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発明の名称 運転姿勢調節装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1500(P2007−1500A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−186002(P2005−186002)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
発明者 佐藤 晴彦 / 西岡 慎一
要約 課題
専用のセンサを使うことなく、低コストで姿勢を自動的に調節するために必要な運転者の体格情報を推定可能な運転姿勢調節装置を提供する。

解決手段
姿勢調節手段20は、可動フロア駆動手段17、シート高さ駆動手段16およびシートバック角度駆動手段19を動作させたときの負荷に基づいて、運転者の体格(運転者の体重、肥満度、体幹長、下肢長)を推定し、推定した運転者の体格に基づいて、シート高さ駆動手段16,可動フロア駆動手段17,ステアリング位置駆動手段18,シートバック角度駆動手段19を駆動制御し、アイポイントおよび運転姿勢を調節する。
特許請求の範囲
【請求項1】
ペダル位置を可変するペダル位置駆動手段と、シート高さを可変するシート高さ駆動手段と、シートバックの角度を可変するシートバック角度駆動手段と、を備え、運転者の体格に応じて運転姿勢を自動調節する運転姿勢調節装置において、
前記各駆動手段を動作させたときの負荷に基づいて、運転者の体格を推定する体格推定手段と、
推定された運転者の体格に基づいて、前記各駆動手段を駆動制御する姿勢制御手段と、
を備えることを特徴とする運転姿勢調節装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転姿勢調節装置において、
前記体格推定手段は、一定速度で前記各駆動手段を駆動した場合の電流値、または一定電流で駆動した場合の各駆動手段の速度から、前記各駆動手段にかかる負荷を算出することを特徴とする運転姿勢調節装置。
【請求項3】
請求項1に記載の運転姿勢調節装置において、
前記体格推定手段は、運転者の体重、肥満度、体幹長、下肢長を運転者の体格として推定することを特徴とする運転姿勢調節装置。
【請求項4】
請求項3に記載の運転姿勢調節装置において、
前記シート高さ駆動手段は、運転者の全体重を支え、
前記体格推定手段は、前記シート高さ駆動手段の負荷により運転者の体重を推定し、推定した体重および前記シートバック角度駆動手段の負荷により肥満度・体幹長を推定し、前記ペダル位置駆動手段の負荷により下肢長を推定することを特徴とする運転姿勢調節装置。
【請求項5】
請求項4に記載の運転姿勢調節装置において、
前記体格推定手段は、運転者がペダルを踏める位置に足を置いた状態での2点のペダル位置における前記ペダル位置駆動手段の負荷の変化量に基づいて、下肢長を推定することを特徴とする運転姿勢調節装置。
【請求項6】
請求項4に記載の運転姿勢調節装置において、
前記体格推定手段は、3点のペダル位置における前記ペダル位置駆動手段の負荷および下肢リンクモデルに基づいて、下肢長を算出することを特徴とする運転姿勢調節装置。
【請求項7】
請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の運転姿勢調節装置において、
前記体格推定手段は、運転者がペダルを踏める位置に足を置いた状態での2点のペダル位置における前記ペダル位置駆動手段の負荷の変化量から求めた下肢長と、
3点のペダル位置における前記ペダル位置駆動手段の負荷および下肢リンクモデルに基づいて求めた下肢長と、
推定した体幹長から比例計算により求めた下肢長と、
の3つの値の平均値を最終的な下肢長とし、
3つの値のうちの1つが他の2つとかけ離れた値である場合には、残りの2値の平均値を、最終的な下肢長として導出することを特徴とする運転姿勢調節装置。
【請求項8】
ペダル位置を可変するペダル位置駆動手段と、シート高さを可変するシート高さ駆動手段と、シートバックの角度を可変するシートバック角度駆動手段と、を備え、運転者の体格に応じて運転姿勢を自動調節する運転姿勢調節装置において、
前記各駆動手段を動作させたときの負荷に基づいて、運転者の体格を推定し、
