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発明の名称 ハイブリッド変速機のモード遷移制御方法及びハイブリッド変速機のモード遷移制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1443(P2007−1443A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−184226(P2005−184226)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
発明者 相澤 武男
要約 課題
High-iVTモードからLow-iVTモードへの遷移時に、運転者に違和感を与えることなく走行モードを遷移可能なハイブリッド変速機のモード遷移制御技術を提供すること。

解決手段
ハイブリッド変速機のモード遷移制御装置において、High-iVTモードからLow-iVTモードへの遷移前後のエンジン出力変化を推定するエンジン出力変化推定手段と、エンジン出力変化推定手段によりエンジン出力変化が所定値以上のときは、第1モード遷移プロセスを選択し、所定値未満のときは、第2モード遷移プロセスを選択するモード遷移制御方法選択手段とを設けた。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1遊星歯車と、第2遊星歯車と、第3遊星歯車から構成され、エンジンと、第1モータジェネレータと、第2モータジェネレータと、出力軸の各入出力要素が連結される遊星歯車列であって、前記第1遊星歯車のサンギヤとキャリヤ間を締結するハイクラッチと、前記キャリヤを固定するローブレーキとを有するハイブリッド変速機と、
前記ハイクラッチを締結し無段変速比モードを達成するHigh-iVTモードと、前記ローブレーキを締結し無段変速比モードを達成するLow-iVTモードとを有し、走行状態に基づいて走行モードを遷移させる走行モード遷移制御手段と、
を備えたハイブリッド変速機のモード遷移制御方法において、
前記走行モード遷移手段により前記High-iVTモードから前記Low-iVTモードに遷移するときは、前記ハイクラッチを解放し、前記第1モータジェネレータ及び/又は前記第2モータジェネレータにより前記キャリヤの回転数を所定回転数以下に低下させ、前記ローブレーキを締結する第1モード遷移プロセスを経ることを特徴とするハイブリッド変速機のモード遷移制御方法。
【請求項2】
第1遊星歯車と、第2遊星歯車と、第3遊星歯車から構成され、エンジンと、第1モータジェネレータと、第2モータジェネレータと、出力軸の各入出力要素が連結される遊星歯車列であって、前記第1遊星歯車のサンギヤとキャリヤ間を締結するハイクラッチと、前記キャリヤを固定するローブレーキとを有するハイブリッド変速機と、
前記ハイクラッチを締結し無段変速比モードを達成するHigh-iVTモードと、前記ローブレーキを締結し無段変速比モードを達成するLow-iVTモードとを有し、走行状態に基づいて走行モードを遷移させる走行モード遷移制御手段と、
を備えたハイブリッド変速機のモード遷移方法において、
前記走行モード遷移手段により前記High-iVTモードから前記Low-iVTモードに遷移するときは、前記第1モータジェネレータ及び/又は前記第2モータジェネレータにより前記キャリヤの回転数を所定回転数以下に低下させ、前記ローブレーキを締結し、前記ハイクラッチを解放する第2モード遷移プロセスを経ることを特徴とするハイブリッド変速機のモード遷移制御方法。
【請求項3】
第1遊星歯車と、第2遊星歯車と、第3遊星歯車から構成され、エンジンと、第1モータジェネレータと、第2モータジェネレータと、出力軸の各入出力要素が連結される遊星歯車列であって、前記第1遊星歯車のサンギヤとキャリヤ間を締結するハイクラッチと、前記キャリヤを固定するローブレーキとを有するハイブリッド変速機と、
前記ハイクラッチを締結し無段変速比モードを達成するHigh-iVTモードと、前記ローブレーキを締結し無段変速比モードを達成するLow-iVTモードとを有し、走行状態に基づいて走行モードを遷移させる走行モード遷移手段と、
を備えたハイブリッド変速機のモード遷移制御装置において、
前記High-iVTモードから前記Low-iVTモードへの遷移前後のエンジン出力変化を推定するエンジン出力変化推定手段と、
前記エンジン出力変化推定手段によりエンジン出力変化が所定値以上のときは、請求項1に記載の前記第1モード遷移プロセスを選択し、所定値未満のときは、請求項2に記載の前記第2モード遷移プロセスを選択するモード遷移制御方法選択手段と、
を設けたことを特徴とするハイブリッド変速機のモード遷移制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪または後輪をハイブリッド変速機を経過した駆動力により駆動するハイブリッド変速機のモード遷移制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1つのエンジンと2つの第1モータジェネレータと第2モータジェネレータを動力源とする差動歯車変速機によるハイブリッド車両が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車両にあっては、比較的高速低負荷時に無段変速比モードを達成するHigh-iVTモードと、比較的低速高負荷時に無段変速比モードを達成するLow-iVTモードを備え、走行状況に応じて適宜両モードを選択することで、動力性能の向上を図ると共に、燃費の向上を図っている。
