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車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - 日産自動車株式会社
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発明の名称 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1402(P2007−1402A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182980(P2005−182980)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
発明者 小森 賢二 / 山村 智弘 / 久家 伸友 / 近藤 崇之
要約 課題

自車両の走行状態や運転者の運転操作集中度も考慮して、運転者の感覚に合った反力制御を行う車両用運転操作補助装置を提供する。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも、自車両周囲に存在する障害物と自車両との距離と、自車速とを検出する走行状況検出手段と、
前記走行状況検出手段からの信号に基づいて、前記自車両と前記障害物との接近度合を示す物理量であるリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
前記自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
運転者が前記自車両の運転操作にどれほど集中しているかを表す運転操作集中度を算出する運転操作集中度算出手段と、
前記リスクポテンシャル算出手段で算出された前記リスクポテンシャル、前記走行状態検出手段で検出される前記自車両の走行状態、および前記運転操作集中度算出手段で算出される前記運転操作集中度を運転者に報知する報知手段とを備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記報知手段は、前記運転者が前記自車両を運転操作するための運転操作機器に発生する操作反力を介して運転者への報知を行う操作反力発生手段であり、
前記自車両の走行状態および前記運転操作集中度の少なくともいずれかに基づいて、前記リスクポテンシャルを補正するリスクポテンシャル補正手段と、
前記リスクポテンシャル補正手段で補正されたリスクポテンシャルに基づいて、前記運転操作機器に発生させる前記操作反力を算出する操作反力算出手段とをさらに備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記報知手段は、前記運転者が前記自車両を運転操作するための運転操作機器に発生する操作反力を介して運転者への報知を行う操作反力発生手段であり、
前記リスクポテンシャル算出手段で算出された前記リスクポテンシャルに基づいて、前記運転操作機器に発生させる前記操作反力を算出する操作反力算出手段と、
前記自車両の走行状態および前記運転操作集中度の少なくともいずれかに基づいて、前記操作反力算出手段で算出される前記操作反力を補正する操作反力補正手段とをさらに備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記運転操作集中度算出手段は、前記自車両に搭載されたナビゲーション装置、ハンズフリー装置、オーディオ装置および音声認識装置の少なくともいずれかの操作状態もしくは動作状態に基づいて、前記運転操作集中度を判定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記走行状態検出手段は、前記自車両の走行状態として、前記自車両に搭載されたナビゲーション装置から得られる前記自車両が走行する道路の道路状況、車両情報集約装置で検出される前記自車両の車両情報、およびETC装置の作動状態の少なくともいずれかを検出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項6】
請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記運転操作集中度算出手段は、前記自車両に搭載されたナビゲーション装置、ハンズフリー装置、オーディオ装置および音声認識装置の少なくともいずれかの操作状態もしくは動作状態に基づいて、前記運転操作集中度を判定し、
前記リスクポテンシャル補正手段は、前記運転操作集中度が低いほど大きくなる補正係数を設定し、前記補正係数を前記リスクポテンシャルに乗算することにより前記リスクポテンシャルを補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項7】
請求項3に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記運転操作集中度算出手段は、前記自車両に搭載されたナビゲーション装置、ハンズフリー装置、オーディオ装置および音声認識装置の少なくともいずれかの操作状態もしくは動作状態に基づいて、前記運転操作集中度を判定し、
前記操作反力補正手段は、前記運転操作集中度が低いほど大きくなる補正係数を設定し、前記補正係数を前記操作反力に乗算することにより前記操作反力を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項8】
請求項4、請求項6および請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記運転操作集中度算出手段は、前記ナビゲーション装置または前記オーディオ装置の所定時間あたりの運転者によるスイッチ操作回数、またはスイッチ操作時間を検出し、前記スイッチ回数が多いほど、または前記スイッチ操作時間が長いほど前記運転操作集中度が低いと判定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項9】
請求項4、請求項6および請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記運転操作集中度算出手段は、前記音声認識装置による音声認識操作を検出し、音声認識操作中は、音声認識操作が行われていない場合に比べて前記運転操作集中度が低いと判定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項10】
請求項4、請求項6および請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記運転操作集中度算出手段は、前記ハンズフリー装置を利用したハンズフリーフォン通話、情報センターからの情報または電子メールの着信動作、および前記情報または前記電子メールの音声による自動読み上げ動作の少なくともいずれかを検出し、前記ハンズフリーフォン通話、前記着信動作、または前記自動読み上げ動作が行われている場合は、これらの動作が行われていない場合に比べて前記運転操作集中度が低いと判定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項11】
請求項4、請求項6および請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記運転操作集中度算出手段は、前記オーディオ装置で再生している音楽の音量もしくはテンポを検出し、前記音楽の音量が大きいほど、または前記テンポが速いほど、前記運転操作集中度が低いと判定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項12】
請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記走行状態検出手段は、前記自車両の走行状態として、前記自車両に搭載されたナビゲーション装置から前記自車両が走行する道路のT字路、直角カーブ、または信号のない交差点の情報を検出し、
前記リスクポテンシャル補正手段は、前記自車両が走行する道路の前方に前記T字路、前記直角カーブ、または前記信号のない交差点がある場合は、所定の補正値を前記リスクポテンシャルに加算することにより前記リスクポテンシャルが大きくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項13】
請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記走行状態検出手段は、前記自車両の走行状態として、前記自車両の燃料残量を検出し、
前記リスクポテンシャル補正手段は、前記自車両の燃料残量が所定値よりも少ない場合は、所定の補正値を前記リスクポテンシャルに加算することにより前記リスクポテンシャルが大きくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項14】
