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電動車両の駆動力制御装置 - 本田技研工業株式会社
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発明の名称 電動車両の駆動力制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1573(P2007−1573A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2006−208305(P2006−208305)
出願日 平成18年7月31日(2006.7.31)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 齋藤 修 / 多々良 裕介 / 長谷部 哲也
要約 課題
走行用のモータやインバータ等の電力装置の局部発熱を抑制しつつ、ストール状態からの脱出能力を向上させる。

解決手段
前輪Wf,Wfに直列に直結した内燃機関11及び第1モータ12に第1クラッチ13を介してトランスミッション14を接続してなるハイブリッド車両1において、3相のブラシレスDCモータをなす第2モータ16を第2クラッチ15を介してトランスミッション14に接続した。内燃機関11のアイドル停止状態から第2モータ16の駆動力により車両を発進させる場合に、モータ出力制御部18は、車両の走行路面の傾斜角に応じて第2モータ16に要求されるトルクを算出し、第2モータ16の何れかの相の固定子巻線に対する連続通電時間T1を算出する。通電後、第2モータ16の回転数が所定回転数以下か否かを判定し、「YES」の場合、一時的に第2クラッチ15の締結力を緩める。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両の駆動源として内燃機関および走行用モータを備え、
該走行用モータと駆動輪との間に設けられ、前記走行用モータの駆動力を前記駆動輪に伝達する伝達手段であるクラッチと、
車両の運転状態に基づき前記走行用モータの駆動力を算出する駆動力算出手段と、
前記駆動力算出手段により算出される前記駆動力に基づき前記走行用モータを制御するモータ制御手段とを備える電動車両の駆動力制御装置であって、
前記走行用モータの回転数を検出する回転数検出手段を備え、
前記モータ制御手段は、前記走行用モータの何れかの相の固定子巻線に所定時間に亘って連続通電し、且つ前記回転数検出手段により検出される回転数が所定値以下の時には、前記走行用モータの通電相を切り換えるように前記クラッチの締結力を低減又は切断することを特徴とする電動車両の駆動力制御装置。
【請求項2】
前記モータ制御手段は、前記走行用モータの何れかの相の固定子巻線に所定時間に亘って連続通電し、且つ前記回転数検出手段により検出される回転数が所定値以下の時には、前記駆動輪に対し前記走行用モータが相対的に回転すると共に前記走行用モータの通電相を切り換えるように前記クラッチの締結力を低減又は切断した後に、前記クラッチの締結力を増加させることを特徴とする請求項1に記載の電動車両の駆動力制御装置。
【請求項3】
前記走行用モータの連続通電所定時間は前記駆動力算出手段により算出された駆動力に基づいて算出されることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の電動車両の駆動力制御装置。
【請求項4】
路面の傾斜角を算出する傾斜角算出手段を備え、
前記駆動力算出手段は、前記傾斜角算出手段により算出される前記傾斜角に基づき、前記走行用モータの前記駆動力を算出することを特徴とする請求項3に記載の電動車両の駆動力制御装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両の駆動力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行用モータとして、例えば界磁に永久磁石を利用した永久磁石式3相交流モータ等のブラシレスDCモータを搭載する車両が、登坂路で車両が後退しない程度のモータトルクを与えて停止するような場合、すなわち走行用モータに通電することでモータトルクが付与されているにもかかわらず走行用モータの回転がほぼ停止しているようなストール状態においては、特定相の巻線のみに電流が流れる状態になる。この場合、走行用モータを駆動するための交流電力を出力するインバータを構成する半導体デバイス等からなる複数のスイッチング素子のうち、走行用モータの特定相に対応するスイッチング素子のみが「オン」状態となり、このスイッチング素子を介して走行用モータへ電流が供給される。このため走行用モータの巻線とインバータに電流を通電する際の発熱が、特定相の巻線と特定のスイッチング素子に集中してしまうという問題が生じる。
