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車線逸脱防止装置及び車両の走行制御装置 - 日産自動車株式会社
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発明の名称 車線逸脱防止装置及び車両の走行制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1476(P2007−1476A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185173(P2005−185173)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
発明者 田畑 善朗
要約 課題
逸脱防止後の自車両に先行車両が急接近してしまうのを防止する。

解決手段
車両の走行制御装置は、レーダ16が検出する自車レーンの前方を走行する先行車両の走行状態情報を記憶するとともに、レーダ16で先行車両を検出できなくなった場合、前記記憶した走行状態情報に基づいて、当該先行車両と自車両との接近度合いを予測し(ステップS31〜ステップS33)、接近度合いが大きい場合、減速制御作動判断フラグFgsをONにする(ステップS33)。これにより、車線逸脱防止制御による逸脱防止後に自車両に先行車両が接近すると予測した場合、当該車線逸脱防止制御における減速成分を大きくする補正をする。
特許請求の範囲
【請求項1】
走行車線に対して自車両が逸脱傾向にあるとき自車両にヨーモーメントを付与することで自車両が走行車線から逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を行う車線逸脱防止装置において、
前記車線逸脱防止制御で自車両の逸脱を防止することで当該自車両に自車レーンの前方を走行する先行車両が接近すると予測した場合、当該車線逸脱防止制御において自車両に付与する減速成分を大きくする補正をすることを特徴とする車線逸脱防止装置。
【請求項2】
前記先行車両を自車両が追従している追従走行制御中において、前記車線逸脱防止制御で自車両の逸脱を防止することで当該自車両に前記先行車両が接近すると予測したとき、前記減速成分が大きくなるように当該車線逸脱防止制御の制御量を補正することを特徴とする請求項1記載の車線逸脱防止装置。
【請求項3】
先行車両検出手段で検出した先行車両を追従対象車両と認識して、当該追従対象車両に追従するように自車両を車速制御する車速制御装置と、走行車線に対して自車両が逸脱傾向にあるとき、自車両にヨーモーメントを付与することで自車両が走行車線から逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を行う車線逸脱防止装置とを搭載する車両の走行制御装置において、
前記先行車両検出手段が検出する自車レーンの前方を走行する先行車両の走行状態情報を記憶する走行状態情報記憶手段と、
前記走行状態情報記憶手段が記憶されている前記走行状態情報に基づいて、前記車線逸脱防止制御による逸脱防止後の自車両への先行車両の接近を予測する接近予測手段と、
前記接近予測手段が前記接近を予測した場合、前記車線逸脱防止制御で自車両に付与する減速成分を大きくする補正をする減速成分補正手段と、
を備えることを特徴とする車両の走行制御装置。
【請求項4】
前記接近予測手段は、前記先行車両検出手段が前記自車レーンの前方を走行する先行車両を検出できなくなった場合、前記先行車両の接近を予測し、前記走行状態情報記憶手段は、前記走行状態情報として前記先行車両と自車両との相対速度及び相対距離を記憶しており、前記接近予測手段は、前記相対速度及び相対距離に基づいて、前記接近を予測することを特徴とする請求項3記載の車両の走行制御装置。
【請求項5】
前記先行車両検出手段が前記自車レーンの前方を走行する先行車両を検出できなくなった場合とは、前記先行車両検出手段による検出対象が前記自車レーンの前方を走行する先行車両から前記逸脱傾向を示す側の隣接車線を走行する先行車両に切り換わったことによるものであることを特徴とする請求項4記載の車両の走行制御装置。
【請求項6】
前記走行状態情報記憶手段は、前記走行状態情報として前記先行車両と自車両との相対距離及び相対速度を記憶しており、前記接近予測手段は、前記相対距離及び相対速度に基づいて、前記先行車両と自車両との接近を予測していることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の車両の走行制御装置。
【請求項7】
前記車線逸脱防止制御では、左右輪に制動力差を付与することで、前記ヨーモーメントを自車両に付与するとともに、前記自車両へのヨーモーメントの付与とは別に、自車両を減速させており、前記車線逸脱防止制御で自車両に付与する減速成分を大きくする補正は、その減速度を大きくすることで行うことを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の車両の走行制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両が走行車線から逸脱しそうになったときに、その逸脱を防止する車線逸脱防止装置、及びそのような車線逸脱防止装置と、追従対象車両に追従するように自車両を車速制御する車速制御装置とを搭載する車両の走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車線逸脱防止装置として、自車両が走行車線を逸脱する可能性がある場合に、左右車輪に制動力差を付与し、自車両にヨーモーメントを付与することで、自車両が走行車線から逸脱することを防止する装置がある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−112540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ACC(Adaptive Cruise Control)等で自車レーンの前方を走行する先行車両に追従する追従制御中に、自車両が走行車線に対して逸脱傾向になると、ACCによるレーダが検出範囲外になり当該先行車両をロストしたり、逸脱方向の隣接車線を走行する他の車両をレーダが捕らえることで、当該他の車両を追従対象車両として認識したりする場合がある。そして、このような場合には、前記先行車両に対する追従制御が中止される。
