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発明の名称 タイヤ空気圧監視システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8206(P2007−8206A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−188242(P2005−188242)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
発明者 別所 誠人 / 永瀬 清英
要約 課題
ABSで用いられる車輪速センサを有効に利用することにより、タイヤ空気圧センサと1対1で対応付けられていた受信アンテナを除去し、コストダウンと組立の簡素化を図った直接式のタイヤ空気圧監視システムを提供する。

解決手段
ABS用の車輪速センサ6aは、磁気エンコーダ2aの回転に伴う磁束変化によって車輪1aの回転速度を検出し、この回転速度の信号をABS制御ユニット7へ送信する。これによって、ABS制御ユニット7は各車輪のスリップ率を一定にするようなABS機能を実現させる。また、車輪速センサ6aに内蔵された無線受信アンテナ(図示せず)が、タイヤ空気圧検出センサ3aの検出信号(つまり、タイヤ空気圧信号)を無線で受信し、このタイヤ空気圧信号をタイヤ空気圧監視ユニット8へ送信する。これによって、タイヤ空気圧監視ユニット8は各タイヤの空気圧監視機能を実現させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
タイヤ空気圧を直接検出する空気圧センサ及び検出されたタイヤ空気圧の信号を無線により車体側に送信する無線送信手段を備える車輪側装置と、前記無線送信手段により送信されたタイヤ空気圧の信号に基づいてタイヤ空気圧を監視する車体側装置とを有する車両のタイヤ空気圧監視システムであって、
車輪に近接して車体側に配置され、前記車輪の回転速度を検出する車輪速センサに、前記無線で送信されたタイヤ空気圧の信号を受信する無線受信アンテナと、受信したタイヤ空気圧の信号を前記車体側装置に送信する信号送信手段とを備えたこと、
を特徴とする車両のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項2】
前記無線送信手段は、前記信号送信手段よりも少ない電力で駆動されることを特徴とする請求項1に記載の車両のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項3】
前記車輪速センサは、アンチロックブレーキシステムを実現させるために前記車輪の回転速度を検出するセンサであることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の車両のタイヤ空気圧監視システム。
【請求項4】
前記無線受信アンテナは、キーレスエントリーシステムの携帯無線端末から送信される無線信号を受信することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両のタイヤ空気圧監視システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両のタイヤ空気圧を直接検知してそのタイヤ空気圧の監視を行うタイヤ空気圧監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のタイヤ空気圧を検知するタイヤ空気圧監視システムには、タイヤ空気圧を圧電センサなどで検知し、その検知信号を車体側に無線で送信してECU(Electric-Control-Unit)側でタイヤ空気圧の正常・異常を判定する直接式のタイヤ空気圧監視システムと、車輪速センサによって各車輪の車輪速を検知してその検知信号を車体側に無線で送信し、タイヤ径が小さくなれば車輪速が速くなるという原理を利用して、ECU側がタイヤ空気圧の正常・異常を判定する間接式のタイヤ空気圧監視システムとがある。このうち、間接式のタイヤ空気圧監視システムは、自動車が走行中でなければタイヤ空気圧を検知することができないが、直接式のタイヤ空気圧監視システムは、自動車が走行中であっても停車中であってもタイヤ空気圧を検知することができるので、それなりの便利さがある。
