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発明の名称 リーン/ストイキ運転切換により電気装置の温度を下げるハイブリッド車
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15571(P2007−15571A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−199613(P2005−199613)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100071216
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 昌毅
発明者 河合 高志 / 小谷 武史
要約 課題
内燃機関と2個の電動発電機とが単一の遊星歯車装置により組み合わされ、2個の電動発電機がインバータを経てバッテリと電気的に接続された車輌駆動手段を有するハイブリッド車に於いて、車輌駆動手段の電気部分の温度上昇を抑制する必要が生じたとき、車速および車軸に対する駆動力をできる限り一定に維持しつつ、電気部分の温度上昇を抑制することができるハイブリッド車を提供する。

解決手段
電気部分の温度を下げるため、車輌駆動手段の出力部材の回転数と出力を一定に保って内燃機関の運転をリーン運転よりストイキ運転に切り換える。
特許請求の範囲
【請求項1】
内燃機関と2個の電動発電機とが単一の遊星歯車装置により組み合わされ、前記2個の電動発電機がインバータを経てバッテリと電気的に接続された車輌駆動手段を有するハイブリッド車にして、前記車輌駆動手段の電気部分の温度を下げるため前記内燃機関の運転をリーン運転よりストイキ運転に切り換えるようになっていることを特徴とする車輌。
【請求項2】
前記のリーン運転よりストイキ運転への切換えは、内燃機関の回転数対トルクの関係を内燃機関の出力が一定のままその回転数が下がりトルクが上がる方向に変化させて行われることを特徴とするハイブリッド車。
【請求項3】
前記遊星歯車装置の3個の回転要素の一つが前記内燃機関と連結され、前記遊星歯車装置の3個の回転要素の他の一つが前記2個の電動発電機のうちの第一の電動発電機と連結され、前記遊星歯車装置の3個の回転要素の残る一つが前記2個の電動発電機のうちの第二の電動発電機と連結され且つ前記車輌駆動手段の出力部材を構成しており、前記第一の電動発電機が前記内燃機関と前記出力部材の間の回転数比を調整する手段として作動するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車。
【請求項4】
前記車輌駆動手段の電気部分の温度を下げることは前記2個の電動発電機、前記インバータ、前記バッテリ、これらを接続する電気配線の少なくとも一つの温度を下げることであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド車。
【請求項5】
前記車輌駆動手段の電気部分の温度を下げるための前記内燃機関のリーン運転よりストイキ運転への切換えはそれによって前記車輌駆動手段の電気分担比が低下する範囲内に於いて行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッド車。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関と電動発電機とを組み合わせた車輌駆動手段を有するハイブリッド車に係る。
【背景技術】
【0002】
内燃機関と電動発電機とを組み合わせた車輌駆動手段を有するハイブリッド車に於いては、その運転状態の如何によって、電動発電機を含む電気装置の温度が上昇し過ぎる状態が生じる恐れがある。かかる問題に対処し、4個以上の回転メンバを有する差動装置を具え、前記回転メンバに原動機からの入力、駆動系への出力、および2個のモータ/ジェネレータ(電動発電機)をそれぞれ結合し、該モータ/ジェネレータの制御により無段変速を行い得るようにしたハイブリッド変速機に於いて、運転状態から求めた目標駆動力を変速機出力回転速度不変のまま達成するための前記原動機の要求出力に対応した目標原動機回転速度を、前記モータ/ジェネレータ自身や該モータ/ジェネレータの駆動に用いるパワーデバイスの温度上昇時は、該モータ/ジェネレータの発生電力が低下される方向に変更するよう構成することが下記の特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2003-269594
