Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
ハイブリッド車両の制御装置 - 日産自動車株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 車両 -> 日産自動車株式会社

発明の名称 ハイブリッド車両の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1493(P2007−1493A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185831(P2005−185831)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
発明者 土川 晴久
要約 課題
低速域でも安定した駆動力を得ることが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供すること。

解決手段
ハイブリッド車両の制御装置において、蓄電手段の蓄電状態を検出する蓄電状態検出手段と、蓄電状態検出手段により蓄電量が所定値よりも低いと判断されたときは、制御手段により選択された走行モードにかかわらず、モータジェネレータが充電状態となる無段変速比モードに変更するモード変更手段とを設けた。
特許請求の範囲
【請求項1】
共線図上に、エンジンと、2つのモータジェネレータと、駆動輪へ動力を出力する出力部材とが配列され、前記要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれモータジェネレータを連結した遊星歯車列と、
前記回転要素に設けられ、締結・解放により複数の走行モードを達成する係合要素と、
運転点に応じた走行モードが設定されたモードマップと、
前記モードマップに基づいて走行モードを選択し、前記エンジン及び/又は前記モータジェネレータの出力トルク状態及び前記係合要素の締結状態を制御する制御手段と、
前記モータジェネレータとの間で電力を送受する蓄電手段と、
を備えたハイブリッド車両の制御装置において、
前記蓄電手段の蓄電状態を検出する蓄電状態検出手段と、
前記蓄電状態検出手段により蓄電量が所定値よりも低いと判断されたときは、前記制御手段により選択された走行モードにかかわらず、前記モータジェネレータが充電状態となる無段変速比モードに変更するモード変更手段と、
を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記遊星歯車列を、第1遊星歯車と、第2遊星歯車と、第3遊星歯車から構成され、エンジンと、第1モータジェネレータと、第2モータジェネレータと、出力軸の各入出力要素が連結される遊星歯車列とし
前記係合要素を、前記第1モータジェネレータを固定するハイローブレーキと、前記第1遊星歯車のキャリヤを固定するローブレーキとし、
前記モードマップは、前記ハイローブレーキと前記ローブレーキの両方を締結し固定変速比で走行するLowモードと、前記ハイローブレーキを解放し前記ローブレーキを締結し無段変速比を達成するLow-iVTモードとを有し、
前記モード変更手段は、LowモードからLow-iVTモードに変更することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記遊星歯車列を、第1遊星歯車と、第2遊星歯車と、第3遊星歯車から構成され、エンジンと、第1モータジェネレータと、第2モータジェネレータと、出力軸の各入出力要素が連結される遊星歯車列とし
前記係合要素を、前記第2モータジェネレータと前記第1遊星歯車のキャリヤと連結するハイクラッチと、前記第1遊星歯車のキャリヤを固定するローブレーキとし、
前記モードマップは、前記ハイクラッチと前記ローブレーキの両方を締結し固定変速比で走行する2ndモードと、前記ローブレーキを解放し前記ハイクラッチを締結し無段変速比を達成するHigh-iVTモードとを有し、
前記モード変更手段は、2ndモードからHigh-iVTモードに変更することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記モード変更手段は、前記蓄電状態検出手段により検出された蓄電状態に基づいて、モード遷移が少なくなるように前記モードマップのモード領域を変更することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の走行モードが設定されたモードマップから最適なモードを選択して走行するハイブリッド車両の制御装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
4個以上の要素を有する2自由度の例えば遊星歯車機構により構成する差動装置に、駆動系統への出力を割り当てた要素以外の要素にブレーキを設けたパワートレーンシステムを適用したハイブリッド車両が特許文献1に開示されている。このハイブリッド車両では、例えば、2つのモータのみで無段変速比を得るEVモードと、ローブレーキを締結した固定変速比にて2つのモータで駆動するEV-LBモードと、エンジン及び2つのモータを駆動しつつ無段変速比を得るEIVTモードと、エンジン及び2つのモータを駆動しつつ固定変速比を得るLBモードとを備えている。これら各種モードは、走行状態に応じてモードマップから適宜選択される。
