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発明の名称 車両用シート装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1470(P2007−1470A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185124(P2005−185124)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
発明者 丸山 一幸 / 松本 善行
要約 課題
車両の前方視界やブレーキなどのベダル操作部の踏み込み操作などを無理なく確実に行なうことができる各運転者の体格に応じた適正なヒップポイントを、正確かつ適切に調整することができる車両用シート装置を提供する。

解決手段
シート本体Sを、車両の前方に向けて移動されるほどシート位置が上方位置となるように車両の前後方向および上下方向に移動可能に支持するシート装置Aに、体格が異なる各運転者のフロアFからの視点の高さHとペダル操作部Nを操作する足の踵位置とを固定した状態で求められる各運転者の適正なヒップポイントに基づいて設定される調整軌道Mを定めるガイド部3を備えることによって、シート本体Sを前後方向および上下方向に移動させる操作のみで、各運転者に応じた適正なヒップポイントにシート位置を調整することができるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
ペダル操作部の後方におけるフロア部位に配置されるシート本体を、車両の前後方向および上下方向に移動・固定可能に支持し、かつ、前記シート本体を車両の前方に移動させるほどシート位置が上方位置となるように支持する車両用シート装置であって、
体格が異なる各運転者に応じて、前記シート本体を前記車両の前後方向および上下方向に移動させてシート位置を調整するときに、その調整が予め定められた所定の調整軌道に沿って行なわれるようにし、
前記調整軌道は、前記各運転者の視点の高さ位置と前記ペダル操作部を操作する足の踵位置とを固定した状態で求められる前記各運転者の適正なヒップポイントに基づいて設定されていることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項2】
前記シート本体を平行に保持するとともに前記車両の上下方向に移動可能に支持するリンク部と、
前記リンク部を介して前記シート本体を、前記車両の前後方向に移動可能に支持するシートスライド部と、
前記シートスライド部のスライド動作に応じて前記リンク部の高さを変化させることで、前記シート本体を前記調整軌道に沿わせて移動させるガイド部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記調整軌道に沿って形成されるガイド長孔を備え、
前記リンク部は、前記ガイド長孔とスライド可能に係合する被ガイド部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載の車両用シート装置。
【請求項4】
前記調整軌道は、曲線形であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用シート装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シート装置に係り、詳しくは運転者の体格に応じて、運転者用シートのシート位置を車両の前後方向および上下方向に移動変位させる位置調整を行なうことにより、運転者の体格に応じた適正なヒップポイントを決定し、主に車両前方などの運転視界やブレーキなどのペダル操作部の踏み込み操作などを無理なく確実に行なうことができるように調整するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、運転者が着座する運転者用シートは、ブレーキなどのペダル操作部より後方の車両フロアに、シートスライド部によって車両の前後方向に位置調整可能に支持されている。
シートスライド部は、フロア部分に車両の前後方向に延びるように平行に固着される一対のロアレールと、この一対のロアレールとほぼ同じ間隔にてシートクッションの下面に平行に固着されて一対のロアレールにそれぞれスライド可能に係合されるように配置される一対のアッパレールとによって構成されている。そして、ロアレールに設けられているストッパなどによって前後位置を固定して運転者の体格に応じて車両の前後方向にシート位置を調整することができるようになっている。
また、運転者用シートは、シートスライド部による前後位置調整のみならず、高さ調整を行なうことができるように、高さ調整機構を介して支持されており、運転者の体格に応じて車両の上下方向にシート位置を調整することができるようになっている。