推定された運転者の体格に基づいて、前記各駆動手段を駆動制御することを特徴とする運転姿勢調節装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転姿勢(ドライビングポジション)を調節する運転姿勢調節装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来の運転姿勢調節装置では、運転者の目の位置(以下アイポイント)をCCDカメラにて撮像し、如何なる体格でもアイポイントが同じ高さになるように運転姿勢を調節することで、運転者の視界および姿勢の適正化を図っている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−69107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術にあっては、運転者のアイポイントの適正化を図ることはできるが、ステアリングやペダルの位置、シートの状態を自動的に個々人に合わせるための、運転者の体格情報は別の手段で検出または入力しなければならない。ステアリング、ペダル位置、シートの状態を調節するために必要な体格情報は、身長、体重、体幹長、下肢長、肥満度等であり、これら体格情報をセンサにより直接計測することは技術的な面とコストの両面で難しい。また、従来例にあるCCDカメラ1台でも、普及を考えると高価であると言わざるを得ない。
【0004】
本発明は、上記従来技術が抱える問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、専用のセンサを使うことなく、低コストで姿勢を自動的に調節するために必要な運転者の体格情報を推定可能な運転姿勢調節装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明では、
ペダル位置を可変するペダル位置駆動手段と、シート高さを可変するシート高さ駆動手段と、シートバックの角度を可変するシートバック角度駆動手段と、を備え、運転者の体格に応じて運転姿勢を自動調節する運転姿勢調節装置において、
前記各駆動手段を動作させたときの負荷に基づいて、運転者の体格を推定する体格推定手段と、
推定された運転者の体格に基づいて、前記各駆動手段を駆動制御する姿勢制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にあっては、運転姿勢を調節する各駆動手段の駆動負荷に基づいて運転者の体格情報を推定するため、専用のセンサを使うことなく、低コストで運転者の体格情報を推定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の運転姿勢調節装置の構成を示す図、図2は実施例1の運転姿勢調節装置の構成を示す平面図である。
【0009】
アクセルペダル1、ブレーキペダル2は、車体フロア23と相対移動可能に設けられた可動フロア3に固定されており、ブレーキペダル2はフレキシブルなケーブルであるブレーキ伝達手段4でブースタ5、マスタシリンダ6と繋がっている。アクセルペダル1は電子スロットルであり、図外のエンジンと機械的に切り離されている。
【0010】
可動フロア3はシートクッション7a下に設置した可動フロアスライドレール8上に係合しており、可動フロアスライドレール8のスライド方向(勾配を持った前後方向)に動くことができる。そのため、可動フロア3に固定されているペダル1,2の位置(以下、ペダル位置の代表値として運転者の踵の位置を想定したヒールポイントを用いる)は、可動フロアスライドレール8と同じ勾配を持った前後方向に動くことになる。また、可動フロア3を移動させる手段として、モータである可動フロア駆動手段(ペダル位置駆動手段)17が設けられている。
【0011】
図2に示すように、ステアリングホイール9と左右前輪10,10を転舵する転舵ロッド11は、フレキシブルなケーブルであるステアリング伝達手段12で繋がっており、ステアリング位置は自由に動かすことができる。ステアリングホイール9は図中のステアリングポスト13で片持ち的に支持されており、このステアリングポスト13はシート横下のステアリングポスト支点13aを中心に、前後方向に回転して、ステアリングホイール9の位置調節を行うことができる。位置調節の方向、範囲は図1中のステアリング位置移動範囲とする。ステアリングホイール9の位置調節は、ステアリングポスト支点13aに同軸に設置したモータであるステアリング位置駆動手段18で行う。
【0012】
また、実施例1の姿勢調節装置は、図1に示すように、シート7の高さを調節する機構を設けている。シートクッション7a下にXリンク14を設けており、Xリンク後部支点14aはXリンク後部支点スライドレール15上を動くことができる。Xリンク後部支点14aには同軸上のモータであるシート高さ駆動手段16を設けており、このシート高さ駆動手段16を駆動することにより、Xリンク後部支点14aはXリンク後部支点スライドレール15上をスライドし、Xリンクの角度が変化してシートクッション7aは斜め上下方向に移動することになる。この上下移動時の斜め度合いは、体格が異なる運転者のアイポイントが一定になるよう、体格違いによる体の厚みを補正するように決定しているものとする。運転者のヒップポイント近傍の点(ここでは、シートクッションとシートバックの付け根)をシート基準点とすると、この高さ調節機構により、シート基準点は図1のシート基準点上昇移動範囲の範囲、方向に移動する。なお、可動フロアスライドレール8はシートクッション7aと結合しているため、シート基準点が上下に動くと、可動フロア3も同時に上下に動くことになる。
