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ブレーキ制御装置およびブレーキ制御方法 - 日産自動車株式会社
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発明の名称 ブレーキ制御装置およびブレーキ制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1497(P2007−1497A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185993(P2005−185993)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
発明者 伊藤 明弘
要約 課題
ブレーキキャリパの大型化、ばね下荷重の増大を伴うことなく、ブレーキ液の温度上昇を抑制できるブレーキ制御装置およびブレーキ液制御方法を提供する。

解決手段
ホイルシリンダ7a内のブレーキ液の温度を検出する温度センサ19と、ホイルシリンダ7aとマスタシリンダ6のリザーバタンク9とを結ぶ排出経路と、検出されたブレーキ液の温度Tが高温判定閾値Ts以上のとき、ホイルシリンダ7aのブレーキ液を排出経路からリザーバタンク9へ排出した後、リザーバタンク9内に蓄えられたブレーキ液を排出経路と別に設けられ、ホイルシリンダ7aとリザーバタンク9とを結ぶ補給経路からホイルシリンダ7a内に補給するブレーキ液入れ替え制御を行うコントロールユニット18と、を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
ホイルシリンダ内のブレーキ液の温度を検出するブレーキ液温度検出手段と、
前記ホイルシリンダとマスタシリンダのリザーバタンクとを結ぶ排出経路と、
この排出経路と別に設けられ、前記ホイルシリンダと前記リザーバタンクとを結ぶ補給経路と、
検出されたブレーキ液の温度があらかじめ設定された高温判定閾値以上のとき、前記ホイルシリンダ内のブレーキ液を前記排出経路へ排出した後、前記リザーバタンク内に蓄えられたブレーキ液を前記補給経路から前記ホイルシリンダ内に補給するブレーキ液入れ替え制御を行うブレーキ制御手段と、
を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記ブレーキ制御手段は、検出されたブレーキ液の温度が高いほど、ブレーキ液の入れ替え量をより増加させることを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
ドライバのアクセル操作の有無を検出するアクセルペダル操作検出手段と、
ブレーキ作動の有無を検出するブレーキ作動検出手段と、
を備え、
前記ブレーキ制御手段は、アクセルペダルが操作され、かつブレーキが作動されていないとき、前記ブレーキ液入れ替え制御を行うことを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
自車前方の先行車の有無を検出する先行車検出手段を備え、
前記ブレーキ制御手段は、自車前方に先行車が居ないとき、前記ブレーキ液入れ替え制御を行うことを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
ABS制御の減圧制御中にブレーキ液を蓄える減圧用リザーバと、
この減圧用リザーバ内のブレーキ液の有無を検出するブレーキ液検出手段と、
を備え、
前記ブレーキ制御手段は、前記減圧用リザーバにブレーキ液が蓄えられていないとき、前記ブレーキ液入れ替え制御を行うことを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
車両停止を判定する車両停止判定手段と、
クリープ状態を検出するクリープ状態検出手段と、
を備え、
前記ブレーキ制御手段は、車両が停止し、かつクリープ状態のとき、少なくとも1輪のブレーキ液入れ替え制御を許可しないことを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項7】
前記ホイルシリンダ内のブレーキ液の温度を検出するステップと、
検出されたブレーキ液の温度があらかじめ設定された高温判定閾値以上のとき、前記ホイルシリンダ内のブレーキ液を、前記ホイルシリンダとマスタシリンダのリザーバタンクとを結ぶ排出経路から、リザーバタンクへ排出するステップと、
前記排出経路と別に設けられ、前記ホイルシリンダと前記リザーバタンクとを結ぶ補給経路から、前記リザーバタンク内のブレーキ液を前記ホイルシリンダ内に補給するステップと、