【特許文献1】特開2003-32808号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の従来技術において、低速域での無段変速比モード走行時に駆動力を増大させると、発電しなければ駆動力を増大させることができないという問題があった。言い換えると、バッテリから電力を供給したとしても駆動力を得ることができない。また、発進時には、LBモードを選択し、その後、ローブレーキLBを解放して無段変速比モードを選択するため、変速ショックを発生する虞があった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、低速域でも安定した駆動力を得ることが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本発明では、共線図上に、エンジンと、2つのモータジェネレータと、駆動輪へ動力を出力する出力部材とが配列され、前記要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれモータジェネレータを連結した遊星歯車列と、前記回転要素に設けられ、締結・解放により複数の走行モードを達成する係合要素と、運転点に応じた走行モードが設定されたモードマップと、前記モードマップに基づいて走行モードを選択し、前記エンジン及び/又は前記モータジェネレータの出力トルク状態及び前記係合要素の締結状態を制御する制御手段と、前記モータジェネレータとの間で電力を送受する蓄電手段と、を備えたハイブリッド車両の制御装置において、前記蓄電手段の蓄電状態を検出する蓄電状態検出手段と、前記蓄電状態検出手段により蓄電量が所定値よりも低いと判断されたときは、前記制御手段により選択された走行モードにかかわらず、前記モータジェネレータが充電状態となる無段変速比モードに変更するモード変更手段とを設けた。
【発明の効果】
【0006】
よって、モータジェネレータの充電作動により駆動力を増大することが可能となり、より大きな駆動力を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、ハイブリッド車の駆動系の構成を説明する。
図1は実施例1のエンジン始動制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。実施例1のハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1と、第2モータジェネレータMG2と、出力軸OUT(出力部材)と、これらの入出力要素E,MG1,MG2,OUTが連結される差動装置(第1遊星歯車PG1、第2遊星歯車PG2、第3遊星歯車PG3)を有する駆動力合成変速機とを備えており、駆動輪18を駆動する後輪駆動タイプのハイブリッド車両である。
【0009】
そして、選択された走行モードに応じ後述する油圧制御装置5からの制御油圧により締結・解放が制御される摩擦締結要素としては、ハイクラッチHCと、エンジンクラッチECと、シリーズクラッチSCと、モータジェネレータクラッチMGCと、ローブレーキLBと、ハイローブレーキHLBと、を備えている。
【0010】
前記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度などが制御される。
【0011】
前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、永久磁石を埋設したロータと、ステータコイルが巻き付けられたステータと、を有する同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流をそれぞれのステータコイルに印加することにより独立に制御される。
【0012】
前記差動装置としての第1遊星歯車PG1と第2遊星歯車PG2と第3遊星歯車PG3は、何れも2自由度3要素のシングルピニオン型遊星歯車である。前記第1遊星歯車PG1は、第1サンギヤS1と、第1ピニオンP1を支持する第1ピニオンキャリアPC1と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、によって構成されている。前記第2遊星歯車PG2は、第2サンギヤS2と、第2ピニオンP2を支持する第2ピニオンキャリアPC2と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2と、によって構成されている。前記第3遊星歯車PG3は、第3サンギヤS3と、第3ピニオンP3を支持する第3ピニオンキャリアPC3と、第3ピニオンP3に噛み合う第3リングギヤR3と、によって構成されている。
【0013】
前記第1サンギヤS1と前記第2サンギヤS2とは第1回転メンバM1により直結され、前記第1リングギヤR1と第3サンギヤS3とは第2回転メンバM2により直結され、前記第2ピニオンキャリアPC2と前記第3リングギヤR3とは第3回転メンバM3により直結される。したがって、3組の遊星歯車PG1,PG2,PG3は、第1回転メンバM1と第2回転メンバM2と第3回転メンバM3と第1ピニオンキャリアPC1と第2リングギヤR2と第3ピニオンキャリアPC3との6つの回転要素を有する。
【0014】
前記差動装置の6つの回転要素に対する動力源E,MG1,MG2と出力軸OUTと各係合要素LB,HC,HLB,EC,SC,MGCの連結関係について説明する。
