米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 車両 -> 日産自動車株式会社

発明の名称 シートベルト装置のウェビング長さ調節構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15539(P2007−15539A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−198706(P2005−198706)
出願日 平成17年7月7日(2005.7.7)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 吾妻 政治 / 増田 大助
要約 課題
タングをバックルから離脱してシートベルトを取り外す際に、そのバックルの離脱操作と連動してウェビングの余剰部分を簡単に除去することができるシートベルト装置のウェビング長さ調節構造を提供する。

解決手段
タング4の外側を覆って該タング4の装着方向に移動自在に嵌合するカバー11を設け、タング4の離脱時にバックル5とは反対側にカバー11を移動させてウェビング10のタング取付け部分10aを所定長さに亘って取込むことにより、カバー11に取込まれたウェビング10の長さ分だけウェビング10全体の長さを短くでき、シートベルト装置1を非着用状態にしたときに、ウェビング10を緊張状態にして見栄えを良くできるとともに、乗員の乗降時にウェビング10に引っ掛かるのを防止し、また、ドアにウェビング10が挟み込まれるのを防止できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
ウェビングのショルダベルトとラップベルトとの間に設けたタングをバックルに係脱自在に装着して乗員を拘束するシートベルト装置において、
タングの外側を覆って該タングの装着方向に移動自在に嵌合し、タングの装着時にバックル方向に移動するとともに、タングの離脱時にバックルとは反対側に移動してショルダベルトとラップベルトとのタング取付け部分近傍を所定長さに亘って取込む被覆部材を設け、シートベルトの非着用時に該被覆部材内にウェビングの一部分を収納するようにしたことを特徴とするシートベルト装置のウェビング長さ調節構造。
【請求項2】
被覆部材とタングとの間に抜止め用の係止部を設けるとともに、被覆部材とバックルとの間に係脱自在に装着される係合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置のウェビング長さ調節構造。
【請求項3】
被覆部材は、ウェビングの取込み側先端のウェビング面に沿った両側縁のうちいずれか一方を他方よりも短くし、それら両側縁間に段差部を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のシートベルト装置のウェビング長さ調節構造。
【請求項4】
被覆部材は、ウェビングの取込み側先端を、ウェビング面に対して座席前方が短くなるように傾斜させたことを特徴とする請求項1または2に記載のシートベルト装置のウェビング長さ調節構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席に乗員を拘束するシートベルト装置のウェビング長さを簡単に調節できる構造に関する。
【背景技術】
【0002】
シートベルト装置は、ウェビングに取り付けたタングを車体側に設けたバックルに係合することによりシートベルトの装着状態となって乗員を拘束する一方、シートベルトを取り外す際にはバックルからタングを離脱させるようになっている。
【0003】
また、シートベルト装置は乗員を拘束するのみでなく、例えばチャイルドシートを座席に固定する際にも用いられる。
【0004】
このようにチャイルドシートを固定する場合は、リトラクタからウェビングを引き出した状態でチャイルドシートを固定するため、このチャイルドシートを固定するのに必要なウェビング長さとの関係でどうしてもウェビングに余剰部分が発生する。
【0005】
従って、そのウェビングの余剰部分を除去するために、中央部に矩形穴を形成した第1部材と、両端に切欠部を形成した基部の両側から2つの翼片部を傾斜上に延設した第2部材と、を相互に遊嵌した長さ調整具を設けて、この長さ調整具にウェビングを余剰部分を折り重ねて固定するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この場合、長さ調整具にウェビングの余剰部分を固定するには、先ず、長さ調整具の第2部材を第1部材の前腕部側に寄せておき、ウェビングの一部を摘んで輪に折り重ねた状態にして第1部材の矩形穴に下方から通す。
