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発明の名称 車両用操舵装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20354(P2007−20354A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−201141(P2005−201141)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
発明者 森 春仁 / 笠井 純一
要約 課題
空転や車両の前後移動を伴うことなく、据え切り時の操舵負担を軽減できる車両用操舵装置を提供する。

解決手段
左右前輪をそれぞれ独立に駆動可能な車両において、ドライバの据え切り動作開始を検出する据え切り動作開始判定手段(ステップS1,S2,S4)と、据え切り動作開始と判定されたとき、左右前輪に微小範囲の前後回転振動を付与する操舵力補助制御手段(ステップS5)と、を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
左右操向輪をそれぞれ独立に駆動可能な車両において、
ドライバの据え切り動作開始を判定する据え切り動作開始判定手段と、
据え切り動作開始と判定されたとき、前記左右操向輪に微小範囲の前後回転振動を付与する操舵力補助制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用操舵装置において、
前記据え切り動作開始判定手段は、車速ゼロでドライバの加速要求が無いとき、操舵トルクがあらかじめ設定された据え切り開始判定値を超えた場合に、据え切り動作開始と判定することを特徴とする車両用操舵装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
前記操舵力補助制御手段は、前記左右操向輪へ前後回転振動を付与しているとき、車速がゼロを超えたとき、ドライバの加速要求が有るとき、または操舵トルクがあらかじめ設定された据え切り終了判定値を下回ったとき、のいずれかの場合には、前記左右操向輪への前後回転振動の付与を停止することを特徴とする車両用操舵装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
前記操舵力補助制御手段は、前記左右操向輪を互いに逆位相の振幅で前後回転振動させることを特徴とする車両用操舵装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
前記操舵力補助制御手段は、前記左右操向輪に前後回転振動を付与するとき、非操向輪に制動力を付与することを特徴とする車両用操舵装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
前記操舵力補助制御手段は、前記左右操向輪に前後回転振動を付与するとき、非操向輪に前記操向輪と逆位相の振幅の前後回転振動を付与することを特徴とする車両用操舵装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
前記左右操向輪と車体との間に減衰手段を介装したことを特徴とする車両用操舵装置。
【請求項8】
左右操向輪をそれぞれ独立に駆動可能な車両において、
ドライバの据え切り動作開始時、前記左右操向輪を微小範囲で前後回転振動させ、操向輪転舵方向の摩擦力を小さくすることを特徴とする車両用操舵装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右操向輪をそれぞれ独立に駆動可能な車両に用いられる車両用操舵装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用操舵装置では、操舵トルクに基づいて必要操舵補助力を求め、この必要操舵補助力が得られる左右操向輪の駆動トルクをそれぞれ求め、操向輪に付設されたホイールインモータを駆動している(特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平7−7816号公報
【特許文献2】特開平9−117016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術にあっては、車速ゼロで操舵要求が与えられる、いわゆる据え切り状態において、操舵のための操舵補助力を発生させるために車輪にトルクを与えたとき、路面反力によりキングピン回りのモーメントを発生させようとするが、操舵補助力の要求値が大きいと、タイヤと路面との摩擦力を超え、車輪が空転するまで車輪にトルクを与える必要があるという問題点があった。また、タイヤと路面の静止摩擦限界を超えずに転舵するためには、車輪を回転させる必要があるが、その場合は車両が動いてしまうという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、空転や車両の前後移動を伴うことなく、据え切り時の操舵負担を軽減できる車両用操舵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明では、