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ハイブリッド車の運行中、電動発電機を含む電気装置の温度上昇を抑制するために内燃機関と電動発電機の作動態様を変更する場合、その条件として、車速、即ち、内燃機関と電動発電機の組合せよりなる車輌駆動手段の出力部材の回転数およびその出力が不変に保たれることが要求される。この点に関し、上記の特許文献1に記載のハイブリッド車は、4個以上の回転メンバよりなる差動装置を具え、前記回転メンバに原動機からの入力、駆動系への出力、および2個の電動発電機をそれぞれ結合していることから、内燃機関と2個の電動発電機の作動点を変更することにより上記の要求を満たすようになっている。
【0004】
本件出願人は、予てより、内燃機関と2個の電動発電機とを単一の遊星歯車装置により組み合わせ、遊星歯車装置の3個の回転要素の一つに原動機が連結され、遊星歯車装置の3個の回転要素の他の一つに2個の電動発電機のうちの第一の電動発電機が連結され、遊星歯車装置の3個の回転要素の残る一つが車輌駆動手段の出力部材とされると共に2個の電動発電機のうちの第二の電動発電機がこの出力部材に連結され、出力部材の回転速度と内燃機関の回転速度との間の相対的変化を第一の電動発電機により可変に調整するハイブリッド車を提案しまた実施している。
【0005】
本発明は、上記の如く、内燃機関と2個の電動発電機とが単一の遊星歯車装置により組み合わされた車輌駆動手段を有するハイブリッド車に於いて、車輌駆動手段の電気部分の温度上昇を抑制する必要が生じたとき、車速および車軸に対する駆動力をできる限り一定に維持しつつ、電気部分の温度上昇を抑制することができるハイブリッド車を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するものとして、本発明は、内燃機関と2個の電動発電機とが単一の遊星歯車装置により組み合わされた車輌駆動手段を有するハイブリッド車にして、前記車輌駆動手段の電気部分の温度を下げるため前記内燃機関の運転をリーン運転よりストイキ運転に切り換えるようになっていることを特徴とする車輌を提案するものである。ここで、リーン運転とは、理論空燃比より大きい空燃比(空燃比>14.6)の希薄混合気による運転であり、ストイキ運転とは、空燃比を理論空燃比(空燃比=14.6)とした運転である。
【0007】
前記のリーン運転よりストイキ運転への切換えは、内燃機関の回転数対トルクの関係を内燃機関の出力が一定のままその回転数が下がりトルクが上がる方向に変化させて行われてよい。
【0008】
前記遊星歯車装置の3個の回転要素の一つは前記内燃機関と連結され、前記遊星歯車装置の3個の回転要素の他の一つは前記2個の電動発電機のうちの第一の電動発電機と連結され、前記遊星歯車装置の3個の回転要素の残る一つは前記2個の電動発電機のうちの第二の電動発電機と連結され且つ前記車輌駆動手段の出力部材を構成しており、前記第一の電動発電機が前記内燃機関と前記出力部材の間の回転数比を調整する手段として作動するようになっていてよい。
【0009】
前記車輌駆動手段の電気部分の温度を下げることは前記2個の電動発電機、前記インバータ、前記バッテリ、これらを接続する電気配線の少なくとも一つの温度を下げることであってよい。
【0010】
前記車輌駆動手段の電気部分の温度を下げるための内燃機関のリーン運転よりストイキ運転への切換えはそれによって前記車輌駆動手段の電気分担比が低下する範囲内に於いて行われるようになっていてよい。
【発明の効果】
【0011】
ハイブリッド車に於いては、その車輌駆動手段のうちの電気部分は発電機能と電動機能とを同時に発揮しうるようになっていることを要するので、その車輌駆動手段は、内燃機関と少なくとも2個の電動発電機とを備えている。内燃機関と少なくとも2個の電動発電機とを備えたハイブリッド車に於いて、車輌駆動手段の電気部分の温度が上昇しやすいのは、内燃機関より車輪へ伝えられる全駆動力の内の電気を経て伝達される駆動力、即ち、電動発電機の一つが内燃機関により発電機として駆動され、該電動発電機が発電した電力により他の一つの電動発電機が電動機として駆動されることにより車輪へ伝達される駆動力、の割合を示す「電気分担比」が高いときである。従って、ハイブリッド車に於ける車輌駆動手段の電気部分に過熱が生じ或は生じる恐れがあるとき、それを抑制するには、車輌駆動手段の電気分担比を下げればよい。
【0012】