請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記走行状態検出手段は、前記自車両の走行状態として、前記自車両に搭載されたETC装置の作動状態を検出し、
前記リスクポテンシャル補正手段は、ETC料金所の通過前後、または前記ETC装置に異常がある場合は、所定の補正値を前記リスクポテンシャルに加算することにより前記リスクポテンシャルが大きくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項15】
請求項3に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記走行状態検出手段は、前記自車両の走行状態として、前記自車両に搭載されたナビゲーション装置から前記自車両が走行する道路のT字路、直角カーブ、または信号のない交差点の情報を検出し、
前記操作反力補正手段は、前記自車両が走行する道路の前方に前記T字路、前記直角カーブ、または前記信号のない交差点がある場合は、所定の補正値を前記操作反力に加算することにより前記操作反力が大きくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項16】
請求項3に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記走行状態検出手段は、前記自車両の走行状態として、前記自車両の燃料残量を検出し、
前記操作反力補正手段は、前記自車両の燃料残量が所定値よりも少ない場合は、所定の補正値を前記操作反力に加算することにより前記操作反力が大きくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項17】
請求項3に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記走行状態検出手段は、前記自車両の走行状態として、前記自車両に搭載されたETC装置の作動状態を検出し、
前記操作反力補正手段は、ETC料金所の通過前後、または前記ETC装置に異常がある場合は、所定の補正値を前記操作反力に加算することにより前記操作反力が大きくなるように補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項18】
少なくとも、自車両周囲に存在する障害物と自車両との距離と、自車速とに基づいて、前記自車両と前記障害物との接近度合を示す物理量であるリスクポテンシャルを算出し、
前記自車両の走行状態を検出し、
運転者が前記自車両の運転操作にどれほど集中しているかを表す運転操作集中度を算出し、
前記リスクポテンシャル、前記自車両の走行状態、および前記運転操作集中度を運転者に報知することを特徴とする車両用運転操作補助方法。
【請求項19】
少なくとも、自車両周囲に存在する障害物と自車両との距離と、自車速とを検出する走行状況検出手段と、
前記走行状況検出手段からの信号に基づいて、前記自車両と前記障害物との接近度合を示す物理量であるリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
前記自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
運転者が前記自車両の運転操作にどれほど集中しているかを表す運転操作集中度を算出する運転操作集中度算出手段と、
前記リスクポテンシャル算出手段で算出された前記リスクポテンシャル、前記走行状態検出手段で検出される前記自車両の走行状態、および前記運転操作集中度算出手段で算出される前記運転操作集中度を運転者に報知する報知手段とを有する車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自車両周囲に存在する障害物に対する接近のリスクの大きさを、アクセルペダルから発生する操作反力を介して運転者に伝達する車両用運転操作補助装置において、個々の運転者の特性に応じた反力制御を行うものが知られている(例えば特許文献1参照)。具体的には、自車両が先行車に追従走行している場合に、自車両と先行車との車間時間の変化に基づいて運転者が先行車に対する接近のリスクに対して敏感であるかを判定し、運転者が敏感である場合には操作反力が小さくなるように補正を行う。
【0003】
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】特開2004−249846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の装置は、自車両が先行車に追従走行しているときの運転者の運転特性に基づいて、運転者の感覚に合った操作反力制御を行うことができる。しかしながら、運転者が自車両の運転操作に集中しているかといった観点では操作反力の補正を行っておらず、また、先行車が存在しない場合には操作反力を介した情報伝達が行われない。このような車両用運転操作補助装置にあっては、自車両が走行する際のさまざまな状況において運転者の運転操作を補助するきめ細かな対応が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による車両用運転操作補助装置は、少なくとも、自車両周囲に存在する障害物と自車両との距離と、自車速とを検出する走行状況検出手段と、走行状況検出手段からの信号に基づいて、自車両と障害物との接近度合を示す物理量であるリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、運転者が自車両の運転操作にどれほど集中しているかを表す運転操作集中度を算出する運転操作集中度算出手段と、リスクポテンシャル算出手段で算出されたリスクポテンシャル、走行状態検出手段で検出される自車両の走行状態、および運転操作集中度算出手段で算出される運転操作集中度を運転者に報知する報知手段とを備える。
本発明による車両用運転操作補助方法は、少なくとも、自車両周囲に存在する障害物と自車両との距離と、自車速とに基づいて、自車両と障害物との接近度合を示す物理量であるリスクポテンシャルを算出し、自車両の走行状態を検出し、運転者が自車両の運転操作にどれほど集中しているかを表す運転操作集中度を算出し、リスクポテンシャル、自車両の走行状態、および運転操作集中度を運転者に報知する。
本発明による車両は、少なくとも、自車両周囲に存在する障害物と自車両との距離と、自車速とを検出する走行状況検出手段と、走行状況検出手段からの信号に基づいて、自車両と障害物との接近度合を示す物理量であるリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、運転者が自車両の運転操作にどれほど集中しているかを表す運転操作集中度を算出する運転操作集中度算出手段と、リスクポテンシャル算出手段で算出されたリスクポテンシャル、走行状態検出手段で検出される自車両の走行状態、および運転操作集中度算出手段で算出される運転操作集中度を運転者に報知する報知手段とを有する車両用運転操作補助装置を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、自車両と障害物との接近度合を表すリスクポテンシャルだけでなく、自車両の走行状態と運転者の運転操作集中度を運転者に報知するので、運転者の注意を喚起して適切な運転操作を促すことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載する車両の構成図である。
【0008】
車両用運転操作補助装置1は、車両制御系ITS(Intelligent Transport Systems)システム10と情報系ITシステム20とから構成される。まず、車両制御系ITSシステム10の構成を説明する。車両制御系ITSシステム10は、レーザレーダ110、前方カメラ120、後側方カメラ130、車速センサ140、コントローラ150、操舵反力制御装置160、アクセルペダル反力制御装置170、およびブレーキペダル反力制御装置180等を備えている。
【0009】
レーザレーダ110は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを走査する。レーザレーダ110は、前方にある複数の反射物(通常、前方車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、複数の前方障害物までの相対距離と自車両との相対車速を検出する。検出した相対距離及び相対車速はコントローラ150へ出力される。レーザレーダ110によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
【0010】