を有することを特徴とするブレーキ制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ液の温度上昇を抑制するブレーキ制御装置およびブレーキ制御方法の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来のブレーキ制御装置では、ブレーキキャリパにペルチェ素子を設け、ブレーキ作動時に発生する摩擦熱をペルチェ素子で吸収して大気中に放出することにより、ブレーキ液の温度上昇を抑制し、高温での気泡発生に伴うベーパーロックを防止している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平1−22657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術にあっては、ブレーキキャリパにペルチェ素子を設ける構造上、ブレーキキャリパの大型化を招き、ブレーキキャリパと近接するアクスル、サスペンションアーム類の設計自由度が低下するという問題があった。また、ばね下荷重の増加により、タイヤの路面追従性が悪化する。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ブレーキキャリパの大型化、ばね下荷重の増大を伴うことなく、ブレーキ液の温度上昇を抑制できるブレーキ制御方法およびブレーキ液制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明では、
ホイルシリンダ内のブレーキ液の温度を検出するブレーキ液温度検出手段と、
前記ホイルシリンダとマスタシリンダのリザーバタンクとを結ぶ排出経路と、
この排出経路と別に設けられ、前記ホイルシリンダと前記リザーバタンクとを結ぶ補給経路と、
検出されたブレーキ液の温度があらかじめ設定された高温判定閾値以上のとき、前記ホイルシリンダ内のブレーキ液を前記排出経路へ排出した後、前記リザーバタンク内に蓄えられたブレーキ液を前記補給経路から前記ホイルシリンダ内に補給するブレーキ液入れ替え制御を行うブレーキ制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にあっては、ホイルシリンダ内で高温となったブレーキ液を、排出経路とこの排出経路と別に設けられた補給経路とを用いてリザーバタンク内に蓄えられた低温のブレーキ液と入れ替えるため、ホイルシリンダ内のブレーキ液の温度上昇が抑制される。よって、ブレーキキャリパの大型化およびばね下荷重の増大を招くことなく、ブレーキ液の温度上昇に伴うベーパーロックの発生を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のブレーキ制御装置を適用した車両のブレーキ回路およびその制御系の構成を示す図である。実施例1の車両には、タイヤと路面間のスリップ状態を監視し、タイヤ力のうち主に制動力を制御して、制動時に最も高い制動力が得られるように(車輪のロックを回避するように)制御するABS制御と、発進時等の駆動力出力時に最も効率よく路面にトルクが伝達されるように(所定のスリップ率以上にスリップしないように)制御するTCS制御と、旋回時等にオーバーステアやアンダーステアの発生を抑制し、所望の車両挙動が得られるように(各輪に独立した制動力を与えて)制御するVDC制御を行うABS/TCS/VDC制御システムが搭載されている。
【0009】
図1のブレーキ回路は、X型ブレーキ配管の一方の系統を示している。このX型ブレーキ配管とは、4輪のキャリパ7のホイルシリンダ7aに流体としてのブレーキ液を供給する配管を2系統に分割し、この2系統の配管で右前輪と左後輪を接続し、左前輪と右後輪を接続するように配管したものである。
【0010】
キャリパ7は、ホイルシリンダ7aと、ブレーキパッド7bと、ピストン7cとを備えている。ピストン7cは、ホイルシリンダ7a内を軸方向移動する。ブレーキパッド7bは、ピストン7cと別体に設けられ、ブレーキシム7eによりブレーキロータ7dと接触した状態で、キャリパ7のボディに弾性支持されている。
【0011】
ピストン7cは、ホイルシリンダ7aへのブレーキ液供給量が所定値以下のとき、ブレーキパッド7bと離間している。そして、ホイルシリンダ7aへのブレーキ液供給量が所定値を超えたとき、ブレーキパッド7b側へストロークし、ブレーキパッド7bをブレーキロータ7d側へ押圧する。これにより、ピストンストロークに応じた制動力が車輪に付与される。
【0012】
実施例1のブレーキ回路は、ブレーキ回路1と、ドレン回路2と、吸入回路3と、吐出回路4と、補給回路5と、から構成されている。