【0007】
そして、第2部材を第1部材の後腕部の方に寄せて、第2部材前方の矩形穴に上方から下方に向かって通し、下方に頭を出した輪に折り重ねたベントを引き出すようになっている。
【特許文献1】特開2003−212083号公報(第4−5頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、かかる従来のウェビング長さ調節構造にあっては、長さ調整具でウェビングの余剰部分を除去するためには、その長さ調整具に対して前述したような複雑なウェビングの通し方をするようになっている。
【0009】
このため、シートベルト装置を本来の使用目的である乗員の拘束用として用いる場合に、シートベルト装置がエアベルトを用いるものでは、シートベルトの非着用時に発生するウェビング余剰分を除去するのに前記長さ調整具を用いた場合には、その長さ調整具の着脱に大いに手間取ることになり、実際上の使用に耐えないものとなる。
【0010】
即ち、シートベルト装置の通常の使用状態でウェビングに余剰部分が発生する場合は、例えば、3点式シートベルト装置でショルダーベルトの乗員胸部に対応する部分にエアバッグを設けたエアベルトの場合(特開2001−163183号参照)は、そのエアバッグを設けた部分が厚肉化するため、シートベルトの格納時にその厚肉部分が、ショルダーベルトの上端部を下方に折り返してリトラクタに案内するショルダー側スルーリングにつっかえて、その時点でリトラクタの巻取りが停止される。
【0011】
従って、前記エアベルトではシートベルトの非着用状態でショルダー側スルーリングの下方でウェビングに弛み部分、つまり余剰部分が発生して体裁が悪化するとともに、その余剰部分に乗員が乗降時に引っ掛かったり、余剰部分をドアに挟み込んだりしてしまう。
【0012】
しかし、このようにシートベルトの非着用時に発生するウェビングの余剰部分は、シートベルトの着用時には発生しないもので、非着用時のみにそのウェビング余剰部分を簡単に除去できる手段が望まれる。
【0013】
そこで、本発明はタングをバックルから離脱してシートベルトを取り外す際に、そのバックルの離脱操作と連動してウェビングの余剰部分を簡単に除去することができるシートベルト装置のウェビング長さ調節構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明にあっては、ウェビングのショルダベルトとラップベルトとの間に設けたタングをバックルに係脱自在に装着して乗員を拘束するシートベルト装置において、タングの外側を覆って該タングの装着方向に移動自在に嵌合し、タングの装着時にバックル方向に移動するとともに、タングの離脱時にバックルとは反対側に移動してショルダベルトとラップベルトとのタング取付け部分近傍を所定長さに亘って取込む被覆部材を設け、シートベルトの非着用時に該被覆部材内にウェビングの一部分を収納するようにしたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、タングの装着時にバックル方向に移動している被覆部材は、タングの離脱時にバックルとは反対側に移動してショルダベルトとラップベルトとのタング取付け部分近傍を所定長さに亘って取込むため、被覆部分に取込まれたウェビングの長さ分だけウェビング全体の長さが短くなる。
【0016】
このため、前記被覆部分に取込まれるウェビング長さを、予めシートベルトの非着用時に発生するウェビング余剰部分の長さに設定しておくことにより、シートベルト装置を非着用状態にしたときに、ウェビングの弛み部分を無くして緊張状態にしておくことができるため、見栄えを良くすることができるとともに、乗員の乗降時にウェビングに引っ掛かるのを防止し、また、ドアにウェビングが挟み込まれるのを防止できる。
【0017】
また、前記被覆部分にウェビングを取込むことによりウェビング全体の長さを短縮できるので、リトラクタによるウェビングの巻取り量が減少して、ウェビングの巻取りを迅速かつスムーズに行って、シートベルト装置の格納時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0019】
図1〜図7は本発明にかかるシートベルト装置のウェビング長さ調節構造の第1実施形態を示し、図1は本発明のシートベルト装置を(a)の装着状態と(b)の非着用状態で示す全体構成図、図2はタングとバックルの分離状態をタングの内部を断面として示す斜視図であり、図3はバックルの爪部を(a)に図2中A−A線に沿い(b)に図2中B−B線に沿った要部でそれぞれ示す断面図、図4はバックルの爪部の作動状態を(a)に図2中A−A線に沿い(b)に図2中B−B線に沿った要部でそれぞれ示す断面図である。
