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発明の名称 自動二輪車のフレーム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8434(P2007−8434A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−221866(P2005−221866)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100091823
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 昌之
発明者 星 紀夫
要約 課題
フレームの軽量化を維持しつつフレーム剛性を確保可能な自動二輪車のフレームを提供する。

解決手段
ヘッドパイプ3から車体後方に延びるメインフレーム10と、このメインフレーム10の下側に延在し、ヘッドパイプ3から車体下方に延びるダウンチューブ20Aとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレーム2において、ヘッドパイプ3とダウンチューブ20Aとの接続部90を鍛造品で構成し、その他のフレーム構成部を鋳造品で構成するようにした。この場合、上記接続部90を除くヘッドパイプ3の一部3Aと、メインフレーム10と、ダウンチューブ20Aと、補強フレーム24とをアルミニウム大型鋳造により一体的に成形するようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記ヘッドパイプと前記ダウンチューブとの接続部を鍛造品で構成し、その他のフレーム構成部を鋳造品で構成したことを特徴とする自動二輪車のフレーム。
【請求項2】
ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブと、このダウンチューブに連なるロアーパイプとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記メインフレームと前記ロアーパイプとを鍛造品のピボットプレートで接続し、その他のフレーム構成部を鋳造品で構成したことを特徴とする自動二輪車のフレーム。
【請求項3】
ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブと、このダウンチューブに連なるロアーパイプとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記ダウンチューブと前記ロアーパイプとを鍛造品のジョイントで接続し、その他のフレーム構成部を鋳造品で構成したことを特徴とする自動二輪車のフレーム。
【請求項4】
ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブと、このダウンチューブに連なるロアーパイプとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記ヘッドパイプ及び前記ダウンチューブの接続部と、前記メインフレームと前記ロアーパイプとを連結するピボットプレートと、前記ダウンチューブ及び前記ロアーパイプを連結するジョイントとの少なくとも2カ所を鍛造品で構成し、その他のフレーム構成部を鋳造品で構成したことを特徴とする自動二輪車のフレーム。
【請求項5】
ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記ヘッドパイプと前記ダウンチューブとを一体鋳造し、この一体鋳造品のあご下に鍛造品の補強体を溶接したことを特徴とする自動二輪車のフレーム。
【請求項6】
ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブと、このダウンチューブに連なるロアーパイプとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記ヘッドパイプと、前記ダウンチューブと、このダウンチューブ及び前記ロアーパイプを接続するジョイントとを一体鋳造し、この一体鋳造品のあご下に鍛造品の補強体を溶接したことを特徴とする自動二輪車のフレーム。
【請求項7】
前記鍛造品及び前記鋳造品が、それぞれアルミニウム製の鍛造品及び鋳造品であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の自動二輪車のフレーム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームの軽量化を維持しつつフレーム剛性を確保可能な自動二輪車のフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車が知られている。
