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発明の名称 電動車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−14077(P2007−14077A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189536(P2005−189536)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
発明者 田中 重行
要約 課題
2つ以上の電動機によって同一軸を駆動する電動車両において、一方の電動機を非駆動状態にして走行を継続する場合でもインバータ等の回路部品を適切に保護することができる制御技術を提供する。

解決手段
駆動力を出力する駆動軸と、該駆動軸に動力を出力する少なくとも2つの電動機とを備えた電動車両であって、いずれかの電動機が非駆動状態にある場合に、駆動状態にある電動機に対して前記非駆動状態の電動機の逆起電力に基づきトルク制限を実行する制御手段を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
駆動力を出力する駆動軸と、該駆動軸に動力を出力する少なくとも2つの電動機とを備えた電動車両であって、
いずれかの電動機が非駆動状態にある場合に、駆動状態にある電動機に対して前記非駆動状態の電動機の逆起電力に基づきトルク制限を実行する制御手段を備えたことを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記制御手段は、電動機について異常を検出した場合、該電動機への電力供給路を電気的に遮断して非駆動状態にすることを特徴とする請求項1記載の電動車両。
【請求項3】
前記制御手段は、トルク制限を実行している電動機がある場合、車両が停止していると判断したことを条件に前記トルク制限を解除することを特徴とする請求項1又は2記載の電動車両。
【請求項4】
前記制御手段は、電動機に対して実行しているトルク制限を解除する場合、トルク制限値が段階的に上昇するように制御して解除することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項5】
駆動力を出力する駆動軸と、該駆動軸に動力を出力する少なくとも2つの電動機とを備えた電動車両のための制御装置であって、
いずれかの電動機が非駆動状態にある場合に、駆動状態にある電動機に対して前記非駆動状態の電動機の逆起電力に基づきトルク制限を実行することを特徴とする制御装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上の電動機によって同一軸を駆動する電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
2つ以上の電動機によって同一軸を駆動する電動車両が知られている。例えば、特許文献1では、独立した2系統の駆動源によって同一の軸を駆動する構成の電動車両が開示されており、一方の系統に異常が生じた場合に、正常な駆動源の出力の一部を異常が生じている駆動源で回生して、異常が生じた系統の補機に回生電力を供給することで、継続した走行を可能とする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−135371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように電動車両に2つ以上の電動機を備えることで、一方の電動機に異常が生じた場合でも、他方の電動機を利用して走行することができる。
【0004】
しかし、各電動機の出力軸がクラッチを介さずに同一の駆動軸に係合している場合、異常が生じた電動機について電力供給を停止して非駆動状態にし、異常のない電動機にて走行を継続すると、駆動軸の回転に伴って非駆動状態の電動機に逆起電圧が発生することから、高速走行によって逆起電圧がインバータ等の回路部品の耐電圧を超える場合に、該回路部品の故障を招くおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、2つ以上の電動機によって同一軸を駆動する電動車両において、一方の電動機を非駆動状態にして走行を継続する場合にインバータ等の回路部品を適切に保護することができる制御技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の電動車両は、駆動力を出力する駆動軸と、該駆動軸に動力を出力する少なくとも2つの電動機とを備えた電動車両であって、いずれかの電動機が非駆動状態にある場合に、駆動状態にある電動機に対して前記非駆動状態の電動機の逆起電力に基づきトルク制限を実行する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