このような問題に対して、例えばストール状態が許容時間を超えて継続している場合には、走行用モータ及びインバータ等の電力装置の保護のためにトルク低減処理を行うと共に、トルク指令の低減制御を行う際に車両の後退速度を制限する電気自動車の駆動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えばストール状態を検出したときに、スイッチング素子をなすトランジスタのジャンクション温度が所定の上限温度に到達するまでに要する時間を算出し、ストール状態の継続時間がこの時間に到達したときには走行用モータに対する電流指令値を制限する電動車両用モータ制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、例えば運転者のアクセル操作量が所定値以上の状態でストール状態を検出したときに、走行用モータ及びインバータ等の電力回路の通電量を制限する電気自動車用制御装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第3106853号公報
【特許文献2】特開平9−56182号公報
【特許文献3】特開平8−191503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような従来技術に係る制御装置においては、ストール状態が所定の時間を超えて継続する場合にトルク指令値や電流指令値を低減させたり、アクセル操作量が所定値以上の状態でストール状態を検出したときに通電量を制限する処理を行うだけであるから、車両の登坂能力が低下してしまうという問題が生じる。ここで、車両の登坂能力を向上させるためには、例えばインバータを構成するスイッチング素子の容量や耐熱限度を増大させたり、走行用モータ及びインバータ等の電力装置を冷却する冷却装置の性能を増大させる必要があり、装置が大型化したり、装置の構成に要する費用が嵩むという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、走行用のモータやインバータ等の電力装置の局部発熱を抑制しつつ、ストール状態からの脱出能力を向上させることが可能な電動車両の駆動力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電動車両の駆動力制御装置は、車両の駆動源として内燃機関および走行用モータ(例えば、実施の形態での第2モータ16)を備え、該走行用モータと駆動輪との間に設けられ、前記走行用モータの駆動力を前記駆動輪に伝達する伝達手段(例えば、実施の形態での第2クラッチ15)であるクラッチと、車両の運転状態に基づき前記走行用モータの駆動力を算出する駆動力算出手段(例えば、実施の形態でのステップS02)と、前記駆動力算出手段により算出される前記駆動力に基づき前記走行用モータを制御するモータ制御手段(例えば、実施の形態でのマネージメントECU26)とを備える電動車両の駆動力制御装置であって、前記走行用モータの回転数を検出する回転数検出手段(例えば、実施の形態での第2位置検出器32及びモータECU24)を備え、前記モータ制御手段は、前記走行用モータの何れかの相の固定子巻線に所定時間に亘って連続通電し、且つ前記回転数検出手段により検出される回転数が所定値以下の時には、前記走行用モータの通電相を切り換えるように前記クラッチの締結力を低減又は切断することを特徴としている。
【0006】
上記構成の電動車両の駆動力制御装置によれば、回転数検出手段により検出される回転数や回転数の時間変化が、例えばゼロを含む所定値以下であり、かつ、駆動力算出手段により算出される駆動力が所定値以上である状態においては、例えば上り坂での車両発進時におけるストール状態等のように、走行用モータの特定相の巻線において通電が継続され、例えば走行用モータを駆動するための交流電力を出力するインバータを構成する特定のパワーデバイス等に電流が流れ続け、走行用モータの特定相(巻線)及び特定のパワーデバイスに過剰な局部発熱が生じる虞があると判断される。そして、この状態での走行用モータの駆動継続時間が所定時間に到達したときに、伝達手段を介して伝達される走行用モータの駆動力の伝達量が低減させられる。これにより、駆動輪に対して走行用モータが相対的に回転させられ、走行用モータの通電相が切り替えられる。
例えば伝達手段とされるクラッチ等においては、クラッチの締結力が一時的に低減させられることにより、対をなすクラッチ板に滑りが生じ、走行用モータ側のクラッチ板が駆動輪側のクラッチ板に対して相対的に回転させられ、走行用モータの通電相が切り替えられる。
これにより、例えば走行用モータに対するトルク指令値や電流指令値を低減させたり、単に通電量を制限する場合に比べて、インバータを構成するスイッチング素子の容量や耐熱限度を増大させたり、走行用モータ及びインバータ等の電力装置を冷却する冷却装置の性能を増大させる必要なしに、走行用モータやインバータ等の電力装置が過熱状態になることを防止しつつ、車両の登坂能力等のストール状態からの脱出能力を向上させることができる。