内燃機関と2個の電動発電機とが単一の遊星歯車装置により組み合わされた駆動構造に於いては、回転軸としては、内燃機関の回転軸、2個の電動発電機の回転軸、車輪駆動軸の4つがあるのに対し、単一の遊星歯車装置には、サンギヤ、リングギヤ、キャリアの3つの回転要素しかないので、必然的に4つの回転軸のうちの2つは遊星歯車装置の回転要素の一つに共に連結されることになる。この場合、内燃機関の回転軸と車輪駆動軸とが一体に連結されることは車輌に於いては論外であるので、内燃機関の回転軸と車輪駆動軸とは遊星歯車装置の3つの回転要素の2つにそれぞれ分かれて連結される。従って、遊星歯車装置の残る1つの回転要素に2つの電動発電機のいずれか一方が連結され、残る1つの電動発電機は車輪駆動軸または内燃機関回転軸と共に遊星歯車装置の1つの回転要素に連結されることになる。この場合、後程共線図を参照して説明する通り、内燃機関が遊星歯車装置のキャリアに連結されれば、車輪駆動軸の回転速度を一定に保った状態で内燃機関の回転数を下げることができる。
【0013】
内燃機関の回転数とトルクと出力と空燃比の間には、一般に図4に示す如き関係があり、リーン運転ではストイキ運転に比してトルクが小さくなることから、同じ出力を出すのに、回転数をより高くして運転することが行われている。従って、リーン運転されている内燃機関をストイキ運転に切り換えれば、同じ出力を出すのに回転数が下がるという事情がある。
【0014】
従って、内燃機関と2個の電動発電機とが単一の遊星歯車装置により組み合わされたハイブリッド車に於いて、車輌駆動手段の電気部分に過熱が生じ或はその虞れがあるとき、リーン運転されている内燃機関をストイキ運転に切り換える制御が行われれば、車輌駆動に於ける車軸の回転速度と車軸に対する駆動力付与に影響を及ぼすことなく、内燃機関の回転数を下げ、それに伴って2つの電動発電機について少なくとも一方の回転数を上げることなく他方の回転数を下げ、車輌駆動手段の電気分担比を下げ、車輌駆動手段の電気部分の温度上昇を抑制することができる。尚、かかるリーン運転よりストイキ運転への切換えにより当該電気部分の温度が下ったときには、内燃機関の運転を再びリーン運転に戻せばよい。
【0015】
この場合、特にリーン運転よりストイキ運転への切換えが、内燃機関の回転数対トルクの関係を内燃機関の出力が一定のままその回転数が下がりトルクが上がる方向に変化させて行われれば、車輌駆動に於いて車軸に付与する回転数および駆動力に全く影響を及ぼすことなく、車輌駆動手段の電気分担比を下げ、車輌駆動手段の電気部分の温度上昇を抑制することができる。
【0016】
遊星歯車装置の3個の回転要素の一つが内燃機関と連結され、遊星歯車装置の3個の回転要素の他の一つが2個の電動発電機のうちの第一の電動発電機と連結され、遊星歯車装置の3個の回転要素の残る一つが2個の電動発電機のうちの第二の電動発電機と連結され且つ車輌駆動手段の出力部材を構成しており、第一の電動発電機が内燃機関と出力部材の間の回転数比を調整する手段として作動するようになっていれば、内燃機関の運転をリーン運転よりストイキ運転に切り換え、内燃機関を等出力に保ってその回転数を下げることにより発電機として作動している第一の電動発電機の回転数を下げることができるので、車輌駆動手段の電気分担比を下げる効果を的確に得ることができる。
【0017】
車輌駆動手段の電気部分の温度を下げることが2個の電動発電機、インバータ、バッテリ、これらを接続する電気配線の少なくとも一つの温度を下げることとされれば、これらの電気装置のうち最も過熱を生じやすいものを選んでその温度を監視することにより、車輌駆動手段の電気部分の過熱を確実に回避することができる。
【0018】
但し、後程図6を参照して説明される通り、内燃機関と2個の電動発電機とが単一の遊星歯車装置により組み合わされたハイブリッド車に於ける内燃機関のリーン運転よりストイキ運転へ切換えは、その作動状態によっては、車輌駆動手段の電気分担比を却って上昇させる結果となる場合もある。従って、電気部分の温度を下げるための内燃機関のリーン運転よりストイキ運転への切換えがそれによって車輌駆動手段の電気分担比が低下する範囲内に於いて行われるようになっていれば、そのような不都合を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明によるハイブリット車の一例をその駆動構造について解図的に示す概略図である。但し、本発明の要旨はその作動に関するソフトウエア的事項であり、以下に説明される電気式制御装置内に制御プログラムとして組み込まれているので、図1に表れている構造自体は公知の構造である。
【0020】
図に於いて、10は内燃機関であり、図では4気筒内燃機関として示されている。各気筒からの排気は、排気マニホールド12により集められ、排気導管14を経て三元触媒コンバータ16へ導入され、ここで三元触媒によりHC、CO、NOxを相互反応させて浄化した後、大気へ放出されるようになっている。吸気はエアクリーナ18を経て取り入れられ、途中に吸気絞り弁20を含む吸気管22より吸気マニホールド24を経て各気筒へ供給されるようになっている。燃料は、図には示されていないがこの技術分野に於いては周知の燃料ポンプその他を含む燃料供給装置により圧送され、燃料噴射弁26より各気筒内へ供給されるようになっている。
