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発明の名称 燃料電池自動車
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15612(P2007−15612A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200632(P2005−200632)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 小野 徹 / 中島 晃 / 野崎 周治郎 / 加藤 高士
要約 課題
フロアパネルの全高の上昇や車室内の着座スペースの圧迫等による車室内の快適性を損なうことなく、しかも、外部からの荷重入力に対して燃料電池スタックと燃料電池の補機とを確実に保護し得る燃料電池自動車を提供する。

解決手段
センターフレーム27とサイドフレーム2を夫々左右一対設ける。車幅方向の略中央位置でフロアパネルから上方に膨出するセンターコンソールを設ける。燃料電池スタック12を取り付けたサブフレーム40を車体に取り付け、燃料電池スタック12をセンターコンソール内に収容する。燃料電池スタック12に配管と配線によって接続されるヒータ50やDC−DCコンバータ51等の補機をセンターフレーム27とサイドフレーム2の間に配置する。
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料電池スタックと燃料電池の補機がサブフレームを介して車両のフロアパネルの下方に取り付けられる燃料電池自動車において、
車幅方向の略中央位置で前記フロアパネルを、車両の左右のフロントシート間で上方に膨出して形成したセンターコンソールと、
車幅方向の略中央位置に車両前後方向に沿って配置されて、前記センターコンソールを支持する左右一対のセンターフレームと、
前記センターフレームよりも車幅方向外側位置に車両前後方向に沿って配置された左右一対のサイドフレームと、を設け、
燃料電池スタックを前記一対のセンターフレームの間に配置することにより、前記燃料電池スタックをセンターコンソール内に収容し、
前記燃料電池スタックに配管または配線によって接続される燃料電池の補機を、前記センターフレームとサイドフレームの間の車幅方向の領域に配置したことを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項2】
前記サブフレームとセンターフレームの車体上下方向の対向面のうちの、サブフレーム側とセンターフレーム側の少なくともいずれか一方に窪み部を設け、この窪み部に前記燃料電池の補機の配管または配線を挿通したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池自動車。
【請求項3】
前記燃料電池の補機を、前記フロントシートの下方に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池自動車。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は燃料電池自動車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池自動車においては、複数の燃料電池セルを積層して燃料電池スタックが形成され、その燃料電池スタックがフロアパネルの下方等に搭載されている。この種の燃料電池自動車として、燃料電池スタックをサブフレームに取り付け、このサブフレームを車体下方側から車両のサイドフレーム等の車体骨格部材に結合したものが案出されている(例えば、特許文献1等参照)。
【特許文献1】特開2003−182624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この従来の燃料電池自動車の場合、燃料電池スタックがフロアパネルの下面側で車幅方向に広範囲に亙って配置されるため、フロアパネル全体の高さの上昇や、乗員の着座スペースの圧迫等の不具合を招く。
【0004】
また、この種の燃料電池自動車においては、燃料電池スタックを車体前後方向に積層することも検討されているが、この場合には、燃料電池スタックの積層方向と直交する車両側方からの荷重入力に対して、燃料電池スタックを確実に保護することが課題となる。さらに、燃料電池スタックと同様に冷寒始動用のヒータや電圧変換器等の燃料電池の補機についても、車両外部からの荷重入力に対してこれらを確実に保護し得るように車両に配置することが課題となっている。
【0005】
