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発明の名称 パネル構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8417(P2007−8417A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−195032(P2005−195032)
出願日 平成17年7月4日(2005.7.4)
代理人 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
発明者 平坂 直人
要約 課題
低周波から高周波まで広い領域で制振・遮音を行うことができ、施工性を良好なパネル構造を提供する。

解決手段
パネル本体1上に粘弾性層2を介して独立気泡30を内部に多数有する硬質発泡体からなる拘束層3を取り付けている。この拘束層3は、所望の形状に成形した硬質発泡体を貼り付けるほか、原材を貼り付け後に、加熱により、発泡・硬化させる手法や、原料を粘弾性層2上に吹き付けて、そこで化学反応を起こさせて発泡・硬化させる手法を用いることが可能である。
特許請求の範囲
【請求項1】
パネル本体に粘弾性層を介して拘束層が取り付けられたパネル構造において、
前記拘束層は硬質発泡体であることを特徴とするパネル構造。
【請求項2】
前記粘弾性層は、接着剤であることを特徴とする請求項1記載のパネル構造。
【請求項3】
前記硬質発泡体は硬質ウレタンであることを特徴とする請求項1または2に記載のパネル構造。
【請求項4】
前記粘弾性層および前記拘束層は、前記パネル本体に対してビード形状となるよう取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパネル構造。
【請求項5】
前記パネル本体は、車両のドアパネルであって、前記粘弾性層および前記拘束層は、車両前後方向に対して所定の方向へ延在するよう配置されていることを特徴とする請求項4記載のパネル構造。
【請求項6】
前記パネル本体は、車両のルーフパネルであって、前記粘弾性層および前記拘束層は、車両前後方向に沿った方向に延在するよう配置されていることを特徴とする請求項4記載のパネル構造。
【請求項7】
前記パネル本体は、車両のルーフパネルであって、前記粘弾性層および前記拘束層は、車両幅方向に沿った方向に延在するよう配置されていることを特徴とする請求項4記載のパネル構造。
【請求項8】
前記拘束層は曲折部を有していることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のパネル構造。
【請求項9】
前記拘束層は、パネル本体に材料を吹き付けて発泡成形されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のパネル構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドアやルーフ等に用いられるパネル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドアやルーフ等には、内板と外板の間に補強部材を配置することで、所望の強度を確保しつつ軽量化を図ったパネル構造が用いられている。ところで、車両の走行中には、車体にはさまざまなモード、振動数の振動が付与され、その振動によりこのようなパネル構造が共振すると、車室内の空気を振動させ、乗員に不快な騒音として感じられることがある。そこで振動を抑制するパネル構造として例えば、特許文献1に開示された技術が知られている。この技術では、ドア補強部材を弾性体と取り付け部材を介してドアパネル本体にフローティング支持するものである。
【特許文献1】特開平5−246224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この特許文献1のパネル構造は、部品点数も多く、構造も複雑化するため、施工に手間がかかるという問題点がある。また、この構成は、特に低周波領域を対象としたものであり、低周波から高周波に至る広い領域で制振・遮音を行うことが難しいという問題点がある。
【0004】
そこで本発明は、低周波から高周波まで広い領域で制振・遮音を行うことができ、施工性を良好なパネル構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係るパネル構造は、パネル本体に粘弾性層を介して拘束層が取り付けられたパネル構造において、この拘束層は硬質発泡体であることを特徴とする。
【0006】
粘弾性層を介して拘束層をパネル本体に取り付けることで、パネル本体に拘束層が剛性を付与し、その変形を抑制する。また、パネル本体へ振動が付与されると、パネル本体と拘束層の間に介在する粘弾性層が剪断変形し、振動エネルギーを吸収する。
【0007】
この粘弾性層は、接着剤であると、拘束層をパネル本体へ取り付ける際の施工性が向上し、好ましい。一方、硬質発泡体は硬質ウレタンであると、剛性向上効果が得られ、施工性も高く、好ましい。
【0008】
粘弾性層および拘束層は、パネル本体に対してビード形状となるよう取り付けられていると剛性確保の点で有効であり好ましい。
【0009】
パネル本体は、車両のドアパネルであって、粘弾性層および拘束層は、車両前後方向に対して所定の方向へ延在するよう配置されているとよい。あるいは、パネル本体が車両のルーフパネルの場合には、粘弾性層および拘束層は、車両前後方向に沿った方向、あるいは、車両幅方向に沿った方向に延在するよう配置されているとよい。このようにすると、粘弾性層および拘束層の延在方向を、車両走行時の水はねや気流方向に沿った方向またはこれらに直交する方向に合致させる。
