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発明の名称 エアバッグ展開処理方法及びエアバッグ展開処理用工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8326(P2007−8326A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−191814(P2005−191814)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100099900
【弁理士】
【氏名又は名称】西出 眞吾
発明者 佐藤 勝雄
要約 課題
車輌の部品を有効にリサイクル可能とすると共に、展開処理後の待ち時間を短縮することが可能なエアバッグ展開処理方法を提供する。

解決手段
不要となったエアバッグ装置50を車輌に搭載したままの状態で、エアバッグ装置50のインフレータを作動させ、エアバッグ装置50のエアバッグ51を展開させるエアバッグ展開処理方法において、インストルメントパネル60とシート90との間に工具1を挟み込んで、刃具をリッド61の周囲に固定した後、インフレータを作動させてエアバッグ51が展開する際に、この刃具によりエアバッグ51を破損させることにより、エアバッグ51が完全に展開する前にエアバッグ51の展開を停止させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
不要となったエアバッグ装置を車輌に搭載したままの状態で、前記エアバッグ装置のインフレータを作動させ、前記エアバッグ装置の袋体を展開させるエアバッグ展開処理方法であって、
前記インフレータを作動させて前記袋体が展開する際に前記袋体を破損させることにより、前記袋体が完全に展開する前に前記袋体の展開を停止させるエアバッグ展開処理方法。
【請求項2】
前記インフレータを作動させて前記袋体が展開する際に前記袋体を破損させることにより、前記袋体が前記車輌のウインドシールドガラスに接触する前に前記袋体の展開を停止させる請求項1記載のエアバッグ展開処理方法。
【請求項3】
前記インフレータを作動させて前記袋体が展開する際に、前記袋体が展開を開始する展開開始箇所の近傍で前記袋体を破損させる請求項1又は2記載のエアバッグ展開処理方法。
【請求項4】
展開する前記袋体が刃具に接触して、前記刃具が前記袋体を切り裂くことにより、前記袋体を破損させる請求項1〜3の何れかに記載のエアバッグ展開処理方法。
【請求項5】
不要となったエアバッグ装置を車輌に搭載したままの状態で、前記エアバッグ装置のインフレータを作動させ、前記エアバッグ装置の袋体を展開させる際に用いられるエアバッグ展開処理用工具であって、
展開している前記袋体を破損させる破損手段と、
前記インフレータの作動により前記袋体が展開を開始する展開開始箇所の周囲に前記破損手段を固定する固定手段と、を備えたエアバッグ展開処理用工具。
【請求項6】
前記固定手段は、前記車輌のインストルメントパネル又はステアリングと、シートと、の間に挟み込まれることにより、前記破損手段を前記展開箇所の周囲に固定する請求項5記載のエアバッグ展開処理用工具。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、不要となったエアバッグ装置を廃棄処理するエアバッグ展開処理方法及びエアバッグ展開処理用工具に関し、特に車上作動処理に用いて好ましいエアバッグ展開処理方法及びエアバッグ展開処理用工具に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車を廃車処理する場合、その車輌に装着されたエアバッグ装置を作動させてから回収可能なウインドガラスシールド等の部品を回収・再生することが行われている。この種のエアバッグ装置の展開処理方法としては、車輌から取り外した状態でエアバッグ装置を展開処理する方法と、車輌に搭載した状態でエアバッグ装置を展開処理する車上作動処理(例えば、非特許文献1参照)が従来から知られている。
【0003】
しかしながら、車上作動処理によりエアバッグ装置を展開処理する場合には、展開した袋体がウインドシールドガラスに当たり、当該ウインドシールドガラスに亀裂を生じさせリサイクルし得なくなる場合がある。
【0004】
また、展開処理においてエアバッグ装置の袋体を完全に展開させると、袋体内に充填されたガスが当該袋体から抜けるまでに多大な時間を要する。そのため、展開処理後の解体作業に多大な待ち時間が発生する。