この種のものでは、ヘッドパイプ、メインフレーム及びダウンチューブ等のフレーム構成部を、マグネシウム合金等の軽金属材料によって一体に鋳造成形し、車体の軽量化を図ったものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、トライアル競技用の自動二輪車を使用したトライアル競技では例えば10mもの高さから落下する場合があるため、トライアル競技用の自動二輪車には、その衝撃に耐え得る強度が要求されている。
【特許文献1】 特開昭60−176876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の車体軽量化を図った構成を、例えばトライアル競技用の自動二輪車に適用した場合、フレーム各部の中で荷重がかかる部位に補強を加える必要があった。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、フレームの軽量化を維持しつつフレーム剛性を確保可能な自動二輪車のフレームを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述課題を解決するため、本発明は、ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記ヘッドパイプと前記ダウンチューブとの接続部を鍛造品で構成し、その他、ダウンチューブ等のフレーム構成部を鋳造品で構成したことを特徴とする。
この発明によれば、ヘッドパイプとダウンチューブとの接続部を強度とじん性に優れた鍛造品で構成し、その他、ダウンチューブ等のフレーム構成部を鋳造品で構成したので、フレームの軽量化を維持しつつ、ヘッドパイプとダウンチューブとの接続部(いわゆる「あご下」)の強度が向上し、ジャンプ時等の衝撃によるクラックの発生を回避可能なフレーム剛性を得ることができる。また、上記その他、ダウンチューブ等のフレーム構成部を大型鋳造で一体成形することによって、フレーム製造時の溶接作業の省力化を図ることもできる。
【0006】
また、本発明は、ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブと、このダウンチューブに連なるロアーパイプとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記メインフレームと前記ロアーパイプとを鍛造品のピボットプレートで接続し、その他のフレーム構成部を鋳造品で構成したことを特徴とする。
この発明によれば、ヘッドパイプ、メインフレーム及びダウンチューブ並びにロアーパイプを鋳造品で構成し、メインフレームとダウンチューブとを鍛造品のピボットプレートで接続したので、フレームの軽量化を維持しつつピボットプレートの強度を向上させることができ、ジャンプ時等の衝撃によるクラックの発生を回避可能なフレーム剛性を得ることができる。また、ヘッドパイプ、メインフレーム及びダウンチューブ並びにロアーパイプを大型鋳造で一体成形することによって、フレーム製造時の溶接作業の省力化を図ることもできる。
【0007】
また、本発明は、ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブと、このダウンチューブに連なるロアーパイプとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記ダウンチューブと前記ロアーパイプとを鍛造品のジョイントで接続し、その他のフレーム構成部を鋳造品で構成したことを特徴とする。
この発明によれば、ダウンチューブとロアーパイプを連結するジョイントを、強度とじん性に優れた鍛造品で構成し、その他のフレーム構成部を鋳造品で構成したので、フレームの軽量化を維持しつつダウンチューブとロアーパイプとの連結強度を向上させることができ、ジャンプ時等の衝撃によるクラックの発生を回避可能なフレーム剛性を得ることができる。また、上記その他、ダウンチューブ等のフレーム構成部を大型鋳造で一体成形することによって、フレーム製造時の溶接作業の省力化を図ることもできる。
【0008】
