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発明の名称 駆動システムの制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−14072(P2007−14072A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189358(P2005−189358)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 相馬 貴也 / 吉田 寛史 / 茂刈 武志
要約 課題
キャパシタセルの電圧がシステム異常電圧V(1)よりも高くなることを抑制する。

解決手段
ECUは、キャパシタを構成する複数のキャパシタセルのうちのいずれか一つのキャパシタセルの電圧が、システム異常電圧V(1)よりも低い場合(S102にてYES)において、いずれか一つのキャパシタセルの電圧が、システム電圧V(1)よりも低電圧のセル充電禁止電圧V(2)よりも高くなると(S104にてNO)、キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)を「0」に設定するステップ(S108)を含む、プログラムを実行する。
特許請求の範囲
【請求項1】
バッテリと、前記バッテリに並列に接続されたキャパシタと、前記バッテリおよび前記キャパシタに充電する電力を車両の回生制動時に発電する回転電機とを含む駆動システムの制御装置であって、
前記バッテリへの充電電力の第1の最大値を算出するための第1の算出手段と、
前記キャパシタの電圧が、予め定められた第1の電圧よりも低い第2の電圧以下になるように、前記キャパシタへの充電電力の第2の最大値を算出するための第2の算出手段と、
前記第1の最大値および前記第2の最大値に基づいて、前記回転電機における発電電力を算出するための第3の算出手段と、
前記第1の最大値および前記第2の最大値に基づいて、前記バッテリおよび前記キャパシタへの充電を制御するための制御手段とを含む、駆動システムの制御装置。
【請求項2】
前記第1の電圧は、前記キャパシタの電圧が前記第1の電圧に達した場合に前記駆動システムが異常であると判定される電圧である、請求項1に記載の駆動システムの制御装置。
【請求項3】
前記第2の算出手段は、前記キャパシタの電圧が前記第2の電圧に達した場合、前記第2の最大値をゼロとして算出するための手段を含み、
前記キャパシタからの放電は、前記キャパシタの電圧が前記第2の電圧に達した場合において許容される、請求項1または2に記載の駆動システムの制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動システムの制御装置に関し、特に、バッテリと、バッテリに並列に接続されたキャパシタとを、車両の回生制動時に発電された電力により充電する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題対策の一環として、エンジンおよびモータの少なくともいずれか一方からの駆動力により走行するハイブリッド車が注目されている。このようなハイブリッド車においては、モータに供給する電力を蓄えるため、バッテリやキャパシタ(コンデンサ)などが搭載されている。
【0003】
特開平11−332012号公報(特許文献1)は、エンジンと、アシストモータとを有する車両駆動システムを開示する。特許文献1に記載の車両駆動システムは、車両の主推進力を発生するエンジンと、車両のアシスト推進力を発生するアシストモータと、補機蓄電部(補機バッテリ)からの供給電力で駆動してエンジンを始動するスタータモータと、補機蓄電部からの供給電力をアシストモータで要求される電圧へ昇圧変換する電力コンバータと、電力コンバータによって昇圧された電力を一時的に蓄え、蓄えた電力をアシストモータへ供給するモータ用蓄電部(キャパシタ)と、電力コンバータを制御して回生駆動させ、モータ用蓄電部に蓄えられた電力を用いて補機蓄電部へ電力を補給する補給充電制御部とを含む。補給充電された補機蓄電部の電力によってスタータモータが駆動され、エンジンが始動される。
【0004】
この公報に記載の車両駆動システムによると、以前の駆動システムのシステムダウンの時点でモータ用蓄電部に残っている電気エネルギが、エンジン始動に利用される。電力コンバータの回生駆動により、モータ用蓄電部に残っている電力を用いて補機蓄電部へ電力が補給される。これにより、補機蓄電部の蓄電量が増し、補機蓄電部が十分な電力をスタータモータに供給でき、エンジンの始動性を向上できる。
