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車両用パワーユニット - 本田技研工業株式会社
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発明の名称 車両用パワーユニット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8188(P2007−8188A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−187707(P2005−187707)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
発明者 鍋谷 真 / 白木 勝彦 / 石川 秀男
要約 課題
内燃機関、変速装置、および、懸架部を同一の結合部材で結合した車両用パワーユニットを提供する。

解決手段
後輪4L,4Rが接続された後輪シャフト33に平行に配設されたクランクシャフト26から回転駆動力を出力するエンジンケース21と、クランクシャフト26の回転駆動力を、後輪シャフト33に平行に配設されたカウンタシャフト34を介して後輪シャフト33に伝達する変速装置37が格納された変速機ケース22とを有して構成され、ハンガー部材12により車体フレーム2に取り付けられたパワーユニット6が、エンジンケース21と変速機ケース22とが着脱自在に構成され、エンジンケース21と変速機ケース22の第2および第3取付部68,69にハンガー部材12を配置し、エンジンケース21、変速機ケース22、および、ハンガー部材12を同一の結合部材73(ボルト73aおよびナット73b)で結合する。
特許請求の範囲
【請求項1】
駆動輪が接続された駆動輪シャフトに平行に配設されたクランクシャフトから回転駆動力を出力する内燃機関と、前記クランクシャフトの前記回転駆動力を、前記駆動輪シャフトに平行に配設されたカウンタシャフトを介して前記駆動輪シャフトに伝達する変速装置とを有して懸架部により車体に取り付けられた車両用パワーユニットであって、
前記内燃機関と前記変速装置とが着脱自在に構成され、
前記内燃機関および前記変速装置の結合部に前記懸架部を配置し、前記内燃機関、前記変速装置、および、前記懸架部を同一の結合部材で結合することを特徴とする車両用パワーユニット。
【請求項2】
前記懸架部が、前記車体に取り付けられる本体部と、前記本体部と前記内燃機関および前記変速装置とを結合する2枚の結合部材とから構成され、
前記結合部材が、前記内燃機関および前記変速装置の左右両側部を挟持して結合することを特徴とする請求項1に記載の車両用パワーユニット。
【請求項3】
前記内燃機関が、内部の下部に潤滑油を貯留するオイルパン部を有し、
前記懸架部が前記内燃機関の下方に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用パワーユニット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関および変速装置を備え、自動三輪車等の小型車両に搭載される車両用パワーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動三輪車等の小型車両においては、走行輪(前輪)を有する車体フレームに内燃機関および変速装置からなり駆動輪が設けられたパワーユニットを懸架した構成が知られている。この場合、車体フレームにパワーユニットを懸架する懸架部は、パワーユニットの下部において変速装置(変速機ケース)に接続される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−322440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、懸架部を変速装置に結合した場合、内燃機関と変速装置を結合してパワーユニットを組立てる作業と、組立てられたパワーユニットに懸架部を結合する作業とを行わなければならず、組立て工数や部品点数(結合部材)が増加するという課題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、内燃機関、変速装置、および、懸架部を同一の結合部材で結合した車両用パワーユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る車両用パワーユニットは駆動輪(例えば、実施形態における後輪4L,4R)が接続された駆動輪シャフト(例えば、実施形態における後輪シャフト33)に平行に配設されたクランクシャフトから回転駆動力を出力する内燃機関(例えば、実施形態におけるエンジンケース21)と、クランクシャフトの回転駆動力を、駆動輪シャフトに平行に配設されたカウンタシャフトを介して駆動輪シャフトに伝達する変速装置(例えば、実施形態において、変速装置37が格納された変速機ケース22)とを有して構成され、懸架部(例えば、実施形態におけるハンガー部材12)により車体(例えば、実施形態における車体フレーム2)に取り付けられるものであり、内燃機関と変速装置とが着脱自在に構成され、内燃機関および変速装置の結合部(例えば、実施形態における第2および第3取付部68,69)に懸架部を配置し、内燃機関、変速装置、および、懸架部を同一の結合部材(例えば、実施形態におけるボルト73aおよびナット73b)で結合する。