そこでこの発明は、フロアパネルの全高の上昇や車室内の着座スペースの圧迫等による車室内の快適性を損なうことなく、しかも、外部からの荷重入力に対して燃料電池スタックと燃料電池の補機とを確実に保護し得る燃料電池自動車を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、燃料電池スタック(例えば、後述の実施形態における燃料電池スタック12)と燃料電池の補機がサブフレーム(例えば、後述の実施形態におけるサブフレーム40)を介して車両のフロアパネル(例えば、後述の実施形態におけるフロアパネル1)の下方に取り付けられる燃料電池自動車において、車幅方向の略中央位置で前記フロアパネルを、車両の左右のフロントシート間で上方に膨出して形成したセンターコンソール(例えば、後述の実施形態におけるセンターコンソール23)と、車幅方向の略中央位置に車両前後方向に沿って配置されて、前記センターコンソールを支持する左右一対のセンターフレーム(例えば、後述の実施形態におけるセンターフレーム27)と、前記センターフレームよりも車幅方向外側位置に車両前後方向に沿って配置された左右一対のサイドフレーム(例えば、後述の実施形態におけるサイドフレーム2)と、を設け、燃料電池スタックを前記一対のセンターフレームの間に配置することにより、前記燃料電池スタックをセンターコンソール内に収容し、前記燃料電池スタックに配管(例えば、後述の実施形態における配管71)または配線(例えば、後述の実施形態における電力変換ケーブル70)によって接続される燃料電池の補機(例えば、後述の実施形態におけるヒータ50,DC−DCコンバータ51)を、前記センターフレームとサイドフレームの間の車幅方向の領域に配置するようにした。
【0007】
これにより、燃料電池スタックは、左右のフロントシート間のセンターコンソールの内側に車体前後方向に沿って配置され、燃料電池の補機は、センターフレームとサイドフレームの間に配置されるようになる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、サブフレームとセンターフレームの車体上下方向の対向面のうちの、サブフレーム側とセンターフレーム側の少なくともいずれか一方に窪み部(例えば、後述の実施形態における窪み部72,73)を設け、この窪み部に燃料電池の補機の配管または配線を挿通するようにした。
【0009】
これにより、燃料電池の補機の配管や配線は窪み部を通してサブフレームとセンターフレームの間に挿通され、サブフレームとセンターフレームを跨いで両者の車幅方向内側のスペースに引き出される。
【0010】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、燃料電池の補機を、フロントシート(例えば、後述の実施形態におけるフロントシート20)の下方に配置するようにした。
【0011】
これにより、衝突荷重等の入力時には、フロントシートのフレームが燃料電池の補機の上方側にてその荷重を受け止めるようになる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、燃料電池スタックが左右のフロントシート間においてセンターコンソールの内側に車体前後方向に沿って配置されるために、燃料電池スタックをフロアレベル上側に位置されることで車両の側方からの荷重入力に対しセンターフレームによって燃料電池スタックを保護することができると共に、センターコンソールによって居住空間と燃料電池スタックとを区分することができる。また、燃料電池の補機がセンターフレームとサイドフレームの間に配置されるため、燃料電池の補機を車体フレーム部材の内側に配置することができ、側面衝突時の衝撃から保護することができる。さらに、燃料電池スタックや燃料電池の補機によるフロアパネルの全高の上昇や車室内の着座スペースの圧迫を無くすことができるので、車室内の快適性を損なうことがない。しかも、外部からの荷重入力、特に、車体側方からの荷重入力に対して燃料電池スタックと燃料電池の補機を確実に保護することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、サブフレームとセンターフレームの対向面のうちの少なくとも一方に形成した窪み部を通して、燃料電池の補機の配管や配線を、サブフレームとセンターフレームを跨いで両者の車幅方向内側のスペースに引き出すため、配管や配線をフロアパネル下において効率良く引き回すことができるうえ、サブフレームとセンターフレームの窪み部とその対向面によって配管や配線の周囲を囲み、それによって配管や配線を外乱から確実に保護することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、フロントシートが燃料電池の補機の上方側位置にて衝突荷重を受け止めることができるため、燃料電池の補機をさらにフロントシートによっても保護することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4に示すように、燃料電池自動車には車体前部から車体後部に亘りフロアパネル1下に車体骨格部材を形成する左右一対のサイドフレーム2が設けられている。