【0004】
しかし、そのように先行車両に対する追従制御が中止されている期間中に、当該先行車両が急減速していると、逸脱防止後の自車両に先行車両が急接近してしまう場合もあり、これでは、運転者に違和感を与えてしまう。
本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、逸脱防止後の自車両に先行車両が急接近してしまうのを防止する車線逸脱防止装置及び車両の走行制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の車線逸脱防止装置は、走行車線に対して自車両が逸脱傾向にあるとき自車両にヨーモーメントを付与することで自車両が走行車線から逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を行う車線逸脱防止装置である。
この車線逸脱防止装置は、前記車線逸脱防止制御で自車両の逸脱を防止することで当該自車両に自車レーンの前方を走行する先行車両が接近すると予測した場合、当該車線逸脱防止制御において自車両に付与する減速成分を大きくする補正をする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の車線逸脱防止装置によれば、逸脱防止後の自車両に先行車両が急接近してしまうのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施形態は、本発明に係る車両の走行制御装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
【0008】
図1は、第1の実施形態を示す概略構成図である。
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7が介装されており、この制動流体圧制御部7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
【0009】
制動流体圧制御部7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御部を利用したものである。制動流体圧制御部7は、単独で各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御することも可能であるが、後述する制駆動力コントロールユニット8から制動流体圧指令値が入力されたときには、その制動流体圧指令値に応じて制動流体圧を制御するようにもなっている。
例えば、制動流体圧制御部7は、液圧供給系にアクチュエータを含んで構成されている。アクチュエータとしては、各ホイールシリンダ液圧を任意の制動液圧に制御可能な比例ソレノイド弁が挙げられる。
【0010】
また、この車両には、駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。駆動トルクコントロールユニット12は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比及びスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL,5RRへの駆動トルクを制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、燃料噴射量や点火時期を制御したり、同時にスロットル開度を制御したりすることで、エンジン9の運転状態を制御する。この駆動トルクコントロールユニット12は、制御に使用した駆動トルクTwの値を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
【0011】
なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で後輪5RL,5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、制駆動力コントロールユニット8から駆動トルク指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値に応じて駆動輪トルクを制御するようにもなっている。
また、この車両には、画像処理機能付きの撮像部13が設けられている。撮像部13は、自車両の車線逸脱傾向検出用として、走行車線内の自車両の位置を検出するために備えられている。例えば、撮像部13は、CCD(Charge Coupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。この撮像部13は車両前部に設置されている。
【0012】
撮像部13は、自車両前方の撮像画像から例えば白線等のレーンマーカを検出し、その検出したレーンマーカに基づいて走行車線を検出している。さらに、撮像部13は、その検出した走行車線に基づいて、自車両の走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角(ヨー角)φ、走行車線中央からの横変位X及び走行車線曲率β等を算出する。この撮像部13は、算出したこれらヨー角φ、横変位X及び走行車線曲率β等を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
