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発明の名称 頭部保護エアバッグ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15536(P2007−15536A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−198520(P2005−198520)
出願日 平成17年7月7日(2005.7.7)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 満尾 哲
要約 課題
後席用膨張部の展開動作の円滑化と後席に着座する乗員のヘッドクリアランスの確保の両立を図る。

解決手段
エアバッグ16を車両上下方向に折り畳み、かつ後方側膨張部32の後端部32Aを、クォータピラーガーニッシュ48の上端部48A内へ折り曲げて収納させた。これにより、従来の後方側膨張部の後端部を前方側へ折り返して重ねる構成に比し、後方側膨張部32の折り畳み部分が車室内側へ嵩張らなくなる。従って、ルーフヘッドライニングが車室内側へ張り出すこともなくなり、後席乗員のヘッドクリアランスを確保できる。また、クォータピラーガーニッシュ48の上端部48A内へ収納する後端部32Aの長さL’を、エアバッグ展開時にセル38の挙動によって車両前方側へ引き込まれて移動する長さLとした(長さLに対してL’≦Lとした)ので、エアバッグ展開時に当該後端部32Aがクォータピラーガーニッシュ48の上端部48Aに引っ掛かるのを抑制できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両の所定位置に配置され、車両の側面衝突時又はロールオーバー時に作動してガスを噴出するインフレータと、
このインフレータと接続されると共に、前方側に位置する乗員の頭部を保護する前方側膨張部と、後方側に位置する乗員の頭部を保護する後方側膨張部と、を含んで構成され、車両上下方向に折り畳まれた状態で車両のルーフサイドレール部に沿って格納されると共にインフレータからのガスの供給により膨張して車室内側の側部に車両下方側へ向けて展開するエアバッグと、
を有する頭部保護エアバッグ装置であって、
前記後方側膨張部における後端部を車両後方側に位置するピラーガーニッシュ内へ収納すると共に、当該ピラーガーニッシュ内に収納した収納部の長さをエアバッグの膨張による車両前方側への引き込み移動によりピラーガーニッシュ内から抜け出して車室内側へ展開可能な長さに設定した、
ことを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
【請求項2】
車両側面視で前記ピラーガーニッシュの上端側の見切り位置付近には、後方側膨張部の車室内側への展開方向を規制することで当該ピラーガーニッシュの上端部への引っ掛かりを抑制する板状の展開方向規制手段が設けられていると共に、
当該展開方向規制手段は、ピラーガーニッシュの上端側の見切り位置付近にて車両前後方向に沿って延在する主部と、この主部の後端部からピラーガーニッシュの上端部側へ向けて屈曲された屈曲部と、を含んで構成されており、
さらに、折り畳み状態の後方側膨張部は前記主部に沿って配置されると共に、後方側膨張部の後端部は前記屈曲部に沿って車両下方側へ折り曲げられてピラーガーニッシュ内へ収納されている、
ことを特徴とする請求項1記載の頭部保護エアバッグ装置。
【請求項3】
前記後方側膨張部は前記インフレータからのガスの供給を受けて車両上下方向を長手方向として膨張する複数のセルを備えており、
さらに、複数のセルの内、最後端に位置する最後端セルへのガス供給路の断面積を当該最後端セルの車両前方側に隣接して配置された前側セルへのガス供給路の断面積よりも小さく設定した、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の頭部保護エアバッグ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の側面衝突時又はロールオーバー時に車室内側の側部に車両下方側へ向けてエアバッグを展開させる頭部保護エアバッグ装置に係り、特に後席用膨張部を備えた頭部保護エアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、乗員保護補助装置として、側面衝突時又はロールオーバー時に、ルーフサイドレール部の下方へカーテン状にエアバッグを展開させる頭部保護エアバッグ装置が搭載されるようになってきた。また、前席に着座した乗員の頭部だけでなく、後席に着座した乗員の頭部をも保護できる頭部保護エアバッグ装置が既に公知技術となっている。