【0003】
そこで、運転者の体格に応じてシート位置を車両の前後方向および上下方向に移動させるために、レールスライド部を前側が高く、後側が低くなるように前上がり状態に傾斜させて配設することで、シートを車両の前方(ペダル操作部側)に移動させるほどシート位置が高くなるように構成された車両用シート装置が提案されている。すなわち、シート位置の前後方向の調整と上下方向の高さ調整とを同時に行なうことができるようにした位置調整装置が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−1649354号(段落番号0054〜0055、図3および図41参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の前方視界などの運転に必要な視界の確保やブレーキペダルなどのペダル操作部の踏み込み操作などを無理なく確実に行なうための適正なヒップポイント(シート位置)は、運転者の体格で一応は決まるものではあるが、運転者の体格と前記ヒップポイントとの関係は、一般に直線形ではなく、曲線形になることが多い。
しかし、前記した特許文献1に記載の装置におけるシートの調整軌道は、直線形であるために、運転者の体格によっては視点の高さ(目線の高さ)が適正な位置にならない可能性があった。たとえば、体格の小さい運転者が運転席シートに着座した場合などに、視点の位置が低くなりすぎて、車両の前方視界、特に車両に近い下方が見え難くなるなどの可能性があった。
また、前記した特許文献1に記載の装置は、運転者の体格、特に足の長さに応じてブレーキなどのペダル操作部を、車両の前後方向および上下方向に位置調整可能とすることで、ペダル操作部の踏み込み操作などを無理なく確実に行なうことができるようにしているが、そのような調整は煩雑であった。
【0005】
そこで、本願発明者らは、このような従来の問題に鑑みて、長年にわたって研究・試験などを積み重ねて従来装置の問題原因を解明した結果、運転者の体格と、運転者の体格に応じた適正なヒップポイントとの関係は、曲線形であることに着目し、本発明の創案に至ったものであり、車両の前方視界やペダル操作部の踏み込み操作などを無理なく確実に行なうことができる各運転者の体格に応じた適正なヒップポイントを、より正確かつ適切に調整することができるように開発された車両用シート装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1では、ペダル操作部の後方におけるフロア部位に配置されるシート本体を、車両の前後方向および上下方向に移動・固定可能に支持し、かつ、前記シート本体を車両の前方に移動させるほどシート位置が上方位置となるように支持する車両用シート装置であって、体格が異なる各運転者に応じて、前記シート本体を前記車両の前後方向および上下方向に移動させてシート位置を調整するときに、その調整が予め定められた所定の調整軌道に沿って行なわれるようにし、前記調整軌道は、前記各運転者の視点の高さと前記ペダル操作部を操作する足の踵位置とを固定した状態で求められる前記各運転者の適正なヒップポイントに基づいて設定されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載によれば、体格の異なる各運転者の視点の高さとブレーキなどのペダル操作部を操作する足の踵位置とを固定した状態で求められる前記各運転者の適正なヒップポイントに基づくシート本体の前後方向および上下方向の調整軌道をもってシート位置の位置調整が行なわれるようにしたことで、調整軌道に沿わせた車両の前後方向および上下方向にシート本体を移動させる位置調整のみで、前記各運転者に応じた適正なヒップポイントを決定することができる。
すなわち、車両前方などの運転視界やペダル操作部の踏み込み操作などを無理なく確実に行なうことができるように、シート位置を調整し、前記各運転者に応じた適正なヒップポイントを決定することができる。
【0008】
請求項2では、前記シート本体を平行に保持するとともに前記車両の上下方向に移動可能に支持するリンク部と、前記リンク部を介して前記シート本体を、前記車両の前後方向に移動可能に支持するシートスライド部と、前記シートスライド部のスライド動作に応じて前記リンク部の高さを変化させることで、前記シート本体を前記調整軌道に沿わせて移動させるガイド部と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載によれば、シートスライド部によってシート本体を車両の前後方向にスライド移動させると、このスライド動作に応じてリンク部がガイド部によって上下方向に平行に移動されるとともに、この平行移動は調整軌道に沿って行なわれる。これにより、シート本体は平行に保たれた状態でシートスライド部による前後方向の動きとガイド部の調整軌道に沿うリンク部の動きとによって、車両の前後方向および上下方向に、体格の異なる各運転者の適正なヒップポイントに応じて確実に、かつ適切に調整移動されることとなる。