【0021】
内燃機関10の出力軸28は遊星歯車装置30のキャリア32に連結されている。遊星歯車装置30のサンギヤ34には第一の電動発電機(MG1)36のロータ38が接続されている。遊星歯車装置30のリングギヤ40には第二の電動発電機(MG2)42のロータ44が接続されている。第一の電動発電機36のステータ46と第二の電動発電機42のステータ48とはインバータ50を経てバッテリ52と電気的に接続されている。以上の内燃機関10、第一の電動発電機36、第二の電動発電機42、遊星歯車装置30、インバータ50、バッテリ52、電気接続配線によりハイブリッド車の車輌駆動手段が構成されており、そのうち第一および第二の電動発電機36および42、インバータ50、バッテリ52、電気配線が車輌駆動手段の電気部分をなしている。
【0022】
遊星歯車装置30のリングギヤ40には出力ギヤ54が同心に連結されており、出力ギヤ54には出力ピニオン56が噛み合わされている。出力ピニオン56には車輪駆動軸58が連結されており、車輪駆動軸58は差動歯車装置60および一対の車軸62を経て一対の車輪64を駆動するようになっている。
【0023】
66はマイクロコンピュータを備えた電気式制御装置である。電気式制御装置66は、内燃機関冷却水温センサ68より内燃機関の冷却水温度を示す信号、排気温センサ70より排気の温度を示す信号、内燃機関回転数センサ72より内燃機関回転数を示す信号、車速センサ74より車速を示す信号、バッテリ52よりその充電状態を示す信号、図には示されていないアクセルペダルよりその開度を示す信号、その他の車輌運転制御に必要な情報を含む信号を供給され、そのマイクロコンピュータに組み込まれた制御プログラムに従って所定の制御演算を行い、その演算結果に基づいて吸気絞り弁20の開度および燃料噴射弁26を制御し、空燃比を制御しつつ内燃機関の各気筒への燃料の供給および点火時期を制御し、更にインバータ50を介して第一の電動発電機36および第二の電動発電機42の作動を制御するようになっている。
【0024】
図2は、図1に示されている如き本発明によるハイブリッド車の本発明に係る作動制御の態様をフローチャートにして例示したものである。かかるフローチャートに沿った制御は、車輌の運行中数10〜数100ミリセカンドの周期にて繰り返し行われる。
【0025】
制御が開始されると、ステップ10に於いて、図1に示されている構造に於ける電動発電機MG1およびMG2、インバータ50、バッテリ52、これらを接続する電気配線よりなる車輌駆動手段の電気部分の温度監視を行うべき各部の温度Ti(i=1,2、...)が読み込まれる。尚、これらの電気部分のうち種々の車輌運転状態を通じて最も過熱を生じ易い部分が予め定まっていれば、その部分の温度のみが監視されてもよい。
【0026】
次いで、制御はステップ20へ進み、上に読み込まれた温度Ti(i=1,2、...)について、それらの各々がそれについて予め設定された限界温度Timaxを越えているか否かが判断される。答がイエス(Y)であれば(例えば、Tiのうちのいずれか一つでもTimax以上であれば)、制御はステップ30へ進む。
【0027】
ステップ30に於いては、そのとき内燃機関がリーン運転されているか否かが判断される。答がイエスであれば、制御はステップ40へ進み、現在の車速と要求出力から、現在のリーン運転を同出力のストイキ運転に切り換えた場合の第一の電動発電機MG1の回転数Nmg1が算出される。
【0028】
この場合、図1に示されている構造に於ける内燃機関10の回転数Neng、第一の電動発電機MG1の回転数Nmg1、第二の電動発電機MG2の回転数Nmg22の間には、遊星歯車装置30に於けるリングギヤ40に対するサンギヤ34の歯数の比をρ(ρ<1)とすると、図3に示す如き共線図により定まる比例関係がある。車輪駆動軸58はリングギヤ40に同心に連結された出力ギヤ54と噛み合った出力ピニオン56により駆動されており、従って車速はリングギヤ40の回転数に比例しており、第二の電動発電機MG2の回転数の変化と一体となって変化し、Nmg2により代表される。
【0029】
従って、車速および車輪に対する駆動力を一定に保って内燃機関の運転をリーン運転よりストイキ運転へ切り換えることは、図3の共線図に於けるNmg2の値を一定に保って、図4に示す如き内燃機関に於ける回転数とトルクと出力と空燃比の間の関係を規定する線図に於いて、内燃機関の回転数Nengを一つの等出力線に沿ってそれがリーン運転線と交わる位置の値よりストイキ運転線と交わる位置の値に変更することであり、図3の共線図をAの状態からBの状態に変化させることである。
【0030】
