米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 車両 -> トヨタ自動車株式会社

発明の名称 エアバック装置及び衝突判定方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15586(P2007−15586A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200162(P2005−200162)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
発明者 近藤 努
要約 課題
エアバック装置の信頼性を向上させること。

解決手段
エアバック装置1は、車両幅方向の加速度を検出する側突用センサ9と、側突用センサ9により検出された加速度が判定閾値を超えたときに、側突用エアバック3を作動させる作動制御手段と、を備えている。また、エアバック装置1は、車両のシートベルトに張力を付与するプリテンショナ23が作動されるか否かを判定する作動判定手段を備え、この作動判定手段によりプリテンショナ23が作動されると判定されたとき、作動制御手段は判定閾値を所定時間、高く設定する。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両幅方向の加速度を検出する側突用センサと、
該側突用センサにより検出された前記加速度が判定閾値を超えたときに、側突用エアバックを作動させる作動制御手段と、を備えるエアバック装置であって、
車両のシートベルトに張力を付与するプリテンショナが作動されるか否かを判定する作動判定手段を備え、
該作動判定手段により前記プリテンショナが作動されると判定されたとき、前記作動制御手段は前記判定閾値を所定時間、高く設定することを特徴とするエアバック装置。
【請求項2】
請求項1記載のエアバック装置であって、
前記作動制御手段は、前記高く設定された前記判定閾値を時間の経過と共に減少させ、元の値に戻すことを特徴とするエアバック装置。
【請求項3】
車両幅方向の加速度が判定閾値を超えたときに、側突用エアバックを作動させるエアバック装置の衝突判定方法であって、
車両のシートベルトに張力を付与するプリテンショナが作動されるか否かを判定する作動判定ステップと、
前記作動判定ステップにおいて前記プリテンショナが作動されると判定したとき、前記判定閾値を所定時間、高く設定する判定閾値変更ステップと、
前記車両幅方向の加速度が、前記判定閾値変更ステップにより設定された前記判定閾値を超えたか否かを判定する衝突判定ステップと、を含むことを特徴とする衝突判定方法。
【請求項4】
請求項3記載のエアバック装置の衝突判定方法であって、
前記判定閾値変更ステップにおいて高く設定された前記判定閾値を時間の経過と共に減少させ、元の値に戻す判定閾値減少ステップを、更に含むことを特徴とする衝突判定方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度センサにより検出された加速度に基づいて、エアバックを展開するエアバック装置及び衝突判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正突用加速度センサにより検出された前後加速度に基づいて、プリテンショナを作動させることでシートベルト装置のショルダーベルトに張力を与え、側突用加速度センサにより検出された横加速度が所定値以上のとき、側突用エアバックを作動させる乗員保護装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、車両のロール角及びロール角速度の少なくとも一方が所定の閾値を超えた場合にロールオーバー用乗員拘束装置を作動させ、車両の前突又は側突があった場合は、所定の閾値を小さな値に設定する車両用乗員保護装置の点火制御方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、車両の姿勢状態の異常が検出されたとき、プリローダ(プリテンショナ)を作動させ、その後、車両減速度に基づいて、エアバック装置の作動判定を行う車両用安全装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
車両の前後方向と左右方向との2方向の加速度のベクトル値に基づいて、前突用エアバック又は側突用エアバックの膨張、展開を制御する衝突検出装置が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2003−63351号公報
【特許文献2】特開2000−127891号公報
【特許文献3】特開平7−277139号公報
【特許文献4】特許2776161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術において、シートベルトに張力を与えるプリテンショナのリトラクタと、側突用加速度センサとが比較的近傍に配設されている。この為、リトラクタの作動時の振動等によって、側突用加速度センサにより検出される横加速度が影響を受け、側突用エアバックが誤作動する虞がある。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、エアバック装置の信頼性を向上させることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、