【0010】
拘束層は曲折部を有していてもよい。曲折部を有することで多様な形状の拘束層が実現される。
【0011】
この拘束層は、パネル本体に材料を吹き付けて発泡成形させるものであるとよい。発泡成形の方法としては、パネル本体に原料を吹き付けてパネル上で化学反応を起こさせて発泡を形成する手法のほか、パネル本体に樹脂状の原材を貼り付けた後、パネルごと加熱して発泡成形する手法が採用できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、軽量で加工の容易な硬質発泡体を拘束層に用いることで、複雑な形状の拘束層の形成や配置が容易になり、施工性が向上する。この拘束層による剛性付与効果と、粘弾性層の剪断変形による振動エネルギー吸収によって幅広い周波数領域で制振・遮音を行うことができる。
【0013】
これらの粘弾性層および拘束層の延在方向を車両走行時の水はねや気流方向に沿った方向またはこれらに直交する方向に合致させることで、これらの水はねや気流によって生ずるパネル本体の振動を抑制し、それによる騒音の車室内への侵入を抑制することができる。このとき、拘束層が曲折部を有していると、水はねや気流方向へ沿った拘束層の形成が容易となる。
【0014】
拘束層をパネル本体上で成形することで、複雑な形状や配置の拘束層を形成するのが容易になり、施工性が向上する。また、形成後貼り付ける場合に比較して、形状の精度を確保することができ、性能のばらつきを少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、本発明に係るパネル構造の第1の実施形態を示す斜視図である。パネル構造10は、平板状のパネル本体1上に、粘弾性層2を介して硬質発泡体からなる拘束層3が取り付けられたものである。粘弾性層2は例えば接着剤であり、硬質発泡体は、内部に独立気泡30を多数有する発泡樹脂であり、例えば、硬質ウレタンを用いることができる。拘束層3と粘弾性層2は、例えば、図示されるようにパネル本体1上に蒲鉾型に延在するように配置され、ビード部を形成している。拘束層3の幅および厚みはいずれも数mm〜10mm程度であり、粘弾性層2は数μm〜数十μmの厚みを有している。
【0017】
このパネル構造10の製造方法を次に説明する。平板状のパネル本体1の所定の位置に拘束層3の材料となる樹脂40を粘弾性層2を用いて貼り付ける。貼り付け後、パネル本体1ごと加熱すると、熱により樹脂40は、発泡硬化して拘束層3となる。この加熱は、パネル本体1の表面(樹脂40を取り付けた面の反対面、すなわち、図1、図2における下面)側を塗装後乾燥する場合の乾燥工程を利用して行うことができる。発泡硬化前の樹脂40は、柔軟で柔らかく、また、薄いため、配置に合わせた加工や貼り付け等の施工が容易である。
【0018】
このように形成したパネル構造1によれば、拘束層3により、パネル本体1に所望の剛性を付与することができるので、パネル本体1単体の場合に比較して剛性が向上し、その変形を抑制することができる。さらに、パネル本体1に振動が付与された場合には、パネル本体1と拘束層3の間に存在する粘弾性層2が剪断変形することによって振動エネルギーを吸収するので、振動を効果的に減衰させることができ、制振・遮音効果が向上する。付与する剛性は、拘束層3の素材、発泡率、厚み、幅等を変更することにより調整することができる。また、発泡体を拘束層3として用いることで、拘束層3自体も吸音効果を有するため、幅広い周波数領域で遮音効果を達成できる。
【0019】
ここでは、加熱により発泡させる例を説明したが、別に発泡形成した硬質ウレタン等を加工してパネル本体1に貼りつけてもよい。あるいは、パネル本体1に粘弾性層2を配置し、その上に硬質ウレタンの材料を吹き付けてパネル本体1の粘弾性層2上で化学反応を起こさせて、発熱反応により発泡体を形成する手法を用いてもよい。なお、粘弾性層2についても同様の手法を用いることが可能である。これらの場合には、図3に示されるパネル構造10aのように多層構造の拘束層31、32を形成することが容易になる。
【0020】
図4は、本発明に係るパネル構造の他の実施形態を示す斜視図である。このパネル構造10Bでは、パネル本体1上に粘弾性層2を介して、断面が逆T字型の拘束部材3を配置し、その上に拘束部材33全体を覆うように発泡体34を形成することで、拘束層を形成している点が相違する。ここでは、拘束部材33として硬質ウレタン等の発泡体を用い、発泡体34としては、吸音ウレタン等を用いると、剛性確保と吸音効果を両立させることができる。
【0021】
以下、これらのパネル構造の車両への採用例のいくつかを説明する。図5〜図8は、車両5の前部ドアパネル51に採用した場合を例示している。図では、車両5の側面図において拘束層60の位置を示しているが、実際には、前部ドアパネル51の内側に配置されており、外側からは視認できない。ここでは、特に、前輪50による水はね音の遮音に効果的な配置について説明する。
【0022】
図5、図6に示される形態では、いずれも前輪50の下端から前部ドアパネル51方向に延びる放物線に沿った方向に拘束層60〜60が配置されており、前部ドアパネル51の前側下端側で拘束層60〜60を接続する拘束層60が設けられている。図5に示される形態では、中央に配置される拘束層60が、前部ドアパネル51の前側下端から後側上端へ対角線方向へと延びるよう配置されており、拘束層60〜60の拘束層60に接続されている端部と反対側の端部は、他の拘束層60に接続されていない状態におかれている。これに対して、図6に示される形態では、拘束層60〜60は上から下にいくにしたがって全長が長くなる構成となっており、拘束層60〜60の拘束層60に接続されている端部と反対側の端部は拘束層60によって接続されている点が相違している。いずれの形態においても前輪50による水はねに沿った方向に拘束層60〜60の延在方向を略一致させることで、水はねによって前部ドアパネル51に生ずる振動を抑制し、制振・遮音効果を確保している。