【0005】
さらに、袋体内に充填されたガスがアンモニア等を含有した刺激臭を発する場合がある。この場合には、車内の換気を十分に行う必要があるため、展開処理後の解体作業に多大な待ち時間が発生する。これに対し、換気時間の短縮化のために、吸引装置等の設備を導入することも考えられるが、その場合にはコストの増加を招来する。
【非特許文献1】「エアバッグ類適正処理情報」、有限責任中間法人自動車再資源化協力機構、2004年10月、p.63−74
【発明の開示】
【0006】
本発明は、車輌の部品を有効にリサイクル可能とすると共に、展開処理後の待ち時間を短縮することが可能なエアバッグ展開処理方法及びエアバッグ展開処理用工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、不要となったエアバッグ装置を車輌に搭載したままの状態で、前記エアバッグ装置のインフレータを作動させ、前記エアバッグ装置の袋体を展開させるエアバッグ展開処理方法であって、前記インフレータを作動させて前記袋体が展開する際に前記袋体を破損させることにより、前記袋体が完全に展開する前に前記袋体の展開を停止させるエアバッグ展開処理方法が提供される。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明によれば、不要となったエアバッグ装置を車輌に搭載したままの状態で、前記エアバッグ装置のインフレータを作動させ、前記エアバッグ装置の袋体を展開させる際に用いられるエアバッグ展開処理用工具であって、展開している前記袋体を破損させる破損手段と、前記インフレータの作動により前記袋体が展開を開始する展開開始箇所の周囲に前記破損手段を固定する固定手段と、を備えたエアバッグ展開処理用工具が提供される。
【0008】
本発明では、エアバッグ装置の車上作動処理を行う際に、インフレータの作動により展開している途中の袋体を破損させる。これにより、展開した袋体がウインドシールドガラス等の車輌の部品に当たるのを防止することが出来、車輌の部品を有効にリサイクルすることが出来る。また、展開している途中の袋体を破損させることにより、袋体内に充填されたガスを当該袋体から早期に排出することが出来る。これにより、展開処理後の待ち時間が短縮され、解体作業や換気作業等の後工程を迅速に開始することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明の実施形態において処理対象となる助手席用エアバッグ装置を示すインストルメントパネルの断面図、図2は図1に示す助手席用エアバッグ装置のインフレータの断面図である。
【0011】
図1に示すように、助手席用エアバッグ装置50は、気体袋であるエアバッグ51(袋体)と、これを膨らませるためのインフレータ52と、を有している。この助手席用エアバッグ装置50は、エアバッグ51が折り畳まれてインストルメントパネル60内に収容されている。そして、インフレータ52が作動した際に、インストルメントパネル60に設けられたリッド61(展開開始箇所)をエアバッグ51がH状に割って展開(膨張)を開始するようになっている。
【0012】
図2に示すように、インフレータ52は、径方向より軸方向に長い略円柱形状のハウジング521を有しており、当該ハウジング521の内部に自動車の衝突時に減速センサで検出された衝撃が電気信号として伝わり、これにより点火するスクイブ(点火器)523と、このスクイブ523による火炎で着火燃焼するエンハンサ(伝火薬)524と、このエンハンサ524による火炎及び熱により着火燃焼してガスを発生させるガス発生剤525と、が収容されている。また、ハウジング521の周囲には、複数の噴出孔522が設けられており、ガス発生剤525により生じたガスが当該噴出孔522を介してインフレータ52の外部に噴出される。
【0013】
図2に示す助手席用エアバッグ装置50のインフレータ52では、ハウジング521の中央にスクイブ523及びエンハンサ524が設けられ、その周囲の燃焼室526にガス発生剤525が充填され、さらにその周囲にスクリーン527が設けられている。そして、同図に示すケーブル528から衝撃信号が入力されると、スクイブ523が点火し、この火炎でエンハンサ524が着火燃焼し、さらにこの火炎と熱は通孔529を介して燃焼室526に入り、ガス発生剤525を着火燃焼させる。このガス発生剤525の着火燃焼により生じた高温・高圧のガスは、スクリーン527を通過してハウジング521の周囲に設けられた複数の噴出孔522から噴出し、図1に示すエアバッグ51を膨らませることとなる。
【0014】