車両幅方向の加速度を検出する側突用センサと、
該側突用センサにより検出された前記加速度が判定閾値を超えたときに、側突用エアバックを作動させる作動制御手段と、を備えるエアバック装置であって、
車両のシートベルトに張力を付与するプリテンショナが作動されるか否かを判定する作動判定手段を備え、
該作動判定手段により前記プリテンショナが作動されると判定されたとき、前記作動制御手段は前記判定閾値を所定時間、高く設定することを特徴とするエアバック装置によって達成される。
【0009】
本発明において、作動判定手段によりプリテンショナが作動されると判定されたとき、作動制御手段は判定閾値を所定時間、高く設定する。これにより、プリテンショナが駆動された際に、プリテンショナから発生する振動(加速度)等のノイズが、側突用センサにより検出される加速度を増幅させた場合でも、この加速度が高く設定された判定閾値を超えることが無い。したがって、プリテンショナの作動によるエアバック装置の誤作動を確実に防止することができる。すなわち、エアバック装置の信頼性を向上させることができる。なお、上記所定時間は、プリテンショナの作動による振動等が、側突用センサが検出する加速度にノイズとして影響する時間が設定される。また、作動制御手段は、側突用センサにより検出された加速度に基づいて、例えば車両の側突、車両のロールオーバー等を判定する。
【0010】
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載のエアバック装置であって、
前記作動制御手段は、前記高く設定された前記判定閾値を時間の経過と共に減少させ、元の値に戻すようにしてもよい。これにより、プリテンショナの駆動により発生するノイズの増減に応じて、判定閾値を増減させることにより、より高精度に衝突判定を行うことができる。したがって、プリテンショナの作動によるエアバック装置の誤作動をより確実に防止することができる。
【0011】
上記の目的は、請求項3に記載する如く、
車両幅方向の加速度が判定閾値を超えたときに、側突用エアバックを作動させるエアバック装置の衝突判定方法であって、
車両のシートベルトに張力を付与するプリテンショナが作動されるか否かを判定する作動判定ステップと、
前記作動判定ステップにおいて前記プリテンショナが作動されると判定したとき、前記判定閾値を所定時間、高く設定する判定閾値変更ステップと、
前記車両幅方向の加速度が、前記判定閾値変更ステップにより設定された前記判定閾値を超えたか否かを判定する衝突判定ステップと、を含むことを特徴とする衝突判定方法によっても達成される。
【0012】
この場合、請求項4に記載する如く、請求項3記載のエアバック装置の衝突判定方法であって、
前記判定閾値変更ステップにおいて高く設定された前記判定閾値を時間の経過と共に減少させ、元の値に戻す判定閾値減少ステップを、更に含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、エアバック装置の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。なお、車両用のエアバック装置の基本概念、主要なハードウェア構成、作動原理、及び基本的な制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明の一実施例に係るエアバック装置が車両に搭載された状態を示す図であり、車両上方から見た図である。また、図2は本発明の一実施例に係るエアバック装置の構成を示すブロック図である。本実施例に係るエアバック装置1は、運転席及び助手席の側面に夫々配設された左右一対の側面エアバック3a、運転席側及び助手席側のフロントピラーからルーフサイドレールにわたって配設された左右一対の頭部保護用エアバック3b等の左右一対の側突用エアバック3を有する。
【0016】
また、エアバック装置1は、側突用エアバック3を作動させるエアバックECU等の制御装置5を備えている。エアバックECU5の本体部分は、例えばフロントフロアセンタートンネル内部に収納されている。
【0017】
なお、エアバックECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)5は、マイクロコンピュータから構成されており、制御、演算プログラムに従って各種処理を実行するとともに、装置の各部を制御するCPU(Central Processing Unit)、CPUの実行プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、演算結果等を格納する読書き可能なRAM(Random Access Memory)、タイマ、カウンタ、入力インターフェイス、出力インターフェイス等を有している。
【0018】
