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発明の名称 車両操作支援装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8402(P2007−8402A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−194671(P2005−194671)
出願日 平成17年7月4日(2005.7.4)
代理人 【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
発明者 照田 八州志
要約 課題
車両操作支援装置のアシストトルクによるドライバーの違和感を最小限に抑えながら、障害物の回避操作を行う場合には必要なアシストトルクが得られるようにする。
解決手段
衝突回避操作判定手段M2がドライバーによる衝突回避操作を判定すると、回避運動量算出手段M4が自車が障害物を回避するのに必要な回避運動量を算出し、この回避運動量によって目標アシスト電流が修正される。ヨーレート偏差の絶対値が閾値以下であって車両挙動が安定している場合には補正係数算出手段M8が目標アシスト電流を低減するので、過剰なアシストによるドライバーの違和感を解消することができる。しかも前記目標アシスト電流の低減量は、ドライバーによる衝突回避操作が判定されたときには、されないときよりも小さく設定されるので、衝突回避操作が行われた緊急時に目標アシスト電流が低減され難くして障害物の回避を確実に行うことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両の走行時に障害物(O)との衝突を回避すべくドライバーが行う衝突回避操作を支援する車両操作支援装置において、
車両の規範ヨーレート(γt)を算出する規範ヨーレート算出手段(M1)と、
ドライバーによる衝突回避操作を判定する衝突回避操作判定手段(M2)と、
自車が衝突する可能性のある障害物(O)を検知する障害物検知手段(M3)と、
衝突回避操作判定手段(M2)がドライバーによる衝突回避操作を判定したときに、障害物検知手段(M3)で検知した障害物(O)を回避するのに必要な回避運動量を算出する回避運動量算出手段(M4)と、
規範ヨーレート算出手段(M1)で算出した規範ヨーレート(γt)を回避運動量算出手段(M4)で算出した回避運動量で修正する規範ヨーレート修正手段(M5)と、
修正した規範ヨーレート(γt)と実ヨーレート(γ)との偏差であるヨーレート偏差(Δγ)に基づいてステアリングアクチュエータ(18)に供給する目標アシスト電流を算出する目標アシスト電流算出手段(M7)と、
ヨーレート偏差(Δγ)の絶対値が閾値以下のときに目標アシスト電流を低減するとともに、その目標アシスト電流の低減量を、衝突回避操作判定手段(M2)がドライバーによる衝突回避操作を判定したときには、しないときよりも小さく設定する補正手段(M8)と、
を備えたことを特徴とする車両操作支援装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行時に障害物との衝突を回避すべくドライバーが行う衝突回避操作を支援する車両操作支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両がアンダーステアの旋回限界に近づいて、それ以上ステアリングホイールを切り増しすると車両挙動を乱す虞のあるときに、アンダーステアの度合いや車速に応じてアシストトルクの増加を禁止したりアシストトルクを減少させたりすることで、ドライバーに車両が旋回限界に近づいたことを報知するとともに、ステアリングホイールの切り増しを抑制して車両挙動の乱れを防止するものが、下記特許文献1により公知である。
【特許文献1】特開2004−352031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで上記従来のものは、オーバーステア状態ではアシストトルクの補正が行われないのでドライバーが違和感を感じる可能性があり、また障害物の回避操作を行う場合には操舵反力が大きくなって素早い回避操作が阻害される可能性があった。