【0013】
また、実施例1では、シートバック7bの角度を変えるシートバック角度駆動手段19を持っており、シートバック7bの角度は、図1に示すシートバック角移動範囲の中で、任意に調節することができる。
【0014】
ヒールポイント、ステアリング位置、シート基準点の位置、シートバック角度の調節は、それぞれ可動フロア駆動手段17、ステアリング位置駆動手段18、シート高さ駆動手段16、シートバック角度駆動手段19を介して姿勢調節手段20で行う。姿勢調節手段20は、各駆動手段16,17,19の駆動負荷に基づいて、運転者の体格情報(運転者の身長、体重、体幹長、下肢長、肥満度)を推定する(体格推定手段)。
【0015】
そして、推定した体格情報と、キー位置検出手段21により得られる車両の状態とから、運転者の最適姿勢、アイポイントを算出し、可動フロア駆動手段16、シート高さ駆動手段17、ステアリング位置駆動手段18およびシートバック角度駆動手段19)の駆動を制御する(姿勢制御手段)。
【0016】
さらに、実施例1では、運転者がペダルに足を掛けていない場合、音声またはインストルメントパネルへの表示を用いてペダルへの足掛けを促す姿勢指示手段22を備えている。
【0017】
次に、作用を説明する。
[運転姿勢調節方法]
以下、実施例1の運転姿勢調節方法を説明する。
図3に、体格が大きな運転者と体格が小さな運転者の運転姿勢を示す。ここでは、アイポイントの高さがどの体格でも一定となるように調節している。ステアリング位置は体格最小の場合は位置Pminであり、体格最大の場合はPmaxとなる。図4に体格(体格の代表値として身長を用いる)とステアリング位置(代表値としてステアリングポストの角度)の関係を示す。身長が1,450mmから1,900mmの間では、ステアリング位置は身長に比例するよう制御する。次にシートの高さ方向の調節方法を説明する。
【0018】
図3に示すように、シート基準点位置がSminからSmaxに動く軌道上で調節する。この軌道に沿ってシート高さを動かすために、実施例1では、シート高さを調節する機構として、Xリンク14のXリンク前部支点14bの位置を固定し、Xリンク後部支点14aの位置を動かす構造としている。
【0019】
図5に、体幹長とシート基準点位置の関係を示す。体格情報として、ここでは身長ではなく、体幹長を用いている。これは、身長よりも体幹長(ただし座高でもよい)の方が、ヒップポイントとアイポイントとの距離との相関が高いと考えられるためである。体幹長Luが750mmから1,000mmの間では、シート基準点位置Sは体幹長に負の方向に比例するよう制御する。身長が小さい場合は上方へ、大きい場合は下方へ動かすものである。
【0020】
次に、可動フロア3の調節方法を説明する。
前述のように、可動フロア3はシート基準点が上下に動くと、可動フロア3も同時に上下に動く構造になっているため、図6で、シート基準点に対する前後の動きを説明する。体格が小さい場合、大きい場合で同じ下肢姿勢を取った場合のヒールポイント(それぞれHmin、Hmax)は、図6に示すように、シート基準点とヒールポイントとを結んだ線上に置くことができる。そのため可動フロアスライドレール8の角度はこの線の角度と同じ角度としている。そして、体格が小さい場合はこの線上でヒールポイント位置を後ろに、体格が大きい場合はこの線上で前に動かすものである。
【0021】
図7に、下肢長とヒールポイント位置との関係を示す。体格情報として、ここでは下肢長を用いている。ペダル位置性を決定する要因として下肢長が最重要と考えられるためである。下肢長Llが700mmから1,100mmの間では、ヒールポイント位置Hは下肢長に比例して制御を行う。
【0022】
図8に、肥満度Kmとシートバック角度θbの関係を示す。肥満度が大きい運転者の場合、同じシートバック角度では腹部圧迫感が大きくなるため、肥満度Kmが大きくなると、シートバック角度θbを大きく(後方)している。
【0023】
以上述べた考え方は、体格情報により、アイポイントと姿勢を最適となるよう制御するものである。ここで、体格情報とは、運転者の身長、体重、体幹長、下肢長、肥満度である。
【0024】
[体格情報推定ロジック]
次に、実施例1の体格情報推定方法について説明する。