前方カメラ120は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、またはCMOSカメラ等であり、前方道路の状況を画像として検出し、コントローラ150へと出力する。前方カメラ120による検知領域は水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる前方道路風景が画像として取り込まれる。後側方カメラ130は、リアウインドウ上部の左右端付近に取り付けられた2つの小型のCCDカメラ、もしくはCMOSカメラ等である。後側方カメラ130は、自車後方の道路、特に隣接車線上の状況を画像として検出し、コントローラ150へと出力する。
【0011】
車速センサ140は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出し、検出した自車速をコントローラ150に出力する。
【0012】
コントローラ150は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成されており、CPUのソフトウェア形態により車両制御系ITSシステム1全体の制御を行う。コントローラ150は、車速センサ140から入力される自車速と、レーザレーダ110から入力される距離情報と、前方カメラ120および後側方カメラ130から入力される車両周辺の画像情報とから、自車両周囲の障害物状況を検出する。なお、コントローラ150は、前方カメラ120および後側方カメラ130から入力される画像情報を画像処理することにより自車両周囲の障害物状況を検出する。
【0013】
ここで、自車両周囲の障害物状況とは、自車両と自車両周囲に存在する障害物とが相対的にどのような関係をもって走行しているかを表しており、具体的には、自車両前方を走行する他車両までの車間距離、隣接車線を自車両後方から接近する他車両の有無と接近度合、および車線識別線(白線)に対する自車両の左右位置、つまり相対位置と角度、さらに車線識別線の形状などである。また、自車両前方を横断する歩行者や二輪車等も障害物状況として検出される。
【0014】
コントローラ150は、検出した障害物状況に基づいて各障害物に対する自車両のリスクポテンシャルを算出する。リスクポテンシャル(Risk Potential)は、「潜在的なリスク/危急」を意味し、ここでは特に、自車両と自車両周囲に存在する障害物とが接近していくことにより増大するリスクの大きさを表す。したがって、リスクポテンシャルは、自車両と障害物とがどれほど近づいているか、すなわち自車両と障害物とが近づいている程度(接近度合)を表す物理量であるといえる。
【0015】
コントローラ150は、算出したリスクポテンシャルを、運転者が自車両を運転する際に操作する運転操作機器から発生する操作反力として運転者に伝達する。コントローラ150における処理は後述する。運転操作機器は、例えばステアリングホイール162、アクセルペダル172、およびブレーキペダル182である。
【0016】
操舵反力制御装置160は、車両の操舵系に組み込まれ、コントローラ150からの指令に応じて、サーボモータ161で発生させるトルクを制御する。サーボモータ161は、操舵反力制御装置160からの指令値に応じて発生させるトルクを制御し、運転者がステアリングホイール162を操作する際に発生する操舵反力を任意に制御することができる。
【0017】
アクセルペダル反力制御装置170は、コントローラ150からの指令に応じて、アクセルペダル172のリンク機構に組み込まれたサーボモータ171で発生させるトルクを制御する。サーボモータ171は、アクセルペダル操作反力制御装置170からの指令値に応じて発生させる反力を制御し、運転者がアクセルペダル172を操作する際に発生する操作反力を任意に制御することができる。
【0018】
ブレーキペダル反力制御装置180は、コントローラ150からの指令に応じて、ブレーキブースタ181で発生させるブレーキアシスト力を制御する。ブレーキブースタ181は、ブレーキペダル反力制御装置180からの指令値に応じて発生させるブレーキアシスト力を制御し、運転者がブレーキペダル182を操作する際に発生する操作反力を任意に制御することができる。ブレーキアシスト力が大きいほどブレーキペダル操作反力は小さくなり、ブレーキペダル182を踏み込みやすくなる。
【0019】
情報系ITシステム20は、ナビゲーション装置210、オーディオ装置220、ハンズフリー装置230、音声認識装置240、車両情報集約装置250およびETC装置260等を備えている。ナビゲーション装置210は、GPS受信機と表示モニタ等を備えており、経路探索および経路案内等を行う。さらに、ナビゲーション装置210に携帯電話あるいは自動車電話を接続することにより、公衆電話網を利用して外部の情報センターとの情報の送受信を行うテレマティクスを利用することができる。オーディオ装置220は、CD,ラジオ、MD等の音楽やDVD等の映像を再生可能である。
【0020】
ハンズフリー装置230は、不図示のマイクおよびスピーカを備えており、携帯電話あるいは自動車電話と接続することにより公衆電話網を利用してハンズフリーフォンでの通話を行うことができる。さらに、ハンズフリー装置230は、情報センターから受信した交通情報、天気予報、およびニュース等、車内で必要とする種々の情報および電子メールをナビゲーション装置210の表示モニタに表示したり、音声で読み上げる機能を有している。音声認識装置240は、ナビゲーション装置210、オーディオ装置220およびハンズフリーフォン等の音声操作を行うために、ハンズフリー装置230のマイクを介して入力された乗員の音声認識処理を行う。
【0021】
車両情報集約装置250は、車両の各種センサ等から信号を取得し、車両状態を表す各種の情報を演算し、例えばナビゲーション装置210の表示部に表示する。車両情報集約装置250で演算する車両情報は、例えばドアやトランクが完全に閉まっていないことを示す半ドア警告、パーキングブレーキ(PKB)を完全に解除しないままで走行していることを示すPKB引きずり警告、車両の連続走行時間や走行距離、および燃料残量等である。車両の走行距離は、例えば走行時間と車速とから算出することができる。
【0022】
ETC装置260は、無線通信により、ETCカードに格納されている料金支払いに必要なデータを道路側と交信する。
【0023】
車両制御系ITSシステム10のコントローラ150は、情報系ITシステム20から情報を取得し、取得した情報に基づいて自車両の潜在的なリスクの大きさを表すリスクポテンシャルを補正する。
【0024】
次に、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を説明する。まず、その概要を説明する。
コントローラ150は、自車両の走行車速、および自車両周囲に存在する障害物との相対位置やその移動方向と、自車両の車線識別線(白線)に対する相対位置等、自車両と障害物との接近度合を示すリスクポテンシャルを算出するための自車両周囲の障害物状況を認識する。コントローラ150は、認識した障害物状況に基づいて障害物に対するリスクポテンシャルを算出し、算出したリスクポテンシャルに応じて運転操作機器の操作反力の制御量を算出する。これにより、障害物に対するリスクポテンシャルを運転操作機器から発生させる操作反力として運転者に伝達し、運転者の運転操作を適切にアシストする。
【0025】
なお、自車両が走行しているときの潜在的なリスクは、自車両周囲の障害物状況だけでなく、運転者の集中度や自車両の状態/走行環境にも影響を受ける。具体的には、運転者がナビゲーション装置210やオーディオ装置220のスイッチ操作を行っており、アクセルペダル操作等の運転操作に対する集中度(以降、運転操作集中度と呼ぶ)が低下している場合には、自車両の潜在的なリスクが大きくなると考えられる。また、自車両がカーブを走行していたりETC料金所に接近している場合は、自車線からの逸脱のリスクやETC料金所の開閉バー(ETCバー)に対する接触のリスクが高くなると考えられる。
【0026】
そこで、コントローラ150は情報系ITシステム20からの情報を取得して運転者の運転操作集中度および自車両の走行状態を判断し、障害物に対するリスクポテンシャルを補正する。そして、補正したリスクポテンシャルに基づいて運転操作機器の操作反力の制御量を算出する。なお、ここでは、自車両が走行する道路の形状、ETC料金所の有無、および燃料残量等、自車両の走行に関係する情報を、自車両の走行状態とする。
【0027】
以下に、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を、図3を用いて説明する。図3は、第1の実施の形態によるコントローラ150における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、自車両周囲の障害物として自車両前方を走行する先行車を検出し、先行車に対するリスクポテンシャルに応じて運転者がアクセルペダル172またはブレーキペダル182を操作する際に発生する操作反力を制御する場合を例として説明する。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
【0028】