また、本発明は、ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブと、このダウンチューブに連なるロアーパイプとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記ヘッドパイプ及び前記ダウンチューブの接続部と、前記メインフレームと前記ロアーパイプとを連結するピボットプレートと、前記ダウンチューブ及び前記ロアーパイプを連結するジョイントとの少なくとも2カ所を鍛造品で構成し、その他のフレーム構成部を鋳造品で構成したことを特徴とする。
この発明によれば、ヘッドパイプ及びダウンチューブの接続部と、メインフレームとロアーパイプとを連結するピボットプレートと、ダウンチューブ及びロアーパイプを連結するジョイントとの少なくとも2カ所を強度とじん性に優れた鍛造品で構成し、その他、ダウンチューブ等のフレーム構成部を鋳造品で構成したので、フレームの軽量化を維持しつつ上記鍛造品によりフレーム剛性を向上させることができ、ジャンプ時等の衝撃によるクラックの発生を回避可能なフレーム剛性を得ることができる。また、上記その他、ダウンチューブ等のフレーム構成部の各鋳造品を大型鋳造で一体成形することによって、フレーム製造時の溶接作業の省力化を図ることもできる。
【0009】
さらにまた、本発明は、ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記ヘッドパイプと前記ダウンチューブとを一体鋳造し、この一体鋳造品のあご下に鍛造品の補強体を溶接したことを特徴とする。
また、本発明は、ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下側に延在し、ヘッドパイプから車体下方に延びるダウンチューブと、このダウンチューブに連なるロアーパイプとを含むフレーム構成部を備えた自動二輪車のフレームにおいて、前記ヘッドパイプと、前記ダウンチューブと、このダウンチューブ及び前記ロアーパイプを接続するジョイントとを一体鋳造し、この一体鋳造品のあご下に鍛造品の補強体を溶接したことを特徴とする。
これら発明では、ヘッドパイプとダウンチューブとを一体鋳造し、或いは、ヘッドパイプと、ダウンチューブと、このダウンチューブ及びロアーパイプを接続するジョイントとを一体鋳造したから、製造コストが低減され、しかも、この一体鋳造品のあご下に鍛造品の補強体を溶接したから、「あご下」の剛性が向上する。
また、上記各発明において、前記鍛造品及び前記鋳造品を、それぞれアルミニウム製の鍛造品及び鋳造品とし、フレームの軽量化を図ることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、ヘッドパイプとダウンチューブとの接続部を強度とじん性に優れた鍛造品で構成し、その他のフレーム構成部を鋳造品で構成したので、フレームの軽量化を維持し、かつコストダウンを図りつつ、ジャンプ時等の衝撃によるクラックの発生を回避可能なフレーム剛性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を添付した図面を参照して説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、車体に対してのものとする。
(1)第1実施形態
図1は、本実施形態に係るモトクロス競技用の自動二輪車(モトクロス車両)の全体構成を示す側面図であり、図2は車体フレームを示す斜視図であり、図3はその側面図、図4は背面図、図5は車体フレームを斜め上方から見た図である。
この自動二輪車1の車体フレーム2は、図1に示すように、ヘッドパイプ3から車体後方に延びる左右一対のメインフレーム10と、メインフレーム10の下側をヘッドパイプ3から車体下方に延びるダウンチューブ20Aと、このダウンチューブ20Aにジョイント20Cを介して連なり、車体下方を後方に延びる左右一対のロアーパイプ20Bと、メインフレーム10の後端とロアーパイプ20Bの後端とを連結する左右一対のピボットプレート30と、ピボットプレート30から車体後方に延出するリアフレーム40とを備えて構成されている。なお、20は、ダウンチューブ20A、ロアーパイプ20B、ジョイント20Cで構成されるダウンフレームを指し示す。
この車体フレーム2は、上記メインフレーム10、ダウンチューブ20A及びピボットプレート30に囲まれる間隙内にエンジン4を懸架するクレードル型のフレームに構成されている。
【0012】