ブレーキ回路1は、マスタシリンダ6とホイルシリンダ7aとを結ぶ回路で、ドライバのブレーキペダル8の操作量(踏み込み量)に応じたブレーキ液圧を、リザーバタンク9からホイルシリンダ7aに供給する。ブレーキ回路1において、吐出回路4との分岐点1aを挟んで上流(マスタシリンダ6側)には、ブレーキ回路1を遮断するノーマルオープンの遮断弁10が設けられ、下流(ホイルシリンダ7a側)には、ホイルシリンダ7aの液圧を増圧するノーマルオープンの増圧弁11が設けられている。
【0013】
ドレン回路2は、ホイルシリンダ7aとリザーバ(減圧用リザーバ)12とを結ぶ回路であり、ドレン回路2において、リザーバ12よりも下流には、ホイルシリンダ7aの液圧を減圧するノーマルクローズの減圧弁13が設けられている。リザーバ12は、貯留したブレーキ液を送り出すようにピストンがスプリングにより付勢されている。
【0014】
吸入回路3は、リザーバ12とポンプ14とを結ぶ回路で、ドレン回路2から吐出回路4へのブレーキ液の流れを許容し、吐出回路4からドレン回路2へのブレーキ液の流れを阻止するチェック弁(一方向弁)15が設けられている。ポンプ14は、ABS制御を実行したときの戻しポンプであると共に、ブレーキアシスト制御時の補助液圧源となるもので、例えば、電動モータにより作動するプランジャが用いられる。
【0015】
吐出回路4は、ポンプ14とブレーキ回路1とを結ぶ回路で、ポンプ14からブレーキ回路1へのブレーキ液の流れを許容し、ブレーキ回路1からポンプ14へのブレーキ液の流れを阻止するチェック弁16が設けられている。補給回路5は、リザーバタンク9と吸入回路3とを結ぶ回路で、リザーバタンク9に貯留するブレーキ液をポンプ14へ送るノーマルクローズのサクション(吸い込み)弁17が設けられている。
【0016】
コントロールユニット(ブレーキ制御手段)18には、キャリパ7のブレーキパッド7bの温度を検出する温度センサ(ブレーキ液温度検出手段)19、マスタシリンダ6の液圧を検出するマスタシリンダ圧センサ(ブレーキ作動検出手段)20、アクセル開度センサ(アクセルペダル操作検出手段)21、車速センサ22、ヨーレートや横G等の車両挙動状態量を検出する車両挙動センサ23、インヒビタスイッチ24、リザーバ12の容量を検出するタンク容量センサ(ブレーキ液検出手段)25、先行車を検出するレーザレーダ(先行車検出手段)26からの各信号が入力される。なお、車両挙動状態量としては、ハンドル舵角と車速とにより推定した値を用いても良い。
【0017】
コントロールユニット18は、各センサ信号に基づいて、各弁10,11,13,17およびポンプ14の作動を制御することで、上述のABS/TCS/VDC制御を実施する。なお、制御方法については、例えば、特開平11−115714号公報、特開2001−18776号公報等に記載の方法を用いることができる。
【0018】
また、コントロールユニット18は、ブレーキパッド7bの温度からホイルシリンダ7a内のブレーキ液の温度を推定し、ブレーキ液の温度があらかじめ設定された高温判定閾値以上の場合には、ブレーキ液の温度に応じてホイルシリンダ7a内のブレーキ液をリザーバタンク9へ排出した後、補給回路5からリザーバタンク9に蓄えられたブレーキ液をホイルシリンダ7a内に補給するブレーキ液入れ替え制御を行う。ここで、高温判定閾値は、ベーパーロックに対し余裕のある温度、すなわち、ブレーキ液に気泡が発生する温度よりも低い温度に設定されている。また、ブレーキ液の入れ替え量は、ブレーキ液の排出量に相当する量とする。
【0019】
次に、作用を説明する。
[ホイルシリンダのブレーキ液入れ替え動作]
ブレーキ液入れ替え制御において、ホイルシリンダ7a内のブレーキ液をリザーバタンク9へ排出する場合には、図1のブレーキ回路において、遮断弁10をオープン、増圧弁11をクローズ、減圧弁13をオープン、サクション弁17をクローズとし、ポンプ14を駆動する。このとき、図2に示すように、ホイルシリンダ7a内のブレーキ液は、ブレーキ回路1→ドレン回路2→吸入回路3→ポンプ14→吐出回路4→ブレーキ回路1→マスタシリンダ6へと流れ、リザーバタンク9内に排出される。
【0020】
また、ピストン7cは、図2の実線の位置から破線の位置の方向へ移動し、ブレーキシム7eに弾性支持されたブレーキパッド7bと離間する。これにより、ブレーキロータ7dの熱がピストン7cを介してホイルシリンダ7aへと伝わるのが回避される。
【0021】
ブレーキ液の排出完了後、リザーバタンク9からホイルシリンダ7a内へブレーキ液を補給する場合には、図2の状態から、遮断弁10をクローズ、増圧弁11をオープンする(図3)。これにより、リザーバタンク9内のブレーキ液は、補給回路5→吸入回路3→ポンプ14→吐出回路4→ブレーキ回路1へと流れ、ホイルシリンダ7a内にブレーキ液が補給される。また、ピストン7cは、図3の実線の位置から破線の位置(図2の実線の位置)まで復帰する。
【0022】