【0003】
ここで、下記特許文献1には、この種の頭部保護エアバッグ装置が開示されている。簡単に説明すると、この頭部保護エアバッグ装置では、後席用膨張部の後方部位を前方部位に折り返して重ねてから上下方向に折り畳み、この状態の後席用膨張部を内装材であるルーフヘッドライニングの端末部とボディーの一部であるルーフサイドレールとの間に格納するようになっている。このように後席用膨張部の後方部位を前方部位へ折り返して重ねることにより、後席用膨張部の展開時に、後席用膨張部の後方部位がクォータピラーガーニッシュの上端部に引っ掛かるのを防止している。
【特許文献1】特許第3506066号公報
【特許文献2】特開2001−270413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された頭部保護エアバッグ装置による場合、後席用膨張部の後方部位を前方部位に折り返して重ねる等した後に上下方向に折り畳むため、折り畳まれたエアバッグ(のパッケージング)が嵩張る(車室内側へ張り出してくる)。従って、その分、ルーフヘッドライニングの端末部を含む周辺部分を車室内側へ張り出させる必要があり、後席に着座する乗員のヘッドクリアランスが狭くなるという問題があった。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、後席用膨張部の展開動作の円滑化と後席に着座する乗員のヘッドクリアランスの確保の両立を図ることができる頭部保護エアバッグ装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、車両の所定位置に配置され、車両の側面衝突時又はロールオーバー時に作動してガスを噴出するインフレータと、このインフレータと接続されると共に、前方側に位置する乗員の頭部を保護する前方側膨張部と、後方側に位置する乗員の頭部を保護する後方側膨張部と、を含んで構成され、車両上下方向に折り畳まれた状態で車両のルーフサイドレール部に沿って格納されると共にインフレータからのガスの供給により膨張して車室内側の側部に車両下方側へ向けて展開するエアバッグと、を有する頭部保護エアバッグ装置であって、前記後方側膨張部における後端部を車両後方側に位置するピラーガーニッシュ内へ収納すると共に、当該ピラーガーニッシュ内に収納した収納部の長さをエアバッグの膨張による車両前方側への引き込み移動によりピラーガーニッシュ内から抜け出して車室内側へ展開可能な長さに設定した、ことを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、請求項1記載の発明において、車両側面視で前記ピラーガーニッシュの上端側の見切り位置付近には、後方側膨張部の車室内側への展開方向を規制することで当該ピラーガーニッシュの上端部への引っ掛かりを抑制する板状の展開方向規制手段が設けられていると共に、当該展開方向規制手段は、ピラーガーニッシュの上端側の見切り位置付近にて車両前後方向に沿って延在する主部と、この主部の後端部からピラーガーニッシュの上端部側へ向けて屈曲された屈曲部と、を含んで構成されており、さらに、折り畳み状態の後方側膨張部は前記主部に沿って配置されると共に、後方側膨張部の後端部は前記屈曲部に沿って車両下方側へ折り曲げられてピラーガーニッシュ内へ収納されている、ことを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記後方側膨張部は前記インフレータからのガスの供給を受けて車両上下方向を長手方向として膨張する複数のセルを備えており、さらに、複数のセルの内、最後端に位置する最後端セルへのガス供給路の断面積を当該最後端セルの車両前方側に隣接して配置された前側セルへのガス供給路の断面積よりも小さく設定した、ことを特徴としている。
【0009】
請求項1記載の本発明によれば、車両の側面衝突時又はロールオーバー時になると、インフレータが作動し、車両のルーフサイドレール部に沿って車両上下方向に折り畳まれた状態で格納されたエアバッグ内へガスが供給される。このため、エアバッグが車室内側の側部に車両下方側へ向けて展開される。エアバッグは、前方に位置する乗員の頭部を保護する前方側膨張部と、後方に位置する乗員の頭部を保護する後方側膨張部と、を含んで構成されているため、前方側に位置する乗員の頭部は前方側膨張部によって保護され、後方側に位置する乗員の頭部は後方側膨張部によって保護される。
