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発明の名称 電動パワーステアリング装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15474(P2007−15474A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197053(P2005−197053)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
発明者 河西 栄治 / 藤範 洋一 / 斎藤 貴俊 / 山下 正治 / 山崎 一平 / 藤田 修司
要約 課題
電動パワーステアリング装置の電源バックアップを低コストにて行うことを目的とする。

解決手段
電源装置40として、高圧バッテリ51とその高圧バッテリ51の電圧を下げる降圧回路55とを備えた主電源供給回路50と、低圧バッテリ61とその低圧バッテリ61の電圧を上げる昇圧回路70とを備えた副電源供給回路60とで電源供給回路を構成し、主電源供給回路50と副電源供給回路60とを並列に接続して設けるとともに、副電源供給回路60の出力電圧を、主電源供給回路50の出力電圧よりも低く設定した。
特許請求の範囲
【請求項1】
電源装置から電力供給される電動モータと、該電動モータの作動を制御するモータ制御手段とを備え、操舵ハンドルの操舵状態に応じて上記電動モータを作動して操舵輪に操舵力を付与する電動パワーステアリング装置において、
上記電源装置は、
第1電圧の電力を供給する高圧バッテリと該高圧バッテリの電圧を下げる降圧回路とを備えて上記降圧された高圧バッテリの電力を供給する主電源供給回路と、
上記第1電圧より低い第2電圧の電力を供給する低圧バッテリと該低圧バッテリの電圧を上げる昇圧回路とを備えて上記昇圧された低圧バッテリの電力を供給する副電源供給回路との少なくとも2つの電源供給回路を有し、
上記主電源供給回路と上記副電源供給回路とを並列に接続して設けるとともに、上記昇圧された副電源供給回路の出力電圧を、上記降圧された主電源供給回路の出力電圧よりも低く設定したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
上記電源装置の出力電圧をモニタする出力電圧モニタ手段と、
上記モニタした出力電圧が所定電圧を下回ったと判断したとき、上記副電源供給回路の昇圧回路の昇圧動作を開始させる昇圧制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項3】
上記主電源供給回路における上記降圧回路の出力側には、上記電動モータで発生した回生電力を吸収する主回生吸収手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項4】
上記主回生吸収手段で吸収する回生電力が基準電圧を超える場合には、上記副電源供給回路の電源供給ラインを閉じて上記回生電力を上記副電源供給回路に流して吸収させるスイッチング手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項5】
上記昇圧回路は、副電源供給ラインに直列に設けられる昇圧用コイルと、上記昇圧用コイルの負荷側を開閉可能に接地する第1スイッチング素子と、上記副電源供給ラインにおける上記第1スイッチング素子の接続部よりも負荷側に直列に設けられ寄生ダイオード機能を有する第2スイッチング素子と、上記第1スイッチング素子と上記第2スイッチング素子とのオンオフを制御するスイッチング制御手段と、上記電源装置の出力電圧をモニタする電圧モニタ手段を備え、
上記スイッチング制御手段は、上記第1スイッチング素子のオンオフ動作に同期させて上記第2スイッチング素子をオンオフ動作させて目標電圧に昇圧制御する同期昇圧モードと、上記第2スイッチング素子をオフに維持して上記第1スイッチング素子をオンオフ動作させて目標電圧に昇圧制御する非同期昇圧モードとを有し、上記電源装置の出力電圧が所定電圧以上あれば上記非同期昇圧モードを選択し、上記電源装置の出力電圧が所定電圧を下回った場合には上記同期昇圧モードに切り替えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項6】
上記同期昇圧モードでの昇圧制御中に、上記副電源供給回路への電力流入が検知され、その連続時間が所定時間を越えたとき、上記同期昇圧モードから上記非同期昇圧モードに切り替えることを特徴とする請求項5記載のパワーステアリング装置。
【請求項7】
上記低圧バッテリの電圧低下を検出する低圧バッテリ電圧検出手段と、
上記低圧バッテリの電圧低下を検出したときに、上記高圧バッテリの電力を上記主電源供給回路を経由して上記低圧バッテリに充電することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、操舵ハンドルの回動操作に応じて操舵輪に操舵力を付与する電動モータを備えた電動パワーステアリング装置の特に電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の電動パワーステアリング装置は、操舵ハンドルの回動操作に対して操舵アシスト力を付与するように電動モータを備え、この電動モータの電流量を変化させる通電制御を行ってアシスト力を調整する。
こうした電動パワーステアリング装置は、その電源としてバッテリが使用される。そして、電源供給ラインの異常に対する配慮から、特許文献1のものでは、主バッテリと補助バッテリとの2つの同一電圧のバッテリを備え、一方の電源供給ラインに異常が生じたときに、もう一方の電源からの電源供給に切り替えるようにした構成を採用している。
【特許文献1】特開2004−17732
【0003】
