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マグネシウム合金押出形材 - 三協立山アルミ株式会社
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発明の名称 マグネシウム合金押出形材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8428(P2007−8428A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−195465(P2005−195465)
出願日 平成17年7月4日(2005.7.4)
代理人 【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
発明者 村井 勉 / 高橋 泰 / 南井 英希 / 板倉 浩二
要約 課題
エネルギー吸収特性の良好なマグネシウム合金押出形材を提供すること。

解決手段
互いに平行な板厚t1の上壁及び板厚t2の底壁と、上壁及び底壁の両端部を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t3,t4の一組の縦壁と、上壁と底壁の中間に配置してあり縦壁同士を連結する上壁及び底壁と平行な板厚t5の中間横壁とを有すると共に、押出方向の圧縮耐力cσy0、押出方向の引張耐力tσy0、押出方向に垂直な方向の圧縮耐力cσy90、横幅寸法W、高さ寸法Hを有し、次式により算出したZの値が、全ての壁の板厚が等しいと仮定して算出したZに10を加算した数値より小さい値であることを特徴とするマグネシウム合金押出形材。Γ=t1×cσy90/W Γ=t2×cσy90/W Γ=t3×cσy0/H×√2 Γ=t4×tσy0/H×√2 Γ=t5×cσy90/W/√2
特許請求の範囲
【請求項1】
互いに平行な板厚t1の上壁及び板厚t2の底壁と、上壁及び底壁の両端部を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t3,t4の一組の縦壁と、上壁と底壁の中間に配置してあり縦壁同士を連結する上壁及び底壁と平行な板厚t5の中間横壁とを有すると共に、押出方向の圧縮耐力cσy0、押出方向の引張耐力tσy0、押出方向に垂直な方向の圧縮耐力cσy90、横幅寸法W、高さ寸法Hを有し、次式により算出したZの値が、全ての壁の板厚が等しいと仮定して算出したZに10を加算した数値より小さい値であることを特徴とするマグネシウム合金押出形材。
Γ=t1×cσy90/W
Γ=t2×cσy90/W
Γ=t3×cσy0/H×√2
Γ=t4×tσy0/H×√2
Γ=t5×cσy90/W/√2
【数1】


【請求項2】
互いに平行な板厚t1の上壁及び板厚t2の底壁と、上壁及び底壁の両端部を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t3,t4の一組の縦壁と、上壁と底壁の間に間隔をおいて配置してあり縦壁同士を連結する上壁及び底壁と平行な板厚t5,t6の二つの中間横壁とを有すると共に、押出方向の圧縮耐力cσy0、押出方向の引張耐力tσy0、押出方向に垂直な方向の圧縮耐力cσy90、横幅寸法W、高さ寸法Hを有し、次式により算出したZの値が、全ての壁の板厚が等しいと仮定して算出したZに10を加算した数値より小さい値であることを特徴とするマグネシウム合金押出形材。
Γ=t1×cσy90/W
Γ=t2×cσy90/W
Γ=t3×cσy0/H×√2
Γ=t4×tσy0/H×√2
Γ=t5×cσy90/W/√2
Γ=t6×cσy90/W/√2
【数2】


【請求項3】
互いに平行な板厚t1の上壁及び板厚t2の底壁と、上壁及び底壁の両端部を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t3,t4の一組の縦壁と、上壁と底壁の中間に配置してあり縦壁同士を連結する上壁及び底壁と平行な板厚t5の中間横壁と、一組の縦壁の中間に配置してあり上壁と底壁を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t7の中間縦壁とを有すると共に、押出方向の圧縮耐力cσy0、押出方向の引張耐力tσy0、押出方向に垂直な方向の圧縮耐力cσy90、横幅寸法W、高さ寸法H、一方の縦壁から中間縦壁までの距離a、他方の縦壁から中間縦壁までの距離bを有し、次式により算出したZの値が、全ての壁の板厚が等しいと仮定して算出したZに10を加算した数値より小さい値であることを特徴とするマグネシウム合金押出形材。
Γ=t1×cσy90/W
Γ=t2×cσy90/W
Γ=t3×cσy0/H×√2
Γ=t4×tσy0/H×√2
Γ=t5×cσy90/W/√2
Γ=t7×〔(a×tσy0+b×cσy0)/W〕/H×√2
【数3】