【0010】
ここで、本発明では、後方側膨張部における後端部を車両後方側に位置するピラーガーニッシュ内へ収納させているが、このようにピラーガーニッシュ内にエアバッグの一部を収納させると、エアバッグが膨張して展開する際に、ピラーガーニッシュの上端部に当該収納部が引っ掛かる可能性がある。
【0011】
しかし、本発明では、後方側膨張部における後端部のピラーガーニッシュへの収納部の長さを、エアバッグの膨張による車両前方側への引き込み移動により、当該収納部がピラーガーニッシュ内から抜け出して車室内側へ展開可能な長さに設定したので、収納部がピラーガーニッシュの上端部に引っ掛かることはない。すなわち、エアバッグの主として後方側膨張部(後方側に位置する乗員の頭部保護エリア)の展開時の挙動について考察すると、ガスが入ってない状態の平面状の後方側膨張部にガスが流入して膨張すると、それに伴って後方側膨張部の後端部は車両前方側へ引っ張られて所定距離だけ移動していく(引き込まれる)。この展開時における後方側膨張部の挙動に着目し、本発明では、後方側膨張部における後端部のピラーガーニッシュへの収納部の長さを、後方側膨張部の膨張によって車両前方側へ引き込み移動されてピラーガーニッシュ内から抜け出して車室内側へ展開可能な長さに設定したので、収納部はピラーガーニッシュの上端部に引っ掛かることなく、適切に展開される。
【0012】
このように本発明によれば、従来技術のように後方側膨張部の後端部を前方へ折り返して重ねる必要もなく、折り畳み後の後方側膨張部が車室内側へ嵩張ることもない。従って、後席に着座する乗員のヘッドクリアランスも狭くならない。
【0013】
請求項2記載の本発明によれば、ピラーガーニッシュの上端側の見切り位置付近に、後方側膨張部の車室内側への展開方向を規制する板状の展開方向規制手段を設けたので、後方側膨張部が車室内側へ展開した際に、後方側膨張部がピラーガーニッシュの上端部に引っ掛かることが抑制される。
【0014】
ここで、本発明では、上記展開方向規制手段がピラーガーニッシュの上端側の見切り位置付近にて車両前後方向に沿って延在する主部と、この主部の後端部からピラーガーニッシュの上端部側へ向けて屈曲された屈曲部と、を含んで構成されており、折り畳み状態の後方側膨張部を主部に沿って配置すると共に、後方側膨張部の後端部を屈曲部に沿って車両下方側へ折り曲げてピラーガーニッシュ内へ収納させることとしたので、ピラーガーニッシュ内に収納された収納部が後方側膨張部の膨張によって車両前方側へ引き込まれて移動する際に、当該後端部が主部の後端に引っ掛かるのを防止することができる。従って、後方側膨張部の後端部はピラーガーニッシュ内から円滑に抜け出ていく。
【0015】
また、展開方向規制手段が備える主部と屈曲部に沿ってエアバッグの後方側膨張部を組付けていくことができるので、車両へのエアバッグの組付作業が容易になる。
【0016】
請求項3記載の本発明によれば、後方側膨張部はインフレータからのガスの供給を受けて車両上下方向を長手方向として膨張する複数のセルを備えており、さらに、複数のセルの内、最後端に位置する最後端セルへのガス供給路の断面積を当該最後端セルの車両前方側に隣接して配置された前側セルへのガス供給路の断面積よりも小さく設定したので、最後端セルよりも先に前側セルが膨張される。このため、前側セルの膨張による車両前方側への収縮動作も最後端セルのピラーガーニッシュ内からの引き抜きに利用することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、後方側膨張部における後端部を車両後方側に位置するピラーガーニッシュ内へ収納すると共に、当該ピラーガーニッシュ内に収納した収納部の長さをエアバッグの膨張による車両前方側への引き込み移動によりピラーガーニッシュ内から抜け出して車室内側へ展開可能な長さに設定したので、後方側膨張部の後端部がピラーガーニッシュの上端部に引っ掛からないばかりか、後方側膨張部の後端部を折り返して重ねた状態で折り畳む必要がなく、その結果、後席用膨張部の展開動作の円滑化と後席に着座する乗員のヘッドクリアランスの確保の両立を図ることができるという優れた効果を有する。
【0018】