まず、ステップS110で自車両の走行状況を読み込む。ここで、走行状況は、自車両の走行環境および自車周囲の障害物状況を含む情報である。具体的には、レーザレーダ110で検出される前方障害物までの相対距離および相対角度、また、前方カメラ120および後側方カメラ130からの画像入力に基づく自車両に対する白線の相対位置(すなわち左右方向の変位と相対角度)、白線の形状、および自車両周囲に存在する障害物までの相対距離と相対角度を読み込む。さらに、車速センサ140によって検出される自車速を読み込む。また、前方カメラ120および後側方カメラ130で検出される画像に基づいて、自車周囲に存在する障害物の種別、つまり障害物が四輪車両、二輪車両、歩行者またはその他であるかを認識する。なお、先行車に対するリスクポテンシャルRPを算出する場合は、自車両の後側方に存在する他車両の情報は必要ないので、後側方カメラ130の撮像画像の取得を省略できる。
【0029】
ステップS120では、ステップS110で読み込み、認識した走行状況データに基づいて、現在の車両周囲状況を認識する。ここでは、前回の処理周期以前に検出され、コントローラ150のメモリに記憶されている自車両に対する各障害物の相対位置やその移動方向・移動速度と、ステップS110で得られた現在の走行状況データとにより、現在の各障害物の自車両に対する相対位置やその移動方向・移動速度を認識する。そして、自車両の走行に対して障害物となる他車両や白線が、自車両の周囲にどのように配置され、相対的にどのように移動しているかを認識する。
【0030】
ステップS130では、認識された前方障害物、具体的には先行車に対するリスクポテンシャルRPを算出する。リスクポテンシャルRPを算出するために、まず、自車両と先行車との余裕時間TTCおよび車間時間THWを算出する。余裕時間TTCは、現在の走行状況が継続した場合、つまり自車速Vf、先行車速Vaおよび相対車速Vrが一定の場合に、何秒後に、車間距離Dがゼロとなり自車両と先行車とが接触するかを示す値であり、以下の(式1)により求められる。
TTC=D/Vr (式1)
【0031】
余裕時間TTCは、先行車に対する現在の自車両の接近度合を示す物理量であり、余裕時間TTCが小さいほど、先行車への接触が緊迫し接近度合が大きいことを意味している。例えば先行車への接近時には、余裕時間TTCが4秒以下となる前に、ほとんどの運転者が減速行動を開始することが知られている。
【0032】
車間時間THWは、自車両が先行車に追従走行している場合に、想定される将来の先行車の車速変化による余裕時間TTCへの影響度合、つまり相対車速Vrが変化すると仮定したときの影響度合を示す物理量である。車間時間THWは、以下の(式2)を用いて算出する。
THW=D/Vf (式2)
【0033】
車間時間THWは、車間距離Dを自車速Vfで除したものであり、先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間を示す。この車間時間THWが大きいほど、周囲環境変化による予測影響度合が小さくなる。つまり、車間時間THWが大きい場合には、もしも将来に先行車の車速が変化しても、先行車までの接近度合には大きな影響を与えず、余裕時間TTCはあまり大きく変化しないことを示す。なお、自車両が先行車両に追従して自車速Vf=先行車速Vaである場合は、(式2)において自車速Vfの代わりに先行車速Vaを用いることもできる。
【0034】
先行車に対する接近度合を示す物理量であるリスクポテンシャルRPは、余裕時間TTCと車間時間THWとに基づいて以下の(式3)から算出する。
RP=a/THW+b/TTC (式3)
(式3)に示すように、リスクポテンシャルRPは余裕時間TTCと車間時間THWとを足し合わせて、連続的に表現される物理量である。なお、a、bは、車間時間THWおよび余裕時間TTCにそれぞれ適切な重み付けをするためのパラメータであり、例えばa=1,b=8程度に設定する(a<b)。
【0035】
つづくステップS140では、ステップS130で算出した先行車に対するリスクポテンシャルRPを、運転者の運転操作集中度および自車両の走行状態に基づいて補正する。ここでの処理を、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0036】
まず、ステップS1401で、自車両の走行状態を演算する。具体的には、情報系ITシステム20から各種情報を取得し、自車両の燃料残量、ETC料金所と自車両との相対位置関係、ETC装置260の異常の有無、自車両が走行する道路にT字路または直角カーブが存在するか否か、事故多発地点等、予め登録された地点(登録地点)と自車両との相対位置関係、および半ドア警告やPKB引きずり警告が出力されているか否かといった自車両の走行状態を演算する。
【0037】
ステップS1402では、ステップS1401で演算した自車両の走行状態に関する情報に基づいて、先行車に対するリスクポテンシャルRPを補正するか否かを判断する。図5に、自車両の走行状態とリスクポテンシャルRPの補正方法との関係を示す。自車両の走行状態が図5に示す条件に該当する場合は、リスクポテンシャルRPの補正を行うためにステップS1403へ進む。
【0038】
ステップS1403では、自車両の各種走行状態に応じてリスクポテンシャルRPの補正値αを設定する。ここでは、自車両の走行状態に応じて補正値αを大(例えばα=+0.5)、中(例えばα=+0.3)、小(例えばα=+0.1)のいずれかに設定する。車両情報集約装置240で検出される自車両の燃料残量が所定割合(例えば満タン時の20%、40Lタンクの場合で8L)以下の場合には、燃料重量の減少に伴ってアクセルペダル172の踏み込み操作に対する加速がよくなり、速度超過となる可能性があるので、補正値α=+0.3に設定する。
【0039】
自車両の走行道路にETC料金所が存在する場合は、ETC料金所の開閉バー手前で充分に減速させるために、自車両からETC認証地点、すなわち路側に設置されたアンテナまでの距離が所定距離(例えば100m)以下となると補正値α=+0.3に設定する。ETC認証が完了した後は、ETC認証地点から所定距離(例えば30m)離れるまでは、料金所を通過した他車両とのスムーズな合流を促すように補正値α=+0.1に設定する。ETC装置260やETC料金所のシステムに異常がある場合、あるいはETCカードがETC装置260に挿入されていない場合は、自車両からETC料金所までの距離が所定距離(例えば100m)以下となると補正値α=+0.5に設定する。
【0040】
ナビゲーション装置210から得られる道路情報から、自車両が走行する道路の前方にT字路や直角に近いカーブが存在する場合は、右左折する前に減速の必要があるので、自車両から右左折地点までの距離が所定距離(例えば30m)以下となると補正値α=+0.3に設定する。なお、ナビゲーション装置210の道路情報や前方カメラ120で撮像される前方画像から、自車両の前方に信号のない交差点が検出される場合も、同様に補正値αを設定することができる。
【0041】
事故多発地点や運転者が予め登録した場所等の登録地点に接近している場合は、減速を促すように、自車両から登録地点までの距離が所定距離(例えば100m)以下となると補正値α=+0.1に設定する。車両情報集約装置250から自車両のドアやトランクが完全に閉まっていない状態を報知する半ドア警告や、パーキングブレーキを引きずりながら走行していることを報知するPKB引きずり警告が出力されている場合は、速やかな減速を促すために補正値α=+0.5に設定する。
【0042】
このように各種走行状態に応じて設定した補正値αから、最も大きな値をセレクトハイで選択する。α=+0.1が最も大きい場合は、ステップS1404へ進んでリスクポテンシャルRPの補正に用いる補正値αを+0.1に設定する。α=+0.3が最も大きい場合は、ステップS1405へ進んでリスクポテンシャルRPの補正に用いる補正値αを+0.3に設定する。α=+0.5が最も大きい場合は、ステップS1406へ進んでリスクポテンシャルRPの補正に用いる補正値αを+0.5に設定する。
【0043】
ステップS1407では、先行車に対するリスクポテンシャルRPに、ステップS1404〜S1406のいずれかで設定した補正値αを加算して、リスクポテンシャルRPを補正する。なお、ステップS1402でリスクポテンシャルRPの補正を行わないと判定されると、補正値α=0に設定してステップS1407へ進む。
【0044】
つづくステップS1408では、運転者の運転操作に対する集中度を演算する。具体的には、情報系ITシステム20から各種情報を取得し、ナビゲーション装置210およびオーディオ装置220等の車載電装機器のスイッチ操作状態、音声認識装置240による音声認識操作の有無、ハンズフリー装置230およびテレマティクスの使用状況、運転者の連続運転時間、およびオーディオ装置220で再生される音楽の種類等、運転者の運転操作集中度を判断するための種々の情報を演算する。
【0045】