【0007】
さらに、請求項2に記載の本発明の電動車両の駆動力制御装置では、前記モータ制御手段は、前記走行用モータの何れかの相の固定子巻線に所定時間に亘って連続通電し、且つ前記回転数検出手段により検出される回転数が所定値以下の時には、前記駆動輪に対し前記走行用モータが相対的に回転すると共に前記走行用モータの通電相を切り換えるように前記クラッチの締結力を低減又は切断した後に、前記クラッチの締結力を増加させることを特徴としている。
【0008】
上記構成の電動車両の駆動力制御装置によれば、回転数検出手段により検出される回転数や回転数の時間変化が、例えばゼロを含む所定値以下であり、かつ、駆動力算出手段により算出される駆動力が所定値以上である状態において、走行用モータの駆動継続時間が所定時間に到達したときに、所定の時間に亘って、伝達手段を介した走行用モータの駆動力の伝達が遮断される。これにより、駆動輪に対して走行用モータが相対的に回転させられ、走行用モータの通電相が切り替えられる。
例えば伝達手段とされるクラッチ等においては、クラッチの締結状態が一時的に解除されることにより、対をなす走行用モータ側のクラッチ板と駆動輪側のクラッチ板とが相対的に回転させられ、走行用モータの通電相が切り替えられる。
これにより、例えば走行用モータに対するトルク指令値や電流指令値を低減させたり、単に通電量を制限する場合に比べて、インバータを構成するスイッチング素子の容量や耐熱限度を増大させたり、走行用モータ及びインバータ等の電力装置を冷却する冷却装置の性能を増大させる必要なしに、走行用モータやインバータ等の電力装置が過熱状態になることを防止しつつ、車両の登坂能力等のストール状態からの脱出能力を向上させることができる。
【0009】
さらに、請求項3に記載の本発明の電動車両の駆動力制御装置では、前記走行用モータの連続通電所定時間は前記駆動力算出手段により算出された駆動力に基づいて算出されることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項4に記載の本発明の電動車両の駆動力制御装置は、路面の傾斜角を算出する傾斜角算出手段(例えば、実施の形態での勾配センサ36)を備え、前記駆動力算出手段は、前記傾斜角算出手段により算出される前記傾斜角に基づき、前記走行用モータの前記駆動力を算出することを特徴としている。
【0011】
上記構成の電動車両の駆動力制御装置によれば、例えば車両の運転者によるアクセル操作量や車両の加速度等からなる車両の運転状態に加えて、路面の傾斜角に基づき算出した駆動力(例えば、トルク等)により走行用モータを制御することから、より一層、適切に走行用モータやインバータ等の電力装置が過熱状態になることを防止しつつ、車両の登坂能力等のストール状態からの脱出能力を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の電動車両の駆動力制御装置によれば、例えば走行用モータに対するトルク指令値や電流指令値を低減させたり、単に通電量を制限する場合に比べて、インバータを構成するスイッチング素子の容量や耐熱限度を増大させたり、走行用モータ及びインバータ等の電力装置を冷却する冷却装置の性能を増大させる必要なしに、走行用モータやインバータ等の電力装置が過熱状態になることを防止しつつ、車両の登坂能力を向上させることができる。
【0013】
さらに、請求項4に記載の本発明の電動車両の駆動力制御装置によれば、車両の運転状態に加え、路面状態に応じて、より一層、適切に走行用モータやインバータ等の電力装置が過熱状態になることを防止しつつ、車両の登坂能力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る電動車両の駆動力制御装置ついて添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による電動車両の駆動力制御装置10は、例えば図1および図2に示すように、前輪Wf,Wfに対し、直列に直結した内燃機関(エンジン)11および第1モータ(M/G1)12に第1クラッチ13を介してトランスミッション(T/M)14を接続してなるハイブリッド車両1に搭載されており、第2クラッチ15を介してトランスミッション14に接続された第2モータ16と、バッテリ17と、モータ出力制御部18とを備えて構成され、さらに、モータ出力制御部18は、例えば、第1インバータ21と、第2インバータ22と、バッテリECU23と、モータECU24と、エンジンECU25と、マネージメントECU26とを備えて構成されている。
【0015】
このハイブリッド車両1においては、第1クラッチ13が締結された状態において、内燃機関11及び第1モータ12の両方の駆動力が、例えばオートマチックトランスミッション(AT)やCVTあるいはマニュアルトランスミッション(MT)などのトランスミッション13を介して前輪Wf,Wfに伝達される。