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車両操作支援装置のアシストトルクによるドライバーの違和感を最小限に抑えながら、障害物の回避操作を行う場合には必要なアシストトルクが得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、車両の走行時に障害物との衝突を回避すべくドライバーが行う衝突回避操作を支援する車両操作支援装置において、車両の規範ヨーレートを算出する規範ヨーレート算出手段と、ドライバーによる衝突回避操作を判定する衝突回避操作判定手段と、自車が衝突する可能性のある障害物を検知する障害物検知手段と、衝突回避操作判定手段がドライバーによる衝突回避操作を判定したときに、障害物検知手段で検知した障害物を回避するのに必要な回避運動量を算出する回避運動量算出手段と、規範ヨーレート算出手段で算出した規範ヨーレートを回避運動量算出手段で算出した回避運動量で修正する規範ヨーレート修正手段と、修正した規範ヨーレートと実ヨーレートとの偏差であるヨーレート偏差に基づいてステアリングアクチュエータに供給する目標アシスト電流を算出する目標アシスト電流算出手段と、ヨーレート偏差の絶対値が閾値以下のときに目標アシスト電流を低減するとともに、その目標アシスト電流の低減量を、衝突回避操作判定手段がドライバーによる衝突回避操作を判定したときには、しないときよりも小さく設定する補正手段とを備えたことを特徴とする車両操作支援装置が提案される。
【0006】
尚、実施例の補正係数算出手段M8は本発明の補正手段に対応する。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の構成によれば、規範ヨーレートと実ヨーレートとの偏差であるヨーレート偏差に基づいて算出した目標アシスト電流をステアリングアクチュエータに供給してドライバーのステアリング操作をアシストする際に、ドライバーによる衝突回避操作が判定されると自車が障害物を回避するのに必要な回避運動量を算出し、この回避運動量によって目標アシスト電流を修正する。ヨーレート偏差の絶対値が閾値以下であって車両挙動が安定している場合には補正手段が目標アシスト電流を低減するので、過剰なアシストによるドライバーの違和感を解消することができる。しかも前記目標アシスト電流の低減量は、ドライバーによる衝突回避操作を判定したときには、しないときよりも小さく設定されるので、衝突回避操作が行われた緊急時に目標アシスト電流が低減され難くして障害物の回避を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図5は本発明の第1実施例を示すもので、図1は操作支援装置を搭載した自動車の全体構成を示す図、図2は操舵装置の構成を示す図、図3は操作支援装置の制御系のブロック図、図4は目標横移動距離の説明図、図5はヨーレート偏差Δγから補正係数Kを検索するマップを示す図である。
【0010】
図1および図2に示すように、本実施例の操作支援装置を搭載した四輪の車両は、エンジンEの駆動力がトランスミッションTを介して伝達される駆動輪たる左右の前輪WFL,WFRと、車両の走行に伴って回転する従動輪たる左右の後輪WRL,WRRとを備える。
【0011】
ステアリングホイール11の回転はステアリングシャフト12、連結軸13およびピニオン14を介してラック15に伝達され、更にラック15の往復動が左右のタイロッド16,16を介して左右の前輪WFL,WFRに伝達される。操舵装置に設けられたパワーステアリング装置17は、ステアリングアクチュエータ18の出力軸に設けた駆動ギヤ19と、この駆動ギヤ19に噛み合う従動ギヤ20と、この従動ギヤ20と一体のスクリューシャフト21と、このスクリューシャフト21に噛み合うとともに前記ラック15に連結されたナット22とを備える。従って、ステアリングアクチュエータ18を駆動すれば、その駆動力を駆動ギヤ19、従動ギヤ20、スクリューシャフト21、ナット22、ラック15および左右のタイロッド16,16を介して左右の前輪WFL,WFRに伝達することができる。
【0012】
電子制御ユニットUには、車体前方に向けてミリ波等の電磁波を発信し、その反射波に基づいて障害物と自車との相対距離、障害物と自車との相対速度、障害物と自車とのオフセット距離および障害物の横幅を検知するレーダー装置Saと、前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRの回転数を検出する車輪速センサSb…と、ステアリングホイール11の操舵角δを検出する操舵角センサScと、車両の実ヨーレートγを検出するヨーレートセンサSeとが接続される。
【0013】
尚、ミリ波レーダーよりなる前記レーダー装置Saに代えてレーザーレーダーを採用することができる。
【0014】