好適には、前記制御手段は、電動機について異常を検出した場合、該電動機への電力供給路を電気的に遮断して非駆動状態にすることを特徴とする。
【0008】
また好適には、前記制御手段は、トルク制限を実行している電動機がある場合、車両が停止していると判断したことを条件に前記トルク制限を解除することを特徴とする。
【0009】
また好適には、前記制御手段は、電動機に対して実行しているトルク制限を解除する場合、トルク制限値が段階的に上昇するように制御して解除することを特徴とする。
【0010】
本発明の制御装置は、駆動力を出力する駆動軸と、該駆動軸に動力を出力する少なくとも2つの電動機とを備えた電動車両のための制御装置であって、いずれかの電動機が非駆動状態にある場合に、駆動状態にある電動機に対して前記非駆動状態の電動機の逆起電力に基づきトルク制限を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2つ以上の電動機によって同一軸を駆動する電動車両において、一方の電動機を非駆動状態にして走行を継続する場合にインバータ等の回路部品を適切に保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、各図を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【0013】
図1は本実施形態の電動車両の概略構成を示す説明図である。この電動車両は、動力を出力する駆動源を右側、左側で独立して2系統備えている。左側駆動源には、主電源として固体高分子型の燃料電池22、補助電源としてバッテリ21を有する。これらの電源から供給される電力は、駆動回路としてのインバータ24で交流化され、交流モータ25に供給される。
【0014】
右側駆動源も同様の構成である。右側駆動源としては、燃料電池32、バッテリ31、インバータ34、交流モータ35が備えられている。本実施例では、右側駆動源と左側駆動源の出力特性、容量は同一とした。また、燃料電池22、32への燃料ガスは、共通の水素タンク(図示せず)からそれぞれ供給する。
【0015】
モータ25の回転軸26、モータ35の回転軸36は、それぞれギヤボックス40内のギヤ42、43に接続されている。ギヤ42、43は駆動ギヤ41と噛合する平歯車である。駆動ギヤ41は、駆動軸12が結合されている。各モータ25、35の動力は、ギヤボックス40の各ギヤを介して駆動軸12に出力され、ディファレンシャルギヤ13を介して各車輪14L、14Rに伝達される。
【0016】
本実施例において、各駆動源には、電力の供給を受けて種々の補機を駆動するための補機駆動回路23、33が接続されている。補機駆動回路23、33は、燃料電池22、32に燃料ガスや冷却水を供給するポンプ、パワーステアリング用のオイルポンプ、車両の電装機器への電力供給用のアウトレット、バッテリ21の冷却用コンプレッサ、空調用のコンプレッサ、空調用の電熱ヒータ、ブレーキ用のエアコンプレッサなどをそれぞれ有している。
【0017】
車両の各部分は、制御ユニット10によって制御される。制御ユニット10は、内部にCPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに用意された制御プログラムに従って、車両の各部位の運転を制御する。特に本実施例の制御ユニット10は、後述するように、いずれかのモータが非駆動状態にある場合に、駆動状態にあるモータに対して非駆動状態のモータの逆起電力に基づきトルク制限を実行するように構成されている。
【0018】
図中に、各部位の制御を実現するために制御ユニット10に接続されている各種信号線を破線で例示した。制御ユニット10に入力されるセンサ信号としては、アクセル開度センサ11;車速センサ12s;モータの回転数センサ25s、35s;燃料電池22、32の異常検出用センサ22s、32s;バッテリ21、31の残容量(SOC)を検出する残容量センサ21s、31sなどが含まれる。