前記第1回転メンバM1(S1,S2)には、第2モータジェネレータMG2が連結されている。前記第2回転メンバM2(R1,R3)には、入出力要素の何れにも連結されていない。前記第3回転メンバM3(PC2,R3)には、エンジンクラッチECを介してエンジンEが連結されている。
【0015】
前記第1ピニオンキャリアPC1には、ハイクラッチHCを介して第2モータジェネレータMG2が連結されている。また、ローブレーキLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
【0016】
前記第2リングギヤR2には、モータジェネレータクラッチMGCを介して第1モータジェネレータMG1が連結されている。また、ハイローブレーキHLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
【0017】
前記第3ピニオンキャリアPC3には、出力軸OUTが連結されている。なお、出力軸OUTには、両モータジェネレータMG1,MG2のうち、一方のモータジェネレータが故障した場合、エンジン始動時に出力軸OUTを固定する出力軸固定制御ユニット16(出力部材固定制御ユニット)が設けられている。また、出力軸OUTからは、図外のプロペラシャフトやディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の駆動輪に駆動力が伝達される。さらに、前記エンジンEと第1モータジェネレータMG1とは、シリーズクラッチSCを介して連結されている。
【0018】
上記連結関係により、図2に示す共線図上において、第1モータジェネレータMG1(R2)、エンジンE(PC2,R3)、出力軸OUT(PC3)、第2モータジェネレータMG2(S1,S2)の順に配列され、遊星歯車列の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデル(第1遊星歯車PG1のレバー(1)、第2遊星歯車PG2のレバー(2)、第3遊星歯車PG3のレバー(3))を導入することができる。ここで、「共線図」とは、差動歯車のギヤ比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸にリングギヤ、キャリア、サンギヤ等の各回転要素をとり、各回転要素の間隔をサンギヤとリングギヤの歯数比に基づく共線図レバー比(α、β、δ)になるように配置したものである。
【0019】
前記ハイクラッチHCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸と一致する位置に配置され、図2及び図3の共線図に示すように、締結によりハイ側変速比を分担する「2速固定モード」と「ハイ側無段変速モード」と「ハイギヤ固定モード」を実現する。
【0020】
前記エンジンクラッチECは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、エンジンEとの回転速度軸と一致する位置に配置され、締結によりエンジンEの回転とトルクを、エンジン入力回転要素である第3回転メンバM3(PC2,R3)に入力する。
【0021】
前記シリーズクラッチSCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、エンジンEと第1モータジェネレータMG1とを連結する位置に配置され、締結によりエンジンEと第1モータジェネレータMG1とを連結する。
【0022】
前記モータジェネレータクラッチMGCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、第1モータジェネレータMG1と第2リングギヤR2を連結する位置に配置され、第1モータジェネレータMG1と第2リングギヤR2との締結解除を行う。
【0023】
前記ローブレーキLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図6の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸より外側位置に配置され、図2及び図3の共線図に示すように、締結によりロー側変速比を分担する「ローギヤ固定モード」と「ロー側無段変速モード」を実現する。
【0024】
前記ハイローブレーキHLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図6の共線図上において、第1モータジェネレータMG1の回転速度軸と一致する位置に配置され、図2及び図3の共線図に示すように、ローブレーキLBと共に締結することにより変速比をアンダードライブ側の「ローギヤ固定モード」とし、ハイクラッチHCと共に締結することにより変速比をオーバードライブ側の「ハイギヤ固定モード」とする。
【0025】
次に、ハイブリッド車の制御系を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、第3リングギヤ回転数センサ12と、第2リングギヤ回転数センサ13と、従動輪である前輪及び駆動輪である後輪の車輪速を検出する車輪速センサ17を有して構成されている。
【0026】