【特許文献1】特開平11−332012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開平11−332012号公報に記載の車両駆動システムにおいては、モータ用蓄電部(キャパシタ)に電力が蓄えられるが、このとき、一般的には、システム異常とみなされるような電圧(たとえば定格電圧)以下になるように、キャパシタの電圧が制御される。しかしながら、充電制御(機器)の作動遅れ等により過渡的にキャパシタの電圧が大きくなった場合であってもシステム異常とみなされ、車両の走行が禁止されることがある。
【0006】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、駆動システムの異常を抑制してキャパシタを充電することができる駆動システムの制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る駆動システムの制御装置は、バッテリと、バッテリに並列に接続されたキャパシタと、バッテリおよびキャパシタに充電する電力を車両の回生制動時に発電する回転電機とを含む駆動システムを制御する。この制御装置は、バッテリへの充電電力の第1の最大値を算出するための第1の算出手段と、キャパシタの電圧が、予め定められた第1の電圧よりも低い第2の電圧以下になるように、キャパシタへの充電電力の第2の最大値を算出するための第2の算出手段と、第1の最大値および第2の最大値に基づいて、回転電機における発電電力を算出するための第3の算出手段と、第1の最大値および第2の最大値に基づいて、バッテリおよびキャパシタへの充電を制御するための制御手段とを含む。
【0008】
第1の発明によると、バッテリへの充電電力の第1の最大値が算出されるとともに、キャパシタの電圧が、予め定められた第1の電圧よりも低い第2の電圧以下になるように、キャパシタへの充電電力の第2の最大値が算出される。たとえば、キャパシタの電圧が、駆動システムが異常であると判定される電圧よりも低い第2の電圧以下になるように、キャパシタへの充電電力の第2の最大値が算出される。第1の最大値および第2の最大値に基づいて、回転電機における発電電力が算出され、算出された発電電力分だけ発電される。発電された電力は、第1の最大値および第2の最大値に基づいて、バッテリおよびキャパシタに充電される。すなわち、第1の最大値および第2の最大値を超えないように、バッテリおよびキャパシタが充電される。ここで、第2の最大値は、キャパシタの電圧が第2の電圧以下になるように算出される。そのため、キャパシタの充電制御の作動遅れ等により、過渡的にキャパシタの電圧が第2の電圧を超えることがあっても、駆動システムが異常であると判定されるような第1の電圧を超えることを抑制することができる。その結果、駆動システムの異常を抑制してキャパシタを充電することができる駆動システムの制御装置を提供することができる。
【0009】
第2の発明に係る駆動システムの制御装置においては、第1の発明の構成に加え、第1の電圧は、キャパシタの電圧が第1の電圧に達した場合に駆動システムが異常であると判定される電圧である。
【0010】
第2の発明によると、駆動システムが異常であると判定される電圧よりも低い第2の電圧以下になるように、キャパシタへの充電電力の第2の最大値が算出される。このような第2の最大値を超えないように、キャパシタへの充電が制御される。これにより、キャパシタの充電制御の作動遅れ等により、過渡的にキャパシタの電圧が第2の電圧を超えることがあっても、駆動システムが異常であると判定されるような第1の電圧を超えることを抑制することができる。そのため、駆動システムの異常を抑制してキャパシタを充電することができる。
【0011】
第3の発明に係る駆動システムの制御装置においては、第1または2の発明の構成に加え、第2の算出段は、キャパシタの電圧が第2の電圧に達した場合、第2の最大値をゼロとして算出するための手段を含む。キャパシタからの放電は、キャパシタの電圧が第2の電圧に達した場合において許容される。
【0012】
第3の発明によると、キャパシタの電圧が第2の電圧に達した場合、第2の最大値がゼロとして算出される。すなわち、キャパシタへの充電が停止される。キャパシタへの充電が停止された場合においても、キャパシタからの放電は許容される。これにより、キャパシタの電圧が第2の電圧より小さくなることを促進することができる。そのため、キャパシタの充電制御の作動遅れ等により、過渡的にキャパシタの電圧が第2の電圧を超えることがあっても、駆動システムが異常であると判定されるような第1の電圧を超えることを抑制することができる。その結果、駆動システムの異常を抑制してキャパシタを充電することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0014】