【特許文献1】特開2004−150627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術にあっては、High-iVTモードで走行時に要求駆動力が高まり、Low-iVTモードへ遷移する際、遷移過程を具体的に設定していないため、遷移する際の走行条件によっては、駆動力が抜けや、遷移時間の遅延による駆動力立ち上がりの遅れが発生し、運転者に違和感を与える虞があった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、High-iVTモードからLow-iVTモードへの遷移時に、運転者に違和感を与えることなく走行モードを遷移可能なハイブリッド変速機のモード遷移制御技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド変速機のモード遷移制御方法では、第1遊星歯車と、第2遊星歯車と、第3遊星歯車から構成され、エンジンと、第1モータジェネレータと、第2モータジェネレータと、出力軸の各入出力要素が連結される遊星歯車列であって、前記第1遊星歯車のサンギヤとキャリヤ間を締結するハイクラッチと、前記キャリヤを固定するローブレーキとを有するハイブリッド変速機と、前記ハイクラッチを締結し無段変速比モードを達成するHigh-iVTモードと、前記ローブレーキを締結し無段変速比モードを達成するLow-iVTモードとを有し、走行状態に基づいて走行モードを遷移させる走行モード遷移制御手段と、を備えたハイブリッド変速機のモード遷移制御方法において、前記走行モード遷移手段により前記High-iVTモードから前記Low-iVTモードに遷移するときは、前記ハイクラッチを解放し、前記第1モータジェネレータ及び/又は前記第2モータジェネレータにより前記キャリヤの回転数を所定回転数以下に低下させ、前記ローブレーキを締結する第1モード遷移プロセスを経ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明のハイブリッド変速機のモード遷移制御方法にあっては、ハイクラッチを解放してからモード遷移を行うため、サンギヤの回転数を素早く低下させることが可能となり、速やかなモード遷移を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
[ハイブリッド変速機の駆動系]
図1は実施例1のハイブリッド変速機のモード遷移制御装置が適用されたハイブリッド変速機を示す全体システム図である。
【0009】
実施例1におけるハイブリッド変速機の駆動系は、図1に示すように、動力源として、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1と、第2モータジェネレータMG2と、を有する。これらの動力源E,MG1,MG2と出力軸OUT(出力部材)とが連結される差動歯車変速機は、第1遊星歯車PG1と、第2遊星歯車PG2と、第3遊星歯車PG3と、エンジンクラッチECと、ローブレーキLB(係合要素)と、ハイクラッチHC(係合要素)と、ハイローブレーキHLB(係合要素)と、を有する。
【0010】
前記差動歯車変速機を構成する第1遊星歯車PG1と第2遊星歯車PG2と第3遊星歯車PG3は、何れもシングルピニオン型遊星歯車である。前記第1遊星歯車PG1は、第1サンギアS1と、第1ピニオンP1を支持する第1ピニオンキャリアPC1と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギアR1と、によって構成されている。前記第2遊星歯車PG2は、第2サンギアS2と、第2ピニオンP2を支持する第2ピニオンキャリアPC2と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギアR2と、によって構成されている。前記第3遊星歯車PG3は、第3サンギアS3と、第3ピニオンP3を支持する第3ピニオンキャリアPC3と、第3ピニオンP3に噛み合う第3リングギアR3と、によって構成されている。
【0011】
前記第1サンギアS1と前記第2サンギアS2とは第1回転メンバM1により直結され、前記第1リングギアR1と第3サンギアS3とは第2回転メンバM2により直結され、前記第2ピニオンキャリアPC2と前記第3リングギアR3とは第3回転メンバM3により直結される。したがって、3組の遊星歯車PG1,PG2,PG3は、第1回転メンバM1と第2回転メンバM2と第3回転メンバM3と第1ピニオンキャリアPC1と第2リングギアR2と第3ピニオンキャリアPC3との6つの回転要素を有する。
【0012】
前記差動歯車変速機の6つの回転要素に対する動力源E,MG1,MG2と出力軸OUTとエンジンクラッチECと各係合要素LB,HC,HLBの連結関係について説明する。なお、第2回転メンバM2については、これらの何れにも連結されないフリーの状態であり、残りの5つの回転要素が、下記のように連結される。