しかしながら、上記従来装置においては、2つのバッテリの電源供給を切り替える切替スイッチ等の切替装置が必要となり、コストアップを生じてしまう。また、電動パワーステアリング装置においては、大きな駆動トルクが要求されることから、最近では高電圧タイプのバッテリの使用が検討されている。しかしながら、高電圧タイプのバッテリを電源に用いたシステムを構成しようとすると、電源異常時のバックアップ用としてもう一つ別の高電圧タイプのバッテリが必要となってしまう。このため、電動パワーステアリング用電源のコストが非常に高くなってしまい好ましくない。
【発明の開示】
【0004】
本発明の目的は、上記問題に対処するためになされたもので、バックアップ電源を備えた電源装置を低コストで提供することを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、電源装置から電力供給される電動モータと、該電動モータの作動を制御するモータ制御手段とを備え、操舵ハンドルの操舵状態に応じて上記電動モータを作動して操舵輪に操舵力を付与する電動パワーステアリング装置において、上記電源装置は、第1電圧の電力を供給する高圧バッテリと該高圧バッテリの電圧を下げる降圧回路とを備えて上記降圧された高圧バッテリの電力を供給する主電源供給回路と、上記第1電圧より低い第2電圧の電力を供給する低圧バッテリと該低圧バッテリの電圧を上げる昇圧回路とを備えて上記昇圧された低圧バッテリの電力を供給する副電源供給回路との少なくとも2つの電源供給回路を有し、上記主電源供給回路と上記副電源供給回路とを並列に接続して設けるとともに、上記昇圧された副電源供給回路の出力電圧を、上記降圧された主電源供給回路の出力電圧よりも低く設定したことにある。
【0006】
上記のように構成した本発明においては、電動モータを高電圧にて駆動できるだけでなく、その電源バックアップ用として一般の電気負荷に使用されている低電圧バッテリをそのまま使用することができる。しかも、主電源供給回路の出力電圧がバックアップ電源として副電源供給回路の出力電圧よりも高く設定されているため、通常時(電源系の正常時)においては、主電源供給回路から高電圧が電動モータに供給され、主電源供給回路の出力電圧が副電源供給回路の出力電圧を下回ると、そのまま副電源供給回路からの電力供給に切り替わる。このため、複数の電源供給回路を切り替えるための切替回路を特別に設ける必要もない。
更に、バックアップ時においては、低圧バッテリ電源を昇圧回路にて昇圧して電動モータに供給するため、高い電圧にて電動モータを駆動することができ良好な操舵アシスト力が得られる。
【0007】
また、本発明の他の特徴は、上記電源装置の出力電圧をモニタする出力電圧モニタ手段と、上記モニタした出力電圧が所定電圧を下回ったと判断したとき、上記副電源供給回路の昇圧回路の昇圧動作を開始させる昇圧制御手段とを備えたことにある。
これによれば、バックアップの必要なときだけ昇圧動作が行われることになり、そのぶん昇圧回路の耐久性向上、消費電力の低減を図ることができる。
【0008】
また、本発明の他の特徴は、上記主電源供給回路における上記降圧回路の出力側には、上記電動モータで発生した回生電力を吸収する主回生吸収手段を備えたことにある。これによれば、電動モータに回生電力が発生した場合には、主回生吸収手段でこの回生電力を吸収するため、降圧回路に回生電流が流れなくなり、降圧回路の損傷を防止することができる。
【0009】
また、本発明の他の特徴は、上記主回生吸収手段で吸収する回生電力が基準電圧を超える場合には、上記副電源供給回路の電源供給ラインを閉じて上記回生電力を上記副電源供給回路に流して吸収させるスイッチング手段を備えたことにある。
これによれば、主回生吸収手段が故障して回生電力の回収が不能になった場合であっても、この回生電力を副電源供給回路に流すことができ主電源供給回路の降圧回路を保護することができる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、上記昇圧回路は、副電源供給ラインに直列に設けられる昇圧用コイルと、上記昇圧用コイルの負荷側を開閉可能に接地する第1スイッチング素子と、上記副電源供給ラインにおける上記第1スイッチング素子の接続部よりも負荷側に直列に設けられ寄生ダイオード機能を有する第2スイッチング素子と、上記第1スイッチング素子と上記第2スイッチング素子とのオンオフを制御するスイッチング制御手段と、上記電源装置の出力電圧をモニタする電圧モニタ手段を備え、上記スイッチング制御手段は、上記第1スイッチング素子のオンオフ動作に同期させて上記第2スイッチング素子をオンオフ動作させて目標電圧に昇圧制御する同期昇圧モードと、上記第2スイッチング素子をオフに維持して上記第1スイッチング素子をオンオフ動作させて目標電圧に昇圧制御する非同期昇圧モードとを有し、上記電源装置の出力電圧が所定電圧以上あれば上記非同期昇圧モードを選択し、上記電源装置の出力電圧が所定電圧を下回った場合には上記同期昇圧モードに切り替えることにある。
【0011】
これによれば、電源装置の出力電圧が所定電圧以上ある場合には、副電源供給回路の昇圧回路では非同期昇圧モードにて昇圧制御され第2スイッチング素子がオフに維持されるため、主電源供給回路からの出力が副電源供給回路側に流れこむことはなく確実に電動モータに供給される。
【0012】
そして、主電源供給回路の出力電圧が低下して電源装置の出力電圧が所定電圧を下回ると、副電源供給回路の昇圧回路では同期昇圧モードにて昇圧制御され第2スイッチング素子が第1スイッチング素子と同期してオンオフする。従って、目標電圧への昇圧制御が良好となり安定した昇圧電圧が得られる。また、電動モータで回生電力が発生した場合でも、第2スイッチング素子がオンオフするため、その回生電力を副電源供給回路から低圧バッテリ側に送って吸収させることができる。