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を搭載したハイブリッド車両について説明する。この車両は、エンジン100と、MG(Motor Generator)(1)200と、MG(2)300と、動力分割機構400と、インバータ(1)500と、インバータ(2)600、バッテリ700と、コンバータ800と、キャパシタ900とを含む、この車両は、エンジン100およびMG(2)300の少なくともいずれか一方からの駆動力により走行する。
【0015】
エンジン100、MG(1)200およびMG(2)300は、動力分割機構400を介して接続されている。エンジン100が発生する動力は、動力分割機構400により、2経路に分割される。一方は減速機を介して車輪(図示せず)を駆動する経路である。もう一方は、MG(1)200を駆動させて発電する経路である。
【0016】
MG(1)200は、三相交流モータである。MG(1)200は、動力分割機構400により分割されたエンジン100の動力により発電するが、MG(1)200により発電された電力は、車両の走行状態や、バッテリ700のSOC(State Of Charge)の状態に応じて使い分けられる。たとえば、通常走行時では、MG(1)200により発電された電力はそのままMG(2)300を駆動させる電力となる。一方、バッテリ400のSOCが予め定められた値よりも低い場合、MG(1)200により発電された電力は、インバータ500により交流から直流に変換される。その後、コンバータ800により電圧が調整されてバッテリ700に蓄えられたり、電圧が調整されずにキャパシタ900に蓄えられたりする。
【0017】
MG(1)200が発電機として作用している場合、MG(1)200は負のトルクを発生している。ここで、負のトルクとは、エンジン100の負荷となるようなトルクをいう。MG(1)200が電力の供給を受けてモータとして作用している場合、MG(1)200は正のトルクを発生する。ここで、正のトルクとは、エンジン100の負荷とならないようなトルク、すなわち、エンジン100の回転をアシストするようなトルクをいう。なお、MG(2)300についても同様である。
【0018】
MG(2)300は、三相交流モータである。MG(2)300は、バッテリ700に蓄えられた電力、キャパシタ900に蓄えられた電力およびMG(1)200により発電された電力のうちの少なくともいずれかの電力により駆動する。MG(2)300には、インバータ(2)600により直流から交流に変換された電力が供給される。
【0019】
MG(2)300の駆動力は、減速機を介して車輪に伝えられる。これにより、MG(2)300はエンジン100をアシストしたり、MG(2)300からの駆動力により車両を走行させたりする。
【0020】
一方、ハイブリッド車両が回生制動時には、減速機を介して車輪によりMG(2)300が駆動され、MG(2)300が発電機として作動される。これによりMG(2)300は、制動エネルギを電力に変換する回生ブレーキとして作用する。MG(2)300により発電された電力は、インバータ(2)600を介してバッテリ700に蓄えられたり、キャパシタ900に蓄えられたりする。
【0021】
バッテリ700は、複数のバッテリセルを一体化したバッテリモジュールを、さらに複数直列に接続して構成された組電池である。バッテリ700からの放電電圧およびバッテリ700への充電電圧は、コンバータ800により調整される。キャパシタ900は、複数のセルを並列に接続して構成される。なお、耐電性能を高めるために、一部のセルを直列に接続してキャパシタ900を構成してもよい。
【0022】
エンジン100、インバータ(1)500、インバータ(2)600およびコンバータ800は、ECU(Electronic Control Unit)1000により制御される。ECU1000は、HV(Hybrid Vehicle)_ECU1010と、MG_ECU1020と、エンジンECU1030とを含む。
【0023】
HV_ECU1010には、温度センサ902からキャパシタ900の温度を表す信号が、電圧計904からキャパシタ900の電圧を表す信号が入力される。さらにHV_ECU1010には、車速センサ2000から車速を表す信号が、アクセル開度センサ2100からアクセルペダル(図示せず)の開度を表す信号が、ブレーキ踏力センサ2200からブレーキペダル(図示せず)の踏力を表す信号が入力される。
【0024】
また、HV_ECU1010は、各キャパシタセルの端子が接地された基板910に接続されており、基板910を介して各キャパシタセルの電圧を検知する。なお、基板910を用いて各キャパシタセルの電圧を検知する代わりに、その他、各キャパシタセルに電圧計を設けるようにしてもよい。
【0025】