【0003】
このような直接式のタイヤ空気圧監視システムでは、タイヤに取り付けられたタイヤ空気圧検出センサ(例えば、ピエゾ効果を利用した圧電センサ)による検出信号(つまり、空気圧信号)を車体側の受信アンテナが無線で受信するように構成されている。例えば、各車輪の近傍に設置された受信アンテナがタイヤ空気圧検出センサの検出信号を無線で受信する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2639856号公報(4〜6ページ、及び図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に開示されているタイヤ空気圧検出センサは、タイヤ内に装着されているため、電源の供給が困難であり、かつ、ホイールの重量バランスやバネ下荷重等の関係から小型のリチウム電池を用いている。このため、空気圧の信号を無線で送信する無線送信手段の出力強度は必然的に微弱にする必要があり、受信アンテナを各タイヤの近傍のホイールハウジングに設置している。また、それぞれの無線送信手段が、最小限の電波強度で送信する必要があるため、タイヤごとのタイヤ空気圧検出センサと受信アンテナとの配置レイアウトを均一にする必要がある。そのために、タイヤ空気圧監視システム全体の組立作業が精密なものとなり、結果的に、組立時の作業工数が増大するおそれがある。
【0005】
本発明は、前記した問題点に鑑みてなされたものであり、コストダウンと組立の簡素化を図ったタイヤ空気圧監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明の車両のタイヤ空気圧監視システムは、タイヤ空気圧を直接検出する空気圧センサ及び検出されたタイヤ空気圧の信号を無線により車体側に送信する無線送信手段を備える車輪側装置と、前記無線送信手段により送信されたタイヤ空気圧の信号に基づいてタイヤ空気圧を監視する車体側装置とを有し、車輪に近接して車体側に配置され、前記車輪の回転速度を検出する車輪速センサに、前記無線で送信されたタイヤ空気圧の信号を受信する無線受信アンテナと、受信したタイヤ空気圧の信号を前記車体側装置に送信する信号送信手段とを備えている。
【0007】
このような構成によれば、空気圧センサの検出した空気圧信号を受信する無線受信アンテナは、車輪の回転速度検出に用いられる車輪速センサに内蔵されている。これにより、各車輪のタイヤ内に設置され、空気圧センサを備えるタイヤ空気圧検出センサより送信されたタイヤ空気圧情報を含む無線信号を受信することによって各タイヤの空気圧を監視することができる。したがって、車輪速センサを設置すれば、タイヤ空気圧情報を受信する無線受信アンテナも車体側に設置される。よって、タイヤ空気圧監視システムを構成するための材料並びに組立工数が削減されるのでコストダウンと組み立ての簡素化を図ることができる。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記の構成において、前記無線送信手段は、前記信号送信手段よりも少ない電力で駆動することを特徴とする。これによれば、タイヤ空気圧検出センサに内蔵される無線送信手段の消費電力が少ないので、タイヤ空気圧検出センサを駆動する電源(バッテリ)の寿命が増加し、小型の電源を使用することができる。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記の構成において、車輪速センサは、ABS(Anti-lock Brake System:アンチロックブレーキシステム)を実現させるために車輪の回転速度を検出するセンサであることを特徴とする。このようにすれば、ABSを適用する車両であれば必然的に車輪速センサが備えられているので、新たな車輪速センサを設けなくても、ABSの車輪速センサを利用して無線受信アンテナを取り付けることができる。