【0007】
このとき、懸架部が、車体に取り付けられる本体部(例えば、実施形態における前端部材12aおよび後端部材12b)と、本体部と内燃機関および変速装置とを結合する2枚の結合部材(例えば、実施形態における連結部材12c)とから構成され、結合部材が、内燃機関および変速装置の左右両側部を挟持して結合されることが好ましい。
【0008】
また、内燃機関が、内部の下部に潤滑油を貯留するオイルパン部を有し、懸架部が内燃機関の下方に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る車両用パワーユニットを以上のように構成すると、内燃機関と変速装置とを組立てる結合部材と、組立てられたパワーユニットに懸架部を結合する結合部材とを共通化できるため、組立て工数を削減できるとともに、部品点数を削減することができる。
【0010】
また、懸架部を構成する2枚の結合部材でパワーユニットを挟持することにより、結合力を高めることができるとともに、駆動輪からの反力を車体側に効率良く伝えることができ、乗り心地を向上させることができる。
【0011】
なお、内燃機関の下部にオイルパン部が形成されている場合、懸架部を内燃機関の下方に配置することにより、この懸架部によりオイルパン部を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用いて本発明に係る車両用パワーユニット(以降の説明では、単に「パワーユニット」と呼ぶ)が搭載される自動三輪車1について説明する。1個の前輪3と2個の後輪4L,4Rを有した自動三輪車1は、側面視においてU字状に形成された車体フレーム2を有し、この車体フレーム2の前端部に操舵機構5を介して前輪3が支承され、車体フレーム2の後部には左右後輪4L,4Rを駆動するパワーユニット6が設けられて構成されている。また、車体フレーム2の後端部の上部にはシート14が取り付けられており、パワーユニット6はエンジンカバー15により覆われている。
【0013】
操舵機構5は、車体フレーム2の前部に取り付けられ、上下方向に延びるヘッドパイプ7を有し、このヘッドパイプ7には、図示しないステアリングシャフトが回転自在に取り付けられている。そして、ステアリングシャフトの下端にフロントフォーク8が取り付けられ、このフロントフォーク8の下端に前輪3が支承されている。一方、ステアリングシャフトの上端にはハンドルポスト9が取り付けられており、さらに、このハンドルポスト9の上端にハンドル10が取り付けられ、ハンドル10を操作して、前輪3を操舵可能に構成されている。
【0014】
車体フレーム2の下部の後端部には下方に延びる揺動部材11が、車体フレーム2に対して前後方向に所定の角度範囲で揺動可能に取り付けられている。さらに、この揺動部材11の下端部には、後方に延びるハンガー部材12がこの揺動部材11に対して上下方向に揺動自在に取り付けられている。
【0015】
ハンガー部材12は、一端が揺動部材11に枢結される前端部材12aと、この前端部材12aの他端側に挿入され、後方に延びる軸を中心にこの前端部材12aに対して相対回転可能に取り付けられた後端部材12bと、この後端部材12bとパワーユニット6の下部とを連結する連結部材12cとから構成される。また、このハンガー部材12は、一端が車体フレーム2の後部に枢結され、他端がハンガー部材12の前端部材12aに枢結された緩衝器13により支持されている。
【0016】
それでは、パワーユニット6について図2〜図8を用いて説明する。なお、本実施例においては、図2における矢印Fの方向を前方とし、矢印Uの方向を上方として説明する。パワーユニット6は、シリンダヘッド20およびエンジンケース21からなるエンジン19と、変速機ケース22に格納された変速装置37とから構成される。
【0017】
エンジンケース21は、前ケース半体21aと後ケース半体21bとが組み合わされて構成されている。前ケース半体21aの前部に、前後方向に延びるようにはめ込まれたシリンダスリーブ23に囲まれてシリンダ室23aが形成されており、このシリンダ室23aには、前後方向に摺動自在にピストン24が配設されている。さらに、このピストン24はコンロッド25を介してエンジンケース21に回転自在に保持されるクランクシャフト26に接続されている。そして、シリンダスリーブ23、シリンダヘッド20およびピストン24で形成される燃焼室27には、シリンダヘッド20に形成された吸気口および排気口が連通している。
【0018】