【0013】
尚、ここで表現している、「第1スイッチング素子のオンオフ動作に同期させて第2スイッチング素子をオンオフ動作させる」とは、第1、第2スイッチング素子を同時にオンオフさせることを意味するのではなく、両スイッチング素子を互いに関連付けてオンオフ動作させることを意味する。例えば、第2スイッチング素子をオフ、第1スイッチング素子をオンして昇圧用コイルに電流を流して昇圧用コイルに電力を貯め、その後、第1スイッチング素子をオフ、第2スイッチング素子をオンして昇圧用コイルに貯まった電力を出力するという動作を繰り返すようにする。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、上記同期昇圧モードでの昇圧制御中に、上記副電源供給回路への電力流入が検知され、その連続時間が所定時間を越えたとき、上記同期昇圧モードから上記非同期昇圧モードに切り替えることにある。
【0015】
これによれば、出力電圧の低下した主電源供給回路が正常状態に戻ってその出力電圧が副電源供給回路の出力電圧を上回っても、所定時間後には非同期昇圧モードに切り替わって第2スイッチング素子がオフするため、主電源供給回路の電力が副電源供給回路へ流れ続けてしまうこともなく、両バッテリおよび回路を確実に保護することができる。また、電動モータからの回生電力であれば一時的なものであるため、所定時間内には副電源供給回路への電力流入が終了して同期昇圧モードを維持することができる。
【0016】
この場合、副電源供給回路への電力流入の検知は、例えば、第1スイッチング素子のデューティ比に基づいて推定してもよい。つまり、副電源供給回路への電力流入時は電源装置の出力電圧が上昇するため、昇圧回路における昇圧動作が減少あるいは停止することから、これに伴って第1スイッチング素子SW1のデューティ比も変化するため、これに基づいて簡単に電力流入を検知できる。また、これに第2スイッチング素子のデューティ比も加味して推定してもよい。
また、電源装置の出力電圧をモニタし、その出力電圧が所定電圧(例えば、昇圧回路の昇圧目標電圧あるいは昇圧目標電圧より所定電圧だけ高い設定電圧)を超えたときに副電源供給回路へ電力が流入したと判断してもよい。
【0017】
また、本発明の他の特徴は、上記低圧バッテリの電圧低下を検出する低圧バッテリ電圧検出手段と、上記低圧バッテリの電圧低下を検出したときに、上記高圧バッテリの電力を上記主電源供給回路を経由して上記低圧バッテリに充電することにある。
これによれば、低圧バッテリへの充電が可能となり、充電系の異常時においても所定の電圧を維持することができる。
尚、この場合、過電流により副電源供給回路の昇圧回路が故障しないように、副電源供給ラインにスイッチング素子を設け、このスイッチング素子のオン時間を制限するようにしてもよい。特に、昇圧回路の第2スイッチング素子を兼用するとコストアップを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る電動パワーステアリング装置を概略的に示している。
【0019】
この電動パワーステアリング装置は、大別すると、操舵輪へ操舵アシスト力を付与する操舵アシスト機構10と、操舵アシスト機構10の電動モータ15を駆動制御するアシスト制御装置30と、電源装置40とから構成される。
操舵アシスト機構10は、操舵ハンドル11の回動操作に連動したステアリングシャフト12の軸線周りの回転をラックアンドピニオン機構13によりラックバー14の軸線方向の運動に変換して、このラックバー14の軸線方向の運動に応じて操舵輪である左右前輪FW1,FW2を操舵するようになっている。ラックバー14には電動モータ15が組み付けられている。電動モータ15は、その回転に応じてボールねじ機構16を介してラックバー14を軸線方向に駆動することにより、操舵ハンドル11の回動操作に対してアシスト力を付与する。電動モータ15には回転角センサ17が付設され、ステアリングシャフト12の下端部には操舵トルクセンサ20が組みつけられている。
【0020】
回転角センサ17はレゾルバにより構成され、電動モータ15の回転角を検出して、検出した回転角を表す検出信号を出力する。操舵トルクセンサ20は、ステアリングシャフト12に介装されて上端および下端をステアリングシャフト12に接続したトーションバー21と、トーションバー21の上端部および下端部にそれぞれ組み付けられたレゾルバ22,23とからなる。レゾルバ22,23は、トーションバー21の上端および下端の回転角をそれぞれ検出して、検出した各回転角を表す検出信号をそれぞれ出力する。
【0021】
アシスト制御装置は、これらの回転角センサ17、操舵トルクセンサ20および車両の速度を検出する車速センサ28からの検出信号にもとづいて、電動モータ15への通電量を調整してアシスト力を制御するもので、主要部をマイクロコンピュータにて構成するアシスト用電子制御装置31と、そのアシスト用電子制御装置31からのモータ制御信号により電動モータ15を駆動するモータ駆動回路32とからなる。
本実施形態においては、電動モータ15として3相ブラシレスモータを用い、モータ駆動回路32としてのインバータ回路にて3相駆動電流を電動モータに流すようにするが、Hブリッジ回路にて2相ブラシモータを駆動制御する等、種々のモータや駆動回路を採用できる。
【0022】
電源装置40は、図2に示すように、主電源供給回路50と、バックアップ電源としての副電源供給回路60と、補助電源供給回路80と、電源制御装置90に大別される。
主電源供給回路50は、第1電圧V1H(本実施形態ではV1H=288V)を発生する高圧バッテリ51と、パワーコントロールユニット52により主電源供給ライン53を開閉するリレー54と、高圧バッテリ電圧V1Hを第1降圧電圧V1L(本実施形態ではV1L=48)に降圧する降圧回路55(DC−DCコンバータ)と、降圧回路55の2次側に設けられ電動モータ15で発生した回生電力を吸収する回生吸収回路56とを備える。