電子制御ユニットUは、レーダー装置Saからの信号と、車輪速センサSb…、操舵角センサScおよびヨーレートセンサSeからの信号とに基づいて、ステアリングアクチュエータ18の作動を制御する。
【0015】
図3に示すように、電子制御ユニットUは、規範ヨーレート算出手段M1と、衝突回避操作判定手段M2と、障害物検知手段M3と、回避運動量算出手段M4と、規範ヨーレート修正手段M5と、目標アシスト操舵角算出手段M6と、目標アシスト電流算出手段M7と、補正係数算出手段M8と、目標電流算出手段M9とを備える。
【0016】
次に、ドライバーが障害物の回避操作を行わない通常時の作用を説明する。
【0017】
規範ヨーレート算出手段M1は、操舵角センサScで検出した操舵角δと車輪速センサSb…の出力から算出した自車の車速Vとに基づいて規範ヨーレートγtを算出する。目標アシスト操舵角算出手段M6は、ヨーレートセンサSeで検出した実ヨーレートγと規範ヨーレートγtとの偏差に基づいて目標アシスト操舵角を算出する。実ヨーレートγが規範ヨーレートγtよりも大きいときに車両はオーバーステア状態にあり、また実ヨーレートγが規範ヨーレートγtよりも小さいときに車両はアンダーステア状態にあるが、前記目標アシスト操舵角はこれらのオーバーステア状態およびアンダーステア状態を解消すべく、ドライバーが実際にステアリングホイール11を操作する操舵角δに対してパワーステアリング装置17が付加する操舵角に対応する。目標アシスト電流算出手段M7は、、目標アシスト操舵角算出手段M6で算出した目標アシスト操舵角をステアリングアクチュエータ18に供給する目標アシスト電流に変換する。
【0018】
補正係数算出手段M8は、後述する衝突回避操作判定手段M2がドライバーの衝突回避操作を判定しない場合(通常時)と、ドライバーの衝突回避操作を判定した場合(回避時)とで、各々異なる補正係数Kを算出する。通常時および回避時の両方について、この補正係数Kは実ヨーレートγと規範ヨーレートγtとの偏差(ヨーレート偏差Δγ)をパラメータとする変数となる。そして目標アシスト電流算出手段M7で算出した目標アシスト電流は、それに前記補正係数Kを乗算することで補正される。
【0019】
目標電流算出手段M9は、例えば操舵トルクセンサで検出した操舵トルクと車輪速センサSb…の出力から算出した自車の車速Vとに基づいて、ステアリングアクチュエータ18に供給する目標電流を算出する。そして目標電流算出手段M9で算出した目標電流に、目標アシスト電流算出手段M7で変換された目標アシスト電流を加算した電流値に基づいてステアリングアクチュエータ18が駆動される。これにより、車両がオーバーステア傾向にあるときにはステアリングホイール11を切り戻し方向に軽くし、車両がアンダーステア傾向にあるときにはステアリングホイール11を切り込み方向に重くして、ドライバーのステアリング操作を補助することができる。
【0020】
次に、ドライバーが障害物の回避操作を行う回避時の作用を説明する。
【0021】
衝突回避操作判定手段M2は、操舵角センサScで検出したステアリングホイール11の操舵角δに基づいて、ドライバーが障害物Oを回避するための操作を行ったか否かを判定する。具体的には、操舵角δを時間微分した操舵角速度dδ/dtが所定値(例えば0.85rad/sec)以上、または操舵角センサScが出力する操舵角δが所定値(例えば0.3rad)以上のときに、ドライバーが障害物を回避するための操作を行ったと判定する。
【0022】
図4に示すように、レーダー装置Saは、障害物Oと自車との相対速度および相対距離に加えて、障害物Oの横幅wと、自車の中心線に対する障害物Oの中心のずれ、つまりオフセット距離Doを検出する。
【0023】
障害物検知手段M3は、レーダー装置Saによる検知結果に基づいて自車の予想進路上にある障害物Oを判定する。回避運動量算出手段M4は、衝突回避操作判定手段M2がドライバーによる回避操作を判定したときに、障害物Oの横幅wと、既知である自車の横幅Wと、所定のマージンαとにより、自車が障害物Oを回避するのに必要な回避運動量(目標横移動距離)Dtを、
Dt=(w/2)+(W/2)+α−Do
により算出する。
【0024】
自車と障害物Oとの衝突を回避するのが最も困難なのは、自車の中心線上に障害物Oの中心がある場合、つまり自車の真正面に障害物Oがある場合であり、このような場合でも自車が上記目標横移動距離Dtだけ横方向に移動すれば、マージンαに相当する余裕を残して障害物Oの横をすり抜けることができる。
【0025】