すなわち、実施例1では、ホイルシリンダ7aからリザーバタンク9へのブレーキ液排出経路(ホイルシリンダ7a→ブレーキ回路1→ドレン回路2→吸入回路3→ポンプ14→吐出回路4→ブレーキ回路1→マスタシリンダ6→リザーバタンク9)と、リザーバタンク9からホイルシリンダ7aへのブレーキ液補給経路(リザーバタンク9→補給回路5→吸入回路3→ポンプ14→吐出回路4→ブレーキ回路1→ホイルシリンダ7a)とを別に設けている。これにより、ホイルシリンダ7aから排出した高温のブレーキ液が再びホイルシリンダ7a内に戻るのを抑制できる。
【0023】
[ブレーキ液入れ替え制御処理]
図4〜6は、実施例1のコントロールユニット18で実行されるブレーキ液入れ替え制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0024】
まず、図4において、ステップS1では、温度センサ19の信号からブレーキパッド7bの温度Tを読み込み、ステップS2へ移行する。
【0025】
ステップS2では、マスタシリンダ圧Pmを読み込み、マスタシリンダ圧センサ20の信号からステップS3へ移行する。
【0026】
ステップS3では、アクセル開度センサ21の信号からアクセル開度Asを読み込み、ステップS4へ移行する。
【0027】
ステップS4では、インヒビタスイッチ24の信号からシフトレンジSpを読み込み、ステップS5へ移行する。
【0028】
ステップS5では、車速センサ22の信号から車速Vを読み込み、ステップS6へ移行する。
【0029】
ステップS6では、ステップS1で読み込んだブレーキパッド7bの温度Tが高温判定閾値Ts以上であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS7へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
【0030】
ステップS7では、タンク容量センサ25の信号からリザーバ12が空であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS8へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
【0031】
ステップS8では、ステップS5で読み込んだ車速Vがゼロであるか否か、すなわち車両が停止しているか否かを判定する(車両停止判定手段に相当)。YESの場合にはステップS12(図5)へ移行し、NOの場合にはステップS9へ移行する。
【0032】
ステップS9では、ステップS2で読み込んだマスタシリンダ圧Pmがゼロであるか否か、すなわち非制動中であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS10へ移行し、NOの場合にはステップS12へ移行する。
【0033】
ステップS10では、ステップS3で読み込んだアクセル開度Asから、アクセル操作中であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS12へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
【0034】
ステップS11では、レーザレーダ26の信号から先行車が所定距離内に居ないかどうかを判定する。YESの場合にはステップS12へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
【0035】
ステップS12では、ブレーキ液の排出量Qdを算出し、ステップS13へ移行する。ここで、ブレーキ液の排出量Qdは、ステップS2で検出されたブレーキパッド7bの温度Tが高いほどより増加させる。
【0036】
ステップS13では、ステップS4で読み込んだシフトレンジSpがPレンジであるか否かを判定する(クリープ状態検出手段)。YESの場合にはステップS14へ移行し、NOの場合にはS21(図6)へ移行する。ここで、クリープ状態とは、エンジンのアイドリングがトルクコンバータに作用し、ドライバがブレーキ操作を行っていない場合には、車両が走行し始める状態をいう。
【0037】
ステップS14では、液排出完了フラグQdfがセット(=1)されているか、すなわちブレーキ液の排出が完了したか否かを、判定する。YESの場合にはステップS18へ移行し、NOの場合にはステップS15へ移行する。
【0038】
ステップS15では、ブレーキ液の排出量Qdが規定排出量Qdsに到達したか否かを判定する。YESの場合にはステップS16へ移行し、NOの場合にはステップS17へ移行する。
【0039】
ステップS16では、液排出完了フラグQdfをセットし、リターンへ移行する。
【0040】
ステップS17では、キャリパ内のブレーキ液排出を実行し、リターンへ移行する。