よって、既存の車両に対しても容易にタイヤ空気圧監視システムを構築することができる。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記の構成において、無線受信アンテナは、キーレスエントリーシステムの携帯無線端末から送信される無線信号を受信することを特徴とする。これによれば、車輪速センサに備えられた無線受信アンテナは、タイヤ空気圧検出センサからの空気圧信号とほぼ同一の周波数帯域で、キーレスエントリーシステムの携帯無線端末からの信号を受信することができる。そして、車輪速センサは車両の外部(つまり、車輪の近傍)に設置されているので、無線受信アンテナは携帯無線端末からの信号を広範囲で受信することができる。よって、キーレスエントリーシステムの使い勝手が一段と向上する。
【0011】
さらには、無線受信回路をABS用の車輪速センサ内に内蔵することによって、タイヤ圧監視ユニットとは別体でタイヤ空気圧検出センサの近傍に設けていたアンテナコンポーネントが不要となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のタイヤ空気圧監視システムによれば、コストダウンと組立の簡素化を図ったタイヤ空気圧監視システムを提供することができる。
信号送信手段よりも少ない電力で駆動する無線送信手段を用いれば、タイヤ空気圧検出センサを駆動する電源の寿命が増加する。
【0013】
さらに、車輪速センサがアンチロックブレーキシステムを実現させるために前記車輪の回転速度を検出するセンサであれば、タイヤ空気圧検出センサと無線受信アンテナとの距離が短くなり、より確実にタイヤ空気圧検出センサからの電波を受信することが可能となる。
さらに、無線受信アンテナをキーレスエントリーシステムの携帯無線端末から送信される無線信号を受信するアンテナとして用いる構成によれば、キーレスエントリーシステムの携帯無線端末を用いて、遠方から車両のドアーをロックしたり解除したりすることを容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
《発明の概要》
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)に係る直接式のタイヤ空気圧監視システムをあげて説明する。本実施形態のタイヤ空気圧監視システムは、タイヤ空気圧検出センサの検出信号を無線で受信する無線受信アンテナを、ABSで用いられている車輪回転速度検出センサ(以下、「車輪速センサ」という)に内蔵させることを特徴としている。なお、以下の説明では、センサを用いてタイヤ空気圧を直接検出する直接式のタイヤ空気圧監視システムを単にタイヤ空気圧監視システムということにする。
【0015】
すなわち、本実施形態のタイヤ空気圧監視システムは、リチウム電池などの小型で長寿命な電池電源を内蔵し、かつタイヤ内温度に適応してタイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧検出センサと、そのタイヤ空気圧検出センサの検出信号を無線で受信する無線受信アンテナと、その検出信号に基づいてタイヤの空気圧監視を行うタイヤ圧監視ユニットとによって構成されるタイヤ空気圧監視システムにおいて、前記の無線受信アンテナをABSの構成要素である車輪速センサに内蔵させる。これによって、従来のように車輪側のタイヤ空気圧検出センサと1対1で対応して各車輪近傍のホイールハウジングに設置されていた受信アンテナを車輪速センサに内蔵させることでアンテナの設置スペースを削減した。従来は、無線を受信可能な場所に受信アンテナを設置する必要があることから設置場所に制約がありレイアウトの自由度に制限があったが、無線を受信可能な位置にある車輪速センサにアンテナを内蔵することでレイアウトの問題を解決することができる。つまり、車輪速センサがABSのための車輪速信号を検出すると共に、車輪速センサに内蔵された無線受信アンテナがタイヤ空気圧検出センサの検出信号を無線で受信する。
【0016】
《実施形態》