ステップS1409では、ステップS1408で演算した運転集中度を判断するための情報に基づいて、先行車に対するリスクポテンシャルRPを補正するか否かを判断する。図6に、運転者の運転操作集中度とリスクポテンシャルRPの補正方法との関係を示す。運転操作集中度を判断するための情報が図6に示す条件に該当する場合は、リスクポテンシャルRPの補正を行うためにステップS1410へ進む。
【0046】
ステップS1410では、運転操作集中度を表す各種情報に応じてリスクポテンシャルRPの補正係数βを設定する。ここでは、運転操作集中度に応じて補正係数βを大(例えばβ=+20%)、中(例えばβ=+10%)、小(例えばβ=+5%)のいずれかに設定する。
【0047】
運転者がナビゲーション装置210またはオーディオ装置220のスイッチ操作を頻繁に行っている場合、例えば所定時間内のスイッチ操作回数が多いほど、またはスイッチの連続操作時間が長いほど、運転者の運転操作に対する集中度が低下していると予測できる。そこで、例えば1分間のスイッチ操作回数が3〜4回、またはスイッチの連続操作時間が1〜2秒間の場合には、補正係数β=+10%に設定する。また、例えば1分間のスイッチ操作が4回超、またはスイッチの連続操作時間が2秒間を超える場合は、補正係数β=+20%に設定する。
【0048】
スイッチ操作回数は、運転者がスイッチを連続して押し下げた回数で判定し、スイッチを押し下げてから1秒以上経過するとリセットする。スイッチの連続操作時間は、例えばナビゲーション装置210の表示部に表示された地図をスクロールしているときの操作時間をカウントする。地図をスクロールする場合、スイッチの操作回数自体は1回としてカウントされるが、スクロールしている間は運転操作に対する集中度が低下すると考えられるので、この時間を連続操作時間として算出する。
【0049】
ナビゲーション装置210やオーディオ装置220を音声操作するために、音声認識装置240で乗員の音声認識操作を行っている場合は、補正係数β=+10%に設定する。車載電装機器を音声で操作するために運転者は声を発する必要があるので、運転操作集中度が低下すると考えられる。
【0050】
ハンズフリーフォンで電話を受けたり、テレマティクスを利用して電子メールを受信する場合、電話や電子メールの着信動作は運転者が意図しないタイミングで開始するので、運転操作に対する運転者の集中力を乱してしまう可能性がある。また、ハンズフリーフォンを利用した通話、および電子メールや受信した情報を読み上げている間は、会話や電子メールの内容に気を取られて運転操作集中度が低下してしまう。
【0051】
そこで、ハンズフリー装置230を介したハンズフリーフォン通話を行っている場合は、運転操作集中度が低下していると考えられるので、補正係数β=+20%に設定する。ハンズフリーフォンや電子メールの着信動作中は補正係数β=+10%に設定し、着信後に電子メールの内容を自動的に音声で読み上げている間は補正係数β=+20%に設定する。また、情報センターから受信した交通情報等の情報を自動的に音声で読み上げている間も補正係数β=+20%に設定する。
【0052】
運転者が長時間、連続して自車両の運転を行っている場合、疲労によって運転操作に対する集中度が低下していると予測できる。そこで、ACC(Adaptive Cruise Control)機能がオンされてからの経過時間を検出し、一度ACC機能がオンされてから運転操作を何時間、連続して行っているかを算出する。連続運転時間が2時間以上4時間以下の場合は、補正係数β=+10%に設定する。連続運転時間が4時間を超える場合は、補正係数β=+20%に設定する。
【0053】
オーディオ装置220で音楽を再生している場合、音量が大きい場合や曲のテンポが速いほど運転者の気持ちが高揚し、周囲の状況に対する注意力が散漫になってしまう。すなわち、オーディオ装置220で再生している音楽の音量が大きいほど、またテンポが速いほど、運転者の運転操作集中度が低下すると予測できる。そこで、オーディオ装置220で再生している音楽の音量が90デシベル以上、あるいは1分間当たり60ビート以上の場合は、補正係数β=+10%に設定する。音量が90デシベル以上で、かつ1分間当たり60ビート以上の場合は、補正係数β=+20%に設定する。
【0054】
このように運転操作集中度を表す各種情報に応じて設定した補正係数βから、最も大きな値をセレクトハイで選択する。β=+5%が最も大きい場合は、ステップS1411へ進んでリスクポテンシャルRPの補正に用いる補正係数βを+5%に設定する。β=+10%が最も大きい場合は、ステップS1412へ進んでリスクポテンシャルRPの補正に用いる補正係数βを+10%に設定する。β=+20%が最も大きい場合は、ステップS1413へ進んでリスクポテンシャルRPの補正に用いる補正係数βを+20%に設定する。
【0055】
図7に、運転者の運転操作集中度と運転操作機器から発生させる操作反力との関係を模式的に示す。図7に示すように、運転者の運転操作に対する集中度が低下するほど、運転操作機器からは大きな操作反力を発生して運転者の注意を喚起するようにする。ここでは、上述したように運転操作集中度に応じて補正係数βを設定し、リスクポテンシャルRPを補正することにより、図7に示すような関係を実現する。
【0056】
ステップS1414では、ステップS1407で補正したリスクポテンシャルRPに、ステップS1411〜S1413のいずれかで設定した補正係数βを乗算して、リスクポテンシャルRPを補正する。補正後のリスクポテンシャルRP(以降、リスクポテンシャル補正値RPcとする)は、以下の(式4)で表される。
RPc=(RP+α)×(100+β)/100 ・・・(式4)
【0057】
なお、ステップS1409で運転者の運転操作集中度に応じた補正を行わないと判定されると、補正係数β=0%に設定してステップS1414へ進む。
【0058】
このように、ステップS140でリスクポテンシャル補正値RPcを算出した後、ステップS150へ進む。ステップS150では、リスクポテンシャル補正値RPcに基づいてアクセルペダル172およびブレーキペダル182に発生させる操作反力の制御指令値FA,FBをそれぞれ算出する。アクセルペダル172に関しては、リスクポテンシャル補正値RPcが大きいほど、アクセルペダル172を戻す方向へ操作反力を発生させる。また、ブレーキペダル182に関しては、リスクポテンシャル補正値RPcが大きいほどブレーキペダル172を踏み込みやすい方向へ操作反力を発生させる。
【0059】
図8に、リスクポテンシャル補正値RPcとアクセルペダル反力制御指令値FAとの関係を示す。図8に示すように、リスクポテンシャル補正値RPcが大きいほど、大きなアクセルペダル反力を発生させるようにアクセルペダル反力制御指令値FAを算出する。リスクポテンシャルRPが所定値RPmaxより大きい場合には、最大のアクセルペダル反力を発生させるように、アクセルペダル反力制御指令値FAを最大値FAmaxに固定する。
【0060】
図9に、リスクポテンシャル補正値RPcとブレーキペダル反力制御指令値FBとの関係を示す。図9に示すように、リスクポテンシャル補正値RPcが所定値RPmaxよりも大きい場合は、リスクポテンシャル補正値RPcが大きいほど、小さなブレーキペダル反力、すなわち大きなブレーキアシスト力を発生させるようにブレーキペダル反力制御指令値FBを算出する。リスクポテンシャル補正値RPcが所定値RP1より大きくなると、最小のブレーキペダル反力を発生させるように反力制御指令値FBをFBminに固定する。リスクポテンシャル補正値RPcが所定値RPmaxよりも小さい場合は、ブレーキペダル反力制御指令値FBをゼロに設定し、ブレーキペダル反力特性は変化させない。
【0061】
図8に示すように、リスクポテンシャル補正値RPcが所定値RPmaxより小さい場合は、アクセルペダル反力特性を変更してリスクポテンシャル補正値RPcの大きさをアクセルペダル操作反力として運転者に知らせる。リスクポテンシャル補正値RPcが所定値RPmaxを超えると、アクセルペダル反力制御指令値FAを最大として、運転者がアクセルペダル62を解放するように促すとともに、ブレーキペダル反力制御指令値FBを小さくして、運転者がブレーキ操作に移行した際にブレーキペダル92を踏み込みやすいように制御する。
【0062】
ステップS160では、ステップS150で算出したアクセルペダル反力制御指令値FAとブレーキペダル反力制御指令値FBを、それぞれアクセルペダル反力制御装置170およびブレーキペダル反力制御指令値180へ出力する。アクセルペダル反力制御装置170およびブレーキペダル反力制御装置180は、コントローラ150からの指令に応じてサーボモータ171およびブレーキブースタ181を制御し、運転者がアクセルペダル172を操作するときの操作反力およびブレーキペダル182を操作するときの操作反力を制御する。これにより、今回の処理を終了する。
【0063】
以下に、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の作用を説明する。
