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ハイブリッド車両 - 日産自動車株式会社
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発明の名称 ハイブリッド車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15485(P2007−15485A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197368(P2005−197368)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
発明者 羽二生 倫之 / 竹田 和宏 / 小坂 裕紀 / 大羽 拓 / 岩野 浩
要約 課題
過剰電力が発生した場合であっても、過剰電力による車両の駆動力変動を抑え、運転者に違和感を与えないようにする。

解決手段
変速機13を変速比小側に変速する時、コントローラ1は、第1のモータジェネレータ11を発電動作させることでエンジン10の回転速度を低下させ、その発電電力により第2のモータジェネレータ12を力行動作させる。このとき、コントローラ1は、第1のモータジェネレータ11の発電電力と第2のモータジェネレータ12の要求電力を比較することで過剰電力の発生を判断し、過剰電力が発生すると判断された場合には、第1及び第2のモータジェネレータ11、12のうち、少なくともいずれか一方の効率を低下させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンに接続される第1のモータジェネレータと、
前記エンジン及び第1のモータジェネレータの回転速度を変速して駆動軸に伝達する変速機と、
前記駆動軸に接続される第2のモータジェネレータと、
前記第1及び第2のモータジェネレータの間を電気的に接続する電力供給線と、
を備え、前記変速機を変速比小側に変速する時、前記第1のモータジェネレータを発電動作させることで前記エンジンの回転速度を低下させ、その発電電力を前記電力供給線を介して前記第2のモータジェネレータに供給し、前記第2のモータジェネレータを力行動作させるハイブリッド車両において、
前記変速機を変速比小側に変速する時、前記第1のモータジェネレータの発電電力と前記第2のモータジェネレータの要求電力を比較することで過剰電力の発生を判断する手段と、
前記過剰電力が発生すると判断された場合に、前記第1及び第2のモータジェネレータのうち少なくともいずれか一方の効率を低下させる効率低下手段と、
を備えたことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項2】
前記効率低下手段は、電流位相を変更することで前記第1あるいは第2のモータジェネレータの効率を低下させることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項3】
前記効率低下手段は、前記第2のモータジェネレータの効率を前記第1のモータジェネレータよりも先に低下させることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両。
【請求項4】
変速終了後に駆動力アシスト要求が発せられた場合、変速中に効率を下げていたモータジェネレータへの電力配分割合を下げることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のハイブリッド車両。
【請求項5】
前記電力供給線の途中にスイッチを介して接続されるバッテリと、
前記第1のモータジェネレータの発電電力によって電力供給線の電圧が前記バッテリの電圧を超える場合は前記スイッチを開放する手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかひとつに記載のハイブリッド車両。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のハイブリッド車両に関し、特に、その変速時の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両においてモータジェネレータ(以下、「MG」という。)の出力を向上させるには、システム電圧を上げる手法が有効である。しかし、一般的には、システム電圧はMGへ電力を供給するバッテリの電圧によって決まり、通常、MGの出力はバッテリの電圧に依存し、出力の向上は制限される。
【0003】