なお、本発明においては画像処理以外の検出手段でレーンマーカを検出するものであっても良い。例えば、車両前方に取り付けられた複数の赤外線センサによりレーンマーカを検出し、その検出結果に基づいて走行車線を検出しても良い。
【0013】
また、本発明は走行車線を白線に基づいて決定する構成に限定されるものではない。すなわち、走行車線を認識させるための白線(レーンマーカ)が走路上にない場合、画像処理や各種センサによって得られる道路形状や周囲環境等の情報から、自車両が走行に適した走路範囲や、運転者が自車両を走行させるべき走路範囲を推測し、走行車線として決定しても良い。例えば、走路上に白線がなく、道路の両側ががけになっている場合には、走路のアスファルト部分を走行車線として決定する。また、ガードレールや縁石等がある場合は、その情報を考慮して走行車線を決定すればよい。
【0014】
また、走行車線曲率βを後述のステアリングホイール21の操舵角δに基づいて算出しても良い。
また、この車両には、ナビゲーション装置14が設けられている。ナビゲーション装置14は、自車両に発生する前後加速度Yg或いは横加速度Xg、又は自車両に発生するヨーレイトφ´を検出する。このナビゲーション装置14は、検出した前後加速度Yg、横加速度Xg及びヨーレイトφ´を、道路情報とともに、制駆動力コントロールユニット8に出力する。ここで、道路情報としては、車線数や一般道路か高速道路かを示す道路種別情報がある。
【0015】
なお、専用のセンサにより各値を検出するようにしても良い。すなわち、加速度センサにより前後加速度Yg及び横加速度Xgを検出し、ヨーレイトセンサによりヨーレイトφ´を検出するようにしても良い。
また、この車両には、先行車両を追従対象車両と認識して、当該追従対象車両に追従するように自車両を車速制御するACC(adaptive cruise control)が搭載されている。車両には、このACC用として、レーザ光を前方に掃射して先行障害物からの反射光を受光することで、自車両と前方障害物との間の距離等を計測するためのレーダ16が設けられている。
【0016】
また、この車両には、マスタシリンダ3の出力圧、すなわちマスタシリンダ液圧Pmf,Pmrを検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、すなわちアクセル開度θtを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角(ステアリング舵角)δを検出する操舵角センサ19、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20、及び各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vwi(i=fl,fr,rl,rr)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RRが設けられている。そして、これらセンサ等が検出した検出信号は制駆動力コントロールユニット8に出力される。
【0017】
なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、いずれも左方向を正方向とする。すなわち、ヨーレイトφ´、横加速度Xg及びヨー角φは、左旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から左方にずれているときに正値となる。また、前後加速度Ygは、加速時に正値となり、減速時に負値となる。
次に、制駆動力コントロールユニット8で行う車線逸脱防止制御(車線逸脱防止装置として)の演算処理手順について、図2を用いて説明する。この演算処理は、例えば10msec.毎の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、この図2に示す処理内には通信処理を設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
【0018】
先ずステップS1において、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データを読み込む。具体的には、ナビゲーション装置14が得た前後加速度Yg、横加速度Xg、ヨーレイトφ´及び道路情報、各センサが検出した、各車輪速度Vwi、操舵角δ、アクセル開度θt、マスタシリンダ液圧Pmf,Pmr及び方向スイッチ信号、並びに駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTw、撮像部13からヨー角φ、横変位X及び走行車線曲率βを読み込む。
【0019】
続いてステップS2において、車速Vを算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込んだ車輪速度Vwiに基づいて、下記(1)式により車速Vを算出する。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(1)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
【0020】
また、このように算出した車速Vは好ましくは通常走行時に用いる。例えば、ABS(Anti-lock Brake System)制御等が作動している場合には、そのABS制御内で推定している推定車体速度を前記車速Vとして用いるようにする。また、ナビゲーション装置14でナビゲーション情報に利用している値を前記車速Vとして用いても良い。
続いてステップS3において、車線逸脱傾向の判定を行う。この判定処理の処理手順は具体的には図3に示すようになる。
【0021】
先ずステップS21において、逸脱予測時間Toutを算出する。具体的には、dxを前記横変位Xの変化量(単位時間当たりの変化量)とし、Lを車線幅とし、横変位Xを用いて、下記(2)式により逸脱予測時間Toutを算出する(X,dx,Lの値については図4を参照)。