請求項2記載の本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、請求項1記載の発明において、車両側面視でピラーガーニッシュの上端側の見切り位置付近に設けた展開方向規制手段に車両前後方向に沿って延在する主部及び主部の後端部からピラーガーニッシュの上端部側へ向けて屈曲された屈曲部を設け、折り畳み状態の後方側膨張部を主部に沿って配置すると共に、後方側膨張部の後端部を屈曲部に沿って車両下方側へ折り曲げてピラーガーニッシュ内へ収納させたので、後方側膨張部における後端部のピラーガーニッシュからの引き抜き動作の円滑化及び車両へのエアバッグの組付作業性の向上を図ることができるという優れた効果を有する。
【0019】
請求項3記載の本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、請求項1又は請求項2記載の発明において、後方側膨張部における最後端に位置する最後端セルへのガス供給路の断面積を当該最後端セルの車両前方側に隣接して配置された前側セルへのガス供給路の断面積よりも小さく設定したので、前側セルの膨張による車両前方側への収縮動作も最後端セルのピラーガーニッシュ内からの引き抜きに利用することができ、その結果、後方側膨張部の後端部を速やかに車両前方側へ移動させて車室内側へ展開させることができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係る頭部保護エアバッグ装置の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
【0021】
図1には、本実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置10が作動してエアバッグ16が展開した状態が側面視で示されている。この図に示されるように、頭部保護エアバッグ装置10は、作動することによりガスを噴出する円柱形状のインフレータ12と、このインフレータ12のガス噴出部と接続されると共に通常は車両上下方向に折り畳まれて車両前後方向に長い長尺状とされてルーフサイドレール部14に沿って格納されたエアバッグ16と、を備えている。
【0022】
なお、インフレータ12は、車体側部の所定位置に配置された図示しない側面衝突センサによって側面衝突状態が検知された場合並びに車体中央部付近に配置された図示しないロールオーバーセンサによって車両のロールオーバー状態が検知された場合に、図示しないエアバッグECUによって作動されるようになっている。
【0023】
エアバッグ16の外周上縁部には所定の間隔で固定点18が設定されており、当該固定点18にてエアバッグ16はフロントピラー(Aピラー)20、ルーフサイドレール部14、クォータピラー(Cピラー)22といったボディー側構成要素に支持されている。
【0024】
また、エアバッグ16は、フロントシート26に着座する乗員の頭部を保護する前方側膨張部(前席用膨張部)28と、リヤシート30に着座する乗員の頭部を保護する後方側膨張部(後席用膨張部)32と、前方側膨張部28と後方側膨張部32との間に配置された矩形平面状の非膨張部34と、非膨張部34の下端部に沿って車両前後方向に延在し前方側膨張部28と後方側膨張部32とを下端側にて連通する下端側膨張部36と、非膨張部34の上端部に沿って車両前後方向に延在し前方側膨張部28と後方側膨張部32とを上端側にて連通する上端側膨張部37と、によって構成されている。前方側膨張部28及び後方側膨張部32は、車両上下方向に長い円筒状の複数のセル38を車両前後方向に隣接して配置することにより構成されている。
【0025】
さらに、エアバッグ16の上端側膨張部37の前後方向中間部には、インフレータ12のガス噴出部に接続されるガス導入部40が設けられている。このガス導入部40にインフレータ12のガス噴出部が挿入された状態で一対の取付ブラケット42によって車体側に固定されている。つまり、この実施形態の頭部保護エアバッグ装置10では、インフレータ12がエアバッグ16の上縁側中央部付近に配置されるインフレータ中央配置タイプを採用している。
【0026】
また、車両側面視で、センタピラー(Bピラー)ガーニッシュ44の上端部44Aの若干上側には、車両前後方向に沿って板状の規制部46Aが延在する金属製の展開方向規制部材46が配設されている。展開方向規制部材46はボディー側に固定されており、センタピラーガーニッシュ44の上端部44Aの見切り線44A’よりも上側に規制部46Aが位置するように配置されている。かかる展開方向規制部材46が配設されることにより、エアバッグ16が膨張して車室内側へ展開する際に、センタピラーガーニッシュ44の上端部44Aにエアバッグ16が引っ掛かるのを防止している。