【0010】
請求項3では、前記ガイド部は、前記調整軌道に沿って形成されるガイド長孔を備え、前記リンク部は、前記ガイド長孔とスライド可能に係合する被ガイド部材を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載によれば、シートスライド部によってシート本体を車両の前後方向にスライド移動させると、そのスライド動作に応じてリンク部に備えられている被ガイド部材が、ガイド部のガイド長孔に沿って移動を開始する。すると、被ガイド部材を備えるリンク部は被ガイド部材の移動に伴い高さを可変する上下方向に平行移動される。これにより、シート本体は平行に保たれた状態で前後方向の動きと上下方向の動きとによって、体格の異なる各運転者の適正なヒップポイントに合せてシート位置が調整される。
【0012】
請求項4では、前記調整軌道が、曲線形であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載によれば、各運転者の視点の高さと前記ペダル操作部を操作する足の踵位置とを固定した状態で求められる前記各運転者の適正なヒップポイントに基づいて設定されている調整軌道が、曲線形であることで、シート本体を、体格の異なる各運転者の適正なヒップポイントに応じてより一層正確にかつ適切に調整移動させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の車両用シート装置によれば、各運転者の体格に応じたそれぞれの適正なヒップポイントに、車両の前後方向および上下方向へのシート本体の移動操作のみによって正確かつ適切に位置調整することができる。そのため、各運転者の体格差問わずに一定の前方視界を確保することができ、また、ブレーキなどのペダル操作部の踏み込み操作などを無理なく確実に行なうことができる。
すなわち、体格の大きい人が座っても、小さい人が座っても、視点の高さとペダル操作部を操作する足の踵位置を変えることなく、各運転者の適正なヒップポイントにシート位置を調整することができる。したがって、従来装置のような、ペダル操作部などを前後および上下に移動調整させるなどの機構が不要となり、コストの削減などを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用シート装置の全体構成を示す斜視図であり、図2は、同側面図である。
図1および図2に示すように、車両用シート装置A(以後、「シート装置」と称する)は、シート本体Sを、車両の前後方向および上下方向に移動・固定可能に支持し、かつ、車両の前方に向けてシート本体Sを移動させるほどシート位置が上方位置となるように構成されている。
シート本体Sは、シートクッション部S1およびシートバック部S2を有し、フロアF部分にシート装置Aを介して配置される。シート本体Sの前方にはブレーキ、アクセル、そしてクラッチなどのペダル操作部Nが配置されている。
【0016】
また、シート装置Aは、体格が異なる各運転者に応じて、適正な運転姿勢を確保する適正なヒップポイントP1,P2,P3にシート位置を調整することができるように構成されている(図2の(a)、(b)および後記の図9参照)。
つまり、シート装置Aは、シート本体Sを車両の前後・上下方向に移動されてシート位置を調整するときに、後記する調整軌道M(図9参照)に沿って移動するように構成されている。
なお、本発明の実施形態では、「前方」は車両の進行方向側、「後方」は車両の後退方向側、「上方」は車両の室内天井側、「下方」は車両の室内フロア(床面)側としている。
【0017】
≪シート装置の説明≫
図1に示すように、本実施形態に係るシート装置Aは、シート本体Sを、車両の前後方向に移動可能に支持するシートスライド部1と、このシートスライド部1に取り付けられて、シート本体Sを平行に保持するリンク部2と、シートスライド部1に取り付けられて、該シートスライド部1のスライド動作に応じてリンク部2を、調整軌道Mに沿わせて車両の上下方向に平行に保持しながら移動するガイド部3と、を備えて構成されている。
【0018】
≪シートスライド部の説明≫
図3は、シートスライド部を示す斜視図である。
図3に示すように、シートスライド部1は、車体固定部と、この車体固定部上に移動可能に取り付けられる可動部とで構成されている。
車体固定部は、シート本体Sの幅方向に平行に位置して車両の前後方向に延びるように、フロアF部分に取り付けられて配設される一対のロアレール1aである。
一方、可動部は、一対のロアレール1a上に、それぞれスライド可能に係合される一対のアッパレール1bであり、この一対のアッパレール1bは、連動した動きで車両の前後方向にスライド移動するように、結合部材4によって架橋状に結合されている。