Tout=(L/2−X)/dx ・・・(2)
この(2)式によれば、車線中央(X=0)からXだけ横変位している車両100がその現在位置から距離L/2だけ離れた外側位置領域(例えば路肩)に至るまでの逸脱予測時間Toutを求めることができる。
【0022】
なお、車線幅Lについては、撮像部13が撮像画像を処理することで得ている。また、ナビゲーション装置14から車両の位置を得たり、ナビゲーション装置14の地図データから車線幅Lを得たりしても良い。
続いてステップS22において、逸脱判定をする。具体的には、前記逸脱予測時間Toutと所定の逸脱判断しきい値Tsとを比較する。ここで、逸脱予測時間Toutが逸脱判断しきい値Ts未満の場合(Tout<Ts)、車線逸脱傾向ありと判定する。また、逸脱予測時間Toutが逸脱判断しきい値Ts以上の場合(Tout≧Ts)、車線逸脱傾向なしと判定する。
【0023】
続いてステップS23において、逸脱判断フラグを設定する。すなわち、前記ステップS22において、車線逸脱傾向ありと判定した場合(Tout<Ts)、逸脱判断フラグFoutをONにする(Fout=ON)。また、前記ステップS22において、車線逸脱傾向なしと判定した場合(Tout≧Ts)、逸脱判断フラグFoutをOFFにする(Fout=OFF)。
【0024】
このステップS22及びステップS23の処理により、例えば自車両が車線中央から離れていき、逸脱予測時間Toutが逸脱判断しきい値Ts未満になったとき(Tout<Ts)、逸脱判断フラグFoutがONになる(Fout=ON)。また、自車両(Fout=ONの状態の自車両)が車線中央側に復帰していき、逸脱予測時間Toutが逸脱判断しきい値Ts以上になったとき(Tout≧Ts)、逸脱判断フラグFoutがOFFになる(Fout=OFF)。例えば、車線逸脱傾向がある場合に、後述する車線逸脱防止のための制動制御が実施されたり、或いは運転者自身が回避操作したりすれば、逸脱判断フラグFoutがONからOFFになる。
【0025】
続いてステップS24において、横変位Xに基づいて逸脱方向Doutを判定する。具体的には、車線中央から左方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにし(Dout=left)、車線中央から右方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにする(Dout=right)。
以上のようにステップS3において車線逸脱傾向を判定する。
【0026】
続いてステップS4において、運転者の車線変更の意思を判定する。具体的には、前記ステップS1で得た方向スイッチ信号及び操舵角δに基づいて、次のように運転者の車線変更の意思を判定する。
方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS3で得た逸脱方向Doutが示す方向とが同じである場合、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。すなわち、車線逸脱傾向なしとの判定結果に変更する。
【0027】
また、方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS3で得た逸脱方向Doutが示す方向とが異なる場合、逸脱判断フラグFoutを維持し、逸脱判断フラグFoutをONのままにする(Fout=ON)。すなわち、車線逸脱傾向ありとの判定結果を維持する。
また、方向指示スイッチ20が操作されていない場合には、操舵角δに基づいて運転者の車線変更の意思を判定する。すなわち、運転者が逸脱方向に操舵している場合において、その操舵角δとその操舵角の変化量(単位時間当たりの変化量)Δδとの両方が設定値以上のときには、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。
【0028】
なお、操舵トルクに基づいて運転者の意思を判定しても良い。
このように、逸脱判断フラグFoutをONである場合において運転者が意識的に車線変更していないときには、逸脱判断フラグFoutをONに維持している。
続いてステップS5において、前記ステップS4の処理の結果、逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱防止のための警報として、音出力又は表示出力をする。
【0029】
なお、後述するように、逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱防止制御として車両へのヨーモーメント付与を開始するから、同時に当該警報出力されるようになる。しかし、警報の出力タイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、前記ヨーモーメント付与の開始タイミングよりも早くしても良い。
続いてステップS6において、先行車両の走行状態予測に基づいて減速制御の実施の可否の判定を行う。ここでいう減速制御は、後述する車線逸脱防止制御として車両を減速させる減速制御である。このステップS6における判定処理は、図2のフローチャートとは独立(並行)して行われる図5の処理結果に基づいて行われる。
【0030】
先ずステップS31において、先行車両の走行状態情報を取得する。先行の走行状態情報として、ACC下でレーダ16により検出している先行車両との相対距離及び相対速度を取得する。
続いてステップS32において、追従対象車両が切り換わったか否かを判定する。例えば、ACCでは、自車レーンの前方を走行する先行車両(以下、自車レーン先行車両という。)から隣接車線を走行する他の車両(以下、隣接車線先行車両という。)に追従対象車両が切り換わった場合、切り換え信号を出力している。このようなことから、当該切り換え信号を検出した場合、追従対象車両が切り換わったと判定する。