上記ヘッドパイプ3には、前輪60を軸支する左右一対のフロントフォーク61を支持するステアリングステム62が回動自在に挿通されている。このステアリングステム62の上端には、操作用ハンドル63が固定されるトップブリッジ64が連結され、また、ステアリングステム62のボトムブリッジ62Aの下方には、フロントフェンダ65が取り付けられている。上記一対のメインフレーム10は、その延出方向に沿って補強用リブ11を有する日の字断面の中空構造を有し、各メインフレーム10の下面には、ヘッドハンガ用ブラケット12が各々設けられ、各ブラケット12には、エンジンハンガ13を介してエンジン4が支持されている。
【0013】
また、上記ダウンチューブ20Aは、矩形断面の中空構造に形成され、その左右側面には、ラジエータ55を固定するためのボルト締結部21が上下に間隔を空けて設けられている。ダウンチューブ20Aの背面側には、略U字状の補強フレーム24が設けられ、この補強フレーム24の各端部は、メインフレーム10の各ヘッドハンガ用ブラケット12に連結されている。
【0014】
これによって、メインフレーム10とダウンチューブ20Aとを連結する連結箇所が、ヘッドパイプ3近傍とヘッドパイプ3から離れた箇所との複数箇所になるので、メインフレーム10とダウンチューブ20Aとの連結強度が向上されている。また、補強フレーム24にはブラケット24Aが設けられ、このブラケット24Aには車体前側の左右をカバーするシェラウド77が固定されている。
【0015】
上記一対のロアーパイプ20Bは、上記ジョイント20Cから延びて車体下方を車体後方に延びる角形断面の中空構造に形成されている。各ロアーパイプ20Bの後端は、ピボットプレート30の湾曲部30Aに設けられた各ブラケット36に溶接により各々連結される。また、各ロアーパイプ20Bの略中間部には、上方に突出するエンジンハンガ27が一体に設けられ、これらエンジンハンガ27を介して、エンジン4の下部が支持されている。
【0016】
また、上記ジョイント20C(図2、図4参照)は、チューブ挿入部20C1と、このチューブ挿入部20C1の反対側に並列配置される2つのパイプ挿入部20C2とを有する中空構造に形成されている。上記チューブ挿入部20C1(図2、図4参照)には、ダウンチューブ20Aの下端が挿入され、この状態で当該チューブ挿入部20C1とダウンチューブ20Aとが溶接により連結される。また、上記パイプ挿入部20C2には、ロアーパイプ20Bの先端が各々挿入され、この状態で各パイプ挿入部20C2と各ロアーパイプ20Bとが溶接により連結される。更に、上記ジョイント20Cには、エンジンハンガ26が一体に設けられ、このエンジンハンガ26を介してエンジン4の前部が支持される。
【0017】
また、上記ピボットプレート30は、メインフレーム10の後端から車体下方に向けて湾曲する湾曲部30Aと、この湾曲部30Aから車体上方に延びる延出部30Bとを一体的に備える中実構造に形成されている。
上記湾曲部30Aには、車体左右方向に貫通する貫通孔31が形成され、これら貫通孔31には、枢軸32が挿通されて軸支され、この枢軸32には、後輪70を軸支するリアフォーク71の前端が上下に揺動自在に支持される。また、後輪70とエンジン4の出力軸5Aには、各々スプロケット72、73が設けられ、スプロケット72、73にはドライブチェーン74が巻回され、このドライブチェーン74を介してエンジン4の動力が後輪70に伝達される。
【0018】
また、上記湾曲部30Aの下方には、ピボットプレート30のクロスメンバを兼ねるロッド用ブラケット33が配置される。このロッド用ブラケット33には、ロッド75の一端が回動自在に連結され、このロッド75の他端は、リアサスペンション80の下端が連結された連結体76に連結されて、この連結体76のリアフォーク71との連結支点71Cを基準とする回動方向への動きを抑制している。また、上記延出部30B間には、クロスメンバを兼ねるリアサスアッパーブラケット34が設けられ、このブラケット34には、リアサスペンション80の上端が連結されている。さらに、上記湾曲部30Aと上記リアサスアッパーブラケット34とには、当該ピボットプレート30にリアフォーク71を連結するための連結部35A、35Bが各々形成され、また、湾曲部30Aの上記ロッド用ブラケット33で補強された箇所には、ブラケット36を介してダウンチューブ20の後端が各々連結されている。
【0019】
リアフレーム40は、上記湾曲部30Aの連結部35Aに連結されて車体後上方に延びる左右一対のアルミニウムパイプ40Aと、上記リアサスアッパーブラケット34の連結部35Bに連結された車体後方に延びる左右一対のアルミニウムパイプ40Bとを備え、これらアルミニウムパイプ40A、40Bの後端が各々連結されて構成され、これらアルミニウムパイプ40A、40Bに、シート57、リアフェンダ58及びサイドカバー59が配設される。