車体左右のサイドフレーム2は車体前後方向に沿って配置されており、各サイドフレーム2の外側壁3にはアウトリガー4を介してサイドシル5が接合されている。サイドシル5の後端部はイクステンション6を介してサイドフレーム2の後部に合流するように接続されている。サイドフレーム2には車幅方向に車体骨格部材であるクロスメンバ7,8,9が接続されている。
【0016】
車体前部のモータルーム10にはフロントサブフレーム11が設けられ、ここに燃料電池スタック12に空気を送給するコンプレッサ13と走行用の駆動モータ14からなるポンプモータユニット15が配置されている。
車体後部にはサイドフレーム2に下側から図示しない車輪及びサスペンションを一体で備えたリヤサブフレーム16が取り付けられ、このリヤサブフレーム16には燃料電池スタック12の燃料である水素を貯留する水素タンク17及び蓄電池18が取り付けられている。
このように構成されたサイドフレーム2上であってサイドシル5,5間に亘る部位にフロアパネル1が接合されている。フロアパネル1の前端部は前側に立ち上がりダッシュロア1aへと連なり、フロアパネル1の後端部は前記リヤサブフレーム16の水素タンク17上部を覆う位置まで延出している。
【0017】
フロアパネル1上には、フロントシート20とリヤシート21が配置され、左右のフロントシート20間には、ダッシュロア1aの下端部からリヤシート21の近傍まで延出するセンターコンソール23が車室内上方に膨出するようにしてフロアパネル1に形成されている。
【0018】
図4に示すように、センターコンソール23の左右の側壁25の付根側の立ち上がり部24には、略三角形状の断面を形成するようにレインフォース26が下面側から接合され、これによってセンターコンソール23の側壁25下端が補強されている。一方、車体幅方向の略中央位置には、閉断面構造の左右一対のセンターフレーム27が車体前後方向に延出して設けられている。このセンターフレーム27の上方にはセンターコンソール23の各側壁25の下端が配置され、各センターフレーム27の上面に前記レインフォース26が結合されることで前記センターコンソール23が支持されている。
【0019】
また、両側のセンターフレーム27の車幅方向外側に位置されている左右のサイドフレーム2とその上面に接続されるフロアパネル1との内側コーナー部分には、車体前後方向に沿った閉断面構造を成す補強フレーム28が接合されている。そして、この左右のサイドフレーム2に一体化された補強フレーム28と、前記各センターフレームの下面には後述するサブフレーム40が結合され、このサブフレーム40に搭載された燃料電池スタック12と一部の補機類19がセンターコンソール23内に配置されるようになっている。
【0020】
図5に示すように、サブフレーム40は、前記アウトリガー4に対応した位置に配置され車幅方向に延出する前サブクロスフレーム41と後サブクロスフレーム42を備えている。前後のサブクロスフレーム41,42の間には、これらのサブクロスフレーム41,42の左右の端部同士を接合するサブサイドフレーム43,43が設けられている。このサブサイドフレーム43,43は前記サイドフレーム2の内側壁に沿って補強フレーム28下に配置される。尚、図5中FRはフロント側を示す。
【0021】
各サブサイドフレーム43の内側には前記センターフレーム27の下側に位置するサブセンターフレーム44が車体前後方向に沿って配置されている。このサブセンターフレーム44の前端部は前サブクロスフレーム41に接続され、サブセンターフレーム44の後端部は後サブクロスフレーム42に接合され、サブセンターフレーム44は更に後サブクロスフレーム42よりも後方に延出している。左右のサブセンターフレーム44の後端部は車幅方向に配置されたエンドパイプ45によって連結され、エンドパイプ45の左右の端部と後サブクロスフレーム42の左右の端部は斜めに配置されたガセットパイプ46により接合されている。ガセットパイプ46は、アウトリガー4に対し側部から衝撃荷重が入力された場合には、その衝撃荷重を燃料電池スタック12から遠ざける方向に逃がすように配置されており、側突時の衝撃荷重が燃料電池スタックに作用しづらくなっている。