尚、リーン空燃比による機関運転は、空燃比がストイキ空燃比γstoiに隣接する或る範囲内にあるときには、NOx排出量が図5に示す如く増大するので、通常、この範囲を避ける値γleanまでストイキ空燃比に対し増大された空燃比にて行われ、図4に於けるリーン運転線は、ストイキ運転線に対し或る程度隔たった線となる。
【0031】
こうして、車輪駆動力を一定に保ってリーン運転をストイキ運転に切り換えた場合の第一の電動発電機MG1の回転数Nmg1は、図3の共線図をAに於ける値から共線図Bに於ける値まで低下する。かかるハイブリッド車の車輌駆動手段に於いて、その電気部分のどこかに温度の過剰上昇が起きるのは、電気分担比が大きいときである。図3の共線図AおよびBに於いて実線にて示されている状態では、車輌駆動手段が釣合を保つ上から、第一の電動発電機MG1は発電機として作動し、第二の電動発電機MG2は第一の電動発電機MG1が発電した電力を消費して車輪を駆動する電動機として作動する。従って、発電機として内燃機関により駆動される第一の電動発電機MG1に対する駆動回転数を下げることは、それに相当して電動発電機MG1の発電量を下げ、第二の電動発電機MG2の電動駆動量を下げることになり、車輌駆動手段の電気分担比を下げ、車輌駆動手段の電気部分の過熱を抑制する効果をもたらす。
【0032】
ただ、しかし、図示の車輌駆動手段に於ける電気分担比は、機関回転数Nengと第二の電動発電機回転数Nmg2の比Neng/Nmg2に対して図6に示す如く変化するので、内燃機関の回転数の低下により比Neng/Nmg2が1/(1+ρ)を横切って低下するような場合、即ち、図3の共線図Bに於いて破線にて示されている如く第一の電動発電機MG1の回転が0点を横切って反転する場合には、内燃機関の回転数の低下により車輌駆動手段の電気分担比が却って増大することが起こり得る。したがって、車輌駆動手段の電気部分の温度を下げるための内燃機関のリーン運転よりストイキ運転への切換えは、それによって車輌駆動手段の電気分担比が低下する範囲内に於いて行われるようにされる。尚、第一の電動発電機MG1の回転が反転したときには、車輌駆動手段の釣合を保つため第一の電動発電機MG1は電動機として作動されなければならないので、バッテリの消耗を防ぐには第二の電動発電機MG2を発電機として作動させることが望まれる。これはインバータ50の切換え制御により可能である。
【0033】
上記のステップ30に於ける答がノー(N)のとき、或いはステップ50の答がノーのときには、この実施の形態では、制御はステップ70へ進み、機関出力を制限することにより車輌駆動手段の電気分担比を下げて車輌駆動手段の電気部分の過熱を防止することが行われる。この場合には、止むを得ず車輪に対する駆動力は低下する。
【0034】
ステップ20の答がノーであるときには、制御はステップ80へ進み、通常の制御により目標機関回転数を設定するようになっている。
【0035】
以上に於いては本発明を一つの実施の形態について詳細に説明したが、かかる実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるハイブリット車の一例をその駆動構造について解図的に示す概略図。
【図2】図1に示されている如き本発明によるハイブリッド車の本発明に係る作動制御の態様を示すフローチャート。
【図3】図1に示されている構造に於ける内燃機関10の回転数Neng、第一の電動発電機MG1の回転数Nmg1、第二の電動発電機MG2の回転数Nmg2の間の関係を示す共線図。
【図4】内燃機関に於ける回転数とトルクと出力と空燃比の間の関係を示す線図。
【図5】ストイキ空燃比に隣接するリーン空燃比による機関運転に於ける空燃比とNOx排出量の間の関係を示す図。
【図6】機関回転数Nengと第二の電動発電機回転数Nmg2の比Neng/Nmg2に対する車輌駆動手段の電気分担比の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
【0037】
10…内燃機関、12…排気マニホールド、14…排気導管、16…三元触媒コンバータ、18…エアクリーナ、20…吸気絞り弁、22…吸気管、24…吸気マニホールド、26…燃料噴射弁、28…内燃機関出力軸、30…遊星歯車装置、32…キャリア、34…サンギヤ、36…第一の電動発電機(MG1)、38…ロータ、40…リングギヤ、42…第二の電動発電機(MG2)、44…ロータ、46,48…ステータ、50…インバータ、52…バッテリ、54…出力ギヤ、56…出力ピニオン、58…車輪駆動軸、60…差動歯車装置、62…車軸、64…車輪、66…電気式制御装置、68…内燃機関冷却水温センサ、70…排気温センサ、72…内燃機関回転数センサ、74…車速センサ




 

 


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