前記エンジンコントローラ1は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APとエンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neを入力する統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。
【0027】
前記モータコントローラ2は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ10、11からのモータジェネレータ回転数N1,N2を入力する統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)と、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)と、をそれぞれ独立に制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2からは、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリS.O.Cの情報が統合コントローラ6に対して出力される。
【0028】
前記インバータ3は、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2との各ステータコイルに接続され、モータコントローラ2からの指令により独立した3相交流を作り出す。このインバータ3には、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ4が接続されている。
【0029】
前記油圧制御装置5は、統合コントローラ6からの油圧指令に基づいて、ローブレーキLBと、ハイクラッチHCと、ハイローブレーキHLBと、エンジンクラッチECと、シリーズクラッチSCと、モータジェネレータクラッチMGCの締結油圧制御及び解放油圧制御を行う。この締結油圧制御及び解放油圧制御には、滑り締結制御や滑り解放制御による半クラッチ制御も含む。
【0030】
前記統合コントローラ6は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APと、車速センサ8からの車速VSPと、エンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neと、第1モータジェネレータ回転数センサ10からの第1モータジェネレータ回転数N1と、第2モータジェネレータ回転数センサ11からの第2モータジェネレータ回転数N2と、第3リングギヤ回転数センサ12からの駆動力合成変速機入力回転数Ni等の情報を入力し、所定の演算処理を行う。そして、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、油圧制御装置5に対し演算処理結果に従って制御指令を出力する。また、車輪速センサ17からの車輪速信号に基づいて駆動輪のスリップ状態を検出し、後述する半クラッチ制御を実行する。
【0031】
なお、統合コントローラ6とエンジンコントローラ1、および、統合コントローラ6とモータコントローラ2とは、情報交換のためにそれぞれ双方向通信線14、15により接続されている。
【0032】
次に、ハイブリッド車の走行モードについて説明する。
走行モードとしては、ローギヤ固定モード(以下、「Lowモード」という。)と、ロー側無段変速モード(以下、「Low-iVTモード」という。)と、2速固定モード(以下、「2ndモード」という。)と、ハイ側無段変速モード(以下、「High-iVTモード」という。)と、ハイギヤ固定モード(以下、「Highモード」という。)と、の5つの走行モードを有する。
【0033】
前記5つの走行モードについては、エンジンEを用いないで両モータージェネレータMG1,MG2のみで走行する電気自動車モード(以下、「EVモード」という。)と、エンジンEと両モータージェネレータMG1,MG2を用いて走行するハイブリッド車モード(以下、「HEVモード」という。)とに分けられる。
【0034】
よって、図2(EVモード関連の5つの走行モード)及び図3(HEVモード関連の5つの走行モード)に示すように、「EVモード」と「HEVモード」とを合わせると「10の走行モード」が実現されることになる。
ここで、図2(a)は「EV-Lowモード」の共線図、図2(b)は「EV-Low-iVTモード」の共線図、図2(c)は「EV-2ndモード」の共線図、図2(d)は「EV-High-iVTモード」の共線図、図2(e)は「EV-Highモード」の共線図である。また、図3(a)は「HEV-Lowモード」の共線図、図3(b)は「HEV-Low-iVTモード」の共線図、図3(c)は「HEV-2ndモード」の共線図、図3(d)は「HEV-High-iVTモード」の共線図、図3(e)は「HEV-Highモード」の共線図である。
【0035】
前記「Lowモード」は、図2(a)及び図3(a)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを締結し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるローギヤ固定モードである。
【0036】
前記「Low-iVTモード」は、図2(b)及び図3(b)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを解放し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるロー側無段変速モードである。