規範ヨーレート修正手段M5は、規範ヨーレート算出手段M1で算出した規範ヨーレートγtを、回避運動量算出手段M4で算出した回避運動量Dtによって修正する。その結果、操舵角δおよび車速Vから算出した規範ヨーレートγtが、自車が障害物Oを回避するのが困難なときほど大きくなるように修正される。これにより、ドライバーが障害物Oとの衝突を回避するためのステアリング操作を行ったときに、そのステアリング操作をパワーステアリング装置17でアシストして衝突回避を効果的に行うことができる。
【0026】
この回避時には、補正係数算出手段M8が前述した通常時と異なる補正係数Kを算出し、この補正係数Kで目標アシスト電流を補正する。
【0027】
図5は、通常時および回避時の両方について、ヨーレート偏差Δγ(=規範ヨーレートγt−実ヨーレートγ)をパラメータとする補正係数Kの変化を示すものである。原点の右側のヨーレート偏差Δγが正の領域は、規範ヨーレートγtが実ヨーレートγよりも大きいアンダーステア領域であり、原点の左側のヨーレート偏差Δγが負の領域は、規範ヨーレートγtが実ヨーレートγよりも小さいオーバーステア領域である。
【0028】
通常時において、ヨーレート偏差Δγが閾値−Δγ2未満のときには補正係数Kが1に維持されるが、ヨーレート偏差Δγが閾値−Δγ2以上で閾値−Δγ1未満のときには補正係数Kが1から0へと減少し、ヨーレート偏差Δγが閾値−Δγ1以上のときには補正係数Kが0に維持される。このように、ヨーレート偏差Δγの絶対値が閾値Δγ2以下のときに補正係数Kを1未満にしてステアリングアクチュエータ18に供給する目標アシスト電流を低減する方向に補正するので、アンダーステアの傾向もオーバーステアの傾向も小さくて車両挙動が安定しているときに、ステアリングアクチュエータ18に供給する目標アシスト電流を低減することで、過剰なアシストが行われてドライバーに違和感を与えるのを防止することができる。
【0029】
尚、ヨーレート偏差Δγが閾値Δγ1を超えたアンダーステア領域で補正係数Kを0に維持するのは、以下の理由による。即ち、ヨーレート偏差Δγが大きくてアンダーステア傾向が強い場合に、つまり車両が旋回限界に近づいた場合にステアリングアクチュエータ18にアシストトルクを発生させると、車両が旋回限界を越えてタイヤがスリップしてしまい、車両挙動が乱れる可能性がある。従って、この場合には補正係数Kを0に維持してステアリングアクチュエータ18がアシストトルクを発生しないように制御することで、車両挙動の乱れを回避することができる。
【0030】
一方、回避時において、ヨーレート偏差Δγの絶対値が閾値Δγ2を越えるときには補正係数Kが1に維持されるが、ヨーレート偏差Δγの絶対値が閾値Δγ2以下で閾値Δγ1を越えるときには補正係数Kが1から所定値(0.7)へと減少し、ヨーレート偏差Δγの絶対値が閾値Δγ1以下のときには補正係数Kが所定値(0.7)に維持される。この回避時にも、ヨーレート偏差Δγの絶対値が閾値Δγ2以下であって車両挙動が安定している場合に、補正係数Kを1未満にしてステアリングアクチュエータ18に供給する目標アシスト電流を低減する方向に補正するので、回避操舵のし易さは維持しつつ過剰なアシストによってドライバーが違和感を感じるのを防止することができる。
【0031】
ヨーレート偏差Δγの絶対値が閾値Δγ1以下のとき、通常時には補正係数Kが1から0に低減するのに対し、回避時には補正係数Kが1から所定値(0.7)にしか低減しない。つまり回避時には通常時に比べてステアリングアクチュエータ18が発生するアシストトルクの低減量が小さくなるように制御される。その理由は、障害物Oとの衝突を回避する必要のある緊急時には、充分なアシストトルクを発生させてステアリングホイール11を切り易くするためである。
【0032】
図6〜図8は本発明の第2実施例を示すもので、図6は規範ヨーレート算出手段の構成を示すブロック図、図7は車速に対する横加速度の下限値を示すグラフ、図8はローセレクト手段の作用を示すグラフである。
【0033】
第1実施例は規範ヨーレート算出手段M1が操舵角δおよび車速Vから規範ヨーレートγtを算出していたが、第2実施例は操舵角δ、横加速度Gおよび車速Vに基づいて規範ヨーレートγtを算出する点で異なっている。
【0034】
図6から明らかなように、規範ヨーレート算出手段M1は操舵角規範ヨーレート算出手段m1と、位相補償手段m2と、横加速度規範ヨーレート算出手段m3と、位相補償手段m4と、横加速度下限値規制手段m5と、ローセレクト手段m6とを備える。
【0035】