実施例1では、センサは一切使わず、前述の各駆動手段(シート高さ駆動手段16、シートバック角度駆動手段19、可動フロア駆動手段17の3つ)を動作させたときの各駆動手段に掛かる負荷から、体格情報を推定するものである。
【0025】
ここで、各駆動手段の負荷とは、駆動手段を一定速度で動作させているときに発生している電流とする。または、駆動手段を一定電流で動作させているときの動作速度で代用することも可能である。
【0026】
以下、運転者の体格推定ロジックを説明する。
まず、運転者が乗車するときは、乗降しやすさを向上させるため、シート高さは一番下、ヒールポイントは一番前、シートバックは一番後ろ(図9中の乗降時の姿勢)とする。そして、まずシート高さ駆動手段16にて上昇させ、そのときの電流をシート高さ駆動手段負荷A1とする。このA1の値は、運転者の体重をそのまま反映しており、図10に示すように、このA1から体重Mを推定する。
【0027】
次に、シートバック角度駆動手段19にて、シートバック7bを前傾させる。このときのシートバック角度駆動手段19の安定した電流値をシートバック角度駆動手段負荷A2とした場合、ここでは前述の体重MおよびこのA2から、体幹長を推定する。例えば、体重Mが同じ場合、体幹の重心位置が高い場合(肥満度Kmの小さく、体幹長Luが大きい運転者)は、シートバック角度駆動手段の負荷A2は、重心位置のモーメントアームが長くなるため、負荷が大きくなる。A2が同じで、体重Mが大きい場合は、体幹長Luは小さく、肥満度Kmは大きくなる。この関係を図11、図12に示す。A2/Mの値により推定することとする。また、ここで使用しているシートバック角度駆動手段負荷A2の値は、シートバック角度θbを動作させた場合に値が安定した状態の値とする。運転者が乗車した状態ではシートバックは後傾しており、このシートバック7bに体幹を預けて座る運転者ではシートバック角度駆動手段負荷は安定しているが、シートバック7bから背を浮かせて座る運転者ではシートバック7bを動かしていった場合に値が変化すると考えられる。これを図13に示す。背を浮かせた状態(θbmin付近)から、θbが大きくなると、シートバック7bと背の接触により負荷は徐々に大きくなる。そして浮いた状態が解消されると、負荷の値はほぼ一定となる。この一定になった値をA2とする。
【0028】
次に、運転者の下肢長を推定する方法を説明する。図9に示したように、ヒールポイントが遠い状態(図9のHmax)およびヒールポイントを動かした状態(図9の位置H2)での可動フロア駆動手段17の負荷を読み込み、この比率により下肢長を推定する。図14にヒールポイント位置を動かしたときの可動フロア駆動手段負荷A3の変化の例を示す。ヒールポイント位置を動かすことにより、大腿が浮いた姿勢(図9に示す(4))となり、シートクッション7aからの反力が少なくなるので、可動フロア3にかかる力は大きくなる。この変化量は、下肢長が大きい場合は、大腿部とシートクッション7aの当り方の変化は小さいので、変化量も少ない。逆に下肢長が小さい場合は、変化量が大きくなる。
【0029】
図14に示すように、可動フロア駆動手段負荷A3の初期の負荷をA31、ヒールポイント位置がH2の場合の負荷をA32とすると、A31、A32から図15の特性により下肢長Llを推定するものとする。パラメータとして、A31に対するA32の比率を取っている。こうすることにより、下肢の重量を考慮する必要がなく、比率のみで下肢長を求めることができる。
【0030】
なお、今回の下肢長を求める考え方では、運転者の体格に関係なく、運転者はヒールポイントをペダルが操作できる位置に置くことを前提にしているが、乗車した状態なので、指示しなければヒールポイントは適当な位置においてしまうという問題がある。そのため、ここでは、姿勢指示手段22により、運転者にペダルに足を掛けるよう、音声やメータ画面等で指示するものとする。
【0031】
[従来技術の問題点]
従来の運転姿勢調節装置では、以下の方法を用いて運転者の体格を推定している。
(a) スマートキーや初期入力値でわかる個人情報から、運転者の身長、体重、座高等を推定する。
(b) CCDカメラにより運転者のアイポイント(高さ)を計測する。このCCDカメラは、居眠り・脇見等のカメラと共有している。
(c) エアバッグ用体重検知センサにより、運転者の体重を測定し、身長等を推定する。
【0032】
ステアリングやペダルの位置、シートの状態を調節するために必要な運転者の体格情報は、身長、体重、体幹長、下肢長、肥満度等であるが、従来の各種センサを用いた推定方法では、これらを直接計測、または正確に推定することは困難である(例えば、CCDカメラでは、運転者の下肢寸法を検出できない。)。
【0033】