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のバンパーレインフォースメント等に用いることのできるエネルギー吸収特性の良好なマグネシウム合金押出形材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車は、軽量化のために様々な部分にアルミニウム合金が使用されており、例えば衝突時の衝撃を吸収するためにバンパー内に設置されるバンパーレインフォースメントには、アルミニウム合金の押出形材が使用されている。アルミニウム合金製バンパーレインフォースメントにおいては、さらなる軽量化を目的として、衝突時のエネルギー吸収量を同等以上とし且つ断面積、重量を小さくする工夫が、断面形状、合金成分による機械的性質向上、加工方法による機械的性質向上等の面からなされている(例えば特許文献1参照。)。しかし、そうした工夫による軽量化は僅かである。
【0003】
マグネシウム合金の比重はアルミニウム合金の約2/3であり、昨今のマグネシウム合金における押出加工技術の発展により、アルミニウム合金で成形できる形状は、マグネシウム合金でも成形可能となっている。ただしマグネシウム合金は、鉄鋼またはアルミニウム合金のような立方晶系金属材料とは異なり、最密六方晶構造であるため、加工方法により強い集合組織が形成されるものであり、マグネシウム合金押出形材においては、引張特性と圧縮特性とが異なる、引張・圧縮特性は押出方向に対する方向により顕著な違いがあるといった特徴がある。またマグネシウム合金押出形材は、図10に示すように、同一断面形状の場合にアルミニウム合金押出形材よりもエネルギー吸収能が劣る。
【特許文献1】特開2003−182481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑みてなされたものであって、マグネシウム合金押出形材特有の引張・圧縮特性、荷重入力時に各壁に作用する引張・圧縮応力のバランス及び方向を考慮し、エネルギー吸収特性の良好なマグネシウム合金押出形材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるマグネシウム合金押出形材は、互いに平行な板厚t1の上壁及び板厚t2の底壁と、上壁及び底壁の両端部を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t3,t4の一組の縦壁と、上壁と底壁の中間に配置してあり縦壁同士を連結する上壁及び底壁と平行な板厚t5の中間横壁とを有すると共に、押出方向の圧縮耐力cσy0、押出方向の引張耐力tσy0、押出方向に垂直な方向の圧縮耐力cσy90、横幅寸法W、高さ寸法Hを有し、次式により算出したZの値が、全ての壁の板厚が等しいと仮定して算出したZに10を加算した数値より小さい値であることを特徴とする。
上壁のΓ=t1×cσy90/W・・・(1)
底壁のΓ=t2×cσy90/W・・・(2)
荷重入力側の縦壁のΓ=t3×cσy0/H×√2・・・(3)
荷重入力側と反対側の縦壁のΓ=t4×tσy0/H×√2・・・(4)
中間横壁のΓ=t5×cσy90/W/√2・・・(5)
【数4】


【0006】
請求項2記載の発明によるマグネシウム合金押出形材は、互いに平行な板厚t1の上壁及び板厚t2の底壁と、上壁及び底壁の両端部を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t3,t4の一組の縦壁と、上壁と底壁の間に間隔をおいて配置してあり縦壁同士を連結する上壁及び底壁と平行な板厚t5,t6の二つの中間横壁とを有すると共に、押出方向の圧縮耐力cσy0、押出方向の引張耐力tσy0、押出方向に垂直な方向の圧縮耐力cσy90、横幅寸法W、高さ寸法Hを有し、次式により算出したZの値が、全ての壁の板厚が等しいと仮定して算出したZに10を加算した数値より小さい値であることを特徴とする。
上壁のΓ=t1×cσy90/W・・・(1)
底壁のΓ=t2×cσy90/W・・・(2)
荷重入力側の縦壁のΓ=t3×cσy0/H×√2・・・(3)
荷重入力側と反対側の縦壁のΓ=t4×tσy0/H×√2・・・(4)
中間横壁のΓ=t5×cσy90/W/√2・・・(5)
中間横壁のΓ=t6×cσy90/W/√2・・・(9)
【数5】