【0031】
このステップS32にて追従対象車両が切り換わったと判定した場合、ステップS33に進み、追従対象車両が切り換わっていないと判定した場合、再び前記ステップS31からの処理を行う。すなわち、先行車両(追従対象車両)が切り換わったと判定するまで、自車レーン先行車両の走行状態情報を取得する(例えばデータを上書きし続ける)。
【0032】
ステップS33では、元の先行車両(自車レーン先行車両)の走行状態の予測演算を開始する。具体的には、前記ステップS32で取得した自車レーン先行車両の走行状態情報、すなわち追従対象車両が切り換わる直前(切り換え信号を検出する直前)の自車レーン先行車両についてACCで取得している相対距離及び相対速度から、隣接車線先行車両を追従対象車両として認識している期間中の自車レーン先行車両の走行状態として、自車両に対する自車レーン先行車両の接近度合いを判定する。例えば、相対距離が相対距離判断用しきい値よりも小さく、かつ自車両に自車レーン先行車両が接近する方向への相対速度が相対速度判断用しきい値よりも大きい場合、自車両に対して自車レーン先行車両が接近している(接近度合いが大きい)と判断する。
【0033】
なお、相対速度に基づいて相対加速度を算出して、その算出した相対加速度が相対加速度判断用しきい値よりも大きくなる場合を、自車両に対して自車レーン先行車両が接近していると判断する条件としても良い。また、追従対象車両が切り換わる直前の自車レーン先行車両について取得している相対距離及び相対速度は、それら各値について、追従対象車両が切り換わる直前の所定時間内の平均値であっても良い。
【0034】
さらに、ステップS33では、前記接近度合いの判定結果に基づいて、減速制御の実施の可否を決定する減速制御作動判断フラグFgsを設定する。具体的には、自車両に対して自車レーン先行車両が接近している場合、減速制御作動判断フラグFgsをONに設定し(Fgs=ON)、自車両に対して自車レーン先行車両が接近していない場合、減速制御作動判断フラグFgsをOFFに設定する(Fgs=OFF)。
【0035】
なお、図6に示すように、自車両と自車レーン先行車両との相対距離Lc及び相対速度ΔVに基づいて、減速制御作動判断フラグFgsを設定しても良い。すなわち、この図6によれば、例えば、相対距離Lcが小さい場合には、相対速度ΔV(自車両と自車レーン先行車両とが接近する方向の相対速度)が小さい場合でも、減速制御作動判断フラグFgsをONに設定し、相対距離Lcがある程度大きくなった場合には、当該相対距離Lcによらず、相対速度ΔVがある値よりも大きくなっていることを条件に、減速制御作動判断フラグFgsをONに設定する。
【0036】
その後、ステップS34にて所定時間経過したか否かを判定し、所定時間経過している場合、ステップS35において、先の演算結果や減速制御作動判断フラグFgsをクリアする(Fgs=0)。
続いてステップS7において、推定横変位Xsに基づいて減速制御の実施の可否の判定を行う。具体的には、推定横変位Xsから所定の横変位限界距離(逸脱傾向判定用しきい値)Xを減じて得た減算値(|Xs|−X)が減速制御判定用しきい値Xβ以上か否かを判定する。
【0037】
ここで、推定横変位Xsは、車両重心の所定時間後の横方向の推定変位である(図7参照)。具体的には、前記ステップS1で得たヨー角φ、走行車線曲率β及び現在の車両の横変位X0、及び前記ステップS2で得た車速Vを用いて、下記(3)式により推定横変位Xsを算出する。
Xs=Tt・V・(φ+Tt・V・β)+X0 ・・・(3)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、この車頭時間Ttに自車速Vを乗じると前方注視点距離になる。すなわち、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位Xsとなる。
この(3)式によれば、推定横変位Xsは、例えばヨー角φに着目した場合、ヨー角φが大きくなるほど、大きくなる。
【0038】
また、横変位限界距離Xは、一般的に車両が車線逸脱傾向にあると把握できる値であり、実験等で得る。例えば、横変位限界距離Xは、走行路の境界線の位置を示す値であり、下記(4)式により算出する(図7参照)。
=(L−H)/2 ・・・(4)
ここで、Lは車線幅であり、Hは車両の幅である。車線幅Lについては、撮像部13が撮像画像を処理することで得ている。また、ナビゲーション装置14から車両の位置を得たり、ナビゲーション装置14の地図データから車線幅Lを得たりしても良い。
また、推定横変位Xsと横変位限界距離Xとの関係から、推定横変位Xsから所定の横変位限界距離Xを減じて得た減算値(|Xs|−X)は、車線逸脱傾向を判定のための値を構成する。
【0039】
そして、減速制御判定用しきい値Xβは、走行車線曲率βに応じて設定される値であり、その関係は、例えば図8に示すようになる。この図8に示すように、走行車線曲率βが小さいときには、減速制御判定用しきい値Xβはある一定の大きい値となり、走行車線曲率βがある値より大きくなると、走行車線曲率βに対して減速制御判定用しきい値Xβは反比例の関係となり、走行車線曲率βがさらに大きくなると、減速制御判定用しきい値Xβはある一定の小さい値となる。さらに、減速制御判定用しきい値Xβは、車速Vが大きいほど、小さい値になるようにしても良い。
【0040】
そして、前記減算値(|Xs|−X)がそのように定義される減速制御判定用しきい値Xβ以上の場合(|Xs|−X≧Xβ)、減速制御を行うと決定するとともに、減速制御作動判断フラグFgsをONにして、前記減算値(|Xs|−X)が減速制御判定用しきい値Xβ未満の場合(|Xs|−X<Xβ)、減速制御を行わない決定をするとともに、減速制御作動判断フラグFgsをOFFにする。
【0041】