HV_ECU1010は、車速、アクセル開度、ブレーキ踏力などに基づいて、バッテリ700およびキャパシタ900への充放電電力を算出する。また、HV_ECU1010は、バッテリ700の温度やSOCなどに基づいて、バッテリ700への充電電力制限値(充電される電力の最大値)WIN(B)や放電電力制限値(放電される電力の最大値)WOUT(B)を算出する。
【0026】
同様に、HV_ECU1010は、キャパシタ900の温度や電圧に基づいて、キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)や放電電力制限値WOUT(C)を算出する。バッテリ700およびキャパシタ900への充放電電力は、それぞれの制限値を超えないように算出される。
【0027】
MG_ECU1020には、回転数センサ202からMG(1)200の回転数を表す信号が、回転数センサ302からMG(2)300の回転数を表す信号が入力される。エンジンECU1030には、回転数センサ102からエンジン100の回転数を表す信号が入力される。
【0028】
HV_ECU1010、MG_ECU1020およびエンジンECU1030は、相互に信号を送受信可能であるように接続されている。HV_ECU1010は、各ECUに入力された信号やメモリ(図示せず)に記憶されたプログラムおよびマップに基づいて、エンジン100、MG(1)200およびMG(2)300への要求出力値などを算出する。
【0029】
MG_ECU1020は、MG(1)200およびMG(2)300への要求出力値に基づいて、インバータ(1)500およびインバータ(2)600を制御することにより、MG(1)200およびMG(2)300を制御する。エンジンECU1030は、エンジン100への要求出力値に基づいて、エンジン100を制御する。
【0030】
本実施の形態において、バッテリ700の充放電およびキャパシタ900の充放電は、コンバータ800の出力電圧(システム電圧)を変更することにより制御される。
【0031】
たとえば、MG(1)200もしくはMG(2)300に電力を供給する場合、キャパシタ900の電圧よりもコンバータ800の出力電圧を低くすると、キャパシタ900から優先的に放電される。コンバータ800の出力電圧をキャパシタ900の電圧以上にすると、バッテリ700から優先的に放電される。
【0032】
一方、MG(1)200もしくはMG(2)300で発電された電力をバッテリ700もしくはキャパシタ900に充電する場合、コンバータ800の出力電圧をキャパシタ900の電圧以下にすると、バッテリ700に優先的に充電される。キャパシタ900の電圧よりもコンバータ800の出力電圧を高くすると、キャパシタ900に優先的に充電される。
【0033】
図2を参照して、動力分割機構400についてさらに説明する。動力分割機構400は、サンギヤ402と、ピニオンギヤ404と、キャリア406と、リングギヤ408とを含む遊星歯車から構成される。
【0034】
ピニオンギヤ404は、サンギヤ402およびリングギヤ408と係合する。キャリア406は、ピニオンギヤ404が自転可能であるように支持する。サンギヤ402はMG(1)200の回転軸に連結される。キャリア406はエンジン100のクランクシャフトに連結される。リングギヤ408はMG(2)300の回転軸および減速機1100に連結される。
【0035】
エンジン100、MG(1)200およびMG(2)300が、遊星歯車からなる動力分割機構400を介して連結されることで、エンジン100、MG(1)200およびMG(2)300の回転数は、図3に示すように、共線図において直線で結ばれる関係になる。
【0036】
図4を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU1000が実行するプログラムの制御構造について説明する。以下に説明するプログラムは、車両の回生制動時において実行される。なお、車両の回生制動時以外で、バッテリ700もしくはキャパシタ900の充電を行なう際に実行するようにしてもよい。
【0037】
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU1000は、基板910を介して各キャパシタセルの電圧を検知する。
【0038】
S102にて、ECU1000は、複数のキャパシタセルのうちのいずれか一つのキャパシタセルの電圧が、システム異常電圧V(1)よりも低いか否かが判別される。ここで、システム異常電圧V(1)は、たとえばキャパシタセルの定格電圧である。いずれか一つのキャパシタセルの電圧が、システム異常電圧V(1)よりも低い場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでないと(S102にてNO)、処理はS200に移される。
【0039】