図3A及び図3Bはそれぞれ本発明の実施形態に係るエアバッグ展開処理方法に用いられるエアバッグ展開処理用工具を示す平面図及び側面図である。
【0015】
本実施形態に係るエアバッグ展開処理用工具1は、エアバッグ装置50を車上作動処理する際に用いられる工具であり、図3A及び図3Bに示すように、展開しているエアバッグ51を破損させるための刃具11を有する支持部10と、インストルメントパネル60とシート90との間に設置されることにより、刃具11をエアバッグ装置50の展開開始箇所61の近傍に固定するための工具本体20と、から構成されている。
【0016】
工具本体20は、インストルメントパネル60とシート90との間に十分に架け渡すことが可能な長さを持つ棒状の本体部21と、当該本体部の一方の端部に設けられたエアバッグ側固定部22と、本体部21の他方の端部に設けられたシート側固定部23と、から構成されている。
【0017】
工具本体20のエアバッグ側固定部22は略T字形状を有しており、その両端部には雄ネジ部22aが形成されている。工具本体20のシート側固定部23は例えば略H字形状を有しており、特に図示しないが、その表面全体がゴム等により被覆され、工具1がシート90から滑るのを防止している。
【0018】
支持部10は、インストルメントパネル60の形状に対応可能なように屈曲した形状を有しており、その屈曲した部分を貫通するように貫通孔10aが形成されている。この貫通孔10aの内周面には、エアバッグ側固定部22の雄ネジ部22aと螺合可能な雌ネジ部が形成されている。また、支持部10には、エアバッグ51を切り裂いて破損させることが可能な鋭利な刃を持つ刃具11が設けられている。
【0019】
そして、2つの支持部10は、それぞれの刃具11が相互に対向するような姿勢で、工具本体20のエアバッグ側固定部22の両端部に取り付けられている。この際、エアバッグ側固定部22の雄ネジ部22aと、各支持部10の雌ネジ部と、を螺合させることにより、各支持部10がエアバッグ側固定部22に取り付けられているので、そのねじ込み量により、当該対向する刃具11の間の距離L(図3A参照)を調整可能であると共に、本体部21に対する各刃具11の角度θ(図3B参照)を調整可能となっている。
【0020】
以下に、本発明の実施形態に係るエアバッグ展開処理方法について説明する。
【0021】
図4は本発明の実施形態に係る工具をインストルメントパネルにセットした状態を示す車室内の断面図、図5はエアバッグ展開前の図4のV方向矢視図である。
【0022】
本実施形態に係るエアバッグ展開処理方法では、先ず、工具1を車室内にセットする。このセッティングでは、工具本体20のエアバッグ側固定部22をインストルメントパネル60に密着させると共に、当該工具本体20のシート側固定部23を助手席90に密着された状態で、助手席90に具備されているスライド機構やリクライニング機構(何れも不図示)を利用して助手席90を車輌前方向に移動させ、インストルメントパネル60と助手席90との間に工具1を挟み込む。
【0023】
なお、助手席90に具備されているスライド機構やリクライニング機構を利用せずに、例えば、工具本体20の本体部21を軸方向に伸縮可能にすると共に、その伸縮状態を固定可能なスライド/ロック機構を工具1に設け、当該機構によりインストルメントパネル60と助手席90との間に工具1を挟み込んでも良い。
【0024】
このセッティングの際、図5に示すように、対向する刃具11の間の距離Lがインストルメントパネル60に設けられたリッド61の幅より大きく、且つ、各刃具11がリッド61の周囲に位置するように、支持部10をエアバッグ側固定部22に対して回転させて各支持部10の位置を調整する。
【0025】
次に、エアバッグ装置50のインフレータ52を作動させる。具体的には、例えば、エアバッグ装置50の配線を取り出し、廃車処理する自動車から取り外したバッテリの端子に、図2に示すインフレータ52のケーブル528を接続する。これにより、スクイブ523が点火し、スクイブ523の火炎によりエンハンサ524が着火燃焼して、ガス発生剤525により噴出孔522からガスが噴出し、エアバッグ51が展開を開始する。
【0026】
展開を開始したエアバッグ51は、インストルメントパネル60のリッド61を割り、インストルメントパネル60の外部に膨張(展開)する。この際、本実施形態では、リッド61の周囲に刃具11が配置されているので、エアバッグ51は刃具11に切り裂かれ、裂開部51bを形成しながら展開することとなる。
【0027】