【0013】
前記エンジンEのエンジン出力軸は、エンジンクラッチECを介して第3回転メンバM3に連結される。つまり、エンジンクラッチECの締結時には、第3回転メンバM3を介して第2ピニオンキャリアPC2と第3リングギアR3をエンジン回転数にする。
【0014】
前記第1モータジェネレータMG1の第1モータジェネレータ出力軸は、第2リングギアR2に直結される。また、第1モータジェネレータ出力軸と変速機ケースTCとの間には、ハイローブレーキHLBが介装される。つまり、ハイローブレーキHLBの解放時には、第2リングギアR2を第1モータジェネレータMG1の回転数にする。また、ハイローブレーキHLBの締結時には、第2リングギアR2と第1モータジェネレータMG1の回転を停止する。
【0015】
前記第2モータジェネレータMG2の第2モータジェネレータ出力軸は、第1回転メンバM1に直結される。また、第2モータジェネレータ出力軸と第1ピニオンキャリアPC1との間には、ハイクラッチHCが介装され、第1ピニオンキャリアPC1と変速機ケースTCとの間には、ローブレーキLBが介装される。つまり、ローブレーキLBのみの締結時には、第1ピニオンキャリアPC1を停止し、ハイクラッチHCのみの締結時には、第1サンギアS1と第2サンギアS2と第1ピニオンキャリアPC1とを第2モータジェネレータMG2の回転数にする。さらに、ローブレーキLBとハイクラッチHCの締結時には、第1サンギアS1と第2サンギアS2と第1ピニオンキャリアPC1とを停止する。
【0016】
前記出力軸OUTは、第3ピニオンキャリアPC3に直結されている。なお、出力軸OUTからは、図外のフロントディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の後輪16に駆動力が伝達される。一方、左右前輪17の駆動部には、第3モータMG3が設けられ、第3モータMG3からの駆動力は、減速歯車やクラッチやリヤディファレンシャルやドライブシャフトを介して、左右前輪17へ伝達される。つまり、後輪駆動ベースであって、バッテリ4の余剰電力により駆動される第3モータMG3により前輪を駆動するモータ四輪駆動車としている。
【0017】
これにより、図4及び図5に示すように、共線図上において、第1モータジェネレータMG1(R2)、エンジンE(PC2,R3)、出力軸OUT(PC3)、第2モータジェネレータMG2(S1,S2,PC1)の回転速度順にてあらわされ、遊星歯車列の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデルを導入することができる。
【0018】
ここで、「共線図」とは、差動歯車のギア比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸にリングギア、キャリア、サンギア等の各回転要素をとり、各回転要素の間隔をサンギアとリングギアの歯数比(α,β,δ)になるように配置したものである。ちなみに、図4(a)に示す(1)は第1遊星歯車PG1の共線図であり、(2)は第2遊星歯車PG2の共線図であり、(3)は第3遊星歯車PG3の共線図である。
【0019】
前記エンジンクラッチECは、油圧により締結され多板摩擦クラッチであり、図4及び図5の共線図上において、エンジンEとの回転速度軸と一致する位置に配置され、締結によりエンジンEの回転とトルクを差動歯車変速機のエンジン入力回転要素である第3回転メンバM3に入力する。
【0020】
前記ローブレーキLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図4及び図5の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸より外側位置に配置され、締結により図4の(a),(b)及び図5の(a),(b)に示すようにロー側変速比を分担するロー側変速比モードを実現する。
【0021】
前記ハイクラッチHCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図4及び図5の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸と一致する位置に配置され、締結により図4の(d),(e)及び図5の(d),(e)に示すようにハイ側変速比を分担するハイ側変速比モードを実現する。
【0022】
前記ハイローブレーキHLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図3及び図4の共線図上において、第1モータジェネレータMG1の回転速度軸と一致する位置に配置され、ローブレーキLBと共に締結することにより変速比をアンダードライブ側のロー変速比に固定し、ハイクラッチHCと共に締結することにより変速比をオーバードライブ側のハイ変速比に固定する。
【0023】
[ハイブリッド変速機の制御系]
【0024】
実施例1のハイブリッド変速機における制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、を有して構成されている。
【0025】