以下、本実施形態のタイヤ空気圧監視システムを詳細に説明する。図1は、車両に搭載された本実施形態のタイヤ空気圧監視システムの構成図である。本実施形態におけるタイヤ空気圧監視システムは、ABS機能の一部と直接式のタイヤ空気圧監視機能とが一体化された構成となっている。
【0017】
すなわち、図1に示すように、本実施形態のタイヤ空気圧監視システムにおいては、各車輪1a,1b,1c,1dには、車輪側装置として、ABS用の車輪回転速度(以下、「車輪速」という)を検出するための回転型の磁気エンコーダ(車輪パルサ)2a,2b,2c,2dと、各タイヤの空気圧を検出するためのタイヤ空気圧検出センサ3a,3b,3c,3dとが装着されている。ここで、磁気エンコーダ2a,2b,2c,2dは、ハブベアリングに装着され、タイヤ空気圧検出センサ3a,3b,3c,3dは、ホイールのリム面36(図4参照)に装着されている。なお、ハブベアリングも車輪1a,1b,1c,1dの一部に含まれるとする。
【0018】
また、車体5における各車輪1a,1b,1c,1dの近傍のホイールハウジング39(図4参照)には、それぞれ、ABS用の車輪速センサ6a,6b,6c,6dが設置されている。これらの車輪速センサ6a,6b,6c,6dには、それぞれ、各磁気エンコーダ2a,2b,2c,2dからの磁気パルスを検出する磁気検出素子(図示せず)と、各タイヤ空気圧検出センサ3a,3b,3c,3dからタイヤ空気圧の無線信号(無線データ情報)を受信する無線受信アンテナ(図示せず)とが内蔵されている。ここで、ホイールのリム面36(図4参照)に装着されたタイヤ空気圧検出センサ3a,3b,3c,3dは、無線送信手段31、無線送信アンテナ32及び空気圧センサであるピエゾ圧電素子34を備え、内蔵のリチウム電池33(図2参照)を用いて駆動される。
【0019】
さらに、車体5には、車体側装置として、各車輪速センサ6a,6b,6c,6dからそれぞれの車輪速情報を取得し、各車輪1a,1b,1c,1dのスリップ率を一定にするようにABS制御を行うABS制御ユニット7と、各タイヤ空気圧検出センサ3a,3b,3c,3dが検出したタイヤ空気圧情報を各車輪速センサ6a,6b,6c,6dに内蔵された無線受信アンテナ(図示せず)を経由して取得し、各車輪1a,1b,1c,1dのそれぞれのタイヤ空気圧を監視するタイヤ空気圧監視ユニット8と、各車輪速センサ6a,6b,6c,6dに内蔵された無線受信アンテナ(図示せず)が受信した無線信号によって車両ドアのロック/解除を行うキーレスエントリーシステムを実現するキーレスユニット9とが搭載されている。
【0020】
なお、ABS制御ユニット7が行うABS制御は、各車輪速センサ6a,6b,6c,6dが検出した各車輪速のうち、例えば、最も速い車輪速を抽出してこれを擬似車速とし、この擬似車速の信号に基づいて各車輪1a,1b,1c,1dのスリップ率が理想スリップ率となるように制御することによって、各車輪1a,1b,1c,1dのスリップ率を一定にして安定したブレーキ制御を行うものである。このようなABS制御は周知の技術であり、かつ、本実施形態とは直接的には関係が無いので、その詳細な説明は省略する。
【0021】
各車輪1a,1b,1c,1dのタイヤに搭載された各タイヤ空気圧検出センサ3a,3b,3c,3dは、空気圧センサとして例えば、ピエゾ圧電素子34を備え、タイヤ空気圧の圧力値の大きさによってピエゾ圧電素子34の撓み量が変わって発生電圧を変化させる。この発生電圧の変化の情報は、所定のタイミングで無線送信され、その発生電圧に対応した高周波信号を各車輪速センサ6a,6b,6c,6dに内蔵された無線受信アンテナが受信する。そして、タイヤ空気圧監視ユニット8へ転送することにより、タイヤ空気圧監視ユニット8は、各車輪1a,1b,1c,1dのタイヤ空気圧を監視することができる。
【0022】
このとき、各タイヤ空気圧検出センサ3a,3b,3c,3dは、各タイヤのタイヤ位置情報の元になる情報、すなわち、各タイヤのIDあるいはセンサID、各タイヤの空気圧値、各タイヤの空気温度、などの各情報を所定のタイミングで各車輪速センサ6a,6b,6c,6dに内蔵された無線受信アンテナを経由してタイヤ空気圧監視ユニット8へ送信する。これによって、タイヤ空気圧監視ユニット8は、どのタイヤの空気圧情報であるかを一義的に判別することができる。