【0023】
回生吸収回路56は、降圧回路55の2次側を抵抗素子57と吸収用スイッチング素子SW3とを介して接地して回生電力を逃がす回路を構成する。この吸収用スイッチング素子SW3は、電源制御装置90からの信号により開閉制御される。
【0024】
一方、副電源供給回路60は、第2電圧V2L(本実施形態ではV2L=12V)を発生する低圧バッテリ61と、アシスト制御を開始するときに副電源供給ライン63を閉じるリレー64と、低圧バッテリ電圧V2Lを第2昇圧電圧V2H(本実施形態ではV2H=33V)に昇圧する昇圧回路70とを備える。
【0025】
昇圧回路70は、副電源供給ライン63に直列に設けられる昇圧用コイル71と、昇圧用コイル71の2次側の副電源供給ライン63から分岐した接地ラインに設けられる第1スイッチング素子SW1と、副電源供給ライン63における第1スイッチング素子SW1の接続部よりも負荷側(電力供給側)の副電源供給ライン63に直列に設けられる第2スイッチング素子SW2と、この第2スイッチング素子SW2の入出力端を短絡するダイオード72とを備える。
【0026】
この2つのスイッチング素子SW1,SW2にはFETが用いられる。特に、第2スイッチング素子SW2に関しては、寄生ダイオード機能を有するタイプのFETが使用される。つまり、第2スイッチング素子SW2は、オフ状態であっても順方向(電源供給方向)への通電のみ可能で逆方向には通電不能となり、オン状態では両方向への通電が可能となる。
この第2スイッチング素子SW2を短絡するダイオード72は、カソード側を電源出力側にアノード側を低圧バッテリ側にして設けられる。このダイオード72は、第2スイッチング素子SW2の通電容量を補うために設けられる。
【0027】
第1スイッチング素子SW1は、電源制御装置90からのパルス信号により、速い周期でオンオフして昇圧用コイル71から目標電圧である第2昇圧電圧V2Hを発生させる。本実施形態では、昇圧動作時にスイッチング素子SW2をオフに維持する非同期昇圧モードと、第2スイッチング素子SW2を第1スイッチング素子SW1のオンオフ動作と同期させてスイッチングする同期昇圧モードとの2つの昇圧モードを有する。
【0028】
この同期モードでは、図3に示すように、両スイッチング素子SW1,SW2が同じ周期で互いに関連付けられてオンオフするもので、第2スイッチング素子SW2をオフ、第1スイッチング素子SW1をオンして昇圧用コイル71に短時間だけ電流を流して昇圧用コイル71に電力を貯め、その後、第1スイッチング素子SW1をオフ、第2スイッチング素子SW2をオンして昇圧用コイル71に貯まった電力を出力するように動作する。
【0029】
尚、必ずしも第1スイッチング素子SW1のオフ時に第2スイッチング素子SW2をオンさせるものではなく、昇圧用コイル71に通電して電力を発生させ、その電力を負荷側に放出させるという一連の動作を互いに連携させて行なうようにするものであればよい。
【0030】
主電源供給回路50および副電源供給回路60のそれぞれの電源供給ライン53,63の出力端は、モータ駆動回路32への出力電源ライン100に接続される。この電源装置40の出力電源ライン100には、電源ノイズ除去用のコンデンサ101が設けられる。
補助電源供給回路80は、低圧12V系の補助電源をアシスト制御装置30や副電源供給ライン63に供給するもので、高圧バッテリ51の電圧を低電圧に変換する降圧回路81を備える。
【0031】
電源制御装置90は、マイクロコンピュータを主要部として構成され、電源装置40の出力電源ライン100の電圧(出力電圧Vout)と、高圧バッテリ51の電圧VHxおよび低圧バッテリ61の電圧VLxをモニタするとともに、そのモニタ電圧に応じてスイッチング素子SW1,SW2,SW3の開閉を制御する。尚、電源制御装置90は、図示しないが、低圧バッテリ61からレギュレータを介して電源供給される。
尚、この電源制御装置90と昇圧回路70とで、本発明の昇圧回路を構成している。
【0032】
次に、電源制御装置90の行う電動モータ15への電源供給制御処理について説明する。
図4は、第1実施形態の電源供給制御ルーチンを表すもので、電源制御装置90内のROM内に制御プログラムとして記憶され、短い周期で繰り返し実行される。
本電源供給制御ルーチンは、図示しないイグニッションスイッチの投入により、リレー54,64がオンしたのち起動する。
【0033】
まず、ステップS1において、出力電圧Voutを検出し、その電圧が回生判定電圧VK1(例えば50V)を超えているか否かを判断する。この判断処理は、電動モータ15から回生電力が発生しているか否かを判断するもので、回生電力が発生している場合には、出力電圧Voutがこの回生判定電圧VK1を上回るようにこの判定電圧値が設定されている。
【0034】
回生電力が発生していない場合(S1:NO)には、続くステップS2において、出力電圧Voutが副電源供給回路60の定格出力電圧V2H(目標電圧33V)を下回っているか否かを判断する(S2)。主電源供給回路50が正常に作動している場合には、出力電圧Voutは主電源供給回路50の定格出力電圧V1L(48V)を維持しているため、「NO」と判断される。この場合には、モータ駆動回路32に主電源供給回路50から正常に電源供給されていることから、副電源供給回路60からの電源供給は必要ないため、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2を共にオフにする(S3)。従って、昇圧回路70の昇圧動作は行われない。また、第2スイッチング素子SW2をオフにすることで、主電源供給回路50の出力が副電源供給回路60に流れ込んでしまうことを防止する。