なお、前記ステップS6で設定した減速制御作動判断フラグFgsとの関係では、前記ステップS6の判定で減速制御作動判断フラグFgsをONに設定した場合には、当該ステップS7の判定で減速制御作動判断フラグFgsがOFFとなる場合でも、減速制御作動判断フラグFgsをONに維持する。
続いてステップS8において、車線逸脱防止制御として車両に付与する目標ヨーモーメントMsを算出する。
【0042】
具体的には、前記ステップS3で得た横変位X及びその変化量dxに基づいて下記(5)式により目標ヨーモーメントMsを算出する。
Ms=K1・X+K2・dx ・・・(5)
ここで、K1は車両諸元から決まる比例ゲインであり、K2は車速Vに応じて変動するゲインである。図9はそのゲインK2の例を示す。この図9に示すように、自車速Vが小さいときには、ゲインK2はある一定の大きい値となり、自車速Vがある値より大きくなると、自車速Vに対してゲインK2は自車速Vの増加に応じて減少する関係となり、自車速Vがさらに大きくなると、ゲインK2はある一定の小さい値となる。
この(5)式により、横変位Xが大きくなるほど、またはその変化量dxが大きくなるほど、目標ヨーモーメントMsは大きくなる。
また、目標ヨーモーメントMsは、逸脱判断フラグFoutがONの場合に算出され、目標ヨーモーメントMsは、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合に0に設定される。
【0043】
続いてステップS9において、前記ステップS6で実施の可否判定をした減速制御の減速度を算出する。すなわち、自車両を減速させる目的として左右両輪に与える制動力を算出する。ここでは、そのような制動力を左右両輪に与える目標制動液圧Pgf,Pgrとして算出する。前輪用の目標制動液圧Pgfについては下記(6)式により算出する。
Pgf=Kgv・V+Kgx・dx ・・・(6)
【0044】
ここで、Kgvは、自車速Vに応じて設定される比例ゲインであり、Kgxは、横変位Xに応じて設定される比例ゲインである。図10は比例ゲインKgvの例を示す。この図10に示すように、自車速Vが小さいときには、ゲインKgvはある一定の小さい値となり、自車速Vがある値より大きくなると、ゲインKgvと自車速Vとは比例関係となり、自車速Vがさらに大きくなると、ゲインKgvはある一定の大きい値となる。
【0045】
そして、前輪用の目標制動液圧Pgfに基づいて、前後配分を考慮した後輪用の目標制動液圧Pgrを算出する。
このようにステップS9において、車線逸脱防止用の減速度(具体的には目標制動液圧Pgf,Pgr)を得る。
続いてステップS10において、各車輪の目標制動液圧を算出する。すなわち、車線逸脱防止の制動制御の有無に基づいて最終的な制動液圧を算出する。具体的には次のように算出する。
【0046】
逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、すなわち車線逸脱傾向がないとの判定結果を得た場合、下記(7)式及び(8)式に示すように、各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動液圧Pmf,Pmrにする。
Psfl=Psfr=Pmf ・・・(7)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(8)
ここで、Pmfは前輪用の制動液圧である。また、Pmrは後輪用の制動液圧であり、前後配分を考慮して前輪用の制動液圧Pmfに基づいて算出した値になる。例えば、運転者がブレーキ操作をしていれば、制動液圧Pmf,Pmrはそのブレーキ操作の操作量に応じた値になる。
【0047】
一方、逸脱判断フラグFoutがONの場合、すなわち車線逸脱傾向があるとの判定結果を得た場合、先ず目標ヨーモーメントMsに基づいて、前輪目標制動液圧差ΔPsf及び後輪目標制動液圧差ΔPsrを算出する。具体的には、下記(9)式〜(12)式により目標制動液圧差ΔPsf,ΔPsrを算出する。
|Ms|<Ms1の場合
ΔPsf=0 ・・・(9)
ΔPsr=Kbr・Ms/T ・・・(10)
|Ms|≧Ms1の場合
ΔPsf=Kbf・(Ms/|Ms|)・(|Ms|−Ms1)/T ・・・(11)
ΔPsr=Kbr・(Ms/|Ms|)・Ms1/T ・・・(12)
ここで、Ms1は設定用しきい値を示す。また、Tはトレッドを示す。なお、このトレッドTは、簡単のため前後で同じ値にする。また、Kbf,Kbrは、制動力を制動液圧に換算する場合の前輪及び後輪についての換算係数であり、ブレーキ諸元により定まる。
【0048】
このように、目標ヨーモーメントMsの大きさに応じて車輪に発生させる制動力を配分している。そして、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1未満のときには、前輪目標制動液圧差ΔPsfを0として、後輪目標制動液圧差ΔPsrに所定値を与えて、左右後輪で制動力差を発生させ、また、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1以上のときには、各目標制動液圧差ΔPsr,ΔPsrに所定値を与え、前後左右輪で制動力差を発生させる。
【0049】
そして、以上のように算出した目標制動液圧差ΔPsf,ΔPsr及び減速用の目標制動液圧Pgf,Pgrを用いて最終的な各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。具体的には、前記ステップS7で得ている減速制御作動判断フラグFgsをも参照して、最終的な各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
【0050】
すなわち、逸脱判断フラグFoutがONの場合、すなわち車線逸脱傾向があるとの判定結果を得ているが、減速制御作動判断フラグFgsがOFFの場合、すなわち自車両へのヨーモーメント付与だけを行う場合、下記(13)式により各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