【0023】
図2は、図1に示すタイヤ空気圧監視システムの機能を表わすブロック図である。この図では、説明を簡単にするために、一つの車輪1における車輪速とタイヤ空気圧の検出系統が描かれている。すなわち、一つの車輪1に設けられた磁気エンコーダ2とタイヤ空気圧検出センサ3とに対応して、車体側には一つの車輪速センサ6が配置されている。そして、この車輪速センサ6からABS制御ユニット7に電源を供給する+B端子、信号端子P1,P2及びSig_GND端子を介して接続されている。さらに、無線受信アンテナ14が受信した無線データ信号(RF_data)は、無線IC16を介して、タイヤ空気圧監視ユニット8、及びキーレスユニット9に入力されている。すなわち、無線IC16は、信号送信手段として機能している。また、図2の車輪速センサ6に相当する図1の車輪速センサ6a,6b,6c,6dが、ABS制御ユニット7、タイヤ空気圧監視ユニット8、及びキーレスユニット9に接続されることになる。
【0024】
さらに詳しく説明する。車輪側には、ABS用の車輪速を検出するための回転型の磁気エンコーダ2とタイヤの空気圧を検出するためのタイヤ空気圧検出センサ3が装着されている。回転型の磁気エンコーダ2は、例えば、車輪1と同軸の円周上にN,S,N,S…の極性で交互に複数の永久磁石が配列された構成となっている。さらに、車輪側には、タイヤ空気圧を直接検出するピエゾ圧電素子34と、検出された空気圧検出値を無線信号として送信する無線送信手段31と、無線送信アンテナ32とからなるタイヤ空気圧検出センサ3がタイヤ内に装着されている。一方、車体側においては、車輪1の近傍のホイールハウジングにはABS用の車輪速センサ6(図1参照)が設置され、さらに、車輪速センサ6からABS制御ユニット7、タイヤ空気圧監視ユニット8、及びキーレスユニット9に接続されている。
【0025】
車輪速センサ6には、車輪速検出系統として、磁気エンコーダ2からの磁束の変化を抵抗の変化として検出する磁気検出素子11、磁気検出素子11の抵抗変化を検出し、車輪速に応じたパルスを出力する検出回路12、検出回路12から出力されるパルスを用いてリレーを駆動する出力回路13が接続されている。また、磁気検出素子11は、抵抗値が変化する4個の磁気抵抗素子S1,S2,S3,S4がブリッジ接続されており、回転方向も検出可能である。
【0026】
さらに、車輪速センサ6には、タイヤ空気圧検出系統として、タイヤ空気圧検出センサ3からタイヤ空気圧の無線信号を受信する無線受信アンテナ14、無線受信アンテナ14が受信した無線信号のインピーダンスマッチングを行う結合回路15、及びインピーダンスマッチングされた無線信号をタイヤ空気圧監視ユニット8とキーレスユニット9とに振り分ける無線IC16が接続されている。
【0027】
次に、図2に示すタイヤ空気圧監視システムの動作について説明する。最初に車輪速を検出してABS制御を行う車輪速検出系統について説明する。車輪速センサ6の磁気検出素子11は、車輪1の回転に伴って回転する磁気エンコーダ2のN,S極性の変化に応じてブリッジ回路における抵抗値のバランス関係を変化させる。そして、磁気検出素子11が生成する抵抗変化は、検出回路12によって車輪速パルスとして検出され、さらに出力回路13がリレーRYをスイッチングする。リレーRYと抵抗R1,R2によって車輪速パルス信号が生成され、信号端子P1,P2を介してABS制御ユニット7へ送信される。ここで、車輪1の回転方向により車輪速パルス信号の何れかが使用される。なお、車両の高速回転時には車輪速パルス信号は高速となるので、リレーRYは半導体スイッチによるリレーであることが望ましい。
【0028】
前記のような動作によって車輪速センサ6からABS制御ユニット7へ車輪速パルス信号が送信されるので、ABS制御ユニット7は、それぞれの車輪1の車輪速パルス信号に基づいて各車輪のスリップ率を一定にするようにABS制御を行う。このようなABS制御は周知の技術であり、かつ、本実施形態の本筋ではないので、これ以上の説明は省略する。