また、例えば車両のアイドル停止時のように内燃機関11の停止状態から車両を発進させる際には、第1クラッチ13の締結が解除され、かつ、第2クラッチ15が締結力を可変に締結されることで、第2モータ16の駆動力が前輪Wf,Wfに伝達されるようになっている。
【0016】
また、このハイブリッド車両1の減速時等において、前輪Wf,Wf側から第1モータ12側に駆動力が伝達されると、第1モータ12は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
ここで、各モータ12,16は、例えば永久磁石を有する回転子と、回転子を回転させる回転磁界を発生する複数相(例えば、3相等)の固定子巻線を有する固定子とを備えたブラシレスDCモータであって、第1モータ12の駆動及び回生作動は、モータECU24からの制御指令を受けて、例えばパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータとされる第1インバータ21により行われる。同様に、第2モータ16の駆動は、モータECU24からの制御指令を受けて、例えばパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータとされる第2インバータ22により行われる。
また、例えば複数のスイッチング素子がブリッジ接続されてなるブリッジ回路を備える各インバータ21,22は、各スイッチング素子の温度が所定の許容温度を超える、あるいは、超える虞があることを示す温度フェイルの信号を、モータECU24に出力する各信号出力部(図示略)を具備している。
そして、各インバータ21,22には、各モータ12,16と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ17が接続されており、このバッテリ17は、例えば、複数のセルを直列に接続したモジュールを1単位として更に複数個のモジュールを直列に接続したものである。
なお、各インバータ21,22は、バッテリ17に対して並列に接続されている。
【0017】
バッテリECU23は、バッテリ17を保護すると共に、バッテリ残容量SOC(State of charge)を算出する。このため、バッテリECU23には、バッテリ17の入出力電流を検出する電流センサ(図示略)からの検出信号と、バッテリ17の端子間電圧を検出する電圧センサ(図示略)からの検出信号と、バッテリ17の温度を検出する温度センサ(図示略)からの検出信号が入力されている。
【0018】
モータECU24は、マネージメントECU26から入力される駆動または回生トルク(電動機トルク)指令や出力指令等に応じて第1モータの駆動及び回生作動と第2モータの駆動を制御すると共に、各モータ12,16の作動状態(電動機状態)、例えば各モータ12,16の磁極位置の検出信号に応じて算出した回転数や回転数の時間変化や何れかの相の固定子巻線に対する連続通電時間等に関する情報をマネージメントECU26へ出力する。
このため、モータECU24には、各モータ12,16に備えられた各位置検出器31,32から出力される各モータ12,16の磁極位置の検出信号と、
各インバータ21,22のスイッチング素子の温度に係る温度フェイルの信号とが入力されている。
【0019】
エンジンECU25は、マネージメントECU26から入力される内燃機関11の始動許可や出力指令の信号に応じて、内燃機関11への燃料供給量を調整する図示しない燃料噴射弁、スタータモータの作動の他、休止可能な気筒の気筒休止動作や点火時期等の制御を行う。さらに、エンジンECU25は、内燃機関11の作動状態(エンジン状態)、例えば回転数や油圧、スロットル開度、車両の速度等に関する情報をマネージメントECU26へ出力する。
このため、エンジンECU25には、例えばクランク軸の回転数を検出する回転数センサから出力される検出信号や、油圧センサから出力される検出信号や、車速センサ33から出力される車両の速度の検出信号や、スロットル弁のスロットル開度THを検出するスロットル開度センサ34から出力される検出信号とが入力されている。
【0020】
マネージメントECU26は、バッテリECU23、モータECU24、エンジンECU25、トランスミッション14の変速動作等を制御する。
そして、マネージメントECU26は、後述するように、例えば走行中の路面の傾斜角を検出し、この傾斜角と車両の運転状態とに応じて、各モータ12,16のトルクを算出し、さらに、各モータ12,16の作動状態(例えば、回転数や温度等)に応じて各クラッチ13,15の締結状態を制御する。