S104にて、ECU1000は、複数のキャパシタセルのうちのいずれか一つのキャパシタセルの電圧が、セル充電禁止電圧V(2)よりも低いか否かが判別される。ここで、セル充電禁止電圧V(2)はシステム異常電圧V(1)よりも低い値に設定される。いずれか一つのキャパシタセルの電圧が、セル充電禁止電圧V(2)よりも低い場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。もしそうでないと(S104にてNO)、処理はS108に移される。
【0040】
S106にて、ECU1000は、キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)を算出する。キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)は、たとえばキャパシタ900の温度や電圧などに基づいて算出される。
【0041】
S108にて、ECU1000は、キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)を「0」に設定する。すなわち、キャパシタ900への充電電力が「0」になるようにして、充電を停止する。このとき、キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)のみが「0」に設定され、キャパシタ900からの放電電力制限値WOUT(C)は「0」に設定されない。すなわち、キャパシタ900からの放電を許容した状態で、充電が停止される。
【0042】
S110にて、ECU1000は、バッテリ700への充電電力制限値WIN(B)を算出する。バッテリ700への充電電力制限値WIN(B)は、たとえばバッテリ700の温度やSOCなどに基づいて算出される。なお、キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)よりもバッテリ700への充電電力制限値WIN(B)を先に算出するようにしてもよく、同時に算出するようにしてもよい。
【0043】
S112にて、ECU1000は、キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)とバッテリ700への充電電力制限値WIN(B)との和に基づいて、MG(2)300における発電電力(回生電力)を算出する。このとき、たとえばMG(2)300における発電電力は、キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)とバッテリ700への充電電力制限値WIN(B)との和を超えないように算出される。
【0044】
S114にて、ECU1000は、コンバータ800への指令電圧(出力電圧の目標値)を算出する。このとき、コンバータ800への指令電圧は、キャパシタ900への充電電力が充電電力制限値WIN(C)を超えず、バッテリ700への充電電力が充電電力制限値WIN(B)を超えないような値に算出される。
【0045】
S116にて、ECU1000は、算出された指令電圧になるように、コンバータ800を制御する。S200にて、ECU1000は、車両の走行を禁止する。
【0046】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、実施の形態に係る制御装置であるECU1000の動作について説明する。
【0047】
たとえば運転者がブレーキペダルを踏むなどして、回生制動を行なう場合、基板910を介して各キャパシタセルの電圧が検知される(S100)。ここでは、各キャパシタセルの電圧がシステム異常電圧V(1)よりも低く(S102にてYES)、かつセル充電禁止電圧V(2)よりも低い(S104にてYES)と想定する。
【0048】
この場合、減速後の加速に備え、キャパシタ900に電力を蓄える必要があるといえる。そのため、キャパシタ900への充電電力を不必要に制限しない範囲内で、充電電力制限値WIN(C)が算出される(S106)。また、また、キャパシタ900への充放電電力制限値WIN(C)とは別に、バッテリ700への充電電力制限値WIN(B)が算出される(S110)。これらの充電電力制限値WIN(C)と充電電力制限値WIN(B)との和に基づいて、MG(2)300における発電電力が算出される(S112)。
【0049】
キャパシタ900への充電電力が充電電力制限値WIN(C)を超えず、バッテリ700への充電電力が充電電力制限値WIN(B)を超えないように、MG(2)300で発電された電力がバッテリ700およびキャパシタ900に充電される指令電圧が算出される(S114)。この指令電圧になるように、コンバータ800が制御される(S116)。
【0050】
これにより、図5に示すように、時刻T(1)からキャパシタ900が充電され始め、キャパシタセルの電圧が上昇し始める。これにより、運動エネルギを電気エネルギとして回収し、エネルギ効率を向上することができる。