【0029】
次に、タイヤ空気圧検出センサ3が行うタイヤ空気圧の検出機能について説明する。車輪速センサ6に内蔵された無線受信アンテナ14は、タイヤ空気圧検出センサ3が検出して所定のタイミングで送信されるタイヤ空気圧信号を受信する。ここで、タイヤ空気圧検出センサ3と無線受信アンテナ14との距離は短く、4本のタイヤについてこの距離は等しい。したがって、タイヤ空気圧検出センサ3の消費電力は少なく、これを駆動するリチウム電池33の寿命が長くなる。あるいは、より小型の電池を使うことで、ホイールバランス等に与える影響を小さくすることができる。
【0030】
そして、無線受信アンテナ14が受信したタイヤ空気圧信号は、結合回路15によって出力側の回路インピーダンスとインピーダンスマッチングされ、さらに、無線IC16によってタイヤ空気圧監視ユニット8へ送信される信号とキーレスユニット9へ送信される信号とに弁別され、該当するルートへ送信される。ここでは、無線IC16は、受信した信号がタイヤ空気圧信号であることを認識して、そのタイヤ空気圧信号をタイヤIDと共にタイヤ空気圧監視ユニット8へ送信する。四輪に設けられているタイヤ空気圧検出センサ3と車輪速センサ6からなるタイヤ空気圧検知機能の系統がこのような動作を行うことによって、それぞれのタイヤのタイヤ空気圧信号をタイヤ空気圧監視ユニット8へ送信するので、タイヤ空気圧監視ユニット8は四輪のタイヤ空気圧を監視することができる。
【0031】
次に、キーレスエントリーシステムについて説明する。車輪速センサ6の無線受信アンテナ14は、図示しない携帯無線端末から送信された車両ドアのロック/解除信号を受信すると、結合回路15が、受信されたロック/解除信号のインピーダンスマッチングを行い、無線IC16が、ロック/解除信号を認識してこのロック/解除信号をキーレスユニット9へ送信する。これによって、キーレスユニット9は、車両ドアのロックまたは解除を行う。
【0032】
すなわち、図2に示すタイヤ空気圧監視システムによれば、タイヤ空気圧監視ユニット8へタイヤ空気圧信号を送信するための無線受信アンテナ14、結合回路15、および無線IC16からなる無線受信回路を、車輪1の近傍のホイールハウジングに配置されたABS用の車輪速センサ6に内蔵することにより、確実にタイヤ空気圧検出センサ3からタイヤ空気圧信号の無線電波を受信してタイヤ空気圧監視ユニット8へ転送することが可能となる。
【0033】
また、無線受信アンテナ14をABS用の車輪速センサ6に内蔵することによって、従来は必要としていたタイヤ空気圧監視ユニット8内の受信アンテナが不要となる。または、タイヤ空気圧監視ユニット8とは別体で車輪1の近傍のホイールハウジングに設置されていた受信アンテナが不要となる。つまり、無線受信アンテナ14を車輪速センサ6に内蔵して一体化することによって、アンテナコンポーネントを設ける場合でもアンテナレイアウトが極めて容易となる。
【0034】
さらに、車輪速センサ6に内蔵された無線受信アンテナ14は、タイヤ空気圧信号と車両ドアのロック/解除信号を同一周波数帯の電波で受信することができるため、無線受信アンテナ14をタイヤ空気圧監視システムの受信アンテナとキーレスエントリーシステムの受信アンテナとで併用して活用することが可能である。つまり、従来、キーレスエントリーシステムは、車両内に専用の受信アンテナを設置していたが、車両外に無線受信アンテナを設置することによって(つまり、車輪1の近傍の車輪速センサ6に無線受信アンテナ14を設置することによって)、結果的に、車両ドアのロック/解除信号の受信範囲が拡大し、キーレスユニット9の応答範囲を拡大させることが可能となる。さらには、キーレスエントリーシステム専用の受信アンテナが不要となるのでコストダウンを図ることができる。
【0035】