このため、マネージメントECU26には、バッテリECU23から出力されるバッテリ残容量SOCの検出信号と、モータECU24から出力される各モータ12,16の作動状態の情報や、エンジンECU25から出力される内燃機関11の作動状態の情報に加えて、クラッチON/OFFスイッチ35から出力される各クラッチ13,15の締結状態に係る信号と、走行路面の勾配を検出する適宜の勾配センサ36から出力される検出信号とが入力されている。
【0021】
本実施の形態による電動車両の駆動力制御装置10は上記構成を備えており、次に、この電動車両の駆動力制御装置10の動作について説明する。
なお、以下においては、例えば登坂路等において、内燃機関11のアイドル運転が停止された停車状態から、車両を発進させる場合について説明する。この場合には、第1クラッチ13の締結は解除され、かつ、第2クラッチ15が締結力を可変に締結されることで、第2モータ16の駆動力により車両が発進させられる。
先ず、図3に示すステップS01においては、傾斜角センサ34から出力される検出信号に基づき、車両の走行路面の傾斜角を検出する。
次に、ステップS02においては、検出した傾斜角に基づき、第2モータ16に要求される最大発進トルク、つまり車両の後退を防止しつつ、車両を発進させるのに必要な所定値以上のトルクを算出する。
【0022】
次に、ステップS03においては、算出した最大発進トルクに応じて、第2モータ16の何れかの相の固定子巻線に対する連続通電時間T1を算出する。
そして、ステップS04においては、第1クラッチ13の締結を解除し、かつ、第2クラッチ15を締結させた状態で、運転者によるアクセル操作量の変化(例えば、アクセルペダルの踏み込み量の変化等)に応じて、算出した連続通電時間T1に亘って、第2モータ16の何れかの相の固定子巻線に対して通電を行う。なお、ここで、通電相とされる第2モータ16の何れかの相の固定子巻線は、第2モータ16の磁極位置に応じて適宜に設定されるものである。
【0023】
次に、ステップS05においては、第2モータ16の回転数が所定回転数以下か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進む。
そして、ステップS06においては、第2クラッチ15の締結力を緩めて、一連の処理を終了する。
【0024】
すなわち、第2モータ16のトルクが最大発進トルクとなるようにして、連続通電時間T1に亘って何れかの相の固定子巻線に通電が行われた後に、第2モータ16の回転数が、例えばゼロを含む所定回転数以下である場合には、第2モータ16の何れかの相の固定子巻線及びこの通電相に対応する第2インバータ22のスイッチング素子に引き続き通電電流が流れ続け、過剰な局部発熱が生じる虞があると判断する。このとき、一時的に第2クラッチ15の締結力を緩めると、対をなす前輪Wf,Wf側のクラッチ板と第2モータ16側のクラッチ板とに滑りが生じ、この第2クラッチ15を介して伝達される第2モータ16のトルクの伝達量が低減させられ、駆動輪とされる前輪Wf,Wfに対して第2モータ16が相対的に回転し、第2モータ16の通電相が切り替えられる。
【0025】
本実施の形態による電動車両の駆動力制御装置10によれば、第2モータ16の回転数が所定回転数以下であり、かつ、第2モータ16のトルクが所定値以上であるストール状態において、第2モータ16への通電継続時間が連続通電時間T1に到達したときに、一時的に第2クラッチ15の締結力を緩めることで第2モータ16及び第2インバータ22等の電力装置の通電相を切り替えることができる。これにより、例えば第2モータ16に対するトルク指令値や電流指令値を低減させたり、単に通電量を制限する場合に比べて、第2インバータ22を構成するスイッチング素子の容量や耐熱限度を増大させたり、第2モータ16及び第2インバータ22等の電力装置を冷却する冷却装置(図示略)の性能を増大させる必要なしに、第2モータ16及び第2インバータ22等の電力装置が過熱状態になることを防止しつつ、車両の登坂能力等のストール状態からの脱出能力を向上させることができる。
【0026】
なお、上述した本実施の形態においては、ステップS06に示すように、第2モータ16や第2インバータ22において過剰な局部発熱が生じる虞がある場合に、一時的に第2クラッチ15の締結力を緩めるとしたが、これに限定されず、例えば図4に示す本実施形態の第1変形例のように、一時的に第2クラッチ15の締結を解除し、第2モータ16を空転させた後に、再度、第2クラッチ15を締結させてもよい。
すなわち、この第1変形例においては、上述した本実施の形態におけるステップS06の代わりに、以下に示すステップS11からステップS13の処理を実行しており、先ず、ステップS11においては、第2クラッチ15の締結を解除し、切断状態に設定する。
次に、ステップS12においては、所定の時間に亘って、この切断状態を維持し、第2モータ16を駆動輪とされる前輪Wf,Wfに対して空転させる。
そして、ステップS13においては、第2クラッチ15を、再度、締結状態に設定して、一連の処理を終了する。