左右操向輪をそれぞれ独立に駆動可能な車両において、
ドライバの据え切り動作開始を判定する据え切り動作開始判定手段と、
据え切り動作開始と判定されたとき、前記左右操向輪に微小範囲の前後回転振動を付与する操舵力補助制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にあっては、ドライバが据え切りを開始したとき、左右操向輪に前後回転振動を付加することにより、操向輪転舵方向の摩擦力が静摩擦力から動摩擦力へと変化し、摩擦力が小さくなる。このとき、左右操向輪は微小範囲で動かすため、左右操向輪の回転に伴い車両が前進または後退することはない。よって、車輪の空転や車両の前後移動を伴うことなく、据え切り時におけるドライバの操舵負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜4に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両用操舵装置の構成を示す図である。実施例1の車両用操舵装置は、ドライバに操作されるハンドル1と、ハンドル1の操作量に応じて左右前輪(左右操向輪)2a,2bを転舵する舵取り機構3とを備えている。舵取り機構3は、車速感応型の油圧式パワーステアリングシステムを備えている。
【0009】
ハンドル1と一体結合されコラムシャフト4は、そのシャフト上に操舵角センサ5と操舵トルクセンサ6とを有している。コラムシャフト4の先端にはラック&ピニオン式のステアリングギア7が設けられている。舵取り機構3において、ハンドル1の回転に応じて車幅方向に往復運動するラック8の両端に、左右タイロッド9a,9bを介して左右の前輪2,2のナックルアーム(不図示)が連結されている。左右前輪2a,2bには、駆動源としてホイールインモータ(以下、モータ)10a,10bが付設されている。
【0010】
コントロールユニット13には、操舵角センサ5により検出された操舵角と、操舵トルクセンサ6により検出された操舵トルクと、車速センサ11により検出された車速と、スロットル開度センサ12により検出されたスロットル開度とが入力される。
【0011】
コントロールユニット13は、スロットル開度センサ12により検出されたスロットル開度に応じて車両の目標駆動力を算出すると共に、車速センサ11により検出された車速と操舵角センサ5により検出された操舵角とから、車両の目標ヨーレートを算出する。そして、目標駆動力と目標ヨーレートに応じて、モータ10a,10bを駆動する。
【0012】
また、コントロールユニット13は、スロットル開度センサ12により検出されたスロットル開度と、車速センサ11により検出された車速と、操舵トルクセンサ6により検出された操舵トルクとに基づいて、ドライバの据え切り動作開始を判定する。そして、ドライバが据え切り動作を開始したとき、モータ10a,10bに対し、前輪2a,2bを微小範囲で前後回転振動させる制御指令を出力する。このとき、図2に示すように、左右前輪2a,2bを互いに逆位相の振幅で前後回転振動させる。ここで、左右前輪2a,2bを前後回転振動させる振幅は、少なくともタイヤの接地位置が変化する大きさとする。
【0013】
次に、作用を説明する。
[据え切り時操舵力補助制御処理]
図3は、実施例1の据え切り時操舵力補助制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0014】
ステップS1では、車速センサ11から車速を読み込み、車速がゼロであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS2へ移行し、NOの場合にはステップS9へ移行する。
【0015】
ステップS2では、スロットル開度センサ12からスロットル開度を読み込み、スロットル開度がゼロであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS3へ移行し、NOの場合にはステップS9へ移行する。
【0016】
ステップS3では、制御開始フラグFがセット(=1)されているか否かを判定する。YESの場合にはステップS7へ移行し、NOの場合にはステップS4へ移行する。
【0017】