【0035】
一方、ステップS2の判断で「YES」、つまり、出力電圧VoutがV2H(33V)を下まわった場合には、スイッチング素子SW1をオンオフ作動させて昇圧用コイル71により低圧バッテリ61の電源を昇圧する(S4)。この場合、副電源供給回路60では目標昇圧電圧をV2Hとして昇圧する。つまり、出力電圧Voutが目標電圧V2H(33V)となるように、スイッチング素子SW1のパルス通電時間割合(デューティ比)を制御する。ここでは、検出した出力電圧Voutと目標電圧V2Hとの偏差が大きいほどデューティ比が大きく設定される。従って、電源装置40としての出力としては、自動的にこの副電源供給回路60からの電力供給に切り替わる。
【0036】
こうして、主電源供給回路50の出力電圧が低下した場合には、副電源供給回路60からの電源供給に切り替わり、その後、主電源供給回路50の出力電圧が復帰して副電源供給回路60の出力電圧よりも上回ると、再び主電源供給回路50からの電源供給に切り替わる。
このように、自動的に出力電圧が高いほうの電源供給回路50,60からモータ駆動回路32に電力供給される。
【0037】
こうした、電源供給の切替制御を繰り返し行う途中で、電動モータ15から回生電力が発生し、その電圧が回生判定電圧VK1を上回ると、ステップS1にて「YES」と判断され、吸収用スイッチング素子SW3をオンオフする(S5)。この場合、その検出した出力電圧Voutに応じて吸収用スイッチング素子SW3のデューティ比が調整される。つまり、出力電圧Voutが高いほど吸収用スイッチング素子SW3のデューティ比を大きくする。尚、このときスイッチング素子SW1、SW2は共にオフに維持される。
従って、電動モータ15からの回生電力は、主電源供給回路50の回生吸収回路56に流れ込み、吸収用スイッチング素子SW3を経由してグランドに吸収される。
従って、降圧回路55を保護することができる。
【0038】
このように、第1実施形態の電源供給制御ルーチンによれば、主電源供給回路50からの電源供給を優先的に行い、高圧バッテリ51の劣化等により主電源供給回路50からの出力電圧が低下して副電源供給回路60の定格出力電圧以下になったときには、自動的に副電源供給回路60からモータ駆動回路32に電源供給するようにしている。
従って、通常時においては、電動モータ15を高い電圧で駆動して十分な操舵アシスト力が得られるとともに、主電源供給回路50からの出力電圧が低下した場合においても、他の電気負荷と共通に使われる低圧バッテリ61を用いて電動モータ15を駆動するため、バックアップ用として特別なバッテリを用意する必要が無く、しかも、低圧バッテリ電源を昇圧してモータ駆動回路32に供給するため、電源バックアップ時においても高い操舵アシスト力が得られる。
【0039】
しかも、出力電圧が高いほうの電源供給回路50,60が自動的に選択されるため、切替スイッチ等の切替装置が不要となりコストアップを招かない。
尚、この第1実施形態の電源供給制御ルーチンでは、第2スイッチング素子SW2については、常時オフさせているものであるため、第2スイッチング素子SW2を設けずに、ダイオード72だけの構成でもよい。
【0040】
次に、電源制御装置90の実施する第2実施形態の電源供給制御ルーチンについて説明する。この第2実施形態は、第1実施形態の制御ルーチンに対して、回生電力の吸収処理を変更したもので、ハードウエアの構成は図1、図2に示したものと同一である。
図5は、第2実施形態の電源供給制御ルーチンを表すもので、電源制御装置90内のROM内に制御プログラムとして記憶され、短い周期で繰り返し実行される。
尚、ステップS11からステップS14の処理については、先の図4に示した第1実施形態のステップS1からステップS4の処理と同様であるため、簡単な説明に留める。
【0041】
まず、ステップS11において、出力電圧Voutを検出し、その電圧が回生判定電圧VK1(例えば50V)を超えていなければ、回生電力が発生していないと判断して、ステップS12の処理に移行し、出力電圧Voutが副電源供給回路60の定格電圧V2H(33V)を下回っているか否かを判断する。主電源供給回路50が正常に作動している場合には、「NO」と判断され、副電源供給回路60からの電源供給は必要ないため、ステップS13で第1、第2スイッチング素子SW1,SW2をともにオフして昇圧動作を行わず、また、主電源供給回路50の吸収用スイッチング素子SW3もオフにする。
【0042】
一方、ステップS12の判断で「YES」、つまり、出力電圧VoutがV2H(33V)を下まわった場合には、第1スイッチング素子SW1をオンオフ作動させて昇圧用コイル71により低圧バッテリ61の電源を昇圧し(S14)、副電源供給回路60からモータ駆動回路32に電源供給する。
【0043】
こうした、電源供給の切替制御を繰り返し行う途中で、電動モータ15から回生電力が発生し、出力電圧Voutが回生判定電圧VK1をうわまわると、ステップS11にて「YES」と判断され、続いてステップS15の判断処理を行う。このステップS15では、出力電圧Voutが更に吸収アシスト判定電圧VK2(VK2>VK1:例えば、VK2=55V)を上回っているか否かを判断する。
【0044】
出力電圧Voutが吸収アシスト判定電圧VK2以下であれば、吸収用スイッチング素子SW3をオンオフして回生電力をグランドから逃がす(S16)。この場合、副電源供給回路60では第1、第2スイッチング素子SW1,SW2をオフに維持して昇圧作動させない。
【0045】