これにより、第2クラッチ15の締結を解除する切断状態の前後において、第2モータ16の通電相を変更することができる。
【0027】
なお、上述した本実施の形態においては、第2モータ16は第2クラッチ15を介してトランスミッション14に接続され、第2モータ16の駆動力が前輪Wf,Wfに伝達されるとしたが、これに限定されず、例えば図5に示す本実施形態の第2変形例のように、第2モータ16を、第2クラッチ15を介してリアデファレンシャルDRに接続し、第2モータ16の駆動力を、左右の後輪Wr,Wr間で駆動力を配分するリアデファレンシャルDRを介して後輪Wr,Wrに伝達するように構成してもよい。
この場合、第2クラッチ15の締結が解除されると前輪Wf,Wfのみが駆動される前輪駆動状態になり、第2クラッチ15が締結されると前輪Wf,Wf及び後輪Wr,Wrが駆動される4輪駆動状態になる。また、例えば車両の発進時等において、第1クラッチ13の締結が解除され、かつ、第2クラッチ15が締結力を可変に締結されると後輪駆動状態になる。
【0028】
なお、上述した本実施の形態においては、第2モータ16は第2クラッチ15を介してトランスミッション14に接続されるとしたが、これに限定されず、例えば図6に示す本実施形態の第3変形例のように、第2モータ16を、トルクコンバータ41を介してトランスミッション14に接続してもよい。また、例えば図7に示す本実施形態の第4変形例のように、第2モータ16を、トルクコンバータ41を介してリアデファレンシャルDRに接続し、第2モータ16の駆動力を、左右の後輪Wr,Wr間で駆動力を配分するリアデファレンシャルDRを介して後輪Wr,Wrに伝達するように構成してもよい。
これらの本実施形態の第3および第4変形例においては、例えば図8に示すように、上述した本実施の形態におけるクラッチON/OFFスイッチ35の代わりにトルクコンバータ41が設けられ、例えばトルクコンバータ41に備えられるロックアップクラッチの締結や締結解除の各状態に係る信号等がマネージメントECU26に入力されている。
【0029】
そして、これらの本実施形態の第3および第4変形例においては、上述した本実施の形態におけるステップS06またはステップS11〜ステップS13での処理の代わりに、例えば一時的に第2モータ16への通電量をゼロを含む所定値まで低減させる。
例えば上り坂での車両発進時等のストール状態において、第2モータ16への通電量が低減されることで車両が後退し始めるときに、この通電量の低減処理が終了されて第2モータ16が駆動されると、トルクコンバータ41において第2モータ16に接続されたポンプインペラと、車輪(前輪Wf,Wfまたは後輪Wr,Wr)に接続されたタービンランナとの間の回転数の差がトルクコンバータ41のクラッチポイントを超えて大きくなり、この回転数の差に応じて増大するトルクが車輪に伝達されるようになる。
これにより、第2モータ16及び第2インバータ22等の電力装置が過熱状態になることを防止しつつ、車両の登坂能力等のストール状態からの脱出能力を向上させることができる。
【0030】
なお、上述した本実施の形態において、第1モータ12はブラシレスDCモータに限らず、例えばかご型ロータを備えた誘導モータ等の他のモータであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態による電動車両の駆動力制御装置を備えるハイブリッド車両の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による電動車両の駆動力制御装置の構成図である。
【図3】図2に示す電動車両の駆動力制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の第1変形例に係る電動車両の駆動力制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の第2変形例に係る電動車両の駆動力制御装置を備えるハイブリッド車両の構成図である。
【図6】本実施形態の第3変形例に係る電動車両の駆動力制御装置を備えるハイブリッド車両の構成図である。
【図7】本実施形態の第4変形例に係る電動車両の駆動力制御装置を備えるハイブリッド車両の構成図である。
【図8】本実施形態の第3変形例および第4変形例に係る電動車両の駆動力制御装置の構成図である。
【符号の説明】
【0032】
10 電動車両の駆動力制御装置
15 第2クラッチ(伝達手段)
16 第2モータ(走行用モータ)
24 モータECU(回転数検出手段)
26 マネージメントECU(モータ制御手段)
32 第2位置検出器(回転数検出手段)
36 勾配センサ(傾斜角算出手段)
41 トルクコンバータ(流体継手)
ステップS02 駆動力算出手段





 

 


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