【0007】
請求項3記載の発明によるマグネシウム合金押出形材は、互いに平行な板厚t1の上壁及び板厚t2の底壁と、上壁及び底壁の両端部を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t3,t4の一組の縦壁と、上壁と底壁の中間に配置してあり縦壁同士を連結する上壁及び底壁と平行な板厚t5の中間横壁と、一組の縦壁の中間に配置してあり上壁と底壁を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t7の中間縦壁とを有すると共に、押出方向の圧縮耐力cσy0、押出方向の引張耐力tσy0、押出方向に垂直な方向の圧縮耐力cσy90、横幅寸法W、高さ寸法H、一方の縦壁から中間縦壁までの距離a、他方の縦壁から中間縦壁までの距離bを有し、次式により算出したZの値が、全ての壁の板厚が等しいと仮定して算出したZに10を加算した数値より小さい値であることを特徴とする。
上壁のΓ=t1×cσy90/W・・・(1)
底壁のΓ=t2×cσy90/W・・・(2)
荷重入力側の縦壁のΓ=t3×cσy0/H×√2・・・(3)
荷重入力側と反対側の縦壁のΓ=t4×tσy0/H×√2・・・(4)
中間横壁のΓ=t5×cσy90/W/√2・・・(5)
中間縦壁のΓ=t7×〔(a×tσy0+b×cσy0)/W〕/H×√2・・・(10)
【数6】


【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、マグネシウム合金押出形材特有の引張・圧縮特性等を考慮して、それら特性を十分に発揮できる各壁の幅、板厚で断面形状を設計することができ、これによりエネルギー吸収特性の良好なマグネシウム合金押出形材を提供できる。荷重入力方向は、一組の縦壁のいずれかに対して垂直な方向とすることができる。本発明のマグネシウム合金押出形材を、アルミニウム合金押出形材の代わりに例えばバンパーレインフォースメントに使用すれば、衝突時の衝撃エネルギーを良く吸収する上に、車両の軽量化に大きく寄与することとなる。
【0009】
請求項2記載の発明によるマグネシウム合金押出形材は、上記した請求項1記載の発明による効果に加え、中間横壁を上壁と底壁の間に間隔をおいて二つ配置したことで、エネルギー吸収特性がより一層向上する。
【0010】
請求項3記載の発明によるマグネシウム合金押出形材は、上記した請求項1記載の発明による効果に加え、中間横壁が中間縦壁によって補強され、中間横壁の座屈が防がれることから、エネルギー吸収特性がより一層向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係るマグネシウム合金押出形材の断面形状を示している。このマグネシウム合金押出形材は、自動車の前部及び後部のバンパー内に設置されるバンパーレインフォースメントに用いることを想定しており、衝突時に荷重を受けて変形することにより衝突時の衝撃エネルギーを吸収して乗員を保護するものである。このマグネシウム合金押出形材は、互いに平行な板厚t1の上壁1及び板厚t2の底壁2と、上壁1及び底壁2の両端部を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t3,t4の一組の縦壁3,4と、上壁1と底壁2のちょうど中間に配置してあり縦壁3,4同士を連結する上壁及び底壁と平行な板厚t5の中間横壁5とからなる日の字状断面となっており、左側の縦壁に対して垂直な方向を荷重入力方向に設定してある。形材の横幅寸法はW、形材の高さ寸法はHである。それぞれの壁が交差する部位には、隅R部8を形成してある。
【0012】
この日の字状断面のマグネシウム押出形材において、表1に示すようにA〜Kの11種類のモデルを作製し、エネルギー吸収量の比較を行った。モデルAは、全ての壁の板厚が等しい均等板厚モデルであり、モデルB〜KはモデルAと断面積を一定とし各壁の板厚を変化させたものである。合金素材にはAZ61A(ASTM規格:米国)を使用し、押出形材の強度は、押出方向の圧縮耐力cσy0=143MPa、押出方向の引張耐力tσy0=195MPa、押出方向に垂直な方向の圧縮耐力cσy90=119MPaである。
【0013】
【表1】