【0019】
制御ユニット10からの出力信号としては、燃料電池22、32の出力制御信号;補機駆動回路23、33の制御信号;インバータ24、34の制御信号などが含まれる。
【0020】
(第1実施例)
図2、図3は、第1実施例における運転制御処理のフローチャートである。運転制御処理は、制御ユニット10によって、電動車両の走行中又は車両停止時に繰り返し実行されることになる。なお、各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができ、かかる点は、他の実施例についても同様である。
【0021】
制御ユニット10は、まず制御に使用するパラメータとして、アクセル開度、車速などを取得する(ステップS10)。本制御処理で用いられる各種変数において、Rは右側系統についての値、Lは左側系統についての値であることを意味する。
【0022】
次に、制御ユニット10は、これらのパラメータに基づき、以下に示す各種要求動力を設定する(ステップS12)。総要求動力Ptrは、車両を駆動させるための要求動力であり、アクセル開度、車速との関係で予め総要求動力Ptrを与えるマップを参照することで設定される。補機動力PRa、PLaは、補機を駆動するための要求動力であり、各補機の作動状態によって変動する。充電電力PRb、PLbは、バッテリ21、31を充電するための電力である。本実施例では、バッテリ21、31の残容量が予め設定された下限値を下回った時に、充電を開始するため、その時点での残容量に応じて充電電力PRb、PLbが決定される。バッテリ31の残容量が下限値以上である場合には、充電不要であるため、充電電力PRb、PLbは0となる。
【0023】
次に、制御ユニット10は、モータ25、35が正常か否かを判断する(ステップS14)。モータの正常/異常の判断は、従来技術を用いて実行することができる。
【0024】
制御ユニット10は、モータ25、35の双方共に異常であると判断した場合(ステップS14:双方異常)、車両の走行を継続することができないと判断し、システムを停止する(ステップS16)。これと併せて、モータ25、35が異常であることを運転者に報知するようにしてもよい。
【0025】
一方、制御ユニット10は、モータ25、35のいずれか一方が異常であると判断した場合(ステップS16:一方異常)、異常があると判断したモータ(以下、「異常モータ」という)について、電力供給路を電気的に遮断し、非駆動状態にする(ステップS18)。例えば、異常モータ側のインバータをシャットダウン制御し、インバータとモータとを電気的に遮断することが考えられる。なお、この場合も同様に、モータ25、35のいずれか一方が異常であることを運転者に報知するようにしてもよい。
【0026】
次に、制御ユニット10は、異常がないと判断したモータ(以下、「正常モータ」という)について、駆動状態を維持するとともに、トルク制限モードを設定する(ステップS20)。例えば、モータ毎にトルク制限の状態をあらわすステータスフラグを設けておき、正常モータに対応するステータスフラグに「トルク制限ON」を設定することが考えられる。
【0027】
次に、制御ユニット10は、トルク制限モードが設定された駆動状態にあるモータについて、以下の式に基づいて、トルク制限モードにおける最高回転数を求める(ステップS22)。
最高回転数=(非駆動状態にあるモータのインバータ等の回路部品の耐電圧)/(非駆動状態にあるモータの逆起定数)
これにより、駆動状態にあるモータによって駆動される駆動軸12の回転に伴って非駆動状態にあるモータに発生する逆起電圧が、非駆動状態にあるモータのインバータ等の回路部品の耐電圧を超えないように、トルク制限モードにおける最高回転数を求めることができる。なお、式中のモータの逆起定数は、例えば、温度と逆起定数との関係を定めたマップを参照し、処理実行時のモータ温度を当てはめて、求めることができる。
【0028】
次に、制御ユニット10は、トルク制限モードにおける最高回転数とトルク制限値との関係を定めたマップを参照して、前記求めた最高回転数に対応するトルク制限値Tmaxを求める(ステップS24)。
【0029】
次に、制御ユニット10は、駆動状態にあるモータの目標動力M、及び、該モータに対応する燃料電池の電力目標値Eの設定を行う(ステップS26)。各目標値は、例えば以下のようにして設定することが考えられる。
電力目標値;
E=Ptr+PRa+PRb+PLa+PLb;