なお、図示を省略しているが、結合部材4は一ヶ所に限らず、必要に応じて数ヶ所に設けてもよく、任意である。また、前記車体固定部と可動部としては一対のロアレールと一対のアッパレールとからなるレール形態に限定されるものではない。
【0019】
また、図3に示すように、シートスライド部1にはシートスライドモータ5(以後、「モータ」と称する)が備えられており、シート本体Sのシートクッション部S1のサイドに備えられている操作スイッチ6による正転および逆転ON/OFF切換操作によって、一対のアッパレール1bが車両の前方および後方に向けて電動式でスライド移動するようにしている。
【0020】
図4は、シートスライド部を電動式で動作させる電動シートとした場合のモータと電源部とを接続する回路図である。
図4に示すように、操作スイッチ6は、モータ5と電源部8を接続する連動スイッチであり、たとえば、操作スイッチ6を前側(車両の前方側)に操作することで、モータ5が正転し、シート本体Sが車両の前方に動く。そして、操作スイッチ6を後側(車両の後方側)に操作したときにはモータ5が逆転し、シート本体Sが車両の後方に動くように設定されている。そして、操作スイッチ6が操作されていないときには、シート位置がロックされるようになっている。
【0021】
なお、図示を省略しているが、レバーを所定方向に回転させるというマニュアル操作により、シート位置のロックが解除され、一対のロアレール1aに対して一対のアッパレール1bがフリーな状態となり、シート本体Sを前後方向に移動させ、レバーを放すことによって、シート位置がロックされる手動シートであってもよく、電動シートに限定されるものではない。
【0022】
≪リンク部の説明≫
図5は、リンク部をシートスライド部上に取り付けた状態を示す斜視図である。
図5に示すように、リンク部2は、シート本体Sのシートクッション部S1の下面両側に取り付けられる一対の上部リンク2aと、この一対の上部リンク2aの下方に適宜の間隔をおいて平行に配される一対の下部リンク2bと、この下部リンク2bと上部リンク2aとのそれぞれの前後端部にそれぞれ枢着されて回動自在に連結する前後左右の連結リンク2c…と、を備えた側面視ほぼ平行四辺形に形成されている。
【0023】
また、リンク部2は、一対の下部リンク2bの前後端部に一端がそれぞれ枢着されるとともに、他端が一対のアッパレール1bの前後部位に設けられたヒンジ部7にそれぞれ枢着される前後左右の支持リンク2d…を備えている。
このように、リンク部2は、前後左右の支持リンク2dによって一対のアッパレール1b上に高さ可変自在に取り付けられて、シートクッション部S1をフロアFと平行な姿勢に保持するとともに、この平行な姿勢を保ったままでシートクッション部S1の高さを変えることができるように構成されている。
【0024】
また、図5に示すように、リンク部2は、一対の上部リンク2aと一対の下部リンク2bとがそれぞれ連動した動きで上下するように棒材やパイプ材などからなる結合部材9によってそれぞれ結合されている。
さらに、リンク部2は、一対の上部リンク2aに被ガイド部材であるピン部材10を備えて、ガイド部3の後記する前後ガイド部材3aのガイド横長孔11と上下ガイド部材3bのガイド縦長孔12とに挿通状に係合させるようにしている。
【0025】
≪ピン部材の説明≫
図6は、ピン部材を示す拡大斜視図である。
ピン部材10は、調整軌道M(図9参照)に沿って形成されるガイド横長孔11へのスライド可能な係合によってリンク部2を高さ可変自在に移動させるものであり、図6に示すように、ピン部10aと、このピン部10aに同軸並列状に装着される2つの回転部10b,10bとを備えて構成されている。
【0026】
ピン部10aは、リンク部2を構成する前記一対の上部リンク2aの長さ方向ほぼ中央部位において側方に向けて適宜の高さにて突設するようにそれぞれ配置されている(図5参照)。
なお、ピン部10aは一対の上部リンク2aを結合する結合部材9の両端部に一体に設けて、該結合部材9を一対の上部リンク2aの間に架橋状に取り付けるに際して、該一対の上部リンク2aから側方に向けて突設させるようにしてもよい。
【0027】
なお、ピン部10aの突設配置は、一対の上部リンク2aの長さ方向ほぼ中央部位に限定されるものではなく、当該中央部位から上部リンク2aの両端部の何れか一方側にずれた位置としてもよい。
【0028】
回転部10b,10bは、ガイド部3の前後ガイド部材3aに設けられるガイド横長孔11と上下ガイド部材3bに設けられるガイド縦長孔12との孔内面にそれぞれ接触しながら転動する間隔にて前記ピン部10aに同軸並列状に装着されている。
また、図6に示すように、回転部10b,10bの間や前記ピン部10aの突端部には回転不能にリング13が設けられており、ガイド横長孔11とガイド縦長孔12との接触によって回転部10b,10bが独立して回転するように、そして、回転部10b,10bの抜け止めとしている。