この点に対し、特開平10-191503号公報では、システムからバッテリを切り離した状態で一方のMGを発電動作させるとともに他方のMGを力行動作させ、発電電力と消費電力の関係を調節することでシステム電圧を上昇させ、モータの出力を向上させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開平10−191503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、過剰な電力が発生した場合に、これをバッテリに貯蔵しておくことができず、他方のMGにそのまま供給されてしまう。このため、他方のMGの出力が必要以上に増大し、車両の駆動力が要求駆動力を超えて増大し、運転者に違和感を与える可能性がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の技術的課題を解決するもので、過剰電力が発生した場合であっても、過剰電力による車両の駆動力変動を抑え、運転者に違和感を与えないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
変速機を変速比小側に変速する時、第1のモータジェネレータを発電動作させることでエンジンの回転速度を低下させ、その発電電力により第2のモータジェネレータを力行動作させる。このとき、第1のモータジェネレータの発電電力と第2のモータジェネレータの要求電力を比較することで過剰電力の発生を判断し、過剰電力が発生すると判断された場合には、第1及び第2のモータジェネレータのうち少なくともいずれか一方の効率を低下させる。
【発明の効果】
【0007】
変速中に過剰電力が発生すると、第1または第2のモータジェネレータの効率が低下させられ、第1または第2のモータジェネレータの発熱によって過剰電力は吸収される。過剰電力が駆動力に反映されることがないので、要求駆動力を超える駆動力が発生して運転者に違和感を与えるのを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
図1は本発明に係るハイブリッド車両のシステム構成図である。エンジン10は内燃機関などの原動機であり、駆動力を発生する。モータジェネレータ(以下、「MG」という。)11、12は三相交流式回転電機など電動機であり、発電、力行が可能である。MG11、12には、制御装置としてのインバータ21、22がそれぞれ接続されており、インバータ21と22の間は直流ライン25(電力供給線)によって接続されている。
【0010】
変速機13は複数の変速段を有する有段変速機であり、遊星歯車機構、クラッチ、ブレーキ、油圧回路等で構成される。エンジン10およびMG11の回転速度、駆動力は、変速機13の変速段を変更することにより走行状況に応じた回転速度、駆動力へと変更され、駆動軸14、駆動輪15へと伝達される。駆動軸14では、途中に接続されたMG12によってMG12の駆動力が加えられる。
【0011】
直流ライン25の途中には、バッテリ23がスイッチ24を介して接続されており、バッテリ23はMG11、12との間で電力供給、充電受入を行う。スイッチ24を開放すれば直流ライン25とバッテリ出力端26との接続が遮断され、バッテリ23をシステムから切り離すことができる。バッテリ23を切り離しているときの直流ライン25の電圧(システム電圧)VDCは、MG11の発電電力とMG12の消費電力の関係から決まる。つまり、本システムでは、バッテリ23をシステムから切り離せば、MG11の発電制御とMG12の駆動力制御でシステム電圧VDCを任意に制御することが可能である。
【0012】
上記の通り、変速機13は有段変速機であるので、変速段を高速側(変速比小側)に変更するアップシフト時は、エンジン10の回転速度を低下させる必要がある。エンジン10の回転速度を低下させる手段としては、エンジン10自身のマイナストルクの活用や、変速機13が有するクラッチの締結力制御などがあるが、本システムでは、MG11に発電動作させることでエンジン10の回転速度を低下させる。
【0013】
アップシフト後のエンジン10の目標回転速度は変速比13のギヤ比(変速比)から一義的に決まるので、変速時は、エンジン10の回転速度が目標回転速度となるようにMG11を回転速度制御する。エンジンやクラッチと異なり、電動機は速度制御の精度が高いので、MG11の回転速度制御により、容易にエンジン10の回転速度を目標値へと導くことが可能である。
【0014】
このとき、バッテリ23がシステムに接続されていると、MG11のトルクはバッテリ23の電圧によって制限される。一般的に電動機、特に、永久磁石を用いた同期機はインバータ端電圧が高いほど出力が大きくできるが、バッテリが接続されたシステムではバッテリ電圧以上にシステム電圧を上昇させることが困難である。
【0015】
そこで、本システムにおいては、変速時に直流ライン25の電圧VDCがバッテリ23の電圧VBattを超える場合には、スイッチ24を開放し、バッテリ23を直流ライン25から切り離すようにする。バッテリ23を切り離すとインバータ21とインバータ22は互いのコンデンサのみとなるので、MG11の発電電力がMG12の消費電力よりも大きくなれば、コンデンサ端の電荷が大きくなり、直流ライン25の電圧が上昇する。これにより、MG11の発電電力をバッテリ23の電圧VBattの制約を受けることなく増大させることが可能になり、エンジン10の回転速度を速やかに目標値へ近づけることができる。
【0016】