ステップS4では、操舵トルクセンサ6から操舵トルクを読み込み、操舵トルクがあらかじめ設定された据え切り開始判定値を超えているか否かを判定する。YESの場合にはステップS5へ移行し、NOの場合にはステップS9へ移行する。ステップS1、ステップS2およびステップS4により、ドライバの据え切り動作開始を判定する据え切り動作開始判定手段が構成される。
【0018】
ステップS5では、モータ10a,10bに対し、車両が前後方向に動かない範囲で、左右前輪2a,2bを微小範囲で前後回転振動させる制御指令を出力し、ステップS6へ移行する(操舵力補助制御手段に相当)。
【0019】
ステップS6では、制御開始フラグFをセットし、リターンへ移行する。
【0020】
ステップS7では、操舵トルクセンサ6から操舵トルクを読み込み、操舵トルクがあらかじめ設定された据え切り終了判定値を下回っているか否かを判定する。YESの場合にはステップS8へ移行し、NOの場合にはステップS5へ移行する。実施例1では、据え切り終了判定値を、据え切り開始判定値よりも小さな値に設定し、制御ハンチングを防止する。
【0021】
ステップS8では、制御開始フラグFをリセット(=0)し、リターンへ移行する。
【0022】
ステップS9では、制御開始フラグFをリセットし、リターンへ移行する。
【0023】
[据え切り時操舵力補助制御作動]
ドライバが据え切りを開始した場合には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れとなる。すなわち、ステップS1で車速ゼロ、ステップS2でドライバの加速要求が無く、ステップS4で操舵トルクが据え切り開始判定値を超えたため、ドライバの据え切り動作開始と判定し、ステップS4では、制御開始フラグFがセットされる。ステップS5では、左右前輪2a,2bに微小範囲の前後回転振動を付加する。
【0024】
これにより、左右前輪2a,2bが路面に対し車両の移動を伴わない範囲で前後方向に転舵するため、タイヤと路面との転舵方向の摩擦力が、静摩擦力から動摩擦力に変化し、転舵方向の摩擦力が小さくなる。よって、前輪2a,2bを転舵させるために必要な操舵トルクが小さくなり、ドライバの操舵負荷が軽減される。
【0025】
また、左右前輪2a,2bを互いに逆位相の振幅で前後回転振動させるため、左右前輪2a,2bの前後回転振動により発生する駆動力を、左右前輪2a,2b内でキャンセルすることができ、車両の前進または後退を抑制できる。
【0026】
ドライバが据え切りを行っている間は、制御開始フラグFがセットされた状態であり、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS7→ステップS5→ステップS6へと進む流れが繰り返され、ステップS5において、左右前輪2a,2bに微小範囲の前後回転振動を付加する制御が継続される。
【0027】
ドライバが据え切りを終了した場合には、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS7→ステップS8へと進み、ステップS8では、制御開始フラグFがリセットされ、前輪2a,2bの前後回転振動による操舵力補助を停止する。
【0028】
ドライバが据え切りを行っているとき、車速がゼロを超えた場合、またはアクセルペダルを踏んだ場合には、ステップS1→ステップS9またはステップS1→ステップS2→ステップS9へと進み、ステップS9では、制御開始フラグFがリセットされ、前輪2a,2bの前後回転振動による操舵力補助を停止する。
【0029】
すなわち、車両が動き出した場合には、必要操舵トルクが小さくなるため、過度の操舵力補助によりハンドル1が軽くなりすぎるのを抑制する。また、ドライバの加速要求が検出された場合には、左右前輪2a,2bの前後回転振動を停止することで、発進時の応答性を高めることができる。
【0030】
[前輪の前後回転振動による転舵摩擦低減作用]
操向輪の操舵回転中心が路面に接する点と、タイヤ中心線が路面と接する点とが一致しないように懸架装置を構成した場合、タイヤが路面から受ける反力により、操舵回転中心回りのモーメントが発生する。つまり、タイヤから路面に伝える駆動力に応じて操向輪を転舵するモーメントが発生する。
【0031】
よって、左右操向輪をそれぞれ独立に駆動することが可能な車両において、左右輪の駆動力をアンバランスにすることで、操向輪の転舵が可能となる。車速、スロットル開度、操舵角、操舵トルクなどの車両情報およびドライバ要求値に基づき、左右輪それぞれの駆動トルクを算出し、駆動源を制御することにより、操舵補助力の機能を兼ね備えることが可能となる。特に、電動モータのような制御応答性に優れる駆動源を備えた車両においては、駆動力によって応答良く操舵補助を行うことができる。
【0032】
