エンジン側締結部8には、ボス6aの通し穴6dと穴径が一致する圧入穴8cが形成され、その奥の雌ネジ穴8bと連続している。圧入穴8dの内径は雌ネジ穴8bの谷底径よりも大きくなっている。この圧入穴8dと通し穴6dを一致させて、両穴へノックピン60を圧入してエンジンハンガ部6とシリンダブロック部7aのエンジン側締結部8を同軸に位置決めして結合する。
【0054】
ノックピン60は一般的なものであり、中空状をなし、その外径は、圧入穴8d及び通し穴6dよりも若干大きくなっている。なお、スプリングピンとすることもできる。また、ノックピン60は車体の左右のいずれか側もしくは左右両側における各エンジンハンガ部6においてそれぞれ前後いずれか1ヶ所ずつ設ければ足りる。
【0055】
この位置決め後、ノックピン60の中空部へボルト10を通してネジ部10dを雌ネジ8bへ締結すれば、位置決め状態で連結できる。このようにノックピン60を用いれば、比較的高価な段付ボルト40を設ける必要がなく、位置決め手段を容易かつ安価に形成できる。但し、このような位置決め手段は必ずしも名称がノックピンである必要はなく、要は中空で嵌合取付けされる部材であれば足りる。
【0056】
なお、本願発明は上記実施例に限定されず種々に変形や応用が可能であり、このような位置決め手段を後フレーム11側に設けることもでき、前フレーム5及び後フレーム11の双方へ設けることもできる。
なお、このような位置決め手段を車体片側における一つのエンジンハンガ部毎に複数設けると精度出しが難しくなることがあるので、それぞれ1ケ所づつ設けることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施例の車体側面図
【図2】車体フレームの側面図
【図3】エンジン支持部の断面図
【図4】上記エンジンハンガ締結部における部分拡大断面図
【図5】寸法関係を模式的に示す図
【図6】別実施例に係る図4相当図
【符号の説明】
【0058】
1:前輪、3:ヘッドパイプ、5:前フレーム、6:エンジンハンガ部、7:エンジン、7a:シリンダブロック部、8:エンジン側締結部、10:ボルト、11:後フレーム、40:段付ボルト、60:ノックピン




 

 


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