前記エンジンコントローラ1は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APとエンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neを入力する統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(以下、「動作点」とは回転数とトルクにより特定される動作の点をいう。)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。
【0026】
前記モータコントローラ2は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ10,11からのモータジェネレータ回転数N1,N2を入力する統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1の動作点と、第2モータジェネレータMG2の動作点と、をそれぞれ独立に制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、モータコントローラ2から統合コントローラ6へは、バッテリ充電状態(以下、「バッテリS.O.C(state of charge)」という。)を示す情報がもたらされる(バッテリ充電状態検出手段)。
【0027】
前記インバータ3は、それぞれ電力線を介し、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2と第3モータMG3のステータコイルに接続され、モータコントローラ2からの指令により、それぞれの駆動電流を作り出す。このインバータ3には、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ4が接続されている。
【0028】
前記油圧制御装置5は、統合コントローラ6からの油圧指令を受け、エンジンクラッチECと、ローブレーキLBと、ハイクラッチHCと、ハイローブレーキHLBと、の締結油圧制御及び解放油圧制御を行う。
【0029】
前記統合コントローラ6は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APと、車速センサ8からの車速VSPと、エンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neと、第1モータジェネレータ回転数センサ10からの第1モータジェネレータ回転数N1と、第2モータジェネレータ回転数センサ11からの第2モータジェネレータ回転数N2と、バッテリS.O.C等の情報を入力し、所定の演算処理を行う。そして、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、油圧制御装置5に対し演算処理結果にしたがって制御指令を出力する。
【0030】
なお、統合コントローラ6とエンジンコントローラ1、および、統合コントローラ6とモータコントローラ2とは、情報交換のためにそれぞれ双方向通信線14,15により接続されている。
【0031】
[走行モード]
【0032】
実施例1のハイブリッド変速機は、変速機の出力軸OUTをエンジン出力軸と同軸上に一致させることができることから、FF車(フロントエンジン・フロントドライブ車)に限らず、FR車(フロントエンジン・リヤドライブ車)に搭載できる。また、無段変速比モードとして1つのモードで常用変速比域をカバーするのではなく、ロー側の無段変速比モードとハイ側の無段変速比モードとに分担して常用変速比域をカバーするようにしているため、2つのモータジェネレータMG1,MG2の出力分担率は、エンジンEが発生する出力の約20%以下に抑えることができるという特徴を持つ。
【0033】
走行モードとしては、図2に示すように、ロー固定変速比モード(以下、「Lowモード」という。)と、ロー側無段変速比モード(以下、「Low-iVTモード」という。)と、2速固定モード(以下、「2ndモード」という。)と、ハイ側無段変速比モード(以下、「High-iVTモード」という。)と、ハイ固定変速比モード(以下、「Highモード」という。)と、の5つの走行モードを有する。
【0034】
そして、図2に示すように、前記Lowモードは、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを締結することで得られる。前記Low-iVTモードは、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られる。前記2ndモードは、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られる。前記High-iVTモードは、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られる。前記Highモードは、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを締結することで得られる。
【0035】