[体格推定作用]
これに対し、実施例1の運転姿勢調整装置では、各駆動手段(シート高さ駆動手段16、シートバック角度駆動手段19、可動フロア駆動手段17の3つ)を動作させたときのモータ負荷に基づいて、体格情報(運転者の身長、体重、体幹長、下肢長、肥満度)を推定する。
【0034】
これにより、体格を計測または推定するためのセンサを一切使用せず、かつ運転者に体格情報の入力を強いることなく、身長、体幹長、肥満度およびCCDカメラでは検出不可能な運転者の下肢長を正確に推定でき、適正なアイポイントおよび運転姿勢の提供を実現できる。
【0035】
次に、効果を説明する。
実施例1の運転姿勢調節装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
【0036】
(1) 姿勢調節手段20は、可動フロア駆動手段17、シート高さ駆動手段16およびシートバック角度駆動手段19を動作させたときの負荷に基づいて、運転者の体格を推定し、推定した運転者の体格に基づいて、各駆動手段16,17,18,19を駆動制御する。よって、専用のセンサを使うことなく、低コストで運転者の体格情報を推定できる。
【0037】
(2) 姿勢調節手段20は、一定速度で各駆動手段16,17,19を駆動した場合の電流値、または一定電流で駆動した場合の各駆動手段16,17,19の速度から、各駆動手段16,17,19にかかる負荷を算出する。すなわち、各駆動手段16,17,19が安定した状態で動作している状態での負荷に基づいて体格を推定することで、運転者の体格推定をより正確に行うことができる。
【0038】
(3) 姿勢調節手段20は、運転者の体重、肥満度、体幹長、下肢長を運転者の体格として推定するため、運転姿勢決定に影響の大きい身体特徴寸法である体幹長、下肢長および肥満度を推定することで、最適なアイポイントと運転姿勢の提供を実現できる。
【0039】
(4) シート高さ駆動手段16は、可動フロア駆動手段17と車体フロア23との間に設けられ、姿勢調節手段20は、シート高さ駆動手段16の負荷により運転者の体重を推定し、推定した体重およびシートバック角度駆動手段19の負荷により肥満度・体幹長を推定し、可動フロア駆動手段17の負荷により下肢長を推定する。よって、運転者の体重、肥満度、体幹長、下肢長を、確実に推定できる。
【0040】
(5) 姿勢調節手段20は、運転者がペダルを踏める位置に足を置いた状態での2点(Hmax,H2)のペダル位置における可動フロア駆動手段17の負荷の変化量(A32/A31)に基づいて、下肢長を推定する。すなわち、運転者がペダルに足を掛けた状態では、下肢長が小さい場合には可動フロア駆動手段17の負荷の変化量が大きく、下肢長が大きい場合には負荷の変化量が小さくなるため、負荷の変化量に基づいて下肢長を推定することで、運転者の体格をより正確に推定できる。
【実施例2】
【0041】
実施例2では、3点のペダル位置における可動フロア駆動手段17の負荷および下肢リンクモデルに基づいて、下肢長を算出する例である。
【0042】
なお、構成および下肢長以外の体格推定方法については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0043】
実施例1では、可動フロア駆動手段負荷A3を計るヒールポイントは2点(Hmax、H2)であったが、実施例2では、3点()での可動フロア駆動手段負荷の変化量を用いて下肢長を算出する。下肢周りの力の釣り合いを考えると、図16のリンクモデルに示すようになる。ここで、未知変数は、ヒップポイント〜ヒール点距離Lh、下肢長Llおよび下肢重量Mlの三つである。可動フロア3に掛かる力F、シートクッション7aからの反力Fc、大腿の自重Ful、下腿の自重Fll、足部の自重Flfとすると、力の釣り合いは、下記の式(1)で表すことができる。
F=Ful+Fll+Flf−Fc …(1)
【0044】
また、可動フロア3に掛かる力は、計測した負荷A3にて表すことができ、F=f1(A3)と置くことができる。ここで、f1はA3からFを算出する関数である。同様に、他の力についても、図16に示す関数で置き換えることができる。
整理すると、式(1)は、下記の式(2)で表すことができる。
f1(A3)=f5(Ml)+f6(Ml)+f7(Ml)−f4(Lh,Ll) …(2)
【0045】
さらにまとめると、下記の式(3)のように、負荷A3とMl,Lh,Llの関係が成り立つ。
f1(A3)=f(Ml,Lh,Ll) …(3)
ここで、前述のようにA3は3点について計測行うため、式3は未知数が3つ(Ml,Lh,Ll)で、式が3式でき、Ml,Lh,Llを求めることができる。この方法により、運転者が、好きな位置に足を置いても下肢長Llを推定することができる。なお、この手法で求めたLlをLl'とする。