【0037】
前記「2ndモード」は、図2(c)及び図3(c)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られる2速固定モードである。
【0038】
前記「High-iVTモード」は、図2(d)及び図3(d)の共線図に示すように、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるハイ側無段変速モードである。
【0039】
前記「Highモード」は、図2(e)及び図3(e)の共線図に示すように、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを締結し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるハイギヤ固定モードである。
【0040】
そして、前記「10の走行モード」のエンジン始動制御は、統合コントローラ6により行われる。すなわち、統合コントローラ6には、要求駆動力Fdrv(アクセル開度APにより求められる。)と車速VSPから、例えば、図4に示すような前記「10の走行モード」を割り振った走行モードマップが予め設定されていて、車両走行時等においては、要求駆動力Fdrvと車速VSPの各検出値により走行モードマップが検索され、要求駆動力Fdrvと車速VSPにより決まる車両動作点やバッテリ充電量に応じた最適な走行モードが選択される。尚、図4中の太い点線で示す領域(LowモードとLow-iVTモードが隣接する領域)については後述する。
【0041】
さらに、シリーズクラッチSCとモータジェネレータクラッチMGCを採用したことに伴い、上記「10の走行モード」に加え、図5に示すように、発進時等で選択されるシリーズローギヤ固定モード(以下、「S-Lowモード」という。)が追加される。この「S-Lowモード」は、ローブレーキLBとハイローブレーキHLBを締結し、エンジンクラッチECとハイクラッチHCとモータジェネレータクラッチMGCを解放し、シリーズクラッチSCを締結することで得られる。
【0042】
つまり、上記「10の走行モード」はパラレル型ハイブリッド車としての走行モードであるが、シリーズローギヤ固定モードである「S-Lowモード」については、図6に示すように、エンジンEと第1モータジェネレータMG1とを共線図から切り離し、エンジンEにより第1モータジェネレータMG1を駆動して発電し、該第1モータジェネレータMG1による発電電力を受け入れて充電するバッテリ4と、該バッテリ4の充電電力を用いて第2モータジェネレータMG2を駆動するというシリーズ型ハイブリッド車としての走行モードということができる。
【0043】
前記走行モードマップの選択により、「EVモード」と「HEVモード」との間においてモード遷移を行う場合には、図5に示すように、エンジンEの始動・停止と、エンジンクラッチECを締結・解放する制御が実行される。また、「EVモード」の5つのモード間でのモード遷移や「HEVモード」の5つのモード間でのモード遷移を行う場合には、図5に示すON/OFF作動表にしたがって行われる。
【0044】
これらのモード遷移制御のうち、例えば、エンジンEの始動・停止とクラッチやブレーキの締結・解放が同時に必要な場合や、複数のクラッチやブレーキの締結・解放が必要な場合や、エンジンEの始動・停止またはクラッチやブレーキの締結・解放に先行してモータジェネレータ回転数制御が必要な場合等においては、予め決められた手順にしたがったシーケンス制御により行われる。
【0045】
〔モードマップ変更処理〕
次に、実施例1のモードマップ変更処理について、図7のフローチャートに基づいて説明する。
ステップ101では、バッテリS.O.Cが制御中央値かどうかを判断し、制御中央値(すなわち充放電量が0)のときはステップ104へ進み、それ以外のときはステップ102へ進む。尚、制御中央値とは、バッテリS.O.Cの上限(これ以上充電できない状態)と、下限(これ以上放電できない状態)の中央値を表す値であり、制御中央値よりも低いときは充電が望ましく、制御中央値よりも高いときは放電が望ましい。
ステップ102では、バッテリS.O.Cが制御中央値より大きいかどうかを判断し、制御中央値より大きいとき(すなわち放電時)はステップ104へ進み、それ以外の時はステップ103へ進む。
ステップ103では、低速域バッテリアシスト有りのモードマップを使用する(図4中点線によりLow-iVTモード領域,High-iVTモード領域が拡大されたモードマップ)。
ステップ104では、通常のモードマップを使用する(図4中点線を無視したモードマップ)。
【0046】
上記モードマップ変更処理の作用について説明する。まず、Low-iVTモードの回転数とトルクバランスの関係式を示す。
回転数の拘束式は
(式1)
Nout=(δ/(1+α+β))・(βNmg1−{{(1+α+β)−αβ}・Nmg2/(1+β)})
となる。ただし、
(式2)
Neng=(1/(1+α+β))・{(1+β)Nmg1+αNmg2}
(式3)
Neng≧0
(式4)
Nmg2≧0
(式5)
Nout≧0
を満足するNmg1,Nmg2である。
Nout:出力軸回転数
Nmg1:第1モータジェネレータ回転数
Nmg2:第2モータジェネレータ回転数