【0029】
なお、図示を省略しているが、回転部10b,10bにはベアリングが内設されており、前記ピン部10aやリング13などの非回転部との摩擦抵抗をなくして、前記ガイド横長孔11と前記ガイド縦長孔12との接触によって滑らかに回転するようにしている。
【0030】
≪ガイド部の説明≫
図7は、ガイド部をシートスライド部上に取り付けた状態を示す斜視図である。
図7に示すように、ガイド部3は、前後ガイド部材3aと上下ガイド部材3bとの2部材から構成されている。
前後ガイド部材3aは、前記シートスライド部1における一対のロアレール1aのほぼ全長わたる程度の長さで、かつ、シート本体Sの上方調整移動限に至る程度の高さに形成され、一対のロアレール1a上にそれぞれ直立に取り付けられる。
そして、この前後ガイド部材3aには、図7に示すように、調整軌道M(図9参照)に沿って形成されるガイド横長孔11が前後方向に曲線形となるように設けられている。
【0031】
なお、シート本体Sの上方調整移動限とは、シート本体Sを車両の前方に向けてその前方移動限まで移動させたときにシート位置が最も高くなる位置を意味するものである。
【0032】
上下ガイド部材3bは、図7に示すように、シート本体Sの上方調整移動限に至る程度の高さに形成され、シートスライド部1の一対のアッパレール1b上にそれぞれ直立に取り付けられるとともに、該アッパレール1bに対する取付基端からほぼ全高にわたりガイド縦長孔12を設けている。
【0033】
このようにして、前後ガイド部材3aのガイド横長孔11と前記上下ガイド部材3bのガイド縦長孔12とは、図7に示すように、ほぼ十字状に交差する関係を保ち、前記上下ガイド部材3bは当該交差関係を保った状態で前記一対のアッパレール1bのスライド移動によって前後方向に移動されることとなる。
そして、ピン部材10は、ガイド横長孔11とガイド縦長孔12との交差位置において該両長孔11,12間にわたって挿通係合されているので(図1および図2参照)、上下ガイド部材3bの前後方向の移動に応じて、ガイド横長孔11に沿って前後方向に移動される。このとき、ガイド横長孔11は、調整軌道Mに沿って前方に向かうほど高くなるように設けられているので、調整軌道Mに沿うピン部材10のスライドに伴って、リンク部2の高さ(全高)が徐々に高くなる。
すなわち、ピン部材10が取り付けられているリンク部2の高さ位置と、このリンク部2上に取り付けられているシート本体Sのシートクッション部S1のシート位置は、常に交差関係にある前記ガイド横長孔11と前記ガイド縦長孔12との交差位置に置かれることとなる(図2の(a)、(b)参照)。
【0034】
[他の実施形態の説明]
図8は、本発明に係る車両用シート装置のリンク部の構造形態を変えた他の実施形態の全体を示す側面図である。
なお、斯かる実施形態においては、前記した実施形態におけるシート装置Aを構成するリンク部2の構成形態を変えた以外の構成部分は前記実施形態と基本的に同じことから同じ構成部分に同じ符号を用いることで重複説明は省略する。
【0035】
図8に示すように、リンク部20は、シート本体Sのシートクッション部S1の下面両側に取り付けられる一対の上部リンク20aと、この一対の上部リンク20aをシートスライド部1の一対のアッパレール1bにおける前後部位にそれぞれ設けられている前後のヒンジ部21,22にわたり高さ可変自在に取り付けるほぼX字状に枢着された一対の交差リンク20bと、を備えて形成されており、シートクッション部S1を前記フロアFと平行な姿勢に保持するとともに、この平行な姿勢を保ったままで前記シートクッション部S1の高さを変えることができるように構成されている。
【0036】
また、リンク部20は、一対の上部リンク20aにピン部材10を備えて、ガイド部3の前後ガイド部材3aのガイド横長孔11と上下ガイド部材3bのガイド縦長孔12とに挿通状に係合させるようにしている。
なお、図示を省略しているが、一対の上部リンク20aと一対の交差リンク20bとはそれぞれ連動した動きをするように、前記した実施形態と同様に棒材やパイプ材などからなる結合部材によってそれぞれ結合されている。
【0037】
≪調整軌道の説明≫
図9は、体格差とヒップポイントとの関係から調整軌道の曲線形状の説明に供される原理図である。
つぎに、前記前後ガイド部材3aの設けられるガイド横長孔11によって形成される調整軌道Mの曲線形状を設定するその設定方法について簡単に述べる。
【0038】
調整軌道Mは、各運転者の視点の高さH(後記の図10参照)とペダル操作部Nを操作する足の踵位置とを固定した状態で求められる各運転者の適正なヒップポイントP1,P2,P3に基づいて設定されている。