【0046】
また、下肢長を推定するもう一つの方法として、図17に示すように、推定した体幹長Luから、比例にて下肢長(この推定方法の場合をLl"とする)を推定することもできる。しかしこの場合、他の2種の推定方法よりも、下肢長の推定誤差が大きいことが予想される。
【0047】
実施例2では、実施例1で述べた方法を含め、下肢長を推定するのに3つの方法にて求めることができる。下肢長の記号はLl,Ll',Ll"である。下肢長を推定する際の誤差(例えば、可動フロア3が動作している途中で運転者が足を動かしてしまった等)が発生するのを抑えるために、この3つの推定結果を使って最終的な下肢長の推定値を算出するものとする。実施例2では、3値の平均を取る方法を用い、3値のうち1つの値が外れている場合には、それを除外し、残りの2値の平均を下肢長として算出する。
【0048】
次に、効果を説明する。
実施例2の運転姿勢調節装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(4)に加え、以下に列挙する効果が得られる。
【0049】
(6) 姿勢調節手段20は、3点のペダル位置における可動フロア駆動手段17の負荷および下肢リンクモデル(図16)に基づいて、下肢長を算出するため、運転者の踵位置にかかわらず、運転者の下肢長を推定でき、姿勢指示手段22を省くことができる。
【0050】
(7) 姿勢調節手段20は、2点のペダル位置から求めた下肢長Llと、3点のペダル位置とリンクモデルとから求めた下肢長Ll'と、算出した体幹長Luから比例計算により求めた下肢長Ll"と、の3つの値の平均値を最終的な下肢長とし、3つの値のうちの1つが他の2つとかけ離れた値である場合には、残りの2値の平均値を、最終的な下肢長として導出する。よって、可動フロア3が動作している途中で運転者が足を動かした場合等に発生する下肢長の推定誤差を抑制できる。
【0051】
(他の実施例)
以上、本発明の運転姿勢調節装置を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1,2の構成に限定されるものではなく、例えば、実施例2において、3値の中間値を下肢長として導出する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施例1の運転姿勢調節装置の構成を示す図である。
【図2】実施例1の運転姿勢調節装置の構成を示す平面図である。
【図3】実施例1の運転者の体格と運転姿勢との関係を示す図である。
【図4】実施例1の身長とステアリング位置との関係を示す図である。
【図5】実施例1のシート位置と体幹長との関係を示す図である。
【図6】実施例1の運転者の体格と下肢姿勢との関係を示す図である。
【図7】実施例1の下肢長とヒールポイント位置との関係を示す図である。
【図8】実施例1の肥満度とシートバック角度との関係を示す図である。
【図9】実施例1の各駆動手段の動きと姿勢との関係を示す図である。
【図10】実施例1のシート高さ駆動手段負荷と体重との関係を示す図である。
【図11】実施例1のシートバック角度駆動手段負荷、体重および体幹長の関係を示す図である。
【図12】実施例1のシートバック角度駆動手段負荷、体重および肥満度の関係を示す図である。
【図13】実施例1のシートバック角度とシートバック角度駆動手段負荷との関係を示す図である。
【図14】実施例1のヒールポイント位置と可動フロア駆動手段負荷との関係を示す図である。
【図15】実施例1の可動フロア駆動手段負荷と下肢長との関係を示す図である。
【図16】実施例2の下肢に掛かる力の関係を示すリンクモデルである。
【図17】実施例2の体幹長と下肢長との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 アクセルペダル
2 ブレーキペダル
3 可動フロア
4 ブレーキ伝達手段
5 ブースタ
6 マスタシリンダ
7 シート
7a シートクッション
7b シートバック
8 可動フロアスライドレール
9 ステアリングホイール
10 前輪
11 転舵ロッド
12 ステアリング伝達手段
13 ステアリングポスト
13a ステアリングポスト支点
14 Xリンク
14a Xリンク後部支点
14b Xリンク前部支点
15 Xリンク後部支点スライドレール
16 シート高さ駆動手段
17 可動フロア駆動手段
18 ステアリング位置駆動手段
19 シートバック角度駆動手段
20 姿勢調節手段
21 キー位置検出手段
22 姿勢指示手段
23 車体フロア




 

 


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