モータ目標動力;
M=Ptr;
次に、制御ユニット10は、モータ及び燃料電池の動作を制御するためのパラメータとして、駆動状態にあるモータの回転数N、該モータに対応する燃料電池の出力可能電力の上限値Emaxを検出する(ステップS28)。なお、モータ回転数NがステップS24で求めた最高回転数を上回っている場合には、モータ目標動力を負に設定してモータの回生により回転数を落とすように制御することが考えられる。
【0030】
次に、制御ユニット10は、次式の演算により、モータ目標動力Mに上限ガードをかける(ステップS30)。なお、次式中のMINは、2つの値の最小値を選択することを意味する演算子である。
モータ目標動力M=MIN(モータ目標動力M、出力可能電力の上限値Emax);
これにより、燃料電池から供給可能な電力の範囲でモータは駆動されることになる。
【0031】
次に、制御ユニット10は、モータ目標動力Mをモータ回転数Nで除することで、モータの目標トルクTを設定する(ステップS32)。
【0032】
次に、制御ユニット10は、次式の演算により、トルク制限値Tmaxに基づき目標トルクTに上限ガードをかける(ステップS34)。
目標トルクT=MIN(目標トルクT、トルク制限値Tmax);
これにより、駆動状態にあるモータによって駆動される駆動軸12の回転に伴って非駆動状態にあるモータに発生する逆起電圧が、非駆動状態にあるモータのインバータ等の回路部品の耐電圧を超えないように、目標トルクTが設定されることになる。
【0033】
次に、制御ユニット10は、目標トルクT及び電力目標値Eを指令値として、モータ及び電源の制御を行う(ステップS36)。
【0034】
一方、制御ユニット10は、モータ25、35の双方共に正常であると判断した場合(ステップS14:双方正常)、例えば前記ステータスフラグを参照し、モータ25、35のいずれかについてトルク制限モードが設定されている否かを判断する(ステップS38)。そして、いずれについてもトルク制限モードが設定されていないと判断した場合は、通常時の制御に移行すべく、ステップS40に進む一方、いずれかについてトルク制限モードが設定されていると判断した場合は、ステップS50に進む。
【0035】
ステップS40において、制御ユニット10は、モータ25、35の目標動力MR、ML、燃料電池22、32の電力目標値ER、ELの設定を行う(ステップS40)。各目標値は、例えば以下のようにして設定することが考えられる。
電力目標値;
ER=Ptr/2+PRa+PRb;
EL=Ptr/2+PLa+PLb;
モータ目標動力;
MR=Ptr/2;
ML=Ptr/2;
次に、制御ユニット10は、モータ25、35及び燃料電池22、32の動作を制御するためのパラメータとして、各モータの回転数NR、NL、各燃料電池の出力可能電力の上限値ERmax、ELmaxを検出する(ステップS42)。
【0036】
次に、制御ユニット10は、次式の演算により、モータ目標動力MR、MLの上限ガードをかける(ステップS44)。
MR=MIN(MR,ERmax);
ML=MIN(ML,ELmax);
次に、制御ユニット10は、目標動力MR、MLをそれぞれモータ回転数NR、NLで除することで、各モータの目標トルクTR、TLを設定する(ステップS46)。
【0037】
次に、制御ユニット10は、 目標トルクTR、TL及び電力目標値ER、ELを指令値として、電源及びモータの制御を行う(ステップS48)。
【0038】
一方、ステップS38において、モータ25、36のいずれかについてトルク制限モードが設定されていると判断した場合、制御ユニット10は、車両が停止状態にあるか否かを判断する(ステップS50)。例えば、アクセル開度が所定値以下であり、かつ、ブレーキ押下が検出されており、かつ、車速が所定値以下である、という状態が、一定時間以上経過した場合に、車両が停止していると判断することが考えられる。
【0039】
制御ユニット10は、車両が停止状態にないと判断した場合、駆動状態にあるモータに対するトルク制限を継続し、非駆動状態にあるモータへの電力遮断を継続したまま、ステップS22に進む。
【0040】
一方、車両が停止状態にあると判断した場合、制御ユニット10は、トルク制限モードが設定されているモータについて、例えば前記ステータスフラグに「トルク制限OFF」を設定し、トルク制限モードを解除する(ステップS52)。
【0041】