ところで、変速時間の短縮を優先した場合、MG11の発電電力が要求駆動力や目標変速比から求まるMG12の要求電力を超え、余剰の電力(以下、「過剰電力」という。)が発生する場合がある。この過剰電力が発生した時にバッテリ23が切り離されていると、バッテリ23によって過剰電力を吸収することができず、過剰電力がMG12にそのまま供給されてしまう。その結果、MG12の駆動力が増大し、車両の駆動力が要求駆動力以上に大きくなって運転者に違和感を与える可能性がある。
【0017】
そこで、本システムでは、以下に説明するように、過剰電力が発生する状況ではMG12の効率を低下させ、過剰電力をMG12の発熱によって消費させるようにする。
【0018】
MG12の効率を低下させる方法としては、高調波を印加して発熱させる方法等があるが、制御性、応答性が悪い。このため、本システムでは、電流位相と効率の関係に着目し、電流位相を変更することでMG12の効率を低下させるようにする。ここで電流位相とは、磁石方向にd軸、d軸からπ/2進んだ方向にq軸を配するdq座標系でのベクトル制御におけるd軸電流とq軸電流の位相である。一般的な埋め込み型磁石モータでは、磁石の機械的配置から、マグネットトルクとリラクタンストルクの双方の和が最大となる電流位相が存在し、最大トルク、最高効率となる電流位相もその辺りに存在するのであるが、最大トルク、最高効率となる電流位相を超えて位相を大きくすればMG12の効率を低下させることができる。
【0019】
所望の効率を実現するために、コントローラ1には、図2に示すような電流位相と効率の関係を規定した効率テーブルがMG11、MG12それぞれについて格納されており、これらのテーブルを参照することで最大トルクや最大効率を実現する電流位相のほか、所望の低効率を実現する電流位相を求めることができる。
【0020】
図3はコントローラ1の過剰電力演算に関する部分の制御ブロック図である。過剰電力演算部50では、運転者の要求駆動力、変速機13の目標変速比などから、過剰電力を算出する。
【0021】
変速時、エンジン10及びMG11の回転速度が変速後の回転速度になるようMG11は回転速度制御され、そのときのMG11の目標トルクtTMG11は、次式(1):
tTMG11=K×(tNENG10−rNENG10) ・・・(1)
で表される。Kは比例ゲイン、tNENG10は変速後のエンジン10の回転速度である目標回転速度、rNENG10はエンジン10の実回転速度である。
【0022】
このときのMG11の発電電力tPMG11は、上記の目標MG11トルクtTMG11と実回転速度rNMG11=rNENG10より、次式(2):
tPMG11=tTMG11×rNMG11×ηMG11 ・・・(2)
で表される。ηMG11はMG11の発電効率で、図2に示したような効率マップを参照して求める。なお、直流ライン25に電流センサ、電圧センサを取り付け、効率を直流ライン25の電流、電圧から推定するようにしてもよい。
【0023】
MG11の回転速度制御中に、MG11の目標トルクを実現する電圧がバッテリ23以上となると、スイッチ24を開放してバッテリ23を切り離す。この指令は、スイッチ24制御部63へと伝達される。
【0024】
次に、要求駆動力および変速機13の目標変速比からMG12の要求電力を演算し、これに基づき、MG12の目標トルクtTMG12を演算する。要求駆動力はアクセル操作量と車速に基づき、予め用意してある要求駆動力マップを参照することによって求める。要求駆動力は、変速前後の駆動力が滑らかとなるように、変速前後の要求駆動力を線形補間などして設定するようにしてもよい。
【0025】
MG12の目標トルクtTMG12は、具体的には、次式(3):
tTMG12=(tFDriver/K11−tTclutch13×Rn) ・・・(3)
により演算する。tFDriverは要求駆動力、K11はMG12駆動軸換算となるような補正係数、tTclutch13は変速機13内の変速時に使用するクラッチの目標締結トルク、Rnは目標変速比のMG12駆動軸換算値である。
【0026】
そして、このときのMG12の要求電力tPMG12を、次式(4):
tPMG12=tTMG12×rNMG12×1/ηMG12 ・・・(4)
により演算する。rNMG12はMG12の実回転速度、ηMG12はMG12の効率である。
【0027】
したがって、式(2)、(4)によりMG11の発電電力tPMG11、MG12の要求電力tPMG12を求め、次式(5)の関係:
tPMG11>tPMG12 ・・・(5)
が成立したときは、余剰な電力である過剰電力が発生することになる。
【0028】
したがって、コントローラ1は、式(5)が成立したときは、tPMG11=tPMG12となるように、過剰電力演算部50から、MG11、12の効率を変更するようMG11制御部61およびMG12制御部62に指令(過剰電力補正指令)を出す。
【0029】
なお、MG11、12のいずれの効率を下げても過剰電力が熱に変換され、駆動力に反映されるのを抑えることができるのであるが、本システムでは、MG11によるエンジン10の回転速度制御を優先させるために、まず、MG12の効率を低下させ、MG12の温度が上限値に達したらMG12の効率を元に戻し、MG11の効率を低下させるようにする。
【0030】