ところが、このような機能を有する車両であっても、車体を移動させることなく転舵を行う据え切り時においては、操向輪をその位置に留めて転舵するためには、タイヤを路面に対して滑らせる必要があり、タイヤと路面との最大静止摩擦力を超える過大なトルクを必要とする。
【0033】
これに対し、実施例1の車両用操舵装置では、据え切り要求があった際に、前輪2a,2bを微少量正逆回転させることにより、タイヤと路面との転舵方向の摩擦力を静摩擦力から動摩擦力へと変化させることで、ドライバの操舵を補助する。このとき、左右前輪2a,2bに対し互いに逆位相の回転を与えることにより、左右輪間で力をキャンセルでき、車両が前進または後退するのを抑制できる。
【0034】
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
【0035】
(1) 左右前輪2a,2bをそれぞれ独立に駆動可能な車両において、ドライバの据え切り動作開始を検出する据え切り動作開始判定手段(ステップS1,S2,S4)と、据え切り動作開始と判定されたとき、左右前輪2a,2bに微小範囲の前後回転振動を付与する操舵力補助制御手段(ステップS5)と、を備える。よって、車輪の空転や車両の前後移動を伴うことなく、前輪転舵方向の摩擦力を小さくしてドライバの操舵負担軽減を図ることができる。
【0036】
(2) 据え切り動作開始判定手段は、車速ゼロでドライバの加速要求が無いとき、操舵トルクがあらかじめ設定された据え切り開始判定値を超えた場合に、据え切り動作開始と判定するため、ドライバの据え切り動作開始をより正確に判定できる。
【0037】
(3) 操舵力補助制御手段は、左右前輪2a,2bへ前後回転振動を付与しているとき、車速がゼロを超えたとき、スロットル開度がゼロを超えたとき、または操舵トルクがあらかじめ設定された据え切り終了判定値を下回ったとき、のいずれかの場合には、左右前輪2a,2bへの前後回転振動の付与を停止する。よって、操舵力の補助が不要となった場合の不必要な左右前輪2a,2bの前後回転振動を防止でき、据え切り後の発進動作または駐車動作をスムーズに行うことができる。
【0038】
(4) 操舵力補助制御手段は、左右前輪2a,2bを互いに逆位相の振幅で前後回転振動させるため、左右前輪2a,2bの前後回転振動に伴う車両の移動を抑制できる。
【実施例2】
【0039】
実施例2は、左右操向輪に前後回転振動を付与するとき、非操向輪に制動力を付与する例である。
【0040】
まず、構成を説明する。
図4は、実施例2の車両用操舵装置の構成を示す図である。実施例2の車両用操舵装置は、ドライバのブレーキペダル操作にかかわらず、左右後輪(非操向輪)14a,14bのホイールシリンダ15a,15bにブレーキ液を供給可能なブレーキアクチュエータ16を備えている。
【0041】
コントロールユニット13は、ドライバが据え切り動作を開始したと判定したとき、モータ10a、10bに対し、左右前輪2a,2bを微小範囲で前後回転振動(左右同位相の振幅)させる制御指令を出力すると共に、ブレーキアクチュエータ16に対し、左右ホイールシリンダ15a,15bにブレーキ液を供給する制御指令を出力する。
なお、実施例2の他の構成は、図1に示した実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
次に、作用を説明する。
[後輪の制動力による車両の発進防止作用]
実施例2では、図5に示すように、ドライバの据え切り動作開始時に左右後輪14a,14bにブレーキを掛けるため、左右前輪2a,2bの前後回転により車両が発進しようとする力を、左右後輪14a,14bの制動力で抑えることができる。
【0043】
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(3)に加え、以下の効果が得られる。
【0044】
(5) 操舵力補助制御手段は、左右前輪2a,2bに前後回転振動を付与するとき、後輪14a,14bにブレーキを掛けるため、据え切り時の車両の発進を確実に防止できる。
【実施例3】
【0045】
実施例3は、左右操向輪に前後回転振動を付与するとき、左右非操向輪に操向輪と逆位相の振幅の前後回転振動を付与する例である。
【0046】
図6は、実施例3の車両用操舵装置の構成を示す図である。実施例3の車両用操舵装置は、左右後輪14a,14bに、駆動源としてホイールインモータ(以下、モータ)17a,17bが付設されている。コントロールユニット13は、目標駆動力と目標ヨーレートに応じて、モータ10a,10b,17a,17bを駆動する。
【0047】
また、コントロールユニット13は、ドライバが据え切り動作を開始したと判定したとき、モータ10a,10bとモータ17a,17bに対し、前輪2a,2bおよび後輪14a,14bを微小範囲で前後回転振動させる制御指令を出力する。このとき、左右前輪2a,2bと左右後輪14a,14bを互いに逆位相の振幅で前後回転振動させる。