【0041】
ステップS18では、ブレーキ液の排出量Qdがゼロであるか否か、すなわちブレーキ液の補給が完了したか否かを判定する。YESの場合にはステップS20へ移行し、NOの場合にはステップS19へ移行する。
【0042】
ステップS19では、キャリパ内のブレーキ液補給を実行し、リターンへ移行する。
【0043】
ステップS20では、液排出完了フラグQdfをリセット(=0)し、リターンへ移行する。
【0044】
ステップS21では、右前・左後輪液補給完了フラグQaXを読み込み、ステップS22へ移行する。
【0045】
ステップS22では、ステップS21で読み込んだ右前・左後輪液補給完了フラグQaXがセットされているか否か、すなわち右前・左後輪のブレーキ液補給が完了したか否かを判定する。YESの場合にはS31へ移行し、NOの場合にはステップS23へ移行する。
【0046】
ステップS23では、右前・左後輪液排出完了フラグQdfaを読み込み、ステップS24へ移行する。
【0047】
ステップS24では、ステップS23で読み込んだ右前・左後輪液排出完了フラグQdfaがセットされているか、すなわち右前・左後輪液排出が完了したか否かを判定する。YESの場合にはステップS28へ移行し、NOの場合にはステップS25へ移行する。
【0048】
ステップS25では、液排出量Qdが対角輪規定排出量QdsXに到達したか否かを判定する。YESの場合にはステップS26へ移行し、NOの場合にはステップS27へ移行する。
【0049】
ステップS26では、右前・左後輪液排出完了フラグQdfaをセットし、リターンへ移行する。
【0050】
ステップS27では、右前・左後輪キャリパ内のブレーキ液の排出を実行し、リターンへ移行する。
【0051】
ステップS28では、液排出量Qdがゼロであるか否か、すなわちブレーキ液の補給が完了したか否かを判定する。YESの場合にはステップS30へ移行し、NOの場合にはステップS29へ移行する。
【0052】
ステップS29では、右前・左後輪キャリパ内へブレーキ液の補給を実行し、リターンへ移行する。
【0053】
ステップS30では、右前・左後輪液補給完了フラグQaXをセットし、リターンへ移行する。
【0054】
ステップS31では、左前・右後輪液排出完了フラグQdfbを読み込み、ステップS32へ移行する。
【0055】
ステップS32では、ステップS31で読み込んだ左前・右後輪液排出完了フラグQdfbがセットされているか、すなわち左前・右後輪へのブレーキ液排出が完了したか否かを判定する。YESの場合にはステップS36へ移行し、NOの場合にはステップS33へ移行する。
【0056】
ステップS33では、液排出量Qdが対角輪規定排出量QdsXに到達したか否かを判定する。YESの場合にはステップS34へ移行し、NOの場合にはステップS35へ移行する。
【0057】
ステップS34では、左前・右後輪液排出完了フラグQdfbをセットし、リターンへ移行する。
【0058】
ステップS35では、左前・右後輪キャリパ内のブレーキ液の排出を実行し、リターンへ移行する。
【0059】
ステップS36では、液排出量Qdがゼロであるか否か、すなわちブレーキ液の補給が完了したか否かを判定する。YESの場合にはステップS38へ移行し、NOの場合にはステップS37へ移行する。
【0060】
ステップS37では、左前・右後輪キャリパ内へブレーキ液の補給を実行し、リターンへ移行する。
【0061】
ステップS38では、右前・左後輪液排出完了フラグQdfaと左前・右後輪液排出完了フラグQdfbをクリアし、ステップS39へ移行する。
【0062】
ステップS39では、右前・左後輪液補給完了フラグQaXをクリアし、リターンへ移行する。
【0063】
[ブレーキ液入れ替え制御処理作動]
1. 車両停止時
車両停止中にブレーキ温度上昇輪があると判定されたとき、シフトレンジがPレンジである場合には、図4〜6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS15→ステップS17へと進み、ブレーキ液の排出量が規定排出量Qdsに到達するまで、ホイルシリンダ7a内のブレーキ液排出が実行される。
【0064】
ブレーキ液の排出量が規定排出量Qdsに到達した場合には、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS18→ステップS19へと進み、ブレーキ液の排出量Qdがゼロとなるまで、ホイルシリンダ7a内にブレーキ液が補給される。
【0065】
2. 車両走行時