トルク制限状態で走行している場合、アクセルを踏んでも通常走行時のように速度が上がらないため、ドライバーがアクセルを100%近く踏み込んでいる可能性がある。そのため、このような状態でトルク制限を解除してしまうと、車両が突然加速し、ドライバーに飛び出し感を与えてしまうおそれがある。そこで本実施例では、上記のように車両停止状態であることを条件にトルク制限を解除するように構成し、トルク制限解除時の飛び出し感を防止している。
【0042】
次に、制御ユニット10は、非駆動状態にあるモータについて、電力供給路を電気的に接続して駆動状態にする(ステップS54)。そして、通常時の制御に移行すべく、ステップS40に進む。
【0043】
以上の構成によれば、2つのモータによって同一軸を駆動する電動車両において、一方のモータが非駆動状態にあり、他方の駆動状態にあるモータによって走行を継続する場合に、駆動状態にあるモータに対して非駆動状態のモータの逆起電力に基づきトルク制限を実行する構成としているため、駆動状態にあるモータによって駆動される駆動軸12の回転に伴って非駆動状態にあるモータに発生する逆起電圧が、非駆動状態にあるモータのインバータ等の回路部品の耐電圧を超えないように制御することができ、インバータ等の回路部品を適切に保護することができる。
【0044】
また、いずれかのモータについてトルク制限モードを設定している場合、車両が停止していると判断したことを条件にトルク制限モードを解除する構成としているため、トルク制限を解除したことに起因して車両が突然加速してしまうような事態を防止することができる。
【0045】
(第2実施例)
図4、図5は、第2実施例における運転制御処理のフローチャートである。
【0046】
第2実施例は、トルク制限を解除する場合に、トルク制限値が段階的に上昇するように制御する構成となっている点で、第1実施例とは異なっている。
【0047】
ステップS10〜48までは、第1実施例と同様である。
【0048】
ただし、制御ユニット10は、ステップS20〜ステップS36の間において(図3では、ステップS36の後に)、経過時間Tに0をセットするとともに、タイマー開始フラグに1をセットする(ステップS100)。
【0049】
一方、制御ユニット10は、ステップS38においてモータ25、36のいずれかについてトルク制限モードが設定されていると判断した場合、非駆動状態にあるモータについて、電力供給を電気的に接続して駆動状態にする(ステップ102)。
【0050】
次に、制御ユニット10は、タイマー開始フラグが1である場合は(S104:Yes)、該タイマー開始フラグに0をセットするとともに、内部タイマーなどに基づいて経過時間tの計測を開始する(ステップS106)。
【0051】
次に、制御ユニット10は、経過時間tが所定時間txを越えたかどうかを判断し(ステップS108)、経過していない場合には、ステップS116に進む。
【0052】
一方、所定時間txを超えている場合は、制御ユニット10は、例えばTmax=Tmax+αの式により、トルク制限値Tmaxを更新し(ステップS110)、タイマー開始フラグに1をセットする(ステップS112)。なお、αは、所定の定数(例えば、正常モータのトルク上限値Tupの5%に相当する定数)とすることができる。
【0053】
次に、制御ユニット10は、トルク制限値Tmaxがトルク上限値Tupを超えているかどうかを判断し(ステップS114)、超えていないと判断した場合、ステップS116に進む。
【0054】
ステップS116において、制御ユニット10は、モータ25、35の目標動力MR、ML、燃料電池22、32の電力目標値ER、ELの設定を行う(ステップS116)。各目標値は、例えば以下のようにして設定することが考えられる。
電力目標値;
ER=Ptr/2+PRa+PRb;
EL=Ptr/2+PLa+PLb;
モータ目標動力;
MR=Ptr/2;
ML=Ptr/2;
次に、制御ユニット10は、モータ25、35及び燃料電池22、32の動作を制御するためのパラメータとして、各モータの回転数NR、NL、各燃料電池の出力可能電力の上限値ERmax、ELmaxを検出する(ステップS118)。
【0055】
次に、制御ユニット10は、次式の演算により、モータ目標動力MR、MLの上限ガードをかける(ステップS120)。
MR=MIN(MR,ERmax);
ML=MIN(ML,ELmax);
次に、制御ユニット10は、目標動力MR、MLをそれぞれモータ回転数NR、NLで除することで、各モータの目標トルクTR、TLを設定する(ステップS122)。