【0020】
上記エンジン4は、クランクケース5と、クランクケース5の前部から略上方に延出するシリンダブロック6と、シリンダブロック6の上部に連結されるシリンダヘッド7とを備え、シリンダブロック6内に1つのシリンダを有する単気筒エンジンである。シリンダブロック6には、上記シリンダ内にピストンが往復移動自在に収容されており、クランクケース5には、上記ピストンにコンロッドを介して連結されたクランク軸や当該エンジンの出力軸5Aが軸支されると共に、このクランク軸と出力軸5Aとの間の動力伝達機構を構成するクラッチ機構や変速機構等が収容されている。
【0021】
シリンダヘッド7には、シリンタブロック6内のシリンダに連通する吸排気通路を開閉する吸排気バルブが収容され、この吸排気通路の吸気口7Aがシリンダヘッド7の背面に形成されている。この吸気口7Aには、気化器8が連結され、この気化器8には、エアクリーナボックス9が連結されている。また、当該シリンダヘッド7の前面には、上記吸排気通路の排気口7Bが形成され、この排気口7Bには、排気管50が接続されている。この排気管50は、排気口7Bから前方へ延びてシリンダヘッド7の側方へ屈曲し、車両後方に延出してその延出端に排気マフラー51が連結されている。また、シリンダヘッド7の前方には、エンジン4の冷却水を冷却するラジエータ55が配置され、シリンダヘッド7の上方には、上記気化器8に燃料を供給する燃料タンク56が配置され、この燃料タンク56の後方にはシート57が配置されている。
【0022】
次に、車体フレーム2の構成を説明する。
本実施形態では、図2及び図3に示すように、上記ヘッドパイプ3の一部3Aと、メインフレーム10と、ダウンチューブ20Aと、補強フレーム24とが、アルミニウム大型鋳造により一体に成形されている。そして、ヘッドパイプ3とダウンチューブ20Aとの、図中、太線で示す接続部(以下、補強体という)90がアルミニウム鍛造品とされ、その他のフレーム構成部、すなわち、上述したヘッドパイプ3の一部3A、メインフレーム10、ダウンチューブ20A、補強フレーム24の他、ロアーパイプ20B、ジョイント20C、ピボットプレート30等が全てアルミニウム鋳造品とされている。
このアルミニウム鋳造品は、鋳物用アルミニウム合金を用いて例えば金型鋳造され、或いはダイカスト、さらには中空ダイカストであってもよい。
また、アルミニウム鍛造品は、アルミニウム鋳造品に比して強度とじん性が高く、鍛造用アルミニウム合金、例えば高力合金、耐熱合金、耐食合金等を用いて型鍛造により製造され、冷間鍛造品であってもよい。ここで、アルミニウムにはアルミニウム合金の他、純アルミニウムを含む。
【0023】
上記補強体90は、ヘッドパイプ3の下部からダウンチューブ20Aに連なる、いわゆる「あご下」の部分に延在し、アルミニウム鋳造品(その他のフレーム構成部)に比して強度とじん性が高いアルミニウム鍛造で成形されている。この補強体90は、ヘッドパイプ3の他部3Bを構成するパイプ部90Aと、このパイプ部90Aからダウンチューブ20Aの下面に沿って延びる中実構造の延長部90Bとを一体に有している。これらパイプ部90A及び延長部90Bは、図3に示すように、その上面がヘッドパイプ3とダウンチューブ20Aとに隙間なく密着した状態で溶接等により接合され、また、上記パイプ部90A及び延長部90Bの下面は、車体側面視で、ダウンチューブ20Aに向かって滑らかに湾曲する湾曲面90Cに形成されている。これによって、この補強体90がヘッドパイプ下方から外力を受けた場合には、その外力を、ダウンチューブ20A側に分散させることができ、ヘッドパイプ3とダウンチューブ20Aとの接続部の強度を高めることができる。
【0024】
本実施形態では、ヘッドパイプ3の一部3Aと、メインフレーム10と、ダウンチューブ20Aと、補強フレーム24とを、アルミニウム大型鋳造により一体成形し、この大型鋳造品の「あご下」に、アルミニウム鍛造品の補強体90を溶接したので、この大型鋳造品は、溶接が一カ所で済み、ヘッドパイプ3の一部3Aとメインフレーム10との接合部、ヘッドパイプ3の一部3Aとダウンチューブ20Aとの接合部、ダウンチューブ20Aと補強フレーム24との接合部、補強フレーム24とメインフレーム10との接合部の各部所の溶接が不要になり、溶接作業の省力化を図ることができる。
【0025】