Psfl=Pmf
Psfr=Pmf+ΔPsf
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
・・・(13)
【0051】
また、逸脱判断フラグFoutがONであり、かつ減速制御作動判断フラグFgsがONの場合、すなわち自車両にヨーモーメントを付与しつつも、車両を減速させる場合、下記(14)式により各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
Psfl=Pmf+Pgf/2
Psfr=Pmf+ΔPsf+Pgf/2
Psrl=Pmr+Pgr/2
Psrr=Pmr+ΔPsr+Pgr/2
・・・(14)
また、この(13)式及び(14)式が示すように、運転者によるブレーキ操作、すなわち制動液圧Pmf,Pmrを考慮して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出している。そして、制駆動力コントロールユニット8は、このようにして算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧指令値として、制動流体圧制御部7に出力する。
【0052】
以上のような処理により次のような一連の動作となる。
先ず、各センサ等から各種データを読み込むとともに(前記ステップS1)、車速Vを算出する(前記ステップS2)。
続いて、逸脱予測時間Toutに基づいて車線逸脱傾向の判定を行い、車線逸脱傾向があるときには、逸脱判断フラグFoutをONにして、さらに逸脱方向Doutを検出して、また、車線逸脱傾向がないときには、逸脱判断フラグFoutをOFFにする(前記ステップS3)。また、逸脱判断フラグFoutをONにした場合でも、運転者の車線変更の意思を判定し、運転者に車線変更する意思がある場合、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更して、運転者に車線変更する意思がない場合、逸脱判断フラグFoutをONに維持する(前記ステップS4)。
【0053】
そして、逸脱判断フラグFoutがONの場合、警報出力する(前記ステップS5)。
一方、車線逸脱防止制御として車両を減速させる減速制御を行うか否かを判定する(前記ステップS6、ステップS7)。すなわち、先ず、先行車両の走行状態予測に基づいて判定をいる(前記ステップS6)。これにより、隣接車線先行車両を追従対象車両として認識している期間中の自車レーン先行車が自車両の接近している場合、減速制御作動判断フラグFgsをONにして、接近していない場合、減速制御作動判断フラグFgsをOFFにする。
【0054】
続いて、推定横変位Xsに基づいて判定をする(前記ステップS7)。ここでは、前記減算値(|Xs|−X)が減速制御判定用しきい値Xβ以上の場合(|Xs|−X≧Xβ)、減速制御作動判断フラグFgsをONにして、前記減算値(|Xs|−X)が減速制御判定用しきい値Xβ未満の場合(|Xs|−X<Xβ)、減速制御を行わない決定をするとともに、減速制御作動判断フラグFgsをOFFにする。
【0055】
また、先行車両の走行状態予測に基づく判定(前記ステップS6)で減速制御作動判断フラグFgsをONに設定した場合には、推定横変位Xsに基づく判定(前記ステップS7)で減速制御作動判断フラグFgsがOFFとなる場合でも、減速制御作動判断フラグFgsをONに維持する。
そして、減速制御作動判断フラグFgsがONの場合、減速制御の減速度を算出する(前記ステップS9)。一方、車線逸脱防止制御として自車両に付与する目標ヨーモーメントMsを算出する(前記ステップS8)。
【0056】
そして、逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱防止制御として自車両に前記目標ヨーモーメントMsが付与されるように、車輪に制動力を発生させ、減速制御作動判断フラグFgsがONの場合、車線逸脱防止制御として自車両が減速するように、車輪に制動力を発生させる(前記ステップS10)。これにより、車線逸脱傾向がある場合、自車両にヨーモーメントが付与され、さらに場合によっては、自車両が減速するようになる。
【0057】
ここで、図11を用いて、前述した処理により実現される車両動作を説明する。
ACCが自車レーン先行車両101を追従対象車両と認識して自車両100を追従制御している場合において(同図(a))、自車両100の隣接車線方向へのヨー角が大きくなると、隣接車線先行車両102を自車両100のACCのレーダ16が認識するようになり、ACCによる追従対象車両が自車レーン先行車両101から隣接車線先行車両102に切り換わる(同図(b))。
【0058】
例えば、このような切り換わりは、自車レーン先行車両101が走行車線内を、隣接車線先行車両102から遠くなる側(車線逸脱回避側)に寄って走行していたり、隣接車線先行車両102が隣接車線内で自車レーン寄りに走行していたりする場合に発生する。
そして、このように切り換わりが発生する直前に、自車両100では、自車レーン先行車両101の走行状態情報として、自車レーン先行車両101との相対距離及び相対速度等を取得する。そして、そのような自車レーン先行車両101の走行状態情報に基づいて、隣接車線先行車両102を追従対象車両として認識している期間中の自車両100と自車レーン先行車両101との接近度合いを判定する。ここで、同図(b)の点線の示す自車レーン先行車両101のように、自車レーン先行車両101が自車両100に接近している場合、減速制御作動判断フラグFgsをONにする。
【0059】
そして、自車両100の隣接車線方向へのヨー角が大きくなることで、自車両100が車線逸脱傾向があるとされると(Fout=ON)、車線逸脱防止制御としてヨーモーメントが自車両100に付与されるようになる。また、自車レーン先行車両101が自車両100に接近している場合には、減速制御作動判断フラグFgがONになっていることで、車線逸脱防止制御のために本来実施する減速制御が作動するようになる。