Neng:エンジン回転数
α,β,δ:共線図のレバー比(図9参照)
(式3)は、エンジンフリクションの増大を考慮し負回転でエンジンを動作させないことを表す。(式4)は、Low-iVTモードにて走行中に第2モータジェネレータMG2の回転数が負回転になると共線図が反転してしまうので使用しないことを表す。(式5)は前進方向の場合を想定していることを表す。
【0047】
また、トルクバランスの拘束式は、
(式6)
Tout=(1/δ)・{αTmg1−(1+β)Tmg2}
となる。ただし、
(式7)
Teng=(1/δ)・{Tmg1(αβ−(1+α+β)δ)/(1+β)−βTmg2}
(式8)
Teng≦0
(式9)
Tout≦0
を満足するTmg1,Tmg2である。
Tout:出力軸トルク
Tmg1:第1モータジェネレータトルク
Tmg2:第2モータジェネレータトルク
Teng:エンジントルク
上記トルクバランスの拘束式より、出力軸トルクを最大にするためには、モータジェネレータのトルクを最大限に出力する必要がある。図8はLow-iVTモードにおけるエンジントルクTengを1とした場合の、第1モータジェネレータトルクTmg1及び第2モータジェネレータトルクTmg2のトルク比を表す図である。横軸は減速比とし、縦軸はトルク比を表す(減速比=Tout/Teng)。図8に示すように、Low-iVTにてモータジェネレータのトルク分担は、第1モータジェネレータMG1の方が大きい。従って、第1モータジェネレータトルクTmg1の上限値が出力軸トルクToutの制限となる(エンジントルクの上限値も同様)。また、第2モータジェネレータトルクTmg2はマイナストルクである方がアウトプットトルクが大きくなる。
【0048】
エンジントルク(出力)を上昇させる為にはエンジンの回転数を上昇させる必要がある。低速域でエンジン回転数Nengを上昇させると、第1モータジェネレータ回転数Nmg1はマイナス回転数となる(Nmg2はプラス)。トルクバランスの拘束式と回転数の拘束式にて求められたトルクと回転数により各モータジェネレータの出力は第1モータジェネレータMG1,第2モータジェネレータMG2共にマイナス(充電)となる。
【0049】
バッテリアシスト量は、上記回転数、トルクの拘束式により求められる第1モータジェネレータMG1の出力と第2モータジェネレータMG2の出力の合計となる。よって、下記式10に表される。
(式10)
Pbat=Pmg1+Pmg2(プラスは放電、マイナスは充電となる)
Pbat:バッテリ出力
Pmg1:第1モータジェネレータ出力
Pmg2:第2モータジェネレータ出力
図9はバッテリS.O.Cが低いときに、LowモードからLow-iVTモードに変更した場合の共線図である。低車速でのLow-iVTモードでは、第1モータジェネレータMG1を負回転・正トルク(充電)状態に制御することとなる。
【0050】
図10はLow-iVTモードでの駆動力線図を表す図である。図10に示すように、低速域にて充電領域が存在し、充電を実施するとバッテリを使用しない駆動力より大きな駆動力を発生することができる。すなわち、バッテリS.O.Cが低いときは充電可能であるため、モードマップ上のLowモード領域であっても、第1モータジェネレータMG1の充電によるトルクを使用可能なLow-iVTモードを使用することで、高い駆動力を得ることができる。
【0051】
よって、図4のモードマップに示すように、バッテリS.O.Cが低いときは、Low-iVTモードの領域をLowモード側に拡大する(図4中矢印方向に拡大)ことで、発進時等にLow-iVTモード→Lowモード→Low-iVTモードといったモード遷移を経ることがなく、Low-iVTモードのまま走行することができる。
【0052】
尚、上記実施例では、LowモードからLow-iVTモードへ変更する処理について説明したが、例えば、2ndモードからHigh-iVTモードへ変更するようにしてもよい。以下、High-iVTモードについて説明する。
【0053】
High-iVTモードに関しての回転数、トルクバランスの拘束式を示す。
回転数の拘束式は
(式11)
Nout=(1/(1+α+β))・{βNmg1+(1+α)Nmg2}
但し、
(式12)
Neng=(1/(1+α+β))・(βNmg1+αNmg2)
Low-iVTモードと同様にエンジン回転数,出力軸回転数は正回転を満たすNmg1,Nmg2となる。
【0054】
また、トルクバランスの拘束式は
(式13)
Tout=-αTmg1+(1+β)Tmg2
但し、
(式14)
Teng=-(1+α)Tmg1+βTmg2
Low-iVTモードと同様にエンジントルク,出力軸トルクは正トルクを満たすTmg1,Tmg2となる。
【0055】
上記拘束式より、第2モータジェネレータにより出力軸トルクが決まる。また低速域においては、Low-iVTモードと同様に、第2モータジェネレータMG2の回転数がマイナス回転となり、第1モータジェネレータMG1,第2モータジェネレータMG2ともにマイナス出力(充電)となる。従って充電を実施すると駆動力が大きくなる。
【0056】
図11はバッテリS.O.Cが低いときに、2ndモードからHigh-iVTモードに変更した場合の共線図である。低車速でのHigh-iVTモードでは、第2モータジェネレータMG2を負回転・正トルク(充電)状態に制御することとなる。すなわち、バッテリS.O.Cが低いときは充電可能であるため、モードマップ上の2ndモード領域であっても、第1モータジェネレータMG1の充電によるトルクを使用可能なHigh-iVTモードを使用することで、高い駆動力を得ることができる。