エンジンケース21に左右方向に延びるように取り付けられたクランクシャフト26は、左クランクシャフト半体26Lと右クランクシャフト半体26Rとから構成されており、両クランクシャフト半体26L,26Rを繋いで配設されたクランクピン30を介して、コンロッド25が接続されている。また、クランクシャフト26は、前ケース半体21aと後ケース半体21bとの結合部に配設されており、両クランクシャフト半体26L,26Rのそれぞれが左右のベアリング31,32を介して前後ケース半体21a,21bに保持される。
【0019】
エンジンケース21の左側側部には変速機ケース22が取り付けられており、左クランクシャフト半体26Lのジャーナル部はこの変速機ケース22内に突出して配置されている。変速機ケース22には、クランクシャフト26の後方に位置してこのクランクシャフト26と平行に延び、変速機ケース22に回転自在に保持される後輪シャフト33が取り付けられており、さらに、その後方にクランクシャフト26と平行に延びて変速機ケース22に回転自在に保持されるカウンタシャフト34が取り付けられている。
【0020】
変速機ケース22の左側側面には、左カバー部材35が取り付けられており、この変速機ケース22と左カバー部材35で囲まれた変速機室36内に、変速装置37が格納されている。変速装置37は、変速機室36内にのびる左クランクシャフト半体26Lのジャーナル部に取り付けられて一体回転するドライブプーリ38、カウンタシャフト34の左端部に取り付けられてこのカウンタシャフト34に対して相対回転するドリブンプーリ39、カウンタシャフト34の中央部に取り付けられ、ドリブンプーリ39とカウンタシャフト34とを係脱するクラッチ40、および、ドライブプーリ38とドリブンプーリ39とに巻き掛けられてドライブプーリ38の回転をドリブンプーリ39に伝達する変速機ベルト41から構成される。
【0021】
ドライブプーリ38は、左クランクシャフト半体26Lのジャーナル部に一体回転可能なように取り付けられた固定プーリ半体38aと、この固定プーリ半体38aに対して軸方向に相対移動可能で且つ左クランクシャフト半体26Lと一体回転可能な可動プーリ半体38bとから構成され、変速機ベルト41は、これらの固定および可動プーリ半体38a,38bに挟持される。一方、ドリブンプーリ39は、カウンタシャフト34に相対回転可能に取り付けられた固定プーリ半体39aと、この固定プーリ半体39aに対して軸方向に相対移動可能で且つカウンタシャフト34に対して相対回転可能な可動プーリ半体39bとから構成され、変速機ベルト41は、これらの固定および可動プーリ半体39a,39bに挟持される。そのため、ドライブプーリ38およびドリブンプーリ39のプーリ幅を可変設定することにより、変速機ベルト41の両プーリ38,39に対する巻き掛け半径を連続的に変化させて変速比を無段階に(連続的に)制御することができる。
【0022】
カウンタシャフト34および後輪シャフト33の間に、これらのシャフト34,33と略平行に延びてアイドルシャフト42がとりつけられており、クランクシャフト26の回転によりドライブプーリ38が回転し、その回転が変速機ベルト41を介してドリブンプーリ39に伝達され、さらに、クラッチ40からカウンタシャフト34に伝達される。そして、カウンタシャフト34の回転が、カウンタシャフト34、アイドルシャフト42、および、後輪シャフト33に配設されたギヤ列を介して後輪シャフト33に伝達され、後輪シャフト33に取り付けられた左右の後輪4L,4Rを回転駆動させる。
【0023】
なお、後輪シャフト33は、左端部が左後輪4Lに接続された左シャフト33Lと、右端部が右後輪4Rに接続された右シャフト33Rとから構成され、これらのシャフト33L,33Rは、変速機ケース22の右側部に配設された差動機構43に接続されている。差動機構43は、後輪シャフト33と同軸上に相対回転可能に配置された差動キャリア44、差動キャリア44の内部に後輪シャフト33と直交する方向に貫通して支持されるピニオン軸45、ピニオン軸45の両端に取り付けられた一対のピニオンギヤ46、および、両ピニオンギヤ46と噛合する左右一対のサイドギヤ47とから構成され、左右シャフト33L,33Rがそれぞれ左右のサイドギヤ47に接続されている。そして、アイドルシャフト42を介してカウンタシャフト34伝達された回転は、差動機構43の差動キャリア44に入力され、ピニオン軸45および両ピニオンギヤ46を介してサイドギヤ47に伝達され、左右のシャフト33L,33Rに分割されて伝達されるように構成されている。
【0024】
この変速機ケース22の右側側面には、この右側側面を覆うように右カバー部材48が取り付けられており、カウンタシャフト34、アイドルシャフト42、右シャフト33R、および、差動機構43は、ベアリングを介して変速機ケース22および右カバー部材48により保持されており、左シャフト33Lは、ベアリングを介して変速機ケース22および左カバー部材35に保持されている。
【0025】