エアバックECU5には、車両の加速度を検出するGセンサが接続されている。このGセンサは、車外のフロントサイドメンバに配設され、車両前後方向の加速度を検出する左右一対の正突用センサ7と、後述するプリテンショナ23の後部近傍に配設され、車両幅方向の加速度を検出する左右一対の側突用センサ9とからなる。エアバックECU5は、正突用センサ7および側突用センサ9により検出された加速度に基づいて、車両の衝突状態および車両の衝突方向を算出する。なお、正突用センサ(図示しない)は、車室内にも配設されている。この車室内に配設された正突用センサ(図示しない)は、比較的に小さな加速度(例えば、5G程度)を検出するのに対し、車外に配設された正突用センサ7は比較的に大きな加速度(例えば、30G程度)を検出する。
【0019】
正突用センサ7および側突用センサ9により検出された加速度は、A/D(Analog/Digital)変換器11を介して、エアバックECU5に入力される。A/D変換器11は、正突用センサ7および側突用センサ9から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して、エアバックECU5に入力する。
【0020】
エアバックECU5は、スクイブ駆動回路13を介してインフレータ内のスクイブ(点火装置)15に接続されている。なお、スクイブ駆動回路13は、応答性のよい電界効果トランジスタ、バイポーラトランンジスタ等のスイッチング素子から構成されている。例えば、エアバックECU5から駆動信号に基づいて、スクイブ駆動回路13のスイッチング素子がオフ状態からオン状態に切替わり、スクイブ15が車両電源17と通電状態となることで、スクイブ15に電力が供給され、駆動(点火)される。
【0021】
エアバックECU5は、例えば側突用センサ9により検出された加速度が判定閾値を超え、車両の側面に物体が衝突したと判定したときに、スクイブ15を駆動させ、側突用エアバック3を展開させる。
【0022】
具体的には、エアバックECU5は、スクイブ駆動回路13に駆動信号を送信し、インフレータ内のスクイブ15を駆動させる。スクイブ15はガス発生剤を点火することでインフレータ内にガスを発生させ、このガスは供給管を介して側突用エアバック3に導入され、側突用エアバック3が展開、膨張する。側突用エアバック3が展開、膨張することで、乗員に対する車両側面方向からの衝撃を緩和し、乗員を保護することができる。
【0023】
なお、スクイブ駆動回路13には、電気的ノイズによるエアバック装置1の誤動作を防止する目的でセーフィングスイッチ19が設けられている。このセーフィングスイッチ19は、通常、オフ状態になっているが、車両が急減速、急加速された時等に発生する加速度により、機械的に閉じてオン状態となるように構成されている。例えば、車両内に生じる電気的ノイズにより、エアバックECU5が車両の側面に物体が衝突したと誤判定し、スクイブ駆動回路13に駆動信号を送信され、スイッチング素子がオン状態となることがある。このような場合でも、セーフィングスイッチ19には、加速度が作用していないことから、オフ状態に維持される。したがって、スクイブ15が通電状態となること無く、エアバック装置1の誤作動を防止することができる。
【0024】
また、エアバックECU5には、運転席及び助手席のシートクッション内に配設され、各シートに対する荷重を検出することにより、乗員の着座を検出する着座センサ27が接続されている。さらに、エアバックECU5には、運転席、助手席、後部座席のシートベルトのバックル内に配設され、各シートベルトが装着されたことを検出するシートベルト着用センサ29が接続されている。エアバックECU5は、着座センサ27、シートベルト着用センサ29からの入力信号に基づいて、着座が検出された席の側突用エアバック3を展開させ、装着が検出されたシートベルトのプリテンショナ(後述)23を駆動させる。これにより、不要な側突用エアバック3の展開、およびプリテンショナ23の駆動を抑制することができる。
【0025】
図3はプリテンショナおよびリトラクタが一体で構成された一例を示す部分拡大図である。
【0026】
車両に搭載されるシートベルト装置において、通常時は乗員の身体の移動を拘束しないようにリトラクタ21からシートベルトの引出しを可能にし、車両の正突時にリトラクタ21に設けたプリテンショナ23でシートベルトを引き込んで張力を付与し、乗員をシートに確実に拘束している。
【0027】
プリテンショナ23はシートベルト装置のリトラクタ25と一体的に設けられており、運転席用プリテンショナ、助手席用プリテンショナ、後部座席の左右側一対の後部座席用プリテンショナが車両内に配設されている。
【0028】
プリテンショナ23は、図3に示す如く、シリンダ23a、ピストン23b、ガス発生器(図示しない)から構成される駆動装置23cと、駆動装置23cのピストン23bに一端が連結されているワイヤ23dと、ワイヤ23dの中間部が巻付けられるローラ23eと、からなる。一方、リトラクタ25はウェビング25aと、ウェビング25aが巻付けられ、プリテンショナ23のローラ23eと連動して回転する回転ドラム25bと、これらが収納されるハウジング部材25cと、から構成されている。
【0029】
プリテンショナ23は、スクイブ駆動回路13を介して、エアバックECU5に接続されている。エアバックECU5は、例えば正突用センサ7により検出された加速度が閾値を超え、車両が正突したと判定したときに、プリテンショナ23を駆動させてシートベルトを引き込んで張力を付与する。