一方、ステップS15において、出力電圧Voutが吸収アシスト判定電圧VK2を上回っていると判断した場合には、回生吸収回路56の故障(例えば、吸収用スイッチング素子SW3の故障)が考えられることから、副電源供給回路60により回生電力の吸収を行うために、スイッチング素子SW3だけでなくスイッチング素子SW2にもオン信号を出力する(S17)。この場合、主電源供給回路50の回生吸収回路56に断線故障や吸収用スイッチング素子SW3の故障が生じていても、第2スイッチング素子SW2のオン動作により副電源供給回路60の副電源供給ライン63が導通状態となり、回生電力を低圧バッテリ61に流して回収できる。
【0046】
このように、第2実施形態の電源供給制御ルーチンによれば、第1実施形態の効果に加えて、更に、主電源供給回路50の回生吸収回路56が故障した場合であっても、副電源供給回路60にて回生電力を吸収することができ、電源装置40の回路故障、例えば、降圧回路55の故障などを防止できる。
【0047】
次に、電源制御装置90の実行する第3実施形態の電源供給制御ルーチンについて説明する。
図6は、第3実施形態の電源供給制御ルーチンを表すもので、電源制御装置90内のROM内に制御プログラムとして記憶され、短い周期で繰り返し実行される。
本電源供給制御ルーチンは、図示しないイグニッションスイッチの投入により、リレー54,64がオンしたのち起動する。
【0048】
本制御ルーチンが起動されると、まずステップS21において、出力電圧Voutを検出し、その電圧が回生判定電圧VK1(例えば50V)を超えているか否かを判断し、超えていれば、電動モータ15に回生電力が発生していると判断して、第2スイッチング素子SW2をオンして回生電力を低圧バッテリに流して回収する(S22)。
【0049】
一方、ステップS21において「NO」、つまり電動モータ15に回生電力が発生していないと判断した場合には、同期昇圧モード制御中であることを表すフラグFを確認し(S23)、F=1であれば同期昇圧モード制御を行い(S25)、F=1でなければ非同期昇圧モード制御を行う(S24)。ここで、同期昇圧モード制御と非同期昇圧モード制御について説明する。
【0050】
本制御ルーチンでは、同期昇圧モード制御と非同期昇圧モード制御のどちらにおいても、出力電圧Voutを常時監視し、出力電圧Voutが基準電圧(この例では、副電源供給回路の目標電圧V2H)を下回っているときに、第1スイッチング素子SW1を所定の周期でオンオフさせて昇圧回路70の出力電圧Voutが目標電圧V2Hになるように、スイッチング素子SW1のデューティ比を調整する。つまり、出力電圧Voutと目標電圧V2Hとの偏差が大きいほどデューティ比を大きくするPWM制御を行う。
【0051】
そして、同期昇圧モード制御中においては、第2スイッチング素子SW2をスイッチング素子SW1に同期させてオンオフさせる。
例えば、図3に示すように、第2スイッチング素子SW2をオフ、第1スイッチング素子SW1をオンして昇圧用コイル71に短時間だけ電流を流して昇圧用コイル71に電力を貯め、その後、第1スイッチング素子SW1をオフ、第2スイッチング素子SW2をオンして昇圧用コイル71に貯まった電力を出力するように動作する。こうして2つのスイッチング素子SW1,SW2の同期したオンオフ動作により昇圧用コイル71にて昇圧動作が行われる。
【0052】
一方、非同期昇圧モード制御中においては、第2スイッチング素子SW2がオフに設定される。この場合においても、第2スイッチング素子SW2はその寄生ダイオード機能により出力側(モータ駆動回路側)方向にのみ通電可能となる。このため、第1スイッチング素子SW1をオンオフさせることで、低圧バッテリ電源を昇圧した電力を出力することができる。また、主電源供給回路50の電力が副電源供給回路60へ流れてしまうこと常時を防止している。
こうした、2つのモードの昇圧制御においては、常時出力電圧Voutを監視して、出力電圧Voutが目標電圧V2Hを下回っていれば、実質的には昇圧作動されず第1スイッチング素子SW1はオフ状態に維持される。
【0053】
ステップS23の判断において、本制御ルーチンの起動時においては、フラグFはF=0に設定されるため、ステップS24の非同期昇圧モード制御に設定される。そして、主電源供給回路50の出力電圧Voutが基準電圧VR1(この例では、30V)を下回っているか否かを判断し(S26)、下回っていなければ本ルーチンを一旦抜ける。そして、本ルーチンが繰り返される間に、主電源供給回路50の出力電圧が低下し、出力電圧VoutがVR1を下回った場合にはフラグFをF=1にセットし一旦本ルーチンを抜ける(S27)。
【0054】
このステップS27にてフラグFが1にセットされると、次回のステップS23の判断が「YES」となり、同期昇圧モード制御に切り替わる(S25)。この同期昇圧モード制御では、第2スイッチング素子SW2をスイッチング素子SW1に同期させてオンオフさせる。この場合、出力電圧Voutが副電源供給回路60の目標電圧V2Hを下回っているときに、スイッチング素子SW1,SW2をオンオフさせて昇圧回路70の出力電圧Voutが目標電圧V2Hになるように、各スイッチング素子SW1,SW2のデューティ比を調整する。
【0055】
そして、この同期昇圧モード制御中においては、主電源供給回路50の出力電圧の復帰により、主電源供給回路50の電力が副電源供給回路60に流入し続けてしまうことを防止するために、主電源供給回路50の復帰を次のように判断する。
【0056】
まず、第1スイッチング素子SW1のデューティ比D1が基準デューティ比DR1より小さく、かつ第2スイッチング素子SW2のデューティ比D2が基準デューティ比DR2より大きいか否かを判断する。同期昇圧モード制御中においては、出力電圧Voutが目標電圧VH2になるように第1、第2スイッチング素子SW1,SW2のデューティ比が制御されるが、主電源供給回路50の出力電圧が復帰して上昇してくると、第1スイッチング素子SW1のデューティ比は小さくなる。昇圧用コイル71に通電する時間が短くなるからである。
【0057】