また、ヘッドパイプ3とダウンチューブ20Aとの接続部を、アルミニウム鋳造品よりも強度とじん性に優れたアルミニウム鍛造製の補強体90としているので、車体フレーム2を全てアルミニウム鋳造製にしたものに比して、ヘッドパイプ3とダウンチューブ20Aとの接続部の強度が向上する。この場合、10mもの高さから落下したり、10数mのジャンプをした際等に、前輪60からフロントフォーク61、ボトムブリッジ62Aを介して車体フレーム2に伝達する衝撃力を上記補強体90が受けるので、かかる衝撃によるクラックの発生を回避可能なフレーム剛性を得ることができる。
【0026】
しかも、本実施形態では、アルミニウム鍛造製の部品が上記補強体90のみで、それ以外の車体フレーム2を構成する部品、例えば、ヘッドパイプ3の一部3A、メインフレーム10、ダウンチューブ20A及びピボットプレート30等が、アルミニウム鍛造に比して製造コストが低いアルミニウム鋳造製で構成されるので、フレームの軽量化を維持しつつフレーム剛性を確保可能で、かつ、製造コストが低いフレームを提供でき、更に、大型鋳造品を採用するので、フレーム形状の自由度が向上する。
【0027】
(2)第2実施形態
図6乃至図9は、第2実施形態を示す。
この実施形態では、メインフレーム10の後端とダウンチューブ20の後端とを連結する左右一対のピボットプレート300(図中、太線で示す)だけがアルミニウム鍛造品とされ、その他のフレーム構成部がアルミニウム鋳造品とされている。
【0028】
ピボットプレート300は、図6及び図7に示すように、車体下方に向けて湾曲する湾曲部300Aと、この湾曲部300Aから上方に延びる延出部300Bとを一体に備える中実構造に形成され、湾曲部300Aの一端及び延出部300Bの下面が溶接によりメインフレーム10の後端に連結される。
上記湾曲部30Aには、車体左右方向に貫通する貫通孔31が形成され、これら貫通孔31には、図1と同様に、枢軸32を介して、後輪70を軸支するリアフォーク71の前端が上下に揺動自在に支持され、湾曲部300A間の下方には、図8に示すように、クロスメンバを兼ねるロッド用ブラケット33が設けられる。このロッド用ブラケット33には、図1と同様に、ロッド75の一端が回動自在に連結され、このロッド75の他端は、リアサスペンション80の下端が連結された連結体76に連結されて、この連結体76のリアフォーク71との連結支点71Cを基準とする回動方向への動きを抑制する。
【0029】
また、上記延出部300B間には、図9に示すように、クロスメンバを兼ねるリアサスアッパーブラケット34が設けられ、このブラケット34には、図1と同様に、リアサスペンション80の上端が連結される。
また、図7に示すように、このブラケット34と上記湾曲部30Aとには、連結部35A、35Bが設けられ、各連結部35A、35Bには、図1と同様に、リアフレーム40のアルミニウムパイプ40A、40Bの一端が各々連結され、これによって、リアフレーム40がピボットプレート300に支持される。
また、この車体フレーム2では、第1実施形態で説明したアルミニウム鍛造製の補強体90を備えておらず、ヘッドパイプ3と、メインフレーム10と、ダウンチューブ20Aと、補強フレーム24とが、アルミニウム大型鋳造により一体的に成形され、これ以外のピボットプレート300を除くフレーム構成部、すなわち、ロアーパイプ20B及びジョイント20C等が全てアルミニウム鋳造品とされている。上記以外の構成は、上記第1実施形態の構成と同一であるので、その説明を省略する。
【0030】
この実施形態では、ピボットプレート300を、強度とじん性に優れたアルミニウム鍛造製としているので、車体フレーム2を全てアルミニウム鋳造製にしたものに比して、リアフォーク71を軸支するピボットプレート300の強度が向上する。この場合、10mもの高さから落下したり、10数mのジャンプをした際等に、後輪70からリアフォーク71を介してフレームに伝達する衝撃力をピボットプレート300が受けるので、かかる衝撃によるクラックの発生を回避可能なフレーム剛性が得られる。
しかも、本実施形態では、アルミニウム鍛造品が上記ピボットプレート300のみで、それ以外の車体フレーム2を構成する部品、すなわち、ヘッドパイプ3、メインフレーム10、ダウンチューブ20A等が、アルミニウム鍛造に比して製造コストが低いアルミニウム鋳造製で構成されるので、フレームの軽量化を維持しつつフレーム剛性を確保可能で、かつ、製造コストが低いフレームが得られ、更に、大型鋳造品を採用するので、フレーム形状の自由度が向上する。
【0031】
(3)第3実施形態
図10乃至図12は、第3実施形態を示す。
この実施形態では、ダウンチューブ20Aとロアーパイプ20Bとを連結するジョイント200C(図中、太線で示す)だけがアルミニウム鍛造品とされ、その他のフレーム構成部がアルミニウム鋳造品とされている。