各サブセンターフレーム44とサブサイドフレーム43との間には前側と後側に中間パイプ47,47が所定間隔をもって接続されている。
【0022】
サブフレーム40上のサブサイドフレーム43と前後のサブクロスフレーム41,42との連結部には、車体側の補強フレーム28に対する取付点Pが設定され、サブセンターフレーム44と前後のサブクロスフレーム41,42との連結部には車体側のセンターフレーム27に対する取付点Pが設定され、エンドパイプ45とガセットパイプ46とサブセンターフレーム44との連結部には車体側のセンターフレーム27に対する取付点Pが設定されている。これら10箇所の取付点P,P,…において、前記サブフレーム40が車体のセンターフレーム27及び補強フレーム28に下方から結合され、サイドフレーム2の上下幅寸法内に収まるようになっている。このように、補強フレーム28の下側であって、サイドフレーム2の上下幅寸法内に収まるようにサブフレーム40が取付けられているので、サブフレーム40の上下幅寸法の分、フロアパネル1の低床化を図ることができる。
【0023】
また、サブフレーム40の前後のサブクロスフレーム41,42間には、左右のサブセンターフレーム44間に納まるように燃料電池スタック12が配置されている。この燃料電池スタック12はサブクロスフレーム41,42に夫々固定したブラケット48,49(図6,図7参照)を介してサブフレーム40に固定されている。また、エンドパイプ45と後サブクロスフレーム42には、サブセンターフレーム44間に位置されるように燃料電池スタック12の一部の補機類19が取り付けられている。具体的には、補機類19は下側から酸素系補機類、その上に水素系補機類、更に上に燃料電池スタック12のシステムを管理するECUの順に配置されている。
【0024】
サブフレーム40は、以上のように構成されているが、このサブフレーム40の前後のサブクロスフレーム41,42や左右のサブセンターフレーム44、エンドパイプ45等の構成要素間はボルト結合や溶接等によって結合されている。特に、ボルト結合によって構成要素間を結合する場合には、例えば、図8,図9に示すような結合部構造を採用することも可能である。
【0025】
図8,図9は、一方のサブセンターフレーム44と後サブクロスフレーム42の結合部構造を一例として示すものである。この結合部では、サブセンターフレーム44に車幅方向に貫通する貫通孔60を形成し、この貫通孔60に後サブクロスフレーム42を嵌合して両者の交差部をボルト61とナット62で結合した概略構造となっている。さらに詳細には、図9に示すようにサブセンターフレーム44の下面側からは、後サブクロスフレーム42の上壁に達する補強用のカラー63を嵌入した状態でボルト61を挿入し、ボルト61の先端部を後サブクロスフレーム42とサブセンターフレーム44の上壁、更に車体側のセンターフレーム27まで貫通させた状態でセンターフレーム27の上面側からナット62を締め込むようになっている。この構造の場合、後サブクロスフレーム42とサブセンターフレーム44がボルト61とナット62によって結合されることに加え、両フレーム42,44が相互に嵌合されるため、結合部の強度と剛性がより一層高まり、更に、センターフレーム27も同時に共締め固定するようにしているため、組み付け工数も削減される。
【0026】
ところで、燃料電池スタック12は、略長方形状の複数の燃料電池セル(以下、「単セル」と呼ぶ)を積層して一体ブロック状にしたものであり、積層方向の端部である前端部と後端部には、図6,図7に示すように金属製のエンドプレート12FE、12REが取り付けられ、このエンドプレート12FE,21REによって積層された単セルを挟み込んで締め付け固定されている。こうして構成された燃料電池スタック12は、前述のようにブラケット48,49を介してサブクロスフレーム41,42に固定されるが、このときスタック12は単セルのなす略長方形状の長辺が上下方向を向くようにしてサブフレーム40に搭載される。したがって、燃料電池スタック12はこれによって横断面が縦長になり、サブフレーム40が前述のように車体下面側に取り付けられた状態において、センターコンソール23の横幅の狭い横断面内に収容することが可能となっている。
【0027】
また、前部側のエンドプレート12FEには,図6に示すように冷却水の給排通路30a,30bが設けられ、後部側のエンドプレート12REには,図7に示すように水素系の給排口31a,31b(一方は前述の水素タンク17に接続されている。)と酸素系の給排口32a,32b(一方は前述のコンプレッサ13に接続されている。)が夫々対角位置に設けられている。