一方、第2スイッチング素子SW2のデューティ比は大きくなる。これは、昇圧制御により出力電圧Voutが目標電圧V2Hより上昇しすぎた場合には、第2スイッチング素子SW2のデューティ比を大きくして副電源供給回路側に昇圧電力を戻すためである。
そして、このステップS28,29にて、ともに「YES」と判断した場合には、主電源供給回路50の出力電圧が復帰して昇圧回路70の目標電圧V2よりも高くなった、あるいは、電動モータ15から回生電力が発生したと判断できる。そして、電動モータ15からの回生電力の発生であれば、一時的なものであるために回生電力を低圧バッテリ61で吸収させる。そこで、以下のステップでは回生電力を吸収できる程度の時間だけ同期昇圧モードを継続させ、その後、非同期昇圧モードに切り替えている。
【0058】
つまり、ステップS30にて時間計測用のタイマをインクリメントし(S30)、そのタイマ値Txが基準時間T0を越えたか否かを判断する(S31)。そしてステップS28,S29のデューティ比条件が基準時間T0以上連続して成立した場合には、(S31:YES)、主電源供給回路50の出力電圧が昇圧回路70の目標電圧以上に復帰したと判断して、フラグFを0に設定し本制御ルーチンを一旦抜ける(S32)。従って、同期昇圧モードから非同期相圧モードに切り替わる。
【0059】
一方、ステップS28、S29で「NO」と判断された場合には、タイマ値Txをゼロクリアして本制御ルーチンを一旦抜ける(S33)。従って、同期昇圧モードが継続されることとなる。
【0060】
以上説明した電源供給制御ルーチンによれば、主電源供給回路50の出力電圧が正常であれば、副電源供給回路は非同期昇圧モードで昇圧制御するため、主電源供給回路50から副電源供給回路60への電力の流れ込みが防止される。そして、主電源供給回路50の出力電圧が低下すると副電源供給回路60は同期昇圧モードで昇圧制御を行なう。この場合、第2スイッチング素子SW2を第1スイッチング素子SW1に同期させてオンオフ動作させて昇圧するため、目標電圧への昇圧制御が良好となり安定した昇圧電圧が得られる。
【0061】
また、同期昇圧モードでの昇圧制御中において主電源供給回路50の出力電圧が復帰し副電源供給回路60の目標電圧を上回った場合には、非同期モードに切り替えて主電源供給回路50から副電源供給回路60への電力の流れ込み防止する。従って、両バッテリ51,61および回路の保護を図ることができる。
また、電動モータ15で回生電力が発生した場合においては、副電源供給回路60を経由して低圧バッテリ61で回生電力を吸収することができる。
もちろん、第1、第2実施形態で奏する効果も得られる。
尚、この実施形態においては、主電源供給回路50の出力電圧の復帰の検知(副電源供給回路60への電力流入検知)をステップS28,S29の第1、第2スイッチング素子SW1,SW2のデューティ比D1,D2に基づいて判断しているが、第1スイッチング素子SW1のデューティ比D1のみに基づいてもよい。
また、このステップS28,S29の処理に代えて、図7に示すように、電源装置40の出力電圧Voutが所定電圧VR2を上回ったときに(S34)、主電源供給回路50の出力電圧の復帰あるいは電動モータ15から回生電力が発生したとしてステップS30のタイマカウント動作に入るようにしてもよい。例えば、この所定電圧VR2を昇圧回路70の目標昇圧電圧あるいは目標昇圧電圧よりやや大きな所定電圧に設定する。
【0062】
次に、電源制御装置90の実行する第4実施形態の電源供給制御ルーチンについて説明する。
図8は、第4実施形態の電源供給制御ルーチンを表すもので、電源制御装置90内のROM内に制御プログラムとして記憶され、短い周期で繰り返し実行される。
本電源供給制御ルーチンは、第3実施形態の制御ルーチンのステップS28からステップS33の処理に代えて、ステップS40の処理を行う。尚、他のステップにかかる処理については、第3実施形態と同じであるため、図面に同一ステップ番号を付して説明を省略する。
【0063】
出力電圧Voutが低下して同期昇圧モードでの昇圧制御が開始されると(S25)、ステップS40の処理に移行する。このステップS40の処理では、降圧回路55に対して動作停止指令を出力する。従って、それ以降は、降圧回路55から電動モータ15に対して電力供給が行われなくなり、副電源供給回路60から電源供給されることになる。この場合、電動モータ15にて発生する回生電力は降圧回路55に流れず、副電源供給回路60に流れ吸収されるため、降圧回路55を保護することができる。また、その後、高圧バッテリ51の電圧が復帰した場合においても、高圧バッテリ51の電力を低圧バッテリ61に戻してしまうという不具合もない。
【0064】
次に、低圧バッテリ61が劣化して、その出力電圧が所定電圧に満たなくなった場合の電源制御装置90の行う充電制御について説明する。
図9は、低圧バッテリ充電制御ルーチンを表すもので、電源制御装置90内のROM内に制御プログラムとして記憶され、上述した各電源供給制御ルーチンと並行して短い周期で繰り返し実行される。
【0065】
イグニッションスイッチの投入により本制御ルーチンが起動すると、まず、フラグFの状態を確認する(S41)。このフラグFは、低圧バッテリ61の充電動作を禁止しているときにF=1にセットされるもので、本制御ルーチンの起動時にはF=0にセットされている。
従って、次のステップS42に移行して、低圧バッテリ電圧Vin(昇圧回路70の入力電圧)を読み込み、バッテリ電圧Vinが予め設定した充電基準電圧VR3(例えば、11V)を下回っているか否かを判断する。低圧バッテリが劣化しバッテリ電圧Vinが充電基準電圧VR3を下回っている場合には、昇圧回路70の第2スイッチング素子SW2をオンオフ制御して主電源供給回路50の出力電力を副電源供給回路60を経由して低圧バッテリ61に送り充電する(S43)。この場合、充電電圧を所定電圧(例えば13V)に設定して第2スイッチング素子をPWM制御する。