これら5つの走行モードについては、エンジンEを用いないで両モータージェネレータMG1,MG2のみで走行する電気走行モード(以下、「EVモード」という。)と、エンジンEと両モータージェネレータMG1,MG2を用いて走行するハイブリッド走行モード(以下、「HEVモード」という。)とに分けられる。よって、図3に示すように、EVモードとHEVモードとを合わせると10の走行モードが実現されることになる。図4にEVモード関連のEV-Lowモードの共線図、EV-Low-iVTモードの共線図、EV-2ndモードの共線図、EV-High-iVTモードの共線図、EV-Highモードの共線図をそれぞれ示す。図5にHEVモード関連のHEV-Lowモードの共線図、HEV-Low-iVTモード(高駆動力走行モード)の共線図、HEV-2ndモードの共線図、HEV-High-iVTモードの共線図、HEV-Highモードの共線図をそれぞれ示す。
【0036】
ここで、アクセル開度APと車速VSPとバッテリS.O.Cによる三次元空間に、前記10の走行モードを割り振った走行モードマップが予め設定されていて、車両の停止時や走行時には、アクセル開度APと車速VSPとバッテリS.O.Cの検出値により走行モードマップが検索され、アクセル開度APと車速VSPにより決まる車両の運転点やバッテリ充電量に応じた最適な走行モードマップが選択される。
【0037】
前記走行モードマップの選択により、「EVモード」と「HEVモード」との間においてモード遷移を行う場合には、エンジン始動やエンジン停止を要することに伴い、エンジンクラッチECの締結制御やエンジンクラッチECの解放制御、あるいは、これに加え、クラッチ・ブレーキ等の係合要素の締結・解放制御が実行される。また、「EVモード」の5つのモード間でのモード遷移や「HEVモード」の5つのモード間でのモード遷移を行う場合には、クラッチ・ブレーキ等の係合要素の締結・解放制御が実行される。これらのモード遷移制御は、動作点の受け渡しが円滑に行われるように、決められた手順にしたがったシーケンス制御により行われる。
【0038】
次に、作用を説明する。
【0039】
[モード遷移制御処理]
図6は実施例1の統合コントローラ6により実行されるモード遷移制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップについて説明する。この処理は、HEV-High-iVTモードからHEV-Low-iVTモードへの遷移時に開始される。
【0040】
ステップ101では、High-iVTモードからLow-iVTモードへの遷移が確定したかどうかを判断し、確定したときはステップ102へ進み、それ以外のときは本制御フローを終了する。
【0041】
ステップ102では、アクセル開度AP及び車速VSPから運転者の要求駆動力を達成する目標エンジン出力Pe0を演算する。尚、エンジン出力とは、エンジン回転数とエンジントルクの積に比例するエネルギを表し、エンジン出力が高いと燃料消費量が多く、エンジン出力が低いと燃料消費量が少ない。
【0042】
ステップ103では、現在のエンジン出力Pe1を演算する。
【0043】
ステップ104では、目標エンジン出力Pe0と現在のエンジン出力Pe1の差(エンジン出力変化量)が所定値Peよりも大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ105へ進み、それ以外のときはステップ106へ進む。尚、所定値Peとは、例えばステップ式の自動変速機におけるキックダウン制御のように、ダウンシフトにより出力応答を確保する場合なのか、変速比を維持したまま徐々に出力応答を確保する場合なのかを判断する閾値である。
【0044】
ステップ105では、モード遷移プロセス1を選択する。尚、モード遷移プロセス1については後述する。
【0045】
ステップ106では、モード遷移プロセス2を選択する。尚、モード遷移プロセス2については後述する。
【0046】
[モード遷移制御の作用]
次に、上述のモード遷移制御処理の作用について説明する。まず、モード遷移プロセス1とモード遷移プロセス2について図7,8の共線図のタイムチャートに基づいて説明する。
【0047】
(モード遷移プロセス1について)
図7はモード遷移プロセス1を表す共線図である。まず、図7(a)に示すHigh-iVTモードからLow-iVTモードに遷移するときは、ハイクラッチHCを解放する。すると、第1遊星歯車にPG1において、第2モータジェネレータMG2からは第1サンギヤS1にのみ動力が伝達され、第1ピニオンキャリヤPC1への動力伝達が無くなり、同時に第1リングギヤR1の動力伝達も無くなる。
【0048】
次に、図7(b)に示すように、出力軸OUTが接続された第3遊星歯車PG3においてエンジントルクの反力が十分に得られず、エンジン回転数が上昇し、出力軸回転数は急変しないため一定と考えると、第3リングギヤR3の回転数が急低下する。これに伴い、第1リングギヤの回転数も急低下すると共に第1サンギヤS1の回転数が急上昇する。
【0049】
次に、第1リングギヤR1の回転数が急低下すると、第1ピニオンキャリヤPC1の回転数がローブレーキLBを締結可能な所定回転数以下に低下するため、図7(c)に示すように、ローブレーキLBを締結しLow-iVTモードへの遷移が終了する。上述したように、モード遷移プロセス1では、遷移中に第3遊星歯車PG3の反力が無くなるため駆動力が一端低下するものの、第1モータジェネレータMG1や第2モータジェネレータMG2やエンジンEの回転数変化が少なく、素早くモード遷移が達成されることが分かる。