【0027】
同様に、車両側面視で、クォータピラーガーニッシュ48の上端部48Aの若干上側には、車両前後方向に沿って板状の規制部50Aが延在する金属製の展開方向規制部材50が配設されている。展開方向規制部材50はボディー側に固定されており、クォータピラーガーニッシュ48の上端部48Aの見切り線48A’よりも上側に規制部50Aが位置するように配置されている。かかる展開方向規制部材50が配設されることにより、エアバッグ16の後方側膨張部32が膨張して車室内側へ展開する際に、クォータピラーガーニッシュ48の上端部48Aに後方側膨張部32が引っ掛かるのを防止している。
【0028】
折り畳み状態のエアバッグ16は、フロントピラー20から上記二つの展開方向規制部材46、50の規制部46A、50Aに沿って車両前後方向に配置されて前述した固定点18にて固定されている。すなわち、展開方向規制部材46、50を利用して、エアバッグ16がボディー側に組付けられている。
【0029】
ここで、図1及び図2(B)に示されるように、上述したエアバッグ16の後方側膨張部32の後端部32Aは、後方側膨張部32の前方側へ折り返されて重ねられるのではなく、車両下方側へ折り曲げられてクォータピラーガーニッシュ48内へ収納(挿入)されている。正確には、クォータピラーガーニッシュ48とクォータピラー本体との間には所定の空間部が形成されており、この空間部の中へ後方側膨張部32の後端部32Aが折り曲げられた状態で収納されている。
【0030】
また、これに対応して、クォータピラーガーニッシュ48側の展開方向規制部材50は車両側面視で横向きのL字状に形成されており、規制部50Aの後端部から車両下方側へ垂下された屈曲部50Bに後方側膨張部32の後端部32Aが沿うようにクォータピラーガーニッシュ48内に収納されている。
【0031】
付言すると、図2(A)には、上述したエアバッグ16の主に後方側膨張部32のセルパターンが示されている。この図に示されるように、後方側膨張部32は、最後端(最後尾)に位置する最後端セル38Aと、その車両前方側に隣接して配置された前側セル38Bとを備えている。このセルパターンでは、最後端セル38Aのセル下端部側にガス供給路52が設定されている。但し、この第1実施形態では、最後端セル38Aへのガス供給路52の断面積は、前側セル38Bへのガス流入路となる上端側膨張部37の断面積よりも大きいか同等に設定されている。
【0032】
なお、図2において一点鎖線Pよりも右側の部分が後方側膨張部32の後端部32Aであり、即ちクォータピラーガーニッシュ48内に収納される部分である。また、図2(A)において矢印Gは、エアバッグ16が展開する際のガスの流れを示している。
【0033】
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0034】
車両の側面衝突時又はロールオーバー時になると、側面衝突センサ又はロールオーバーセンサによってその状態が検知され、エアバッグECUに入力される。エアバッグECUによって側面衝突又はロールオーバーと判断されると、インフレータ12が作動して、車両のルーフサイドレール部14に沿って折り畳み状態で格納されたエアバッグ16内へガスが供給される。
【0035】
具体的には、エアバッグ16のガス導入部40からガスが供給されて、前方側膨張部28、上端側膨張部37、後方側膨張部32、及び下端側膨張部36を膨張させながら、エアバッグ16を車室内側の側部に車両下方側へ向けてカーテン状に展開させる。これにより、フロントシート26に着座する乗員の頭部が前方側膨張部28によって保護されると共に、リヤシート30に着座する乗員の頭部が後方側膨張部32によって保護される。
【0036】
ここで、本実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置10では、後方側膨張部32における後端部32Aをクォータピラーガーニッシュ48内へ収納させているが、このようにクォータピラーガーニッシュ48内にエアバッグ16の後方側膨張部32の後端部32Aを収納させると、エアバッグ16の後方側膨張部32が膨張して展開する際に、クォータピラーガーニッシュ48の上端部48Aに当該後端部32Aが引っ掛かる可能性がある。
【0037】