【0066】
そして、充電時間を計測するためのタイマをインクリメントする(S44)。続いて、タイマ値Tbが充電基準時間Tb0を上回ったか否かを判断し(S45)、充電時間が充電基準時間Tb0以下であれば本ルーチンを一旦終了する。
【0067】
低圧バッテリ61の充電が開始された後、その充電時間が充電基準時間Tb0に達すると(S45:YES)、フラグFをF=1にセットする(S46)。従って、それ以降は低圧バッテリ61の充電が禁止される。また、低圧バッテリ61の充電途中で、バッテリ電圧Vinが充電基準電圧VR3以上になれば、タイマ値Txをゼロクリアする(S47)。
【0068】
この低圧バッテリ充電制御ルーチンによれば、昇圧回路70の第2スイッチング素子SW2を制御することにより高圧バッテリ51の電力を副電源供給回路60を経由して低圧バッテリ61に充電することが可能となる。また、充電電圧制御や充電時間の制限により、過電流に対する昇圧回路70や降圧回路55の保護を図ることができる。
【0069】
次に、電動モータ15の制御であるアシスト制御処理について説明する。
図10は、アシスト用電子制御装置31が実行するアシスト制御ルーチンを表すもので、アシスト用電子制御装置31のROM内に制御プログラムとして記憶され、短い周期で繰り返し実行される。
【0070】
まず、ステップS51にて、車速センサ28によって検出された車速Vと、操舵トルクセンサ20のレゾルバ22,23によって検出した回転角度の差から演算された操舵トルクTRを読み込む。続いて、図11に示すアシスト電流テーブルを参照して、入力した車速Vおよび操舵トルクTRに応じた必要アシスト電流ASIを計算する(S52)。アシスト電流テーブルは、アシスト用電子制御装置31のROM内に記憶されるもので、図11に示すように、操舵トルクTRの増加にしたがって必要アシスト電流ASIも増加し、しかも、車速Vが低くなるほど大きな値となるように設定される。
【0071】
続いて、この算出した必要アシスト電流ASIに応じて、モータ駆動回路32(インバータ回路)を制御する(S53)。例えば、必要アシスト電流ASIの大きさにほぼ比例したパルス幅を有する3相のパルス列信号を生成してインバータのスイッチ回路(図示略)に通電することにより、電動モータ15に駆動電流として必要アシスト電流ASIを流し、所定のアシストトルクを発生させる。
【0072】
以上、本実施形態の電動パワーステアリング装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0073】
例えば、各実施形態1〜4の電源供給制御において、高圧バッテリ51の電圧が低下した場合には、降圧回路55の作動を停止させて副電源供給回路60にて電源供給を行うようにしてもよい。
つまり、図12に示すように、高圧バッテリ51の電圧VHinをモニタするとともに、そのバッテリ電圧VHinが予め設定した基準電圧VHR(例えば200V)を上回っているか否かの判断によって(S61)、バッテリ電圧VHinが基準電圧VHR以下であれば降圧回路55の作動を停止させ(S62)、バッテリ電圧VHinが基準電圧VHRを上回っていれば降圧回路55を作動させる(S63)ようにしてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、昇圧回路70にダイオード72を第2スイッチング素子SW2をバイパスさせて設けているが省略してもよい。また、副電源供給回路60への回生電力の吸収を行わない場合には、第2スイッチング素子SW2を省略してダイオード72のみにしてもよい。
また、主電源供給回路50の出力電圧が低下し副電源供給回路60にて電源供給中においては、図示しない報知器(例えばランプやブザー)を作動させて運転者にバッテリ交換を促すようにしてもよい。
また、各実施形態における、電圧値(バッテリ電圧、降圧電圧、昇圧電圧、基準電圧等)については、任意に設定できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図である。
【図2】実施形態の電源装置の概略回路構成図である。
【図3】同期昇圧モードにおける第1、第2スイッチング素子への制御信号を表す説明図である。
【図4】第1実施形態の電源供給制御ルーチンを表すフローチャートである。
【図5】第2実施形態の電源供給制御ルーチンを表すフローチャートである。
【図6】第3実施形態の電源供給制御ルーチンを表すフローチャートである。
【図7】第3実施形態の電源供給制御ルーチンの変形例を表すフローチャートである。
【図8】第4実施形態の電源供給制御ルーチンを表すフローチャートである。
【図9】低圧バッテリの充電制御ルーチンを表すフローチャートである。
【図10】アシスト制御ルーチンを表すフローチャートである。
【図11】アシスト電流テーブルを表す説明図である。
【図12】降圧回路制御ルーチンを表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
操舵アシスト機構…10、電動モータ…15、アシスト制御装置…30、アシスト用電子制御装置…31、モータ駆動回路…32、電源装置…40、主電源供給回路…50、高圧バッテリ…51、主電源供給ライン…53、降圧回路…55、回生吸収回路…56、吸収用スイッチング素子…SW3、副電源供給回路…60、低圧バッテリ…61、副電源供給ライン…63、昇圧回路…70、昇圧用コイル…71、第1スイッチング素子…SW1、第2スイッチング素子…SW2、ダイオード…72、電源制御装置…90、出力電源ライン…100。




 

 


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