このようにして、各車輪1のタイヤ空気圧検出センサ3からの無線信号を受信する無線受信アンテナをABS用の車輪速センサに内蔵させることにより、直接式のタイヤ空気圧監視システムにおけるタイヤ空気圧信号の無線受信性能が向上すると共に、タイヤ空気圧監視システムの専用アンテナが廃止されるためにコストダウンを図ることができる。さらには、キーレスエントリーシステムのキーレス応答範囲の拡大やキーレス専用アンテナの廃止によるコストダウンを図ることができる。
【0036】
次に、本実施形態の特徴であるABS用の車輪速センサの具体的な構造、及びこのABS用の車輪速センサを車両へ実装する具体的な構成例について説明する。図3は、本実施形態のタイヤ空気圧監視システムに適用されるABS用の車輪速センサの構造図であり、図3(a)は外観図、図3(b)は内部断面図である。また、図4は、本実施形態のタイヤ空気圧監視システムに適用されるABS用の車輪速センサを車輪1の近傍に取り付けた具体的な構成図である。
【0037】
図3(b)に示すように、車輪速センサ6における車輪速検出部61の後部外周にはコイル状の無線受信アンテナ14が巻回されている。また、車輪速検出部61の後部にはABS制御ユニット7に接続されるケーブルが接続されており、このケーブルの軸に則して無線受信アンテナ14が巻回されていることになる。この構成によれば、無線受信アンテナ14の設置スペースが小さくなった。
【0038】
この無線受信アンテナ14は図示しない結合回路を経由して無線IC16に接続され、タイヤ空気圧監視システムの検出機能を構成している。また、車輪速検出部61から車輪速センサ回路64に接続されて車輪速の検出機能を構成している。このようなタイヤ空気圧検出機能と車輪速検出機能の複合的な機能を有する車輪速センサ6は図3(a)に示すような外観構造になっている。
【0039】
図4は、ABS機能と本実施形態によるタイヤ空気圧監視機能とを実現した車輪1及びその近傍の構成を示す断面図であって、車輪1が軸受37に支承された回転軸38によって回転できるように構成されている。また、車輪1は、ABS機能によってブレーキロックを防止するように構成されているが、その部分については本実施形態の本筋から外れるので説明は省略する。本実施形態の特徴である図3(a)に示すような構造の車輪速センサ6は、回転軸38の近傍のホイールハウジング39に固定して取り付けられている。このとき、車輪速センサ6の車輪速検出部61が、回転軸38と共に一体的に回転する磁気エンコーダ2に対向するように配置されている。また、タイヤ空気圧検出センサ3は、磁気エンコーダ2と一体的に回転するリム面36に取り付けられている。
【0040】
したがって、車輪1が回転すると磁気エンコーダ2が同時に回転するので、磁気エンコーダ2の永久磁石によって発生する磁束が変化する。車輪速センサ6の先端の車輪速検出部61が、この磁束の変化を車輪速パルスとして検出すると共に、車輪速センサ6に内蔵された無線受信アンテナ14(図3(b)参照)が、タイヤのリム面36に取り付けられているタイヤ空気圧センサ3からタイヤ空気圧信号を無線で受信する。これによって、ABS機能とタイヤ空気圧監視機能とを実現することができる。
【0041】
すなわち、本実施形態のタイヤ空気圧監視システムは、タイヤ空気圧を検出するセンサ部(ピエゾ圧電素子34)及びこのセンサ部で検出された空気圧検出値を無線信号として送信する無線送信アンテナ32で構成される車輪側のタイヤ空気圧検出センサ3と、車体側に設置されていてタイヤ空気圧検出センサ3から送信される無線信号を受信する無線受信アンテナ14と、この無線受信アンテナ14に接続されて空気圧検出値が適正な値であるか否かを判定し、その判定情報を運転者に報知するための出力信号を出力する信号処理部を備える車体側のタイヤ空気圧監視ユニット8とを有するタイヤ空気圧監視システムであって、車輪1に近接して車体側に配置され、その車輪1の回転速度を検出する車輪回転速度検出センサ(車輪速センサ6)に前記無線受信アンテナ14を設けたことを特徴としている。
【0042】