図4はMG12制御部62の制御ブロック図である。
【0031】
MG12制御部62は、通常電流位相指令部92と、過剰電力発生時電流指令部93と、過剰電力演算部50から過剰電力補正指令が出されたときにMG12の電流位相を変更する切換部94とで構成される。通常電流位相指令部92はMG12の実回転速度と目標トルクに基づき通常時のMG12の電流位相(例えば、最大トルク、最大効率を実現する電流位相)を演算し、過剰電力発生時電流位相指令部93は、目標とするMG12の効率(MG12効率指令)に基づき、目標とするMG12の効率を実現するのに必要な電流位相を演算する。
【0032】
なお、図4はMG12制御部62を示しているが、MG11制御部61も同様の構成である。
【0033】
図5、図6はコントローラ1が行う変速制御の内容を示したフローチャートである。このフローは、変速機13のアップシフト変速指令が発生したときに実行される。
【0034】
これによると、まず、ステップS101では、アクセル操作量、車速に基づき予め用意されている要求駆動力マップを参照し、運転者の要求駆動力を推定する。
【0035】
ステップS102では、変速機13の変速段を高速側(変速比小側)に変更するとともに、MG11を回転速度制御し、エンジン10とMG11の回転速度を変速後の回転速度に制御する。
【0036】
ステップS103では、上式(1)によりMG11の発電電力tPMG11を推定する。
【0037】
ステップS104では、バッテリ23の入出力電流がゼロ程度になったかどうかを判断する。MG11の発電電力によって直流ライン25の電圧が上昇し、これがバッテリ23の電圧に近づくと、バッテリ23の入出力電流がゼロに近づく。バッテリ23の入出力電流がゼロ程度になっていればステップS105に移行し、スイッチ24を開放してバッテリ23をシステムから切り離す。
【0038】
ステップS106では、上式(3)によりMG12の目標トルクtTMG12を演算する。
【0039】
ステップS107では、上式(4)によりMG12の要求電力tPMG12を演算する。
【0040】
ステップS108では、MG11の発電電力tPMG11とMG12の要求電力tPMG12を比較し、過剰電力の発生を判断する。MG11の発電電力tPMG11がMG12の要求電力tPMG1よりも小さく、過剰電力が発生しない場合はステップS109へ移行し、MG11の発電電力をそのままMG12に供給する通常の電力配分制御を行う。過剰電力が発生した場合は、過剰電力による駆動力への影響を抑えるために、図6のステップS111に移行する。
【0041】
図6のステップS111では、MG12の目標効率を演算する。MG12の目標効率はMG12の効率を低下させることによってMG12の要求電力を増大させ、MG11の発電電力tPMG11とMG12の要求電力tPMG12が等しくなるように演算される。
【0042】
ステップS112では、過剰電力発生時電流位相指令部93にMG12効率指令としてMG12の目標効率を与え、図2に示した効率テーブルを参照して目標効率を実現するMG12の電流位相(過剰電力発生時電流位相)を演算する。
【0043】
ステップS113では、切換部94を過剰電力発生時電流位相指令部93側に切り換え、MG12の電流位相を通常時用の電流位相からステップS112で算出した過剰電力発生時電流位相に変更する。これにより、MG12の効率が低下し、MG12における発熱量が増大して過剰電力が吸収される。
【0044】
ステップS114ではMG12の温度が上限値に達しているかどうかを判断する。これは、電流位相を変更するとMG12の発熱量が増大し、磁石モータでは温度が上昇しすぎると減磁等の問題が生じるので、制御温度の上限値を設け、上限値に達する場合はMG12の電流位相の変更を中止するためである。
【0045】
MG12の温度が上限値に達している場合は、ステップS115へ移行して、MG11の電流位相を変更する。MG11の効率を下げるようMG11の電流位相を変更することにより、MG11の発熱によって過剰電力を吸収し、引き続き過剰電力による駆動力の変動を抑えることができる。MG11の電流位相を変更したら、ステップS117に移行し、MG12の電流位相を元に戻す。
【0046】
ステップS116では過剰電力の有無を確認する。過剰電力が存在する場合はステップS111へ戻り、MG12の目標効率を再演算する。過剰電力が無い場合はステップS117に移行し、MG12の電流位相を通常位相に戻して処理を終了する。
【0047】
以上の制御により、過剰電力の発生を効果的に抑えることができる。なお、ステップS115でMG11の電流位相を変更した場合は、上記制御終了後、MG11の温度、過剰電流の判断を行い、MG11の温度がMG11の上限値に達するか、過剰電流がなくなったらMG11の電流位相を元に戻すようにする。
【0048】
また、変速制御終了後、MG12は加熱によって効率が低下しているので、変速制御終了後にアシスト要求があった場合は、比較的温度条件の緩いMG11を優先的に用いるようにする。
【0049】
図7は本発明にかかるハイブリッド車両の変速時の動作を示したものである。変速機13の変速段が1速から2速にアップシフト制御される様子を示している。