【0030】
具体的には、エアバックECU5は、スクイブ駆動回路13に駆動信号を送信することで、プリテンショナ23の駆動装置23cを駆動させる。駆動装置23cが駆動すると、ワイヤ23dがローラ23eに巻付けられ、ローラ23eと連動するリトラクタ25の回転ドラム25bはウェビング25aを巻付け、シートベルトを引き込んで張力を付与する。なお、エアバックECU5にはプリテンショナECU(図示しない)が含まれるように構成されているが、エアバックECU5とプリテンショナECUとを別に設けてもよい。この場合、プリテンショナECUは、プリテンショナに駆動信号を送信することにより、プリテンショナ23の駆動装置23cを駆動させる。また、エアバックECU5、スクイブ駆動回路13、およびA/D変換器11は別体で構成されているが、エアバックECU5に、スクイブ駆動回路13およびA/D変換器11が内蔵され、一体で構成されていてもよい。
【0031】
ところで、上述したようにプリテンショナ23の後部近傍に車両幅方向の加速度を検出する側突用センサ9が配設されている(図1)。この為、プリテンショナ23が駆動された際に、プリテンショナ23から発生する振動等がノイズとして、側突用センサ9が検出する加速度に影響することがある。この為、従来技術においては、側突用センサが検出する加速度がプリテンショナから生じるノイズによって増幅され、判定閾値を超えることがある。これにより、エアバックECUは、車両の側面に物体が衝突したと誤判定し、エアバック装置の誤作動に繋がる虞がある。
【0032】
そこで、本実施例に係るエアバック装置1のエアバックECU5は、プリテンショナ23が駆動するときは、所定時間Tだけ、判定閾値Nを高く設定する(図4)。これにより、プリテンショナ23が駆動された際に、プリテンショナ23から発生する振動(加速度)等がノイズとして側突用センサ9が検出する加速度に影響し、当該加速度が増幅された場合でも、ノイズにより増幅された加速度が上述のように高く設定された判定閾値Nを超えることが無い。したがって、プリテンショナ23の作動によるエアバック装置1の誤作動を確実に防止することができる。
【0033】
次に、本実施例に係るエアバック装置1のエアバックECU5における、衝突判定の処理方法について説明する。図5は、本実施例に係るエアバック装置1のエアバックECU5における衝突判定の処理フローの一例を示すフローチャートである。なお、図5に示す衝突判定の処理ルーチンは所定の微小時間毎、例えば64ms毎に繰返し実行される。
【0034】
まず、エアバックECU5は正突用センサ7により検出された加速度に基づいて、プリテンショナ23を駆動させるか否かを判定する(S100)。なお、エアバックECU5は正突用センサ9により検出された加速度が閾値を超えたときに、プリテンショナ23を駆動すると判定してもよく、プリテンショナ23に駆動信号が送信したときに、プリテンショナ23が駆動されると判定してもよい。
【0035】
エアバックECU5はプリテンショナ23を駆動させると判定したとき、通常の判定閾値(以下、通常判定閾値と称す)N1に所定補正量Δを加算して高くした補正判定閾値N2を判定閾値(N=N2)として設定する(S110)。なお、所定補正量Δは予め実験的に算出され、エアバックECU5に記憶されているが、ユーザにより設定変更可能となっている。
【0036】
次に、エアバックECU5は側突用センサ9からの加速度が判定閾値N以上か否かを判定する(S120)。
【0037】
エアバックECU5は、側突用センサ9からの加速度が判定閾値N以上で、車両の側面に物体が衝突したと判定したとき、スクイブ駆動回路13に駆動信号を送信して、スクイブ15を駆動させることで、側突用エアバック3を展開、膨張させる(S130)。
【0038】
一方、エアバックECU5は、側突用センサ9からの加速度が判定閾値Nより小さく、車両の側面に物体が衝突していないと判定したとき、スクイブ駆動回路13に駆動信号を送信しない(S140)。
【0039】
上記(S100)の判定処理において、エアバックECU5はプリテンショナ23を駆動させないと判定したとき、プリテンショナ23の駆動開始後、所定時間T経過しているか否かを判定する(S150)。なお、エアバックECU5は、内蔵するタイマによって、プリテンショナ23に駆動開始後の経過時間を計測する。また、所定時間Tは、プリテンショナ23の駆動開始によって発生する振動(加速度)が側突用センサ9により検出される加速度に影響を与えないレベルに減衰するまでの時間(例えば、1〜3秒)が、予め求められエアバックECU5に記憶されているが、ユーザにより設定変更可能である。
【0040】
エアバックECU5は、プリテンショナ23の駆動開始後、所定時間T経過していると判定したとき、通常判定閾値N1を判定閾値(N=N1)に設定する(S160)。
【0041】
一方、エアバックECU5は、プリテンショナ23の駆動後、所定時間T経過していないと判定したとき、補正判定閾値N2を判定閾値(N=N2)として保持し、上記(S120)に移行して、衝突判定の処理を継続する。