さらに、車輪速センサ6に設けた無線受信アンテナ14は、キーレスエントリーシステムの携帯無線端末から送信される車両のドアーロック/ドアー解除信号を受信することができる。ここで、ドアーロック/ドアー解除信号とは、車両のドアーがロックされているかロックされていないかを示す信号である。これにより、これらの機能を備えた車両のコストダウンを図ることができる。これにより、ABS用の車輪速センサ6内に内蔵された無線受信回路は、タイヤ空気圧検出センサ3より送信される無線電波とキーレスエントリーシステムの携帯無線端末より送信される無線電波とを同一周波数帯域で受信することができる。さらには、車輪速センサ6は車輪1の周辺に設置されるので、その車輪速センサ6内に内蔵された無線受信回路は、キーレスエントリーシステムの無線電波を広範囲から受信することができる。よって、キーレスエントリーシステムの受信性能が向上し、携帯無線端末による車両ドアの開閉操作の使い勝手が一段とよくなる。
【0043】
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記実施形態は、磁気抵抗素子を用いた磁気検出素子11を用いたが、ホール素子を用いても回転速度を検出することができる。
図5は、歯車の回転を検出する車輪速センサによる車輪速の検出方法を示す概念図である。車輪1と同軸で回転を行うロータ21の外周には均等なピッチ間隔で歯22が形成されている。また、この歯22の外周面に対向して、ホールIC23と磁束を与える磁石24が樹脂によるモールド25によって一体化されて配置されている。また、ホールIC23及び磁石24からケーブル26によってECU27に接続されている。なお、モールドされたホールIC23及び磁石24は、車輪1の近傍のホイールハウジング(図示せず)に取り付けられている。
【0044】
このような構成により、車輪1の回転に伴ってロータ21が回転し、歯22がホールIC23の対向位置を横切ることにより、磁気抵抗が変化し、ホールIC23を通過する磁束密度が変化する。具体的には、歯22の外周面(凸面)とホールIC23とが対向すると磁気抵抗が低くなり、歯22の凹面とホールIC23とが対向すると磁気抵抗が高くなる。これにより、ホールIC23は、磁束密度の変化に応じた起電力を発生し、車輪1の回転速度に比例した車輪速パルスが送信される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によるタイヤ空気圧監視システムによれば、ABSの車輪速検出機能とタイヤ空気圧監視機能とを一体化してコストダウンを図ることができるので、ABSを搭載した大衆車両の量産化時のコストダウンに有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】車両に搭載された本発明のタイヤ空気圧監視システムの構成図である。
【図2】タイヤ空気圧監視システムのブロック図である。
【図3】本発明のタイヤ空気圧監視システムに適用されるABS用の車輪速センサの外観図及び内部断面図である。
【図4】本実施形態のタイヤ空気圧監視システムに適用されるABS用の車輪速センサを車輪の近傍に取り付けた具体的な構成図である。
【図5】磁気エンコーダを用いた車輪速センサによる車輪速の検出方法を示す概念図である。
【符号の説明】
【0047】
1,1a,1b,1c,1d 車輪
2,2a,2b,2c,2d 磁気エンコーダ
3,3a,3b,3c,3d タイヤ空気圧検出センサ
5 車体
6,6a,6b,6c,6d 車輪速センサ
7 ABS制御ユニット
8 タイヤ空気圧監視ユニット
9 キーレスユニット
11 磁気検出素子
12 検出回路
13 出力回路
14 無線受信アンテナ
15 結合回路
16 無線IC(信号送信手段)
21 ロータ
22 歯
23 ホールIC
24 磁石
25 モールド
26 ケーブル
27 ECU
31 無線送信手段
32 無線送信アンテナ
33 リチウム電池
34 ピエゾ圧電素子(空気圧センサ)
36 リム面
37 軸受
38 回転軸
39 ホイールハウジング
61 車輪速検出部
64 車輪速センサ回路

P1,P2 信号端子
R1,R2 抵抗
RY リレー




 

 


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