【0014】
ここで、板厚の変化がエネルギー吸収量に及ぼす影響を検討するため、各モデルについて、各壁の座屈のしやすさ(壁面の強度)をあらわす指標Γを次式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)より算出すると共に、各壁の指標Γの相加平均と標準偏差を求め、指標Γの標準偏差の指標Γの相加平均に対する割合Zの値を算出した。各モデルのZの値は表1に示すとおりである。なお、Γの相加平均は下記の式(6)より、Γの標準偏差は下記の式(7)からそれぞれ求められ、Zの値は求めたΓの相加平均と標準偏差から下記の式(8)により算出する。
上壁のΓ=t1×cσy90/W・・・(1)
底壁のΓ=t2×cσy90/W・・・(2)
荷重入力側の縦壁のΓ=t3×cσy0/H×√2・・・(3)
荷重入力側と反対側の縦壁のΓ=t4×tσy0/H×√2・・・(4)
中間横壁のΓ=t5×cσy90/W/√2・・・(5)
【数4】


【0015】
上記モデルA〜Kの押出形材から1200mmの長さの試験体を切り出し、スパン長さ750mm、支持点R15mm、負荷子R150mm、負荷子重量40kg、落錘高さ10m、衝突時速度約50km/hrにて落錘試験を行って荷重−変位曲線を求めた。図2は、このときの荷重−変位曲線を示している。この荷重−変位曲線から、変位0mmから40mmの間のエネルギー吸収量を求めた。エネルギー吸収量の求め方は、例えば荷重―変位曲線を変位0.2mmごとの区間に分割し、各区間の吸収エネルギー(例えば、変位0から変位0.2mmの区間の吸収エネルギー=変位0mmから変位0.2mmの区間の荷重の平均値×変位量(0.2mm−0.0mm)、変位0.2mmから変位0.4mmの区間の吸収エネルギー=変位0.2mmから変位0.4mmの区間の荷重の平均値×変位量(0.4mm−0.2mm)といった具合に算出する。)の総和から求められる。各モデルのエネルギー吸収量の値を表2に示す。なお表2中、エネルギー吸収量比とは、モデルAのエネルギー吸収量とモデルB〜Kのエネルギー吸収量との比である。
【0016】
【表2】


【0017】
図3は、モデルA〜KにおけるZの値とエネルギー吸収量比との関係を示すグラフである。このグラフを見ると、エネルギー吸収量はZの値が50まで二次曲線的に低下し、50以上の領域で飽和している。また各壁面の板厚が均等であるモデルAでのZの値(Z)に対し、Zの値がZ+10以下の範囲にあるモデルで、モデルAと比較して同等以上のエネルギー吸収量を示すことがわかる。板厚を均等にしたものは一般的にエネルギー吸収特性が良好であることから、Zの値がZ+10以下の範囲にあればエネルギー吸収特性が良好になると判断できる。
【0018】
図4は、本発明の第二実施形態に係るマグネシウム合金押出形材の断面形状を示している。このマグネシウム合金押出形材は、互いに平行な板厚t1の上壁1及び板厚t2の底壁2と、上壁1及び底壁2の両端部を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t3,t4の一組の縦壁3,4と、上壁1と底壁2の間に等間隔をおいて配置してあり縦壁3,4同士を連結する上壁及び底壁と平行な板厚t5,t6の二つの中間横壁5,6とからなる目の字状断面となっており、左側の縦壁に対して垂直な方向を荷重入力方向に設定してある。形材の横幅寸法はW、形材の高さ寸法はHである。それぞれの壁が交差する部位には、隅R部8を形成してある。
【0019】
この目の字状断面のマグネシウム押出形材において、表3に示すようにA〜Kの11種類のモデルを作製し、エネルギー吸収量の比較を行った。モデルAは、全ての壁の板厚が等しい均等板厚モデルであり、モデルB〜KはモデルAと断面積を一定とし各壁の板厚を変化させたものである。合金素材にはAZ61A(ASTM規格:米国)を使用し、押出形材の強度は、押出方向の圧縮耐力cσy0=143MPa、押出方向の引張耐力tσy0=195MPa、押出方向に垂直な方向の圧縮耐力cσy90=119MPaである。
【0020】
【表3】


【0021】
ここで、板厚の変化がエネルギー吸収量に及ぼす影響を検討するため、各モデルについて、各壁の座屈のしやすさ(壁面の強度)をあらわす指標Γを次式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(9)より算出すると共に、各壁の指標Γの相加平均と標準偏差を求め、指標Γの標準偏差の指標Γの相加平均に対する割合Zの値を算出した。各モデルのZの値は表3に示すとおりである。なお、Γの相加平均は下記の式(11)より、Γの標準偏差は下記の式(12)からそれぞれ求められ、Zの値は求めたΓの相加平均と標準偏差から下記の式(8)により算出する。
上壁のΓ=t1×cσy90/W・・・(1)
底壁のΓ=t2×cσy90/W・・・(2)
荷重入力側の縦壁のΓ=t3×cσy0/H×√2・・・(3)
荷重入力側と反対側の縦壁のΓ=t4×tσy0/H×√2・・・(4)
中間横壁のΓ=t5×cσy90/W/√2・・・(5)
中間横壁のΓ=t6×cσy90/W/√2・・・(9)
【数5】