【0056】
次に、制御ユニット10は、次式の演算により、トルク制限値Tmaxに基づき目標トルクTR、TLに上限ガードをかける(ステップS124)。
目標トルクTR=MIN(目標トルクTR、トルク制限値Tmax/2);
目標トルクTL=MIN(目標トルクTL、トルク制限値Tmax/2);
これにより、モータ25、35によって生成されるトルクは、トルク制限値Tmaxの範囲に抑制されてることになる。
【0057】
次に、制御ユニット10は、 目標トルクTR、TL及び電力目標値ER、ELを指令値として、電源及びモータの制御を行う(ステップS126)。
【0058】
一方、ステップS114において、超えていると判断した場合は、トルク制限モードが設定されているモータについて、例えば前記ステータスフラグに「トルク制限OFF」を設定して、トルク制限モードを解除し(ステップS128)、通常時の制御に移行すべく、ステップS40に進む。
【0059】
以上の構成によれば、第1実施例と同様に、駆動状態にあるモータによって駆動される駆動軸12の回転に伴って非駆動状態にあるモータに発生する逆起電圧が、非駆動状態にあるモータのインバータ等の回路部品の耐電圧を超えないように制御することができ、インバータ等の回路部品を適切に保護することができる。
【0060】
また、いずれかのモータに対して実行しているトルク制限を解除する場合、トルク制限値Tmaxが所定時間txごとに段階的に上昇するように制御して解除しているため、トルク制限を解除したことに起因して車両が突然加速してしまうような事態を防止することができる。また、ドライバーがアクセルを踏み込んでおり、トルク制限値までトルクが上がった状態で走行している場合、ドライバーに対してトルク制限が段階的に解除されいていくのを知覚させることによって、トルク制限解除に対する注意を効果的に喚起することが可能となる。
【0061】
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々に変形して適用することが可能である。例えば、制御ユニット10による処理はソフトウェアで実現する他、ハードウェア的に実現するものとしてもよい。
【0062】
また例えば、上記実施形態では、モータの正常性に基づいてモータの駆動/非駆動を切り替える構成としているが、かかる構成に代えて又は加えて、動力源の他のユニット(例えば、燃料電池など)の正常性に基づいてモータの駆動/非駆動を切り替える構成としてもよい。
【0063】
また例えば、上記第2実施例では、いずれかのモータに対して実行しているトルク制限を解除する場合、トルク制限値が段階的に上昇するように制御して解除する構成としているが、かかる構成に代えて又は加えて、トルク制御系の1次遅れ定数を段階的に変化させて徐々に応答性を上げていくことで、車両が突然加速してしまうような事態を防止する構成とすることも考えられる。
【0064】
また例えば、上記実施形態では、複数のモータが同一軸を駆動する構成としているが、各モータが異なる駆動軸をそれぞれ駆動する構成(例えば、モータ1が前輪を駆動し、モータ2が後輪を駆動する構成)とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施形態における電動車両の概略構成を示す図である。
【図2】第1実施例における運転制御処理のフローチャートである。
【図3】第1実施例における運転制御処理のフローチャートである。
【図4】第2実施例における運転制御処理のフローチャートである。
【図5】第2実施例における運転制御処理のフローチャートである。
【図6】第2実施例における運転制御処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
10・・・制御ユニット、12・・・駆動軸、13・・・ディファレンシャルギヤ、14R、14L・・・車輪、15・・・接続機、21、31・・・バッテリ、21s、31s・・・残容量センサ、22、32・・・燃料電池、22s、32s・・・異常検出用センサ、23、33・・・補機駆動回路、24、34・・・インバータ、25、35・・・交流モータ、25s、25s・・・回転数センサ、26、36・・・回転軸、40・・・ギヤボックス、41・・・駆動ギヤ、42・・・ギヤ





 

 


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