走行中にブレーキ温度上昇輪があると判定されたとき、ドライバがアクセル操作中で、自車前方に先行車が検出されず、かつABS制御実行直後でない場合には、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS27へと進み、右前・左後輪のブレーキ液の排出量Qdが対角輪規定排出量QdsXに到達するまで、右前・左後輪のホイルシリンダ7a内のブレーキ液排出が実行される。
【0066】
右前・左後輪のブレーキ液の排出量Qdが対角輪規定排出量QdsXに到達した場合には、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS28→ステップS29へと進み、ブレーキ液の排出量Qdがゼロとなるまで、右前・左後輪のホイルシリンダ7a内にブレーキ液が補給される。
【0067】
右前・左後輪のブレーキ液の補給が完了した場合には、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップ5→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS21→ステップS22→ステップS31→ステップS32→ステップS33→ステップS35へと進み、左前・右後輪のブレーキ液の排出量Qdが対角輪規定排出量QdsXに到達するまで、左前・右後輪のホイルシリンダ7a内のブレーキ液排出が実行される。
【0068】
左前・右後輪のブレーキ液の排出量Qdが対角輪規定排出量QdsXに到達した場合には、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップ5→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS21→ステップS22→ステップS31→ステップS32→ステップS36→ステップS37へと進み、ブレーキ液の排出量Qdがゼロとなるまで、左前・右後輪のホイルシリンダ7a内にブレーキ液が補給される。
【0069】
[車両停止時のブレーキ液入れ替え作用]
実施例1では、車両停止中でシフトレンジがPレンジで無いとき、または極低速で走行中にドライバがブレーキ操作をしているとき、ブレーキ温度上昇輪があると判定された場合には、右前・左後輪のホイルシリンダ7aのブレーキ液の入れ替えを行った後、左前・右後輪のホイルシリンダ7aのブレーキ液の入れ替えを行う。
【0070】
すなわち、クリープ状態で各輪のブレーキ液の入れ替えを行った場合、制動力の低下に伴い車両が発進してしまうおそれがあるため、ブレーキ液の入れ替えを2輪ずつずらして行うことで、ブレーキ液入れ替え制御を行いつつ、停止を維持可能な制動力を確保できる。
【0071】
[車両走行時のブレーキ液入れ替え作用]
実施例1では、アクセルペダルが操作され、かつブレーキペダル8が操作されていないとき、かつ、先行車が居ないときにのみブレーキ液入れ替え制御を行う。通常、ドライバはアクセル操作とブレーキ操作を同時に行わず、ブレーキ操作を行う際には、アクセルペダルから足を離した状態でブレーキペダル8を踏み込む。また、先行車が居る場合には、ドライバがブレーキ操作を行う可能性が高い。よって、ドライバがブレーキ操作を行わないと予測できる場合にのみブレーキ液入れ替え制御を行うことで、ピストン7cの力がブレーキパッド7bを介してブレーキロータ7dに伝わるまでの無効ストロークによる制動力発生の応答遅れを回避できる。
【0072】
[ABS制御直後のブレーキ液入れ替え禁止作用]
リザーバ12には、ABS制御の減圧制御中にホイルシリンダ7aから抜かれた高温のブレーキ液が一時的に蓄えられ、減圧制御後、徐々に排出される。よって、リザーバ12内にブレーキ液が蓄えられた状態でブレーキ液入れ替え制御を行うと、ホイルシリンダ7aにはリザーバ12内に蓄えられた高温のブレーキ液が補給される。実施例1では、リザーバ12にブレーキ液が蓄えられているときには、ブレーキ液の入れ替えを禁止することで、無駄なブレーキ液入れ替えに伴い制動力の応答性が低下するのを防止している。
【0073】
次に、効果を説明する。
実施例1のブレーキ制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
【0074】
(1) ホイルシリンダ7a内のブレーキ液の温度を検出する温度センサ19と、ホイルシリンダ7aとマスタシリンダ6のリザーバ9とを結ぶ排出経路(ホイルシリンダ7a→ブレーキ回路1→ドレン回路2→吸入回路3→ポンプ14→吐出回路4→ブレーキ回路1→マスタシリンダ6→リザーバタンク9)と、検出されたブレーキ液の温度Tがあらかじめ設定された高温判定閾値Ts以上のとき、ホイルシリンダ7aのブレーキ液を排出経路からリザーバタンク9へ排出した後、リザーバタンク9内に蓄えられたブレーキ液を補給経路(リザーバタンク9→補給回路5→吸入回路3→ポンプ14→吐出回路4→ブレーキ回路1→ホイルシリンダ7a)からホイルシリンダ7a内に補給するブレーキ液入れ替え制御を行うコントロールユニット18と、を備える。これにより、キャリパ7の大型化を招くことなく、ブレーキ液の温度上昇を抑制できる。