すなわち、図9に示したように、踵の位置とフロアFからの視点(目線)の高さHを固定し、異なる体格差からそれぞれのヒップポイントP1,P2,P3を求め、それに基づいて調整軌道Mの曲線形状を設定する。ここで、P1は、大きい人のヒップポイントであり、P2は、中程度の人のヒップポイントであり、P3は、小さい人のヒップポイントである。
【0039】
まず、想定される運転者のヒップポイントP1,P2,P3を求めるために、たとえば、運転者の体格差の分布が狭い母集団から、体格が大きい人、小さい人、そして中程度の人をそれぞれ選択する。
そして、体格が大きい人は、分布の95%tileの最大体格(最大身長)を有する人や、前記集団分布を1/3づつ分割したときの大きなグループの平均体格(平均身長)を有する人、あるいは予め設定された体格、例えば身長が1795mmの人、などから設定する。
体格が小さい人は、分布5%tileの最大値を有する人や、集団分布を1/3づつ分割したときの小さいグループの平均値を有する人、あるいは予め選任された体格、例えば身長が1545mmの人、などから設定する。
体格が中程度の人は、前記集団分布の平均値や中間地を有する人などから設定する。
そして、このようにして得られた体格の異なる3人の運転者の前記ヒップポイントP1,P2,P3を求める。
【0040】
図10は、体格差による体各部位の寸法とヒップポイントとの関係の説明に供される概念図であり、図11は、図10の概念図に基づいて踵からの水平距離と踵からの高さ寸法との関係から求められる体格差によるヒップポイントを示す特性図である。
ここでは、前記した体格が大きい人の身長を1795mm、体格が小さい人の身長を1545mm、体格が中程度の人の身長を1705mmとし、そしてフロアFから視点の高さHまでの高さ距離を1040mmと設定したとき、それぞれの体格差に対して踵の位置からの水平距離L1と、踵の位置(フロアF)からの高さL2によって3点のヒップポイントP1,P2,P3を求め、それに基づいて調整軌道Mの曲線形状を設定するようにしている。
【0041】
図11に示す前記3点のヒップポイントP1,P2,P3を結ぶ滑らかな曲線を、2次関数で近似すると、次式(1)

y=−0.0008x2+0.8013x+80.74 … (1)

となる。ここで、踵の位置を原点とし、踵からの高さ方向をy軸、踵からの水平方向をx軸としている。
【0042】
なお、前記調整軌道Mの曲線形状の向きは、図12に示すように、逆向きに設定することも可能である。
【0043】
また、前記した実施形態としてはシート装置Aのガイド部3を、前後ガイド部材3aと上下ガイド部材3bとの2部材から構成したが、上下ガイド部材3bは、リンク部の構成形態などによっては必ずしも必要ではない。例えば、図8に示したようなリンク部20の構成形態とした場合などには上下ガイド部材3bを必要としないことがある。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用シート装置の全体を示す斜視図である。
【図2】(a)は、同車両用シート装置の全体を示す側面図であり、(b)は、シート本体を車両の前方および上方に移動させた状態を示す同側面図である。
【図3】同車両用シート装置のシートスライド部を示す斜視図である。
【図4】シートスライド部を電動式で動作させる電動シートとした場合のモータと電源部、そして操作スイッチとを接続する回路図である。
【図5】同車両用シート装置のリンク部をシートスライド部上に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】同車両用シート装置のリンク部に備えられる接続ピンを示す同拡大斜視図である。
【図7】同車両用シート装置のガイド部をシートスライド部上に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る車両用シート装置のリンク部の構造形態を変えた他の実施形態の全体を示す側面図である。
【図9】体格差とヒップポイントとの関係から調整軌道の曲線形状の説明に供される原理図である。
【図10】体格差による体各部位の寸法とヒップポイントとの関係の説明に供される概念図である。
【図11】図9の概念図に基づいて踵からの水平距離と踵からの高さ寸法との関係から求められる体格差によるヒップポイントを示す特性図である。
【図12】体格差とヒップポイントとの関係から調整軌道の曲線形状の説明に供される他の実施形態の原理図である。
【符号の説明】
【0045】
A シート装置
1 シートスライド部
1a ロアレール
1b アッパレール
2,20 リンク部
3 ガイド部
3a 前後ガイド部材
3b 上下ガイド部材
5 モータ
6 操作スイッチ
10 ピン部材(被ガイド部材)
11 ガイド横長孔(ガイド長孔)
12 ガイド縦長孔
M 調整軌道
F フロア
S シート本体




 

 


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