【0032】
上記ジョイント200Cは、図10及び図11に示すように、チューブ挿入部200C1と、このチューブ挿入部200C1の反対側に並列配置される2つのパイプ挿入部200C2とを一体に有する中空構造に形成される。チューブ挿入部200C1には、図12に示すように、ダウンチューブ20Aの下端が挿入され、この状態で当該チューブ挿入部200C1とダウンチューブ20Aとが溶接により連結され、また、上記パイプ挿入部200C2には、上記一対のロアーパイプ20Bの先端が各々挿入され、この状態で各パイプ挿入部200C2と各ロアーパイプ20Bとが溶接により連結される。更に、上記ジョイント200Cには、図11に示すように、エンジンハンガ26が一体に設けられ、図1と同様に、上記エンジンハンガ26を介してエンジン4の前部が支持される。
【0033】
また、この車体フレーム2では、第1実施形態で説明したアルミニウム鍛造製の補強体90を備えておらず、ヘッドパイプ3と、メインフレーム10と、ダウンチューブ20Aと、補強フレーム24とが、アルミニウム大型鋳造により一体的に成形され、これ以外のジョイント200Cを除くフレーム構成部、すなわち、ロアーパイプ20B及びピボットプレート30等が全てアルミニウム鋳造品とされている。上記以外の構成は、上記第1実施形態の構成と同一であるので、その説明を省略する。
【0034】
この実施形態では、ダウンチューブ20Aとロアーパイプ20Bとが連結されるジョイント200Cを、強度とじん性に優れたアルミニウム鍛造製としているので、車体フレーム2を全てアルミニウム鋳造製にしたものに比して、ダウンチューブ20Aとロアーパイプ20Bとの連結強度が向上する。この場合、落下時(ジャンプ着地時等)にダウンチューブ20Aとロアーパイプ20Bとに作用する衝撃力をジョイント200Cが受けるので、かかる衝撃によるクラックの発生を回避可能なフレーム剛性が得られる。
しかも、本実施形態では、アルミニウム鍛造品がジョイント200Cのみで、それ以外の車体フレーム2を構成する部品、すなわち、ヘッドパイプ3、メインフレーム10、ダウンチューブ20A及びピボットプレート30等が、アルミニウム鍛造に比して製造コストが低いアルミニウム鋳造製で構成されるので、上記各実施形態と同様に、フレームの軽量化を維持しつつフレーム剛性を確保可能で、かつ、製造コストが低いフレームが得られ、更に、大型鋳造品を採用するので、フレーム形状の自由度が向上する。
【0035】
(4)第4実施形態
図13は、第4実施形態を示す。
この実施形態では、ヘッドパイプ3の一部3Aとダウンチューブ20Aとが一体鋳造され、この一体鋳造品に対して、同じく鋳造品のメインフレーム10等の各フレーム構成部を溶接により接合すると共に、この一体鋳造品の「あご下」に強度とじん性に優れたアルミニウム鍛造品の補強体90を溶接してフレームが構成されている。この構成では、ヘッドパイプ3の一部3Aとダウンチューブ20Aとを一体鋳造したから、製造コストが低減され、しかも、この一体鋳造品の「あゴ下」に鍛造品の補強体90を溶接したから、「あご下」の剛性が向上する。
しかも、本実施形態では、アルミニウム鍛造品が補強体90のみで、それ以外の車体フレーム2を構成する部品、すなわち、ヘッドパイプ3、メインフレーム10、ダウンチューブ20A及びピボットプレート30等が、アルミニウム鍛造に比して製造コストが低いアルミニウム鋳造製で構成されるので、上記各実施形態と同様に、フレームの軽量化を維持しつつフレーム剛性を確保可能で、かつ、製造コストが低いフレームが得られ、更に、大型鋳造品を採用するので、フレーム形状の自由度が向上する。
【0036】
(5)第5実施形態
図14は、第5実施形態を示す。
この実施形態では、ヘッドパイプ3の一部3Aと、ダウンチューブ20Aと、ダウンチューブ20A及びロアーパイプ20Bを接続するジョイント20Cとが一体鋳造され、この一体鋳造品に対して、同じく鋳造品のメインフレーム10等の各フレーム構成部を溶接により接合すると共に、この一体鋳造品の「あご下」に強度とじん性に優れたアルミニウム鍛造品の補強体90を溶接してフレームが構成されている。この構成では、ヘッドパイプ3の一部3Aとダウンチューブ20Aとジョイント20Cとを一体鋳造したから、製造コストが低減され、しかも、この一体鋳造品の「あご下」に鍛造品の補強体90を溶接したから、「あご下」の剛性が格段に向上する。