【0028】
ここで、この車両に搭載される燃料電池のシステムについて簡単に説明すると、この燃料電池においては、図10に示すように燃料電他スタック12の後方側から水素と酸素(コンプレッサ13によって加圧された空気)が導入され、この導入された水素と酸素が各セル内のアノードとカソードに供給されると、両ガスの反応によって発電が行われるようになっている。また、燃料電他スタック12の前方側からは冷却水が循環供給され、前述のガスの反応の際に発生する熱を冷却水によって冷却するようになっている。なお、各セルのアノードに供給される水素は図示しないエゼクタによって未反応分が再循環して用いられるが、ここで完全に反応しきらなかった残留水素を含む排出ガスは希釈ボックスで希釈されて車外に排出される。
【0029】
また、図5に示すようにサブフレーム40の車体左側の中間パイプ47,47間にはDC−DCコンバータ51が取り付けられ、車体右側の中間パイプ47,47間には水素タンク17内の水素の燃焼等によって発熱を行うヒータ50が取り付けられている。DC−DCコンバータ51は電圧調整をための電装機器であり、その電力変換ケーブル70が中間パイプ47の上面に沿い、更に車体左側のセンターフレーム27とサブセンターフレーム44の対向面を跨いでセンターフレーム27の車幅方向内側に沿って配線されている。また、ヒータ50は冷寒始動時に燃料電池スタック12内に温水を供給するためのものであり、その配管71が中間パイプ47の上面に沿い、更に車体右側のセンターフレーム27とサブセンターフレーム44の対向面を跨いで燃料電池スタック12に接続されている。
サブフレーム40の中間パイプ47,47を支持するサブセンターフレーム44とサブサイドフレーム43は、夫々車体側のセンターフレーム27とサイドフレーム2に沿って取り付けられているため、燃料電池の補機であるDC−DCコンバータ51とヒータ50は、夫々車体の左右においてセンターフレーム27とサイドフレーム2の間に配置されている。また、DC−DCコンバータ51とヒータ50の各配置はフロアパネル1を挟む居住空間内の左右のフロントシート20の下方位置になっている。
【0030】
ところで、車体右側のセンターフレーム27とサブセンターフレーム44の上下方向の対向面には、図5,図11に示すように相互に対向する窪み部72,73が形成され、この窪み部72,73間に形成される貫通孔にヒータ50の配管71が挿通されている。車体左側のセンターフレーム27とサブセンターフレーム44の対向面には同様の窪み部72,73(図5中にサブセンターフレーム44側の窪み部73のみ図示)が形成され、その窪み部72,73間の貫通孔に電力変換ケーブル70が挿通されている。なお、図11において、Gは、燃料電池スタック12の重心を示す。
【0031】
この燃料電池自動車は、以上のように左右のフロントシート20,20間に部分的に膨出したセンターコンソール23内に燃料電池スタック12が収容されるため、フロアパネル1の全体の高さを低く抑え、かつ、居住空間内の着座スペースを圧迫することなく、燃料電池スタック12を居住空間外となるフロアパネル1下にコンパクトに配置することができる。つまり、燃料電池スタック12を配置するために居住空間内に大きく膨出するのはセンターコンソール23部分のみであり、しかも、センターコンソール23部分はその上方にアームレスト等が配置されて乗員にとって居住空間内への膨出が気にならない部分であるため、センターコンソール23の膨出による圧迫感や違和感を乗員に与えることがない。
特に、この燃料電池自動車においては、燃料電池スタック12をフロアレベルの上側に位置させることで車両の側方からの荷重入力に対し燃料電池スタック12を保護することができると共に、センターコンソール23によって居住空間と燃料電池スタック12とを区分けすることができる。
さらに、この実施形態においては、横断面が縦長になるようにして燃料電池スタック12をコンソールボックス23内に収容するようにしているため、車室空間内におけるコンソールボックス23の占有幅をより小さく抑えるのに有利となっている。
【0032】
また、この燃料電池自動車の場合、燃料電池スタック12を支持するサブフレーム40が、フロアパネル1下において車体前後方向に沿う車体左右のサイドフレーム2,2とセンターフレーム27,27に夫々取り付けられているため、車体骨格部材に対して燃料電池スタック12を充分な強度をもって支持させることができる。特に、サブフレーム40の車幅方向外側は断面が大きく強度的に有利なサイドフレーム2,2に結合され、サブフレーム40の車幅方向内側は燃料電池スタック12の直近位置でセンターフレーム27,27に結合されているため、燃料電池スタック12の積層方向と直交する車体の側方からの荷重入力に対して燃料電池スタック12を有効に保護することができる。