なお、実施例3の他の構成は、図1に示した実施例1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0048】
次に、作用を説明する。
[前後輪逆位相の振動による発進防止作用]
実施例3では、図7に示すように、ドライバが据え切り動作を開始したと判定されたとき、モータ10a、10bに対し、左右前輪2a,2bを微小範囲で前後回転振動させると共に、左右後輪14a,14bを左右前輪2a,2bと逆位相の振幅で前後回転振動させる。これにより、左右前輪2a,2bと左右後輪14a,14bの駆動力が互いに打ち消されるため、車両の発進を防止できる。
【0049】
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(3)に加え、以下の効果が得られる。
【0050】
(6) 操舵力補助制御手段は、左右前輪2a,2bに前後回転振動を付与するとき、左右後輪14a,14bに左右前輪2a,2bと逆位相の振幅の前後回転振動を付与するため、据え切り時の車両の発進を確実に防止できる。
【実施例4】
【0051】
実施例4は、左右操向輪と車体との間に減衰手段を介装した例である。
【0052】
図8は、実施例4の車両用操舵装置の左前輪側要部構成を示す図である。図8に示すように、実施例4の車両用操舵装置は、左前輪2aと車体18との間に、減衰装置(減衰手段)19が介装されている。この減衰装置19は、一端が左前輪2aのホイール20と連結されたステアリングナックル21に接続され、他端が車体18に連結されている。同様に、右前輪2b側にも、車体18との間に減衰装置19が介装されている。
なお、実施例4の他の構成は、図1に示した実施例1と同様であるため、図示および説明を省略する。
【0053】
次に、作用を説明する。
[減衰装置による操舵トルク変動抑制作用]
タイヤと路面との間の力のやりとりは、車輪の操舵中心回りのモーメントを発生させるため、据え切り時に左右前輪2a,2bを前後回転振動させた場合、操舵力あるいは保舵力の変動を引き起こす。
【0054】
これに対し、実施例4では、左右前輪2a,2bと車体18との間に減衰装置19を設けたため、車輪の操舵中心回りのモーメントの一部を減衰させることができ、不要な操舵トルク変動をドライバへ伝わりにくくすることができる。
【0055】
次に、効果を説明する。
実施例4の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(4)に加え、以下の効果が得られる。
【0056】
(7) 左右前輪2a,2bと車体18との間に減衰装置19を介装したため、タイヤと路面との接触状態により時々刻々変化する路面反力がハンドル1に伝わるのを抑制でき、不要な保舵力の変化をドライバに伝えないようにすることができる。
【0057】
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜4に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1〜4に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0058】
例えば、実施例1〜4では、前輪を操向輪とする例を示したが、本発明は、低車速域で後輪を前輪と逆相操舵する4輪操舵システムの後輪に対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施例1の車両用操舵装置の構成を示す図である。
【図2】実施例1の操舵力補助作用を示す図である。
【図3】実施例1の据え切り時操舵力補助制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施例2の車両用操舵装置の構成を示す図である。
【図5】実施例2の操舵力補助作用を示す図である。
【図6】実施例3の車両用操舵装置の構成を示す図である。
【図7】実施例3の操舵力補助作用を示す図である。
【図8】実施例4の車両用操舵装置の左前輪側要部構成を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 ハンドル
2a,2b 左右前輪
3 舵取り機構
4 コラムシャフト
5 操舵角センサ
6 操舵トルクセンサ
7 ステアリングギア
8 ラック
9a,9b 左右タイロッド
10a,10b 左右ホイールインモータ
11 車速センサ
12 スロットル開度センサ
13 コントロールユニット




 

 


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