【0020】
また、図5はタングをバックルに装着した状態の斜視図、図6はタングをバックルに装着した状態を被覆部材を断面して示す正面図、図7はタングをバックルから離脱した状態を被覆部材を断面して示す正面図である。
【0021】
本実施形態のシートベルト装置は、図1(a),(b)に示すように3点式シートベルト装置1に適用し、この3点式シートベルト装置1は座席に着座した乗員の胸部を、片側の肩部から反対側の腰部に亘って斜めに拘束するショルダーベルト2と、乗員の腰部上側を左右方向に亘って拘束するラップベルト3と、を備える。
【0022】
前記ショルダーベルト2の下端部はラップベルト3の一端部に連続して、それらの間にタング4を挿通し、該タング4を座席のシートクッションSの側部またはフロアパネルに固定したバックル5に係脱自在に装着するようになっている。
【0023】
ショルダーベルト2の上端部は車体側、例えばピラー部材の上端部に固定したショルダー側スルーリング6に挿通して下方に折返し、その折返したウェビング10の下端部をピラー部材下部に設けたリトラクタ7に案内して巻き取るようになっている。
【0024】
また、ラップベルト3の前記タング4を設けた側とは反対側端部のアンカー部分Aは、シートクッションSの反対側側部またはフロアパネルに固定し、若しくはラップ側リトラクタに巻き取るようになっている。
【0025】
そして、図1(a)に示すように前記タング4をバックル5に装着することにより、シートベルト装置1は乗員を座席に拘束するとともに、図1(b)に示すようにタング4をバックル5から離脱することにより、ウェビング10をリトラクタ7(若しくは、ラップ側リトラクタと合わせて)で巻き取ってシートベルト装置1を格納する非着用状態となる。
【0026】
前記ショルダーベルト2およびラップベルト3の中間部分には、それぞれのウェビング10自体にエアバッグ8,9を設けたエアベルトとして構成してあり、それらエアバッグ8,9の設置部分でショルダーベルト2およびラップベルト3のウェビング10は厚肉化および増幅化される。
【0027】
従って、シートベルト装置1の非着用時にウェビング10をリトラクタ7で巻取った際に、図1(b)に示すようにショルダーベルト2は、前記エアバッグ8部分がショルダー側スルーリング6に引っ掛かった状態で巻取りが停止され、従来ではこの引っ掛かり状態でウェビング10の余剰部分が発生することになる。
【0028】
ここで、本実施形態では図2に示すようにタング4の外側を覆って該タング4の装着方向(図中上下方向)に移動自在に嵌合し、タング4の装着時にバックル5方向に移動するとともに、タング4の離脱時にバックル5とは反対側に移動してショルダベルト2とラップベルト3とのタング取付け部分10a近傍を所定長さに亘って取込む被覆部材としてのカバー11を設け、シートベルトの非着用時にそのカバー11内にウェビング10の一部分を収納するようになっている。
【0029】
前記タング4は、図2に示すようにタング本体4aと、このタング本体4aの下端から突出する舌部4bと、で構成してあり、舌部4bをバックル5の挿入口5aに挿入することにより係合して、タング4がバックル5に装着される。
【0030】
前記タング本体4aには、前記ウェビング10を挿通するスリット4cが形成され、このスリット4cにウェビング10を摺動自在に挿通することにより、ウェビング10とタング4との取付けが行われ、該ウェビング10はスリット4cへの挿通部分が前記タング取付け部分10aとなっている。
【0031】
また、タング本体4aの長辺方向両側の下端から後述の圧縮スプリング14の下端を支持する一対の支持片4dが突設され、これら支持片4dの幅W1は、端部本体4aの厚さt1よりも若干幅狭に形成してある。
【0032】
前記バックル5は、シートクッションSやフロアパネルなどの車体側に結合される可撓性を有する連結部5bの先端部に取り付けられ、直方体状に形成したハウジング5cの正面中央部に設けた解除ボタン12を押すことにより、係合状態にある前記舌部4bを係合解除して離脱できるようになっている。
【0033】
また、前記ハウジング5cの片側側面の下部に形成した開口部5dから前記カバー11に係止する爪部13が出没自在に突出しており、この爪部13の出没は前記解除ボタン12の操作によって管理される。
【0034】