ここで、通常のエアバッグには、インフレータから噴入されたガスを展開後に外部に排出するための抜け穴51a(図4参照)が設けられているが、この抜け穴51aの開口面積はガスの噴入量に対して小さいため、この抜け穴51aのみではエアバッグ51は完全に膨張しきることとなる。
【0028】
これに対し、本実施形態では、展開に伴ってエアバッグ51に裂開部51bが形成され、ガスの噴入量に対してエアバッグ51内からの流出量を大きくすることが出来るので、エアバッグ51がウインドシールドガラス80に接触する前にエアバッグ51の膨張を停止させることが出来る。
【0029】
これにより、膨張したエアバッグ51がウインドシールドガラス80に当たるのを防止することが出来、当該ウインドシールドガラス80を有効にリサイクルすることが出来る。また、膨張している途中のエアバッグ51を刃具11が破損させるので、エアバッグ51内に充填されたガスを当該エアバッグ51から早期に排出することが出来、展開処理後の待ち時間が短縮され、解体作業や換気作業等の後工程を迅速に開始することが可能となる。
【0030】
図6は本発明の実施形態において処理対象となる運転席用エアバッグ装置を示すステアリングの断面図、図7は図6に示すインフレータの断面図である。
【0031】
本実施形態に係るエアバッグ展開処理用工具1は、助手席用エアバッグ装置50の展開処理のみに限定されず、運転席用エアバッグ装置50’の展開処理に用いても良い。
【0032】
処理対象となる運転席用エアバッグ装置50’は、図6及び図7に示すように、上述した助手席用エアバッグ装置50と基本的な構造は同じであり、気体袋であるエアバッグ51と、これを膨らませるためのインフレータ52と、を有している。この運転席用エアバッグ装置50’は、図6に示すように、エアバッグ51がステアリング70内に折り畳まれて収容されている。そして、インフレータ52が作動した際に、ステアリング70に設けられたパッド71(展開開始箇所)をエアバッグ51がH状に割って展開(膨張)を開始するようになっている。
【0033】
この運転席用エアバッグ装置50’を車上作動処理する場合には、上述の助手席用エアバッグ装置50の場合と同様の要領で、対向する刃具11の間の距離Lがパッド71の幅より大きく、且つ、各刃具11がパッド71の周囲に位置するように、ステアリング70と運転席との間に工具1を挟み込み、インフレータ52を作動させる。この作動により、エアバッグ51がパッド71を割ってステアリング70の外部に膨張するが、刃具11によりエアバッグ51に裂開部51bが形成されるので、エアバッグ51がウインドシールドガラス80に接触する前にエアバッグ51の膨張を停止させることが出来る。
【0034】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明の実施形態において処理対象となる助手席用エアバッグ装置の一例を示すインストルメントパネルの断面図である。
【図2】図2は、図1に示すインフレータの断面図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施形態に係るエアバッグ展開処理方法に用いられるエアバッグ展開処理用工具を示す平面図である。
【図3B】図3Bは、本発明の実施形態に係るエアバッグ展開処理方法に用いられるエアバッグ展開処理用工具を示す側面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る工具をインストルメントパネルにセットした状態を示す車室内の断面図である。
【図5】図5は、エアバッグ展開前の図4のV方向矢視図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態において処理対象となる運転席用エアバッグ装置の一例を示すステアリングの断面図である。
【図7】図7は、図6に示すインフレータの断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…エアバッグ展開処理用工具
10…支持部
10a…貫通孔
11…刃具
20…工具本体
21…本体部
22…エアバッグ側固定部
22a…雄ネジ部
23…シート側固定部
50、50’…エアバッグ装置
51…エアバッグ(袋体)
51a…抜け穴
51b…裂開部
52…インフレータ
60…インストルメントパネル
61…リッド
70…ステアリング
71…パッド
80…ウインドシールドガラス
90…シート





 

 


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