例えば、自車両と自車両前方を走行する先行車との車間距離D=50mで、車間時間THW=2.8秒、余裕時間TTC=7秒とすると、先行車に対するリスクポテンシャルRPは、上述した(式3)を用いて、RP=1.5と算出される(a=1、b=8)。このとき、自車両の燃料残量が満タン時の20%以下で、運転者がハンズフリーフォンで通話しながら運転している場合、図5、図6にしたがって補正値αおよび補正係数βは、α=+0.3、β=+20%に設定される。
【0064】
この場合、リスクポテンシャル補正値RPcは、(式4)を用いて、RPc=(1.5+0.3)×(100+20)/100=2.16と算出される。RPc=2.16は、車間時間THW=1秒、余裕時間TTC=7秒の場合のリスクポテンシャルRPに相当し、仮想的に先行車に対する車間時間THWが1.8秒短くなったことになる。すなわち、自車速Vf=50km/hとすると、車間距離Dに25mの余裕が生まれたことになる。
【0065】
リスクポテンシャル補正値RPcに応じて反力制御指令値FA,FBを算出することにより、先行車に対する実際のリスクポテンシャルRPに応じた値よりも大きな操作反力がアクセルペダル172およびブレーキペダル182に発生する。したがって、運転者の運転操作集中度が低下している場合や自車両が減速する必要があるような走行状態においては、先行車に対するリスクポテンシャルRPが小さい段階から比較的大きな操作反力を与え、運転者の注意を早い段階から喚起することができる。
【0066】
このように、以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置1は、車両制御系ITSシステム10において少なくとも、自車両周囲に存在する障害物と自車両との距離Dと、自車速Vfとを検出し、これらの検出結果に基づいて自車両と障害物との接近度合を示す物理量であるリスクポテンシャルRPを算出する。さらに、車両制御系ITSシステム10は、情報系ITシステム20からの信号に基づいて自車両の走行状態を検出するとともに、運転者が自車両の運転操作にどれほど集中しているかを表す運転操作集中度を算出し、リスクポテンシャルRP,自車両の走行状態、および運転操作集中度を運転者に報知する。これにより、自車両周囲の障害物状況による潜在的なリスクの大きさだけでなく、自車両の走行状態と運転者の運転操作に対する集中度合を、運転者に報知することができ、運転者の運転操作を適切に補助することが可能となる。
(2)車両用運転操作補助装置1は、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生する操作反力を介して運転者への報知を行う。そこで、コントローラ150は、自車両の走行状態および運転操作集中度の少なくともいずれかに基づいて、リスクポテンシャルRPを補正し、補正されたリスクポテンシャルRPに基づいて、運転操作機器に発生させる操作反力を算出する。これにより、運転者が運転操作機器を操作しているときに、リスクポテンシャルRPとともに自車両の走行状態と運転操作集中度を運転者に直感的に知らせることができ、より精度の高い運転支援を行うことが可能となる。
(3)コントローラ150は、自車両に搭載されたナビゲーション装置210、ハンズフリー装置230、オーディオ装置220および音声認識装置240の少なくともいずれかの操作状態もしくは動作状態に基づいて、運転操作集中度を判定する。ここで、操作状態は、運転者がナビゲーション装置210等の機器を操作するときのスイッチやダイヤルの操作状態を意味し、動作状態は、例えば音声認識装置240が動作中であるかといった機器自体の動作の状態を意味する。これにより、運転者が運転操作以外の操作あるいは状況に気を取られているかという観点から、運転者の運転操作に対する集中度合を判定することができる。
(4)コントローラ150は、自車両の走行状態として、ナビゲーション装置210から得られる自車両が走行する道路の道路状況、車両情報集約装置250で検出される自車両の車両情報、およびETC装置260の作動状態の少なくともいずれかを検出する。ここで、車両情報は、例えば自車両の燃料残量や半ドア警告等、自車両の減速を促したり運転者の注意を喚起することが望ましい自車両の情報である。これにより、自車両が走行するうえで減速を促すことが望ましい状況を運転者に報知することが可能となる。
(5)コントローラ150は、運転操作集中度が低いほど大きくなる補正係数βを設定し、補正係数βをリスクポテンシャルRPに乗算することによりリスクポテンシャルRPを補正する。これにより、運転者が運転操作に集中していないと予測される場合にリスクポテンシャルRPが大きくなるように補正して、早い段階から運転者の注意を喚起することができる。
(6)コントローラ150は、ナビゲーション装置210またはオーディオ装置220の所定時間(例えば1分間)あたりの運転者によるスイッチ操作回数、またはスイッチの連続操作時間を検出し、スイッチ回数が多いほど、またはスイッチ操作時間が長いほど運転操作集中度が低いと判定する。これにより、運転者がどの程度、運転操作以外の操作を行っているかに基づいて、運転操作集中度を正確に判断することができる。
(7)コントローラ150は、音声認識装置240による音声認識操作を検出し、音声認識操作中は音声認識操作が行われていない場合に比べて運転操作集中度が低いと判定する。これにより、運転者がどの程度、運転操作以外の操作を行っているかに基づいて、運転操作集中度を正確に判断することができる。
(8)コントローラ150は、ハンズフリー装置230を利用したハンズフリーフォン通話、車両外部の情報センターからの情報または電子メールの着信動作、および受信した情報または電子メールの音声による自動読み上げ動作の少なくともいずれかを検出し、ハンズフリーフォン通話、着信動作または自動読み上げ動作が行われている場合は、これらの動作が行われていない場合に比べて運転操作集中度が低いと判定する。これにより、運転者が車両内で発生している運転操作以外の状況に意識が向いているかに基づいて、運転操作集中度を正確に判断することができる。
(9)コントローラ150は、オーディオ装置220で再生している音楽の音量もしくはテンポを検出し、音楽の音量が大きいほど、またはテンポが速いほど、運転操作集中度が低いと判定する。これにより、音楽に気を取られて注意力が散漫になっているかに基づいて、運転操作集中度を正確に判断することができる。
(10)コントローラ150は、自車両の走行状態として、ナビゲーション装置210から自車両が走行する道路のT字路、直角カーブ、または信号のない交差点の情報を検出し、自車両が走行する道路の前方にT字路、直角カーブまたは信号のない交差点がある場合は、所定の補正値α(例えばα=+0.3)をリスクポテンシャルRPに加算することにより、リスクポテンシャルRPが大きくなるように補正する。これにより、自車両の減速が必要な地点で運転者の減速操作を促すことができる。また、補正値αをリスクポテンシャルRPに加算するので、自車両周囲に障害物、例えば先行車が存在せず、リスクポテンシャルRP=0として算出された場合でも、運転操作機器から発生する操作反力を大きくして運転者の注意を喚起することができる。
(11)コントローラ150は、自車両の走行状態として自車両の燃料残量を検出し、燃料残量が所定値よりも少ない場合(例えば満タン時の20%以下)は、所定の補正値α(例えばα=+0.3)をリスクポテンシャルRPに加算することにより、リスクポテンシャルRPが大きくなるように補正する。これにより、燃料減少に伴って車両全体の重量が軽くなり、動力性能がよくなる状況で、自車両の急発進または急加速を防止することができ、燃料残量によらず一定のアクセルペダル踏み込み量に対して略一定の出力を得ることが可能となる。
(12)コントローラ150は、自車両の走行状態として、自車両に搭載されたETC装置260の作動状態を検出し、ETC料金所の通過前後、またはETC装置260に異常がある場合は、所定の補正量αをリスクポテンシャルRPに加算することにより、リスクポテンシャルRPが大きくなるように補正する。これにより、ETC料金所の開閉バーとの接触防止や、ETC料金所通過後の他車両とのスムーズな合流を実現することが可能となる。
【0067】
《第2の実施の形態》
以下に、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の基本構成は、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、上述した第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0068】
上述した第1の実施の形態では、先行車に対する接近度合を示すリスクポテンシャルRPを、運転者の運転操作集中度および自車両の走行状態に基づいて補正した。第2の実施の形態においては、先行車に対するリスクポテンシャルRPに基づいてアクセルペダル反力制御指令値FAとブレーキペダル反力制御指令値FBとをそれぞれ算出し、算出したアクセルペダル反力制御指令値FAとブレーキペダル反力制御指令値FBを、運転者の運転操作集中度および自車両の走行状態に基づいて補正する。