しかも、本実施形態では、アルミニウム鍛造品が補強体90のみで、それ以外の車体フレーム2を構成する部品、すなわち、ヘッドパイプ3、メインフレーム10、ダウンチューブ20A及びピボットプレート30等が、アルミニウム鍛造に比して製造コストが低いアルミニウム鋳造製で構成されるので、フレームの軽量化を維持しつつフレーム剛性を確保可能で、かつ、製造コストが低いフレームが得られ、更に、大型鋳造品を採用するので、フレーム形状の自由度が向上する。
【0037】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでないことは明らかである。例えば、上記各実施形態では、ヘッドパイプ3とダウンチューブ20Aとの接続部をアルミニウム鍛造製の補強体90とし、若しくは、ピボットプレート300をアルミニウム鍛造品とし、又は、ジョイント200Cをアルミニウム鍛造品とする場合について説明したが、上記の少なくとも2カ所をアルミニウム鍛造品で構成し、その他のフレーム構成部をアルミニウム鋳造品で構成してもよい。この場合、フレーム剛性が更に向上する。また、上記ピボットプレート300及びジョイント200Cについては、車体フレーム2に必須の部品であるため、部品点数を増大させることなくフレーム剛性を向上させることが可能である。
【0038】
上記各実施形態においては、ヘッドパイプ3の一部3A又はヘッドパイプ3全体と、メインフレーム10と、ダウンチューブ20Aと、補強フレーム24とを、アルミニウム大型鋳造により一体的に成形する場合について説明したが、フレーム構成部のアルミ鋳造品については、任意の組み合わせでアルミニウム大型鋳造により一体的に成形することが可能であり、例えば、ヘッドパイプ3と、メインフレーム10と、ダウンチューブ20Aとをアルミニウム大型鋳造により一体的に成形し、補強フレーム24は別体の部品としてもよい。
【0039】
また、上記各実施形態では、車体フレーム2をアルミニウム製の鍛造品及び鋳造品で構成する場合について説明したが、これら鍛造品及び鋳造品をマグネシウム製にする等、アルミニウム以外の材料を適用してもよい。
更に、上記各実施形態では、本発明を、ダウンチューブ20Aがヘッドパイプ3からは1本で延びた後、エンジン4の前方で2本となるセミダブルクレードル型の車体フレームに適用する場合について説明したが、ダウンチューブがヘッドパイプ3から2本のまま車体下方に延びて後方に延在するダブルクレードル型の車体フレーム等にも適用することが可能である。また、本発明は、モトクロス車両やトライアル車両等のオフロード用の自動二輪車の他、オンロード用の自動二輪車の車体フレームに広く適用することができる。
【0040】
また、上記各実施形態1〜3に示す連結体90、ジョイント200C、ピボットプレート300の少なくとも2つの部品を鍛造品とし、勿論、その全てを鍛造品とし、その他のフレーム構成部を鋳造品としたフレーム構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】 第1実施形態に係る自動二輪車の全体構成を示す側面図である。
【図2】 第1実施形態に係る車体フレームを示す斜視図である。
【図3】 上記車体フレームの側面図である。
【図4】 上記車体フレームの背面図である。
【図5】 上記車体フレームを斜め上方から見た図である。
【図6】 第2実施形態に係る車体フレームを示す斜視図である。
【図7】 上記車体フレームの側面図である。
【図8】 上記車体フレームの背面図である。
【図9】 上記車体フレームを斜め上方から見た図である。
【図10】 第3実施形態に係る車体フレームを示す斜視図である。
【図11】 上記車体フレームの側面図である。
【図12】 上記車体フレームの背面図である。
【図13】 第4実施形態に係る車体フレームを示す斜視図である。
【図14】 第5実施形態に係る車体フレームを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 自動二輪車
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
4 エンジン
10 メインフレーム
13、26、27 エンジンハンガ
20A ダウンチューブ
20B ロアーパイプ
20C、200C ジョイント
24 補強フレーム
30、300 ピボットプレート
40 リアフレーム
56 燃料タンク
57 シート
61 フロントフォーク
71 リアフォーク
90 補強体
90A パイプ部
90B 延長部
90C 湾曲面




 

 


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