これにより、ACCが隣接車線先行車両102を追従対象車両として認識している期間中に自車レーン先行車両101が自車両100に接近している場合でも、車線逸脱防止制御による逸脱防止直後に自車両100が自車レーン先行車両101に接近してしまうのを防止できる(同図(c))。
【0060】
なお、前述したように、車線逸脱防止制御のための減速制御は、減算値(|Xs|−X)が減速制御判定用しきい値Xβ以上の場合(|Xs|−X≧Xβ)、減速制御作動判断フラグFgがONになることで、本来実施されるものであるので(前記ステップS7参照)、前記接近防止の効果は、減算値(|Xs|−X)が減速制御判定用しきい値Xβ未満であり(|Xs|−X<Xβ)、減速制御作動判断フラグFgがOFFになっているが、一方で、逸脱予測時間Toutに基づいて車線逸脱傾向ありと判定したことで(Fout=ON)、自車両にヨーモーメントが付与されるような場面で特に発揮されるのである。
【0061】
また、隣接車線先行車両102が自車レーン先行車両101よりも速度が大きい場合に、隣接車線先行車両102が追従対象車両に切り換わると、当該隣接車線先行車両102に追従制御することで自車両100が加速してしまうこともあり、このような場合には、逸脱防止後に自車両100と自車レーン先行車両101とが接近してしまう。前記接近防止の効果は、このような場面にも発揮される。
【0062】
以上、本発明の実施形態を説明した。しかし、本発明は、前記実施形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前記実施形態では、自車レーン先行車両から隣接車線先行車両に追従対象車両が切り換わることを前提にしているが、追従対象車両である自車レーン先行車両を単に見失うロストの場合にも本発明を適用できる。
【0063】
また、前記実施形態では、逸脱防止後に自車両に先行車両が接近すると予測した場合、車線逸脱防止制御として自車両を減速させる減速制御(前記(6)式を用いた減速制御)を実施する場合を説明した。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、逸脱防止後に自車両に先行車両が接近すると予測した場合、(6)式とは別に算出した減速成分に基づいて自車両を減速する制御であっても良い。例えば、通常は、逸脱回避側の車輪に制動力を与えて、自車両にヨーモーメントを付与しているところを、逸脱防止後に自車両に先行車両が接近すると予測した場合、先行車両との接近度合いに応じてスロットルを全閉したり、変速機をシフトダウンしたりすることで、自車両にヨーモーメントを付与しつつ自車両を減速させるようにする。
また、前記実施形態では、ACCによる追従制御により自車両が先行車両に追従している場合を説明した。しかし、これに限定されるものではない。例えば、運転者が運転操作して、自車両を先行車両に追従させている状態にある場合でも、本発明を適用することができる。
【0064】
なお、前記実施形態の説明において、制駆動力コントロールユニット8によるステップS31及びステップS32の処理は、先行車両検出手段が検出する自車レーンの前方を走行する先行車両の走行状態情報を記憶する走行状態情報記憶手段を実現しており、制駆動力コントロールユニット8によるステップS33における元の先行車両の走行状態の予測演算処理は、前記先行車両検出手段が前記自車レーンの前方を走行する先行車両を検出できなくなった場合、前記走行状態情報記憶手段が記憶されている前記走行状態情報に基づいて、前記車線逸脱防止制御による逸脱防止後の自車両への先行車両の接近を予測する接近予測手段を実現しており、制駆動力コントロールユニット8によるステップS33における接近度合いの判定結果に基づく減速制御作動判断フラグFgsの設定は、前記接近予測手段が前記接近を予測した場合、前記車線逸脱防止制御で自車両に付与する減速成分を大きくする補正をする減速成分補正手段を実現している。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の車両の走行制御装置を搭載した車両の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】前記車両の走行制御装置を構成するコントロールユニットの処理内容を示すフローチャートである。
【図3】前記コントロールユニットによる車線逸脱傾向の判定の処理内容を示すフローチャートである。
【図4】X,dx,Lの値の説明に使用した図である。
【図5】前記コントロールユニットによる減速制御の実施の可否の判定の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】相対距離Lc及び相対速度ΔVに基づいて減速制御作動判断フラグFgsを設定するのに使用する特性図である。
【図7】推定横変位Xsや逸脱傾向判定用しきい値Xの説明に使用した図である。
【図8】走行車線曲率βと減速制御判定用しきい値Xβとの関係を示す特性図である。
【図9】車速VとゲインK2との関係を示す特性図である。
【図10】車速VとゲインKgvとの関係を示す特性図である。
【図11】本発明により実現される自車両の動作の説明に使用した図である。
【符号の説明】
【0066】
6FL〜6RR ホイールシリンダ
7 制動流体圧制御部
8 制駆動力コントロールユニット
9 エンジン
12 駆動トルクコントロールユニット
13 撮像部
14 ナビゲーション装置
16 レーダ
17 マスタシリンダ圧センサ
18 アクセル開度センサ
19 操舵角センサ
22FL〜22RR 車輪速度センサ




 

 


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