以上のように、変速装置37が接続されたクランクシャフト26とカウンタシャフト34の間に後輪シャフト33が位置するように構成することにより、クランクシャフト26および変速装置37を後輪シャフト33に近接して配置することができるため、側面視においてクランクシャフト26は後輪4(4L,4R)の外形より内側に位置し、パワーユニット6の前後長を短くして、このパワーユニット6を小型化することができる。また、平面視において、自動三輪車1の前後方向に延びる中心線に対して、変速装置37をパワーユニット6の左側に配置し、差動機構43を右側に配置することにより、クランクシャフト26とカウンタシャフト34を後輪シャフト33に近接させても、変速装置37のドライブプーリ38およびドリブンプーリ39と差動機構43とが干渉することがなく、変速機ケース22内のデッドスペースを少なくしてパワーユニット6を小型化することができる。
【0026】
なお、図2に示すように、側面視において、変速機ベルト41の閉ループ内に後輪シャフト33が位置するように構成することにより、パワーユニット6をさらに小型化することができる。
【0027】
変速機ケース22の前部にはエンジン19を始動するためのキック始動機構28が設けられている。キック始動機構28は、キックシャフト49、キックアーム50、キック連結シャフト52、および、キックアイドルシャフト53から構成されている。
【0028】
変速機ケース22の前部で、クランクシャフト26の前方には、変速機ケース22と左カバー部材35とに回転自在に保持されて、クランクシャフト26と平行にキックシャフト49が取り付けられており、このキックシャフト49の左端は左カバー部材35から外部に突出し、その先端にキックアーム50が取り付けられている。このキックシャフト49にはバネ51が巻き掛けられており、通常の状態ではキックアーム50が上方に揺動されて位置するように保持されている。
【0029】
また、クランクシャフト26の左方でこのクランクシャフト26の同軸上にキック連結シャフト52が配設されている。このキック連結シャフト52の左端部は、左カバー部材35に螺挿されて保持されており、回転することにより右方に移動して左クランクシャフト26Lの左端部と係合するように構成されている。さらに、キックシャフト49とクランクシャフト26(キック連結シャフト52)との間には、変速機ケース22と左カバー部材35とに回転自在に保持されて、これらのシャフト26,49と平行にキックアイドルシャフト53が配設されている。そして、キックシャフト49、キックアイドルシャフト53、および、キック連結シャフト52の間に配設されたギヤ列によりキックシャフト49の回転がキックアイドルシャフト53を介してキック連結シャフト87に伝達されるように構成されている。
【0030】
キックアーム50の先端に設けられたキックペダル50aを下方に蹴り出すとキックシャフト49がバネ51の付勢力に抗して回転し、その回転がキックシャフト49とキックアイドルシャフト53とに設けられたギヤ列によりキックアイドルシャフト53に伝達される。そして、このキックアイドルシャフト53の回転が、キックアイドルシャフト53とキック連結シャフト52との間に設けられたギヤ列によりキック連結シャフト52に伝達され、キック連結シャフト52は回転に伴って右方に移動し、左クランクシャフト半体26Lと係合して、クランクシャフト26に回転が伝達される。反対に、キックペダル50aから足を離すと、バネ51によりキックシャフト49は逆方向に回転し、キックアーム50を上方の位置に戻すとともに、キック連結シャフト52を逆回転させてクランクシャフト26との係合が解除される。
【0031】
すなわち、キックペダル50aを下方に蹴り出すことにより、クランクシャフト26を回転させ、ピストン64を前後に摺動させることができるため、燃焼室27に燃料と空気の混合気を供給してピストン64で圧縮して点火することによりパワーユニット6(エンジン19)を始動させることができる。
【0032】
キックシャフト49に取り付けられこのキックシャフト49の回転をキックアイドルシャフト53に伝達するキックギヤ54は、図2に示すように扇形形状をしている。これは、キックペダル50aのキックによりキックシャフト49が回転する角度が限定されているためであり、キックギヤ54の不要な部分を無くすことにより、変速機ケース22の前後長を短くしてこの変速機ケース22を小型化することができる。
【0033】
また、側面視において、キックシャフト49の回転軸はクランクシャフト26の回転軸よりも前方でかつ下方に配置され、キックアイドルシャフト53の回転軸はクランクシャフト26の回転軸よりも前方でかつ上方に配置されている。キックアイドルシャフト53を設けてキックシャフト49の回転をクランクシャフト26に伝達するように構成することによりキックレシオを稼ぐことができパワーユニット6の始動性を向上することができるとともに、クランクシャフト26に対してキックシャフト49およびキックアイドルシャフト53を上下に振り分けて配置することにより、キックシャフト49の前方への張り出しを防止することができ、変速機ケース22を小型化することができる。
【0034】