即ち、前記爪部13は、図3(a),(b)に示すように前記ハウジング5cの内部に配置される爪形成片13aの先端部に形成され、その爪形成片13aの中間部がピン13bによって前記ハウジング5cの内部に回動自在に支持されるとともに、爪形成片13aの後端部に設けたスプリング13cによって爪部13が前記開口部5dから突出する方向に付勢されている。
【0035】
そして、前記解除ボタン12から側方に延設した延長腕12aの背面に形成した傾斜面12bを爪形成片13aの後端部に接触させてある。
【0036】
従って、前記爪部13は、図4(a),(b)に示すように解除ボタン12をバックル5の裏側に押すことにより、前記延長腕12aの傾斜面12bで爪形成片13aの後端部をスプリング13cの付勢力に抗して押し込み、これによって爪形成片13aがピン13bを中心に回動して爪部13がハウジング5c内に没入する構成となっている。
【0037】
前記カバー11は、図2に示すようにタング4を全体的に包含するように断面矩形状の筒体で形成され、その下端部はバックル5の外側に嵌合する開放口11aとなるとともに、上端を閉止する端壁11bには前記ウェビング10のタング取付け部分10aを挿通する開口部11cが形成される。
【0038】
また、カバー11の前記解除ボタン12に対向する前面の中央部から下方には、解除ボタン12が露出するように切欠いてボタン操作開口11dが形成されるとともに、カバー11の前記開放口11aの前記爪部13に対向する片側内面には、該爪部13を係合する凹部11eが形成され、図5,図6に示すようにカバー11をバックル5に嵌合した際に、爪部13がその凹部11eに係合してカバー11の抜止めが行われる。
【0039】
前記カバー11の長辺方向両側の内部には、図2に示すように圧縮スプリング14をそれぞれ収納する一対のスプリング収納室11fが形成され、これらスプリング収納室11fの内側壁11gには、前記タング本体4aの支持片4dを上下移動自在に挿入する開口部11hが形成されている。
【0040】
そして、スプリング収納室11f内に収納した前記圧縮スプリング14の上端をカバー11の端壁11bに支持させるとともに、下端を前記タング本体4aの下端に突設した支持片4dに支持させてあり、図7に示すように前記圧縮スプリング14によりカバー11に対してタング4を下方に押しやる方向、つまり、タング4に対してカバー11を上方に押し出す方向に付勢し、このカバー11の上方への押し出しによりカバー11の上端はタング4から所定量Lだけ突出し、その突出部分内にウェビング10のタング取付け部分10aを取込むようになっている。
【0041】
ところで、本実施形態のシートベルト装置1には図1に示したようにショルダーベルト2およびラップベルト3にエアバッグ8,9が設けられてエアベルトを構成してあるが、車両衝突などの緊急時にこれらエアバッグ8,9にエアを供給するための経路が、図外のインフレータからバックル5とタング4との接続間を通ってウェビング10の内部に形成される。
【0042】
以上の構成により本実施形態のシートベルト装置1のウェビング長さ調節構造によれば、座席に着座した乗員をシートベルト装置1によって拘束するには、図5,図6に示すようにタング4をカバー11と共にバックル5に差込むことにより、タング4の舌部4bがバックル5の挿入口5aに挿入されてタング4がバックル5に係止されるとともに、カバー11は圧縮スプリング14が押し縮められつつバックル5の外側に嵌合し、凹部11eが爪部13に係合してその嵌合状態が保持される。
【0043】
このようにタング4がバックル5に係止されることにより、シートベルト装置1は図1(a)に示すように着用状態となって、ショルダーベルト2およびラップベルト3によって乗員の胸部および腰部を拘束することができる。
【0044】
次に、シートベルト装置1を非着用状態にするには、バックル5の解除ボタン12を押すことによりタング4との係合を解除するとともに、爪部13と凹部11eとの係合を解除して、タング4がケース11とともにバックル5から分離可能となる。
【0045】
そして、ケース11は爪部13と凹部11eとの係合が解除されることにより、図7に示すように圧縮スプリング14の付勢力でカバー11はタング4に対して上方に押し上げられ、タング4から上方に突出した突出部分内にショルダベルト2とラップベルト3とのタング取付け部分10a近傍が取込まれる。
【0046】
この場合、カバー11の突出部分内に取り込まれるタング取付け部分10aはウェビング10が折り返されているため、実際上、カバー11内に取り込まれるウェビング10の長さは、カバー11の突出部分内に位置するタング取付け部分10aの長さL1のほぼ2倍となり、カバー11内に取込まれたウェビング10の長さ分だけウェビング10全体の長さが短くなる。