【0050】
(モード遷移プロセス2について)
図8はモード遷移プロセス2を表す共線図である。まず、図8(a)に示すHigh-iVTモードからLow-iVTモードに遷移するときは、第1モータジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2により第1ピニオンキャリヤPC1の回転数を所定回転数以下に低下させる。このとき、ハイクラッチHCは締結したままであるため、第1遊星歯車PG1及び第3遊星歯車PG3の反力が抜けることがなく、出力軸トルクも低下することがない。
【0051】
次に、図8(b)に示すように、第1ピニオンキャリヤPC1の回転数が所定回転数以下に低下すると、ローブレーキLBを締結する。すなわち、一旦、2ndモードに遷移させることとなる。次に、ハイクラッチHCを解放すると、第2モータジェネレータMG2の回転数を上昇させることが可能となり、Low-iVTモードへの遷移が完了する。上述したように、モード遷移プロセス2では、第1モータジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2の回転数変化が大きいため遷移に時間がかかるものの、途中で駆動力が低下することなくモード遷移が達成されることが分かる。
【0052】
(モード遷移プロセス選択時の作用)
運転者のアクセルペダル操作によりHigh-iVTモードからLow-iVTモードへの遷移が確定すると、遷移前後のエンジン出力変化を推定する。具体的には、目標エンジン出力Pe0と現在のエンジン出力Pe1との差(エンジン出力変化量)を演算する。
【0053】
このエンジン出力変化量が所定値Pe以上のときは、モード遷移プロセス1を選択する。すなわち、運転者がアクセルペダルを一気に踏み込むような操作をした場合、応答性の高い駆動力要求がある。このときは、徐々に駆動力が高まるような制御をすると、運転者にとっては応答遅れのような違和感が高い。そこで、より高い駆動力を出力可能なLow-iVTモードへ素早く遷移し、遷移後に高い駆動力を出力することで、運転者に違和感を与えることなく制御できる。
【0054】
一方、エンジン出力変化量が所定値Pe未満のときは、モード遷移プロセス2を選択する。すなわち、運転者がアクセルペダルを徐々に踏み込むような操作をした場合、徐々に加速したいといった要求がある。このときは、駆動力が抜けるような作用があると、運転者にとっては違和感が高い。そこで、遷移時間がかかったとしても、駆動力を与え続けることが可能なように、2ndモードへ一旦遷移した後、Low-iVTモードに遷移することで、運転者に違和感を与えることなく制御できる。
【0055】
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。例えば、実施例1ではHEVモードの変速について説明したが、EVモードの変速時でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1のハイブリッド変速機のを示す全体システム図である。
【図2】実施例1のハイブリッド変速機において各走行モードでの3つの係合要素の締結・解放状態を示す図である。
【図3】実施例1のハイブリッド変速機において電気自動車モードでの5つの走行モードとハイブリッド車モードでの5つの走行モードでのエンジン・エンジンクラッチ・モータジェネレータ・ローブレーキ・ハイクラッチ・ハイローブレーキの各作動表を示す図である。
【図4】実施例1のハイブリッド変速機において電気自動車モードでの5つの走行モードを示す共線図である。
【図5】実施例1のハイブリッド変速機においてハイブリッド車モードでの5つの走行モードを示す共線図である。
【図6】実施例1の統合コントローラにより実行されるモード遷移制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施例1の統合コントローラにより選択されるHigh-iVTモードからLow-iVTモードへのモード遷移プロセス1を選択した場合の共線図を表すタイムチャートである。
【図8】実施例1の統合コントローラにより選択されるHigh-iVTモードからLow-iVTモードへのモード遷移プロセス1を選択した場合の共線図を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0057】
E エンジン
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ
MG3 第3モータ
OUT 出力軸(出力部材)
PG1 第1遊星歯車
PG2 第2遊星歯車
PG3 第3遊星歯車
EC エンジンクラッチ
LB ローブレーキ(係合要素)
HC ハイクラッチ(係合要素)
HLB ハイローブレーキ(係合要素)
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ




 

 


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