【0042】
以上、本実施例に係るエアバック装置1において、エアバックECU5はプリテンショナ23を駆動させると判定したとき、通常判定閾値N1に所定補正量Δを加算して高くした補正判定閾値N2を判定閾値Nとして、所定時間Tだけ設定する。これにより、プリテンショナ23駆動時に側突用センサ9により検出される加速度に影響するノイズを排除できる。したがって、プリテンショナ23の駆動によるエアバック装置1の誤作動を確実に防止することができ、エアバック装置1の信頼性を向上させることができる。
【0043】
なお、不要なエアバック装置の作動が抑制できれば、例えば事故車両の修理費を抑制することができ、コスト低減に繋がる。
【0044】
以上、本発明を実施するための最良の形態について一実施例を用いて説明したが、本発明はこうした一実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した一実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0045】
例えば、上記一実施例において、エアバックECU5は、プリテンショナ23の駆動開始後、図4に示す如く、所定時間Tだけ判定閾値Nを補正判定閾値N2とし、その後、通常判定閾値N1に戻すように設定しているが、図6に示す如く、短時間T1(T1<T)だけ判定閾値Nを補正判定閾値N2とし、その後、徐々に減少させ、通常判定閾値N1に戻すように設定してもよい。
【0046】
上述したように側突用センサ9が検出する加速度に対する、プリテンショナ23の駆動に起因して発生するノイズは、プリテンショナ23の駆動直後が最も大きく、その後、徐々に減衰する。したがって、上述の如く、プリテンショナ23の駆動により発生するノイズの増減に応じて、判定閾値Nを増減させることにより、より高精度に上記衝突判定を行うことができる。すなわち、図6に示す如く、プリテンショナ23駆動直後において、プリテンショナ23のノイズが最大となるときに、判定閾値Nを短時間T1だけ補正判定閾値N2とし、その後、プリテンショナ23の駆動によるノイズが減衰するのに応じて、判定閾値Nを徐々に減少させ、通常判定閾値N1とする。
【0047】
なお、判定閾値Nが補正判定閾値N2から通常判定閾値N1までの減少するときの減少方法は、1次関数により減少させているが、2次関数により減少させてもよく、プリテンショナ23の駆動により発生するノイズの増減に応じていれば、任意の関数が適用可能である。すなわち、判定閾値Nの増減は、プリテンショナ23の駆動により発生するノイズの増減に応じていればよい。
【0048】
上記一実施例において、エアバックECU5は側突用センサ9により検出された加速度に基づいて、車両の側面に物体が衝突したか否かを判定しているが、エアバックECU5は側突用センサ9により検出された加速度に基づいて、車両がロールオーバー(横転)したか否かを判定してもよく、車両の任意の状態を判定してもよい。
【0049】
上記一実施例において、エアバックECU5は、正突用センサ7により検出された加速度が閾値を超え、車両が正突したと判定したときに、プリテンショナ23を駆動させているが、エアバックECU5は、側突用センサ9により検出された加速度が判定閾値を超え、車両が側突したと判定したときに、プリテンショナ23を駆動させてもよい。
【0050】
上記一実施例において、左右一対の側突用センサ9が配設されているが、車両の前部および後部に左右一対の側突用センサ9が夫々配設されていてもよく、配設される側突用センサ9の数は任意でよい。
【0051】
なお、上記一実施例においては、エアバックECU5が特許請求の範囲記載の作動制御手段、および作動判定手段に相当している。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、車両用のエアバック装置に利用できる。搭載される車両の外観、重量、サイズ、走行性能等は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施例に係るエアバック装置が車両に搭載された状態を示す図であり、車両上方から見た図である。
【図2】本発明の一実施例に係るエアバック装置の構成を示すブロック図である。
【図3】プリテンショナおよびリトラクタが一体で構成された一例を示す部分拡大図である。
【図4】プリテンショナが駆動するときに所定時間だけ、判定閾値を高く設定する状態を示す図であり、通常判定閾値、補正判定閾値、および所定時間を示す図である。
【図5】本実施例に係るエアバック装置のエアバックECUにおける衝突判定の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図6】判定閾値を所定勾配で徐々に減少させ、通常判定閾値に戻す状態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 エアバック装置
3 側突用エアバック
5 エアバックECU
7 正突用センサ
9 側突用センサ
13 側突用エアバック
15 スクイブ
23 プリテンショナ




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013