なお、このようにキックシャフト49の前方への張り出しを防止すると、変速機ケース22の前方で、シリンダヘッド20の左側側部に空間が形成されるため、例えば図2に示すように、シリンダヘッド20から延びる排気管55をこの空間に配設することができるので、パワーユニット6を全体として小型化することができる。
【0035】
さらに、クランクシャフト26に対して前方にキックシャフト49を配置することにより、左後輪4Lの前方にキックアーム50が位置するため、このキックアーム50を車体の中心に近づけることができる。すなわち、搭乗者はシート14の近傍で、かつ、左後輪4Lを意識することなくこのキックアーム50を操作する(キックペダル50aを蹴り出す)ことができるため、始動時のこのキックアーム50の操作性が向上する。
【0036】
シリンダヘッド20の内部には、燃焼室27を囲むように形成され、内部に冷却水を流すことにより冷却するためのウォータジャケットが形成されており(図示せず)、このウォータジャケットに供給される冷却水はエンジンケース21に形成された冷却水供給口56から供給される。また、ウォータジャケット内を流れてシリンダヘッド20を冷却した冷却水は、冷却水通路57を通ってエンジンケース21内に流れ込み冷却水排出口58から外部に排出される。
【0037】
シリンダヘッド20の左側側部にはシリンダヘッド20に冷却水を供給するための冷却水ポンプ59が設けられており、この冷却水ポンプ59から吐出された冷却水は第1パイプ60を通ってエンジンケース21の冷却水供給口56から供給される。そして、シリンダヘッド20のウォータジャケットを通って暖められた冷却水は、エンジンケース21の冷却水排出口58から排出され、第2パイプ61を通ってラジエータ63に流れ込む。この冷却水はラジエータ63内を通って放熱され、第3パイプ62を通って冷却水ポンプ59に流れ込み、シリンダヘッド20とラジエータ63との間を循環するように構成されている。
【0038】
エンジンケース21の右側部には、右方に開口した壁部21cに囲まれた冷却ファン室64が形成されており、右クランクシャフト半体26Rのジャーナル部はこの冷却ファン室64内に延びている。そして、この冷却ファン室64内において、右クランクシャフト半体26Rのジャーナル部にACG65が配設され、更にその先端部に冷却ファン66が配設されている。
【0039】
壁部21cの右側開口部はエンジンカバー15で覆われている。エンジンカバー15は、図3に示すように、右側開口部を覆って冷却ファン室64を形成する冷却カバー部15aと、前方に形成された前方開口部15bから冷却カバー部15aに繋がる通気通路15cが形成された通気通路部15dとを有し、冷却カバー部15aの右側部には冷却ファン66と対向する位置に貫通孔15eが形成されて通気通路15と冷却ファン室64が連通するように構成されている。
【0040】
また、図5(a)に示すように、エンジンケース21の前面部の右端側には上述のラジエータ63が前方を向くように(放熱をするために空気を通過させる放熱面が前方を向くように)取り付けられており、エンジンカバー15が取り付けられた状態で、このラジエータ63の後面がエンジンカバー15の前方開口部15bに覆われるように構成されている。そのため、自動三輪車1の走行時には、走行風がまっすぐラジエータ63に当たり、冷却水の放熱を効率的に行うことができ、さらに、このラジエータ63を通過した空気がエンジンカバー15の通気通路15cを取って貫通孔15eから冷却ファン66に導かれ、この冷却ファン66によって前後および上下方向に送られてパワーユニット6の内部を効率良く冷却することができる。
【0041】
このように、エンジンケース21の前部で、かつ、右側側部にラジエータ63を配置することにより、右後輪4Rの前方の空間を有効利用することができ、自動三輪車1を小型化することができる。また、冷却水が供給されるエンジンケース21、および、シリンダヘッド20の近傍にラジエータ63を配置することができるため、これらを繋ぐ冷却配管(第1〜第3パイプ60〜62)の管路長を短くすることができる。さらに、ラジエータ63の後部を覆うエンジンカバー15に通気通路15cを形成して冷却ファン66に導くように構成することにより、冷却構造を複雑にすることがなく走行風を効率良く利用するとともに、ラジエータ63を冷却ファン66により冷却することができる。
【0042】
なお、ラジエータ63の前面も車体カバー15に覆われているが、車体カバー15のラジエータ63に対向する部分には左右に延びて開口する複数の通気口が上下に方向に並んで形成されている。この通気口は前方から後方に向かって流れる走行風をラジエータ63に対して斜め下から斜め上に向かって吹き付けるように形成されており、ラジエータ63を流れる冷却水を走行風で効率よく冷却するように構成されている。
【0043】