【0047】
このため、前記カバー11に取込まれるウェビング10の長さを、予めシートベルトの非着用時に発生するウェビング10の余剰部分の長さに設定しておくことにより、図1(b)に示すようにシートベルト装置1を非着用状態にしたときに、ウェビング10の弛み部分を無くしてショルダー側スルーリング6とアンカー部分Aとの間で緊張状態にしておくことができるため、見栄えを良くすることができる。
【0048】
従って、乗員の乗降時にウェビング10に引っ掛かるのを防止し、また、ドアにウェビング10が挟み込まれるのを防止できる。
【0049】
また、前記カバー11にウェビング10を取込むことによりウェビング10全体の長さを短縮できるので、リトラクタ7によるウェビング10の巻取り量が減少して、ウェビング10の巻取りを迅速かつスムーズに行って、シートベルト装置1の格納時間を短縮することができる。
【0050】
そして、ウェビング10がショルダー側スルーリング6とアンカー部分Aとの間で緊張状態となることにより、ウェビング10の一部を取り込んだカバー11は座席方向に向かって突出した状態となる(図1(b)参照)。
【0051】
このとき、前記カバー11と一体のタング4の位置は、ショルダー側スルーリング6とアンカー部分Aとの間のほぼ中間部分に位置して従来よりも低くなるため、次にシートベルト装置1を着用する際にタング4を取り易くなる。
【0052】
図8〜図10は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図8はタングをバックルに装着した状態を示す斜視図、図9はバックルの爪部を(a)に図8中C−C線に沿い(b)に図8中D−D線に沿った要部でそれぞれ示す断面図、図10はバックルの爪部の作動状態を(a)に図8中C−C線に沿い(b)に図8中D−D線に沿った要部でそれぞれ示す断面図である。
【0053】
本実施形態のウェビング長さ調節構造は、基本的に第1実施形態と同様の構成となり、図8に示すようにタング4の外側を覆うカバー11をタング4の装着方向に移動自在に嵌合してあり、カバー11はタング4の装着時にバックル5方向に移動するとともに、タング4の離脱時にバックル5とは反対側に移動してショルダベルト2とラップベルト3とのタング取付け部分10a近傍を所定長さに亘って取込むようになっている。
【0054】
そして、図8に示したようにタング4をバックル5に装着した際には、カバー11は圧縮スプリング14(図6参照)を押し縮めてバックル5の外側に押し込んだ状態にあり、バックル5の爪部13にカバー11の凹部11eが係合した状態にある。
【0055】
また、第1実施形態と同様にバックル5に設けた解除ボタン12Aでタング4とバックル5とを離脱させるとともに、カバー11の凹部11eとバックル5の爪部13との係合を解除するようになっているが、特に本実施形態では図8に示すように解除ボタン12Aをバックル5の前面上部に設けて、その解除ボタン12Aを下方に押し下げることにより、前記タング4およびカバー11を離脱させるようになっている。
【0056】
即ち、前記解除ボタン12Aは、バックル5の直方体状に形成したハウジング5cの正面上端部に設け、図9(a),(b)に示すようにハウジング5c内部で解除ボタン12Aから下方に延設した延長腕12cの下端に設けた傾斜面12dを、爪形成片13aの後端部に接触させてある。
【0057】
そして、前記爪形成片13aの先端部に形成した爪部13は、図10(a),(b)に示すように解除ボタン12Aを下方に押すことにより、前記延長腕12cの傾斜面12dで爪形成片13aの後端部をスプリング13cの付勢力に抗して押し込み、第1実施形態と同様に爪形成片13aがピン13bを中心に回動して爪部13がハウジング5c内に没入する構成となっている。
【0058】
また、カバー11に形成されるボタン操作開口11dは、図8に示すように解除ボタン12Aの配置部位に対応させて前面上部に形成してある。
【0059】
従って、本実施形態によれば、第1実施形態に比較して解除ボタン12Aの配置部位とその解除ボタン12Aの操作方向が異なるのみで、基本的に第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0060】
図11,図12は本発明の第3実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図11はタングとバックルとを分離した状態を被覆部材を断面として示す正面図、図12はタングをバックルに装着した状態を被覆部材を断面として示す正面図である。