しかし、本実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置10では、後方側膨張部32における後端部32Aのクォータピラーガーニッシュ48への収納部(後端部32A)の長さL’(図2(B)参照)を、エアバッグ16の膨張による車両前方側への引き込み移動によりクォータピラーガーニッシュ48内から抜け出して車室内側へ展開可能な長さL(図2(A)、図3(B)参照)に設定した(L’=Lに設定してもよいが、より広くは、長さLに対してL’≦Lの関係にあればよい。)ので、後方側膨張部32の展開時にクォータピラーガーニッシュ48への収納部である後端部32Aがクォータピラーガーニッシュ48の上端部48Aに引っ掛かることはない。
【0038】
すなわち、図3を用いて、エアバッグ16の主として後方側膨張部32(後方側に位置する乗員の頭部保護エリア)の展開時の挙動について考察すると、今仮に図3(A)に示されるように、ガスが入ってない状態の平面状の後方側膨張部32の各セル38内にガスが順次車両前方側から流入して膨張していくと、それに伴って後方側膨張部32の後端部32Aは車両前方側(図3(B)の矢印A方向)へ順次引っ張られていき、各セル38はそれぞれ所定距離だけ引っ張られた方向へ移動していく。その結果、後方側膨張部32の後端部32Aはトータルして長さLだけ車両前方側へ移動する。この展開時の後方側膨張部32の挙動に着目し、本実施形態では、後方側膨張部32における後端部32Aのクォータピラーガーニッシュ48への収納部(後端部32A)の長さL’を、後方側膨張部32の膨張によって車両前方側へ引き込み移動されてクォータピラーガーニッシュ48内から抜け出して車室内側へ展開可能な長さL(L’≦L)に設定したので、後方側膨張部32の後端部32Aはクォータピラーガーニッシュ48の上端部48Aに引っ掛かることなく、適切に展開される。
【0039】
このように本実施形態によれば、従来技術のように後方側膨張部の後端部を前方へ折り返して重ねる必要もなく、折り畳み後の後方側膨張部が車室内側へ嵩張ることもない。従って、リヤシート30に着座する乗員のヘッドクリアランスも狭くならない。
【0040】
上記により、本実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置10によれば、後席用膨張部32の展開動作の円滑化とリヤシート30に着座する乗員のヘッドクリアランスの確保の両立を図ることができる。
【0041】
また、本実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置10では、クォータピラーガーニッシュ48の上端部48Aの見切り線48A’の若干上方側に、後方側膨張部32の車室内側への展開方向を規制する板状の展開方向規制部材50を設けたので、後方側膨張部32が車室内側へ展開した際に、後方側膨張部32がクォータピラーガーニッシュ48の上端部48Aに引っ掛かることが抑制される。
【0042】
ここで、本実施形態では、上記展開方向規制部材50を車両前後方向に沿って延在する規制部50Aと、この規制部50Aの後端部からクォータピラーガーニッシュ48の上端部48A側へ向けて屈曲垂下された屈曲部50Bとによって構成し、更に折り畳み状態の後方側膨張部32を規制部50Aに沿って配置すると共に、後方側膨張部32の後端部32Aを屈曲部50Bに沿って車両下方側へ折り曲げてクォータピラーガーニッシュ48内へ収納させることとしたので、クォータピラーガーニッシュ48内に収納された後方側膨張部32の後端部32Aが後方側膨張部32の膨張によって車両前方側へ引き込まれて移動する際に、当該後端部32Aが規制部50Aの後端(のエッジ)に引っ掛かるのを防止することができる。従って、後方側膨張部32の後端部32Aはクォータピラーガーニッシュ48内から円滑に抜け出ていく。
【0043】
また、展開方向規制部材50が備える規制部50Aと屈曲部50Bに沿って折り畳み状態のエアバッグ16の後方側膨張部32を組付けていくことができるので、車両へのエアバッグ16(特には、後方側膨張部32)の組付作業が容易になる。
【0044】
よって、上記構成の頭部保護エアバッグ装置10によれば、後方側膨張部32における後端部32Aのクォータピラーガーニッシュ48からの引き抜き動作の円滑化及び車両へのエアバッグ16の組付作業性の向上を図ることができる。
【0045】
〔第2実施形態〕
次に、図4及び図5を用いて、本発明に係る頭部保護エアバッグ装置の第2実施形態(セルパターンの変形例)について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0046】