操舵角規範ヨーレート算出手段m1は、操舵角センサScで検出した操舵角δと、所定の係数と、車輪速センサSbの出力から算出した車速Vとを乗算して操舵角規範ヨーレートを算出し、その操舵角規範ヨーレートの位相のずれを位相補償手段m2で補償する。横加速度規範ヨーレート算出手段m3は、車輪速センサSbの出力から算出した車速Vと、所定の係数とを乗算したものを、横加速度センサSfで検出した横加速度Gで除算して横加速度規範ヨーレートを算出し、その横加速度規範ヨーレートの位相のずれを位相補償手段m4で補償する。
【0036】
そして横加速度センサSfで検出した横加速度Gが、図7に示す横加速度下限値規制手段m5で設定した下限値以下の場合には、横加速度センサSfで検出した横加速度Gに代えて、図7に示す横加速度Gの下限値を用いて横加速度規範ヨーレートが算出される。横加速度Gの下限値は車速Vが小さくなるほど大きくなるように設定されているので、低車速時に算出される横加速度規範ヨーレートは実際の値よりも大きい値に算出される。
【0037】
このようにして算出した操舵角規範ヨーレートおよび横加速度規範ヨーレートはローセレクト手段m6に入力され、図8に太い実線で示すように、操舵角規範ヨーレートおよび横加速度規範ヨーレートのうちの絶対値の小さい方が最終的な規範ヨーレートγtとして選択される。
【0038】
ところで、車輪がスリップし易い低摩擦係数の路面では、操舵角規範ヨーレートが実ヨーレートγよりも大きい値に算出される傾向があるため、この操舵角規範ヨーレートを規範ヨーレートγtとしてフィードバック制御を行うと、低摩擦係数の路面でオーバーステアの抑制が弱くなったり遅れたりする可能性がある。また横加速度規範ヨーレートはドライバーの運転意思(進みたい方向)を正確に反映していないため、この横加速度規範ヨーレートを規範ヨーレートγtとしてフィードバック制御を行うと、ドライバーが違和感を感じる可能性がある。
【0039】
そこで本実施例では、基本的には規範ヨーレートγtとして操舵角規範ヨーレートを採用し、操舵角規範ヨーレートが横加速度規範ヨーレートを超えた場合には、操舵角規範ヨーレートに代えて横加速度規範ヨーレートを規範ヨーレートγtとして採用するので、通常の路面では操舵角規範ヨーレートによりドライバーの運転意思を反映しながら、低摩擦係数の路面で操舵角規範ヨーレートが過大に算出される場合には、横加速度規範ヨーレートにより路面摩擦係数に応じた制御を行ってオーバーステアやアンダーステアを早期にかつ確実に抑制することができる。
【0040】
車速Vが小さい領域では検出される横加速度Gが小さいために検出誤差が大きくなり、その横加速度Gに基づいて算出される横加速度規範ヨーレートの誤差も大きくなる。しかしながら、本実施例によれば、低車速時には横加速度下限値規制手段m5によって横加速度規範ヨーレートが実際の値よりも大きく算出されるので、横加速度規範ヨーレートよりも操舵角規範ヨーレートが小さくなる。その結果、操舵角規範ヨーレートが規範ヨーレートγtとして選択されるため、精度の低い横加速度規範ヨーレートに基づく精度の低い制御が行われるのを防止することができる。
【0041】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0042】
例えば、実施例ではパワーステアリング装置17による前輪操舵で障害物Oとの衝突回避を行っているが、左車輪の制動力と右車輪の制動力とに差を持たせることで発生するヨーモーメントで障害物Oとの衝突回避を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】操作支援装置を搭載した自動車の全体構成を示す図
【図2】操舵装置の構成を示す図
【図3】操作支援装置の制御系のブロック図
【図4】目標横移動距離の説明図
【図5】ヨーレート偏差Δγから補正係数Kを検索するマップを示す図
【図6】第2実施例に係る規範ヨーレート算出手段の構成を示すブロック図
【図7】車速に対する横加速度の下限値を示すグラフ
【図8】ローセレクト手段の作用を示すグラフ
【符号の説明】
【0044】
M1 規範ヨーレート算出手段
M2 衝突回避操作判定手段
M3 障害物検知手段
M4 回避運動量算出手段
M5 規範ヨーレート修正手段
M7 目標アシスト電流算出手段
M8 補正係数算出手段(補正手段)
O 障害物
γ 実ヨーレート
γt 規範ヨーレート
Δγ ヨーレート偏差
18 ステアリングアクチュエータ




 

 


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