次に、以上のように構成されたパワーユニット6とハンガー部材12との取り付け構造について図9を用いて説明する。パワーユニット60の下部には図4等に示すように下方に突出するハンガー取付部67〜68が形成されており、2枚の連結部材12cがこのハンガー取付部67〜68を左右から挟持するように取り付けられている。この連結部材12cは、2枚の連結部材12cの間に位置する後端部材12bに対して2本のボルト70a,71aとナット70b,71bの組で締結されている。また、パワーユニット6は、下部が連結部材12cとハンガー取付部67〜68に対して2本のボルト72a,73aを貫通させてナット72b,73bで締結されている。
【0044】
前方に位置する第1ハンガー取付部67は、図5に示すように前ケース半体21aの下部に形成されている。また、後方に位置する第2および第3ハンガー取付部68,69は、第2ハンガー取付部68が図6に示すように後ケース半体21bの下部に形成されており、第3ハンガー取付部69が図7および図8に示すように変速機ケース22の下部に形成されている。上述のように、変速機ケース22はエンジンケース21の左側側部に取り付けられており、第2ハンガー取付部68と第3ハンガー取付部69とは左右に並んで1組のボルト73aとナット73bの組で連結部材12cと締結される。なお、図6〜図9より明らかな通り、2枚の連結部材12cの左右方向間隔を等しくするために、第1取付部67の左右方向幅は、第2取付部68と第3取付部69の左右方向幅を合わせたものと略同一となるように、第1取付部67の左端部が第2取付部68の左端部より左方に突出して形成されている。
【0045】
以上のように、第2および第3取付部68,69を連結部材12cに締結することにより、パワーユニット6をハンガー部材12に締結するとともに、エンジンケース21と変速機ケース22とを締結することができるため、ハンガー部材12への取り付けとエンジンケース21に対する変速機ケース22の固定とを1組のボルト73aとナット73bで行うことができるため、組立て工数の削減と部品点数の削減を行うことができる。また、パワーユニット6に対して、2枚の連結部材12cを用いて左右から挟持するように締結することにより、ハンガー部材12とパワーユニット6との結合力を高めることができるとともに、駆動輪(後輪4L,4R)からの反力を車体側(車体フレーム2側)に効率良く伝えることができるため、搭乗者の乗り心地を向上することができる。
【0046】
なお、エンジンケース21の下部には、内部に、シリンダヘッド等に供給される潤滑油を溜めるオイルパン部74が形成されているが、図9からも明らかなように、このエンジンケース21の下部には左右に配置された連結部材12cとその間に螺旋締結された後端部材12bが位置するため、エンジンケース21の下部はこれらのハンガー部材12により保護することができる。
【0047】
また、以上の実施例においては、ハンガー部材12はパワーユニット6の下部に突出して前後に並んで形成された第1〜第3ハンガー取付部67〜69に締結されており、かつ、後側の取付部である第2及び第3ハンガー取付部68,69を2枚の連結部材12cで挟持して取り付けることにより、エンジンケース21と変速機ケース22とを締結するように構成した場合を示したが、前側の取付部(第1ハンガー取付部67)も後側の取付部(第2及び第3ハンガー取付部68,69)と同様にエンジンケース21と変速機ケース22のそれぞれに形成することにより、ハンガー部材12とパワーユニット6とを締結するとともに、エンジンケース21と変速機ケース22を締結するように構成することも可能である。このように構成すると、エンジンケース21と変速機ケース22との結合強度を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係るパワーユニットが搭載される自動三輪車を示す右側面図である。
【図2】本発明に係るパワーユニットの右側面図である。
【図3】上記自動三輪車の後部およびパワーユニットの平面図である。
【図4】パワーユニットの右側面図である。
【図5】エンジンケースを構成する前ケース半体を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は左側面図である。
【図6】エンジンケースを構成する後ケース半体を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は左側面図である。
【図7】変速機ケースの左側面図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】図2のIX−IX断面図である。
【符号の説明】
【0049】
2 車体フレーム(車体)
4L 左後輪(駆動輪)
4R 右後輪(駆動輪)
6 車両用パワーユニット
12 ハンガー部(懸架部)
21 エンジンケース(内燃機関)
22 変速機ケース(変速装置)
26 クランクシャフト
33 後輪シャフト(駆動輪シャフト)
34 カウンタシャフト
68 第2取付部(結合部)
69 第3取付部(結合部)




 

 


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