【0069】
第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の動作を、図10を用いて詳細に説明する。図10は、第2の実施の形態によるコントローラ150における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。ステップS210〜S230での処理は、図3のフローチャートのステップS110〜S130と同様であるので説明を省略する。
【0070】
ステップS240では、ステップS230で算出した先行車に対するリスクポテンシャルRPを用いて、図8および図9のマップに従ってアクセルペダル反力制御指令値FAおよびブレーキペダル反力制御指令値FBを算出する。なお、ここでは図8、図9においてリスクポテンシャル補正値RPcをリスクポテンシャルRPと置き換えて反力制御指令値FA,FBを算出する。
【0071】
ステップS250では、ステップS240で算出したアクセルペダル反力制御指令値FAおよびブレーキペダル反力制御指令値FBを、運転者の運転操作集中度および自車両の走行状態に基づいて補正する。ここでの処理を、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0072】
ステップS2501で、自車両の燃料残量、ETC料金所と自車両との相対位置関係、ETC装置260の異常の有無、自車両が走行する道路にT字路または直角カーブが存在するか否か、事故多発地点等、予め登録された地点(登録地点)と自車両との相対位置関係、および半ドア警告やPKB引きずり警告が出力されているか否かといった自車両の走行状態を演算する。
【0073】
ステップS2502では、ステップS2501で演算した自車両の走行状態に関する情報に基づいて、反力制御指令値FA,FBを補正するか否かを判断する。自車両の走行状態が図5に示す条件に該当する場合は、反力制御指令値FA,FBの補正を行うためにステップS2503へ進む。
【0074】
ステップS2503では、自車両の各種走行状態に応じて反力制御指令値FA,FBの補正値αを設定する。ここでは、自車両の走行状態に応じて図5に示すように補正値αを大(例えばα=+1)、中(例えばα=+0.5)、小(例えばα=+0.3)のいずれかに設定する。そして、各種走行状態に応じて設定した補正値αから、最も大きな値をセレクトハイで選択する。α=+0.3が最も大きい場合は、ステップS2504へ進んで反力制御指令値FA,FBの補正に用いる補正値αを+0.3に設定する。α=+0.5が最も大きい場合は、ステップS2505へ進んで反力制御指令値FA,FBの補正に用いる補正値αを+0.5に設定する。α=+1が最も大きい場合は、ステップS2506へ進んで反力制御指令値FA,FBの補正に用いる補正値αを+1に設定する。
【0075】
ステップS2507では、アクセルペダル反力制御指令値FAおよびブレーキペダル反力制御指令値FBに、ステップS2504〜S2506のいずれかで設定した補正値αを加算(ブレーキペダル反力制御指令値FBからは減算)して、アクセルペダル反力制御指令値FAおよびブレーキペダル反力制御指令値FBを補正する。なお、ステップS2502で反力制御指令値FA,FBの補正を行わないと判定されると、補正値α=0に設定してステップS2507へ進む。
【0076】
つづくステップS2508では、ナビゲーション装置210およびオーディオ装置220等の車載電装機器のスイッチ操作状態、音声認識装置240による音声認識操作の有無、ハンズフリー装置230およびテレマティクスの使用状況、運転者の連続運転時間、およびオーディオ装置220で再生される音楽の種類等、運転者の運転操作集中度を判断するための種々の情報を演算する。
【0077】
ステップS2509では、ステップS2508で演算した運転集中度を判断するための情報に基づいて、アクセルペダル反力制御指令値FAおよびブレーキペダル反力制御指令値FBを補正するか否かを判断する。運転操作集中度を判断するための情報が図6に示す条件に該当する場合は、反力制御指令値FA,FBの補正を行うためにステップS2510へ進む。
【0078】
ステップS2510では、運転操作集中度を表す各種情報に応じて反力制御指令値FA,FBの補正係数βを設定する。ここでは、運転操作集中度に応じて補正係数βを大(例えばβ=+20%)、中(例えばβ=+10%)、小(例えばβ=+5%)のいずれかに設定する。そして、運転操作集中度を表す各種情報に応じて設定した補正係数βから、最も大きな値をセレクトハイで選択する。β=+5%が最も大きい場合は、ステップS2511へ進んで反力制御指令値FA,FBの補正に用いる補正係数βを+5%に設定する。β=+10%が最も大きい場合は、ステップS2512へ進んで反力制御指令値FA,FBの補正に用いる補正係数βを+10%に設定する。β=+20%が最も大きい場合は、ステップS2513へ進んで反力制御指令値FA,FBの補正に用いる補正係数βを+20%に設定する。
【0079】
ステップS2514では、ステップS2507で補正した反力制御指令値FA,FBに、ステップS2511〜S2513のいずれかで設定した補正係数βを乗算して、反力制御指令値FA,FBを補正する。補正後のアクセルペダル反力制御指令値FAおよびブレーキペダル反力制御指令値FB(以降、アクセルペダル反力指令値補正値FAc、ブレーキペダル反力指令値補正値FBcとする)は、以下の(式5)(式6)で表される。
FAc=(FA+α)×(100+β)/100 ・・・(式5)
FBc=(FB−α)×(100+β)/100 ・・・(式6)
なお、ステップS2509で運転者の運転操作集中度に応じた補正を行わないと判定されると、補正係数β=0%に設定してステップS2514へ進む。
【0080】
このように、ステップS250でアクセルペダル反力指令値補正値FAcおよびブレーキペダル反力指令値補正値FBcを算出した後、ステップS260へ進み、反力指令値補正値FAc、FBcそれぞれアクセルペダル反力制御装置170およびブレーキペダル反力制御指令値180へ出力する。アクセルペダル反力制御装置170およびブレーキペダル反力制御装置180は、コントローラ150からの指令に応じてサーボモータ171およびブレーキブースタ181を制御し、運転者がアクセルペダル172を操作するときの操作反力およびブレーキペダル182を操作するときの操作反力を制御する。これにより、今回の処理を終了する。
【0081】
このように、以上説明した第2の実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両用運転操作補助装置1は、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生する操作反力を介して運転者への報知を行う。そこで、コントローラ150は、リスクポテンシャルRPに基づいて運転操作機器に発生させる操作反力を算出し、算出した操作反力を自車両の走行状態および運転操作集中度の少なくともいずれかに基づいて補正する。これにより、運転者が運転操作機器を操作しているときに発生する操作反力として、リスクポテンシャルRPとともに自車両の走行状態と運転操作集中度を運転者に直感的に知らせることができ、より精度の高い運転支援を行うことが可能となる。
(2)コントローラ150は、運転操作集中度が低いほど大きくなる補正係数βを設定し、リスクポテンシャルRPに基づいて算出された操作反力に補正係数βを乗算することにより操作反力、例えばアクセルペダル反力制御指令値FAおよびブレーキペダル反力制御指令値FBを補正する。これにより、運転者が運転操作に集中していないと予測される場合に運転操作機器から大きな操作反力が発生するように補正して、早い段階から運転者の注意を喚起することができる。
(3)コントローラ150は、自車両の走行状態として、ナビゲーション装置210から自車両が走行する道路のT字路、直角カーブ、または信号のない交差点の情報を検出し、自車両が走行する道路の前方にT字路、直角カーブまたは信号のない交差点がある場合は、所定の補正値α(例えばα=+0.5)を操作反力に加算することにより、操作反力が大きくなるように補正する。具体的にはアクセルペダル反力制御指令値FAに補正値+αを加算し、ブレーキペダル反力制御指令値FBには補正値(−α)を加算する。これにより、自車両の減速が必要な地点で運転者の減速操作を促すことができる。また、補正値αを操作反力に加算するので、自車両周囲に障害物、例えば先行車が存在せず、リスクポテンシャルRP=0として算出された場合でも、運転操作機器から発生する操作反力を大きくして運転者の注意を喚起することができる。