【0022】
上記モデルA〜Kの押出形材から1200mmの長さの試験体を切り出し、スパン長さ750mm、支持点R15mm、負荷子R150mm、負荷子重量40kg、落錘高さ10m、衝突時速度約50km/hrにて落錘試験を行って荷重−変位曲線を求めた。図5は、このときの荷重−変位曲線を示している。この荷重−変位曲線から、変位0mmから40mmの間のエネルギー吸収量を求めた。各モデルのエネルギー吸収量の値を表4に示す。なお表4中、エネルギー吸収量比とは、モデルAのエネルギー吸収量とモデルB〜Kのエネルギー吸収量との比である。
【0023】
【表4】


【0024】
図6は、モデルA〜KにおけるZの値とエネルギー吸収量比との関係を示すグラフである。このグラフを見ると、エネルギー吸収量はZの値が50まで二次曲線的に低下し、50以上の領域で飽和している。また各壁面の板厚が均等であるモデルAでのZの値(Z)に対し、Zの値がZ+10以下の範囲にあるモデルで、モデルAと比較して同等以上のエネルギー吸収量を示すことがわかる。板厚を均等にしたものは一般的にエネルギー吸収特性が良好であることから、Zの値がZ+10以下の範囲にあればエネルギー吸収特性が良好になると判断できる。
【0025】
図7は、本発明の第三実施形態に係るマグネシウム合金押出形材の断面形状を示している。このマグネシウム合金押出形材は、互いに平行な板厚t1の上壁1及び板厚t2の底壁2と、上壁1及び底壁2の両端部を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t3,t4の一組の縦壁3,4と、上壁1と底壁2のちょうど中間に配置してあり縦壁3,4同士を連結する上壁及び底壁と平行な板厚t5の中間横壁5と、一組の縦壁3,4のちょうど中間に配置してあり上壁1と底壁2を連結する上壁及び底壁と垂直な板厚t7の中間縦壁7とからなる田の字状断面となっており、左側の縦壁に対して垂直な方向を荷重入力方向に設定してある。形材の横幅寸法はW、形材の高さ寸法はH、荷重入力側の縦壁3から中間縦壁7までの距離はa、荷重入力側と反対側の縦壁4から中間縦壁7までの距離はbである。それぞれの壁が交差する部位には、隅R部8を形成してある。
【0026】
この田の字状断面のマグネシウム押出形材において、表5に示すようにA〜Kの11種類のモデルを作製し、エネルギー吸収量の比較を行った。モデルAは、全ての壁の板厚が等しい均等板厚モデルであり、モデルB〜KはモデルAと断面積を一定とし各壁の板厚を変化させたものである。合金素材にはAZ61A(ASTM規格:米国)を使用し、押出形材の強度は、押出方向の圧縮耐力cσy0=143MPa、押出方向の引張耐力tσy0=195MPa、押出方向に垂直な方向の圧縮耐力cσy90=119MPaである。
【0027】
【表5】


【0028】
ここで、板厚の変化がエネルギー吸収量に及ぼす影響を検討するため、各モデルについて、各壁の座屈のしやすさ(壁面の強度)をあらわす指標Γを次式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(10)より算出すると共に、各壁の指標Γの相加平均と標準偏差を求め、指標Γの標準偏差の指標Γの相加平均に対する割合Zの値を算出した。各モデルのZの値は表5に示すとおりである。なお、Γの相加平均は下記の式(13)より、Γの標準偏差は下記の式(14)からそれぞれ求められ、Zの値は求めたΓの相加平均と標準偏差から下記の式(8)により算出する。
上壁のΓ=t1×cσy90/W・・・(1)
底壁のΓ=t2×cσy90/W・・・(2)
荷重入力側の縦壁のΓ=t3×cσy0/H×√2・・・(3)
荷重入力側と反対側の縦壁のΓ=t4×tσy0/H×√2・・・(4)
中間横壁のΓ=t5×cσy90/W/√2・・・(5)
中間縦壁のΓ=t7×〔(a×tσy0+b×cσy0)/W〕/H×√2・・・(10)
【数6】