【0075】
(2) コントロールユニット18は、検出されたブレーキ液の温度Tが高いほど、ブレーキ液の排出量Qdをより増加させるため、ブレーキ液の温度Tにかかわらず、ベーパーロックの発生を抑制できる。
【0076】
(3) ドライバのアクセル操作の有無を検出するアクセル開度センサ21と、ブレーキ作動の有無を検出するマスタシリンダ圧センサ20と、を備え、コントロールユニット18は、アクセルペダルが操作され、かつブレーキが作動されていないとき、ブレーキ液入れ替え制御を行う。これにより、ブレーキ液入れ替え制御に伴う制動力の応答遅れを回避できる。
【0077】
(4) 自車前方の先行車の有無を検出するレーザレーダ26を備え、コントロールユニット18は、自車前方に先行車が居ないとき、ブレーキ液入れ替え制御を行う。すなわち、先行車の減速等によりブレーキ操作を行う可能性が有る場合には、ブレーキ液入れ替え制御を行わないため、ブレーキ液入れ替え制御に伴う制動力の応答遅れを回避できる。
【0078】
(5) ABS制御の減圧制御中にブレーキ液を蓄えるリザーバ12と、このリザーバ12内のブレーキ液の有無を検出するタンク容量センサ25と、を備え、コントロールユニット18は、リザーバ12にブレーキ液が蓄えられていないとき、ブレーキ液入れ替え制御を行う。すなわち、ブレーキ液の温度上昇抑制効果が見込めない場合には、ブレーキ液の入れ替えを禁止することで、制動力の応答性低下を低減できる。
【0079】
(6) 車両停止を判定する車両停止反転手段(ステップS8)と、クリープ状態を検出するクリープ状態検出手段(ステップS13)を備え、コントロールユニット18は、クリープ状態のとき、右前・左後輪のブレーキ液を入れ替え後、左前・右後輪のブレーキ液を入れ替えるため、ブレーキ液入れ替え制御に伴い車両が前進するのを回避でき、停止状態を維持できる。
【0080】
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0081】
例えば、ブレーキパッドの温度が高いほどブレーキ液の排出量をより増加させる方法としては、排出時間を長くする、補給時間を長くする、排出スピードを高める、補給スピードを高める、等のいずれの方法を用いても良い。
【0082】
また、ブレーキ回路は、図1に示した構成に限らず、ホイルシリンダ内のブレーキ液をリザーバタンクへ排出する排出経路と、リザーバタンクのブレーキ液をホイルシリンダ内に補給する補給経路とが別系統で設けられた回路構成であれば良い。
【0083】
実施例1では、右前輪と左後輪、左前輪と右前輪をそれぞれ接続したX型ブレーキ配管を用い、クリープ状態のとき交互にブレーキ液の入れ替えを行う例を示したが、少なくとも1輪のブレーキ液入れ替え制御を同時に行わない構成であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施例1のブレーキ制御装置を適用した車両のブレーキ回路およびその制御系の構成を示す図である。
【図2】ホイルシリンダからブレーキ液を排出するときの各弁の作動状態を示す図である。
【図3】ホイルシリンダへブレーキ液を補給するときの各弁の作動状態を示す図である。
【図4】実施例1のコントロールユニット18で実行されるブレーキ液入れ替え制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施例1のコントロールユニット18で実行されるブレーキ液入れ替え制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施例1のコントロールユニット18で実行されるブレーキ液入れ替え制御処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0085】
1 ブレーキ回路
2 ドレン回路
3 吸入回路
4 吐出回路
5 補給回路
6 マスタシリンダ
7a ホイルシリンダ
7b ブレーキパッド
7c ピストン
7d ブレーキロータ
7e ブレーキシム
8 ブレーキペダル
9 リザーバタンク
10 遮断弁
11 増圧弁
12 リザーバ
13 減圧弁
14 ポンプ
15,16 チェック弁
17 サクション弁
18 コントロールユニット
19 温度センサ
20 マスタシリンダ圧センサ
21 アクセル開度センサ
22 車速センサ
23 車両挙動センサ
24 インヒビタスイッチ
25 タンク容量センサ
26 レーザレーダ




 

 


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