【0061】
本実施形態のウェビング長さ調節構造にあっても、図11に示すように基本的に第1実施形態と同様にタング4の外側を覆うカバー11をタング4の装着方向に移動自在に嵌合してあり、カバー11はタング4の装着時にバックル5方向に移動するとともに、タング4の離脱時にバックル5とは反対側に移動してショルダベルト2とラップベルト3とのタング取付け部分10a近傍を所定長さに亘って取込むようになっている。
【0062】
また、タング4をバックル5に装着した際には、図12に示すようにカバー11は圧縮スプリング14を押し縮めてバックル5の外側に押し込んだ状態にある。
【0063】
ここで、本実施形態では前記圧縮スプリング14の下端を支持するためにタング本体4aに設けた支持片4dと、圧縮スプリング14の上端を支持するカバー11の端壁11bと、をカバー11とタング4との抜止め用の係止部15とし、カバー11とバックル5との間に係脱自在に装着される係合部16を設けてある。
【0064】
即ち、前記係合部16は、第1,第2実施形態に示したと同様の爪部20をバックル5の両側にそれぞれ設けるとともに、それら爪部20に対向するカバー11の両側内面にそれぞれ凹部21を形成して構成してあり、それら一対の爪部20と一対の凹部21とによってカバー11とバックル5とを傾きを生ずることなく確実に係止できるようになっている。
【0065】
従って、本実施形態によれば、タング4をバックル5に装着する際には、図12に示すようにタング4とカバー11とが係止部15によって抜止めされた状態で、カバー11が爪部20および凹部21を介してバックル5に係止されるため、タング4はカバー11に保持された状態でバックル5に装着することができる。
【0066】
このため、第1,第2実施形態で示したタング4の舌部4bを廃止することができ、タング4の構造を簡素化することができるとともに、バックル5からその舌部4bを係止するための構造を除外できるため、バックル5の構造をも簡素化できる。
【0067】
勿論、タング4をバックル5から離脱させるには、バックル5の解除ボタン22を押して前記爪部20と凹部21とを係合解除させて、カバー11をバックル5から離脱させることにより行われる。
【0068】
ところで、前記一対の爪部20の構造は、前述のように第1実施形態に示した爪部13と同様に構成でき、解除ボタン22を挟んでそれぞれの爪部20は対称に配置されることになる。
【0069】
図13,図14は本発明の第4実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図13は被覆部材の斜視図、図14はシートベルト装置を格納した時の被覆部材の配置状態を示す車両前方から見た正面図である。
【0070】
本実施形態のウェビング長さ調節構造は、前記各実施形態に示したカバー11を、図13に示すようにそのウェビング10の取込み側先端、つまり開口部11cのウェビング面10bに沿った両側縁11c′,11c″のうち一方の側縁11c′を他方の側縁11c″よりも短くし、それら両側縁11c′,11c″間に段差部17を形成してある。
【0071】
このとき、本実施形態では前記開口部11cの両側縁11c′,11c″のうち、一方の側縁11c′はショルダーベルト2側に配置され、かつ、他方の側縁11c″はラップベルト3側に配置されるようになっている。
【0072】
従って、本実施形態によれば、図1(b)に示すようにシートベルト装置1が非着用状態となって格納された際にウェビング10が上下方向に緊張状態となるので、図14に示すようにラップベルト3側(下側)の長く形成した側縁11c″を支点Pとして、ショルダーベルト2側(上側)の短く形成した側縁11c′に上方に回動するモーメントMが発生するので、カバー11は座席方向に向かってほぼ直角に突出した状態で静止する。
【0073】
このようにカバー11がほぼ直角に突出するため、座席に乗員が着座してシートベルト装置1を着用する際に、カバー11と一体となったタング4を取り易くなる。
【0074】
図15,図16は前記第4実施形態の変形例を示し、第4実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図15は被覆部材の斜視図、図16はシートベルト装置を格納した時の被覆部材の配置状態を示す車両前方から見た正面図である。
【0075】