【0029】
上記モデルA〜Kの押出形材から1200mmの長さの試験体を切り出し、スパン長さ750mm、支持点R15mm、負荷子R150mm、負荷子重量40kg、落錘高さ10m、衝突時速度約50km/hrにて落錘試験を行って荷重−変位曲線を求めた。図8は、このときの荷重−変位曲線を示している。この荷重−変位曲線から、変位0mmから40mmの間のエネルギー吸収量を求めた。各モデルのエネルギー吸収量の値を表6に示す。なお表6中、エネルギー吸収量比とは、モデルAのエネルギー吸収量とモデルB〜Kのエネルギー吸収量との比である。
【0030】
【表6】


【0031】
図9は、モデルA〜KにおけるZの値とエネルギー吸収量比との関係を示すグラフである。このグラフを見ると、エネルギー吸収量はZの値が50まで二次曲線的に低下し、50以上の領域で飽和している。また各壁面の板厚が均等であるモデルAでのZの値(Z)に対し、Zの値がZ+10以下の範囲にあるモデルで、モデルAと比較して同等以上のエネルギー吸収量を示すことがわかる。板厚を均等にしたものは一般的にエネルギー吸収特性が良好であることから、Zの値がZ+10以下の範囲にあればエネルギー吸収特性が良好になると判断できる。
【0032】
以上に述べたように、第一実施形態(日の字状断面)、第二実施形態(目の字状断面)、第三実施形態(田の字状断面)のすべてにおいて、Zの値がZ+10以下の範囲にあるモデルで、モデルAと比較して同等以上のエネルギー吸収量を示し、エネルギー吸収特性が良好となることが確認できた。また、Zの値が小さいほどエネルギー吸収量が増大する傾向が確認された。第一、第二、第三実施形態でエネルギー吸収量を比較すると、第一実施形態よりも第二実施形態のものが相対的にエネルギー吸収量が大きく、第二実施形態よりも第三実施形態のものが相対的にエネルギー吸収量が大きくなった。重量は、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態の順で重くなる。マグネシウム合金押出形材を実際に自動車に取付ける際には、自動車のタイプや排気量等に応じて、3種類の断面形状のうちの何れかを選択すればよい。
【0033】
本発明のマグネシウム合金押出形材の断面形状は上記の三種類に限定されず、例えば中間横壁を三つ以上設けたり、中間縦壁を二つ以上設けたものであってもよく、中間横壁と中間縦壁の位置、間隔は、適宜変更してよい。また、本発明のマグネシウム合金押出形材は、バンパーレインフォースメントに限らず、車両や建築物等のあらゆる構造物の構造材、エネルギー吸収部材として広く用いることができる。また本発明は、マグネシウム合金であればどのような強度特性を有する合金種であっても、それに応じた各壁面のΓの値が算出され、全てのマグネシウム合金に適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第一実施形態に係るマグネシウム合金押出形材の断面図である。
【図2】第一実施形態の各モデルについて落錘試験を行ったときの荷重―変位曲線を示すグラフである。
【図3】第一実施形態における各モデルのZの値とエネルギー吸収量比との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第二実施形態に係るマグネシウム合金押出形材の断面図である。
【図5】第二実施形態の各モデルについて落錘試験を行ったときの荷重―変位曲線を示すグラフである。
【図6】第二実施形態における各モデルのZの値とエネルギー吸収量比との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第三実施形態に係るマグネシウム合金押出形材の断面図である。
【図8】第三実施形態の各モデルについて落錘試験を行ったときの荷重―変位曲線を示すグラフである。
【図9】第三実施形態における各モデルのZの値とエネルギー吸収量比との関係を示すグラフである。
【図10】日の字状の同一断面形状でのマグネシウム合金押出形材およびアルミニウム合金押出形材の落錘試験時の荷重−変位曲線である。
【符号の説明】
【0035】
1 上壁
2 底壁
3,4 縦壁
5,6 中間横壁
7 中間縦壁




 

 


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