【0023】
図7、図8に示される形態では、拘束層61〜61は、前部ドアパネル51の前方下端を中心とする同心円の円弧に沿うような方向に配置されている。これは、図5、図6に示される拘束層60〜60に略直交する方向に配置されているのに等しい。つまり、前輪50による水はねに沿った方向に対して拘束層60〜60の延在方向を直交させている。このようにしても水はねによって前部ドアパネル51に生ずる振動を抑制し、制振・遮音効果を確保することができる。なお、図7に示される形態では、拘束層60〜60を両端で接続していない構成とする一方、図8に示される形態では、拘束層60〜60は両端がそれぞれ拘束層60、60により接続されている。図8に示されるように、両端を接続することで、剛性を付与する効果は高まるが、施工性やドアパネル内の他の構成要素との配置関係にも影響を及ぼすため、図7に示されるように、両端を接続しない構成のほか、いずれか一方のみを接続する構成等を適宜採用すればよい。特に、拘束層60を貼り付けて形成する場合(発泡後貼り付ける場合、貼り付け後発泡成形する場合の両方を含む)には、端部が接続されていると、貼り付けの際に一度に施工することができ、施工性が向上する。
【0024】
図9〜図12は、車両5のルーフパネル53に採用した場合を例示している。図9〜図11では、車両5を上面から見た状態で拘束層61の位置を図示しているが、実際には、ルーフパネル53の内側に配置されており、外側から視認できない点は前部ドアパネル51に配置した拘束層60の場合と同様である。図9〜図11においては、特に車両走行時の風切り音の遮音に効果的な拘束層61の配置例を説明する。
【0025】
図9、図10に示される形態では、車両5の前後方向に沿うような形で、略並行に拘束層61が配置されている。ここで、拘束層61の間隔は、車両前方側から車両後方側に行くにつれて狭くなる形状、つまり、外側の拘束層61ほど、車両後方側より前方側で外側に広がっている形状をなしているとよい。これは、ルーフパネル53上を通過する気流の流れ方向に略沿った方向に拘束層61の延在方向をできるだけ一致させるためである。これにより、特に風切り音の再付着点における振動を抑制することができる。
【0026】
図9に示される形態では、全ての拘束層61の長さを略同一としたが、図10に示される形態のように車両5の前後方向軸中心に沿って配置される拘束層61cのみをルーフパネル53の後端付近まで延長してもよい。このようにすると、低周波路面入力こもり音を制振し、改善することが可能となる。また、ルーフパネル53全体の剛性を強化することができる。
【0027】
図11に示される形態では、車両5の左右方向に略沿って拘束層61が略並行に配置されている。この場合は、ルーフパネル53上を通過する気流の流れ方向に略直交する方向に拘束層61の延在方向をできるだけ一致させている。このように拘束層61を配置しても風切り音の再付着点における振動を抑制することができる。
【0028】
図12は、車両の天井部分の断面図である。この実施形態では、ルーフパネル53に粘弾性層21を介して硬質発泡体からなる拘束層35が取り付けられている。ここで、拘束層35は、ルーフパネル53を固定するサイドレール54、55のうち、内側のサイドレール54に接着面35aを介して接着されている。このため、拘束層35は、サイドレール54とルーフパネル55の接合を補強する役目も果たす。これにより、従来用いられていた金属製(主に鉄製)のルーフリーンフォースメントの代替を果たすことができ、車両全体の軽量化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るパネル構造の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のパネル構造の製造過程を説明する図である。
【図3】図1の変形形態を説明する斜視図である。
【図4】本発明に係るパネル構造の他の実施形態を示す斜視図である。
【図5】図1のパネル構造の前部ドアパネルへの採用例を示す側面図である。
【図6】図1のパネル構造の前部ドアパネルへの採用例を示す別の側面図である。
【図7】図1のパネル構造の前部ドアパネルへの採用例を示すさらに別の側面図である。
【図8】図1のパネル構造の前部ドアパネルへの採用例を示すさらに別の側面図である。
【図9】図1のパネル構造のルーフパネルへの採用例を示す上面図である。
【図10】図1のパネル構造のルーフパネルへの採用例を示す別の上面図である。
【図11】図1のパネル構造のルーフパネルへの採用例を示すさらに別の上面図である。
【図12】図1のパネル構造のルーフパネルへの採用例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1…パネル本体、2…粘弾性層、3…拘束層、5…車両、10…パネル構造、21…粘弾性層、30…独立気泡、31、32、35…拘束層、33…拘束部材、34…発泡体、35…拘束層、35a…接着面、40…樹脂、50…前輪、51…前部ドアパネル、53、55…ルーフパネル、54…サイドレール、60、61…拘束層。




 

 


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