【0033】
また、サブフレーム40は、センターコンソール23の側壁下端を支持するセンターフレーム27自体の曲げ方向の強度を高めることができるため、側方荷重入力時におけるセンターコンソール23の変形や燃料電池スタック12に対するずれをも有効に抑えることができる。
【0034】
さらに、この燃料電池自動車においては、燃料電池の補機であるヒータ50とDC−DCコンバータ51がサブフレーム40を介してセンターフレーム27とサイドフレーム2の間に配置されているため、車両に対する外部からの荷重入力があっても、ヒータ50とDC−DCコンバータ51を左右のサブフレーム40とセンターフレーム27の間において確実に保護することができる。特に、この実施形態のように複数のフレーム材を組み付けたサブフレーム40を介してサブフレーム40とセンターフレーム27の間に配置するようにした場合には、ヒータ50とDC−DCコンバータ51の支持部が変形し難い強固な構造となり、両者の保護がより確実なものとなる。
【0035】
また、この実施形態の場合、ヒータ50と燃料電池スタック12の間の配管71と、DC−DCコンバータ51から引き出された配線(電力変換ケーブル70)がセンターフレーム27とサブセンターフレーム44(サブフレーム40)の対向面の窪み部72,73を貫通して配置されているため、配管71や配線(電力変換ケーブル70)をフロアパネル1の下方に効率良く引き回すことができるうえ、フレーム材の窪み部72,73が配管71や配線(70)の周囲を覆うようになることから、外部からの荷重入力時等に両者を確実に保護することができる。
【0036】
さらに、この実施形態では、ヒータ50とDC−DCコンバータ51がフロントシート20の下方に配置されているため、車体側方からの荷重入力時等にヒータ50やDC−DCコンバータ51に外力が入力されるのをフロントシート20のフレームによってさらに確実に防止することができる。
【0037】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、以上の実施形態においては、サブフレーム40の車幅方向の両端部を、補強フレーム28を介してサイドフレーム2に結合するようにしたが、サブフレーム40をサイドフレーム2に直接結合するようにしても良い。また、サブフレーム40の具体的な構造や燃料電池の補機も上述の実施形態のものに限るものでなく、種々の態様が採用可能である。
また、上記の実施形態においては、センターフレーム27とサブセンターフレーム44の両対向面に窪み部73を形成するようにしているが、この窪み部73は、補機の配管や配線を挿通し得るものであれば、センターフレーム27とサブセンターフレーム44のいずれか一方のみに形成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施形態の車両の側面説明図である。
【図2】この発明の実施形態の車両の平面説明図である。
【図3】この発明の実施形態の車両を裏面から見た斜視図である。
【図4】図2のA−A線に沿うフロアパネルの断面図である。
【図5】この発明の実施形態のサブフレームの平面図である。
【図6】この発明の実施形態の燃料電池スタックの前部側の構造を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施形態の燃料電池スタックの後部側の構造を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施形態のサブフレームの結合部構造を示す部分破断斜視図である。
【図9】図8のB−B線に沿う断面図である。
【図10】この発明の実施形態の燃料電池システムを示す概略構成図である。
【図11】図3のC−C線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1…フロアパネル
2…サイドフレーム
12…燃料電池スタック
20…フロントシート
23…センターコンソール
27…センターフレーム
40…サブフレーム
50…ヒータ(燃料電池の補機)
51…DC−DCコンバータ(燃料電池の補機)
70…電力変換ケーブル
71…配管
72,73…窪み部





 

 


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