【0050】
変速制御を開始すると、まず、MG11の速度制御を開始し、エンジン10、MG11の回転速度を変速後の回転速度に制御する。また、これと同時に、MG12による駆動力アシストを開始する(時刻t1)。
【0051】
その後、直流ライン25の電圧がバッテリ23の電圧以上になってMG11の出力がバッテリ充放電出力限界を超えると、スイッチ24を開放して、バッテリ23をシステムから切り離す(時刻t2)。
【0052】
MG11の発電電力が上昇し、上記の式(5)の条件が成立し、過剰電力が発生すると、MG12の効率変更指令が発せられる(時刻t3)。このMG12の効率変更により、MG12に過剰電流が供給されてもその効率が落ちているので過剰電力は熱に変換されて消費されるので、過剰電力による駆動力の増大は抑えられ、運転者へ違和感を与えることはない。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明による作用効果をまとめると次の通りである。
【0054】
変速機13を変速比小側に変速する時、MG11を発電動作させることでエンジン10の回転速度を低下させ、その発電電力によりMG12を力行動作させる。このとき、MG11の発電電力とMG12の要求電力を比較することで過剰電力の発生を判断し、過剰電力が発生すると判断された場合は、MG11、12のうち、少なくともいずれか一方(上記実施形態ではMG12)の効率を低下させる。これにより、変速時に、過剰電力が発生したとしても、MG11またはMG12の効率が低下しているので、発熱によって過剰電力は吸収される。この結果、過剰電力が駆動力に反映されることがないので、要求駆動力を超える駆動力が発生して運転者に違和感を与えるのを回避することができる。
【0055】
また、MG11、12の効率を低下させるにあたっては、MG11、12のうち、少なくともいずれか一方の電流位相を変更することでその効率を低下させるようにしたことにより、高応答で過剰電力を抑えることができる。このとき、MG11、12のうち、MG12の効率を先に低下させるようにすれば、MG11の効率を低下させる場合と異なり、MG11による回転速度制御に与える影響がなく、良好な変速品質を実現することができる。
【0056】
また、変速制御終了後に駆動力アシスト要求が発せられた場合、MG11、12のうち効率を低下させている方の電力配分割合を下げるようにすれば、効率低下制御によって加熱されたMGの負荷を軽減しつつ,運転者の要求に応えることが可能である。
【0057】
また、変速機13を変速比小側に変速する時、MG11の発電電力によって直流ライン25の電圧がバッテリ23の電圧を超える場合は、スイッチ24を開放し、バッテリ23をシステムから切り離すようにしたことにより、システム電圧がバッテリ電圧による制限を受けることがなくなり、モータ間で大電力を供給できる。
【0058】
なお、上記構成は本発明が適用可能な構成の一例を示したものに過ぎず、本発明はその他の構成のハイブリッド車両にも適用することができる。例えば、バッテリ23は必須の構成ではなく、図8に示すようにインバータ21と22の間を結ぶ直流ライン25にバッテリが接続されていない構成のハイブリッド車両に対しても上記制御を適用することができる。
【0059】
また、上記実施形態では、変速時に発生した過剰電力をMG12の効率低下によって吸収し、MG12の温度が上限に達したところでMG11の効率を低下させるようにしているが、MG11の効率を先に低下させる、あるいは、過剰電力が大きいとき、過剰電力を速やかに抑える必要があるときはMG11、MG12の効率を同時に低下させるようにしてもよい。
【0060】
また、MG11、12の効率を低下させる方法は、制御性、応答性の面から電流位相を変更するのが好適であるが、これ以外の方法を用いてもよく、例えば、制御性、応答性は劣るものの高調波を印加してMG11、12を発熱させることで効率を低下させても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明にかかるハイブリッド車両のシステム構成図である。
【図2】モータジェネレータの効率テーブルであり、電流位相と効率の関係を示している。
【図3】コントローラの過剰電力演算に関する部分の制御ブロック図である
【図4】MG12制御部の制御ブロック図である。
【図5】コントローラが行う変速制御の内容を示したフローチャートである。
【図6】同じくコントローラが行う変速制御の内容を示したフローチャートである。
【図7】本発明にかかるハイブリッド車両の変速時の動作を示したタイムチャートである。
【図8】本発明が適用可能なハイブリッド車両の別の構成を示す。
【符号の説明】
【0062】
10 エンジン
11 モータジェネレータ(第1のモータジェネレータ)
12 モータジェネレータ(第2のモータジェネレータ)
13 変速機
14 駆動軸
15 駆動輪
23 バッテリ
24 スイッチ




 

 


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