【0051】
このようにキャパシタ900を充電することにより、何等かの異常が発生して、複数のキャパシタセルのうちのいずれか一つのキャパシタセルの電圧が、システム異常電圧V(1)よりも高くなると(S102にてYES)、ハイブリッドシステムの損傷を抑制するため、車両の走行が禁止される(S200)。
【0052】
このようにして、ハイブリッドシステムの安全性が確保されるが、キャパシタセルの電圧が過渡的にシステム異常電圧V(1)を超えることもあるため、頻繁に車両の走行が禁止されることがあり得る。したがって、より低い段階からキャパシタセルの電圧上昇を抑制する必要がある。
【0053】
そこで、図5において時刻T(2)に示すように、複数のキャパシタセルのうちのいずれか一つのキャパシタセルの電圧が、システム異常電圧V(1)よりも低い場合(S102にてYES)において、いずれか一つのキャパシタセルの電圧が、システム電圧V(1)よりも低電圧のセル充電禁止電圧V(2)よりも高くなると(S104にてNO)、キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)が「0」に設定される(S108)。
【0054】
キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)が「0」に設定されることにより、コンバータ800の指令電圧(システム電圧)が一定に保たれ、キャパシタ900への充電電力が「0」にされて、充電が停止される。
【0055】
これにより、キャパシタセルの電圧が、セル充電禁止電圧V(2)を超えることが抑制される。そのため、コンバータ800の作動遅れ等により、キャパシタセルの電圧が過渡的にセル充電禁止電圧V(2)を超えるようなことがあっても、キャパシタセルの電圧が、システム異常電圧V(1)よりも高くなることが抑制される。その結果、車両の走行が頻繁に禁止されることを抑制することができる。
【0056】
さらにこのとき、キャパシタ900からの放電は許容されているので、回生制動後の再加速時などにおいてキャパシタ900に蓄えられた電力を消費し、キャパシタセルの電圧を下げることができる。これにより、キャパシタセルの電圧がセル充電禁止電圧V(2)より低くなることを促進することができる。
【0057】
以上のように、本実施の形態に係る制御装置であるECU1000によれば、キャパシタセルの電圧が、システム異常電圧V(1)よりも低電圧のセル充電禁止電圧V(2)よりも高い場合、キャパシタ900への充電電力制限値WIN(C)が「0」に設定され、キャパシタ900への充電が停止される。これにより、キャパシタセルの電圧が、セル充電禁止電圧V(2)を超えることを抑制することができる。そのため、コンバータの作動遅れ等により、キャパシタセルの電圧が過渡的にセル充電禁止電圧V(2)を超えるようなことがあっても、キャパシタセルの電圧が、システム異常電圧V(1)よりも高くなることを抑制することができる。その結果、ハイブリッドシステムが異常な状態になることを抑制することができる。
【0058】
なお、キャパシタ900への充電が停止された場合において、MG(2)300で発電された電力は、バッテリ700に充電するようにしてもよく、MG(1)200でエンジン100を駆動することにより熱として消費するようにしてもよい。
【0059】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載したハイブリッド車を示す構成概略図である。
【図2】動力分割機構を示す図である。
【図3】エンジン、MG(1)およびMG(2)の回転数の関係を示す共線図(その1)である。
【図4】本発明の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図5】キャパシタセルの電圧の推移を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0061】
100 エンジン、102 回転数センサ、200 MG(1)、202 回転数センサ、300 MG(2)、302 回転数センサ、400 動力分割機構、402 サンギヤ、404 ピニオンギヤ、406 キャリア、408 リングギヤ、500 インバータ、700 バッテリ、800 コンバータ、900 キャパシタ、902 温度センサ、904 電圧計、1000 ECU、1010 HV_ECU、1020 MG_ECU、1030 エンジンECU、1100 減速機、2000 車速センサ、2100 アクセル開度センサ、2200 ブレーキ踏力センサ。




 

 


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