図4には、エアバッグ60の後方側膨張部62のセルパターンが示されている。この図に示されるように、後方側膨張部62は、最後端(最後尾)に位置する最後端セル64Aと、その車両前方側に隣接して配置された前側セル64Bとを備えている。最後端セル64Aへのガス供給路66はセル上端側に設定されており、その断面積は前側セル64Bへのガス流入路となる上端側膨張部37の断面積よりも小さく設定されている。
【0047】
一方、図5には、別のエアバッグ70の後方側膨張部72のセルパターンが示されている。このセルパターンでは、最後端セル74Aへのガス供給路76がセル長手方向中間部に設定されており、その断面積は前側セル74Bへのガス流入路となる上端側膨張部37の断面積よりも小さく設定されている。
【0048】
上記構成によれば、後方側膨張部62、72はインフレータ12からのガスの供給を受けて車両上下方向を長手方向として膨張する複数のセル64,74を備えており、更に複数のセル64,74の内、最後端に位置する最後端セル64A、74Aへのガス供給路66、76の断面積を、当該最後端セル64A、74Aの車両前方側に隣接して配置された前側セル64B、74Bへのガス供給路(上端側膨張部37)の断面積よりも小さく設定したので、最後端セル64A、74Aよりも先に前側セル64B、74Bが膨張される。このため、前側セル64B、74Bの膨張による車両前方側への収縮動作も、最後端セル64A、74Aのクォータピラーガーニッシュ48内からの引き抜き動作に利用することができる。その結果、本実施形態によれば、後方側膨張部62、72の後端部62A、72Aを速やかに車両前方側へ移動させて車室内側へ展開させることができる。
【0049】
〔本実施形態の補足説明〕
なお、上述した本実施形態では、フロントシート26とリヤシート30の二列シートの車両に対して本発明を適用したが、これに限らず、3列シートの車両に対して本発明を適用してもよい。
【0050】
また、上述した本実施形態では、エアバッグ16のガス導入部40にインフレータ12のガス噴出部を直接挿入して固定する構成を採ったが、これに限らず、ディフューザ(パイプ)等を介してガス導入部40とインフレータ12とを接続する構成を採ってもよい。更に補足すると、本実施形態では、インフレータ12がエアバッグ16の上縁側の前後方向中間部付近に配置されるインフレータ中央配置タイプを採用しているが、インフレータ12がクォータピラーガーニッシュ48の配設位置等に配置される構成を採ってもよい。
【0051】
なお、上述した本実施形態では、クォータピラーガーニッシュ48について適用したが、これに限らず、フロントピラーガーニッシュに対して本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置が作動してエアバッグが展開した状態を示す側面図である。
【図2】(A)は図1に示されるエアバッグの後方側膨張部のセルパターンを示す拡大側面図、(B)は折り畳み状態のエアバッグの後方側膨張部におけるクォータピラーガーニッシュ内へ収納される後端部を中心に示す拡大側面図、(C)はエアバッグが展開したときの挙動を示す拡大側面図である。
【図3】(A)はエアバッグの後方側膨張部の膨張前の状態を示す拡大横断面図、(B)は当該後方側膨張部の膨張後の状態を示す拡大断面図である。
【図4】第2実施形態に係るエアバッグの要部(セルパターン)を抽出し残りを省略して描いた拡大側面図である。
【図5】第2実施形態に係るエアバッグの要部(別のセルパターン)を抽出し残りを省略して描いた拡大側面図である。
【符号の説明】
【0053】
10 頭部保護エアバッグ装置
12 インフレータ
14 ルーフサイドレール部
16 エアバッグ
28 前方側膨張部
32 後方側膨張部
32A 後端部(収納部)
37 上端側膨張部(ガス供給路)
40 エアバッグ導入部
48 クォータピラーガーニッシュ
48A 上端部
48A’ 見切り線
50 展開方向規制部材(展開方向規制手段)
50A 規制部(主部)
50B 屈曲部
60 エアバッグ
62 後方側膨張部
62A 後端部(収納部)
64 セル
64A 最後端セル
64B 前側セル
66 ガス供給路
70 エアバッグ
72 後方側膨張部
72A 後端部(収納部)
74 セル
74A 最後端セル
74B 前側セル
76 ガス供給路




 

 


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