本変形例のウェビング調節構造は、図15に示すようにカバー11の開口部11cの両側縁11c′,11c″を、前記第4実施形態とは逆に他方の側縁11c″を一方の側縁11c′よりも短くし、それら両側縁11c′,11c″間に逆向きの段差部17Aを形成してある。
【0076】
従って、本変形例によれば、シートベルト装置1が格納されてウェビング10が緊張状態となった際に、開口部11cは短くなった他方の側縁11c″が下方のラップベルト3に位置するので、図16に示すようにカバー11は下方に垂れ下がるようにして静止する。
【0077】
このようにカバー11が下方に垂れ下がるので、シートベルト装置1を格納して乗員が座席に着座した際に、カバー11およびこれと一体になったタング4が邪魔になるのを防止することができる。
【0078】
図17,図18は本発明の第5実施形態を示し、第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図17はタングを組み込んだ被覆部材の正面図、図18はシートベルト装置を格納した時の被覆部材の配置状態を示す車両前方から見た正面図である。
【0079】
本実施形態のウェビング調節構造はカバー11を、図17に示すようにウェビング10の取込み側先端、つまり開口部11cの形成側端を、ウェビング面10bに対して座席前方、つまり車両前方が短くなるように傾斜させてある。
【0080】
従って、本実施形態によれば、図18に示すようにシートベルト装置1が非着用状態となって格納された際にウェビング10が上下方向に緊張状態となるので、カバー11は車両前方に向かって斜め前方に突出するため、座席に乗員が着座してシートベルト装置1を着用する際に、カバー11と一体となったタング4を取り易くなる。
【0081】
ところで、本発明は前記各実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1実施形態におけるシートベルト装置を(a)の装着状態と(b)の非着用状態で示す全体構成図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるタングとバックルの分離状態をタングの内部を断面として示す斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態におけるバックルの爪部を(a)に図2中A−A線に沿い(b)に図2中B−B線に沿った要部でそれぞれ示す断面図。
【図4】本発明の第1実施形態におけるバックルの爪部の作動状態を(a)に図2中A−A線に沿い(b)に図2中B−B線に沿った要部でそれぞれ示す断面図。
【図5】本発明の第1実施形態におけるタングをバックルに装着した状態の斜視図。
【図6】本発明の第1実施形態におけるタングをバックルに装着した状態を被覆部材を断面として示す正面図。
【図7】本発明の第1実施形態におけるタングをバックルから離脱した状態を被覆部材を断面として示す正面図。
【図8】本発明の第2実施形態におけるタングをバックルに装着した状態を示す斜視図。
【図9】本発明の第2実施形態におけるバックルの爪部を(a)に図8中C−C線に沿い(b)に図8中D−D線に沿った要部でそれぞれ示す断面図。
【図10】本発明の第2実施形態におけるバックルの爪部の作動状態を(a)に図8中C−C線に沿い(b)に図8中D−D線に沿った要部でそれぞれ示す断面図。
【図11】本発明の第3実施形態におけるタングとバックルとを分離した状態を被覆部材を断面して示す正面図。
【図12】本発明の第3実施形態におけるタングをバックルに装着した状態を被覆部材を断面して示す正面図。
【図13】本発明の第4実施形態における被覆部材の斜視図。
【図14】本発明の第4実施形態におけるシートベルト装置を格納した時の被覆部材の配置状態を示す車両前方から見た正面図。
【図15】本発明の第4実施形態の変形例における被覆部材の斜視図。
【図16】本発明の第4実施形態の変形例におけるシートベルト装置を格納した時の被覆部材の配置状態を示す車両前方から見た正面図。
【図17】本発明の第5実施形態におけるタングを組み込んだ被覆部材の正面図。
【図18】本発明の第5実施形態におけるシートベルト装置を格納した時の被覆部材の配置状態を示す車両前方から見た正面図。
【符号の説明】
【0083】
1 シートベルト装置
2 ショルダーベルト
3 ラップベルト
4 タング
5 バックル
10 ウェビング
10a タング取付け部分
10b ウェビング面
11 カバー(被覆部材)
11c′,11c″ 開口部の側縁
15 係止部
16 係合部
17,17A 段差部




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013