【0057】
よって、図4のモードマップに示すように、バッテリS.O.Cが低いときは、High-iVTモードの領域を2ndモード側に拡大する(図4中矢印方向に拡大)ことで、発進時等にHigh-iVTモード→2ndモード→High-iVTモードといったモード遷移を経ることがなく、High-iVTモードのまま走行することができる。
【0058】
以上説明したように、実施例1のハイブリッド車両にあっては、下記に列挙する作用効果を奏する。
【0059】
(1).バッテリ状態S.O.Cを検出し、蓄電量が所定値よりも低い(充電可能)と判断されたときは、選択された走行モードにかかわらず、モータジェネレータが充電状態となる無段変速比モードに変更することとした。よって、バッテリを使用しない走行状態(例えばLowモードや2ndモード)よりも高い駆動力を出力することができる。
【0060】
(2).バッテリS.O.Cが低い状態でLowモードが選択されたときは、モータジェネレータが充電状態となる無段変速比モードとしてLow-iVTモードに変更することとした。よって、バッテリを急速充電することができる。また、発進時は通常Lowモードが選択され、車速が上昇するとLow-iVTモードが選択されるため、変速ショックを招く虞があったが、発進時からLow-iVTモードを選択することで変速ショック等を回避することができる。更に、充電した電力を使用することで、放電領域走行時にバッテリを使用して走行することができる。
【0061】
(3).バッテリS.O.Cが低い状態で2ndモードが選択されたときは、モータジェネレータが充電状態となる無段変速比モードとしてHigh-iVTモードに変更することとした。よって、上記(2)と同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
(4).バッテリS.O.Cに基づいて、モード遷移が少なくなるように前記モードマップのモード領域を変更することとした。よって、モード遷移を最小限にして走行することができる。また、バッテリを最大限に利用することが可能となり、燃費の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
実施例1のエンジン始動制御装置は、3つのシングルピニオン型遊星歯車により構成された差動装置を有する駆動力合成変速機を搭載したハイブリッド車への適用例を示したが、例えば、特開2003−32808号公報等に記載されているようにラビニョウ型遊星歯車により構成された差動装置を有する駆動力合成変速機を搭載したハイブリッド車にも適用することができる。さらに、動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えた他のハイブリッド車にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例1のエンジン始動制御装置が適用されたハイブリッド車を示す全体システム図である。
【図2】実施例1のエンジン始動制御装置を搭載したハイブリッド車において電気自動車モードでの5つの走行モードをあらわす共線図である。
【図3】実施例1のエンジン始動制御装置を搭載したハイブリッド車においてハイブリッド車モードでの5つの走行モードをあらわす共線図である。
【図4】実施例1のエンジン始動制御装置を搭載したハイブリッド車において走行モードの選択に用いられる走行モードマップの一例を示す図である。
【図5】実施例1のエンジン始動制御装置を搭載したハイブリッド車において「10の走行モード」でのエンジン・エンジンクラッチ・モータジェネレータ・ローブレーキ・ハイクラッチ・ハイローブレーキ・シリーズクラッチ・モータジェネレータクラッチの作動表である。
【図6】実施例1のエンジン始動制御装置を搭載したハイブリッド車において各係合要素との関係を示す共線図である。
【図7】実施例1の統合コントローラにて実行されるモードマップ変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施例1のモータジェネレータトルク比を表す図である。
【図9】実施例1のLow-iVTモードであって充電状態における共線図である。
【図10】実施例1のLow-iVTモードにおける駆動力線図である。
【図11】実施例1のHigh-iVTモードであって充電状態における共線図である。
【符号の説明】
【0065】
E エンジン
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ
OUT 駆動出力軸(駆動出力部材)
PG1 第1遊星歯車
PG2 第2遊星歯車
PG3 第3遊星歯車
HC ハイクラッチ
EC エンジンクラッチ
SC シリーズクラッチ
MGC モータジェネレータクラッチ
LB ローブレーキ
HLB ハイローブレーキ
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 第3リングギヤ回転数センサ
13 第2リングギヤ回転数センサ
17 車輪速センサ




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013