(4)コントローラ150は、自車両の走行状態として自車両の燃料残量を検出し、燃料残量が所定値よりも少ない場合(例えば満タン時の20%以下)は、所定の補正値α(例えばα=+0.5)を操作反力に加算することにより、操作反力が大きくなるように補正する。具体的にはアクセルペダル反力制御指令値FAに補正値+αを加算し、ブレーキペダル反力制御指令値FBには補正値(−α)を加算する。これにより、燃料減少に伴って車両全体の重量が軽くなり、動力性能がよくなる状況で、自車両の急発進または急加速を防止することができ、燃料残量によらず一定のアクセルペダル踏み込み量に対して略一定の出力を得ることが可能となる。
(5)コントローラ150は、自車両の走行状態として、自車両に搭載されたETC装置260の作動状態を検出し、ETC料金所の通過前後、またはETC装置260に異常がある場合は、所定の補正量αを操作反力に加算することにより、操作反力が大きくなるように補正する。具体的にはアクセルペダル反力制御指令値FAに補正値+αを加算し、ブレーキペダル反力制御指令値FBには補正値(−α)を加算する。これにより、ETC料金所の開閉バーとの接触防止や、ETC料金所通過後の他車両とのスムーズな合流を実現することが可能となる。
【0082】
第1及び第2の実施の形態では、先行車に対するリスクポテンシャルRPをアクセルペダル172およびブレーキペダル182を操作する際の操作反力として運転者に伝達する構成を説明した。しかし、これには限定されず、リスクポテンシャルRPをアクセルペダル172およびブレーキペダル182のいずれか一方から発生する操作反力として運転者に伝達したり、ステアリングホイール162を操舵操作する際に発生する操舵反力として運転者に伝達することもできる。すなわち、運転中に運転者が高い頻度で接する部材からの反力もしくは圧力を介して、運転者に連続的な情報伝達を行うことができるようにする。したがって、運転席シートからの押圧力を用いて情報伝達を行うことも可能である。なお、操舵反力を用いる場合はリスクポテンシャルRPもしくはリスクポテンシャル補正値RPcが大きくなるほど大きな操舵反力を発生させるようにする。
【0083】
また、テンポの速い音楽を大音量で再生している場合等、運転者の運転操作集中度が低下していると予測される場合に、ステアリングホイール162の操舵反力を大きくすることもできる。すなわち、リスクポテンシャルRPの情報はアクセルペダル172もしくはブレーキペダル182からの操作反力として運転者に伝達し、自車両の走行状態や運転操作集中度等の付加的な情報をステアリングホイール162の操舵反力を介して運転者に報知するように構成することもできる。
【0084】
また、情報系ITシステム20の構成は、図1に示したものには限定されず、例えばナビゲーション装置210がハンズフリー装置230と音声認識装置240の機能を有するように構成することもできる。車両制御系ITSシステム10のコントローラ150は、情報系ITSシステム20に含まれる少なくとも一つの装置からの情報を取得して、自車両の走行状態もしくは運転者の運転操作集中度を判定する。
【0085】
上述した第1及び第2の実施の形態では、自車両と先行車との余裕時間TTCおよび車間時間THWを用いて、先行車に対する接近度合を表すリスクポテンシャルRPを算出した。ただし、これには限定されず、例えば余裕時間TTCと車間時間THWのいずれか一方を用いてリスクポテンシャルRPを算出することもできる。先行車に対するリスクポテンシャルRPは、自車両の前後方向についての潜在的なリスクであるといえるが、自車両の前後方向だけでなく、左右方向の状況によっても変化する潜在的なリスクを算出することもできる。
【0086】
例えば、レーザレーダ10、前方カメラ20および後側方カメラ130によって検出される自車両の周囲の複数の障害物について自車両との余裕時間TTCを算出する。そして、算出した各障害物の余裕時間TTCの前後方向成分を統合して前後方向のリスクポテンシャルとし、余裕時間TTCの左右方向成分を統合して左右方向のリスクポテンシャルとする。この場合、前後方向のリスクポテンシャルに基づいてアクセルペダル172およびブレーキペダル182に発生する操作反力を制御し、左右方向のリスクポテンシャルに基づいてステアリングホイール162に発生する操舵反力を制御する。
【0087】
上述した第1及び第2の実施の形態では、図8および図9のマップにしたがってアクセルペダル反力制御指令値FAおよびブレーキペダル反力制御指令値FBをそれぞれ算出した。ただし、リスクポテンシャルRPもしくはリスクポテンシャル補正値RPcと反力制御指令値FA,FBとの関係は図8、図9に示したものには限定されず、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど、アクセルペダル反力制御指令値FAが大きくなり、ブレーキペダル反力制御指令値FBがマイナス方向に大きくなるような種々の関係を用いることが可能である。
【0088】
上述した第1及び第2の実施の形態においては、ブレーキブースタ91によってエンジンの負圧を利用してブレーキアシスト力を発生させているが、これには限定されず、例えばコンピュータ制御による油圧力を用いてブレーキアシスト力を発生させることもできる。
【0089】
リスクポテンシャルRPまたは反力制御指令値FA,FBを補正するために用いた自車両の走行状態は、図5に示すものには限定されず、自車両が走行する上で減速する必要のある種々の状態を補正用のパラメータとして使用することが可能である。例えば、車両重量が軽くなるほどアクセルペダル172の踏み込み操作に対して加速がよくなるので、速度超過を抑制するために、走行状態として乗車人数を用いることも可能である。同様に、リスクポテンシャルRPまたは反力制御指令値FA,FBを補正するために用いた運転操作集中度を表す情報は、図6に示すものには限定されない。
【0090】
また、補正値αを設定するためのETC認証地点までの距離や補正係数βを設定するためのスイッチ操作回数等も、図5および図6に示す条件には限定されない。また、補正値αおよび補正係数βの値も上述した例には限定されず、運転者の注意を喚起し、適切な運転操作を促すような最適な値に設定する。
【0091】
第1及び第2の実施の形態では、運転操作集中度と自車両の走行状態とに基づいてリスクポテンシャルRPまたは反力制御指令値FA,FBを補正した。ただし、これには限定されず、運転操作集中度および自車両の走行状態のいずれか一方に基づいて補正を行うように構成することもできる。
【0092】
以上説明した第1および第2の実施の形態においては、レーザレーダ110、前方カメラ120、後側方カメラ130および車速センサ140が走行状況検出手段として機能し、コントローラ150がリスクポテンシャル算出手段、リスクポテンシャル補正手段、操作反力算出手段、および操作反力補正手段として機能し、コントローラ150および情報系ITシステム20が走行状態検出手段および運転操作集中度算出手段として機能し、操舵反力制御装置160、アクセルペダル反力制御装置170およびブレーキペダル反力制御装置180が報知手段および操作反力発生手段として機能することができる。また、アクセルペダル172、ブレーキペダル182およびステアリングホイール162が運転操作機器として機能する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何等限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。
【図2】図1に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。
【図3】第1の実施の形態による車両用運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図4】リスクポテンシャル補正処理の処理手順を示すフローチャート。
【図5】自車両の走行状態に対する補正方法を説明する図。
【図6】運転者の運転操作集中度に対する補正方法を説明する図。
【図7】運転者の運転操作集中度と操作反力制御量との関係を模式的に示す図。
【図8】リスクポテンシャルとアクセルペダル反力制御指令値との関係を示す図。
【図9】リスクポテンシャルとブレーキペダル反力制御指令値との関係を示す図。
【図10】第2の実施の形態による車両用運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図11】反力制御指令値補正処理の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0094】
10:車両制御系ITSシステム 110:レーザレーダ
120:前方カメラ 130:後側方カメラ
140:車速センサ 150:コントローラ
160:操舵反力制御装置 170:アクセルペダル反力制御装置
180:ブレーキペダル反力制御装置 20:情報系ITシステム
210:ナビゲーション装置 220:オーディオ装置
230:ハンズフリー装置 240:車両情報集約装置
250:ETC装置




 

 


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